説明

口座確認装置、口座確認方法、口座確認プログラム

【課題】複数の仕向金融機関から複数の被仕向金融機関への口座確認を効率良く行う。
【解決手段】振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置が、複数の仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して被仕向金融機関装置に送信し、送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信し、受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被仕向金融機関の口座を確認する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して仕向金融機関の口座から被仕向金融機関の口座に振込を行う場合、振込先として指定された口座が被仕向金融機関に存在しなければ、振込が正常に行われない。このような場合には、振込先として指定された被仕向金融機関の口座が存在するか否かを確認した後に、振込を行うことが望ましい。そこで、例えば、仕向金融機関と被仕向金融機関とを接続する統合ATMスイッチングサービスを介して、口座確認を行う方法がある。特許文献1、2には、このようなネットワークを介して、口座確認や振込処理を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−16258号公報
【特許文献2】特開2004−252736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の統合ATMスイッチングサービスにおいては1件ずつの口座確認処理を行うことが可能であるが、複数の口座確認処理を一括して行うことはできない。このために、例えば給与振込等において特定の仕向金融機関の口座から複数の被仕向金融機関の口座に大量の振込を行う際、口座確認を行わずに振込を行うことがあった。このような場合、受取人の口座が存在しない、もしくは、受取人の口座は存在するが名義が異なること等により、振込エラーが発生することがあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、複数の仕向金融機関から複数の被仕向金融機関の口座への口座確認を効率良く行う口座確認装置、口座確認方法、口座確認プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置であって、複数の仕向金融機関の口座から、複数の被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、複数の仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部に記憶させる依頼ファイル登録部と、依頼ファイル記憶部に記憶されている依頼ファイルを読み出し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して口座確認電文記憶部に記憶させる口座確認電文生成部と、口座確認電文記憶部に記憶されている口座確認電文を読み出して被仕向金融機関装置に送信する口座確認電文送信部と、口座確認電文送信部が送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信する口座確認結果電文受信部と、口座確認結果電文受信部が受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信する結果送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、被仕向金融機関が口座確認電文を受け付ける時間帯が記憶されている提携時間記憶部と、口座確認電文記憶部から口座確認電文送信部によって読み出された口座確認電文のうち、被仕向金融機関装置への送信が保留された保留口座確認電文が記憶される保留口座確認電文記憶部と、を備え、口座確認電文送信部は、現在時刻が提携時間記憶部に記憶されている時間帯内であるか否かを判定し、現在時刻が時間帯内であると判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関装置に送信し、現在時刻が時間帯内でないと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関装置に送信せずに保留口座確認電文記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、口座確認電文送信部は、現在時刻が時間帯内であると判定した場合、保留口座確認電文記憶部に記憶された保留口座確認電文を優先的に読み出して被仕向金融機関装置に送信した後、口座確認電文記憶部に記憶された口座確認電文を読み出して被仕向金融機関装置に送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、提携時間記憶部には、仕向金融機関と被仕向金融機関との組み合わせ毎に、仕向金融機関からの口座確認電文を被仕向金融機関が受け付ける時間帯が対応付けられて記憶されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、被仕向金融機関装置に対して電文を送信可能な接続経路数が予め記憶されている経路数記憶部と、口座確認電文送信部は、被仕向金融機関装置との間で使用する使用経路数が、経路数記憶部に記憶されている接続経路数より小さいか否かを判定し、使用経路数が接続経路数より小さいと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関装置に送信し、使用経路数が接続経路数より小さくないと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関装置に送信せずに口座確認電文記憶部に再び記憶させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、振込元である仕向金融機関の口座を管理する仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置であって、仕向金融機関の口座から、複数の被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部に記憶させる依頼ファイル登録部と、依頼ファイル記憶部に記憶されている依頼ファイルを読み出し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して口座確認電文記憶部に記憶させる口座確認電文生成部と、口座確認電文記憶部に記憶されている口座確認電文を読み出して被仕向金融機関装置に送信する口座確認電文送信部と、口座確認電文送信部が送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信する口座確認結果電文受信部と、口座確認結果電文受信部が受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信する結果送信部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続され、複数の仕向金融機関の口座から、複数の被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、を備えた口座確認装置の口座確認方法であって、複数の仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部に記憶させるステップと、依頼ファイル記憶部に記憶されている依頼ファイルを読み出し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して口座確認電文記憶部に記憶させるステップと、口座確認電文記憶部に記憶されている口座確認電文を読み出して被仕向金融機関装置に送信するステップと、送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信するステップと、受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信するステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続され、複数の仕向金融機関の口座から、複数の被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、を備えた口座確認装置のコンピュータに、複数の仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部に記憶させるステップと、依頼ファイル記憶部に記憶されている依頼ファイルを読み出し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して口座確認電文記憶部に記憶させるステップと、口座確認電文記憶部に記憶されている口座確認電文を読み出して被仕向金融機関装置に送信するステップと、送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信するステップと、受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置が、複数の仕向金融機関装置から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して被仕向金融機関装置に送信し、送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信し、受信した口座確認結果電文に応じて、依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関装置に送信するようにしたので、複数の仕向金融機関から複数の被仕向金融機関への口座確認を効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による口座確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による提携時間のデータ例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による依頼ファイルのデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による依頼ファイルのデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による依頼ファイルに含まれるヘッダレコードのデータ例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による依頼ファイルに含まれるデータレコードのデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による口座確認電文のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による口座確認電文生成処理の動作例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による口座確認電文送信処理を、負荷状況等に応じて制御しながら行う動作例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による口座確認電文受信処理の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による口座確認システム1の構成を示すブロック図である。口座確認システム1は、複数の仕向金融機関システム100−1、仕向金融機関システム100−2、・・・と、複数の被仕向金融機関システム200−1、被仕向金融機関システム200−2、・・・と、統合ATMシステム300と、口座確認装置400とを備えている。ここで、複数の仕向金融機関システム100−1、仕向金融機関システム100−2、・・・は同様の構成であるので、特に区別しない場合には仕向金融機関システム100として説明する。図では2つの仕向金融機関システム100を示しているが、3以上の仕向金融機関システム100が接続されていて良い。同様に、複数の被仕向金融機関システム200−1、被仕向金融機関システム200−2、・・・は同様の構成であるので、特に区別しない場合には被仕向金融機関システム200として説明する。図では2つの被仕向金融機関システム200を示しているが、3以上の被仕向金融機関システム200が接続されていて良い。
【0017】
仕向金融機関システム100は、被仕向金融機関システム200によって管理される口座に対する振込を行う振込元のコンピュータシステムであり、金融機関サーバ101と、ATM(Automatic teller machine)102と、外接系GW(Gateway)装置103とのコンピュータ装置を備えている。
金融機関サーバ101は、予め契約された利用者の口座情報等が記憶されているコンピュータ装置である。金融機関サーバ101には、例えば、定められた給料日等に特定の口座から他の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが入力され記憶される。ここでは、仕向金融機関の顧客である企業にて生成された依頼ファイルが例えばCD(Compact Disk)等の記憶媒体に記憶され、金融機関サーバ101が記憶媒体から読み出すことにより入力されても良いし、仕向金融機関の顧客である企業からの依頼を受けて、仕向金融機関が金融機関サーバ101を用いて生成するようにしても良い。依頼ファイルは、外接系GW装置103を介して口座確認装置400に送信される。
【0018】
ATM102は、キャッシュカードや通帳を用いて利用者の普通預貯金の預け払い等の処理を行う現金自動預け払い機である。ここでは、このように仕向金融機関システム100がATM102を備える例を説明するが、仕向金融機関システム100はATM102を備えないものであっても良い。本実施形態では、ATM102は金融機関サーバ101および外接系GW装置103に接続されるが、外接系GW装置103には直接接続されていなくても良い。
外接系GW装置103は、金融機関サーバ101およびATM102と、口座確認装置400および統合ATMシステム300とを接続するコンピュータ装置である。ただし、外接系GW装置103はATM102に接続されていなくても良い。
【0019】
被仕向金融機関システム200は、仕向金融機関システム100によって管理される口座からの振込を行う振込先のコンピュータシステムであり、被仕向金融機関システム200は、金融機関サーバ201と、外接系GW装置202とを備えている。
金融機関サーバ201は、予め契約された利用者の口座情報等が記憶されている勘定系のコンピュータ装置である。金融機関サーバ201は、統合ATMシステム300から送信される口座確認電文に応じて、口座確認結果電文を送信する。
外接系GW装置202は、金融機関サーバ201と、統合ATMシステム300とを接続するコンピュータ装置である。
【0020】
統合ATMシステム300は、金融機関同士のATM、CD(Cash dispenser、現金自動支払機)を相互接続する公衆的オンライン中継サービスを行うコンピュータシステムである。例えば、統合ATMシステム300は、統合ATMスイッチングサービスを提供する。統合ATMシステム300は、現金支払、残高照会、口座確認、振込業務等のサービスを提供する。ここでは、仕向金融機関システム100と、口座確認装置400と、被仕向金融機関システム200とを接続するコンピュータシステムとして統合ATMシステム300を例に説明するが、統合ATMシステム300は、実際には複数台のコンピュータ装置から構成されるネットワークであって良く、他の類似のネットワークを適用しても良い。
【0021】
口座確認装置400は、振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関システム100と、仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関システム200とに接続されたコンピュータ装置である。口座確認装置400は、ピーク時間記憶部401と、提携時間記憶部402と、経路数記憶部403と、依頼ファイル記憶部404と、口座確認電文記憶部405と、保留口座確認電文記憶部406と、依頼ファイル登録部407と、口座確認電文生成部408と、口座確認電文送信部409と、口座確認結果電文受信部410と、結果送信部411とを備えている。
【0022】
ピーク時間記憶部401には、統合ATMシステム300が利用されるピーク時間を示す情報が記憶されている。ピーク時間は、例えば月毎、日毎、時間毎に表される。例えば、一般的に給与支払が行われる場合が多い給料日等の情報が記憶される。
【0023】
提携時間記憶部402には、被仕向金融機関が口座確認電文を受け付ける時間帯が記憶される。本実施形態では、仕向金融機関と被仕向金融機関との組み合わせ毎に、仕向金融機関からの口座確認電文を被仕向金融機関が受け付ける時間帯が対応付けられて記憶されている。図2は、提携時間記憶部402に記憶されている提携時間情報の例を示す図である。ここでは、仕向金融機関と被仕向金融機関との組み合わせ毎に、仕向金融機関からの口座確認電文を被仕向金融機関が受け付ける時間帯のパターンを示す情報が対応付けられている。例えば、パターン1は、提携時間が9時から15時の時間帯であることを示し、パターン2は、提携時間が24時間であることを示す。本実施形態では、このような2種類のパターンが対応付けられる例を説明するが、提携時間の時間帯は、これ以外のパターンが存在しても良いし、パターン化せずに開始時間と終了時間とを対応付ける構成としても良い。
【0024】
経路数記憶部403には、統合ATMシステム300から被仕向金融機関システム200に対して電文を送信可能な接続経路数が予め記憶されている。接続経路数とは、統合ATMシステム300と被仕向金融機関システム200との間に引かれた論理的な経路の数であり、同時に送信することが許容されている電文の数を示し、回線の太さを示す。本実施形態では、口座確認装置400が被仕向金融機関システム200に口座確認電文を送信する際、このような接続経路数に基づいて、空き経路が存在するか否かが判定され、空き経路が存在すれば口座確認電文が送信され、空き経路が存在しなければ口座確認電文は送信されないように制御される。
【0025】
依頼ファイル記憶部404には、複数の仕向金融機関の口座から、複数の被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される。依頼ファイルには、全銀協レコードフォーマットに準拠する一括振込依頼のフォーマットを適用することができ、企業と金融機関との間で振込依頼等を行うために生成した情報をそのまま利用することができる。これにより、既存のシステムに本実施形態の構成を導入することが容易となる。依頼ファイルとしては、例えば、総合振込、給与振込、賞与振込等の依頼ファイルが適用できる。
【0026】
図3は、依頼ファイルのデータフォーマットの例を示す図である。依頼ファイルは、ヘッダレコード、データレコード、トレーラレコード、エンドレコードから構成される。ヘッダレコードには、振込元の情報が含まれる。データレコードには、振込み先の情報が含まれる。トレーラレコードには、依頼ファイルによるデータレコードの合計件数や合計金額等の情報が含まれる。エンドレコードには、依頼ファイルの終端であることを示す情報が含まれる。1件の依頼ファイルには、複数のデータレコードが含まれており、本実施形態では、それぞれのデータレコードを依頼レコードという。依頼ファイルは、図4に示すように構成することもできる。図5は、仕向金融機関システム100から送信される依頼ファイル、および依頼ファイルに応じて仕向金融機関システム100に返却される結果ファイルに含まれるヘッダレコードのデータ例を示す図である。結果ファイルにおけるヘッダレコードは、依頼ファイルのヘッダレコードにデータが追記されることにより生成されるため、この図にてまとめて説明する。ヘッダレコードには、仕向金融機関や依頼人を識別する情報等が含まれる。図に示すデータのうち、「ファイル識別子」は結果ファイルにのみ含まれるデータであり、依頼ファイルには含まれない。依頼ファイルにおいては、ファイル識別子もダミーであり、上下のダミーと合わせた桁数(ダミー2桁+ファイル識別子4桁+ダミー11桁=17桁)のデータがダミーである。
【0027】
図6は、仕向金融機関システム100から送信される依頼ファイル、および依頼ファイルに応じて仕向金融機関システム100に返却される結果ファイルに含まれるデータレコードのデータ例を示す図である。ヘッダレコードと同様に、結果ファイルにおけるデータレコードは、依頼ファイルのデータレコードにデータが追記されることにより生成されるため、この図にてまとめて説明する。データレコードには、被仕向金融機関や振込先の口座番号、受取人名(受取人名義)等の情報が含まれる。図に示すデータのうち、「受取人口座確認結果フラグ」は結果ファイルにのみ含まれるデータであり、依頼ファイルには含まれない。依頼ファイルにおいては、受取人口座確認結果フラグもダミーであり、下のダミーと合わせた桁数(受取人口座確認結果フラグ1桁+ダミー6桁=7桁)のデータがダミーである。本実施形態では、これらの依頼ファイル毎、依頼レコード毎の状態を管理するために、依頼ファイル毎、依頼レコード毎にステータスを示す情報を対応付けることとする。依頼ファイルのステータスとしては、例えば「受付済」、「返却待ち」、「返却済」などが対応付けられる。依頼データのステータスとしては、例えば「未処理」、「照会済」、「エラー有」などが対応付けられる。
【0028】
口座確認電文記憶部405には、振込先の口座に対して統合ATMシステム300を介して送信される口座確認電文が記憶される。口座確認電文は、依頼ファイル記憶部404に記憶されている依頼ファイルに基づいて、口座確認電文生成部408によって生成されて記憶される。図7は、口座確認電文のデータ例を示す図である。口座確認電文には、電文種別、金融機関コード、支店コード、科目、口座番号、口座名義、仕向金融機関コード、仕向支店コード等の情報が含まれる。電文種別は、口座確認電文、口座確認結果電文等の電文の種別を示す。金融機関コードは、電文の送信先であり口座確認の対象である被仕向金融機関を識別する情報である。支店コードは、電文の送信先であり口座確認の対象である被仕向金融機関の支店を識別する情報である。科目は、口座確認の対象である口座の科目を示す情報である。口座番号は、口座確認の対象である口座を識別する情報である。口座名義は、口座確認の対象である口座の名義を示す情報である。口座名義は、口座確認電文においては空欄であり、口座確認結果電文においては、口座番号に対応する名義が被仕向先金融機関の金融機関サーバ201によって記録される。仕向金融機関コードは、電文の送信元である仕向金融機関を識別する情報である。仕向支店コードは、電文の送信元である仕向金融機関の支店を識別する情報である。
【0029】
保留口座確認電文記憶部406には、口座確認電文記憶部405から口座確認電文送信部409によって読み出された口座確認電文のうち、被仕向金融機関システム200への送信が保留された保留口座確認電文が記憶される。
依頼ファイル登録部407は、複数の仕向金融機関システム100から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部404に記憶させる。あるいは、依頼ファイル登録部407は、例えば仕向金融機関によって生成された依頼ファイルが記憶されたCD等の記憶媒体を読み込み、読み込んだ依頼ファイルを依頼ファイル記憶部404に記憶させることもできる。
【0030】
口座確認電文生成部408は、依頼ファイル記憶部404に記憶されている依頼ファイルを読み出し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データ毎に、口座確認電文を生成して口座確認電文記憶部405に記憶させる。例えば、依頼データにおける被仕向銀行番号、被仕向支店番号、預金種目、口座番号、その依頼データが含まれる依頼ファイルのヘッダレコードにおける仕向銀行番号、仕向支店番号が、それぞれ口座確認電文における金融機関コード、支店コード、科目、口座番号、仕向金融機関コード、仕向支店コードに対応する。電文種別には口座確認電文に予め定められた情報を対応付ける。口座名義は、口座確認電文においては空欄とする。
【0031】
口座確認電文送信部409は、口座確認電文記憶部405に記憶されている口座確認電文を読み出し、読み出した口座確認電文を、統合ATMシステム300を介して、口座確認電文に示される口座確認対象の被仕向金融機関システム200に送信する。ここで、口座確認電文送信部409は、自身が備える計時機能から現在時刻を取得し、取得した現在時刻が、提携時間記憶部402に記憶されている時間帯内であるか否かを判定し、現在時刻が時間帯内であると判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関システム200に送信し、現在時刻が時間帯内でないと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関システム200に送信せずに保留口座確認電文記憶部406に記憶させる。これにより、予め定められた提携時間に応じて口座確認電文の送信可否を判定して、提携時間内にのみ口座確認電文を送信することができる。
【0032】
また、口座確認電文送信部409は、現在時刻が提携時間の時間帯内であると判定した場合、保留口座確認電文記憶部406に記憶された保留口座確認電文を優先的に読み出して被仕向金融機関システム200に送信した後、口座確認電文記憶部405に記憶された口座確認電文を読み出して被仕向金融機関システム200に送信する。これにより、提携時間外であるために送信が保留された口座確認電文を、提携時間内に改めて送信することができる。
【0033】
また、口座確認電文送信部409は、統合ATMシステム300から、口座確認電文の送信先である被仕向金融機関が現在使用している使用経路数を示す情報を取得する。統合ATMシステム300は、使用経路数の取得要求に応じて、使用経路数を示す情報を送信する。口座確認電文送信部409は、経路数記憶部403から、口座確認電文の送信先である被仕向金融機関に対応する接続経路数を読み出し、統合ATMシステム300から取得した、被仕向金融機関システム200との間で使用している使用経路数が、経路数記憶部403から読み出した接続経路数より小さいか否かを判定する。使用経路数が接続経路数より小さいと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関システム200に送信し、使用経路数が接続経路数より小さくないと判定した場合、口座確認電文を被仕向金融機関システム200に送信せずに、口座確認電文記憶部405に再び記憶させる。これにより、経路数に応じて口座確認電文の送信可否を判定して、使用経路数が接続経路数以下である場合にのみ口座確認電文を送信することができる。
【0034】
ここで、口座確認電文送信部409は、使用経路数を統合ATMシステム300から取得するのではなく、口座確認電文送信部409が被仕向金融機関システム200に電文を送信する際に、送信する電文の量と、予め定められた回線の上限数である接続経路数とを比較するようにしても良い。これにより、定められた接続経路数を超える量の電文が被仕向金融機関システム200への回線に流入することを防ぎ、大量の口座確認電文が回線に過剰な負荷がかかることを防ぐことが可能となる。
【0035】
口座確認結果電文受信部410は、口座確認電文送信部409が被仕向金融機関システム200に送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関システム200から送信される口座確認結果電文を受信する。口座確認結果電文は、図7に示した口座確認電文と同様の構成であり、口座確認電文においては口座名義が空欄であるのに対し、口座番号に対応する口座名義が被仕向金融機関に存在した場合には、その口座名義が対応付けられた口座確認結果電文が返却される。口座番号に対応する口座名義が被仕向金融機関に存在しなかった場合には、口座名義が空欄のままである口座確認結果電文が返却される。口座確認電文が被仕向金融機関システム200に送信されたが空き経路がなかったために口座確認が行われなかった場合には、「空き経路なし」との情報が対応付けられた口座確認結果電文が返却される。
【0036】
結果送信部411は、口座確認結果電文受信部410が受信した口座確認結果電文に応じて、仕向金融機関システム100から送信された依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、生成した結果ファイルを、その依頼ファイルの送信元である仕向金融機関システム100に送信する。ここで、結果送信部411は、口座確認結果電文受信部410が受信した口座確認結果電文に口座名義が含まれる場合には、その口座名義と、送信した口座確認電文の元である依頼データにおける受取人名とが一致するか否かを判定し、その判定結果を結果ファイルに対応付ける。例えば、結果ファイルは図3から図6に示した依頼ファイルについて、図6に示したデータレコードの「ダミー」の項目に、判定結果を対応付ける。判定結果は、例えば、「0」であれば名義が一致したことを示し、「1」であれば名義が一致しなかったことを示し、「2」であれば口座番号が存在しなかったことを示すことなどができる。また、例えば依頼ファイルのフォーマット異常があると判定された場合には、そのことを示す情報を対応付けた結果ファイルを、仕向金融機関システム100に送信する。依頼ファイルのエラーコードとしては、例えば、「A」であれば仕向金融機関の金融機関コードが数字でないことを示し、「C」であれば仕向金融機関の支店コードが数字でないことを示し、「J」であれば依頼ファイルの文字コードが対応しないものであることを示すことなどができる。
【0037】
次に、図面を参照して、本実施形態による口座確認装置400の動作例を説明する。図8は、口座確認装置400による口座確認電文生成処理の動作例を示すフローチャートである。以下、フローチャートの分岐において、「Y」はYESを示し、「N」はNOを示す。
口座確認装置400の依頼ファイル登録部407は、仕向金融機関システム100から送信される依頼ファイルを受信し、依頼ファイル記憶部404に記憶させる(ステップS1)。また、依頼ファイル記憶部404は、依頼ファイル記憶部404に記憶させた依頼ファイルのステータスとして「受付済」を対応付けて記憶させる(ステップS2)
【0038】
口座確認電文生成部408は、依頼ファイル記憶部404に記憶されている依頼ファイルを読み出し、読み出した依頼ファイルが、上述のようなフォーマットに沿ったものであるか否かを判定する(ステップS3)。口座確認電文生成部408が、依頼ファイルが定められたフォーマットに沿っていると判定すると(ステップS3:Y)、依頼ファイルに含まれる依頼データを1件ずつ読み出す。口座確認電文生成部408は、依頼データが定められたフォーマットに沿ったものであるか否かを判定する(ステップS4)。
【0039】
口座確認電文生成部408が、依頼データが定められたフォーマットに沿ったものであると判定すると(ステップS4:Y)、依頼データに基づいて口座確認電文を生成し、口座確認電文記憶部405に記憶させる(ステップS5)。そして、依頼データのステータスに「照会済」を対応付けて記憶させる(ステップS6)。口座確認電文送信部409は、口座確認電文記憶部405に記憶されている口座確認電文を読み出し、統合ATMシステム300を介して被仕向金融機関システム200に送信する(ステップS7)。ステップS4において、口座確認電文生成部408が、依頼データが定められたフォーマットに沿ったものでないと判定すると(ステップS4:N)、依頼データのステータスに「エラー有」を対応付けて更新する。口座確認電文送信部409は、依頼ファイル記憶部404に記憶されている依頼ファイルに含まれる依頼データのうち、未処理のものが存在するか否かを判定する(ステップS9)。
【0040】
口座確認電文送信部409が、未処理の依頼データが存在すると判定すれば(ステップS9:Y)、ステップS4に戻る。未処理の依頼データが存在しないと判定すれば(ステップS9:N)、依頼ファイルのステータスを「返却待ち」に更新し(ステップS10)、処理を終了する。
ステップS3において、口座確認電文生成部408が、依頼ファイルが定められたフォーマットに沿っていないと判定すると(ステップS3:N)、依頼ファイルに含まれる処理データを1件ずつ読み出し(ステップS11:Y)、ステータスに「エラー有」を対応付けて記憶させる(ステップS12)。全ての依頼データのステータスに「エラー有」を対応付けると(ステップS11:N)、結果送信部411が、依頼ファイル記憶部404から依頼ファイルを読み出し、ステータスに応じてエラーがあったことを示す結果ファイルを生成する(ステップS13)。結果送信部411は、依頼ファイルのステータスを「返却済」に更新し(ステップS14)、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関システム100に結果ファイルを送信し(ステップS15)、処理を終了する。
【0041】
上述のステップS7における口座確認電文送信処理は、上述したようなフローにより、生成する度に1件ずつ被仕向金融機関システム200に送信しても良いが、負荷状況等に応じて制御しながら送信することもできる。図9は、口座確認電文送信処理を、負荷状況等に応じて制御しながら行う動作例を示すフローチャートである。ここでは、この図に示す処理を、図8に示した処理とは並列して行うことができる。
【0042】
口座確認電文送信部409は、口座確認電文記憶部405と保留口座確認電文記憶部406とを参照し、いずれかに未処理の口座確認電文が記憶されているか否かを判定する(ステップS19)。未処理の口座確認電文が存在しなければ(ステップS19:N)、ステップS19の処理を繰り返し、口座確認電文が記憶されるまで待機する。未処理の口座確認電文が存在すれば(ステップS19:Y)、口座確認電文送信部409は、自身の計時機能から現在時刻を取得し、現在時刻がパターン1(9時から15時)の時間内であるか否かを判定する(ステップS20)。口座確認電文送信部409が、現在時刻がパターン1の時間内であると判定すると(ステップS20:Y)、保留口座確認電文記憶部406に記憶されている保留口座確認電文を読み出す(ステップS21)。ここでは、口座確認電文記憶部405に記憶されている口座確認電文よりも保留口座確認電文記憶部406に記憶されている保留口座確認電文を優先的に読み出すこととし、保留口座確認電文記憶部406に保留口座確認電文が存在しなければ、口座確認電文記憶部405に記憶されている口座確認電文を読み出す。
【0043】
ステップS20において、口座確認電文送信部409が、現在時刻がパターン1の時間内でないと判定すると(ステップS20:N)、口座確認電文記憶部405に記憶されている口座確認電文を読み出す(ステップS22)。そして、口座確認電文送信部409は、読み出した口座確認電文に示される仕向金融機関と被仕向金融機関との組み合わせに対応する提携時間を提携時間記憶部402から読み出し、現在時刻が、被仕向金融機関に対する提携時間内であるか否かを判定する(ステップS23)。口座確認電文送信部409は、現在時刻が被仕向金融機関に対する提携時間内でないと判定すると(ステップS23:N)、その口座確認電文を、保留口座確認電文記憶部406に記憶させ(ステップS24)、ステップS20に戻る。
【0044】
口座確認電文送信部409が、現在時刻が被仕向金融機関に対する提携時間内であると判定すると(ステップS23:Y)、ピーク時間記憶部401に記憶されたピーク時間を読み出し、現在時刻がピーク時間帯外であるか否かを判定する(ステップS25)。口座確認電文送信部409は、現在時刻がピーク時間帯外でないと判定すると(ステップS25:N)、口座確認電文の送信処理を遅延させる(ステップS26)。ここで、送信処理を遅延させるとは、例えば、この時点で一定時間処理を待機するようにしても良いし、口座確認電文の送信間隔時間を長くするようにしても良いし、一定時間内に送信する口座確認電文の件数を減らすようにしても良い。このような送信遅延を設けることにより、統合ATMシステム300における電文の流量を制御し、統合ATMシステム300が全体として安定して稼働することが期待できる。
【0045】
また、口座確認電文送信部409は、読み出した口座確認電文の被仕向金融機関が、直前に送信した口座確認電文と同一であるか否かを判定する(ステップS27)。ここで、口座確認電文送信部409は、同一の被仕向金融機関システム200に対して連続して口座確認電文を送信すると、その被仕向金融機関システム200との間の負荷だけが過剰に高くなる可能性があるため、口座確認電文の送信を分散させるように制御する。すなわち、口座確認電文送信部409は、口座確認電文の被仕向金融機関が、直前に送信した口座確認電文と同一でないと判定すると(ステップS27:N)、ステップS29に進む。一方、口座確認電文送信部409は、口座確認電文の被仕向金融機関が、直前に送信した口座確認電文と同一であると判定すると(ステップS27:Y)、送信待ち状態の口座確認電文が存在するか否かを判定する(ステップS28)。送信待ち状態の口座確認電文が存在すると判定すれば(ステップS28:Y)、口座確認電文を口座確認電文記憶部405に再び記憶させ(ステップS31)、ステップS20に戻る。
【0046】
ステップS28において、口座確認電文送信部409が、送信待ち状態の口座確認電文が存在しないと判定すれば(ステップS28:N)、統合ATMシステム300から使用経路数を取得し、経路数記憶部403に記憶されている接続経路数と比較する(ステップS29)。被仕向金融機関の被仕向金融機関システム200への使用経路が、被仕向金融機関の被仕向金融機関システム200への接続経路数以上であると判定すれば(ステップS29:Y)、ステップS31に進む。被仕向金融機関の被仕向金融機関システム200への使用経路が、被仕向金融機関の被仕向金融機関システム200への接続経路数以上でないと判定すれば(ステップS29:N)、被仕向金融機関システム200に口座確認電文を送信し(ステップS30)、ステップS19に戻る。
【0047】
図10は、口座確認装置400による口座確認電文受信処理の動作例を示すフローチャートである。
口座確認結果電文受信部410は、口座確認電文送信部409が被仕向金融機関システム200に送信した口座確認電文に応じて、被仕向金融機関システム200から送信される口座確認結果電文を受信する(ステップS40)。結果送信部411は、口座確認結果電文受信部410が受信した口座確認結果電文が、「空き経路なし」を示すか否かを判定する。結果送信部411は、受信した口座確認結果電文が、「空き経路なし」を示さないと判定すると(ステップS41:N)、受信した口座確認結果電文に基づいて結果ファイルを生成し(ステップS42)、生成した結果ファイルを、依頼ファイルの送信元である仕向金融機関システム100に送信し(ステップS43)、処理を終了する。
【0048】
ステップS41において、結果送信部411が、受信した口座確認結果電文は「空き経路なし」を示すと判定すると(ステップS41:Y)、その口座確認電文を規定回数以上処理したか否かを判定する(ステップS44)。ここでは、例えば口座確認電文送信部409は、同一の口座確認電文を被仕向金融機関システム200に対して送信した回数を自身の記憶領域に記憶しておく。一方、結果送信部411は自身の記憶領域に予め規定回数の閾値を記憶しておき、この閾値と、口座確認電文送信部409が口座確認電文を送信した回数とを比較する。結果送信部411は、口座確認電文を規定回数以上処理したと判定すると(ステップS44:Y)、依頼データのステータスに「エラー有」を対応付けて記憶させ(ステップS45)処理を終了する。ステップS44において、結果送信部411が、口座確認電文を規定回数以上処理していないと判定すると(ステップS44:N)、口座確認電文を口座確認電文生成部408に記憶させ(ステップS46)、処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、全銀協レコードフォーマットに準拠する振込依頼を示す依頼ファイルを、口座確認装置400が受信し、依頼ファイルに含まれる複数の依頼データに対応する口座確認電文を生成して、被仕向金融機関システム200への口座確認を行い、口座確認結果が含まれる結果ファイルを仕向金融機関システム100に送信する。これにより、仕向金融機関システム100は、口座確認装置400に対して依頼ファイルを送信することで、新たな処理等を行わずに、口座確認の結果を取得することができ、このような結果に基づいて振込依頼を行うことができる。ここで、口座確認は統合ATMシステム300を介して行われるため、即時に、遅くとも1日程度で結果を得ることができ、既存サービスを介して口座確認を行った場合には結果を得るまでに3、4日程度を必要とする場合があることに比べ、早く、効率良く口座確認結果を得ることができる。
【0050】
また、本実施形態では、口座確認装置400は複数の仕向金融機関システム100の外部に接続されたものとしたため、複数の仕向金融機関システム100から送信される大量の依頼ファイルを集約することができ、統合ATMシステム300の負荷を考慮して、流量の制御を行うことが可能となる。ただし、仕向金融機関システム100の内部に口座確認装置400を備えるように構成しても良い。この場合でも、提携時間に基づく制御等を同様に行うことが可能である。
【0051】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより口座確認を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0052】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 口座確認システム
100 仕向金融機関システム
101 金融機関サーバ
102 ATM
103 外接系GW装置
200 被仕向金融機関システム
201 金融機関サーバ
202 外接系GW装置
300 統合ATMシステム
400 口座確認装置
401 ピーク時間記憶部
402 提携時間記憶部
403 経路数記憶部
404 依頼ファイル記憶部
405 口座確認電文記憶部
406 保留口座確認電文記憶部
407 依頼ファイル登録部
408 口座確認電文生成部
409 口座確認電文送信部
410 口座確認結果電文受信部
411 結果送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、前記仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置であって、
複数の前記仕向金融機関の口座から、複数の前記被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、
振込先の前記口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、
複数の前記仕向金融機関装置から送信される前記依頼ファイルを受信し、前記依頼ファイル記憶部に記憶させる依頼ファイル登録部と、
前記依頼ファイル記憶部に記憶されている前記依頼ファイルを読み出し、当該依頼ファイルに含まれる前記複数の依頼データ毎に、前記口座確認電文を生成して前記口座確認電文記憶部に記憶させる口座確認電文生成部と、
前記口座確認電文記憶部に記憶されている前記口座確認電文を読み出して前記被仕向金融機関装置に送信する口座確認電文送信部と、
前記口座確認電文送信部が送信した前記口座確認電文に応じて、前記被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信する口座確認結果電文受信部と、
前記口座確認結果電文受信部が受信した前記口座確認結果電文に応じて、前記依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、当該依頼ファイルの送信元である前記仕向金融機関装置に送信する結果送信部と、
を備えることを特徴とする口座確認装置。
【請求項2】
前記被仕向金融機関が前記口座確認電文を受け付ける時間帯が記憶されている提携時間記憶部と、
前記口座確認電文記憶部から前記口座確認電文送信部によって読み出された前記口座確認電文のうち、前記被仕向金融機関装置への送信が保留された保留口座確認電文が記憶される保留口座確認電文記憶部と、を備え、
前記口座確認電文送信部は、現在時刻が前記提携時間記憶部に記憶されている前記時間帯内であるか否かを判定し、現在時刻が前記時間帯内であると判定した場合、前記口座確認電文を前記被仕向金融機関装置に送信し、現在時刻が前記時間帯内でないと判定した場合、前記口座確認電文を前記被仕向金融機関装置に送信せずに前記保留口座確認電文記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の口座確認装置。
【請求項3】
前記口座確認電文送信部は、現在時刻が前記時間帯内であると判定した場合、前記保留口座確認電文記憶部に記憶された前記保留口座確認電文を優先的に読み出して前記被仕向金融機関装置に送信した後、前記口座確認電文記憶部に記憶された前記口座確認電文を読み出して前記被仕向金融機関装置に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の口座確認装置。
【請求項4】
前記提携時間記憶部には、前記仕向金融機関と前記被仕向金融機関との組み合わせ毎に、当該仕向金融機関からの口座確認電文を当該被仕向金融機関が受け付ける時間帯が対応付けられて記憶される
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の口座確認装置。
【請求項5】
前記被仕向金融機関装置に対して電文を送信可能な接続経路数が予め記憶されている経路数記憶部と、
前記口座確認電文送信部は、前記被仕向金融機関装置との間で使用する使用経路数が、前記経路数記憶部に記憶されている前記接続経路数より小さいか否かを判定し、前記使用経路数が前記接続経路数より小さいと判定した場合、前記口座確認電文を前記被仕向金融機関装置に送信し、前記使用経路数が前記接続経路数より小さくないと判定した場合、前記口座確認電文を前記被仕向金融機関装置に送信せずに前記口座確認電文記憶部に再び記憶させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の口座確認装置。
【請求項6】
振込元である仕向金融機関の口座を管理する仕向金融機関装置と、前記仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続された口座確認装置であって、
前記仕向金融機関の口座から、複数の前記被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、
振込先の前記口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、
前記仕向金融機関装置から送信される前記依頼ファイルを受信し、前記依頼ファイル記憶部に記憶させる依頼ファイル登録部と、
前記依頼ファイル記憶部に記憶されている前記依頼ファイルを読み出し、当該依頼ファイルに含まれる前記複数の依頼データ毎に、前記口座確認電文を生成して前記口座確認電文記憶部に記憶させる口座確認電文生成部と、
前記口座確認電文記憶部に記憶されている前記口座確認電文を読み出して前記被仕向金融機関装置に送信する口座確認電文送信部と、
前記口座確認電文送信部が送信した前記口座確認電文に応じて、前記被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信する口座確認結果電文受信部と、
前記口座確認結果電文受信部が受信した前記口座確認結果電文に応じて、前記依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、当該依頼ファイルの送信元である前記仕向金融機関装置に送信する結果送信部と、
を備えることを特徴とする口座確認装置。
【請求項7】
振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、前記仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続され、複数の前記仕向金融機関の口座から、複数の前記被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の前記口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、を備えた口座確認装置の口座確認方法であって、
複数の前記仕向金融機関装置から送信される前記依頼ファイルを受信し、前記依頼ファイル記憶部に記憶させるステップと、
前記依頼ファイル記憶部に記憶されている前記依頼ファイルを読み出し、当該依頼ファイルに含まれる前記複数の依頼データ毎に、前記口座確認電文を生成して前記口座確認電文記憶部に記憶させるステップと、
前記口座確認電文記憶部に記憶されている前記口座確認電文を読み出して前記被仕向金融機関装置に送信するステップと、
送信した前記口座確認電文に応じて、前記被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信するステップと、
受信した前記口座確認結果電文に応じて、前記依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、当該依頼ファイルの送信元である前記仕向金融機関装置に送信するステップと、
を備えることを特徴とする口座確認方法。
【請求項8】
振込元である複数の仕向金融機関の口座を管理する複数の仕向金融機関装置と、前記仕向金融機関からの振込先である複数の被仕向金融機関の口座を管理する複数の被仕向金融機関装置とに接続され、複数の前記仕向金融機関の口座から、複数の前記被仕向金融機関の口座への振込依頼である複数の依頼データが含まれる依頼ファイルが記憶される依頼ファイル記憶部と、振込先の前記口座に対する口座確認電文が記憶される口座確認電文記憶部と、を備えた口座確認装置のコンピュータに、
複数の前記仕向金融機関装置から送信される前記依頼ファイルを受信し、前記依頼ファイル記憶部に記憶させるステップと、
前記依頼ファイル記憶部に記憶されている前記依頼ファイルを読み出し、当該依頼ファイルに含まれる前記複数の依頼データ毎に、前記口座確認電文を生成して前記口座確認電文記憶部に記憶させるステップと、
前記口座確認電文記憶部に記憶されている前記口座確認電文を読み出して前記被仕向金融機関装置に送信するステップと、
送信した前記口座確認電文に応じて、前記被仕向金融機関装置から送信される口座確認結果電文を受信するステップと、
受信した前記口座確認結果電文に応じて、前記依頼ファイルに対する結果ファイルを生成し、当該依頼ファイルの送信元である前記仕向金融機関装置に送信するステップと、
を実行させる口座確認プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25630(P2013−25630A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161031(P2011−161031)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)