説明

可動脊椎安定化デバイス

第1の椎体と第2の椎体との間で脊柱を安定化するための整形外科デバイスが記載される。このデバイスは、第1の椎体と第2の椎体への固定のために適合されて第1のねじおよび第2のねじをそれぞれ有する。このデバイスは、上記第1のねじに連結された第1の端部および上記第2のねじと作動可能に連結される第2の端部を備えた細長い帯をさらに含む。この帯は、好ましくは、体温で延性の非弾性性質を有するよう選択されたニッケルチタン合金から作製され、そして塑性変形し得、椎体間で相対的拘束運動を可能にする。好ましいニッケルチタンは、体温を超えるマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する。好ましい実施形態では、第2の茎ねじは、滑動可能に係合可能な関係で上記帯を受容するためのベアリングを含む。上記デバイスはさらに、屈曲および伸長の間に脊柱を拘束するために上記帯を取り囲む第1および第2の緩衝部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2005年5月4日に出願された米国仮特許出願番号第60/677,699号への優先権、およびその利益を主張する、2005年10月5日に出願された米国出願番号第11/244,184号の一部係属出願である、2005年12月29日に出願された米国特許出願番号第11/321,337号の一部係属出願であり、これらの全体の開示は、本明細書中に参考として明示して援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の技術分野)
本発明は、痛みの軽減のために少なくとも2つの椎体の相対的運動を制限するために用いられる整形外科安定化デバイスに関する。これらのデバイスは、融合デバイスと組み合わせて骨合成を支援するため、ディスクインプラントのようなその他の運動回復デバイスを補うために用いられ得るか、または単にその他のデバイスなくして椎体の運動を制限するために用いられ得る。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
脊椎手術の分野では、脊椎損傷または疾患にともなう痛みを軽減するために多くの試みが存在している。伝統的には、外科医は、椎体を、茎(pedicle)ねじおよびロッド構築物または融合ケージで融合してきた。患者を融合する試みでは、長く、かつ痛い回復プロセスがある。大部分のロッドおよびねじ構築物および融合ケージは、非常に剛直性であり、そうでなければより迅速な回復を支援し得る融合部位中へのストレスの移入を可能にしないように非常に剛直性である。これらのアプローチは、ストレスを受けない骨は分解する:と述べるWolfeの法則に反抗する。推論として、椎体が限られた範囲の運動で保持されながら、融合部位を通じてストレスが移入される場合、融合はかなりより速く生じ得、患者の回復時間を支援する。
【0004】
多くは、相対的運動を可能にするデバイスを開発するための作業であるが、なおこれらは、安定化される椎体間のせん断力を最小にすることには届かない。別の欠点は、相対的運動が、機械的構築物中のかなり特定の位置またはヒンジ点を通じてむりやり導かれることである。以下の論議は、これらの努力を詳細に要約する。
【0005】
米国再発行特許第36,221号として再発行された特許文献1は、可撓性の帯(ligament)で一緒に締められる茎ねじシステムを開示する。これらの帯は相対的運動を可能にするが、それらは、圧縮にもせん断負荷にも抵抗しないようであり、それよりも張力に依存する。
【0006】
特許文献2、およびZimmer GmbHkの登録された商標であるDYNESYS(登録商標)の製品パンフレットは、2つの隣接する茎ねじの間で圧縮され、そして可撓性の内部の帯として作用する弾性ストラップ上を通過するポリカーボネート/ウレタン支持要素を開示している。この可撓性の内部の帯はナイロンコードの形態であり、これは予め引っ張られ、そしてねじヘッドに固定されている。この設計は、曲げ自由度を提供し、椎体間の相対的運動を可能にするが、椎体間のせん断をほとんど阻害しないか、または防がない。可撓性が望ましいが、このDYNESYS(登録商標)帯は剛直性を欠くようであり、そしてそのバランスを得るために適切な相互作動的な引っ張りに依存している。
【0007】
特許文献3は、ロッドが並進運動で可撓性である茎ねじおよびロッドシステムを開示している。緩衝ボールがロッドから分離されず、そして切り抜きを有して屈曲を可能にし、ロッドの中央を通る帯はない。並進運動における可撓性は有用であるが、この特許で述べられる、同時にいくつかの平面における脊椎負荷および並進運動は、融合部位を通じてストレスを不適切に再分配するように見える。結果として、運動は、むりやり1つの位置に制限され、すなわち、運動はヒンジ点を通じて拘束され、これは、このアセンブリ構築物に所望されないストレスを与える。
【0008】
特許文献4は、帯要素、特にロッド部材の中央を通って延びる帯を欠く構築を開示している。圧縮可能な緩衝要素が存在する。この開示される設計は、より迅速な融合率で支援するための力の多方向再分配を達成することを試みるが、その構築は、ディスクインプラントと組み合わせて使用するためには設計されなかった。この開示されるアプローチは、椎体の運動を1つの位置に過度に制限し、すなわち、運動をヒンジ点を通じて不自然にする。
【0009】
特許文献5および特許文献6は、連続的超弾性ニチノールロッドおよび茎ねじシステムを用いて運動の範囲を弾性的に拘束することを求める実施形態を開示している。ロッドの超弾性状態に起因して、運動は、常に、中立の予備セットされた位置に押し戻される。これは、ロッドを通る力を、初期疲労欠陥を引き起こす様式で拘束する。ロッドの正確な弾性を提供するために、その直径は、それが連続的負荷に耐えることができないように小さくなければならない。さらに、このロッドは、手術のときに椎体を所望の相対位置に保持する予め成形された形状に曲げられることはできず、またそれらの相対的運動を制限する。
【特許文献1】米国特許第5,092,866号明細書
【特許文献2】欧州特許第EP 06691091 A1/B1号明細書
【特許文献3】米国特許第6,267,764号明細書
【特許文献4】米国特許第6,241,730号明細書
【特許文献5】米国特許第6,293,949号明細書
【特許文献6】米国特許第6,761,719号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、ねじれ、およびせん断力に効率的に抵抗し、その一方、可撓性の脊椎安定化を提供するアセンブリおよびデバイスに対する必要性が存在する。より詳細には、現存する茎ねじ配列とともに作動するようなアセンブリおよびデバイスを備えたキットを提供することが所望され得る。
【0011】
整形外科構築物の可撓性を維持しながら、患者の解剖学的輪郭に適合するように変形可能な剛直性部材を有する可撓性アセンブリおよびデバイスの別の必要性が存在する。
【0012】
骨に弾性ストレスを与えることなく、多方向の可撓性を提供しながら、椎骨を安定化するアセンブリおよびデバイスに対するなお別の必要性が存在する。
【0013】
ねじれおよびせん断力を効率的に拘束しながら、自然の屈曲および伸長運動を可能にし得る脊椎安定化デバイスを提供するなおさらなる必要性が存在する。
【0014】
疲労なくして、なおさらにその可撓性を維持する脊椎の繰り返される負荷に耐え得る、合金またはその他の可撓性ポリマーのような形状記憶材料から製造される脊椎安定化アセンブリおよびデバイスを提供するさらなる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨および利点)
本発明の1つの実施形態によれば、個々の第1の椎体と第2の椎体上の係留位置間で脊柱を安定化するための整形外科デバイスが提供される。このデバイスは、個々の係留位置で作動可能に連結される第1の端部および第2の端部を有する細長いブリッジを含む。このブリッジは、体温で非弾性であるように選択された移植可能な帯(ligament)を含む。この帯はさらに連続的な塑性変形をし得、上記椎体上に奏される力に抵抗しながら、相対的な拘束運動を可能にする。1つの実施形態では、上記ブリッジは、移植可能なニッケルチタン合金を含む。別の実施形態では、上記デバイスは、上記帯の少なくとも一部分を取り囲む緩衝部材をさらに含む。なお別の実施形態では、上記帯は、ワイヤ、チューブ、またはバンドの形態である。好ましくは、上記帯は、実質的に通常の体温より高い、そしてより好ましくは通常の体温を少なくともとも10℃超えるマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有するニッケルチタン合金から作製される。なお別の実施形態では、上記デバイスは、各々が上記帯のいずれかの端部で対応して保持され、そしてアンカーで上記椎体に独立して取り付けられる剛直性ロッド部材を含む。これらの剛直性ロッド部材は、上記帯のいずれかの端部に対応して連結される。なおさらなる別の実施形態では、上記デバイスは、上記帯の端部で保持され、そして複数のアンカーで椎体に独立して取り付けられるプレートセグメント;より好ましくは、上記帯のいずれかの端部に対応して連結される複数のプレートセグメントを含む。
【0016】
本発明の別の実施形態では、脊柱を安定化するための整形外科デバイスは、2つの端部を備えた細長い移植可能な帯を含み、この帯は、体温で連続的塑性非弾性変形し得る移植可能なニッケルチタン合金から部分的に形成される。この帯のいずれかの端部は、アンカー位置でねじを用いて椎体に取り付けられる。圧縮緩衝部材が、この帯を取り囲み、そして上記ねじの間に挟持される。この帯における塑性変形は、椎体間の相対的に拘束された運動を可能にする。
【0017】
本発明のなお別の実施形態は、脊柱を安定化するための整形外科デバイスが開示される。このデバイスは、2つの拡大された端部部分を備えた移植可能な細長い帯を含む。この帯は、体温で連続的塑性非弾性変形し得るニッケルチタン合金から部分的に形成される。2つの剛直性ロッド部材は、各々、上記帯のためのサイズであるボアを含み、これら剛直性ロッド部材は、上記帯のいずれかの端部で保持され、そして複数のアンカーによって2つの椎体と係合可能である。圧縮緩衝部材は、上記帯を取り囲み、そして上記ロッド間に挟持される。2つの張力緩衝部材は、上記剛直性ロッドボア内に捕捉され、上記帯を取り囲み、そしてそれぞれ上記拡大された端部部分に接する。上記帯における塑性変形は、椎体間の相対的な拘束される運動を可能にする。
【0018】
本発明のなお別の実施形態では、外科用キットが開示される。このキットは、少なくとも1つの骨アンカーおよび可撓性脊椎安定化デバイスを含む。このデバイスは、体温で連続的な塑性被弾性変形をし得る移植可能なニッケルチタン合金から部分的に形成される帯を含む。好ましい実施形態では、上記外科用キットは、少なくとも1つの剛直性融合ロッドを含む。上記で述べたアンカー、帯、および剛直性融合ロッドは、所定の患者の解剖学的構造を収容するように種々のサイズで提供される。
【0019】
さらなる実施形態では、2つの端部を備えた細長い帯を有する整形外科脊椎安定化デバイスが開示される。この帯は、体温で非弾性特徴を示すよう製造され、その一方、さらに連続的な塑性変形をし得、そしてワイヤ、ロッド、チューブ、ケーブル、バンドの形状、またはI−ビーム形態のようなより複雑な形態であり得る。上記デバイスは、上記帯の1つの端部を椎体に固定して取り付けるために適合された第1のねじ、および上記帯の対向する端部を受容し、それを別の椎体に運動様式で固定するベアリングを備えた第2のねじを含む。上記帯における塑性変形は、上記椎体間の相対的に拘束された運動を可能にする。
【0020】
さらになおさらなる実施形態では、脊椎安定化デバイスが開示され、体温を超える変態温度を有する細長い形状記憶ニッケルチタン帯を備える。ロッドの形態にあるニッケルチタン帯は、使用の間に延性特徴を示し運動を可能にする。使用の1つの形態では、体温を超える、そして好ましくは実質的に体温を超える、すなわち、通常の公称体温、すなわち、華氏約98度または約37℃を少なくとも約10℃だけ超えるマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有するニチノールロッドが、例えば脊椎ねじによって、少なくとも2つの椎体で固定される。これらのねじは、チタン茎ねじのような、公知の茎ねじであり得る。あるいは、上記ロッドの1つの端部は、第1のねじで1つの椎体に固定され得、そして上記ロッドの他方の端部は、プラスチックの直線状ベアリングを含む第2のねじで第2の椎体に固定され得る。身体が動くとき、上記帯の延性性質は、脊柱中の曲げ動きおよびせん断動きに抵抗し、その一方、同時にロッドは、第2のねじに対して並進関係で滑動し、曲げ運動および伸長運動をさらに可能にする。
【0021】
本発明の別の実施形態では、脊柱を安定化するための整形外科デバイスが示される。このデバイスは、体温を超えるマルテンサイト/オーステナイト変態温度を有し、そして使用の間に延性特徴を示す細長い形状記憶ニッケルチタン(すなわちニチノール)帯を含む。この帯は、ロッドの形状で形成され、第1の端部および第2の端部を備え、そしてこの第2の端部はアバットメントを含む。このデバイスはまた、上記ロッドの第1の端部を椎体に固定して取り付けるよう適合された第1のねじ、および上記ロッドの第2の端部を受容し、そしてそれを他方の椎体に滑動可能に拘束された様式で固定するためのプラスチックの直線状ベアリングを提示する第2のねじを含む。上記ロッドを取り囲み、そして上記第1のねじと第2のねじとの間に挟持されて、1つの緩衝部材があり、そして第2の緩衝部材が上記ロッドを取り囲み、そして上記第2のねじと上記アバットメントとの間に挟持されて見出される。身体が動くとき、上記帯の延性性質が、脊柱中の曲げ運動およびせん断運動に抵抗し、その一方、同時に上記ロッドは、第2のねじに対して滑動可能に並進し得、曲げ運動および伸長運動を可能にする。緩衝部材は、曲げ運動および伸長運動ためのクッションとして作用し、そして上記帯と上記ベアリングとの間の滑動運動に制御可能に抵抗する。
【0022】
本発明の利点は、2つの椎体間の相対的運動の範囲を制限し、そして現存する茎ねじアセンブリと作動するデバイスである。
【0023】
本発明の別の利点は、延性区域において椎体間の運動を拘束することである。
【0024】
別の利点は、曲げ力およびせん断力を拘束しながら、脊椎の制御された曲げ運動および伸長運動を可能にすることである。
【0025】
本発明の別の利点は、種々の茎ねじ、剛直性融合ロッド、および細長い移植可能な延性帯を有するキットを外科医に提供することである。さらに、上記帯は、外科医が、所望の手術結果を、それが患者に融合を支援するためであるか、または通常の範囲の運動を回復するためであるか否かにかかわらず、達成するために適切な剛直性および運動の範囲を選択し得るように、種々の剛直性および可撓性オプションを提供することが所望される。
【0026】
その他の目的および利点は、添付の図面および関連する詳細な説明への参照(ここで、文章の参照記号は、図面上で示される参照記号に対応する)で当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明の詳細な説明)
図1〜15をほぼ参照して、本出願人の発明は、痛みの軽減のために制御された相対的な椎骨運動を可能にし、その一方、椎骨間せん断力を最小にする可撓性脊椎安定化を提供する。さらに、本発明は、最終的に、その特徴的な設計のために、その構造の制限された部分内で運動を拘束するのではなく、その構造全体に機械的ストレスを均一に分配する。
【0028】
図1および2〜4を参照して、細長いブリッジ部材は、10でアセンブリとして一般に示される。細長いブリッジ部材またはアセンブリ10は、ワイヤの形態で示される帯(ligament)28を含む。この帯28はまた、異なる断面形状(例えば、丸い、矩形、方形、I−ビーム)およびサイズ(例えば、長さが約25mmから長さが100mmを超えるまでで、そして変動する直径、厚みまたは高さおよび幅)を有するチューブ、中実ロッドまたはバンドの形態をとり得ることが理解される。この帯28は、剛直性ロッド部材42、44内にそれぞれ形成された逆向きボア(counter bore)38、40を係合するワッシャータイプコネクター34、36内に受容される対向する第1の端部30および第2の端部32を有する。このワッシャータイプコネクターまたはワッシャー34、36は、個々の開口部39、41を含む。当業者は、剛直性ロッド部材42、44は、異なるサイズおよび/または長さを有し得ることを認識する。ワッシャー形状のコネクター34、36は、好ましくは、体温でその超弾性状態にある形状記憶合金から作製され得る。あるいは、非弾性帯28を剛直性ロッド部材42、44に取り付けるためのその他の手段は、コネクター34、36を用いる代わりに、溶接、ねじ、接着剤、または圧着端子を含み得る。それ故、アセンブリ10は、それぞれ、第1のアンカー20と第2のアンカー22との間のブリッジとして作動可能に機能する。帯28は、好ましくは移植可能な形状記憶合金から、より好ましくは体温で非弾性であるように選択されるニッケルチタン合金から作製される。すなわち、帯28は、超弾性状態にはないが、むしろ体温より実質的により高いマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する。好ましくは、アセンブリ10は、帯28を取り囲む内径48を有する緩衝部材46を含み得る。図3〜4を参照して、第1のねじアンカー20および第2のねじアンカー22が、アセンブリ10を第1の椎体24および第2の椎体26にそれぞれ固定するために適合されている。ねじアンカー20、22は、個々のねじヘッド50、52を含む。
【0029】
図1Aを参照して、代表的なプレートセグメント12は、示されてはいない椎体への取り付けのために係留ねじを受容する開口部14を有する。各プレートセグメント12は、示されてはいない帯の1つの端部を受容するような形態である通路16を有する。このプレート12と組み合わせて用いられる帯は、図1および2〜4の上記の論議で解明されたように種々の形態を有し得ることが理解されるべきである。通路16は、示されるように矩形の断面を有し得るか、または帯を受容するために種々の形態を有し得る。好ましくは、複数のプレート12が、対応する複数の椎体を横切って帯とともに採用され得、図1および2〜4中のアセンブリ10に類似のブリッジを形成する。
【0030】
図3〜4を参照して、帯28における塑性変形は、例示のために直接的な均一の軸方向圧縮として示される、矢印54、54によって示される外部刺激に応答する。しかし、認識され得るように、この外部刺激は、しばしば、患者の身体の組み合わさった屈曲およびねじれ運動からなる。矢印47によって示されるような、椎体24、26の互いから離れる運動は、緩衝部材46の屈曲を引き起こす。
【0031】
図1〜4を続けて参照し、本発明のアセンブリ10は、そうでなければ椎体を特定の前の位置に戻して押す不自然なストレスを奏し得る弾性力を生成することなく患者の屈曲およびねじれ運動の間に椎体24、26間に奏されるせん断力に抵抗する。それに代わって本発明は、上記椎体自体の運動が過度の弾性起動力なくしてその自然の位置までそれを戻すことを可能にする。椎体位置へのこの自然の戻りは、それ故、上記椎体を先の位置まで押すために上記で論議されたような超弾性部材に依存する先のアプローチとは区別され;さらに、本発明は、なおそれら自体を屈曲しながら、せん断運動および直接ねじれ運動の両方に抵抗しない先のアプローチとは区別される。本発明のアセンブリ10は、運動入力54、54とは反対である合力を奏さず、そしてなおこのアセンブリは、本明細書中で採用される材料および設計に起因して繰り返して塑性的に変形可能である。
【0032】
図5は、本発明のなお別の実施形態、すなわち、58で一般に示される外科用キットを描写する。キット58は、骨アンカー60および好ましくは図1〜4に示されるタイプの細長いブリッジ部材10のアレイを含むが、種々のサイズおよび剛直性を有するアセンブリのアレイが提供される得ることが認識される。このアセンブリ10は、体温で連続的塑性非弾性変形し得る。好ましい実施形態では、この外科用キット58は、62で示される代表的なロッドのような半剛直性の融合ロッドのアレイを含む。別の好ましい実施形態では、示されてはいない代替えの外科用キットは、図1Aと組み合わせて説明されたようなのと同様のプレートのアレイを含み得る。上記で述べられたアレイは、所定の患者の解剖学的構造を収容するために種々のサイズで提供される。
【0033】
図6〜7を参照して、脊柱を安定化するための整形外科デバイス110は、図1および2〜4と組み合わせて先に論議されたようなアセンブリ10の代わりに、帯128の形態をとる細長いブリッジ部材を含む。この帯128はまた、異なる断面形状、長さ、およびサイズを有する、チューブ、中実ロッド、またはバンドの形態をとり得る。この帯128は、好ましくは、帯28(図1)と類似の様式で体温で連続的塑性非弾性変形し得るニッケルチタン合金である移植可能な材料から少なくとも部分的に作製される。デバイス110は、図1および2〜4中の42、44で例えば描写されるような別個の剛直性ロッド部材を有さない。帯28を作動可能に係留するための図1Aにおける12のような任意のプレートセグメントもない。それに代わって、帯128は、それを椎体124および126に固定するねじ120、122間に延び、そしてそれらを直接相互連結する。必要に応じた圧縮緩衝部材146が帯128を取り囲んで示され、そして図6〜7中ではねじヘッド150、152間に挟持される。帯128の塑性変形は、椎体124、126間のせん断ストレスを最小にしながら、相対的運動を可能にする。図6〜7は、好ましくは、シリコーンまたはポリカーボネートウレタンのような移植可能なエラストマーから作製される管状の緩衝部材146を示す。ねじヘッド150、152は、止めねじ154、156を1つの端部でそれぞれ受容するためのねじ山のある開口部を含む。さらに、各ねじヘッド150、152は、それを通る帯128の少なくとも一部分を受容するような形態である。止めねじ154、156は、帯128をその個々のねじヘッド150、152に固定するように適合されている。
【0034】
図8〜10を参照して、本発明のなお別の実施形態がある。脊柱を安定化するための細長いブリッジ部材がアセンブリ210の形態で示される。アセンブリ210は、拡大され固定された端部部分229および自由端部231を備えた細長い帯228を含む。帯228は、好ましくは体温で連続的塑性非弾性変形し得る、すなわち、超弾性状態にないニッケルチタン合金である移植可能な非弾性材料から少なくとも部分的に形成される。剛直性ロッド部材244のボア240は、帯228の通過のためのサイズであり、ロッド部材242、244は、個々の係留位置で椎体(示されず)への取り付けのために帯228の端部229、231で保持される。当業者は、これら剛直性ロッド部材242、244が異なるサイズおよび/または長さを有し得ることを認識する。圧縮緩衝部材246は、帯228を取り囲むボア247を有し、そして隣接する面取りされた剛直性ロッド部材242、244間に挟持される。張力緩衝部材248、250は、上記剛直性ロッド242、244のボア内に収容された帯228の通過を可能にするサイズの個々のボア252、254を有する。張力緩衝部材248、250は、帯228を取り囲み、そして図10に示されるように、拡大された端部229、256とともに剛直性ロッド242、244によって個々に捕捉される。帯228中の塑性変形は、椎体に対して奏されるせん断力に抵抗しながら、椎体間の相対的に拘束された運動を可能にする。運動は、帯228の全長に沿って、その拡大され固定された端部229、256から伝達される。緩衝部材246、248、250は、好ましくは、シリコーンまたはポリカーボネートウレタンのような移植可能なエラストマーから作製される。
【0035】
非弾性帯28、128、228は、好ましくは、好ましくは3〜6mmの範囲の直径を有するニッケルチタン合金から製造される。その他の断面形状およびサイズの帯28、128、228が、異なる外科的適用のために利用可能にされ得る。ニッケルチタンは、変動する性質を有するよう合金にされ得、いくつかの合金は、体温で超弾性挙動を示し、その一方、その他の合金は、体温で連続的に非弾性である。これらの非弾性合金は、当業者によって、一般に、形状記憶合金と称される。形状記憶合金は、体温を超えるか、または体温未満のいずれかであるマルテンサイト/オーステナイト遷移温度をさらに有し得;しかし、本発明にとって適用可能な遷移温度は、体温より高いように選択され、そして好ましくは、体温より実質的により高い。本発明者は、作動サイズ範囲内で、体温を超えるマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する形状記憶合金から作製された非弾性帯28、128、228が、受容可能な疲労耐性を示すことを決定した。これは、上記椎体に対して本発明の帯28、128、228によって奏される弾性力がないからである。外科医が、各個々の患者の必要性のためにいくらの非弾性耐性が必要であるかを決定し、そして次に手術のときにアセンブリまたはデバイス10、110、210を予備選択することが意図される。好ましくは、帯28、128、228は編組みされず(non−braided)、そして一体の連続的部材として形成され、上記帯がせん断力に抵抗することを可能にする。外科医が、融合ケージ(示されず)のような身体内インプラントで2つの椎体24、26および124、126の固定を補填していても良い例では、茎ねじ20、22および120、122を備える可撓性非弾性アセンブリまたはデバイス10、110、210が、好ましくは運動を制限し、そしてWolfeの法則に従って上記融合部位を通るストレス移送を可能にする。この事例では、外科医は、直径が約5〜6mmの範囲にある帯のロッド形態のような大きな非弾性帯28、128、228を備えた可撓性のより少ないアセンブリまたはデバイス10、110、210を選択し得る。この非弾性帯28、128、228の直径および長さは、外科用構築物の可撓性を決定する。別の事例では、外科医は、2つの隣接する椎体24、26および124、126から筋膜を選択的に除去し、この筋膜での骨接触によって引き起こされる関節炎をなくする。筋膜切除術後の椎体のための支持を補充するために、外科医は、茎ねじ20、22および120、122を備えたより可撓性の非弾性アセンブリまたはデバイス10、110、210を用い得、椎体24、26および124、126の後方セグメント(示さず)間の軸方向間隔が維持されることを確実にする。この事例では、外科医が、約3〜4mmにより近い直径を備えた帯のロッド形態のような非弾性帯28、128、228を有するより可撓性のアセンブリまたはデバイス10、110、210を選択することが好ましくあり得る。この外科用構築物は、患者が拘束された運動を有することを可能にし得るが、2つの椎体24、26および124、126の筋膜間の接触を制限し得る。これら剛直性のロッド部材42、44および242、244は、代表的には、ステンレス鋼またはチタンから製造され得、そして好ましくは4〜7mmの直径範囲にある。このサイズ範囲は、その他の市販され入手可能な脊柱インプラントハードウェアの代表であり、その結果、本発明のタイプの可撓性非弾性アセンブリまたはデバイス10、110、210は、現存する茎ねじ20、22および120、122によって一般に受容される。
【0036】
図3〜7は、可撓性アセンブリ10またはデバイス110を椎体24、26または124、126に固定するために茎ねじ20、22および120、122の使用を示している。しかし、その他の取り付け手段、および取り付けのための種々の代替位置が可能である。伝統的な脊柱安定化システムでは、上記ロッドは、棘状突起の後方で、かつそのいずれかの側に配置される。観察される病状に依存して、外科医は、2つの棘状突起間の患者の理論的中央線の後方に取り付けるための一体の可撓性帯128またはアセンブリ10を選択し得る。あるいは、2つ以上の可撓性帯が、隣接する椎体の茎を横切って後方棘状突起のいずれかの側で後方に移植され得る。あるいは、1つ以上の可撓性非弾性帯128またはアセンブリ10は、椎体24、26;124、126の前方側に配置され得る。
【0037】
図11〜13を参照して、動的拘束下で脊柱が曲がることを可能にするデバイス310をともなう実施形態が示される。図11〜12に見られるように、第1の茎ねじ320は、止めねじ355または帯328をねじ320にロックする任意のその他のロック機構で帯328を固定して受容するよう設計されているヘッド部分350を有する。この帯328は、ロッドの形態で示されているが、この帯の形態は、その機械的特徴ほど重要ではなく、そしてワイヤ、チューブ、ケーブル、バンド、プレートの形状、またはその他の適切な形状で作製され得ることを理解することが重要である。好ましくは、この帯328は、失敗することなく繰り返される周期的負荷に耐え得る材料から作製され得、そして体温にある間延性性質を有するべきである。ニッケルおよびチタン、または称されるようにニッケルチタンが、この延性を有する材料性質を生じるように合金とされ得、これはまた、連続的塑性変形をともなう非弾性挙動を有するとして分類され得る。ニッケルチタンは、2つの一般的カテゴリーで製造され得ることが知られる。第1は超弾性であり;これらの合金は、体温で弾性挙動を有するが、この適用では、運動の間に脊柱へ所望されないストレスが再付与され、そして望ましくない。さらなるストレスはまた、使用の間のより低い疲労耐性に至る。ニッケルチタン合金(すなわち、ニチノール)の第2のカテゴリーは、形状記憶特徴を有するとして分類される。この材料が形状記憶特徴を示す温度は、製造プロセスの間に設定され、そしてこの温度は、しばしば、遷移温度と称され、ここで、マルテンサイトとオーステナイトとの間の相変態が起こり、すなわち、マルテンサイト/オーステナイト遷移または変態温度である。この適用には、この遷移温度は体温を超えて、好ましくは体温を実質的に超えて設定することが望ましい。この材料の遷移温度が高い程、疲労耐性は高いことが知られている。従って、この遷移温度未満では、帯328は、拘束とともに屈曲され得、そして延性性質を帯び、疲労することなく連続的ベースでそれが再形状化されることを可能にし、それが移動脊柱を支持することを可能にする。図11および13では、第2の茎ねじ322が、別の椎体(示されていない)への適合のために示されるが、両方の茎ねじ320、322はまた、骨が骨折するか、または2つ以上のフラグメントに切断されるとき1つの椎体内の骨折を処置するために用いられ得る。この第2の茎ねじ322は、プラスチック、金属またはセラミックのような任意の公知の移植可能なベアリング材料から製作され得るベアリング360とともに適合される。プラスチックが選択される場合、ポリエチレンまたはポリエーテルエーテルケトン材料が、整形外科デバイスにおけるベアリング材料として良好な特徴を示している。このベアリング360は、ヘッド352を通って穿孔される単純穴(示されず)としての事例には、茎ねじ322の一体物の一部として製造され得るか、またはこのベアリングは、示されるように止めねじ357とともに取り付けられ得る。このベアリング360は、リング、ワッシャー、ボールの形態、または帯328が受容されることを可能にし、そして使用の間にこの帯と茎ねじ322との間の相対的運動を可能にする任意のその他のベアリングであり得る。認識され得るように、このベアリング360は、完全に閉じられ得るか、または相対的運動を収容するように分割され得、当該技術分野で公知のその他のロッドを受容するために用いられ得る。例えば、融合のために用いられる図5中のキット58で示されるチタン合金ロッド62が、ベアリング360内に受容され得、茎ねじ320、322間のわずかな相対的運動を可能にする。現在開発中のプラスチックロッドのようなその他のブリッジ部材がまた、このベアリング360と組み合わせて用いられ得ることが企図され、そしてこの説明は、本来制限的なものではない。帯328は、アバットメント329を有するように製造され得、そしてこの帯は、必要に応じて緩衝部材346、347を受容し得る。ベアリング360は、茎ねじ320、322間の相対的運動を可能にするけれども、脊柱の屈曲および伸長では、必要に応じて、緩衝部材346、347がさらなる拘束のために有用である。第1の緩衝部材346は、第1の茎ねじ320のヘッド350と、茎ねじ322のヘッド352と間に挟持され得る。この第1の緩衝部材346は、脊柱が伸長している間運動を拘束するために用いられる。第2の緩衝部材347は帯328を取り囲み、そして茎ねじ322のヘッド352とアバットメント329との間に挟持される。この第2の緩衝部材347は、屈曲における運動を拘束するために用いられ得る。
【0038】
図14〜15を参照して、動的拘束下で脊柱が曲がることを可能にするデバイス410を備えた好ましい実施形態が示される。第1のねじ420は第1の椎体(示されず)中に取り付けられるよう設計され、その一方、第2のねじ422は第2の椎体(示されず)中に取り付けられるよう設計されている。代表的には、これらのねじ420、422は、後方側上で骨の茎領域中に取り付けられるが、この取り付けは椎骨の前方側上で、または棘状突起上、それらの中、もしくはそれらの間で起こることが企図され、外科医に対し最小侵襲的アプローチを可能にする。示される係留手段は、椎骨をロッド428に連結する好ましい様式であり得る。取り付けの方法またはロッドの形状のいずれも、本発明の範囲を制限するものではない。ねじ420、442は、止めねじ455、またはロッド428をねじ420、422にロックする任意のその他のロック機構でロッド428の形態の帯を固定して受容するよう設計されている個々のヘッド部分450、452を有する。このロッド428は、下部腰椎適用のために用いられる丸い断面を備えて示されており、そしてそれが現存するねじ設計とともに働くために3〜6.5mmの範囲であるべきである。頸椎中の適用には、これらのロッドは、直径が1〜4.5mmの範囲にあるサイズであるべきである。図14では、第2のねじ422が別の椎体(示されていない)への適合のために示されているが、両方のねじ420、422はまた、骨が骨折するか、まは2つ以上のフラグメントに分割されるとき、1つの椎体内の骨折を処置するために用いられ得る。
【0039】
好ましくは、ロッド428は、失敗することなく繰り返される周期的負荷に耐え得、そして体温にある間、延性性質を有する材料から作製されるべきである。ニッケルおよびチタン、または称されるようにニッケルチタンが、この延性を有する材料性質を生じるように合金とされ得、これはまた、連続的塑性変形をともなう非弾性挙動を有するとして分類され得る。ニッケルチタンは、2つの一般的カテゴリーで製造され得ることが知られる。
【0040】
第1は超弾性であり;これらの合金は、体温で弾性挙動を有し、そしてときどきストレス誘導マルテンサイトと称される、ストレスによってオーステナイトからマルテンサイトへの相変態を行う。その他は、このタイプの材料を脊柱適用のためのロッドおよびプレートに適用することを試みたが、これらデバイスは、運動の間に脊柱に所望されないストレスを付与する巨大なスプリングのように作動する。さらなるストレスはまた、使用の間のより低い疲労耐性、および構築物が、それが負荷され、そして負荷を解かれるとき相変化を通って繰り返し遷移するという事実に起因して最終的な破損に至る。
【0041】
ニッケルチタンの第2のカテゴリーは、形状記憶特徴を有するとして分類される。この材料が記憶特徴を示す温度は、製造プロセスの間に設定され、そしてマルテンサイトとオーステナイトとの間の相変態が生じる遷移温度と称される。大部分の適用では、この形状記憶ニッケルチタンは、温度で誘導される相変化を利用するように選択され;しかし、本発明にとってはこれは真実ではない。それ故、脊柱インプラント構築物のためのニッケルチタン合金の従前の使用とは異なり、本開示に従うデバイスは、これら合金の超弾性特徴または形状記憶特徴のいずれも利用しない。選択されたニッケルチタン合金の相遷移温度は、実質的に体温より高いように選択されるので、この合金は、使用の間のすべてのときでマルテンサイト状態にある。この材料は、体温でそのマルテンサイト状態にあるので、上記ロッドまたは帯の負荷は、オーステナイトからマルテンサイトまでの相変化を誘導することはできない。なぜなら、この材料は、使用の間はいつもマルテンサイト状態であるからである。同様に、この相遷移温度は体温を実質的に超えるので、上記温度で誘導される形状記憶は利用されない。実際、この材料を相遷移温度を超えて加熱する任意の試みは、周辺組織に対し所望されない有害な影響を有し得る。
【0042】
述べられるように、本発明の場合には、体温である使用温度を顕著に超える遷移温度で形状記憶ニッケルチタンを用いることが望ましく、その結果、この材料は、常に、そのマルテンサイト状態にあり、相変態が起こらないことを確実にする。このマルテンサイト状態は、この材料が、ストレスまたは温度で誘導される相変態なくして、記載されたような所望の延性非弾性挙動をとることを可能にする。遷移温度と使用温度との間の差異が大きくなるほど、疲労耐性はより高くなり、そしてこの遷移温度は、好ましくは、華氏120〜320度(摂氏49〜160度)の特定点に設定され、これは、体温(すなわち、名目上華氏約98度または摂氏約37度)をかなり超える。華氏約200度(摂氏95度)の相遷移温度を有するロッドは、実施例1と組み合わせて以下に論議されるような望ましい性質を示した。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
各々長さが76mmおよび直径が5.5mmで、そして華氏200度(摂氏95度)のマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する一対のニチノールロッドからなる単一レベルの脊柱構築物を、DENALITM脊柱ねじ(K2M、LLC、Leesburg、Virginiaから、K2M 40の名称の下で入手可能)を用いて調製し、ASTM試験標準F1717−04(Verbrectomy Model中のSpinal Implant Constructs)に準じて試験した。結果は表1に示される。
【0044】
【表1】

表1に報告された結果は、華氏200度(摂氏95度)のマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する5.5mm直径のニチノールロッドは、110Nの負荷で5百万サイクルに耐え得ることを示す。
【0045】
本発明は、上に記載された好ましい実施形態にいかなる手段によっても制限されず、当業者に明らであり得る等価な機能および要素を用いることによって履行され得るすべての変更物、または添付の請求項の思想および範囲内に入る改変物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付の図面において:
【図1】図1は、本発明による細長いブリッジ部材の分解斜視図である。
【図1A】図1Aは、図1のデバイスを固定するための代表的なプレートセグメントの斜視図である。
【図2】図2は、そのアセンブルされた状態で示される、図1のデバイスの斜視図である。
【図3】図3は、図1および2のデバイスの正面図であり、このデバイスを、概略的に示されるような隣接する椎体に取り付けるための茎ねじをさらに含む。
【図4】図4は、負荷の付与の際の、図3のデバイスの正面図である。
【図5】図5は、茎ねじ、剛直性融合ロッド、および種々の範囲の可撓性の中から選択された本発明の帯を含む脊椎インプラント構成要素のキットである。
【図6】図6は、ねじ間に帯を直接固定する茎ねじを備えた、椎体(概略的に示される)に取り付けられた細長い移植可能な帯を採用するデバイスの平面図である。
【図7】図7は、図6のデバイスの正面図である。
【図8】図8は、圧縮緩衝部材および張力緩衝部材によって取り囲まれた帯を採用する、本発明の別のデバイスの分解斜視図である。
【図9】図9は、負荷の付与の前の図8に示されるアセンブルされた構造の正面図である。
【図10】図10は、図9の線10−10に沿って長軸方向にとった断面図である。
【図11】図11は、茎ねじおよびベアリングを用いて滑動可能に拘束される帯を採用する、本発明の正面図である。
【図12】図12は、図11の線12−12に沿って長軸方向にとった断面図である。
【図13】図13は、図11の線13−13に沿って長軸方向にとった断面図であり、ベアリングスリーブを備えた茎ねじを示す。
【図14】図14は、係留のために帯およびねじを採用する、本発明の好ましい実施形態である。
【図15】図15は、図14の線15−15に沿って長軸方向にとった断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の第1の椎体および第2の椎体上の係留位置間で脊柱を安定化するための整形外科デバイスであって:
該個々の係留位置で作動可能に連結された第1の端部および第2の端部を有する細長いブリッジであって、体温で非弾性であるように選択された移植可能な帯を含み、さらに、該椎体間に奏されるせん断力に抵抗しながら相対的拘束運動を可能にするように塑性変形し得るブリッジを備える、整形外科デバイス。
【請求項2】
前記移植可能な帯が、ワイヤ、チューブ、またはバンドの形態である、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項3】
圧縮緩衝部材をさらに備える、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項4】
張力緩衝部材をさらに備える、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項5】
前記ブリッジ部材が、各々が前記帯の端部で対応して保持され、そして前記個々の係留位置で前記椎体に独立に取り付けられる少なくとも2つの剛直性ロッド部材をさらに含む、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項6】
前記帯の端部で保持され、そして係留位置で椎体に独立に取り付けられるプレートセグメントをさらに備える、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項7】
前記帯が、体温で非弾性であるように選択されたニッケルチタン合金をさらに備える、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項8】
個々の第1の椎体と第2の椎体との間で脊柱を安定化するための整形外科デバイスであって:
対向する第1の端部と第2の端部を備えた細長い帯であって、体温で塑性非弾性変形し得る移植可能なニッケルチタン合金から少なくとも部分的に形成される帯;
該第1の端部で保持され、そして該第1の椎体に固定される剛直性ロッド部材であって、該第2の端部が該第2の椎体と作動可能に固定される剛直性ロッド部材を備え、ここで、
該帯における塑性変形が、該椎体間の相対的拘束運動を可能にする、整形外科デバイス。
【請求項9】
前記第2の端部で保持され、そして前記第2の椎体に固定される第2の剛直性ロッド部材をさらに備える、請求項8に記載の整形外科デバイス。
【請求項10】
前記第1の剛直性ロッド部材および前記第2の剛直性ロッド部材にそれぞれ取り付けられる第1の係留ねじおよび第2の係留ねじをさらに備える、請求項9に記載の整形外科デバイス。
【請求項11】
前記第1の剛直性ロッド部材と前記第2の剛直性ロッド部材との間に挟持される圧縮緩衝部材をさらに備える、請求項10に記載の整形外科デバイス。
【請求項12】
前記圧縮緩衝部材が、前記帯を取り囲む、請求項11に記載の整形外科デバイス。
【請求項13】
前記ニッケルチタン合金が、体温より実質的に高いマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する、請求項1に記載の整形外科デバイス。
【請求項14】
前記遷移温度が、体温を少なくとも10℃超える、請求項13に記載の整形外科デバイス。
【請求項15】
前記遷移温度が、約49℃を超える、請求項13に記載の整形外科デバイス。
【請求項16】
前記遷移温度が、約49〜160℃の範囲にある、請求項15に記載の整形外科デバイス。
【請求項17】
前記遷移温度が、約95℃である、請求項16に記載の整形外科デバイス。
【請求項18】
個々の第1の椎体および第2の椎体上の係留位置間で脊柱を安定化するための整形外科デバイスであって:
複数のねじ;
該複数のねじにそれぞれ連結される対向する第1の端部および第2の端部を備えた細長い帯であって、体温で塑性非弾性変形し得る移植可能なニッケルチタン合金から少なくとも部分的に形成される帯;および
該ねじの間に挟持され、そして該帯を取り囲む圧縮緩衝部材を備え、
ここで、該帯における塑性変形が、該椎体間の相対的拘束運動を可能にする、整形外科デバイス。
【請求項19】
前記帯が、約3mm〜約6mmの直径を有するロッドである、請求項18に記載の整形外科デバイス。
【請求項20】
前記帯が、約1mm〜約4.5mmの直径を有するロッドである、請求項18に記載の整形外科デバイス。
【請求項21】
前記ニッケルチタン合金が、実質的に体温より高いマルテンサイト/オーステナイト遷移温度を有する、請求項18に記載の整形外科デバイス。
【請求項22】
前記遷移温度が、体温を少なくとも10℃超える、請求項21に記載の整形外科デバイス。
【請求項23】
前記遷移温度が、約49℃を超える、請求項21に記載の整形外科デバイス。
【請求項24】
前記遷移温度が、約49〜160℃の範囲にある、請求項23に記載の整形外科デバイス。
【請求項25】
前記遷移温度が、約95℃である、請求項18に記載の整形外科デバイス。
【請求項26】
脊柱を安定化するための整形外科デバイスであって:
2つの拡大した端部部分を備えた細長い帯であって、体温で塑性非弾性変形し得るニッケルチタン合金から少なくとも部分的に形成される帯;
各々が該帯のためのサイズのボアを含む2つの剛直性ロッド部材であって、該帯のいずれかの端部で保持され、そして複数のアンカーによって2つの椎体と係合可能であるロッド部材;
該帯を取り囲み、そして該剛直性ロッド間に挟持される圧縮緩衝部材;および
該ボア内に捕捉され、該帯を取り囲み、そして該拡大した端部部分にそれぞれ接する2つの張力緩衝部材を備え、
ここで、該帯における塑性変形が、該椎体間の相対的拘束運動を可能にする、整形外科デバイス。
【請求項27】
外科用キットであって:
少なくとも1つの骨アンカー;および
体温で塑性非弾性変形し得る移植可能なニッケルチタン合金から少なくとも部分的に形成される帯をさらに備える可撓性脊椎安定化デバイス、を備える、外科用キット。
【請求項28】
前記デバイスが、少なくとも1つの剛直性融合ロッドをさらに備える、請求項27に記載の外科用キット。
【請求項29】
脊柱の第1の骨および第2の骨を安定化するための整形外科デバイスであって:
第1の端部および第2の端部を有する細長い帯であって、体温で非弾性特徴を示すように選択され、そしてさらに塑性変形し得る帯;
該帯の第1の端部を該第1の骨に固定して取り付けるよう適合された第1のねじ;
および該帯の第2の端部を受容するためのベアリングを提示し、そしてそれを該第2の骨に運動可能に拘束される様式で固定する第2のねじ、を備え、
ここで、該帯における塑性変形が、該骨間の相対的拘束運動を可能にする、整形外科デバイス。
【請求項30】
前記移植可能な帯が、少なくとも1つのワイヤ、少なくとも1つのロッド、少なくとも1つのチューブ、少なくとも1つのケーブル、少なくとも1つのバンド、および少なくとも1つのプレートからなる群から選択される、請求項29に記載の整形外科デバイス。
【請求項31】
前記帯を取り囲み、そして前記第1のねじと前記第2のねじとの間に挟持される緩衝部材をさらに備える、請求項29に記載の整形外科デバイス。
【請求項32】
前記帯の第2の端部が、アバットメントを有する、請求項29に記載の整形外科デバイス。
【請求項33】
前記帯の周りに配向され、そして前記第2のねじと前記アバットメントとの間に挟持される緩衝部材をさらに備える、請求項32に記載の整形外科デバイス。
【請求項34】
前記ベアリングが、ポリエチレンまたはポリエーテルエーテルケトンから選択されるプラスチック材料をさらに含む、請求項29に記載の整形外科デバイス。
【請求項35】
前記帯が、ニッケルチタン合金をさらに含む、請求項29に記載の整形外科デバイス。
【請求項36】
脊柱の第1の椎体および第2の椎体を安定化するための整形外科デバイスであって:
体温を超える変態温度を有し、そして使用の間に延性特徴を示す細長いニッケルチタン帯であって、第1の端部および第2の端部を備えたロッドの形態に形成される帯;
該ロッドの第1の端部を該第1の椎体に固定して取り付けるよう適合された第1のねじ;および
該ロッドの第2の端部を受容するためのプラスチックの直線状ベアリングを提示し、そしてそれを該第2の椎体に滑動可能に拘束される様式で固定する第2のねじを備え、
ここで、該帯における延性変形が、該椎体間の滑動可能に拘束される運動を可能にする、整形外科デバイス。
【請求項37】
前記ロッドを取り囲み、そして前記第1のねじと前記第2のねじとの間に挟持される緩衝部材をさらに備える、請求項36に記載の整形外科デバイス。
【請求項38】
前記ロッドの第2の端部が、アバットメントを有する、請求項36に記載の整形外科デバイス。
【請求項39】
前記帯の周りに配向され、そして前記第2のねじと前記アバットメントとの間に挟持される緩衝部材をさらに備える、請求項38に記載の整形外科デバイス。
【請求項40】
前記ベアリングが、ポリエチレンまたはポリエーテルエーテルケトンから選択されるプラスチック材料をさらに含む、請求項36に記載の整形外科デバイス。
【請求項41】
脊柱の第1の椎体および第2の椎体を安定化するための整形外科デバイスであって:
体温を超える変態温度を有し、そして使用の間に延性特徴を示す細長いニッケルチタン帯であって、第1の端部および第2の端部を備えたロッドの形態に形成され、該第2の端部がアバットメントを含む帯;
該ロッドの第1の端部を該第1の椎体に固定して取り付けるよう適合された第1のねじ;および
該ロッドの第2の端部を受容するためのプラスチックの直線状ベアリングを提示し、そしてそれを該第2の椎体に滑動可能に拘束される様式で固定する第2のねじ、
該ロッドを取り囲み、そして該第1のねじと該第2のねじとの間で挟持される第1の緩衝部材;および
該ロッドを取り囲み、そして該第2のねじと該アバットメントとの間に挟持される第2の緩衝部材を備え、
ここで、該帯における延性変形が、該椎体間の滑動可能に拘束される運動を可能にする、整形外科デバイス。

【図1】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2009−502213(P2009−502213A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510213(P2008−510213)
【出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/017188
【国際公開番号】WO2006/119447
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】