説明

噴射ノズル

【課題】 本発明は、高圧水の噴射を中断した際に、泥水の逆流が瞬時に阻止され、また、噴射を再開した際に円滑に高圧水を噴射することのできる噴射ノズルを提供することを目的とする。
【解決手段】 高圧水を供給する供給路30に接続され、高圧水を噴射するための噴射ノズルであって、一端に供給路30に接続される接続口14を有し、高圧水が導通される導通路4を備えたノズル本体2と、導通路4の軸線方向に前後移動して導通路4を開閉する開閉弁6と、開閉弁6の前後移動を案内する案内部8を備え、且つ高圧水を導通可能な切欠き10が側壁軸方向に形成された、導通路4内に挿設されるガイド部材12と、案内部8に収納され、開閉弁6を導通路4の軸線方向に付勢する付勢手段15と、ノズル本体2の他端に接続されるノズルチップ16とを含んで成る噴射ノズル1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水の噴射ノズルに関するものであって、特にコンクリート矢板やケーソン等の下端に設けて、高圧水を噴射する際に好適に使用し得る噴射ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート矢板や鋼矢板、ケーソン、I形鋼、H形鋼、既製杭等は、河川や湾岸の護岸、土留め壁、築島、止水壁、基礎工等を構築するための建材として広く採用されている。図8に一般的な施工状況(JV工法)を例示するように、例えばコンクリート矢板50を地盤に打ち込むには、まず、コンクリート矢板50を位置決めするための枠組52を施工現場に立ち上げる。一方、コンクリート矢板50の上端にバイブロハンマー54を取り付け、このバイブロハンマー54をクレーン等で吊り下げることにより、コンクリート矢板50を直立した姿勢とする。
【0003】
この状態で、コンクリート矢板50を枠組52の間に落とし込み、コンクリート矢板50の下端を地盤に突き立てる。更に、バイブロハンマー54によってコンクリート矢板50に超高周波振動を付与すると、コンクリート矢板50は徐々に地盤の中へ沈んで行くことになる。
【0004】
この過程で、コンクリート矢板50の下端に設けたノズル口径3〜6mmの噴射ノズル56から高圧水58を噴射することにより、コンクリート矢板50の真下の地盤を掘削する。同時に、高圧水58に削られて地盤から吹き上がる泥水が、コンクリート矢板50と地盤との間に介在することにより、これらの摩擦を軽減する潤滑剤としての役割も果たす。
【0005】
ここで問題となるのが、一時的に噴射ノズル56からの高圧水58の噴射を中断した場合である。地中深く没入されたコンクリート矢板50の下端付近は比較的水圧が高いため、噴射を中断すると、噴射ノズル58内へ泥水が逆流することになる。そして、噴射ノズル58が泥水の固形分である土砂や小石等によって詰まると、高圧水の噴射が再開できなくなるという問題が発生する。
【0006】
そこで本発明者は、高圧水の噴射を停止した際、泥水の逆流を阻止して土砂や小石等によって噴射ノズル内が詰まることがなく、また噴射を再開した際にも円滑に高圧水を噴射することのできる噴射ノズルを提案している(特許文献1参照。)。具体的には、図9に示すように、一端に供給路30に接続される接続口61と、他端に高圧水を噴射する噴射口62とを有し、供給路30からの高圧水を導く導通路63を備えたノズル本体64と、導通路63に対して交差して形成された開閉通路65と、開閉通路65内を導通路63に向かって前進して導通路63を閉じ、後退して導通路63を開く開閉弁66と、開閉弁66を前進方向に付勢する付勢手段67とを含んで成り、更に、供給路30と開閉通路65の先端部側68とを連通する連結路69が形成された噴射ノズル60である。高圧水が供給路30の他端側から噴射ノズル60側へ圧送されると、連結路69から流入した高圧水が開閉弁66の先端部70を押圧して後退させ、同図(b)に示すように導通路63を開く。そして、開閉弁66を押圧する高圧水は、開閉通路65の先端部側68から導通路63を介して噴射口62側へ流出すると共に、接続口61から導通路63へ流入した高圧水が、開状態となった導通路63を介して噴射口62側へ導通され、噴射口62からコンクリート矢板50の下方へ噴射される。一方、高圧水の噴射を中断すると、開閉弁66が直ちに前進方向に付勢されて、導通路63を閉じる。
【0007】
すなわち、噴射ノズル60は、高圧水の噴射を中断した場合に、開閉弁66によって導通路63や連結路69、更には供給路30への泥水の逆流を阻止できるため、噴射ノズル1内が土砂や小石等によって詰まることが無い。また、仮に噴射口62から開閉弁66の配設位置までの間の導通路に土砂や小石等が進入していても開閉弁66の後退には何ら支障がなく、円滑に高圧水の噴射を再開することができる。
【0008】
また、従来の噴射ノズルとして、図10に示すような噴射ノズル72も開示されている。この噴射ノズル72は、弦巻バネ73により後退方向に付勢されたバルブ74によって、ノズル本体75内の導通路76を開閉するものである。この噴射ノズル72では、特に、バルブ74が備える突起棒78が、導通路76内に挿設されたバルブガイド79内のガイド孔80に挿入されている。すなわち、バルブ74が導通路76を開閉する際には、突起棒78がガイド孔80内を摺動することによって、バルブ74の前後移動が案内される。
【特許文献1】特願2004−317828号(請求項3、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1において提案した噴射ノズル60では、供給路30から噴射ノズル60内へ高圧水を一気に供給した際に、開閉弁66が接続口61から流入した高圧水の圧力によって側方(噴射口62側)に押圧され、連結路69から流入した高圧水の圧力によって開閉弁66を後退させることが困難となる。また、噴射ノズル60の構造が従来の噴射ノズルに比較して複雑であるため、製造コストが掛かるという問題も生じる。
【0010】
一方、図10に示した噴射ノズル72においては、高圧水を供給してバルブ74が前進移動を開始した際、バルブ74に係る頭部81の周囲が噴射ノズル72を構成する何れの部材にも接触することがないため、頭部81に生じる左右方向のブレによって、ガイド孔80と突起棒78とに偏心が生じ易く、この偏心が生じると突起棒78がガイド孔80内を円滑に摺動することができなくなる。従って、バルブ74が十分に前進移動できず、高圧水の噴射量が減少する恐れがあると共に、噴射を中断した際に泥水の逆流を阻止できなくなる恐れもある。更に、ガイド孔80と突起棒78との摩擦によりこれらが摩耗した場合には、この偏心量が更に増大するため、高圧水の噴射量減少や逆流が阻止できなくなるといった問題がより生じ易くなる。
【0011】
そこで本発明者は、上記の問題点に鑑み、高圧水の噴射を中断した際に、泥水の逆流が瞬時に阻止され、また、噴射を再開した際に円滑に高圧水を噴射することのできる噴射ノズルを提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明の噴射ノズルの要旨とするところは、高圧水を供給する供給路に接続され、該高圧水を噴射するための噴射ノズルであって、一端に前記供給路に接続される接続口を有し、前記高圧水が導通される導通路を備えたノズル本体と、前記導通路の軸線方向に前後移動して前記導通路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁の前後移動を案内する案内部を備え、且つ前記高圧水を導通可能な切欠きが側壁軸方向に形成された、前記導通路内に挿設されるガイド部材と、前記案内部に収納され、前記開閉弁を前記導通路の軸線方向に付勢する付勢手段と、前記ノズル本体の他端に接続されるノズルチップとを含んで成ることにある。
【0013】
かかる噴射ノズルにおいて、前記切欠きの少なくとも一部が、前記ガイド部材の軸線方向に対して螺旋状であることにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の噴射ノズルは、コンクリート矢板等の打ち込み作業の中断に伴って高圧水の噴射を中断した際に、開閉弁によって導通路が閉じた状態に維持されるため、供給路へ泥水が逆流するのを阻止できる。従って、打ち込み作業の中断時に、導通路や供給路が土砂や小石等によって詰まらないように高圧水の噴射を継続する必要がなく、高圧水の噴射を完全に停止した場合であっても、供給路側への泥水の逆流を確実に阻止することができる。
【0015】
また、本発明の噴射ノズルに係る開閉弁を球状とすることによって、導通路内に挿設されたガイド部材内の案内部を円滑に前後移動することができ、導通路の開閉を確実且つ円滑に行うことができる。更に、案内部と開閉弁に多少の摩耗が生じても、導通路の開閉には特に支障がなく、確実に高圧水の噴射及び泥水の逆流の阻止ができる。
【0016】
更にまた、本発明の噴射ノズルは、その構造が非常に単純であるため、製造コストの抑制を図ることができる。
【0017】
また、本発明の噴射ノズルに係るガイド部材において、ガイド部材に形成される切欠きを、ガイド部材の軸線方向に対して螺旋状に形成することによって、螺旋状の高圧水を容易に噴射することができ、高圧水による掘削効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の噴射ノズルの実施形態について、図面に基づき説明する。なお、本発明の実施形態はコンクリート矢板に適用したものであるが、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施の形態に係る噴射ノズル1は、図1に示すように、コンクリート矢板50の下端において、コンクリート矢板50に埋設された高圧水の供給路30に接続され、コンクリート矢板50の下方へ高圧水を噴射する。ここで、下方と記したのは、コンクリート矢板50を直立させて施工することが前提であって、コンクリート矢板50の向きや姿勢、高圧水の噴射方向を限定する意図ではない。
【0020】
噴射ノズル1は、一端に供給路30に接続される接続口14を有し、供給路30から供給される高圧水が導通する導通路4を備えたノズル本体2(図2参照)と、導通路4の軸線方向に前後移動して導通路4を開閉する開閉弁6と、開閉弁6の前後移動を案内する案内部8を備え、且つ高圧水を導通可能な切欠き10が側壁軸方向に形成されたガイド部材12と、案内部8に収納されて、開閉弁6を導通路4の軸線方向に付勢する付勢手段15と、ノズル本体2の他端に接続されるノズルチップ16とを含んで構成される。
【0021】
ノズル本体2は、図2に示すように、その内部を貫通する導通路4を備えており、この導通路4の一端は供給路30に接続される接続口14となり、他端はノズルチップ16が接続される接続口18となる。つまり、コンクリート矢板50に埋設された供給路30の一端外周面に形成された雄ネジに、接続口14の内周面に形成された雌ネジを螺合することによって、供給路30と噴射ノズル1に係るノズル本体2が接続される。一方、ノズル本体2の他端側の接続口18には、噴射口17を備えるノズルチップ16が接続されるが、本実施形態では、ソケット20を介してノズルチップ16が接続されている。すなわち、接続口18の内周面に形成された雌ネジと、ソケットの一端外周面に形成された雄ネジとを螺合してノズル本体2とソケット20とを接続し、ソケット20の他端内周面に形成された雌ネジにノズルチップ16の一端外周面に形成された雄ネジを螺合することによってソケット20とノズルチップ16が接続されている。なお、本実施形態に係るノズルチップ16は、必ずしもソケット20を介して接続する必要はなく、接続口18の口径に合った外周面を備えるノズルチップ16であれば、接続口18に直接ノズルチップ16が接続されてもよく、或いはソケット20とノズルチップ16とが一体に成形されたノズルチップであってもよい。すなわち、ノズルチップの形状及び接続態様は特に限定されない。
【0022】
また、導通路4の途中には、テーパー24により絞り込み部25を形成することによって弁座部22が設けられており、後述する開閉弁6がこの弁座部22に当接するすることによって導通路4が閉じられる。
【0023】
本実施形態に係る、導通路4を開閉するための開閉弁6は球状を成し、導通路4に設けられた弁座部22に当接することによって導通路4を閉じ、弁座部22から離反することによって導通路4を開く。つまり、開閉弁6が導通路4の軸線方向に対して前後移動することによって導通路4が開閉され、開閉弁6が後退したときに弁座部22に当接して導通路4が閉じられる。
【0024】
導通路4に挿設されるガイド部材12は、図3に示すような略円筒形状を成し、その側壁軸方向に、ガイド部材12の後端26から先端27にかけて、複数の切欠き10が形成されている。すなわち、供給路30からノズル本体2内へ供給された高圧水は、ガイド部材12が導通路4に挿設されて導通路4の内壁面と切欠き10とにより形成された導水路5を通って、ノズル本体2の他端側からノズルチップ16を介して噴射されることとなる。
【0025】
また、このガイド部材12の内部には、ガイド部材12の後端26側から先端27側に向かって、上記の開閉弁6の前後移動を案内するための案内部8を備えており、案内部8は切欠き10を介してガイド部材12の外部と連通している。つまり、案内部8は、ガイド部材12に係る切欠き10以外の部分の内周面によって形成されている。そして、この案内部8には付勢手段15として弦巻バネが収納されており、開閉弁6がこの付勢手段15によって後退方向に付勢され、ノズル本体2内における弁座部22に当接して導通路4を閉じた状態に維持する。すなわち、開閉弁6は、この案内部8によって前後移動を案内されつつ、導通路4の開閉を行うこととなる。なお、ガイド部材12に係る案内部8の先端側には、付勢手段15を係止するための係止部28が設けられており、係止部28の中央部には、案内部8とガイド部材12の先端27側とを連通する連通孔29が形成されている。また、付勢手段15としては弦巻バネの他、空気バネ、板バネ、竹の子バネ等が適用可能であり、特に限定されるものではない。
【0026】
以上の構成から成る本実施形態に係る噴射ノズル1は、コンクリート矢板50に埋設された供給路30に接続されている。高圧水が供給されていない状態では、図1(a)に示すように、開閉弁6が付勢手段15によって後退方向(図中、上方向)に付勢されて導通路4内に形成された弁座部22に当接されて、導通路4を閉じた状態に維持している。
【0027】
供給路30から噴射ノズル1側に高圧水が圧送されると、接続口14から導通路4に流入した高圧水によって、まず開閉弁6が押圧される。すると開閉弁6は、図1(b)に示すように、付勢手段15の付勢力に勝る高圧水の圧力によって、ガイド部材12が備える案内部8を前進方向(図中、下方向)に押圧されて、導通路4を開くこととなる。導通路4が開かれると、高圧水は、案内部8から導通路4の内壁面と切欠き10とにより形成された導水路5を介して、ノズル本体2の他端側へと導通される。そして、ノズル本体2の他端側に導通された高圧水がソケット20及びノズルチップ16内を圧送されて、噴射口17から噴射される。
【0028】
一方、高圧水の噴射を中断した場合には、開閉弁6を押圧して導通路4を開いた状態に維持するための高圧水の圧力が働かないため、付勢手段15により付勢されている開閉弁6は、案内部8によって案内されつつガイド部材12の後端26側に向かって後退する。そして、開閉弁6が導通路4に形成された弁座部22に当接することによって、導通路4が再び閉じた状態に維持されることとなる(図1(a))。
【0029】
すなわち、本実施形態に係る噴射ノズル1を適用することにより、コンクリート矢板50の打ち込み作業の中断に伴って高圧水の噴射を中断した際、開閉弁6が付勢手段15によって後退方向に付勢され、導通路4が瞬時に閉じられるため、供給路30側への泥水の逆流を阻止できる。特に、本実施形態に係る開閉弁6は球状であり、案内部8を円滑に移動することができるため、高圧水の噴射中断に対する応答性が非常に良好である。従って、打ち込み作業の中断時に、導通路4や供給路10等が土砂や小石等によって詰まらないように高圧水の噴射を継続する必要がなく、高圧水の噴射を完全に停止した場合であっても、瞬時に逆流を阻止することによって、噴射ノズル1内への土砂や小石等の進入を最小限に抑えることができる。
【0030】
また、本実施形態では、開閉弁6の最大幅部分、つまり開閉弁6の移動方向に対して水平方向に最大幅を有する部分が、開閉弁6が弁座部22に当接した状態で案内部8に若干収納された状態となっているため、高圧水が一気に供給された場合であっても開閉弁6の移動方向と案内部8の軸線方向との間に偏心が生じ難い。更に、本実施形態のように、開閉弁6を球状とすることによって、開閉弁6に作用する高圧水の圧力に多少の偏心が生じた場合であっても、導通路4に挿設されたガイド部材12内の案内部8を円滑に前後移動することができ、導通路4の開閉を確実に且つ瞬時に行うことができる。更には、案内部8及び/又は開閉弁6に多少の摩耗が生じても、導通路4の開閉には特に支障がなく、確実に高圧水の噴射及び泥水の逆流の阻止ができる。
【0031】
また、本発明の噴射ノズルは、その構造が非常に単純であるため、製造コストの抑制を図ることができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態である噴射ノズル1について詳述したが、本発明の実施形態は上述のものに限定されない。例えば、噴射ノズル1に係るガイド部材12は、図4に示すような態様であってもよい。同図に示したガイド部材12aは、ガイド部材12と同様、略円筒形状を成し、その側壁軸方向に複数の切欠き10aが形成され、またその内部には案内部8を備えている。ここで、ガイド部材12aに係る切欠き10aは、ガイド部材12aの先端27側において、ガイド部材12aの軸線方向に対して螺旋状に形成されている。
【0033】
このように、切欠き10aを螺旋状に形成したガイド部材12aを本発明の噴射ノズルに適用することによって、噴射口17から噴射される高圧水をより狭い範囲に集中的に噴射することができ、高圧水の噴射による掘削性能を向上することができる。
【0034】
なお、切欠き10aは、ガイド部材12aに係る係止部28から先端27にかけて螺旋状に形成されているが、図5に示した切欠き10bのように、ガイド部材12bの後端26から先端27にかけて、ガイド部材12bの軸線方向に対して螺旋状に形成されてもよい。
【0035】
また、本発明に係る開閉弁は球状であることが好ましい。しかし、開閉弁がノズル本体2内の弁座部22に当接した状態で、この開閉弁の最大幅部分、つまり開閉弁の移動方向に対して水平方向に最大幅を有する部分を、案内部8に収納することができる形状であれば特に限定されず、例えば図6(a)に示すような、砲弾形状の開閉弁6aであってもよく、或いは同図(b)に示す開閉弁6bのように、弁座部22に当接する側の部分(以下「頭部」という。)が円錐台状をなし、その反対側の部分、つまり案内部8内に位置する部分が円柱状をなすものであってもよい。更には、図7に示す開閉弁6cのように、頭部が略半球状をなし、その反対側に棒部材7が突設された形状であってもよい。なお、この開閉弁6cの態様では、開閉弁6cの頭部が弁座部22に当接した状態で、棒部材7の一端がガイド部材12に係る連通孔29内に挿入されている(同図(a))。そして、高圧水の噴射時には、開閉弁6cの頭部が案内部8で案内され、棒部材7が連通孔29で案内されて開閉弁6cが前進し、導通路4が開かれることとなる(同図(b))。
【0036】
以上に例示した本発明の実施形態に係る噴射ノズルは、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る噴射ノズルの断面図であり、(a)は導通路が閉じた状態、(b)は導通路が開いた状態を示す。
【図2】図1に示した噴射ノズルに係るノズル本体の断面図である。
【図3】図1に示した噴射ノズルに係るガイド部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は(b)におけるA−A断面図である。
【図4】本発明に係るガイド部材の他態様を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は(b)におけるB−B断面図である。
【図5】本発明に係るガイド部材の更に別の態様を示す斜視図である。
【図6】(a)は本発明に係る開閉弁の他態様を示す断面図、(b)は更に別の態様を示す断面図である。
【図7】本発明に係る開閉弁のまた別の態様を示す断面図であり、(a)は導通路が閉じた状態、(b)は導通路が開いた状態を示す。
【図8】従来のコンクリート矢板の施工現場の鳥瞰図である。
【図9】従来の噴射ノズルの断面図であり、(a)は導通路が閉じた状態、(b)は導通路が開いた状態を示す。
【図10】従来の他の噴射ノズルの断面図(閉じた状態)である。
【符号の説明】
【0038】
1:噴射ノズル
2:ノズル本体
4:導通路
6、6a〜6c:開閉弁
8:案内部
10、10a、10b:切欠き
12、12a、12b:ガイド部材
14、18:接続口
15:付勢手段
16:ノズルチップ
17:噴射口
22:弁座部
28:係止部
30:供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水を供給する供給路に接続され、該高圧水を噴射するための噴射ノズルであって、
一端に前記供給路に接続される接続口を有し、前記高圧水が導通される導通路を備えたノズル本体と、
前記導通路の軸線方向に前後移動して前記導通路を開閉する開閉弁と、
前記開閉弁の前後移動を案内する案内部を備え、且つ前記高圧水を導通可能な切欠きが側壁軸方向に形成された、前記導通路内に挿設されるガイド部材と、
前記案内部に収納され、前記開閉弁を前記導通路の軸線方向に付勢する付勢手段と、
前記ノズル本体の他端に接続されるノズルチップと
を含んで成る噴射ノズル。
【請求項2】
前記切欠きの少なくとも一部が、前記ガイド部材の軸線方向に対して螺旋状である請求項1に記載の噴射ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−130570(P2007−130570A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−325950(P2005−325950)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(504406346)
【出願人】(394002981)株式会社岡本建設用品製作所 (10)
【Fターム(参考)】