説明

噴射設備、洗浄装置及び噴射ノズル

【課題】簡易であり、組付性及びメンテナンス性が良好な噴射設備を提供すること。
【解決手段】液体用配管兼支持用配管と、該液体用配管兼支持用配管を介して供給される液体の噴射流を発生させ、かつ、液体用配管兼支持用配管に設けられつつ該液体用配管兼支持用配管に固定された噴射ノズル本体部を備えた少なくとも1つの噴射ノズルと、回転可能及び/又は揺動可能に駆動される噴射軸と、該噴射軸を覆いつつ噴射ノズル本体部に支持されたヘッド部とを備えて成る噴射設備において、ヘッド部を、噴射ノズル本体部上で、スライド及び/又は係止して、好ましくは着脱可能に支持した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項3の前提部分に記載した噴射設備、請求項14の前提部分に記載した洗浄装置並びに請求項15の前提部分に記載した噴射ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特に容器、ボトル等の洗浄装置の噴射ステーションに使用される噴射設備が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の噴射設備によれば、噴射ノズルを形成しているノズルケーシング又はノズル本体部の各液体用配管兼支持用配管への固定及び噴射軸を覆っているヘッド部の固定のための固定部材として、ネジ等が必要となってしまうという問題がある。そして、これにより、構造的な観点での大幅は複雑化を招くだけではなく、各固定のために平坦な面が必要となってしまう。すなわち、ヘッド部において、長方形状断面又は円形断面を有する液体用配管兼支持用配管及び噴射ノズルの鋼面を平坦にする必要がある。この結果、多数の水平面及び凹部又は傾斜部が形成され、液体の貯留部も形成されてしまう。すなわち、汚染物質も貯留されてしまう可能性がある。
【0004】
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、簡易であり、組付性及びメンテナンス性が良好な噴射設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1又は請求項3に係る発明に対応する噴射設備によって達成される。なお、洗浄装置及び特に容器、ボトル等の洗浄装置の噴射ステーションに使用される噴射ノズルは、それぞれ請求項14及び請求項15に係る発明に対応している。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、簡易であり、組付性及びメンテナンス性が良好な点で特徴付けられている。さらに、本発明によれば、液体用配管兼支持用配管及び噴射ノズルの外面を適当な計上とすることで、液体が貯留するようは平面、凹部又は傾斜部を不要とすることが可能である。すなわち、本発明によれば、各部材を固定するための平坦な面が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】容器受け内に配置された容器の洗浄装置における2つの噴射ステーションを極めて簡易に示す図である。
【図2】図1に示す噴射ステーションにおける噴射ノズルを噴射軸及び液体用配管兼支持用配管と共に示す側面図である。
【図3】図1に示す噴射ステーションにおける噴射ノズルを噴射軸及び液体用配管兼支持用配管と共に示す長手軸方向の断面図である。
【図4】図1に示す噴射ステーションにおける噴射ノズルを噴射軸及び液体用配管兼支持用配管と共に示す平面図である。
【図5】図2におけるI−I線に沿った断面を示す図である。
【図6】図1〜図5に示す噴射ステーションにおける噴射ノズルを噴射軸及び液体用配管兼支持用配管と共に示す斜視図である。
【図7】ヘッド部を拡大して示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態における噴射ノズルを示す図である。
【図9】図8に示す噴射ノズルの側面図である。
【図10】図9におけるII−II船に沿った断面を示す図である。
【図11】接続開口部を備えた液体用配管兼支持用配管を簡易に示す図である。
【図12】液体用配管兼支持用配管の軸方向における一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下の説明及び図面に記載した特徴は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、請求項の記載にかかわらず適宜組み合わせることができる。また、特許請求の範囲の内容は、本明細書の一部を構成している。
【0009】
理解を容易にするため、各図には、互いに垂直な3つの軸をX軸、Y軸及びZ軸として表示している。ここで、X軸及びZ軸は水平方向の軸であり、Y軸は垂直方向の軸である。
【0010】
<実施の形態1>
図において、容器3を洗浄する洗浄装置における2つの噴射ステーションが符号1,2で示されており、容器3は、当業者間で公知の方法により、搬送方向A(X軸方向)における装置内部の搬送システムによって噴射システム1,2において反転される。すなわち、容器開口部3.1が下方に向けられて搬送されることになる。この搬送システムは、上記同様当業者間で公知のように、複数の容器受け4によって構成されている。
【0011】
この容器受け4は、搬送方向Aに沿って、すなわち図1の紙面に対して垂直に、互いに隣り合って配置されているとともに、各容器を収容するための、容器受けにおける複数の区画部4.1を形成している。この区画部4.1の個数に合わせて、各噴射ステーション1,2は、Z軸方向に交互に配置された複数の噴射ノズル6を有する噴射設備5を備えている。
【0012】
各噴射設備5は、特に、円筒状の噴射軸7を含んで構成されており、この噴射軸7は、その長手方向がZ軸方向となるよう配置されているとともに、噴射設備5の支持枠に回転可能及び/又は揺動可能に支持されている。この噴射軸7は、その一端において、図示の実施形態では星型に形成されたアクチュエータ8を備えており、このアクチュエータ8により、噴射軸7が容器受け4の動作にシンクロして回転及び/又は揺動するようになっている。
【0013】
噴射設備5及びその噴射ノズル6は搬送路の下方に配置されており、この搬送路上で容器開口部3.1を有する容器3が噴射ステーション1,2を通過する。また、噴射軸7は液体用配管兼支持用配管9の上方に設けられており、この液体用配管兼支持用配管9は、その長手軸が噴射軸7及びZ軸と平行となるよう、噴射設備5の全長あるいはほぼ全長にわたって延設されている。
【0014】
液体用配管兼支持用配管9上には、噴射ノズル6を形成するために、それぞれ当該液体用配管兼時使用配管9の内部空間に結合された液体通路11を有する複数の噴射ノズル本体部10が固設されている。ここで、この液体通路11は、その長手軸がY軸方向となるよう延設されているとともに、噴射ノズル本体部10における上部10.1において開口している。ここで、噴射ノズル本体部10における上部10.1は、その中空状の接触面において噴射軸7に対して密着する役割を果たしている。すなわち、前記上部10.1はZ軸に平行な軸回りに弓状かつ凹状に湾曲されており、その半径は、噴射軸7の外径に一致するか、あるいはほぼ一致するようになっている。
【0015】
図示の実施形態においては、液体通路11が中間ノズル13内に設けられており、この中間ノズル13は、シール部材12でシールされつつ、噴射ノズル本体部10内でY軸方向に変位可能に配置されている。さらに、この中間ノズル13は、その上端において噴射軸7に対して密着するための中空状の接触面を形成しており、この接触面により噴射軸7と密着するようになっている。このとき、噴射ノズル本体部10と中間ノズル13の間で作用する弾性手段によって押圧されるようになっている。
【0016】
なお、噴射ノズル本体部10及び封鎖部材として形成された中間ノズル13は、例えば合成樹脂から成る成形部品(射出成形部品)である。また、シール部材12は、中間ノズル13を噴射軸7に対して押圧する弾性力を発生させるシール要素で形成されている。すなわち、このシール要素は、シール機能と弾性機能を有するものとなっている。
【0017】
ところで、噴射ノズル本体部10の上側にはキャップ状のヘッド部14が固定されており、このヘッド部14は、例えば合成樹脂から成る成形部品(射出成形部品)として形成されている。そして、このヘッド部14は、当該ヘッド部14の凹部14.1において、噴射軸7の外周180°以上を密着して、あるいはほぼ密着して包囲するものである。すなわち、噴射軸7が噴射ノズル本体部10又は中間ノズル13によって包囲されない外周部分が包囲されることになる。
【0018】
また、各噴射ノズル6において、噴射軸7が噴射路15を備えており、この噴射路15は、図示の実施形態においては、噴射ノズル7の径方向に貫通した2つの貫通孔と、該貫通孔に対して垂直な2つの貫通孔で形成されている。したがって、各噴射路15は、噴射軸7の外面において、互いに接続された全部で4つの孔を有することになる。
【0019】
また、ヘッド部14は、噴射ノズル本体部10とは反対側に位置する上側に開口部16を有しており、この開口部16の断面及び中間ノズル13内に形成された液体通路11の断面は、噴射路15の開口部断面よりも大きく設定されている。さらに、開口部16の断面は、液体通路11の断面よりも大きく設定されている。
【0020】
液体用配管兼支持用配管9へ圧力によって供給される洗浄液又は噴射液は、噴射軸7が回転及び/又は揺動し、噴射路15の開口部が液体通路11と重なったとき、又は重なっている限り、各噴射ノズル6において、噴射軸7の径方向に向けられつつ噴射ノズル6から噴射される噴射流17を形成する。そして、搬送動作にシンクロするよう制御された噴射軸7の回転により、各噴射流17は、当業者間で公知のように、各噴射ステーション1,2を通過する容器3に合わせて移動する。
【0021】
噴射設備5又はその噴射ノズルの特別な特徴は、ヘッド部14が、これをスライドさせ、並びに場合によっては噴射ノズル本体部10に接着及び/又は係止することにより好ましくは着脱自在に固定される点にある。ここで、各ヘッド部14のスライドは、噴射軸7の長手軸方向、すなわちZ軸方向になされる。また、各ヘッド部14は、その取付時のわずかな弾性変形により当該ヘッド部14における凹部14.1と共に各噴射ノズル本体部10の側方において噴射軸7上に設置又は挟着される。その後、各ヘッド部14は、軸方向へ変位し、最終的に噴射ノズル本体部10における上部10.1に嵌着される。
【0022】
このため、ヘッド部14は、取り付けた状態でX軸方向に向かい合っており、かつ当該ヘッド部14の外面から突出したフランジ状の突出部18と、該突出部18に対して当該ヘッド部14の下方へ、すなわち当該ヘッド部14を取り付けた状態でY軸方向へずらして設けられた他の突出部19とを有する2つの縁部を備えている。ここで、突出部19は、突出部18と同様に前記凹部14.1とは反対側のヘッド部14の外面から突出している。
【0023】
これら2つの突出部18,19は、いずれもトリム状に、ヘッド部14の軸方向幅にわたって延設されている。また、ヘッド部14が取り付けられた状態においては、突出部18が、突出部19に向いた下側で噴射ノズル本体部10の上面に接触するようになっている。なお、各突出部19は、いずれも噴射ノズル本体部10において溝で形成されたエッジ部の下方に係合する。
【0024】
例えば合成樹脂等の適当な材料から成る成形部品で形成された噴射ノズル本体部10は、シール部材21を用いて、液体用配管兼支持用配管9に係止される。すなわち、噴射ノズル本体部10の下側に形成され、かつ、この噴射ノズル本体部10の下側から突出しつつシール部材21を貫通するラッチ22が、液体用配管兼支持用配管9における複数の開口部に係着される。
【0025】
このとき、噴射ノズル本体部10は、シール部材21を介して液体用配管兼支持用配管9の外面に接触する下部において該液体用配管兼支持用配管9の円筒状の外面と密着するよう、Z軸に平行な軸回りに凹状に湾曲して形成されている。そのため、噴射ノズル本体部10を液体用配管兼支持用配管9に固定するための特別な部材(ネジなど)が不要となっている。さらに、例えば噴射ノズル6又は噴射ノズル本体部10を固定するための水平面を液体用配管兼支持用配管9に設ける必要もない。
【0026】
なお、図示の実施形態において、シール部材21を、シール部材12で形成された弾性シール部材として形成することも可能である。これにより、各噴射ノズル本体部10の取付の容易化を図ることができる。
【0027】
<実施の形態2>
図8〜図10には、本発明の第2の実施形態として、噴射ステーション1,2における噴射ノズル6の代わりに噴射ノズル6aが図示されており、この噴射ノズル6aは、噴射軸7と共に、各噴射設備5を形成するために使用されている。
【0028】
本実施の形態においても、噴射ノズル6aは、噴射ノズル本体部10に相当する噴射ノズル本体部10a及びヘッド部14に相当するヘッド部14aによって構成されている。ここで、このヘッド部14aは、上述のヘッド部14の固定と同様に、係止又は側方へのスライドによって、当該ヘッド部14aに形成された突出部19が噴射ノズル本体部10aの上部における凹部20に契合することにより、噴射ノズル本体部10aの上部に固定される。なお、このヘッド部14aの噴射ノズル本体部10aへの固定は、更に接着によって確実なものとすることが可能である。
【0029】
また、噴射ノズル6aは、ラッチ22の係合により当該噴射ノズル6aが液体用配管兼支持用配管9に固定されるのではなく、液体用配管兼支持用配管9をパイプクランプ状又は弓状に包囲する配管用クランプ23によって当該噴射ノズル6aが液体用配管兼支持用配管9に固定される点でのみ噴射ノズル6と相違する。なお、配管用クランプ23は、例えば合成樹脂(好ましくは弾性を有する合成樹脂)から成る適当な材料(好ましくは弾性材料)で形成された成形部材であり、2つのアーム部23.1及び該アーム部23.1に接続された弓状部23.2を備えている。
【0030】
また、配管用クランプ23の両自由端には、それぞれ、内方へ、すなわち当該2つのアーム部23.1間の空間方向へ向いた突起部24を備えたアーム部23.1が設けられている。各突起部24は、弓状部23.2へ向いた下側においていかり爪状にあるいは傾斜面を備えて形成されている。なお、この傾斜面は、突起部24を有するアーム部23.1の内面に90°より小さな角度で接続されるものである。
【0031】
ところで、噴射ノズル本体部10aに固定された配管用クランプ23において各突起部24が凹部25に係合し収容されるとともに、各アーム部23.1がその内面において突起部24に直接接続された部分に平面的に接触するよう、噴射ノズル本体部10aにおける2つの互いに対向する側にはそれぞれ突起部24と係合する凹部25が形成されている。さらに、アーム部23.1の内面と、円筒状に湾曲されつつヘッド部14aの反対側を向いた噴射ノズル本体下部10a.1を有する弓状部23.2の内面とで円筒状の開口部27が形成されている。なお、この開口部27には、配管用クランプ23の弾性変形の下に、取り付けられた噴射ノズル6aと共に液体用配管兼支持用配管9が収容されるようになっている。
【0032】
噴射ノズル本体部10aにおけるヘッド部14aと反対側の下部には、該下部から突出した係止部材28が設けられており、この係止部材28は、噴射ノズル6におけるラッチ22のように、液体通路11の開口部の周囲に分散して配置されている。さらに、係止部材28は上述のラッチ22と同様にシール部材21を貫通しているため、この係止部材28は、シール部材21における噴射ノズル本体部10aの反対側から突出している。なお、図示の実施形態においては、仮想の四角形のコーナ部を形成する全部で4つの係止部材が設けられている。
【0033】
各噴射ノズル6aの取付は、液体用配管兼支持用配管9における当該噴射ノズル6aのための各接続開口部9.1においてなされるようになっている。ここで、接続開口部9.1は例えば図12に示すような、円形ではない長方形状の断面を有しており、この接続開口部9.1には係止部材28が挿入されるようになっている。したがって、この係止部材28は接続開口部9.1の各縁部において支持されることとなり、各噴射ノズル本体部10aを、液体用配管兼支持用配管9に対して正確に位置決め及び案内することができるとともに、液体用配管兼支持用配管9において回転自在に支持することが可能である。
【0034】
詳細には、各噴射ノズル6aの取付の液体用配管兼支持用配管9への取付は、当該噴射ノズル本体部10aの機能部材及びシール部材21であらかじめ組み付けられた適当な噴射ノズル本体部10aを液体用配管兼支持用配管9における接続開口部9.1に設置することによりなされる。したがって、係止部材28がこの接続開口部9.1に係合し、噴射ノズル本体下部10a.1がシール部材21と共に液体用配管兼支持用配管9に接触する。
【0035】
つづいて、配管用クランプ23が、突起部24を凹部25方向の側方へのスライドによって、及び弾性変形又は配管用クランプ23の緊張の下で、液体用配管兼支持用配管9を包囲するように取り付けられる。このとき、配管用クランプ23は、その取付状態において、液体用配管兼支持用配管9と噴射ノズル本体部10aあるいは中間ノズル13内に形成された液体通路11との間のシールがなされるよう、噴射ノズル本体部10aを噴射ノズル本体下部10a.1に設けられたシール部材21と共に液体用配管兼支持用配管9に対して弾性的に押圧する。
【0036】
ところで、突起部24が凹部25方向へ側方にスライドして係合する際に、配管用クランプ23の取付及び緊張が行えるように、該配管用クランプ23は、その弓状部23.2において幅が狭くなっている。そして、この幅の狭い部分は、開口部27の軸方向(取り付けた状態におけるZ方向)に、かつ、図9において符号23.3で示す配管用クランプ23における側面から図9において符号23.4で示す側面へ向かって幅が減少されて形成されている。
【0037】
これにより、各配管用クランプ23の取付時に、液体用配管兼支持用配管9に既に配置された噴射ノズル本体部10aにおいて、両突起部24が前記側面23.3と隣り合う端部と共に凹部25へ挿入されることが可能となる。そして、この挿入は、配管用クランプ23が、液体用配管兼支持用配管9又はZ軸に対して傾斜している状態で、すなわち開口部27の中心軸と共に液体用配管兼支持用配管9又はZ軸に対して傾斜している状態で可能である。
【0038】
つづいて、配管用クランプ23は、増加する平坦箇所及び緊張の下で噴射ノズル本体部10aに対して完全に押し込まれる。すなわち、突起部24が、配管用クランプ23における増加する平坦箇所及び緊張の下で凹部25内に挿入され、最終的に、噴射ノズル本体部10aが、緊張された配管用クランプ23を備えた液体用配管兼支持用配管9に固定されることになる。
【0039】
噴射ノズル本体部10aの全体の取付後、本実施の形態においても、ヘッド部14aを噴射軸7の長手軸方向(Z軸方向)へ押し込むことにより該ヘッド部14aを噴射ノズル本体部10aに嵌合させ、該噴射ノズル本体部10aの上部を噴射軸7に設置することで噴射軸7の取付がなされる。
【0040】
噴射設備5又はその噴射ノズル6若しくは6aの特徴は、ヘッド部14あるいは14aがスライドすることによって、並びに場合によっては噴射ノズル本体部10あるいは10aに接着及び/又は係合されることによって、好ましくは着脱自在に固定される点にある。上述のようなヘッド部14あるいは14aの噴射ノズル本体部10あるいは10aでの固定により、単に噴射設備5の組立が容易になるだけではなく、ヘッド部14あるいは14aの迅速かつ容易で不都合のない交換が可能となる。
【0041】
さらに、修理及び/又はメンテナンスのために中間ノズル13を交換する必要がある場合には、ヘッド部14あるいは14aの容易な取外しにより噴射軸7を噴射ノズル本体部10あるいは10aから取り外し、又は離間させることが可能である。ヘッド部14あるいは14aの着脱自在な固定により、噴射設備5のメンテナンス性が向上する。
【0042】
ところで、噴射ノズル本体部10あるいは10aを適当な合成樹脂を元に射出成形すれば、各噴射ノズル本体部10あるいは10aの製造時に、シール部材12,21等の適当なシール部材を同時に準備することが可能である。すなわち、シール部材を射出成形機に入れるか、又は各噴射ノズル本体部10あるいは10a及びこれらに対応するシール部材をサンドイッチ成形によって製造することによりなされる。
【0043】
上記のような利点に加えて、噴射設備5は、噴射ノズル6あるいは6aが使用されるか否かにかかわらず、液体が集中してしまう水平面、凹部又は傾斜部の形成を避けることができる。すなわち、各噴射ノズル本体部10あるいは10aにおいてヘッド部14あるいは14aを固定するための平面部と、液体用配管兼支持用配管9において噴射ノズル本体部10あるいは10aを固定するための平面部が不要であることにより水平面、凹部又は傾斜部の形成が避けられる。特に、液体用配管兼支持用配管9については、その断面形状を円形にするのが好ましい。
【0044】
本発明を以上の実施形態により説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限り、多数の変更及びバリエーションが考えられる。例えば、噴射ノズル本体部10あるいは10aをヘッド部14あるいは14aと一体的に形成することが考えられる。この噴射ノズル10とヘッド部14が一体的に形成されて構成された噴射ノズル6の取付は、例えば当該噴射ノズル6を噴射軸7に対してスライドさせて行うことが考えられる。また、噴射ノズル10とヘッド部14が一体的に形成されて構成された噴射ノズル6の液体用配管兼支持用配管9への取付は、ここでもシール部材12,21を形成するシール材料の使用の下でラッチ22を接続開口部9.1に係合されることでなされる。ただし、このような構成によれば、噴射軸7の取外し時に、噴射ノズル10とヘッド部14が一体的に形成されて構成された噴射ノズル6を分解する必要があるという欠点がある。
【0045】
なお、噴射ノズル6aを用いる場合には、各配管用クランプ23の噴射ノズル本体部10aへの接続が接着によって強化されていない限り、配管用クランプ23を液体用配管兼支持用配管9から取り外すときでも噴射ノズル6aは破壊されない。
【符号の説明】
【0046】
1,2 噴射ステーション
3 容器
3.1 容器開口部
4 容器受け
4.1 容器受けにおける区画部
5 噴射設備
6,6a 噴射ノズル
7 噴射軸
8 アクチュエータ
9 液体用配管兼支持用配管
9.1 接続開口部
10,10a 噴射ノズル本体部
10a.1 噴射ノズル本体下部
10.1 噴射ノズル本体部における上部
11 液体通路
12 シール部材
13 中間ノズル
14,14a ヘッド部
14.1 ヘッド部における凹部
15 噴射路
16 開口部
17 噴射流
18,19 突出部
20 凹部
21 シール部材
22 ラッチ
23 配管用クランプ
23.1 アーム部
23.2 弓状部
23.3 配管用クランプにおける側面
23.4 配管用クランプにおける側面
24 突起部
25 凹部
26 平坦部
27 開口部
28 係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの液体用配管兼支持用配管(9)と、
該液体用配管兼支持用配管(9)を介して供給される液体の噴射流(17)を発生させ、かつ、前記液体用配管兼支持用配管(9)に設けられつつ該液体用配管兼支持用配管(9)に固定された少なくとも1つの噴射ノズル本体部(10,10a)を備えた少なくとも1つの噴射ノズル(6,6a)と、
回転可能及び/又は揺動可能に駆動される噴射軸(7)と、
該噴射軸(7)を弓状又はフック状に覆いつつ前記噴射ノズル本体部(10,10a)に支持されたヘッド部(14,14a)と
を備えて成り、
前記噴射ノズル本体部(10,10a)内に、前記液体用配管兼支持用配管(9)の内部空間に接続された液体通路(11)が形成されており、
前記噴射軸(7)が、前記液体通路(11)の開口部を包囲する接触面に接触するとともに、少なくとも2つの開口部を有する噴射路(15)を備えており、
これら2つの開口部が、それぞれ前記噴射軸(7)の回転運動及び/又は揺動運動における傾斜領域に、前記液体通路(11)の開口部に一致させて配置されている、
特に容器(3)、ボトル等の洗浄装置の噴射ステーション(1,2)又は噴射ステーションに使用される噴射設備において、
前記ヘッド部(14,14a)を、前記噴射ノズル本体部(10,10a)上で、スライド及び/又は係止して、好ましくは着脱可能に支持したことを特徴とする噴射設備。
【請求項2】
前記噴射ノズル本体部(10,10a)を、ラッチ(22)又は前記液体用配管兼支持用配管(9)をクランプ状に包囲する配管用クランプ(23)によって前記液体用配管兼支持用配管(9)に固定したことを特徴とする請求項1記載の噴射設備。
【請求項3】
少なくとも1つの液体用配管兼支持用配管(9)と、
該液体用配管兼支持用配管(9)を介して供給される液体の噴射流(17)を発生させ、かつ、前記液体用配管兼支持用配管(9)に設けられつつ該液体用配管兼支持用配管(9)に固定された少なくとも1つの噴射ノズル本体部(10,10a)を備えた少なくとも1つの噴射ノズル(6,6a)と、
回転可能及び/又は揺動可能に駆動される噴射軸(7)と、
該噴射軸(7)を弓状又はフック状に覆いつつ前記噴射ノズル本体部(10,10a)に支持されたヘッド部(14,14a)と
を備えて成り、
前記噴射ノズル本体部(10,10a)内に、前記液体用配管兼支持用配管(9)の内部空間に接続された液体通路(11)が形成されており、
前記噴射軸(7)が、前記液体通路(11)の開口部を包囲する接触面に接触するとともに、少なくとも2つの開口部を有する噴射路(15)を備えており、
これら2つの開口部が、それぞれ前記噴射軸(7)の回転運動及び/又は揺動運動における傾斜領域に、前記液体通路(11)の開口部に一致させて配置されている、
特に容器(3)、ボトル等の洗浄装置の噴射ステーション(1,2)又は噴射ステーションに使用される噴射設備において、
前記噴射ノズル本体部(10,10a)を、ラッチ(22)又は前記液体用配管兼支持用配管(9)をクランプ状に包囲する配管用クランプ(23)によって前記液体用配管兼支持用配管(9)に固定したことを特徴とする噴射設備。
【請求項4】
前記ヘッド部(14,14a)を前記噴射ノズル本体部(10,10a)上でスライド及び/又は係止して、好ましくは着脱可能に支持するよう構成するか、前記噴射ノズル本体部(10,10a)及び前記ヘッド部(14,14a)を互いに一体的に構成したことを特徴とする請求項3記載の噴射設備。
【請求項5】
前記ヘッド部(14,14a)を、前記噴射軸(7)の長手軸方向(Z軸方向)にスライドさせることで前記噴射ノズル本体部(10,10a)に固定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項6】
前記液体用配管兼支持用配管(9)並びに少なくとも1つの前記噴射ノズル(6,6a)の特に前記噴射ノズル本体部(10,10a)及び前記ヘッド部(14,14a)を、水平かつ中空状の、液体を貯留するような平面部を表面に形成しないようすべての表面部又はほぼすべての表面部に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項7】
前記噴射ノズル本体部(10,10a)における前記液体通路(11)を、前記噴射ノズル本体部の一部又は該噴射ノズル本体部(10,10a)において軸方向に摺動可能に配置されつつ少なくとも1つの弾性部材によって前記噴射軸(7)に接触する中間ノズル(13)で形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項8】
前記中間ノズル(13)をシール部材(12)によってシールしつつ前記噴射ノズル本体部(10,10a)内に設けるとともに、前記シール部材を前記中間ノズル(13)を前記噴射軸(7)に対して押圧する弾性部材としても形成したことを特徴とする請求項7記載の噴射設備。
【請求項9】
前記噴射ノズル本体部(10,10a)と前記液体用配管兼支持用配管(9)の係合のために、前記噴射ノズル本体部(10,10a)に少なくとも1つの係止部材(22,28)を設けるか形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項10】
前記噴射ノズル本体部(10,10a)と前記液体用配管兼支持用配管(9)との接続をシールするシール部材(21)を設けるとともに、該シール部材(21)を、前記中間部材(13)のシールを形成し及び/又は少なくとも1つの前記係止部材(22,28)によって貫通されるシール要素で形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項11】
前記噴射ノズル本体部(10a)を、前記配管用クランプ(23)による負荷で前記液体用配管兼支持用配管(9)に固定するとともに、前記配管用クランプ(23)を、例えば持続的に弾性力を有する合成樹脂などの特に持続的に弾性力を有する材料で形成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項12】
前記配管用クランプ(23)を、スライドさせること及び/又は係止することによって前記噴射ノズル本体部(10a)に固定したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項13】
前記配管用クランプ(23)を、前記噴射ノズル本体部(10a)とは反対側の部分において、前記液体用配管兼支持用配管(9)の長手軸に平行な軸方向に削減された幅を有するよう形成したことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の噴射設備。
【請求項14】
特に容器の内部及び/又は外部に対して噴射するための少なくとも1つの噴射設備を有する少なくとも1つの噴射ステーション(1,2)を備えて成る、容器、ボトル等の洗浄装置において、
前記噴射設備を、請求項1〜13のいずれかに記載のものとしたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項15】
当該噴射ノズル本体部の下部(10.1,10a.1)において液体用配管兼支持用配管(9)に固定可能な噴射ノズル本体部(10,10a)と、
該噴射ノズル本体部(10,10a)に設けたヘッド部(14,14a)と
を備えて成り、
前記液体用配管兼支持用配管(9)の内部空間に接続された液体通路(11)が前記噴射ノズル本体部(10,10a)内に形成されており、
前記ヘッド部(14,14a)が、前記噴射ノズル本体部の上部に形成されつつそこに形成された前記液体通路(11)の開口部を包囲する接触面と共に、噴射軸(7)を貫通させて収容する収容部を形成している、
特に容器(3)、ボトル等の洗浄装置の噴射ステーション(1,2)に使用される噴射ノズルにおいて、
前記ヘッド部(14,14a)を前記噴射ノズル本体部(10,10a)上でスライド及び/又は係止して、好ましくは着脱可能に支持するよう構成すること、及び/又は
前記噴射ノズル本体部(10,10a)を前記液体用配管兼支持用配管(9)に係止するための係止部材及び/又は前記噴射ノズル本体部(10,10a)を前記液体用配管兼支持用配管(9)に圧着するための配管用クランプ(23)を、前記噴射ノズル本体部(10,10a)に設けたことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項16】
前記噴射ノズル本体部(10,10a)と前記液体用配管兼支持用配管(9)との接続をシールするシール部材(21)を設けるとともに、該シール部材(21)を、少なくとも1つのラッチ(22)及び/又は少なくとも1つの係止部材(28)によって貫通されるシール要素で形成したことを特徴とする請求項15記載の噴射ノズル。
【請求項17】
前記配管用クランプ(23)を、例えば持続的に弾性力を有する合成樹脂などの特に持続的に弾性力を有する材料で形成したこと、
前記配管用クランプ(23)を、スライドさせること及び/又は係止することによって前記噴射ノズル本体部(10a)に固定したこと、及び/又は
前記配管用クランプ(23)を、前記噴射ノズル本体部(10a)とは反対側の部分において削減された幅を有するよう形成したこと
を特徴とする請求項15又は16記載の噴射ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−505798(P2012−505798A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531367(P2011−531367)
【出願日】平成21年3月21日(2009.3.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002098
【国際公開番号】WO2010/045990
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(598125028)カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (125)
【Fターム(参考)】