土留壁を用いた、建物の基礎
【課題】土留壁に結合された端部を有する底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用したときに前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けて破壊することを確実に防止すること。
【解決手段】地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む。
【解決手段】地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、建物の基礎には、地盤の中に設けられた土留壁を利用したものがある。前記基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版を有し、該底版は、前記土留壁に結合された端部を有する（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−１４７７７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記底版の上方における前記土留壁が前記地盤から土圧と水圧とを受ける。このとき、前記土留壁は曲げ変形し、前記底版の前記端部は前記土留壁から引張力を受ける。このため、前記引張力が著しく大きい場合、前記底版の前記端部が破壊する恐れがある。
【０００５】
本発明の目的は、土留壁に結合された端部を有する底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用したときに前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けて破壊することを確実に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを有する。これにより、前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用して前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けたとき、該引張力が前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分が前記引張力に抵抗するようにする。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを確実に防止する。
【０００７】
本発明に係る、地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む。
【０００８】
前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用したとき、前記土留壁は曲げ変形し、前記底版の前記端部は前記土留壁から引張力を受ける。前記補強部材が、前記底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された前記第１部分と、該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分とを有するため、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力は前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、前記底版の前記端部を補強することができ、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを防止することができる。
【０００９】
前記基礎は、前記底版の前記端部の上に前記土留壁に平行に設けられ、該土留壁に結合された側壁を含む。前記側壁が前記土留壁に結合されているため、地震時に前記側壁に作用する水平力を前記土留壁に確実に伝えることができ、前記水平力を前記土留壁に負担させることができる。これにより、前記側壁が負担する荷重を低減させることができ、前記側壁を薄くすることができ、建物の基礎を経済的に構築することができる。
【００１０】
前記補強部材の前記第１部分は、前記底版の前記端部から上方へ伸び、前記側壁の内部に達し、該側壁の内部において前記側壁に固定されたものとすることができる。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力を前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝えるとともに前記側壁にも伝えることができる。このため、前記引張力を前記補強部材の前記第２部分及び前記側壁の双方に負担させることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【００１１】
前記補強部材は、前記第２部分から間隔を置かれた、前記第１部分に対して垂直な第３部分であって前記底版の前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第３部分を有するものとすることができる。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力を前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分と前記第３部分とに伝えることができる。このため、前記引張力を前記第２部分及び前記第３部分に負担させることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【００１２】
前記土留壁は、該土留壁の表面に間隔を置いて設けられ、それぞれが前記表面から水平方向に突出する複数の突起を有し、前記底版の前記端部は各突起を受け入れている。前記補強部材の前記第１部分は前記土留壁の前記表面から水平方向に間隔を置かれており、前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔は前記土留壁の前記表面と前記突起の先端部との間の間隔より小さい。
【００１３】
前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力は前記土留壁から前記突起を介して前記底版の前記端部に伝わる。前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔が前記土留壁の前記表面と前記突起の前記先端部との間の間隔より小さいため、前記土留壁から前記突起を介して前記底版の前記端部に伝わった引張力を前記補強部材の前記第１部分に確実に伝えることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用して前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けたとき、該引張力は前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、前記底版の前記端部を補強することができ、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の第１実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図２】図１の線２における建物の基礎の拡大図。
【図３】図２の線３における建物の基礎の水平断面図。
【図４】本発明の第２実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図５】本発明の第３実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図６】本発明の第４実施例に係る、建物の基礎の水平断面図。
【図７】本発明の第５実施例に係る、建物の基礎の水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１、２に示すように、地盤１０の中に設けられた土留壁１２を用いた、建物の基礎１４が構築されている。基礎１４は、地盤１０の表面１６の下方に土留壁１２に対して垂直に設けられた底版１８を有し、該底版は、土留壁１２に結合された端部２０を有する。基礎１４は、底版１８の端部２０の上に土留壁１２に平行に設けられた側壁２２を有し、該側壁は底版１８と土留壁１２とに結合されている。底版１８及び側壁２２のそれぞれは鉄筋コンクリートからなる。
【００１７】
基礎１４は、底版１８の端部２０の内部に土留壁１２に平行に配置され、端部２０に固定された第１部分２４及び該第１部分に対して垂直な第２部分２６であって端部２０から内方へ第１水平方向（図１における左右方向）に伸び、底版１８に固定された第２部分２６を有する補強部材２８を有する。図１、２に示した例では、第１部分２４は上下方向に伸びている。補強部材２８は、Ｌ字状の鉄筋であり、底版１８の端部２０を補強する。
【００１８】
土留壁１２は、該土留壁の表面３０に間隔を置いて設けられ、それぞれが表面３０から前記第１水平方向に突出する複数の第１突起３２を有し、底版１８の端部２０は各第１突起３２を受け入れている。底版１８の端部２０は土留壁１２の表面３０と第１突起３２とに結合されている。土留壁１２は、第１突起３２の上方における表面３０に間隔を置いて設けられた複数の第２突起３４を有し、側壁２２は各第２突起３４を受け入れている。側壁２２は土留壁１２の表面３０と第２突起３４とに結合されている。
【００１９】
土留壁１２は、ソイルセメント柱列壁であり、図３に示すように、ソイルセメントからなる本体３６と、該本体の内部に隣接して配置され、それぞれが上下方向に伸びる複数の鋼材３８とを有する。鋼材３８は、前記第１水平方向と直交する第２水平方向（図３における上下方向）に隣接して本体３６の内部に配置されている。各鋼材３８の一部は本体３６から露出しており、第１突起３２及び第２突起３４のそれぞれは、鋼材３８の前記一部に固定されたスタッドからなる。
【００２０】
底版１８の下面は地盤１０に接している。底版１８は、図１に示した例では、土留壁１２の下端部１２ａより高い高さに位置するが、これに代え、土留壁１２の下端部１２ａと同じ高さに位置してもよい。底版１８の上に建物の上部構造４０が構築され、底版１８と上部構造４０との間に免震装置４２が介在する。
【００２１】
基礎１４を構築するとき、まず、地盤１０における、土留壁１２の表面３０に接する領域を地盤１０の表面１６から土留壁１２の下端部１２ａ又は該下端部の上方まで掘削する。次に、土留壁１２に平行な第１部分２４及び該第１部分に対して垂直な第２部分２６を有する補強部材２８を、第１部分２４が土留壁１２に隣接するように前記領域における地盤１０の上方に配置する。その後、前記領域における地盤１０の上にコンクリートを打設して底版１８を設ける。このとき、前記コンクリートを補強部材２８の上方まで打設する。底版１８を設けた後、土留壁１２に結合された、該土留壁に平行な側壁２２を底版１８の上に設ける。
【００２２】
底版１８の上方における土留壁１２に地盤１０から土圧と水圧とが加えられる。また、地震時に底版１８の上方における土留壁１２に水平力が作用する。このように底版１８の上方における土留壁１２にこれと直交する方向の外力が作用したとき、土留壁１２は曲げ変形し、底版１８の端部２０は土留壁１２から引張力を受ける。補強部材２８が、底版１８の端部２０の内部に土留壁１２に平行に配置され、端部２０に固定された第１部分２４と、該第１部分に対して垂直な第２部分２６であって端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定された第２部分２６とを有するため、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、底版１８の端部２０を補強することができ、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けて破壊することを防止することができる。
【００２３】
側壁２２が土留壁１２に結合されているため、地震時に側壁２２に作用する水平力を土留壁１２に確実に伝えることができ、前記水平力を土留壁１２に負担させることができる。これにより、側壁２２が負担する荷重を低減させることができ、側壁２２を薄くすることができ、建物の基礎を経済的に構築することができる。
【００２４】
図２に示したように、補強部材２８の第１部分２４は土留壁１２の表面３０から前記第１水平方向に間隔４４を置かれており、土留壁１２の表面３０と補強部材２８の第１部分２４との間の間隔４４は、土留壁１２の表面３０と第１突起３２の先端部との間の間隔４６より小さい。補強部材２８の第１部分２４は、底版１８の縦断面で見て、第１突起３２の少なくとも１つと交差している。図２に示した例では、補強部材２８の第１部分２４は、第１突起３２のうち複数と交差しているが、これに代え、第１突起３２のうち１つと交差していてもよい。
【００２５】
底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は土留壁１２から第１突起３２を介して底版１８の端部２０に伝わる。土留壁１２の表面３０と補強部材２８の第１部分２４との間の間隔４４が土留壁１２の表面３０と第１突起３２の前記先端部との間の間隔４６より小さいため、土留壁１２から第１突起３２を介して底版１８の端部２０に伝わった引張力を補強部材２８の第１部分２４に確実に伝えることができ、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。
【００２６】
底版１８の端部２０は、図３に示したように、第１突起３２に対して４５°の角度をなして傾斜する、第１突起３２の前記先端部と底版１８の端面２０ａとを結ぶ直線を第１突起３２を中心に回転させたときに得られる前記直線の軌跡に相当する円錐面４８と底版１８の端面２０ａとに囲まれた円錐状領域５０を有し、補強部材２８の第１部分２４は円錐状領域５０を貫通している。図３に示した例では、前記直線は第１突起３２の前記先端部の周面と端面との交線３２ａから底版１８の端面２０ａへ伸びている。
【００２７】
底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は土留壁１２から第１突起３２を介して円錐状領域５０に伝わる。このため、円錐状領域５０は該円錐状領域の周囲の領域から引き離される、すなわち底版１８の端部２０がコーン状破壊する恐れがある。補強部材２８の第１部分２４が円錐状領域５０を貫通しているため、土留壁１２から第１突起３２を介して円錐状領域５０に伝わった引張力は補強部材２８に伝わり、該補強部材は前記引張力に抵抗する。このため、円錐状領域５０が前記周囲の領域から引き離されることを防ぐことができ、底版１８の端部２０のコーン状破壊を防止することができる。
【００２８】
補強部材２８は、鉄筋である図２に示した例に代え、棒鋼のような他の棒状部材でもよい。また、補強部材２８は、鉄筋のような１つの鋼材からなる図２に示した例に代え、組み合わされた複数の鋼材からなるものでもよい。補強部材２８の第２部分２６は、図２に示した例では、底版１８の厚さ方向の中心５２の下方に位置するが、これに代え、中心５２の上方に位置してもよいし、中心５２に位置してもよい。補強部材２８は、Ｌ字状である図２に示した例に代え、Ｔ字状でもよい。補強部材２８は、第１部分２４及び第２部分２６の双方が棒状である図２に示した例に代え、第１部分２４及び第２部分２６の双方が板状でもよいし、第１部分２４及び第２部分２６の一方が棒状で、他方が板状でもよい。
【００２９】
図２に示した例では、補強部材２８の第１部分２４の全部が底版１８の端部２０の内部に位置するが、これに代え、図４に示す例では、補強部材２８の第１部分２４が底版１８の端部２０から上方へ伸び、側壁２２の内部に達している。第１部分２４は側壁２２の内部において該側壁に固定されている。これにより、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力を底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６に伝えるとともに側壁２２にも伝えることができる。このため、前記引張力を補強部材２８の第２部分２６及び側壁２２の双方に負担させることができ、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。
【００３０】
図５に示す例では、補強部材２８が第１部分２４及び第２部分２６のみを有する図２に示した例に代え、補強部材２８が、第１部分２４及び第２部分２６に加え、第２部分２６から間隔を置かれた、第１部分２４に対して垂直な第３部分５４を有する。第３部分５４は、底版１８の端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定されている。これにより、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力を底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６と第３部分５４とに伝えることができ、第２部分２６及び第３部分５４に負担させることができる。このため、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。第２部分２６は底版１８の厚さ方向の中心５２の下方に位置し、第３部分５４は中心５２の上方に位置する。補強部材２８は逆コ字状の鉄筋である。
【００３１】
図６に示す例では、補強部材２８の第１部分２４は、上下方向に伸びている図２に示した例に代え、前記第２水平方向に伸びている。補強部材２８の第１部分２４は、水平面で見て、第１突起３２の少なくとも１つと交差している。図６に示した例では、補強部材２８の第１部分２４は、第１突起３２のうち複数と交差しているが、これに代え、第１突起３２の１つと交差していてもよい。補強部材２８の第１部分２４は円錐状領域５０を貫通している。補強部材２８の第１部分２４は、前記第２水平方向に伸びている図６に示した例に代え、前記第２水平方向及び上下方向のそれぞれに対して傾斜していてもよい。
【００３２】
図６に示した例では、補強部材２８がＬ字状であるが、これに代え、図７に示す例では、補強部材２８が逆コ字状である。この場合、補強部材２８は、第２部分２６から間隔を置かれた、第１部分２４に対して垂直な第３部分５４であって底版１８の端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定された第３部分５４を有する。図７に示した例では、補強部材２８の第１部分２４が、水平面で見て、第１突起３２のうち１つと交差しているが、これに代え、第１部分２４が第１突起３２のうち複数と交差していてもよい。
【００３３】
土留壁１２は、ソイルセメント柱列壁である図示の例に代え、鋼管矢板、鋼矢板、親杭横矢板等でもよい。図示の例では、建物の上部構造４０は、側壁２２から隔てられているが、これに代え、側壁２２と結合されてもよい。この場合、側壁２２は上部構造４０の一部を構成していてもよい。
【符号の説明】
【００３４】
１０ 地盤
１２ 土留壁
１４ 基礎
１６ 基礎の表面
１８ 底版
２０ 端部
２２ 側壁
２４ 第１部分
２６ 第２部分
２８ 補強部材
３０ 土留壁の表面
３２ 突起（第１突起）
５４ 第３部分
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、建物の基礎には、地盤の中に設けられた土留壁を利用したものがある。前記基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版を有し、該底版は、前記土留壁に結合された端部を有する（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−１４７７７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記底版の上方における前記土留壁が前記地盤から土圧と水圧とを受ける。このとき、前記土留壁は曲げ変形し、前記底版の前記端部は前記土留壁から引張力を受ける。このため、前記引張力が著しく大きい場合、前記底版の前記端部が破壊する恐れがある。
【０００５】
本発明の目的は、土留壁に結合された端部を有する底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用したときに前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けて破壊することを確実に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを有する。これにより、前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用して前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けたとき、該引張力が前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分が前記引張力に抵抗するようにする。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを確実に防止する。
【０００７】
本発明に係る、地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎は、前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、該底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む。
【０００８】
前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用したとき、前記土留壁は曲げ変形し、前記底版の前記端部は前記土留壁から引張力を受ける。前記補強部材が、前記底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された前記第１部分と、該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分とを有するため、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力は前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、前記底版の前記端部を補強することができ、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを防止することができる。
【０００９】
前記基礎は、前記底版の前記端部の上に前記土留壁に平行に設けられ、該土留壁に結合された側壁を含む。前記側壁が前記土留壁に結合されているため、地震時に前記側壁に作用する水平力を前記土留壁に確実に伝えることができ、前記水平力を前記土留壁に負担させることができる。これにより、前記側壁が負担する荷重を低減させることができ、前記側壁を薄くすることができ、建物の基礎を経済的に構築することができる。
【００１０】
前記補強部材の前記第１部分は、前記底版の前記端部から上方へ伸び、前記側壁の内部に達し、該側壁の内部において前記側壁に固定されたものとすることができる。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力を前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝えるとともに前記側壁にも伝えることができる。このため、前記引張力を前記補強部材の前記第２部分及び前記側壁の双方に負担させることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【００１１】
前記補強部材は、前記第２部分から間隔を置かれた、前記第１部分に対して垂直な第３部分であって前記底版の前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第３部分を有するものとすることができる。これにより、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力を前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分と前記第３部分とに伝えることができる。このため、前記引張力を前記第２部分及び前記第３部分に負担させることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【００１２】
前記土留壁は、該土留壁の表面に間隔を置いて設けられ、それぞれが前記表面から水平方向に突出する複数の突起を有し、前記底版の前記端部は各突起を受け入れている。前記補強部材の前記第１部分は前記土留壁の前記表面から水平方向に間隔を置かれており、前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔は前記土留壁の前記表面と前記突起の先端部との間の間隔より小さい。
【００１３】
前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けたとき、該引張力は前記土留壁から前記突起を介して前記底版の前記端部に伝わる。前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔が前記土留壁の前記表面と前記突起の前記先端部との間の間隔より小さいため、前記土留壁から前記突起を介して前記底版の前記端部に伝わった引張力を前記補強部材の前記第１部分に確実に伝えることができ、前記底版の前記端部をより効果的に補強することができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、前記底版の上方における前記土留壁にこれと直交する方向の外力が作用して前記底版の前記端部が前記土留壁から引張力を受けたとき、該引張力は前記底版の前記端部から前記補強部材の前記第１部分を介して前記第２部分に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、前記底版の前記端部を補強することができ、前記底版の前記端部が前記土留壁から前記引張力を受けて破壊することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の第１実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図２】図１の線２における建物の基礎の拡大図。
【図３】図２の線３における建物の基礎の水平断面図。
【図４】本発明の第２実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図５】本発明の第３実施例に係る、建物の基礎の縦断面図。
【図６】本発明の第４実施例に係る、建物の基礎の水平断面図。
【図７】本発明の第５実施例に係る、建物の基礎の水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１、２に示すように、地盤１０の中に設けられた土留壁１２を用いた、建物の基礎１４が構築されている。基礎１４は、地盤１０の表面１６の下方に土留壁１２に対して垂直に設けられた底版１８を有し、該底版は、土留壁１２に結合された端部２０を有する。基礎１４は、底版１８の端部２０の上に土留壁１２に平行に設けられた側壁２２を有し、該側壁は底版１８と土留壁１２とに結合されている。底版１８及び側壁２２のそれぞれは鉄筋コンクリートからなる。
【００１７】
基礎１４は、底版１８の端部２０の内部に土留壁１２に平行に配置され、端部２０に固定された第１部分２４及び該第１部分に対して垂直な第２部分２６であって端部２０から内方へ第１水平方向（図１における左右方向）に伸び、底版１８に固定された第２部分２６を有する補強部材２８を有する。図１、２に示した例では、第１部分２４は上下方向に伸びている。補強部材２８は、Ｌ字状の鉄筋であり、底版１８の端部２０を補強する。
【００１８】
土留壁１２は、該土留壁の表面３０に間隔を置いて設けられ、それぞれが表面３０から前記第１水平方向に突出する複数の第１突起３２を有し、底版１８の端部２０は各第１突起３２を受け入れている。底版１８の端部２０は土留壁１２の表面３０と第１突起３２とに結合されている。土留壁１２は、第１突起３２の上方における表面３０に間隔を置いて設けられた複数の第２突起３４を有し、側壁２２は各第２突起３４を受け入れている。側壁２２は土留壁１２の表面３０と第２突起３４とに結合されている。
【００１９】
土留壁１２は、ソイルセメント柱列壁であり、図３に示すように、ソイルセメントからなる本体３６と、該本体の内部に隣接して配置され、それぞれが上下方向に伸びる複数の鋼材３８とを有する。鋼材３８は、前記第１水平方向と直交する第２水平方向（図３における上下方向）に隣接して本体３６の内部に配置されている。各鋼材３８の一部は本体３６から露出しており、第１突起３２及び第２突起３４のそれぞれは、鋼材３８の前記一部に固定されたスタッドからなる。
【００２０】
底版１８の下面は地盤１０に接している。底版１８は、図１に示した例では、土留壁１２の下端部１２ａより高い高さに位置するが、これに代え、土留壁１２の下端部１２ａと同じ高さに位置してもよい。底版１８の上に建物の上部構造４０が構築され、底版１８と上部構造４０との間に免震装置４２が介在する。
【００２１】
基礎１４を構築するとき、まず、地盤１０における、土留壁１２の表面３０に接する領域を地盤１０の表面１６から土留壁１２の下端部１２ａ又は該下端部の上方まで掘削する。次に、土留壁１２に平行な第１部分２４及び該第１部分に対して垂直な第２部分２６を有する補強部材２８を、第１部分２４が土留壁１２に隣接するように前記領域における地盤１０の上方に配置する。その後、前記領域における地盤１０の上にコンクリートを打設して底版１８を設ける。このとき、前記コンクリートを補強部材２８の上方まで打設する。底版１８を設けた後、土留壁１２に結合された、該土留壁に平行な側壁２２を底版１８の上に設ける。
【００２２】
底版１８の上方における土留壁１２に地盤１０から土圧と水圧とが加えられる。また、地震時に底版１８の上方における土留壁１２に水平力が作用する。このように底版１８の上方における土留壁１２にこれと直交する方向の外力が作用したとき、土留壁１２は曲げ変形し、底版１８の端部２０は土留壁１２から引張力を受ける。補強部材２８が、底版１８の端部２０の内部に土留壁１２に平行に配置され、端部２０に固定された第１部分２４と、該第１部分に対して垂直な第２部分２６であって端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定された第２部分２６とを有するため、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６に伝わり、該第２部分は前記引張力に抵抗する。これにより、底版１８の端部２０を補強することができ、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けて破壊することを防止することができる。
【００２３】
側壁２２が土留壁１２に結合されているため、地震時に側壁２２に作用する水平力を土留壁１２に確実に伝えることができ、前記水平力を土留壁１２に負担させることができる。これにより、側壁２２が負担する荷重を低減させることができ、側壁２２を薄くすることができ、建物の基礎を経済的に構築することができる。
【００２４】
図２に示したように、補強部材２８の第１部分２４は土留壁１２の表面３０から前記第１水平方向に間隔４４を置かれており、土留壁１２の表面３０と補強部材２８の第１部分２４との間の間隔４４は、土留壁１２の表面３０と第１突起３２の先端部との間の間隔４６より小さい。補強部材２８の第１部分２４は、底版１８の縦断面で見て、第１突起３２の少なくとも１つと交差している。図２に示した例では、補強部材２８の第１部分２４は、第１突起３２のうち複数と交差しているが、これに代え、第１突起３２のうち１つと交差していてもよい。
【００２５】
底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は土留壁１２から第１突起３２を介して底版１８の端部２０に伝わる。土留壁１２の表面３０と補強部材２８の第１部分２４との間の間隔４４が土留壁１２の表面３０と第１突起３２の前記先端部との間の間隔４６より小さいため、土留壁１２から第１突起３２を介して底版１８の端部２０に伝わった引張力を補強部材２８の第１部分２４に確実に伝えることができ、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。
【００２６】
底版１８の端部２０は、図３に示したように、第１突起３２に対して４５°の角度をなして傾斜する、第１突起３２の前記先端部と底版１８の端面２０ａとを結ぶ直線を第１突起３２を中心に回転させたときに得られる前記直線の軌跡に相当する円錐面４８と底版１８の端面２０ａとに囲まれた円錐状領域５０を有し、補強部材２８の第１部分２４は円錐状領域５０を貫通している。図３に示した例では、前記直線は第１突起３２の前記先端部の周面と端面との交線３２ａから底版１８の端面２０ａへ伸びている。
【００２７】
底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力は土留壁１２から第１突起３２を介して円錐状領域５０に伝わる。このため、円錐状領域５０は該円錐状領域の周囲の領域から引き離される、すなわち底版１８の端部２０がコーン状破壊する恐れがある。補強部材２８の第１部分２４が円錐状領域５０を貫通しているため、土留壁１２から第１突起３２を介して円錐状領域５０に伝わった引張力は補強部材２８に伝わり、該補強部材は前記引張力に抵抗する。このため、円錐状領域５０が前記周囲の領域から引き離されることを防ぐことができ、底版１８の端部２０のコーン状破壊を防止することができる。
【００２８】
補強部材２８は、鉄筋である図２に示した例に代え、棒鋼のような他の棒状部材でもよい。また、補強部材２８は、鉄筋のような１つの鋼材からなる図２に示した例に代え、組み合わされた複数の鋼材からなるものでもよい。補強部材２８の第２部分２６は、図２に示した例では、底版１８の厚さ方向の中心５２の下方に位置するが、これに代え、中心５２の上方に位置してもよいし、中心５２に位置してもよい。補強部材２８は、Ｌ字状である図２に示した例に代え、Ｔ字状でもよい。補強部材２８は、第１部分２４及び第２部分２６の双方が棒状である図２に示した例に代え、第１部分２４及び第２部分２６の双方が板状でもよいし、第１部分２４及び第２部分２６の一方が棒状で、他方が板状でもよい。
【００２９】
図２に示した例では、補強部材２８の第１部分２４の全部が底版１８の端部２０の内部に位置するが、これに代え、図４に示す例では、補強部材２８の第１部分２４が底版１８の端部２０から上方へ伸び、側壁２２の内部に達している。第１部分２４は側壁２２の内部において該側壁に固定されている。これにより、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力を底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６に伝えるとともに側壁２２にも伝えることができる。このため、前記引張力を補強部材２８の第２部分２６及び側壁２２の双方に負担させることができ、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。
【００３０】
図５に示す例では、補強部材２８が第１部分２４及び第２部分２６のみを有する図２に示した例に代え、補強部材２８が、第１部分２４及び第２部分２６に加え、第２部分２６から間隔を置かれた、第１部分２４に対して垂直な第３部分５４を有する。第３部分５４は、底版１８の端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定されている。これにより、底版１８の端部２０が土留壁１２から前記引張力を受けたとき、該引張力を底版１８の端部２０から補強部材２８の第１部分２４を介して第２部分２６と第３部分５４とに伝えることができ、第２部分２６及び第３部分５４に負担させることができる。このため、底版１８の端部２０をより効果的に補強することができる。第２部分２６は底版１８の厚さ方向の中心５２の下方に位置し、第３部分５４は中心５２の上方に位置する。補強部材２８は逆コ字状の鉄筋である。
【００３１】
図６に示す例では、補強部材２８の第１部分２４は、上下方向に伸びている図２に示した例に代え、前記第２水平方向に伸びている。補強部材２８の第１部分２４は、水平面で見て、第１突起３２の少なくとも１つと交差している。図６に示した例では、補強部材２８の第１部分２４は、第１突起３２のうち複数と交差しているが、これに代え、第１突起３２の１つと交差していてもよい。補強部材２８の第１部分２４は円錐状領域５０を貫通している。補強部材２８の第１部分２４は、前記第２水平方向に伸びている図６に示した例に代え、前記第２水平方向及び上下方向のそれぞれに対して傾斜していてもよい。
【００３２】
図６に示した例では、補強部材２８がＬ字状であるが、これに代え、図７に示す例では、補強部材２８が逆コ字状である。この場合、補強部材２８は、第２部分２６から間隔を置かれた、第１部分２４に対して垂直な第３部分５４であって底版１８の端部２０から内方へ前記第１水平方向に伸び、底版１８に固定された第３部分５４を有する。図７に示した例では、補強部材２８の第１部分２４が、水平面で見て、第１突起３２のうち１つと交差しているが、これに代え、第１部分２４が第１突起３２のうち複数と交差していてもよい。
【００３３】
土留壁１２は、ソイルセメント柱列壁である図示の例に代え、鋼管矢板、鋼矢板、親杭横矢板等でもよい。図示の例では、建物の上部構造４０は、側壁２２から隔てられているが、これに代え、側壁２２と結合されてもよい。この場合、側壁２２は上部構造４０の一部を構成していてもよい。
【符号の説明】
【００３４】
１０ 地盤
１２ 土留壁
１４ 基礎
１６ 基礎の表面
１８ 底版
２０ 端部
２２ 側壁
２４ 第１部分
２６ 第２部分
２８ 補強部材
３０ 土留壁の表面
３２ 突起（第１突起）
５４ 第３部分
【特許請求の範囲】
【請求項１】
地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎であって、
前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、
前記底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む、建物の基礎。
【請求項２】
前記底版の前記端部の上に前記土留壁に平行に設けられ、該土留壁に結合された側壁を含む、請求項１に記載の建物の基礎。
【請求項３】
前記補強部材の前記第１部分は、前記底版の前記端部から上方へ伸び、前記側壁の内部に達し、該側壁の内部において前記側壁に固定されている、請求項２に記載の建物の基礎。
【請求項４】
前記補強部材は、前記第２部分から間隔を置かれた、前記第１部分に対して垂直な第３部分であって前記底版の前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第３部分を有する、請求項１又は２に記載の建物の基礎。
【請求項５】
前記土留壁は、該土留壁の表面に間隔を置いて設けられ、それぞれが前記表面から水平方向に突出する複数の突起を有し、前記底版の前記端部は各突起を受け入れている、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の建物の基礎。
【請求項６】
前記補強部材の前記第１部分は前記土留壁の前記表面から水平方向に間隔を置かれており、前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔は前記土留壁の前記表面と前記突起の先端部との間の間隔より小さい、請求項５に記載の建物の基礎。
【請求項７】
前記底版の前記端部は、前記突起に対して４５°の角度をなして傾斜する、前記突起の先端部と前記底版の端面とを結ぶ直線を前記突起を中心に回転させたときに得られる前記直線の軌跡に相当する円錐面と前記底版の前記端面とに囲まれた円錐状領域を有し、前記補強部材の前記第１部分は前記円錐状領域を貫通している、請求項５に記載の建物の基礎。
【請求項１】
地盤の中に設けられた土留壁を用いた、建物の基礎であって、
前記地盤の表面の下方に前記土留壁に対して垂直に設けられた底版であって前記土留壁に結合された端部を有する底版と、
前記底版の前記端部の内部に前記土留壁に平行に配置され、前記端部に固定された第１部分及び該第１部分に対して垂直な第２部分であって前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第２部分を有する補強部材とを含む、建物の基礎。
【請求項２】
前記底版の前記端部の上に前記土留壁に平行に設けられ、該土留壁に結合された側壁を含む、請求項１に記載の建物の基礎。
【請求項３】
前記補強部材の前記第１部分は、前記底版の前記端部から上方へ伸び、前記側壁の内部に達し、該側壁の内部において前記側壁に固定されている、請求項２に記載の建物の基礎。
【請求項４】
前記補強部材は、前記第２部分から間隔を置かれた、前記第１部分に対して垂直な第３部分であって前記底版の前記端部から内方へ水平方向に伸び、前記底版に固定された第３部分を有する、請求項１又は２に記載の建物の基礎。
【請求項５】
前記土留壁は、該土留壁の表面に間隔を置いて設けられ、それぞれが前記表面から水平方向に突出する複数の突起を有し、前記底版の前記端部は各突起を受け入れている、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の建物の基礎。
【請求項６】
前記補強部材の前記第１部分は前記土留壁の前記表面から水平方向に間隔を置かれており、前記土留壁の前記表面と前記補強部材の前記第１部分との間の間隔は前記土留壁の前記表面と前記突起の先端部との間の間隔より小さい、請求項５に記載の建物の基礎。
【請求項７】
前記底版の前記端部は、前記突起に対して４５°の角度をなして傾斜する、前記突起の先端部と前記底版の端面とを結ぶ直線を前記突起を中心に回転させたときに得られる前記直線の軌跡に相当する円錐面と前記底版の前記端面とに囲まれた円錐状領域を有し、前記補強部材の前記第１部分は前記円錐状領域を貫通している、請求項５に記載の建物の基礎。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−４６９７９（Ｐ２０１２−４６９７９Ａ）
【公開日】平成２４年３月８日（２０１２．３．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１９０７４６（Ｐ２０１０−１９０７４６）
【出願日】平成２２年８月２７日（２０１０．８．２７）
【出願人】（０００００１３１７）株式会社熊谷組 (551)
【出願人】（５９１１６５９１９）株式会社新井組 (13)
【出願人】（０００１１２１９６）株式会社ピーエス三菱 (181)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月８日（２０１２．３．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月２７日（２０１０．８．２７）
【出願人】（０００００１３１７）株式会社熊谷組 (551)
【出願人】（５９１１６５９１９）株式会社新井組 (13)
【出願人】（０００１１２１９６）株式会社ピーエス三菱 (181)
【Ｆターム（参考）】
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