説明

圧電振動デバイス

【課題】 容器の機械的強度の低下を抑制しつつ、圧電振動片と容器との接触を防止した圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 水晶振動子1は、一対の振動腕36,36の先端に振動腕の伸長方向に連続的に拡幅するテーパー部37と、テーパー部の終端に振動腕の幅よりも幅広の幅広部38とを備えた音叉型水晶振動片3’と、
音叉型水晶振動片3’を収容するための凹部20を備え、凹部20の内底面に厚肉部25と薄肉部21が形成された容器と、
凹部20を気密に封止する蓋4とからなる。
厚肉部25の薄肉部21との境界となる側面25Sには音叉型水晶振動片の伸長方向に突出する一対の突起26g,26gが形成され、突起26gの少なくとも先端部260gがテーパー部37と対向するように音叉型水晶振動片3’が厚肉部25に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装型の圧電振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子に代表される圧電振動デバイスは携帯電話や移動体通信機等に広く用いられている。例えば表面実装型の水晶振動子は、水晶振動片と、水晶振動片を収容する凹部を備えた容器と、当該容器との接合により前記凹部を気密に封止する蓋が主要構成部材となっている。ここで前記水晶振動片として基部と一対の振動腕を有する音叉型振動片を用いる場合、前記基部が容器の凹部内に接合部材を介して片持ち接合され、基部の一端側から一方向に伸長する一対の振動腕の先端が自由端となる。このような形態の音叉型水晶振動子において、定常状態では前記自由端が凹部の内底面から離間していても、外部衝撃を受けた際に自由端が撓んで凹部の内底面に接触してしまうことがある。前記接触によって水晶振動子の周波数が大きく変化したり、水晶振動片の破損等による発振停止等の不具合が発生することがある。これを防止するために例えば自由端に対応する凹部の内底面の領域だけを薄肉化して段差を形成し、自由端と内底面との隙間を拡大して前記接触の防止を図る方法がある。このような形態の水晶振動子は例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4547788号
【特許文献2】特開2008−118501号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、携帯電話や移動体通信機等の小型化および多機能化による高密度実装が進み、これらの機器等に実装される圧電振動デバイスも超小型(例えば平面視矩形の圧電振動デバイスの外形寸法が2.0mm×1.6mm以下)および超薄型のものが求められるようになってきている。このように圧電振動デバイスの超小型化・超薄型化が進むと、圧電振動デバイスの容器も低背型のものが必要となってくる。しかしながら容器には圧電振動片を収容するための凹部を形成する必要があり、凹部底面から容器底面までの容器の基材部分も非常に薄肉となってくる。このため圧電振動片が容器内に片持ち接合された場合、自由端と当該自由端に対向する容器内底面との隙間が微小となり、外部衝撃を受けた際に自由端が凹部の内底面と接触して割れ等が発生しやすくなってしまう。自由端と容器の凹部内底面との接触防止のために自由端に対向する凹部の内底面の領域を薄肉化すれば、さらに薄肉領域が拡大してしまう。このように容器の薄肉領域が拡大することによって容器の機械的強度が低下し、落下等による外部衝撃によって容器にクラック等が発生しやすくなり、気密信頼性が損なわれることになる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、容器の機械的強度の低下を抑制しつつ、圧電振動片と容器との接触を防止した圧電振動デバイスを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、圧電振動片を収容するための凹部を備え、当該凹部の内底面に厚肉部と薄肉部が形成された容器と、一部が前記厚肉部に接合され、他の一部が前記薄肉部の上方に位置するように搭載される圧電振動片と、前記凹部を気密に封止する蓋とからなる圧電振動デバイスであって、前記厚肉部の、前記薄肉部との境界となる側面に圧電振動片の伸長方向に突出する突起が形成され、前記圧電振動片が、前記突起の少なくとも先端部が当該圧電振動片と対向するように前記厚肉部に接合されている。
【0007】
上記発明によれば、厚肉部の、薄肉部との境界となる側面に圧電振動片の伸長方向に突出する突起が形成され、圧電振動片の一部が当該突起の少なくとも先端部が圧電振動片と対向するように厚肉部に接合されているので、外部衝撃を受けた際の圧電振動片の他の一部(以下、自由端と記載)の撓み量を抑制することができる。これは圧電振動片が撓んだ際、突起の少なくとも先端部と圧電振動片が容器の凹部の内底面よりも先に接触することによる。これによって前記自由端と容器の凹部の内底面との接触を防止し、当該接触による圧電振動片の割れ等を防止することができる。また、前記自由端の撓み量を抑制することができるので、自由端の下方の容器の窪みの深さを浅くすることが可能となる。つまり圧電振動片の自由端の下方に位置する薄肉部の厚みを、前記突起が形成されていない場合における薄肉部の厚みよりも厚くすることができる。これより容器の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0008】
また、圧電振動片の一部が前記突起の少なくとも先端部が圧電振動片と対向するように厚肉部に接合されるので、外部衝撃を受けて圧電振動片の自由端が撓んだ場合であっても、突起のうち最も圧電振動片の他端部寄りとなる先端部が確実に圧電振動片に接触することになるので自由端の変位量を抑制することができる。
【0009】
上記目的を達成するために、前記突起が平面視で円弧状またはテーパー状に形成されていてもよい。このような形状の突起の場合、平面視における圧電振動片と厚肉部の端縁にある突起端縁とが交差する角度を緩やかにすることができる。これにより、圧電振動片が撓んで突起と接触したときの圧電振動片に働く応力を低減することができる。これを平面視矩形の凹部を有する容器に、平板状の圧電振動片が片持ち接合された構成の圧電振動デバイスを例に挙げて説明する。以下、容器凹部の内底面の一短辺に近接する領域に薄肉部が形成され、それ以外の領域が厚肉部となっている容器において説明する。まず厚肉部の端縁に本発明の突起が形成されておらず、厚肉部の端縁が凹部の短辺と平行に形成され、平面視矩形の圧電振動片の長辺が凹部の長辺と平行になるよう,圧電振動片の一部(一端部)が厚肉部に片持ち接合される場合は、圧電振動片の長辺と厚肉部の端縁とは平面視で略直角で交差することになる。これに対し、本発明の構成であれば厚肉部の端縁に平面視で円弧状またはテーパー状の突起が形成されているため、平面視における圧電振動片の長辺と厚肉部の端縁にある突起端縁とが交差する角度を緩やかにすることができる。これにより圧電振動片が撓んで突起と接触したときの圧電振動片に働く応力を低減することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、前記圧電振動片が基部と当該基部の一端側から一方向に伸長する一対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であり、前記突起の少なくとも先端部が前記一対の振動腕と対向していてもよい。
【0011】
上記発明によれば、外部衝撃を受けた際の音叉型水晶振動片の自由端である振動腕の先端の撓み量を抑制することができる。これは音叉型水晶振動片が撓んだ際、突起の少なくとも先端部と振動腕が容器の凹部の内底面よりも先に接触することによる。これによって前記自由端と容器の凹部の内底面との接触を防止し、当該接触による音叉型水晶振動片の割れ等を防止することができる。また、前記自由端の撓み量を抑制することができるので、自由端の下方の容器の窪みの深さを浅くすることが可能となる。つまり圧電振動片の自由端の下方に位置する薄肉部の厚みを、前記突起が形成されていない場合における薄肉部の厚みよりも厚くすることができる。これより容器の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、前記圧電振動片が、一対の振動腕の先端に当該振動腕の伸長方向に連続的に拡幅するテーパー部と、当該テーパー部の終端に前記振動腕の幅よりも幅広の幅広部とを備えた音叉型水晶振動片であり、前記突起の少なくとも先端部が前記テーパー部に対向していてもよい。
【0013】
上記発明によれば、厚肉部の、薄肉部との境界となる側面に前記振動腕の伸長方向に突出する突起が形成され、前記突起の少なくとも先端部が前記テーパー部に対向した構成となっているので、外部衝撃を受けた際の音叉型水晶振動片の自由端である振動腕の先端の撓み量を抑制することができる。これは音叉型水晶振動片が撓んだ際、突起の少なくとも先端部と音叉型水晶振動片が容器の凹部の内底面よりも先に接触することによる。これによって前記自由端と容器の凹部の内底面との接触を防止し、当該接触による圧電振動片の割れ等を防止することができる。さらに前記突起の少なくとも先端部が前記テーパー部に対向しているので、平面視における音叉型水晶振動片と突起端縁とが交差する角度をさらに緩やかにすることができる。これにより、音叉型水晶振動片が撓んで突起と接触したときの音叉型水晶振動片に働く応力を低減することができる。
【0014】
また、外部衝撃を受けた際の音叉型水晶振動片の自由端である振動腕の先端の撓み量を抑制することができるので、自由端の下方の容器の窪みの深さを浅くすることが可能となる。つまり圧電振動片の自由端の下方に位置する薄肉部の厚みを、前記突起が形成されていない場合における薄肉部の厚みよりも厚くすることができる。これより容器の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0015】
音叉型水晶振動片を容器の厚肉部に例えばFCB(Flip Chip Bonding)法等によって接合する場合、音叉型水晶振動片の長手方向あるいは短手方向に僅かに傾いた状態で音叉型水晶振動片が容器に接合されることがある。このような場合、外部衝撃を受けると振動腕の稜部が容器の凹部の内底面に接触してしまうことがある。前記振動腕の稜部の容器凹部の内底面との接触により、音叉型水晶振動片の割れやチッピングが発生するおそれがある。また前記稜部には側面電極や周波数調整用の金属膜が形成されることから、前記接触によってこれらの金属膜が損傷を受けるおそれがある。
【0016】
これに対して本発明の構成によれば、突起の少なくとも先端部が振動腕のテーパー部に対向しているので、音叉型水晶振動片が僅かに傾いた状態で容器に接合されたとしても、振動腕の稜部と容器凹部の内底面との接触を防止することができる。これにより音叉型水晶振動片の割れやチッピングを防止することができるとともに、音叉型水晶振動片の側面電極や周波数調整用の金属膜の損傷を防止することができる。
【0017】
また、上記目的を達成するために、前記幅広部の少なくとも一主面に周波数調整用の金属膜が部分的に形成されるとともに、前記一対の振動腕の表裏主面に溝が形成され、前記金属膜の前記テーパー部に面する端部から前記溝のテーパー部に面する端部の間の領域に、前記突起の少なくとも先端部が対向している構成であってもよい。
【0018】
上記構成によれば、突起の先端部が、前記金属膜の前記テーパー部に面する端部から前記溝のテーパー部に面する端部の間の領域と対向しているので、外部衝撃を受けた際に音叉型水晶振動片が前記周波数調整用金属膜および前記溝と接触することがない。これにより突起と周波数調整用金属膜および溝との接触による水晶振動子の特性劣化を防止することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するために、前記圧電振動片が前記基部から突出した支持腕を有する音叉型水晶振動片であり、当該音叉型水晶振動片は前記支持腕の一部領域で前記厚肉部に接合された構成であってもよい。
【0020】
上記構成によれば、前記支持腕の一部領域、例えば支持腕の先端付近の領域を前記厚肉部と接合することにより、振動腕からより離間した位置で音叉型水晶振動片を容器に接合することができるため音叉型水晶振動片の振動漏れを抑制することができる。また前記支持腕の一部領域が、当該突起の少なくとも先端部が音叉型水晶振動片と対向するように厚肉部に接合されるので、外部衝撃を受けた際の圧電振動片の自由端の撓み量を抑制することができる。これにより前記自由端と容器の凹部の内底面との接触を防止し、当該接触による音叉型水晶振動片の割れ等を防止することができる。つまり、前記支持腕の一部領域で音叉型水晶振動片が容器の厚肉部と接合されるので、音叉型水晶振動片の振動漏れを抑制しつつ、前述の効果も得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、容器の機械的強度の低下を抑制しつつ、圧電振動片と容器との接触を防止した圧電振動デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す水晶振動子の断面模式図
【図2】本発明の第1の実施形態を示す水晶振動子の容器の上面図
【図3】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図7】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図8】本発明の第1の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図9】本発明の第2の実施形態を示す水晶振動子の容器の上面図
【図10】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図11】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図12】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図13】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図14】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図15】本発明の第2の実施形態の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図16】本発明の第2の実施形態のその他の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【図17】本発明の第2の実施形態のその他の変形例を示す水晶振動子の容器の上面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、第1および第2の実施形態ともに圧電振動デバイスとして水晶振動子を例に挙げて図面を参照しながら説明する。
−第1の実施形態−
本発明の第1の実施形態を示す水晶振動子の断面模式図を図1に示す。図1は図2に示す容器のA−A線における断面図に水晶振動片が搭載され蓋が接合された状態を表している。本発明の第1の実施形態において水晶振動子1は表面実装型のいわゆるATカット水晶振動子である。水晶振動子1は、水晶振動片を収容するための凹部20を備えた容器2と、凹部20の内部に接合部材6を介して接合される水晶振動片3と、凹部20を気密封止する平板状の蓋4が主な構成部材となっている。水晶振動片3は、蓋4と容器2とが接合されることによって形成される内部空間7に密閉され、外部環境から保護されている。
【0024】
図1および図2において容器2はホウケイ酸ガラスを基材とする箱状体である。容器2は底板部23と、底板部23の上方に起立する環状の堤部24と、底板部より厚肉の厚肉部25を有する構造となっている。そして環状の堤部24によって包囲される内側の空間が凹部20となっており、凹部20の内部に水晶振動片3が搭載される。凹部20はガラスウエハをフォトリソグラフィ技術およびウエットエッチング法を用いて平面視略矩形に成形されている。そして凹部20の内底面には、水晶振動片の自由端(3b)に対応する領域に薄肉部21が形成されている。そして凹部20の内底面のうち、薄肉部21以外の領域は厚肉部25となっている。なお図1乃至2においてウエットエッチングによって掘り込まれた領域の側面は容器の基材が等方性材料であるため傾斜面となっている。
【0025】
厚肉部上面250の一端側には水晶振動片3の一端側3aが片持ち接合される。容器2の底面側には外部基板と接続される外部接続端子27が形成されており、貫通電極28および底板部23の表裏主面に形成された配線パターン85を経由して厚肉部上面250に形成された搭載パッド5に電気的に接続されている。
【0026】
図1乃至2に示すように、厚肉部25の側面25Sには水晶振動片3の伸長方向に突出する突起26が形成されている。突起26は水晶振動片が容器内に接合された状態で水晶振動片と対向する位置に形成されており、本実施形態においては図2に示すように突起26の全体が水晶振動片3に平面視で内包される大きさとなっている。突起26は平面視で半円状に形成されており、厚肉部25の端縁25Eから最も離間した半円の頂点部分が先端部260となっている。そして図1に示すように突起26の先端部260の側面は断面視で傾斜面となっており、テーパー状に薄肉部の底面210とつながっている。このような形状により、水晶振動片が外部衝撃を受けて凹部20の内底面の方向に撓んで突起26と接触しても、接触時に水晶振動片が受ける応力を分散させることができる。
【0027】
突起26は平面視で半円状に厚肉部25の,薄肉部21との境界となる側面25Sから水晶振動片3の伸長方向に突出して形成されているので、平面視における水晶振動片3と厚肉部25の端縁にある突起26の端縁とが交差する角度を緩やかにすることができる。これにより、水晶振動片が撓んで突起と接触したときの水晶振動片に働く応力を低減することができる。これは厚肉部の端縁に本発明の突起が形成されておらず、厚肉部の端縁が凹部の短辺と平行に形成され、平面視矩形の水晶振動片の長辺が凹部の長辺と平行になるよう,水晶振動片の一端部が厚肉部に片持ち接合される場合は、水晶振動片の長辺と厚肉部の端縁とは平面視で略直角で交差することになる。これに対し、本発明の構成であれば厚肉部の端縁25Eに平面視で半円状の突起26が形成されているため、平面視における水晶振動片の長辺と厚肉部の端縁にある突起26の端縁とが交差する角度を緩やかにすることができる。これにより水晶振動片が撓んで突起と接触したときの水晶振動片に働く応力を低減することができる。
【0028】
図1に示すように容器2には底板部23の一主面(厚肉部上面250)と他主面(容器底面22)を貫く一対の貫通孔29が形成されている。貫通孔29の内壁面にはスパッタ膜81が被着され、その内側に樹脂材82が充填されたものが貫通電極28となっている。貫通孔29の内側面には、テーパー状の第1傾斜面31が他主面(容器底面22)に連続して形成され、貫通孔の幅方向の外方に膨らむ曲面30が第1傾斜面31とつながって形成されている。そして曲面30とつながった第2傾斜面32が厚肉部上面250に連続して形成されている。ここで第2傾斜面32は第1傾斜面および曲面30よりも貫通孔の幅方向の外方に拡がって成形されている。このような断面形状の貫通孔は電着コート法またはスプレーコート法と、ウエットエッチング法を用いることによって成形されている。前記穿孔方法によって成形された貫通孔は、一主面方向からのみウエットエッチングによって穿孔する場合に比べて、底板部23の両主面における開口径を小さくすることができ、微小な領域に貫通孔を形成する場合に有効である。
【0029】
図1において配線パターン85は、厚肉部上面250に形成された一対の搭載パッド5,5から、貫通孔29の内壁面を経由して容器底面22の外部接続端子27までを電気的に接続するように所定形状で配設されている。図1に示すように第1スパッタ膜81は、厚肉部上面250と貫通孔内壁面および容器底面22に形成されている。本実施形態では第1スパッタ膜81として、Moからなるスパッタ膜上にCuからなるスパッタ膜が積層された2層構成となっており、第1スパッタ膜81の一部が配線パターン85となっている。
【0030】
容器2の底面側22には、外部接続端子27と配線パターン85と樹脂材82からなる樹脂パターンとが形成されている。そして底板部23の基材と第1スパッタ膜81の上部および貫通孔29の内部に感光性の樹脂からなる樹脂材82が形成されている。つまり容器の底面側の接触領域(後述)を除く全面に樹脂パターンが形成されている。本実施形態では樹脂材82としてポリベンズオキサゾール(PBO)が使用されている。そして配線パターン85および樹脂パターン上に外部接続端子27が積層されている。なお樹脂材82はポリベンズオキサゾールに限定されず、結晶性材料からなる容器との密着性が良好で、フォトリソグラフィ法によるパターン形成可能な樹脂材が使用可能である。例えばベンゾシクロブテン(BCB)やエポキシ、ポリイミド、フッ素系樹脂からなる樹脂材を使用してもよい。さらにインクジェット法やスクリーン印刷技術等の,フォトリソグラフィ法以外の手段を用いる場合、非感光性の樹脂も使用可能である。
【0031】
図1に示すように外部接続端子27と配線パターン85とを接触させる接触領域86が、一対の外部接続端子27,27のそれぞれに1箇所形成されている。この接触領域によって外部接続端子27と配線パターン85とが電気的に接続される。なお本実施形態では1つの外部接続端子27に対して1つの接触領域86が形成されているが、接触領域86の形成数は1つの外部接続端子に対して1つに限定されるものではなく、任意の個数で形成してもよい。
【0032】
前述の樹脂パターン上および接触領域86上に第2スパッタ膜83、めっき膜84が順に積層されて外部接続端子27が構成されている。なお、めっき膜84は複数のめっき層で構成されており、第2スパッタ膜83上にCuめっき膜、Niめっき膜、Auストライクめっき膜またはPdめっき膜、Auめっき膜の順に積層されている。図1ではこれらの4層からなるめっき膜を一体で表している。
【0033】
一方、容器2の凹部20側には第1スパッタ膜81を覆うように厚肉部上面250に配線パターン85が形成されている。図2に示すように凹部20に形成された配線パターン85は一対の貫通電極28,28の各々からそれぞれ導出され、厚肉部上面250に形成された一対の搭載パッド5,5と各々電気的に接続されている。
【0034】
堤部24の上面には金属の積層膜からなる第1接合層S1が環状に形成されており、第1接合層S1の膜構成は、厚肉部上面250の配線パターン85の膜構成と同一となっている。つまり第1接合層S1の膜構成は、第2スパッタ膜83、めっき膜84が順に積層された構造となっている。そしてめっき膜84は第2スパッタ膜83上にCuめっき膜、Niめっき膜、Auストライクめっき膜またはPdめっき膜、Auめっき膜の順に積層されている。図1ではこれらの4層からなるめっき膜を一体で表している。
【0035】
図1において水晶振動片3はATカット切断された平面視略矩形の板状の水晶振動板である。なお図2において水晶振動片が搭載される位置を点線にて表している。水晶振動片2の表裏主面の中央には対向して一対の励振電極が形成されている(図示省略)。そして前記一対の励振電極の各々から水晶振動片の一短辺側まで、図示しない引出電極が導出されており、引出電極の終端には接続電極(図示省略)が各々形成されている。この一対の接続電極と、容器2の厚肉部上面250に形成された一対の搭載パッド5,5とが対応するように接合部材6を介して各々接合される。本実施形態において接合部材6にはめっきバンプが用いられており、水晶振動片3の前述の一対の接続電極の各々に予め形成される。そして容器2の一対の搭載パッド5,5上に、前記一対のめっきバンプが対応するように水晶振動片3の一端部3aが厚肉部25上に位置決め載置された後、FCB(Flip Chip Bonding)法によって水晶振動片3が容器2に接合される。なお水晶振動片3と容器2との接合はFCB法に限定されるものではなく、例えば接合部材として導電性接着材を用いて加熱硬化させて接合する方法や、その他の接合方法であってもよい。
【0036】
図1において蓋4は平面視略矩形の平板である。蓋4の一主面41は平坦面となっており、他主面42は周縁を含む領域に下方に突出した壁部43が環状に形成されている。壁部43の両側面431、432はテーパー状に成形されている。このような形状はウエットエッチングによって成形されている。壁部43には壁部の天面433から外側面432にかけて第2接合層S2が形成されている。この第2接合層S2はTiからなるスパッタ膜の上にAuからなるスパッタ膜が積層された構造となっている。なおAuのスパッタ膜の代わりにCuからなるスパッタ膜を用いてもよい。
【0037】
容器2と蓋4とを接合するための接合材9は、蓋4の第2接合層S2に積層されている。接合材9の膜構成はAu/Sn膜のめっき膜の上に、Auストライクめっき膜、Auめっき膜の順に積層された構造となっている。前記構成によりAu/Sn膜が加熱によって溶融しAuSn合金膜となる。なお加熱溶融によってAuSn合金を形成せずに初めから第2接合層S2にAuSn合金膜を形成してもよい。また接合材9は蓋側に形成せずに、容器側、つまり第1接合層S1の上に形成してもよい。
【0038】
上記構成によると、厚肉部25の、薄肉部21との境界となる側面25Sから水晶振動片3の伸長方向に突出する突起26が形成され、突起26の全体が水晶振動片3と対向するように水晶振動片3が容器に接合されているので、外部衝撃を受けた際の水晶振動片の自由端(他端部3b)の撓み量を抑制することができる。これは水晶振動片が撓んだ際、突起26の少なくとも先端部260と水晶振動片3が凹部20の内底面よりも先に接触することによる。これによって前記自由端と凹部20の内底面との接触を防止し、当該接触による水晶振動片の割れ等を防止することができる。また、前記自由端の撓み量を抑制することができるので、自由端の下方の容器の窪みの深さを浅くすることが可能となる。つまり水晶振動片の自由端の下方に位置する薄肉部21の厚みを、突起26が形成されていない場合における薄肉部の厚みよりも厚くすることができる。これより容器の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0039】
また、水晶振動片の一端部3aが突起26の少なくとも先端部260が水晶振動片3と対向するように容器に接合されるので、外部衝撃を受けて水晶振動片3の他端部3bが撓んだ場合であっても、突起26のうち最も水晶振動片の他端部3b寄りとなる先端部260が確実に水晶振動片3に接触することになるので他端部3bの変位量を抑制することができる。
【0040】
本発明の突起の形状は平面視で半円状の形状のものに限定されるものではなく、図3乃至8に示す本発明の第1の実施形態の変形例のような種々の形状であってもよい。例えば図3乃至図5に示す突起(26a、26b、26c)では、厚肉部25の端縁25E(厚肉部側面25S)の全体から、圧電振動片の伸長方向に突出した形状となっている。このように厚肉部25の端縁25E全体から突出した形状の突起部は、本発明の第1の実施形態のような略平板状で広い振動領域を有する圧電振動片において特に効果的である。
【0041】
また、図6に示すような曲率の異なる2つの円弧が連なった平面視形状の突起26dであってもよい。なお図6では曲率の異なる2つの円弧が連なった平面視形状の突起となっているが、2以上の異なる曲率を有する円弧が突起先端に近づくにつれて漸次曲率が大きくなるように連なった平面視形状の突起であってもよい。さらに前記円弧を矩形とした平面視多段状の突起であってもよい。
【0042】
また図5および図8に示すように、先端部(260c、260f)が点ではなく線となっている形状の突起(26c、26f)であってもよい。このように突起の先端部が線で構成されている場合、圧電振動片が外部衝撃を受けて突起先端と接触した際の応力を分散させることができる。また図7と図8に示すように、図4と図5における突起(26b、26c)が各々、厚肉部25の端縁25Eの中央部分を含む領域からのみ突出した形状であってもよい(26e、26f)。なお上述した図3乃至8においてはウエットエッチングによって掘り込まれた領域の傾斜面の表示は説明の便宜上省略している。また図3乃至8において突起の領域を明示するために塗り潰して表示している。さらに図3乃至8において突起の先端部の側面は断面視で傾斜面となっており、テーパー状に薄肉部の底面とつながっている。
【0043】
−第2の実施形態−
本発明の第2の実施形態を図9に示す。本発明の第2の実施形態において第1の実施形態と同様の構成については同番号を付して説明の一部を割愛するとともに、第1の実施形態と同一の作用効果を有する。以下、本発明の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0044】
図9は本発明の第2の実施形態における水晶振動子の容器の上面図である。本実施形態では圧電振動デバイスとして圧電振動片に音叉型水晶振動片を用いた音叉型水晶振動子となっており、公称周波数は32.768kHzとなっている。図9では音叉型水晶振動片が容器内に搭載されたときの突起との位置関係を説明するために音叉型水晶振動片を点線で表示している。なお説明の便宜上、図9においてウエットエッチングによって掘り込まれた領域の傾斜面の表示と、凹部内の配線パターンおよび搭載パッドの記載は省略している。また突起の領域を明示するために塗り潰して表示している。
【0045】
図9に示す音叉型水晶振動片3’は、基部35と、当該基部の一端側から一方向に伸長する一対の振動腕36,36と、当該一対の振動腕の各先端に振動腕の伸長方向に連続的に拡幅するテーパー部37,37と、当該テーパー部の終端に振動腕の幅よりも幅広の幅広部38,38とを備えている。また、一対の振動腕36,36の表裏主面36P,36Pの一部には平面視略矩形状の一条の溝が対向形成されている。このような溝を形成することによって音叉型水晶振動子の直列抵抗値の低減を図ることができる。
【0046】
音叉型水晶振動片3’は水晶ウエハから多数個の音叉型水晶振動片が一括で成形される。音叉型水晶振動片3’の外形はフォトリソグラフィ技術を用いてレジストまたは金属膜をマスクとしてウエットエッチング法によって一括的に成形されている。また図9では記載を省略しているが、基部35および振動腕36,36には各種電極(金属膜)が真空蒸着とフォトリソグラフィ技術を用いて所定形状に形成されている。具体的には前記各種電極の内、振動腕36,36に各々形成されている電極は、主面電極(表面および裏面)および側面電極(内側面および外側面)とから構成されており、Crを下地とし、その上層にAuが積層された構成となっている。一方、基部35の表裏両面にはCrの下地層の上層にAuが積層した構成からなる一対の接合電極が振動腕36,36の電極の形成と同時に形成されている。
【0047】
幅広部38には、周状に金属膜が前述の電極と同様の層構成で形成されている。そして幅広部38の表裏主面には周波数調整用の金属膜M,Mが形成されている。本実施形態では周波数調整用金属膜MにAuが用いられており、電解メッキ法によって成膜されている。なお周波数調整用金属膜は電解メッキ法以外に真空蒸着法を用いて成膜してもよい。
【0048】
ウエハ内で多数個成形された音叉型水晶振動片3’の周波数は、各振動片に前述の各種電極が付加されることによって、各種電極の付加前の周波数よりも低下する。そして、前記周波数調整用金属膜Mが幅広部に成膜されることによって、さらに周波数が低下することになる。周波数調整用金属膜Mはレーザービームの照射によってその質量が削減され、所望の周波数となるように調整される。
【0049】
本実施形態では突起26gは平面視で半円状であり、音叉型水晶振動片3’のテーパー部37と対向する位置に2箇所形成されている。そして厚肉部端縁25Eから最も離間した半円の頂点部分が先端部260gとなっている。本発明を音叉型水晶振動片に適用する場合、前記突起の先端部は一対の振動腕やテーパー部または幅広部に対向した位置に形成され得るが、本実施形態では突起の先端部がテーパー部に対向した構成を例として挙げている。
【0050】
図9に示すように本実施形態では突起26gは、先端部260gを含む一部の領域が平面視でテーパー部37と重なる大きさと位置に形成されている。このような音叉型水晶振動片3’との相対位置関係で突起を形成することによって、外部衝撃を受けた際の音叉型水晶振動片3’の自由端である振動腕の先端、つまり本実施形態においては幅広部38の先端の撓み量を抑制することができる。これは音叉型水晶振動片3’が撓んだ際、突起26gの少なくとも先端部260gとテーパー部37が容器の凹部20の内底面よりも先に接触することによる。これによって幅広部38の先端と容器の凹部20の内底面との接触を防止し、当該接触による音叉型水晶振動片3’の割れ等を防止することができる。さらに突起26gの少なくとも先端部260gがテーパー部37に対向しているので、平面視における音叉型水晶振動片3’と突起26gの端縁とが交差する角度をさらに緩やかにすることができる。これにより、音叉型水晶振動片3’が撓んで突起26gと接触したときの音叉型水晶振動片3’に働く応力を低減することができる。
【0051】
前述のように幅広部38の先端の撓み量を抑制することができるので、幅広部38の下方の窪みの深さを浅くすることが可能となる。つまり、幅広部38の下方に位置する薄肉部21の厚みを、前記突起が形成されていない場合における薄肉部の厚みよりも厚くすることができる。これより容器の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0052】
また上記構成によれば、外部衝撃を受けた際に音叉型水晶振動片3’の振動腕の一部が前記突起に接触したとしても水晶振動子の特性に影響を及ぼしにくくすることができる。具体的に突起26の先端部260がテーパー部37に対向しているので、外部衝撃を受けた際に音叉型水晶振動片3’が周波数調整用金属膜Mに接触することがない。これにより突起26と周波数調整用金属膜Mとの接触による当該金属膜の厚みの変化を防止することができるので、周波数変化等の不具合発生を防止することができる。さらに突起の先端部260がテーパー部37に対向しているので、先端部260が溝39に接触するのを防止することができる。これにより突起26と溝39との接触による溝の欠損等の不具合を防止することができる。
【0053】
また、音叉型水晶振動片3’を容器2の厚肉部25に例えばFCB(Flip Chip Bonding)法等によって接合する場合、音叉型水晶振動片3’の長手方向(振動腕の伸長方向)あるいは短手方向(基部の幅方向)に僅かに傾いた状態で音叉型水晶振動片が容器に接合されることがある。このような場合、外部衝撃を受けると振動腕の稜部(本実施形態のように幅広部を振動腕の先端側に備えた音叉型水晶振動片の場合は幅広部の稜部38E)が容器の凹部の内底面に接触してしまうことがある。前記振動腕の稜部の容器凹部の内底面との接触により、音叉型水晶振動片の欠けやチッピングが発生するおそれがある。また、稜部38Eには側面電極が形成されることから、前記接触によって側面電極が損傷を受けるおそれがある。さらに幅広部38の稜部を覆うように周波数調整用の金属膜を形成する場合は当該金属膜も損傷を受けるおそれがある。
【0054】
これに対して本実施形態の構成によれば、突起26の少なくとも先端部260がテーパー部37に対向しているので、音叉型水晶振動片3’が僅かに傾いた状態で容器2に接合されたとしても、幅広部の稜部38Eと容器凹部の内底面との接触を防止することができる。これにより、音叉型水晶振動片の欠けやチッピングを防止することができるとともに、音叉型水晶振動片3’の側面電極(図示省略)の損傷を防止することができる。
【0055】
なお、本発明の第2の実施形態の変形例として図5に示すような構造であってもよい。図10乃至12では、いずれも突起の先端部がテーパー部に平面視で重なるように形成されており、突起の先端部は線または点となっている。そして突起の一部分がテーパー部の幅よりも幅広の領域を有している。また図13乃至14では、いずれも突起全体がテーパー部に平面視で内包されるように形成されており、突起の先端部は線または点となっている。これらの形状の突起であっても前述と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、本発明の第2の実施形態では突起の先端部がテーパー部に対向した構成となっているが、本発明は当該構成に限定されるものではない。幅広部の少なくとも一主面に周波数調整用の金属膜が部分的に形成されるとともに、一対の振動腕の表裏主面に溝が形成され、前記金属膜のテーパー部に面する端部から前記溝のテーパー部に面する端部の間の領域、すなわち図15において符号Wで示す領域に突起26mの少なくとも先端部260mが対向している構成においても適用可能である。
【0057】
これを本発明のその他の変形例として図16に示す。図16に示すように幅広部38の一主面に部分的に形成された周波数調整用の金属膜M’の,テーパー部37に面する端部、つまり図16において幅広部38の,周波数調整用金属膜M’が形成されていない領域に突起26nの先端部260nが対向した構成となっていてもよい。
【0058】
さらに本発明は図17に示すような、基部35の一部から突出し、一対の振動腕36,36と平行に伸長する一対の支持腕40,40を有する音叉型水晶振動片3’’においても適用可能である。図17において音叉型水晶振動片3’’は、支持腕40,40の先端に近接する領域で厚肉部25に接合されている。なお前記支持腕40は必ずしも一対で形成する必要は無く、片方のみの支持腕であってもよい。また前記支持腕40は基部の他端側から突出形成されたものに限定されるものではなく、基部の側面から突出形成されていてもよい。前述の図16乃至17のいずれの構成においても本発明の第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
本発明の実施形態では表面実装型の水晶振動子のパッケージを構成する容器を例に挙げているが、水晶振動子以外に水晶フィルタ、水晶発振器などの電子機器等に用いられる他の圧電振動デバイスのパッケージを構成する容器へも適用可能である。
【0060】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
圧電振動デバイスの量産に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 水晶振動子
2 容器
20 凹部
21 薄肉部
25 厚肉部
26 突起
260 先端部
3、3’、3’’ 水晶振動片
35 基部
36 振動腕
37 テーパー部
38 幅広部
39 溝
40 支持腕
4 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片を収容するための凹部を備え、当該凹部の内底面に厚肉部と薄肉部が形成された容器と、
一部が前記厚肉部に接合され、他の一部が前記薄肉部の上方に位置するように搭載される圧電振動片と、
前記凹部を気密に封止する蓋とからなる圧電振動デバイスであって、
前記厚肉部の、前記薄肉部との境界となる側面に圧電振動片の伸長方向に突出する突起が形成され、
前記圧電振動片が、前記突起の少なくとも先端部が当該圧電振動片と対向するように前記厚肉部に接合されていることを特徴とする圧電振動デバイス。
【請求項2】
前記突起が平面視で円弧状またはテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
【請求項3】
前記圧電振動片が基部と当該基部の一端側から一方向に伸長する一対の振動腕を有する音叉型水晶振動片であり、前記突起の少なくとも先端部が前記一対の振動腕と対向していることを特徴とする請求項1乃至2に記載の圧電振動デバイス。
【請求項4】
前記圧電振動片が、一対の振動腕の先端に当該振動腕の伸長方向に連続的に拡幅するテーパー部と、当該テーパー部の終端に前記振動腕の幅よりも幅広の幅広部とを備えた音叉型水晶振動片であり、前記突起の少なくとも先端部が前記テーパー部に対向していることを特徴とする請求項1乃至3に記載の圧電振動デバイス。
【請求項5】
前記幅広部の少なくとも一主面に周波数調整用の金属膜が部分的に形成されるとともに、前記一対の振動腕の表裏主面に溝が形成され、
前記金属膜の前記テーパー部に面する端部から前記溝のテーパー部に面する端部の間の領域に、前記突起の少なくとも先端部が対向していることを特徴とする請求項4に記載の圧電振動デバイス。
【請求項6】
前記圧電振動片が前記基部から突出した支持腕を有する音叉型水晶振動片であり、当該音叉型水晶振動片は前記支持腕の一部領域で前記厚肉部に接合されていることを特徴とする請求項3乃至5に記載の圧電振動デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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