説明

地図情報送信システム、方法およびプログラム

【課題】特定の送信先が地図情報の送信を受ける機会が得られなくなることを防止する。
【解決手段】送信先からの送信要求に応じて当該送信先に送信するための地図情報を記録する地図データベースを備え、送信先の基本所在位置の周辺の第1範囲と、当該第1範囲を含み当該第1範囲より広域の第2範囲とのそれぞれについて、未送信の地図情報のデータ量を複数の送信先ごとに特定し、第1範囲についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数の送信先のうち、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先された送信先に対して第1範囲について未送信の地図情報を送信させ、第2範囲についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数の送信先のうち、第2範囲についての未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先された送信先に対して第2範囲について未送信の地図情報を送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を送信先に送信させる地図情報送信システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
送信要求を行った送信先に対して地図情報を送信する送信センタが知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、送信先に対して既に送信済みのバージョンの地図情報と最新の地図情報との差分データを送信先に送信することにより、送信先に送信する地図情報のデータ量を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−212273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送信先に送信する差分データのデータ量を抑制したとしても、多数の送信先から送信要求があった場合には、送信センタの処理負荷が過大となり、送信要求を行ったすべての送信先に差分データを送信することができなくなる。従って、所定の優先順位にしたがって優先した送信先に対して差分データを送信させることにより、送信センタの処理負荷が過大となることを防止することが行われている。このように送信先を優先させる手法は種々考えられる。しかしながら、常に一様な優先順位で優先した送信先に差分データを送信していると、優先されない送信先が差分データの送信を受ける機会を得ることができなくなるという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、特定の送信先が地図情報の送信を受ける機会が得られなくなることを防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明において、地図データベースは、送信先からの送信要求に応じて当該送信先に送信するための地図情報を記録する。データ量特定手段は、第1範囲と第2範囲とのそれぞれについて、未送信の地図情報のデータ量を複数の送信先ごとに特定する。第1範囲とは送信先の基本所在位置の周辺の範囲であり、第2範囲は第1範囲を含み第1範囲よりも広域の範囲である。送信制御手段は、第1範囲についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数の送信先のうち、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先された送信先に対して第1範囲について未送信の地図情報を送信させる。一方、送信制御手段は、第2範囲についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数の送信先のうち、第2範囲についての未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先された送信先に対して第2範囲について未送信の地図情報を送信させる。
【0006】
前記の構成において、第1範囲について地図情報を送信させる場合と、第2範囲について地図情報を送信させる場合とで、未送信の地図情報のデータ量の大きさに基づいて優先される順位が反転するため、複数の送信先は未送信の地図情報のデータ量の大きさに拘わらず地図情報の送信を受ける機会を得ることができる。ここで、送信先の基本所在位置の周辺の第1範囲は送信先が移動する可能性が第2範囲よりも高い範囲であるため、第1範囲についての地図情報は送信先にて使用される可能性が第2範囲についての地図情報よりも高いということができる。すなわち、第1範囲についての地図情報は、第2範囲についての地図情報よりも、送信させる緊急度が高いということができる。送信制御手段は、第1範囲について地図情報を送信させる場合に、未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先された送信先に対して未送信の地図情報を送信させるため、単一の送信先あたりに生じる処理負荷を抑え、多くの送信先に緊急度の高い地図情報を送信させることができる。一方、送信制御手段は、第2範囲について地図情報を送信させる場合に、未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先された送信先に対して未送信の地図情報を送信させるため、未送信の地図情報のデータ量が大きい送信先にも地図情報の送信を受ける機会を与えることができる。
【0007】
地図データベースは、送信先からの送信要求に応じて送信先に送信するための地図情報を記録するデータベースであり、最後にバージョンアップされた最新の地図情報を複数の区画ごとに記録するデータベースである。送信先からの送信要求とは、送信先における所定動作をトリガーとして送信先が出力する要求である。ここで、送信要求のトリガーとなる所定動作は、ユーザから送信要求の指示を受け付けることであってもよいし、電源投入やナビゲーションプログラムの起動等の動作であってもよい。
【0008】
データ量特定手段は、第1範囲を構成する区画のうち、地図データベースに記録されている地図情報が送信先に未送信の区画を特定し、当該特定した区画について地図データベースに記録されている地図情報のデータ量を合計することにより、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量を特定すればよい。データ量特定手段は、同様の手法により、第2範囲について未送信の地図情報のデータ量を特定すればよい。また、データ量特定手段は、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量を特定するにあたり、送信先の基本所在位置を特定し、当該基本所在位置の周辺の第1範囲を特定する。ここで、送信先の基本所在位置は、送信先が所在する基本の位置として予め送信先または地図情報送信システムに登録された位置であってもよく、例えば送信先を使用するユーザの生活圏(自宅、勤務地等)の位置であってもよい。第1範囲は、送信先の基本所在位置の周辺の範囲であればよく、例えば送信先の基本所在位置から所定距離以内の範囲であってもよいし、送信先の基本所在位置を重心とする図形内の範囲であってもよいし、送信先の基本所在位置が属する行政区画内の範囲であってもよい。第1範囲よりも広域の第2範囲は、送信先が移動する可能性が第1範囲よりも低い範囲を含む。従って、第1範囲についての地図情報の方が第2範囲についての地図情報よりも、送信させる緊急度が高くなる。
【0009】
上述のようにデータ量特定手段は第1範囲について未送信の地図情報のデータ量を複数の送信先ごとに特定する。従って、送信制御手段は、第1範囲についての地図情報を送信させる場合に、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に数えた優先順位を、送信要求を行った送信先について得ることができる。同様に、送信制御手段は、第2範囲についての地図情報を送信させる場合に、第2範囲について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に数えた優先順位を、送信要求を行った送信先について得ることができる。データ量特定手段は、以上のようにして得た優先順位が上位の送信先であるほど、優先して地図情報を送信させる送信先として選択すればよい。例えば、データ量特定手段は、以上のようにして得た優先順位において上位の送信先であるほど、高い確率で地図情報を送信させる送信先として選択してもよいし、早期に地図情報を送信させる送信先として選択してもよい。
【0010】
さらに、送信制御手段は、地図データベースにおいて地図情報がバージョンアップされた以降の第1期間において、第1範囲について地図情報を送信させてもよい。地図データベースにおいて地図情報がバージョンアップされた直後においては、送信要求を行う送信先の数が多くなる傾向にある。例えば、バージョンアップの告知を受けて送信先を使用する多くのユーザが送信要求をするように送信先を操作することが予測される。従って、送信制御手段は、バージョンアップ以降の第1期間において、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先した送信先に地図情報を送信させることにより、送信させる緊急度の高い第1範囲についての地図情報を多くの送信先に送信させることができる。
【0011】
一方、地図データベースにおいて地図情報がバージョンアップされる前の第2期間において、送信制御手段は、第1範囲を含む第2範囲について地図情報を送信させてもよい。地図データベースにおいて地図情報がバージョンアップされる前においては、バージョンアップ後に送信要求をすればよいと考えるユーザが多くなるため、送信要求を行う送信先の数が少なくなる傾向にある。従って、送信制御手段は、バージョンアップ前の第2期間において、第2範囲について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先した送信先に地図情報を送信させることにより、地図情報送信システムの処理負荷が過大となることなく、未送信の地図情報のデータ量が大きい送信先に対して地図情報を送信させることができる。また、第2範囲は第1範囲を含むため、第2期間のうちに第2範囲について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先した送信先に地図情報を送信させておけば、第1範囲について未送信の地図情報のデータ量の大きい送信先を第1期間まで残存させないようにすることができる。従って、送信制御手段は、第1期間において、送信させる緊急度の高い第1範囲についての地図情報を多くの送信先に送信させることができる。なお、バージョンアップとは、データベースにおいて、地図上のいずれかの区画についての地図情報が新たな地図情報に更新されることであればよく、リビジョンアップ等も含む。
【0012】
さらに、本発明のように地図情報を送信させる範囲に応じて異なる優先順位で優先した送信先に対して地図情報を送信させる手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような地図情報送信システム、プログラム、方法は、単独の地図情報送信システムとして実現される場合もあれば、複数の実体的な装置を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。すなわち、地図情報送信システムを構成する各手段およびデータベースが複数の実体的な装置に分散して備えられてもよい。各手段が複数の実体的な装置に分散して備えられる場合に、各手段を機能させるために必要なデータを送受信する通信手段が備えられてもよい。さらに、以上のような地図情報送信システムの少なくとも一部を備えた地図情報管理方法や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、地図情報送信システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】地図情報送信システムのブロック図である。
【図2】(2A)は地図DBを示す図、(2B)は管理DBを示す図、(2C)は自宅周辺範囲と日本全域とを示す図である。
【図3】(3A)は第1期間と第2期間とのタイミングチャート、(3B)は第1優先リストを示す図、(3C)は第2優先リストを示す図である。
【図4】(4A)は優先リスト設定処理のフローチャート、(4B)は地図情報送信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)地図情報送信システムの構成:
(2)地図情報送信処理:
(3)他の実施形態:
【0015】
(1)地図情報送信システムの構成:
図1は、本発明の第1実施形態にかかる地図情報送信システム10のブロック図である。地図情報送信システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部11と記録媒体12と通信部13とを備えており、制御部11は記録媒体12やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体12は、地図DB(データベース)12aと管理DB(データベース)12bとを記録する。地図DB12aは、外部のナビゲーション装置20からの送信要求に応じて当該ナビゲーション装置20に送信するための地図情報を記録するデータベースである。
【0016】
図2Aは、地図DB12aの模式図である。地図DB12aにおいて、地図上において行列状に設けられた複数の区画ごとに地図情報が対応付けて記録されている。地図情報は、区画上に存在する道路(高速道路から細街路までのすべての道路を含む)や交差点や建物等の地物に関する情報を含んでいる。なお、区画ごとに地物が存在する量が異なるため、地図情報のデータ量は区画ごとに異なる。地図DB12aにおいて、複数の区画ごとに地図情報のデータ量を示すデータ(不図示)が記録されている。本実施形態において地図DB12aにおいて、各区画について最新(最後にバージョンアップされた)の地図情報のみが対応付けて記録されており、最新の地図情報のバージョンを識別するバージョン番号が各区画に対応付けられて記録されている。バージョン番号が大きいほど、遅い時期にバージョンアップされたバージョンであることを示す。例えば、区画上に存在する地物の改修、新設、廃止等があった区画についてのみ地図情報がバージョンアップされる場合もあるし、すべての区画についての地図情報が一括してバージョンアップされる場合もある。
【0017】
管理DB12bは、送信先としてのナビゲーション装置20に送信済みの地図情報のバージョンを、ナビゲーション装置20を使用するユーザU(U1,U2・・)ごとに示すデータベースである。図2Bは、管理DB12bの模式図である。管理DB12bにおいて、ユーザUごとに送信済みの地図情報のバージョンを識別するバージョン番号が、複数の区画ごとに対応付けられて記録される。なお、ナビゲーション装置20のユーザUは、ユーザ登録等において予め地図情報送信システム10に登録されており、ナビゲーション装置20とユーザUとは一意に対応する。ここで、同一の区画について、地図DB12aに記録された最新の地図情報のバージョン番号が、管理DB12bに記録された送信済みの地図情報のバージョン番号よりも大きい場合、地図DB12aに記録された最新の地図情報がナビゲーション装置20に対して未送信となる。一方、同一の区画について、地図DB12aに記録された最新の地図情報のバージョン番号が、管理DB12bに記録された送信済みの地図情報のバージョン番号と等しい場合、地図DB12aに記録された最新の地図情報がナビゲーション装置20に対して送信済みとなる。
通信部13は、地図情報送信システム10が複数のナビゲーション装置20のそれぞれと無線通信を行うための回路を有する。
【0018】
次にナビゲーション装置20の構成について説明する。ナビゲーション装置20は送信先であり、記録媒体21を備える。ナビゲーション装置20は記録媒体21に対してデータを読み書きすることが可能なコンピュータである。記録媒体21には、地図データ21aが記録されている。地図データ21aにおいては、地図情報送信システム10の地図DB12aと同様に複数の区画ごとに地図情報が記録される。ナビゲーション装置20は、地図情報送信システム10から地図情報を受信すると、受信した地図情報に対応する区画を地図データ21aにて特定し、当該区画に対応付けられている地図情報を、受信した地図情報で更新する。なお、ナビゲーション装置20の地図データ21aにおいて各区画について記録されている地図情報のバージョン番号と、管理DB12bにおいて当該ナビゲーション装置20を使用するユーザUに関して各区画について記録されている地図情報のバージョン番号とは一致する。
【0019】
本実施形態においてナビゲーション装置20は、車両に備えられており、車両においてACC(アクセサリーポジション)がオンとされた場合に、電源が投入される。ナビゲーション装置20は、電源が投入されるごとに、通信回路(不図示)を介して地図情報の送信要求を地図情報送信システム10に対して送信する。
【0020】
次に地図情報送信システム10のソフトウェア構成について説明する。制御部11は、地図情報送信プログラム100を実行する。地図情報送信プログラム100は、データ量特定部110と送信制御部120とを含む。
データ量特定部110は、ナビゲーション装置20の基本所在位置の周辺の第1範囲と、当該第1範囲より広域の第2範囲とのそれぞれについて、未送信の地図情報のデータ量を複数のナビゲーション装置20ごとに特定する機能を制御部11に実行させるモジュールである。すなわち、データ量特定部110の機能により制御部11は、ナビゲーション装置20を使用するユーザUを特定し、当該ユーザUの自宅位置をナビゲーション装置20の基本所在位置として特定する。ユーザUの自宅位置は、ユーザ登録等において予め地図情報送信システム10に登録されている。データ量特定部110の機能により制御部11は、ユーザUの自宅位置を重心とする矩形状の自宅周辺範囲を、ユーザUごとに第1範囲として特定する。
【0021】
図2Cは、自宅周辺範囲を示す図である。自宅周辺範囲は、緯度がユーザUの自宅位置の緯度から南北それぞれ所定緯度以内、かつ、経度がユーザUの自宅位置の経度から東西それぞれ所定経度以内の矩形状の範囲とされる。データ量特定部110の機能により制御部11は、管理DB12bを参照して、ユーザUごとに自宅周辺範囲に属する区画のそれぞれについて送信済みの地図情報のバージョン番号を特定する。また、データ量特定部110の機能により制御部11は、地図DB12aを参照して、ユーザUごとに自宅周辺範囲に属する区画のそれぞれについて最新の地図情報のバージョン番号を特定する。そして、データ量特定部110の機能により制御部11は、自宅周辺範囲に属する区画のうち、送信済みの地図情報のバージョン番号が、最新の地図情報のバージョン番号よりも小さい区画を未送信区画として特定する。さらに、データ量特定部110の機能により制御部11は、自宅周辺範囲に属する未送信区画のそれぞれについて地図DB12aに記録された地図情報のデータ量を取得し、当該データ量の合計をユーザUごとに特定する。当該データ量の合計は、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量を意味する。
【0022】
本実施形態において第2範囲は、地図DB12aに地図情報が記録されたすべての区画の範囲であり、本実施形態において日本全域である。従って、第2範囲は、いずれのユーザUの自宅周辺範囲を含み、かつ、いずれのユーザUの自宅周辺範囲よりも広域となる。データ量特定部110の機能により制御部11は、管理DB12bを参照して、ユーザUごとに日本全域の区画のそれぞれについて送信済みの地図情報のバージョン番号を特定する。また、データ量特定部110の機能により制御部11は、地図DB12aを参照して、日本全域の区画のそれぞれについて最新の地図情報のバージョン番号を特定する。そして、データ量特定部110の機能により制御部11は、日本全域の区画のうち、送信済みの地図情報のバージョン番号が、最新の地図情報のバージョン番号よりも小さい区画を未送信区画として特定する。さらに、データ量特定部110の機能により制御部11は、日本全域に属する未送信区画のそれぞれについて地図DB12aに記録された地図情報のデータ量を取得し、当該データ量の合計をユーザUごとに特定する。当該データ量の合計は、日本全域について未送信の地図情報のデータ量を意味する。
【0023】
送信制御部120は、自宅周辺範囲についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数のナビゲーション装置20のうち、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先されたナビゲーション装置20に対して自宅周辺範囲について未送信の地図情報を送信させるモジュールである。送信制御部120の機能により制御部11は、地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされた以降の第1期間において、自宅周辺範囲についての地図情報をナビゲーション装置20に送信させる。また、送信制御部120の機能により制御部11は、第1期間において、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順にユーザUをソートすることにより、ユーザUごとの優先順位を規定した第1優先リストを作成する。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、第1優先リストにおいて優先順位が上位のユーザUによって使用されるナビゲーション装置20であるほど優先して、地図情報を送信させるナビゲーション装置20として選択する。さらに、送信制御部120の機能により制御部11は、選択したナビゲーション装置20に対して、自宅周辺範囲について未送信の地図情報を通信部13に送信させる。
【0024】
また、送信制御部120は、日本全域についての地図情報を送信させる場合に、送信要求を行った複数のナビゲーション装置20のうち、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先されたナビゲーション装置20に対して日本全域について未送信の地図情報を送信させるモジュールである。送信制御部120の機能により制御部11は、地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされる前の第2期間において、日本全域についての地図情報をナビゲーション装置20に送信させる。また、送信制御部120の機能により制御部11は、第2期間において、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順にユーザUをソートすることにより、ユーザUごとの優先順位を規定した第2優先リストを作成する。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、第2優先リストの優先順位が上位のユーザUによって使用されるナビゲーション装置20であるほど優先して、地図情報を送信させるナビゲーション装置20として選択する。さらに、送信制御部120の機能により制御部11は、選択したナビゲーション装置20に対して、日本全域について未送信の地図情報を通信部13に送信させる。
【0025】
図3Aは、第1期間P1と第2期間P2とを説明するタイミングチャートである。本実施形態において、第1期間P1は、地図DB12aにおいて少なくとも1個の区画について地図情報がバージョンアップされたバージョンアップ時刻を始期とし、当該バージョンアップ時刻から所定期間経過した時刻を終期とする。第2期間P2は、前回のバージョンアップ時刻を始期とする第1期間P1の終期を始期とし、今回のバージョンアップ時刻を終期とする。
【0026】
図3Aに示すように、第1期間P1においては自宅周辺範囲についての地図情報を送信対象とし、当該自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量が小さいユーザUによって使用されるナビゲーション装置20であるほど優先順位が上位となる第1優先リストが設定される。図3Bは、第1優先リストを示す図である。同図に示すように、第1優先リストにおいて自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の昇順にユーザUがソートされている。
【0027】
図3Aに示すように、第2期間P2においては日本全域についての地図情報を送信対象とし、当該日本全域について未送信の地図情報のデータ量が大きいユーザUによって使用されるナビゲーション装置20であるほど優先順位が上位となる第2優先リストが設定される。図3Cは、第2優先リストを示す図である。同図に示すように、第2優先リストにおいて日本全域について未送信の地図情報のデータ量の降順にユーザUがソートされている。
【0028】
前記の構成において、自宅周辺範囲はナビゲーション装置20がユーザUの自宅位置から移動する可能性が日本全域よりも高い範囲であるため、自宅周辺範囲についての地図情報はナビゲーション装置20にて使用される可能性が日本全域についての地図情報よりも高いということができる。すなわち、自宅周辺範囲についての地図情報は、日本全域についての地図情報よりも、送信させる緊急度が高いということができる。送信制御部120の機能により制御部11は、自宅周辺範囲について地図情報を送信させる場合に、未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先されたナビゲーション装置20に対して未送信の地図情報を送信させるため、単一のナビゲーション装置20あたりに生じる処理負荷を抑え、多くのナビゲーション装置20に緊急度の高い地図情報を送信させることができる。一方、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域について地図情報を送信させる場合に、未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先されたナビゲーション装置20に対して未送信の地図情報を送信させるため、未送信の地図情報のデータ量が大きい送信先にも地図情報の送信を受ける機会を与えることができる。
【0029】
さらに、送信制御部120の機能により制御部11は、地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされた以降の第1期間P1において、自宅周辺範囲について地図情報を送信させる。地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされた直後においては、送信要求を行うナビゲーション装置20の数が多くなる傾向にある。従って、送信制御部120の機能により制御部11は、バージョンアップ以降の第1期間P1において、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に優先したナビゲーション装置20に地図情報を送信させることにより、送信させる緊急度の高い自宅周辺範囲についての地図情報を多くのナビゲーション装置20に送信させることができる。
【0030】
一方、地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされる前の第2期間P2において、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域について地図情報を送信させる。地図DB12aにおいて地図情報がバージョンアップされる前においては、送信要求を行うナビゲーション装置20の数が少なくなる傾向にある。従って、送信制御部120の機能により制御部11は、バージョンアップ前の第2期間P2において、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先したナビゲーション装置20に地図情報を送信させることにより、地図情報送信システム10の処理負荷が過大となることなく、未送信の地図情報のデータ量が大きいナビゲーション装置20に対して地図情報を送信させることができる。また、日本全域は自宅周辺範囲を含むため、第2期間P2のうちに日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に優先したナビゲーション装置20に地図情報を送信させておけば、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の大きいナビゲーション装置20を第1期間P1まで残存させないようにすることができる。従って、送信制御部120の機能により制御部11は、第1期間P1において、送信させる緊急度の高い自宅周辺範囲についての地図情報を多くのナビゲーション装置20に送信させることができる。
【0031】
(2)地図情報送信処理:
図4Aは、地図情報送信システム10が実行する優先リスト設定処理のフローチャートである。優先リスト設定処理は、所定の時間周期で実行されるループ処理である。送信制御部120の機能により制御部11は、地図DB12aにおける地図情報のバージョンアップ時刻から所定期間が経過したか否かを判定する。バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定されなかった場合(S100:N)には、図3Aに示すように現在が前回のバージョンアップ以降の第1期間P1に属することを意味する。反対に、バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定された場合(S100:Y)には、現在が次回のバージョンアップ前の第2期間P2に属することを意味する。
【0032】
バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定されなかった場合(S100:N)、データ量特定部110の機能により制御部11は、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量を複数のナビゲーション装置20ごとに特定する(S110)。すなわち、データ量特定部110の機能により制御部11は、ユーザUごとに、自宅周辺範囲を特定し、当該自宅周辺範囲に属する区画のうち未送信の地図情報のデータ量の合計を特定する。次に、送信制御部120の機能により制御部11は、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順にユーザUをソートして、第1優先リスト(図3B)を設定する(S120)。第1優先リストを設定すると、送信制御部120の機能により制御部11は、所定の時間周期が経過するまで待機してからステップS100に戻る。
【0033】
一方、バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定された場合(S100:Y)、データ量特定部110の機能により制御部11は、日本全域について未送信の地図情報のデータ量を複数のナビゲーション装置20ごとに特定する(S130)。すなわち、データ量特定部110の機能により制御部11は、日本全域に属する区画のうち未送信の地図情報のデータ量の合計をユーザUごとに特定する。次に、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順にユーザUをソートして、第2優先リスト(図3C)を設定する(S140)。第2優先リストを設定すると、送信制御部120の機能により制御部11は、時間周期が経過するまで待機してからステップS100に戻る。
【0034】
以上の優先リスト設定処理を所定の時間周期ごとに実行することにより、現在が第1期間P1に属する場合には、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順にユーザUをソートした第1優先リストを設定することができる。また、現在が第2期間P2に属する場合には、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順にユーザUをソートした第2優先リストを設定することができる。
【0035】
図4Bは、地図情報送信システム10が実行する地図情報送信処理のフローチャートである。地図情報送信処理は所定の時間周期で実行されるループ処理であり、優先リスト設定処理(図4A)と並行して実行される。まず、送信制御部120の機能により制御部11は、ナビゲーション装置20から送信要求を受信したか否かを判定する(S200)。ナビゲーション装置20から送信要求を受信したと判定されなかった場合(S200:N)、送信制御部120の機能により制御部11は、ステップS100に戻る。すなわち、ステップS200〜S210において送信制御部120の機能により制御部11は、ナビゲーション装置20からの送信要求が受信されるまで待機する。
【0036】
一方、ナビゲーション装置20から送信要求を受信したと判定された場合(S200:Y)、送信制御部120の機能により制御部11は、地図情報送信システム10の処理負荷が所定値以上であるか否かを判定する(S205)。本実施形態において、地図情報送信システム10の処理負荷は、制御部11のCPUの使用率であるとする。地図情報送信システム10の処理負荷は、制御部11のRAMの使用率であってもよいし、通信部13の通信量であってもよい。地図情報送信システム10の処理負荷が所定値以上であると判定されなかった場合(S205:N)、送信制御部120の機能により制御部11は、バージョンアップ時刻から所定期間が経過したか否かを判定する(S210)。
【0037】
バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定されなかった場合(S210:N)、送信制御部120の機能により制御部11は、自宅周辺範囲についての送信データを作成する(S215)。すなわち、送信制御部120の機能により制御部11は、第1期間P1において、送信要求を行ったナビゲーション装置20を使用するユーザUについて自宅周辺範囲を特定する。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、当該ユーザUについての自宅周辺範囲に属する区画のそれぞれについて当該ユーザUが使用するナビゲーション装置20に送信済みの地図情報のバージョン番号を、管理DB12bを参照して特定する。さらに、送信制御部120の機能により制御部11は、当該ユーザUについての自宅周辺範囲に属する区画のそれぞれについて最新の地図情報のバージョン番号を、地図DB12aを参照して特定する。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、当該ユーザUが使用するナビゲーション装置20に送信済みの地図情報のバージョン番号が、最新の地図情報のバージョン番号よりも小さい未送信区画を特定し、当該未送信区画のそれぞれに対応付けられた地図情報を地図DB12aから取得して、自宅周辺範囲についての送信データとする。
【0038】
バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定された場合(S210:Y)、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域についての送信データを作成する(S220)。すなわち、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域に属する区画のそれぞれについて、送信要求を行ったナビゲーション装置20に送信済みの地図情報のバージョン番号を、管理DB12bを参照して特定する。さらに、送信制御部120の機能により制御部11は、日本全域に属する区画のそれぞれについて最新の地図情報のバージョン番号を、地図DB12aを参照して特定する。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20に送信済みの地図情報のバージョン番号が、最新の地図情報のバージョン番号よりも小さい未送信区画を特定し、当該未送信区画のそれぞれに対応付けられた地図情報を地図DB12aから取得して、日本全域についての送信データとする。
【0039】
以上のようにして、自宅周辺範囲についての送信データ(S215)、または、日本全域についての送信データ(S220)を作成すると、送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20に対して、作成した送信データを通信部13に送信させる(S225)。次に、送信制御部120の機能により制御部11は、管理DB12bを更新する。すなわち、送信制御部120の機能により制御部11は、管理DB12bにおいて、送信データに含まれる地図情報に対応する未送信区画ごとに、送信要求を行ったナビゲーション装置20を使用するユーザUについて記録されたバージョン番号を、送信データに含まれる地図情報のバージョン番号で更新する。以上の説明したステップS200〜S230を実行することにより、地図情報送信システム10の処理負荷が所定値以上でない限りにおいて、ナビゲーション装置20に対して送信要求の先着順に未送信の地図情報を送信させることができる。
【0040】
一方、地図情報送信システム10の処理負荷が所定値以上であると判定された場合(S205:Y)、送信制御部120の機能により制御部11は、バージョンアップ時刻から所定期間が経過したか否かを判定する(S235)。バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定されなかった場合(S235:N)、送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20を使用するユーザUの優先順位を第1優先リスト(図3B)から取得する(S240)。すなわち、第1期間P1において送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20が、自宅周辺範囲について未送信の地図情報のデータ量の小さい順に数えて何番目のユーザUが使用するナビゲーション装置20であるかを特定する。
【0041】
一方、バージョンアップ時刻から所定期間が経過したと判定された場合(S235:N)、送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20を使用するユーザUの優先順位を第2優先リスト(図3C)から取得する(S245)。すなわち、第2期間P2において送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求を行ったナビゲーション装置20が、日本全域について未送信の地図情報のデータ量の大きい順に数えて何番目のユーザUが使用するナビゲーション装置20であるかを特定する。
【0042】
以上のようにして送信要求を行ったナビゲーション装置20について第1優先リストまたは第2優先リストから優先順位を取得すると、送信制御部120の機能により制御部11は、当該優先順位に基づいて待機期間を特定する(S250)。具体的に送信制御部120の機能により制御部11は、所定のマップまたは変換関数に基づいて、優先順位が上位であるほど短い待機期間を特定する。すなわち、優先順位に対して単調増加となる待機期間を特定する。待機期間を特定すると、送信制御部120の機能により制御部11は、待機期間を指定した待機要求を、送信要求を行ったナビゲーション装置20に対して送信する。待機要求を受信したナビゲーション装置20は、待機要求にて指定された待機期間だけ待機した後に、再度、送信要求を地図情報送信システム10に送信する。
【0043】
以上説明した処理において、地図情報送信システム10の処理負荷が所定値以上である場合には、ナビゲーション装置20から送信要求を受信した場合でも、地図情報を送信させないため、地図情報送信システム10の処理負荷が過大となることが防止できる。また、第1優先リストまたは第2優先リストに規定された優先順位が上位のユーザUが使用するナビゲーション装置20であるほど短い待機期間だけ待機した後に、再度、送信要求を地図情報送信システム10に送信することができる。これにより、第1優先リストまたは第2優先リストに規定された優先順位が上位のユーザUが使用するナビゲーション装置20であるほど、早期に地図情報を送信させることができる。すなわち、第1優先リストまたは第2優先リストに規定された優先順位が上位のユーザUが使用するナビゲーション装置20であるほど、優先して地図情報を送信させることができる。
【0044】
(3)他の実施形態:
前記実施形態においては、第1期間P1と第2期間P2とに応じて、地図情報を送信させる対象の範囲を自宅周辺範囲と日本全域とに切り替えたが、地図情報を送信させる対象の範囲を期間以外の要素に基づいて切り替えてもよい。例えば、地図情報を送信要求する範囲が自宅周辺範囲と日本全域とのいずれのであるかをナビゲーション装置20にて指定できるようにしてもよい。そして、送信制御部120の機能により制御部11は、送信要求にて指定された自宅周辺範囲または日本全域についての地図情報を送信させてもよい。ナビゲーション装置20において、送信要求のトリガーとなる動作は、ACCがオンとなることに限られず、ユーザから送信要求の指示を受け付けることであってもよい。また、送信先はパーソナルコンピュータやPDAやスマートフォンや携帯電話等であってもよく、これらにおけるナビゲーションプログラムの起動等の動作をトリガーとして送信要求が行われてもよい。
【0045】
ナビゲーション装置20の基本所在位置は、ナビゲーション装置20を使用するユーザの勤務地等の位置であってもよい。また、ナビゲーション装置20の基本所在位置は、送信先が現実に所在している位置であってもよく、GPS受信器等の位置計測装置にて計測されたナビゲーション装置20の位置であってもよい。第2範囲は第1範囲よりも広域であればよく、例えば第1範囲がナビゲーション装置20の基本所在位置を含む都道府県であり、第1範囲が当該都道府県を含む地方であってもよい。また、第1期間P1と第2期間P2とにおいて自宅周辺範囲と日本全域とについての地図情報以外に、他の地図情報も合わせて送信させてもよい。例えば、地図情報送信システム10は、第1期間P1と第2期間P2とにおいてそれぞれ自宅周辺範囲と日本全域についてすべての道路についての地図情報を送信させるとともに、第1期間P1と第2期間P2との双方において日本全域について高速道路等の主要道路についてのみの情報を含む地図情報を合わせて送信させてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…地図情報送信システム、11…制御部、12…記録媒体、13…通信部、20…ナビゲーション装置、21a…記録媒体、21a…地図データ、100…地図情報送信プログラム、110…データ量特定部、120…送信制御部、12a…地図DB、12b…管理DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信先からの送信要求に応じて当該送信先に送信するための地図情報を記録する地図データベースと、
前記送信先の基本所在位置の周辺の第1範囲と、当該第1範囲より広域の第2範囲とのそれぞれについて、未送信の前記地図情報のデータ量を複数の前記送信先ごとに特定するデータ量特定手段と、
前記第1範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第1範囲について未送信の前記地図情報のデータ量の小さい順に優先された前記送信先に対して前記第1範囲について未送信の前記地図情報を送信させ、
前記第2範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第2範囲についての未送信の前記地図情報のデータ量の大きい順に優先された前記送信先に対して前記第2範囲について未送信の前記地図情報を送信させる送信制御手段と、
を備える地図情報送信システム。
【請求項2】
前記送信制御手段は、
前記地図データベースにおいて前記地図情報がバージョンアップされた以降の第1期間において、前記第1範囲について前記地図情報を送信させ、
前記地図データベースにおいて前記地図情報がバージョンアップされる前の第2期間において、前記第1範囲を含む前記第2範囲について前記地図情報を送信させる、
請求項1に記載の地図情報送信システム。
【請求項3】
地図データベースに記録された地図情報を、送信先からの送信要求に応じて当該送信先に送信させる地図情報送信方法であって、
前記送信先の基本所在位置の周辺の第1範囲と、当該第1範囲より広域の第2範囲とのそれぞれについて、未送信の前記地図情報のデータ量を複数の前記送信先ごとに特定するデータ量特定工程と、
前記第1範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第1範囲について未送信の前記地図情報のデータ量の小さい順に優先された前記送信先に対して前記第1範囲について未送信の前記地図情報を送信させ、
前記第2範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第2範囲についての未送信の前記地図情報のデータ量の大きい順に優先された前記送信先に対して前記第2範囲について未送信の前記地図情報を送信させる送信制御工程と、
を含む地図情報送信方法。
【請求項4】
地図データベースに記録された地図情報を、送信先からの送信要求に応じて当該送信先に送信させる機能をコンピュータに実行させる地図情報送信プログラムであって、
前記送信先の基本所在位置の周辺の第1範囲と、当該第1範囲より広域の第2範囲とのそれぞれについて、未送信の前記地図情報のデータ量を複数の前記送信先ごとに特定するデータ量特定機能と、
前記第1範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第1範囲について未送信の前記地図情報のデータ量の小さい順に優先された前記送信先に対して前記第1範囲について未送信の前記地図情報を送信させ、
前記第2範囲についての前記地図情報を送信させる場合に、前記送信要求を行った複数の前記送信先のうち、前記第2範囲についての未送信の前記地図情報のデータ量の大きい順に優先された前記送信先に対して前記第2範囲について未送信の前記地図情報を送信させる送信制御機能と、
をコンピュータに実行させる地図情報送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−108785(P2013−108785A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252523(P2011−252523)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】