説明

地図表示装置

【課題】装置が有する地図の区画ごとの古さの段階をユーザに知らしめる地図表示装置を提供すること。
【解決手段】サーバ装置11から地図データ管理情報を受信し、地図データ管理情報記憶手段3に記憶された地図データ管理情報と比較して、地図データ記憶手段2に記憶された地図データの古さの段階を所定の地図区画単位ごとに算出する更新情報比較手段6と、更新情報比較手段6の算出結果と地図データ記憶手段2に記憶された地図データとをもとに地図データの古さの段階が所定の地図区画単位毎に分かるような地図表示を行う表示手段7とを備えたことにより、装置が保有する地図の古さの段階を区画毎にユーザに知らしめることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置から地図を取得して表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図表示装置は、装置内に記憶されている地図データの作成時期とサーバ装置に記憶されている地図データの作成時期とを所定の区画ごとに比較して、サーバ装置に記憶されている地図データの作成時期よりも、装置に記憶されている地図データの作成時期が古い区画の地図の表示態様を他の部分と異ならせて表示装置に地図を表示することにより、ユーザが所有している地図データが、サーバ装置の保有する地図データよりも古いか否かを識別できるようにしたものである。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、装置の記憶手段に記憶されている地図データの作成時期を特定して、その作成時期から現在までの期間を地図データの使用期間として算出し、地図の表示状態を使用期間に応じて変化させることにより、地図データが古くなったことを効果的に感じさせるものもある。(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−130650号公報
【特許文献2】特開2001−141473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、更新が必要な区画のみを区画単位で更新してきた場合に、種々のバージョンの区画が存在する場合に、古さの段階をユーザに知らしめることはできない。つまり、古いか新しいかの情報、あるいは最終更新からの経過期間の情報のみでは、ユーザが地図を更新しようとする際の情報としては不十分であるという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、装置が保有する地図の最終更新時のバージョンからサーバ装置が保有する最新のバージョンの間にどれくらいのバージョンが存在するのか、つまりサーバ装置側の地図の更新履歴に対する装置側の地図更新の対応状況が分るように、装置が有する地図の区画ごとの古さの段階をユーザに知らしめる地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために本発明の地図表示装置は、特にサーバ装置から地図データ管理情報を受信し、地図データ管理情報記憶手段に記憶された地図データ管理情報と比較して地図データ記憶手段に記憶された地図データの古さの段階を所定の地図区画単位ごとに算出する更新情報比較手段と、更新情報比較手段の算出結果と地図データ記憶手段に記憶された地図データとをもとに地図データの古さの段階が所定の地図区画単位毎に分かるような地図表示を行う表示手段とを備えた。
【0007】
この構成により、装置が保有する地図の古さの段階を区画毎にユーザに知らしめることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の地図表示装置によれば、サーバ装置側の地図の更新履歴に対する装置側の地図更新の対応状況が分るように地図の区画ごとに古さの段階をユーザに知らしめることができるので、ユーザが地図を更新しようとする際の有用な情報をユーザに提供する事ができるという効果を有する地図表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明においては、地図データの少なくとも作成時期に関する更新情報を含む地図データ管理情報を所定の地図区画単位毎に送信可能なサーバ装置とともに、地図配信システムを構成する地図表示装置であって、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、前記地図データ記憶手段に記憶された地図データの地図データ管理情報を前記所定の地図区画単位毎に記憶する地図データ管理情報記憶手段と、現在表示されている地図データの古さの段階を表示するか否かやその表示内容などを入力する操作手段と、前記操作手段により地図データの古さの段階を表示する旨入力された場合に前記サーバ装置に対して地図データ管理情報の要求信号を送信し前記サーバ装置から地図データ管理情報を受信する通信手段と、前記操作手段により地図データの古さの段階を表示する旨入力された場合に前記通信手段で受信した地図データ管理情報と前記地図データ管理情報記憶手段に記憶された地図データ管理情報とを比較して前記地図データ記憶手段に記憶された地図データの古さの段階を前記所定の地図区画単位毎に算出する更新情報比較手段と、前記更新情報比較手段の算出結果と前記地図データ記憶手段に記憶された地図データとをもとに地図データの古さの段階が前記所定の地図区画単位毎に分るような地図表示を行う表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、装置が保有する地図の古さの段階を区画毎にユーザに知らしめることができる。
【0011】
また、前記表示手段は、更新番号や更新時期などの文字情報によって地図データの古さの段階を表示させることを特徴とする。
【0012】
これにより、装置が保有する地図の古さの段階を区画毎にユーザに知らしめることができる。
【0013】
また、前記表示手段は、色や明るさなどのイメージ情報によって地図データの古さの段階を表示させることを特徴とする。
【0014】
これにより、装置が保有する地図の古さの段階を区画毎にユーザに知らしめることができる。
【0015】
また、前記サーバ装置は地図データの送信も可能であって、前記操作手段は前記サーバ装置から地図データを入手して更新する指示を入力することが可能で、前記通信手段は前記操作手段により地図データの更新指示が入力された場合、前記サーバ装置に対して地図データおよび地図データ管理情報の要求信号を送信し前記サーバ装置から地図データや地図データ管理情報を受信し、前記地図データ記憶手段は前記通信手段で受信した地図データを記憶し、前記地図データ管理情報記憶手段は前記通信手段で地図データを受信した際に前記通信手段で受信した地図データ管理情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
これにより、ユーザの希望に応じて地図データをサーバ装置から入手し更新することができる。
【0017】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における地図表示装置を図1および図2に示す。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステムの概略機能ブロック図である。本発明の実施の形態1における地図表示装置は、図1に示すように、地図表示装置1とサーバ装置11で構成される地図配信システムにおいて、サーバ装置11の最新地図の更新段階と地図表示装置1の地図の更新段階とを比較してその結果をユーザに提供するものである。地図表示装置1は、地図データを記憶した地図データ記憶手段2と、地図の区画コードや更新時期、バージョンなどの更新情報を含む地図データ管理情報を記憶する地図データ管理情報記憶手段3と、現在表示されている地図データの古さの段階を表示するか否かやその表示をどのように表示するかや、あるいは地図データを更新するか否かなどを入力するための操作手段4と、サーバ装置11に対して要求信号の送信や地図データ管理情報および地図データの受信を行う通信手段5と、サーバ装置11から取得した地図データ管理情報と地図データ管理情報記憶手段3に記憶された地図データ管理情報とを区画ごとに比較して、地図表示装置1が保有する地図データがサーバ装置11で保有される地図データに比べてどの程度の古さの段階にあるかを判断する更新情報比較手段6と、更新情報比較手段6の結果に基づいて所定の区画ごとに更新状況が分るよう文字や、画面の明度や色調が異なる様態で、地図と重ねて表示させる表示手段7とから構成される。
【0020】
また、サーバ装置11は、地図データ記憶手段12と、地図データ管理情報記憶手段13と、地図表示装置11から送信されてきた要求信号に応じて、地図データや地図データ管理情報を地図データ記憶手段12や地図データ管理情報記憶手段13より読み出して送信する通信手段14から構成される。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態1における地図表示装置1のハードウェア構成図である。
【0022】
図2において、本発明の実施の形態1における地図表示装置1は、CDやDVD等の地図データ記憶媒体21と、地図データ記憶媒体21からデータを読み込むためのデータ読取装置22と、操作者が指示を入力するために操作するキーボード、リモコン等の操作部23と、外部との情報の送受信を行う通信部24と、地図や文字情報を表示するデスプレイ25と、指示や案内などを音声で出力するスピーカ26と、CPUやRAM、ROM等で構成され、経路誘導動作に必要な演算・制御等の装置全体の制御を行う処理制御部20とで構成される。
【0023】
ここで、図1の機能手段と図2のハードウェアとの対応関係について説明する。地図データ記憶手段2はCDやDVDなどの地図データ記憶媒体21で実現されるが、装置内部にHDD等の記憶手段を備え、その中に記憶させる構成であっても良い。地図データ記憶手段2の地図データは、図1には記載していないが、CDやDVDドライブなどのデータ読取装置22によって読み出され各部に出力される。表示や通信などの指示を行う操作手段4は操作部23で実現され、操作部23は操作者が機械的なボタンを押すことで信号が入力される。通信手段5は携帯電話などの送受信機やモデムなどで構成される通信部24で実現される。更新情報比較手段6は、処理制御部20によって実現され、処理制御部20内のCPUがROM等(もしくは地図記憶媒体に地図と同じく記憶された各種プログラムをローディングしたRAM等)に記憶された各種制御プログラムを実行することによって実現される。また、地図データ管理情報記憶手段3は処理制御部20内のRAMや地図データ記憶媒体21で実現される。地図データ管理情報記憶手段3の記憶する地図データ管理情報は装置の電源を落としてもデータが消去されないSRAM等バックアップされるメモリに記憶するのが好ましい。
【0024】
表示手段7は、処理制御部20内で画像データを映像信号に変換する描画処理を行い、描画処理後の映像信号をディスプレイ25に表示する。また音声出力手段は図1では省略しているが、処理制御部20内でアナログ変換したり増幅したりされた音声信号がスピーカ26から音声で出力される。
【0025】
以上のように構成された地図表示装置1において、以下にその動作を説明する。
【0026】
図3は本発明の実施の形態1における地図表示装置1の地図の古さの段階を表示する処理のフローチャートである。
【0027】
図3において、まず、操作手段4から地図の古さの段階を表示するようユーザの指示がなされている場合は、通信手段5のレジスタのフラグに例えば1がセットされ、現在表示されている地図の区画情報がフラグと関連付けて記憶されている。地図の古さの段階を表示する動作のフローは、まず、ST301で通信手段5が地図の古さの段階を表示する指示があるか否かをチェックする。地図の古さの段階を表示しないよう指示されている場合(ST301のNO)は、何もせずに終了し、通常の地図表示動作が実行される。
【0028】
地図の古さの段階を表示するよう指示されている場合(ST301のYES)は、通信手段5はサーバ装置11が保有する更新情報を取得するために、現在表示されている地図の区画情報を含む要求信号を生成し(ST302)、サーバ装置11に接続して生成した要求信号を送信する(ST303)。地図データ管理情報の要求信号生成処理の動作説明は後述する。
【0029】
次に、サーバ装置11側では、通信手段14は地図表示装置1から送られてきた地図データ管理情報要求信号を受信すると(ST304)、地図データ管理情報記憶手段13から要求された地図区画における地図データ管理情報を読み出して(ST305)、地図区画情報と併せて所定のフォーマットにして応答信号を生成し(ST306)、通信手段14を通して地図表示装置1へ送信する(ST307)。
【0030】
次に地図表示装置1側では、通信手段5を通してサーバ装置11からの応答信号を受信すると(ST308)、応答信号に含まれる複数の地図データ管理情報を抽出し、所定のレジスタに所定のフォーマットで記憶する(ST309)。実際の地図データ管理情報は、例えば地図区画コード、及びバージョン識別コードや更新年月日などで構成されるバージョンコードなどである。
【0031】
次に、更新情報比較手段6は、地図表示装置1が保有する地図の地図データ管理情報記憶手段3及びサーバ装置11から取得して一時保管されている地図データ管理情報を読出して地図の古さの段階の表示処理を行う(ST310)。表示処理の詳細は後述する。
【0032】
次に図4を用いて、地図データ管理情報要求信号の生成処理動作を説明する。
【0033】
図4において、まず、通信手段5は現在表示中の地図の区画情報を地図データ管理情報記憶手段3から抽出する(ST401)。
【0034】
次に、ST401で抽出した区画情報として、区画数および区画コードを所定のレジスタに設定する(ST402)。例えば、表示している地図が4個の地図区画にまたがっている場合は区画数4と、それぞれの区画について地図データ記憶手段2から読み取った各区画コードを設定する。
【0035】
次に、ユーザがサーバ装置11より取得するバージョンの個数を指定したかを確認する(ST403)。個数の指定がされた場合は指定個数を所定のレジスタに設定し(ST404)、指定がない場合は、予め決められた個数を設定する(ST405)。最後にレジスタに記憶された各情報を読み出して要求信号テーブルを作成して地図データ管理情報要求信号生成処理を終了する(ST406)。
【0036】
図5及び図6に要求信号テーブルの例を示す。
【0037】
図5は区画コードA9の地図区画についてバージョン情報を最新版から3版取得する要求を示しており、図6は区画コードA9、B1、BA、C8の4種類の地図区画について、おのおの最新版から4版のバージョン情報を取得する要求を示すものである。
【0038】
また、図7および図8は要求信号に基づいてサーバ装置11が返信し地図表示装置1で受信した応答信号のデータ構成の例を示すものである。図7は図5に示した要求に対してバージョンコード1〜3が応答データとして応答信号に載せて返信されてくることを示している。バージョンコードの内容は、例えば、バージョン識別番号、西暦、月、日が順番に並んだものである。
【0039】
図8は図6に示した要求に対して、区画コードA9、B1、BA、C8という4種類の地図区画について4個のバージョンコード1〜4が応答データとして応答信号に載せて返信されてくることを示している。バージョンコードの内容は、図7の説明と同様である。
【0040】
次に図9を用いて図3のST310の地図の古さの段階の表示処理を詳しく説明する。
【0041】
図9は本発明の実施の形態1における地図の古さの段階の表示処理動作のフローチャートである。図9は地図表示装置1が保有する地図のバージョン番号とサーバ装置11が保有するバージョン番号とをアイコン表示する動作のフローを示す。
【0042】
図9において、先ず、更新情報比較手段6は地図区画毎の処理を実行するために、区画を特定するレジスタYに1をセットして初期化する(ST901)。このレジスタはユーザがサーバ装置11に地図データ管理情報の取得を要求した時の地図区画の個数をカウントするためのレジスタである。次にサーバ装置11から取得して一時記憶した地図データ管理情報の1番目の区画番コードK1を抽出し(ST902)、続いて区画K1の最新のバージョンコードVC1を抽出する(ST903)。図7ではK1は「A9」であり、VC1は「0520040801」である。「05」はバージョン番号、「2004」は西暦、「04」は月、「01」は日である。
【0043】
次に、ユーザが指定した表示方法を選択し、バージョン番号を表示する場合は(ST904のYES)、VC1のデータからバージョン番号Mを抽出する(ST905)。これは例えば図7の4行目の「05」に相当する。
【0044】
続いて、地図表示装置1の保有する地図の区画KYのバージョン番号nを抽出する。例えば、地図表示装置1の保有する地図の区画KYのバージョンが図7の最下行に示すバージョンコード(VC3)と同じバージョンであれば、バージョン番号は「03」となる。(ST906)
続いて、表示制御手段8は、前述したバージョン番号「05」「03」にバージョンであることを示す文字「V」を付けて、表示データV05、V03を生成し(ST907)、これらを所定のフォームでアイコン化する(ST908)。
【0045】
次にレジスタYに1を加算してYが要求した区画数以下であれば、ST902に戻って2番目の区画コードK2を抽出しST908まで実行して、区画K2における表示アイコンを生成する。以下、要求区画数だけ繰り返しST910でYが区画数を超えたら、生成したアイコンを地図画面に重ねて表示させるよう制御する(ST911)。
【0046】
一方、ST904でバージョン番号ではなく、更新時期を表示するようユーザが指定した場合(ST904のNO)は、VC1から更新時期データDを抽出する(ST912)。これは例えば図7の4行目の「20040801」に相当する。続いて地図表示装置1の保有する地図の区画KYの時期データdを抽出し(ST913)、表示するフォームの表示データを生成する。例えばDyを西暦年度、Dmを月とし、「Dy/Dm」というフォームで表示する場合は、更新時期データDの中から上位4桁をDyとし、(Dy=2004)続く2桁をDmとして(Dm=08)斜線を間に挿入して「2004/08」のように更新年月と分る表示フォームを生成し(ST914)、ST908でアイコン化する。ST913で抽出した地図表示装置1の地図の表示データも同様にして、「dy/dm」=「2002/04」となる。
【0047】
図10は図9における表示処理に基づく表示の例を説明する図である。図10は現在表示されている地図のバージョン番号とサーバ装置11が有する同じ区画の地図のバージョン番号とを表示手段7によりアイコンを用いて示した例である。地図表示装置1が保有する地図を用いて表示中の区画の地図のバージョン番号が03で、サーバ装置11から提供される最新バージョン番号が05の場合を示しており、最新のバージョンV05と、地図表示装置1のバージョンV03の間にV04が存在し、古さの段階としては2段階前の地図であることを示している。
【0048】
この例では区画コードは省略してあるが、表示するようにしても良いことは言うまでもない。
【0049】
また、更新を促す意味で、V05という表示文字を点滅したり、V−UP!のような警告文字を点滅表示したりすると、ユーザにとって分りやすい表示となる。
【0050】
図9では、サーバ装置11から取得したデータの最新バージョンのデータのみを表示に用いる処理を説明したが、ST905の変わりに、例えば図8におけるバージョンコード1〜4全てを抽出し、ST906ではバージョンコード1〜4の中の、地図表示装置1が保有する地図と同じバージョンのデータにフラグをセットするなどして、地図の古さの段階を表示する場合に地図表示装置1が保有する地図のバーションと同じバーションの位置にマークするようにしてもよい。そのようにして生成した地図の古さの段階の表示例を図11を用いて説明する。図11は現在表示されている地図のバージョンとサーバ装置11が有する同じ区画の地図のバージョンの更新履歴(最新の4段階のみ)とを表示した例である。ここではバージョン番号の代わりに更新年月を表示した例とした。地図表示装置1の地図の更新時期が「2002/04」であるのに対し、サーバ装置11から提供される最新のバージョンの更新時期は「2004/08」であり、地図表示装置1の地図は2段階前の地図であることが分ると共に、最新のバージョンに更新されてからどれくらい経っているかが分る。また、過去から最新バージョンに至る更新間隔も分るので、更新のタイミングを図る手助けとなる。
【0051】
図10および図11の例では地図の古さの段階の表示例としてバージョン番号または更新時期のいずれかを表示しているが、表示方法を入れ替えてもよいし、バージョン番号と更新時期の両方を表示しても良い。更新時期は年月のみ表示したが、日にちまで表示させても良い。
【0052】
図12は本発明の実施の形態1における地図表示装置1の地図を更新する処理のフローチャートである。
【0053】
図12において、まず、操作手段4から地図を更新するようユーザの指示がなされている場合は、通信手段5のレジスタのフラグに例えば1がセットされ、現在表示されている地図の区画情報がフラグと関連付けて記憶されている。地図を更新する動作のフローは、まず、ST1201で通信手段5が地図を更新する指示があるか否かをチェックする。地図を更新しないよう指示されている場合(ST1201のNO)は、何もせずに終了する。
【0054】
地図を更新するよう指示されている場合(ST1201のYES)は、通信手段5はサーバ装置11が保有する地図データおよび地図データ管理情報を取得するために、現在表示されている地図の区画情報を含む要求信号を生成し(ST1202)、サーバ装置11に接続して生成した要求信号を送信する(ST1203)。
【0055】
次に、サーバ装置11側では、通信手段14は地図表示装置1から送られてきた地図データ要求信号および地図データ管理情報要求信号を受信すると(ST1204)、地図データ記憶手段12から要求された地図区画における地図データを、地図データ管理情報記憶手段13から要求された地図区画における地図データ管理情報を読み出して(ST1205)、地図データ管理情報については地図区画情報と併せて所定のフォーマットにして応答信号を生成し(ST1206)、通信手段14を通して地図データと応答信号とを地図表示装置1へ送信する(ST1207)。
【0056】
次に地図表示装置1側では、通信手段5を通してサーバ装置11から地図データおよび応答信号を受信すると(ST1208)、地図データ記憶手段2に受信した地図データを記憶し(ST1209)、地図データ管理情報記憶部3に受信した応答信号に含まれる複数の地図データ管理情報を抽出して記憶する(ST1210)。
【0057】
以上のように本実施の形態によれば、地図表示装置が保有する区画毎の地図のバージョン番号や更新時期を、サーバ装置が提供する地図のバージョン番号や更新時期と共に文字情報によって表示させ、古さの段階を認識させることにより、地図を更新しようとする際の有用な情報をユーザに提供することができ、また、地図の古さの段階を見たユーザーは、希望に応じて地図データの更新をすることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について説明する。
【0058】
図13は、本発明の実施の形態2におけるシステムの概略機能ブロック図である。実施の形態1におけるシステム構成との違いは、表示手段8の機能の差のみであり、ハードウェア構成は同じであるためハードウェア構成図は省略する。
【0059】
実施の形態1においては、表示手段7は地図表示装置1が保有する地図の古さの段階を文字表示によってユーザに提供するように制御したのに対し、実施の形態2においては、表示手段8は地図の色や明るさなどのイメージで地図の古さの段階をユーザに提供するように制御するものである。
【0060】
本実施の形態の地図表示装置1は、実施の形態1と同様に現在表示中の地図区画について、ユーザにより地図の古さの段階の表示指示があった時に、最新のバージョン情報を含む地図データ管理情報をサーバ装置11から取得し、地図表示装置1が保有する地図のバージョンの古さの段階がサーバ装置11の地図更新履歴上のどの段階にあるかを、色や明るさなどのイメージによってユーザに知らしめるものである。
【0061】
以上のように構成された地図表示装置1において、以下にその動作を説明する。
【0062】
図14は本発明の実施の形態2における地図表示装置1の地図の古さの段階の表示処理のフローチャートである。
【0063】
図14において、先ず、ST901と同様に、更新情報比較手段6は地図区画毎の処理を実行するために、区画を特定するレジスタYに1をセットして初期化する(ST1401)。続いて、ユーザがサーバ装置11に地図データ管理情報の取得を要求した時の取得バージョンの個数をカウントするためのレジスタXに1を設定して初期化する(ST1402)。
【0064】
次にサーバ装置11から取得して一時記憶した地図データ管理情報の1番目の区画番コードK1を抽出し(ST1403)、続いて区画K1の最新のバージョンコードVC1を抽出し(ST1404)、さらに、VC1のデータからバージョン番号Mを抽出する(ST1405)。
【0065】
次に、地図表示装置1の保有する地図の区画KYのバージョン番号nを抽出し(ST1406)、Mからnを減算することによって、最新のバージョンに対する地図表示装置1の保有する地図のバージョンの古さの段階を算出し(ST1407)、その結果を明度レベルとして区画コードKYに関連付けて所定のレジスタZに記憶する(ST1408)。
【0066】
次に、表示手段8はバージョンコードVC1のデータから更新時期データDを抽出し(ST1409)、ST914と同様に表示データを生成し(ST1410)、バージョン個数レジスタXに1を加算して(ST1411)Xがユーザが要求したバージョン個数に達したかチェックして(ST1412)、超えてなければST1409に戻って表示データ生成を繰り返す。
【0067】
Xが要求バージョン個数を超えた場合は(ST1412のYES)、表示手段8は区画K1の地図の古さの段階として表示するアイコンを生成する(ST1413)。続いて区画数レジスタYに1を加算し(ST1414)、区画数Yと要求した区画数を比較する(ST1415)。
【0068】
区画数Yが要求した区画個数以下の場合はST1403に戻って2番目の区画K2についてST1403からST1415の処理を繰り返す。
【0069】
区画数Yが要求した区画個数を超えた場合は、表示手段8はST1416で区画毎に生成した表示アイコンを地図画面に重ねて表示させると共に、各区画の表示領域の地図をそれぞれ対応する明度レベルZに応じた明るさで表示させる。
【0070】
図14では、古さの段階を明度レベルとして、明るさに差を持たせた表示を行う処理を説明したが、古さの段階を地図のベースカラーなどの色調に対応させても良い。
【0071】
図15は各区画の地図の古さの段階を地図のベースカラーの明るさを変えて表示した例である。明るさの違いを示すために図では各区画のベースを斜線や斑点を施してパターンの違いで表している。古さの判別を補うために地図のバージョン(更新時期)を西暦年号と月で画面に表示した例として示した。なお、表示例は、ユーザによる地図の古さの段階の表示指示に基づいて、現在表示されている領域を構成する区画毎に地図の古さの段階を表示している状態であり、ユーザの指示で地図の古さの段階の表示モードから通常の表示モードへ簡単に切り換えられるようにできることは言うまでもない。また、瞬時に地図の古さの段階の表示モードから通常の表示モードへ簡単に切り換えることができることから、地図の古さの段階の表示モードでは地図は表示せず、単にパターンのみの表示で古さの段階を確認させるようにすることもできる。
【0072】
図16は各区画の地図の古さを地図のベースカラー又は明度を変えて表示した別の例である。表示画面には16個の区画の地図が表示されており、例えばC−1、D−1、D−2は2000/04に更新された地図であり、A−1、B−1は2001/04に更新された地図であり、A−4、B−4は2002/04に更新された地図であり、C−4、D−3、D−4は2003/05に更新された地図である。A−2、A−3、B−2、B−3、C−2、C−3は2004/08に更新された最新の地図である。各区画の地図の古さの段階が分りやすいように、画面左下部分に、西暦年号と月で表した地図のバージョン情報を、ベースカラー又は明度と対比させて表示させた例として示した。
【0073】
以上のように本実施の形態によれば、地図表示色や明るさなどのイメージによって各区画の地図の古さの段階を表示させることにより、地図表示装置が保有する地図の古さの段階をユーザに知らしめることができるので、地図を更新しようとする際の有用な情報をユーザに提供することができるという効果を有する地図表示装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明に係る地図表示装置は、サーバ装置側の地図の更新履歴に対する地図表示装置側の地図更新の対応状況が分るように地図の区画ごとに古さの段階をユーザに知らしめることができ、ユーザが地図を更新しようとする際の有用な情報をユーザに提供することができるという効果を有し、サーバ装置から地図を取得して表示する地図表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1における地図表示装置を含むシステムの機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における地図表示装置のハードウェア構成図
【図3】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図の古さの段階を表示する処理のフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図データ管理情報要求信号の生成処理のフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図データ管理情報要求信号の構成例を示す説明図
【図6】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図データ管理情報要求信号の構成例を示す説明図
【図7】本発明の実施の形態1における地図表示装置の受信した応答信号のデータ構成例を示す説明図
【図8】本発明の実施の形態1における地図表示装置の受信した応答信号のデータ構成例を示す説明図
【図9】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図の古さの段階を表示する処理のフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図の古さの段階の表示例を示す説明図
【図11】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図の古さの段階の表示例を示す説明図
【図12】本発明の実施の形態1における地図表示装置の地図を更新する処理のフローチャート
【図13】本発明の実施の形態2における地図表示装置を含むシステムの機能ブロック図
【図14】本発明の実施の形態2における地図表示装置の地図の古さの段階を表示する処理のフローチャート
【図15】本発明の実施の形態2における地図表示装置の地図の古さの段階の表示例を示す説明図
【図16】本発明の実施の形態2における地図表示装置の地図の古さの段階の表示例を示す説明図
【符号の説明】
【0076】
1 地図表示装置
2 地図データ記憶手段
3 地図データ管理情報記憶手段
4 操作手段
5 通信手段
6 更新情報比較手段
7 表示手段
8 表示手段
11 サーバ装置
12 地図データ記憶手段
13 地図データ管理情報記憶手段
14 通信手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データの少なくとも作成時期に関する更新情報を含む地図データ管理情報を所定の地図区画単位毎に送信可能なサーバ装置とともに、地図配信システムを構成する地図表示装置であって、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、前記地図データ記憶手段に記憶された地図データの地図データ管理情報を前記所定の地図区画単位毎に記憶する地図データ管理情報記憶手段と、現在表示されている地図データの古さの段階を表示するか否かやその表示内容などを入力する操作手段と、前記操作手段により地図データの古さの段階を表示する旨入力された場合に前記サーバ装置に対して地図データ管理情報の要求信号を送信し前記サーバ装置から地図データ管理情報を受信する通信手段と、前記操作手段により地図データの古さの段階を表示する旨入力された場合に前記通信手段で受信した地図データ管理情報と前記地図データ管理情報記憶手段に記憶された地図データ管理情報とを比較して前記地図データ記憶手段に記憶された地図データの古さの段階を前記所定の地図区画単位毎に算出する更新情報比較手段と、前記更新情報比較手段の算出結果と前記地図データ記憶手段に記憶された地図データとをもとに地図データの古さの段階が前記所定の地図区画単位毎に分るような地図表示を行う表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、更新番号や更新時期などの文字情報によって地図データの古さの段階を表示させることを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、色や明るさなどのイメージ情報によって地図データの古さの段階を表示させることを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記サーバ装置は地図データの送信も可能であって、前記操作手段は前記サーバ装置から地図データを入手して更新する指示を入力することが可能で、前記通信手段は前記操作手段により地図データの更新指示が入力された場合に、前記サーバ装置に対して地図データおよび地図データ管理情報の要求信号を送信し前記サーバ装置から地図データや地図データ管理情報を受信し、前記地図データ記憶手段は前記通信手段で受信した地図データを記憶し、前記地図データ管理情報記憶手段は前記通信手段で地図データを受信した際に前記通信手段で受信した地図データ管理情報を記憶することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−106252(P2006−106252A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291233(P2004−291233)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】