説明

地図表示装置

【課題】地図を表示する際に、ユーザが求める部分の表示を容易に得られるようにする。
【解決手段】タッチパネルとしての出力部に地図画像と基準地点を表すマークを表示させる。その際、地図画像表示領域の2カ所の部分に接触された第1の状態から、2カ所の部分の少なくとも一方が接触状態を保たれつつ移動して第2の状態に移行した場合の処理が異なる、第1と第2のモードを有する。第1のモードでは、第1の状態において2カ所の部分にそれぞれ表示されていた地図上の地点と同じ地点が、第2の状態において2カ所の部分にそれぞれ表示される。第2のモードにおいては、第1の状態における2カ所の部分の距離をL1とし、第2の状態における2カ所の部分の距離を第2の距離L2としたとき、第1の状態において表示されていた基準地点のマークの位置は出力部において移動させず、基準地点を中心として地図画像の表示をL2/L1倍する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図上に地点を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルに画像が表示されている状態において、ユーザが指でタッチパネル上の2点に接触し、その2点の少なくとも一方を移動させると、タッチパネルにおいてその2点に表示されている部分が指先について行くように、タッチパネルの画像が拡大されたり、移動したり、回転したりする技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−70968号公報
【0004】
しかし、ユーザは、求める結果が正しく表示されるように常に正確に指先でタッチパネルの2点に接触し、正確に指先を移動させるわけではない。よって、たとえば、画像を拡大しようとする時には、画像のうちの自分が見たいと思っていた部分が、拡大の結果、画面表示の範囲から外れてしまうことがある。特に、片手の2本の指を使用してタッチパネルを操作する場合には、その手のひらで画面の一部が隠されてしまうため、求める結果が正確に表示されるように操作を行うためには、ユーザは、細心の注意を伴って操作をする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題の少なくとも一部を取り扱うためのものであり、地図を表示する際に、ユーザが求める部分の表示を容易に得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様:
上記目的を達成するために、本発明は、一態様として以下のような構成を採用する。
地図表示装置であって、
基準地点を決定することができる地点決定部と、
画像を表示することができ、かつ、画像を表示している領域の一部に接触されることによってユーザからの入力を受けとることができる出力部と、
前記出力部を制御して、地図画像を表示させ、かつ前記地図画像上に前記基準地点を表すマークを表示させることができる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記出力部において地図画像を表示している領域の2カ所の部分に接触された第1の状態から、前記2カ所の部分の少なくとも一方が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ移動して第2の状態に移行した場合に、
(i)前記第1の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第1の距離L1とし、前記第2の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第2の距離L2としたとき、前記第1の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、前記第2の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、がなす角度だけ、前記地図画像を表示している前記領域の中心点を中心として前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記中心点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第1の動作モードと、
(ii)前記第1の状態において表示されていた前記基準地点の前記マークの位置は移動させず、前記基準地点を中心として前記角度だけ前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記基準地点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第2の動作モードと、を有する地図表示装置である。
【0007】
このような態様においては、第1の動作モードにおいては、ユーザは、地図表示装置において、地図画像を表示している領域の中心点近傍の部分を見失うことなく、地図画像についての拡大、縮小、回転の操作を行うことができる可能性が高い。一方、第2の動作モードにおいては、ユーザは、出力部に表示された基準地点を見失うことなく、地図画像についての拡大、縮小、回転の操作を行うことができる可能性が高い。このため、上記の態様によれば、地図を表示する際に、ユーザが求める部分の表示を容易に得られるようにすることができる。
【0008】
なお、上記目的を達成するために、本発明は、一態様として以下のような構成を採用することもできる。
地図表示装置であって、
基準地点を決定することができる地点決定部と、
画像を表示することができ、かつ、画像を表示している領域の一部に接触されることによってユーザからの入力を受けとることができる出力部と、
前記出力部を制御して、地図画像を表示させ、かつ前記地図画像上に前記基準地点を表すマークを表示させることができる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記出力部において地図画像を表示している領域の2カ所の部分に接触された第1の状態から、前記2カ所の部分の少なくとも一方が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ移動して第2の状態に移行した場合に、
(i)前記第1の状態において前記2カ所の部分にそれぞれ表示されていた地図上の地点と同じ地点が、前記第2の状態において前記2カ所の部分にそれぞれ表示されるように、前記地図画像の表示を制御する第1の動作モードと、
(ii)前記第1の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第1の距離L1とし、前記第2の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第2の距離L2としたとき、前記第1の状態において表示されていた前記基準地点の前記マークの位置は前記出力部において移動させず、前記基準地点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍する第2の動作モードと、を有する地図表示装置である。
【0009】
このような態様においては、第1の動作モードにおいては、ユーザは、地図表示装置において、地図画像についての拡大、縮小、回転などの操作を直感的に行うことができる。一方、第2の動作モードにおいては、ユーザは、出力部に表示された基準地点を見失わずに、地図画像についての拡大および縮小を行うことができる可能性が高い。このため、上記の態様によれば、地図を表示する際に、ユーザが求める部分の表示を容易に得られるようにすることができる。
【0010】
第2の態様:
第1の態様において、さらに以下のような構成を採用することが好ましい。
前記地点決定部は、全地球測位システムを利用して、現在位置を取得し、前記現在位置を前記基準地点として決定することができる。
【0011】
このような態様とすれば、ユーザは、第2の動作モードにおいて、現在位置を見失うことなく、地図画像についての拡大および縮小を行うことができる。
【0012】
第3の態様:
第1または第2の態様において、さらに以下のような構成を採用することが好ましい。
前記地点決定部は、
ユーザから入力された情報に基づきデータベース内を検索することによって決定される検索地点の情報を取得することができ、
前記検索地点を前記基準地点として決定することができる。
【0013】
このような態様とすれば、ユーザは、第2の動作モードにおいて、検索した地点を見失うことなく、地図画像についての拡大および縮小を行うことができる。
【0014】
第4の態様:
第3の態様において、さらに以下のような構成を採用することが好ましい。
前記地点決定部は、複数の前記検索地点の情報を取得することができ、
前記制御部は、前記複数の検索地点のうちの2以上の検索地点について、それぞれを表すマークを前記地図画像上に表示させることができ、
前記地点決定部は、前記2以上の検索地点のうち前記第1の状態において前記2カ所の部分の前記代表点の中点に最も近い検索地点を、前記基準地点として決定して、前記第2の動作モードの処理を行うことができる。
【0015】
このような態様とすれば、検索の結果複数の地点が得られた場合にも、ユーザは、そのうちの所望の地点を見失わないように、地図画像についての拡大および縮小を行うことができる。
【0016】
なお、以下のような態様とすることも好ましい。
前記制御部は、前記検索地点と、前記現在位置と、について、それぞれを表すマークを前記地図画像上に表示させることができ、
前記地点決定部は、前記検索地点と前記現在位置とのうち前記第1の状態において前記2カ所の部分の前記代表点の中点に最も近い検索地点を、前記基準地点として決定して、前記第2の動作モードの処理を行うことができる。
また、前記制御部は、2以上の前記検索地点と、前記現在位置と、について、それぞれを表すマークを前記地図画像上に表示させることができ、
前記地点決定部は、前記2以上の検索地点と前記現在位置とのうち前記第1の状態において前記2カ所の部分の前記代表点の中点に最も近い検索地点を、前記基準地点として決定して、前記第2の動作モードの処理を行うことができる。
【0017】
このような態様とすれば、ユーザは、検索の結果得られた地点と、現在位置との中から所望の地点を選んで、その地点を見失わないように、地図画像を拡大および縮小することができる。
【0018】
第5の態様:
第1の態様において、さらに以下のような構成を採用することが好ましい。
前記制御部は、
前記出力部において地図画像を表示している領域の1カ所の部分に接触された第3の状態から、前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ移動して第4の状態に移行した場合に、前記第3の状態において前記1カ所の部分において表示されていた地図上の地点と同じ地点が、前記第4の状態において前記1カ所の部分において表示されるように、前記地図画像の表示範囲を移動させることができ、
前記第2の動作モードにおいて、前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ所定の距離しきい値以上、移動した場合には、前記第1の動作モードに切り替わる。
【0019】
ユーザが出力部において地図の表示範囲を大きく動かしたときには、ユーザが、現在位置や検索の結果得られた地点などの地点以外の地点を見ることを望んでいる場合が多い。上記の態様においては、第2の動作モードにおいて、ユーザが地図の表示範囲を所定距離以上動かした場合には、第1の動作モードに切り替わる。このため、ユーザは、地図上で基準地点以外の地点を見たい場合に、基準地点に拘束されることなく、地図画像についての拡大、縮小、回転などの操作を直感的に行って、希望する地点を見ることができる。
【0020】
第6の態様:
第5の態様において、さらに以下のような構成を採用することが好ましい。
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ前記距離しきい値以上、移動した結果、切り替わった前記第1の動作モードにおいて、所定のしきい値時間を超えてユーザから前記地図表示装置に入力がない場合には、前記第2の動作モードに切り替わる。
【0021】
ユーザが地図の表示範囲を所定距離以上動かして第1の動作モードに切り替わった後、所定のしきい値時間を超えてユーザから入力がない場合には、ユーザは、すでに希望する地点を十分確認し、それ以上、その地点を見ることを望まない可能性が高い。上記のような態様によれば、そのような場合には、地図画像の拡大、縮小等においてユーザが見ることを望んでいる可能性が高い基準位置を見失なわない第2の動作モードに移行する。このため、第1の動作モードに切り替わった後、第1の動作モードを保ち続ける態様に比べて、ユーザの利便性が高い。
【0022】
第7の態様:
また、以下のような構成を採用することが好ましい。地図表示装置であって、
地図画像を表示する表示部と
前記表示部に地図画像を表示中に2カ所の部分を接触された状態で移動を検出する検出部と、
前記検出部が移動を検出すると予め決められた所定の地点を基準点として地図画像の表示を制御する制御手段を備えたことを特徴とする地図表示装置である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、地図表示方法および地図表示装置、画像表示方法および画像表示装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】本実施例において地図を表示する際の処理を示すフローチャート。
【図3】ステップS20における処理を説明する図。
【図4】第2の状態において表示パネル202に表示される地図画像DM2を示す図。
【図5】処理がステップS60からステップS70に進んだ場合の処理の一例を説明する図。
【図6】第2の動作モードの第2の状態において表示パネル202に表示される地図画像DM4を示す図。
【図7】第2実施例の処理を行った場合に、第2の状態において表示パネル202に表示される地図画像DM5を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の地図表示システムは、携帯電話200と、サーバ170と、を含む。
【0025】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0026】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0027】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネルとして機能する。たとえば、ユーザは、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。すなわち、本明細書において、「画像」とは、2次元で表現できる任意の対象を含む。
【0028】
なお、表示パネル202としては、感圧式、静電方式など、様々な方式のタッチパネルを採用することができる。たとえば、「抵抗膜方式(アナログ抵抗膜方式)」、「静電容量方式」、ガラスなどの表面を物理的な振動として伝播する表面弾性波を使用した「超音波表面弾性波方式」、ガラス表面を伝播する音響波を利用してタッチ位置を検出する「音響パルス認識方式」、タッチ面のタッチによる物理的な振動を検出し位置を求める「振動検出方式(DST)」、表示パネルの表面周囲の縦壁および横壁に発光部と受光部とを設け光が遮られた部分を検出する「赤外線遮光方式」、磁界を発生できる特別なペンによりタッチすることでパネル側でその電磁エネルギーを受け取りペンの位置を検出する「電磁誘導方式」、画面近くの主にコーナーに配置された複数個のイメージセンサでタッチする指などの画像を撮影しその画像解析結果からタッチ位置とタッチしたことを判断する「画像認識方式」、静電容量が変化する物体がセンサ電極に近接すると電極の静電容量が増加する特性を利用した「静電センサ方式」、LCD自体が直接イメージセンサとなる「光センサ内蔵LCD方式」など、様々な方式を採用することができる。
【0029】
コマンド入力部206は、表示パネル202上にソフトウェア的に実現されるキーである。ユーザは、表示パネル202上に表示されるキーを介して携帯電話200に文字情報を入力する。たとえば、図1に示す検索のための画面において、「地点検索」および「キーワード」という表示Meを見て入力を促されたユーザは、コマンド入力部206を介して地点検索のためのキーワードを入力する。コマンド入力部206を介して入力された入力窓IWに表示される。そして、ユーザは、表示パネル202上にソフトウェア的に実現される検索ボタンBsを押すことにより、地図表示システムに検索を行わせることができる。
【0030】
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
【0031】
通信部205は、通信ネットワークとしてのインターネットINTを介して、サーバ170と通信を行い、情報を送受信することができる。なお、通信ネットワークとしては、インターネットのほかにLANやWAN、公衆回線等がある。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0032】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。例えば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア230を実行することによって携帯電話200の各部を制御して様々な処理を行わせることができ、また、携帯電話200からサーバ170に情報を送信してサーバ170に様々な処理を行わせることができる。
【0033】
サーバ170は、通信部172と、制御部174と、記憶部176とを有している。記憶部176は、地点データベース177、および地図データベース178を格納している。
【0034】
地点データベース177は、「施設に関する対象情報」を格納している。「施設に関する対象情報」は、(a)施設の電話番号と、(b)施設の地点の情報と、(c)施設の関連情報とを含む。施設の「地点の情報」は、施設が存在する地点の緯度および経度である。施設の「関連情報」は、例えば、(i)文字情報としての施設の名称や住所、(ii)カテゴリー、(iii)定休日を含む利用可能時間、(iv)予算(施設の入場料や平均予算)などである。施設の「カテゴリー」は、たとえば、「飲食店」、「宿泊施設」、「駅」、「インターチェンジ」などである。なお、対象情報に含まれる文字情報を、「対象文字情報」と呼ぶ。
【0035】
サーバ170は、通信部172およびインターネットINTを介して、携帯電話200と通信を行うことができる。サーバ170の制御部174は、携帯電話200から送信された入力文字情報に基づいて、地点データベース177内の対象文字情報を検索することにより、その入力文字情報に関連する対象情報を特定することができる。制御部174は、特定された対象情報に基づいて対象データを生成し、通信部172を介して携帯電話200に送信する。なお、対象データは、各対象情報について、すべての情報を含むものとすることもでき、一部の情報のみを含むものとすることもできる。ただし、対象データは、各対象情報のうち、少なくとも、住所、地点の情報、ならびに施設の対象情報については施設の名称を含む。
【0036】
なお、サーバ170に地点に関する対象情報の検索を行わせ、施設の地点の情報を含む対象データを取得する主制御部210の機能を、第1の検索部231として図1に示す。また、携帯電話200から情報を受け取り、地点データベース177内の検索を行って対象データを生成し携帯電話200に送信する機能を奏する制御部174の機能部を、「第2の検索部175」として図1に示す。
【0037】
また、制御部174は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、地図データベース178内の地図画像データを参照して、携帯電話200が要求する領域の地図を表す地図画像データを切り出す。そして、切り出した地図画像データを、通信部172を介して、携帯電話200に送信する。
【0038】
A2.地図の表示:
図2は、本実施例において地図を表示する際の処理を示すフローチャートである。なお、携帯電話200においては、図2の処理と並行して、地点検索や経路案内などの様々な処理が行われている。すなわち、図2の処理は、携帯電話200において行われる様々な処理のうち、地図画像を表示している表示パネル202の2カ所の部分を同時に接触されることによってユーザから指示が入力された場合の、地図画像の表示のし方に関する処理である。
【0039】
地図画像を表示している表示パネル202の2カ所の部分を同時に接触されると、主制御部210は、図2の処理を開始する。ステップS15では、主制御部210は、地点データベース177を利用して行われた検索の結果、得られた地点(以下、「検索地点」という)が、表示パネル202において地図画像上に表示されているか否か、およびGPSユニット201を介して得られた現在位置が表示パネル202において地図画像上に表示されているか否かを判定する。表示パネル202上に検索地点も現在位置も表示されていない場合には、処理は、ステップS20に進む。検索地点または現在位置が表示されている場合には、処理は、ステップS45に進む。主制御部210が図2のステップS20〜S35の処理を行う動作状態を「第1の動作モード」と呼ぶ。主制御部210が図2のステップS45〜S85の処理を行う動作状態を「第2の動作モード」と呼ぶ。
【0040】
図3は、ステップS20における処理を説明する図である。図3において、表示パネル202の画像を表示できる領域DAには、地図画像DM1が表示されている。地図画像DM1は、道路の表示R01〜R05を含む。なお、図3においては破線で示されている現在位置PP1は、後に説明するステップS35〜S70の処理との比較のために示されているものであり、実際には表示パネル202上には表示されていない。
【0041】
図2のステップS20において、ユーザが、たとえば親指と人差し指で、それぞれ表示パネル202上の2カ所の部分に接触したものとする。親指が押した部分を第1の部分F11とし、人差し指が押した部分を第2の部分F21とする。そして、ユーザは、表示パネル202に接触した状態で親指と人差し指をスライドさせ、それぞれ図3の第3の部分F12と、第4の部分F22とに移動させたものとする。なお、ここでは、表示パネル202に接触された2カ所がいずれも移動する場合について説明するが、いずれか一方のみが移動する場合についても同様の処理が行われる。
【0042】
図3の例において、親指で第1の部分F11に接触し、人差し指で第2の部分F21に接触している状態を「第1の状態」とする。そして、親指で第3の部分F12に接触し、人差し指で第4の部分F22に接触している状態を「第2の状態」とする。図3において、第1の状態に対応する第1の部分F11および第2の部分F12、ならびにそれらの中心点を結ぶ線分Ls1を破線で示す。また、第2の状態に対応する第3の部分F21および第4の部分F22、ならびにそれらの中心点を結ぶ線分Ls2を一点鎖線で示す。また、技術の理解を容易にするため、以下では、ユーザの親指が表示パネル202に接触している部分を、「親指部分」と略称する。ユーザの人差し指が表示パネル202に接触している部分を、「人差し指部分」と略称する。
【0043】
第2の状態においては、表示パネル202には、第1の状態において表示されていた図3の画像とは異なる画像が表示される。しかし、ここでは、技術の理解を容易にするために、まず、図3を使用してユーザによる操作を説明し、その後、ユーザの操作に応じた主制御部210による画像の表示について説明する。
【0044】
主制御部210は、ユーザによって押される各部分(第1〜第4の部分F11,F21,F12,F22)について、所定の基準値以上の圧力で押されている領域の重心を決定する。この重心を、本明細書では便宜的に「中心点」と呼ぶ。図3において、第1〜第4の部分F11,F21,F12,F22の中心点をそれぞれ十字で示す。
【0045】
また、主制御部210は、親指部分の中心点と人差し指部分の中心点の中点を決定する。第1の状態において、親指部分F11の中心点と人差し指部分F21の中心点の中点は、Pc1である。第2の状態において、親指部分F12の中心点と人差し指部分F22の中心点の中点は、Pc2である。
【0046】
さらに、主制御部210は、親指部分の中心点と人差し指部分の中心点を両端とする線分の長さおよび角度変位を決定する。第1の状態において、親指部分F11の中心点と人差し指部分F21の中心点を両端とする線分Ls1の長さはL1である。第2の状態において、親指部分F12の中心点と人差し指部分F22の中心点を両端とする線分Ls2の長さはL2である。線分Ls2は、線分Ls1に対して反時計回りにθ1の角度をなす。ステップS20において、主制御部210は、これらの各パラメータを計算する。
【0047】
図4は、第2の状態において表示パネル202に表示される地図画像DM2を示す図である。表示パネル202を介してユーザによる上記の操作(図3および図4において、第1〜第4の部分F11,F21,F12,F22参照)を受け取った主制御部210は、第1の状態において、親指部分F11と人差し指部分F21にそれぞれ表示されていた地図上の地点と同じ地点が、第2の状態において親指部分F12と人差し指部分F22にそれぞれ表示されるように、地図画像の表示を制御する。その結果、第2の状態において、表示パネル202には、図4の示す地図画像DM2が表示される。すなわち、地図画像DM2における親指部分F12の中心点の地点は、地図画像DM1における親指部分F11の中心点の地点である。地図画像DM2における人差し指部分F21の中心点の地点は、地図画像DM1における人差し指部分F22の中心点の地点である。
【0048】
地図画像DM2は、たとえば、(i)図3の地図画像DM1において、親指部分F11と人差し指部分F21との中点Pc1の位置にあった地図上の地点が、親指部分F12と人差し指部分F22との中点Pc2に位置するように地図画像DM1を移動させ、(ii)その地点を中心に、線分Ls2の線分Ls1に対する回転の向きにθ1だけ地図画像DM1を回転させ(図3および図4の矢印Aθ1参照)、さらに、(iii)その地図画像を中点Pc2を中心として(L2/L1)倍することにより得ることができる。
【0049】
ただし、第2の状態において表示される画像DM2は、単純に上記(i)〜(iii)の処理を行って得られるわけではない。すなわち、主制御部210は、上記の処理によって、第2の状態において画像表示領域DAに表示すべき地図画像の縮尺および範囲(上記(i)および(iii)参照)と向き(上記(ii)参照)とを決定する。そのようにして決定された表示すべき地図画像の縮尺と範囲と向きとに応じて、主制御部210は、地図画像DM2を新たに生成する。主制御部210は、画像表示領域DA内に地図画像が表示されるように、必要に応じてサーバ170から地図データベース178内の地図画像を新たに取得する。第2の状態において表示すべき地図画像DM2が文字を含む場合であって、それらの文字が地図画像DM1において表示されていた要素と同じ要素を示すものである場合には、それらの文字は地図画像DM1の場合と同じ大きさで表示される。また、文字の並びの向きは、地図画像中で表示される要素の向きに応じて決定される。また、地図画像中に含まれる道路の幅は、画像DM2の生成に際して、単純に拡大または縮小されるわけではなく、地図画像の縮尺に応じて所定の幅で表示される。
【0050】
本明細書において「地図画像を拡大する」、「地図画像を縮小する」、「地図画像を回転する」、「地図画像を移動させる」という場合には、上記のように、新たに表示すべき地図画像の縮尺と範囲と向きとを決定し、それら縮尺と範囲と向きに応じた新たな地図画像を生成または取得することを意味する。
【0051】
図2のステップS20においては、ユーザが表示パネル202の2カ所の部分に接触して表示パネル202の操作を行った場合、以上のような処理が行われる。なお、ここでは、図3の状態と図4の状態との比較で画像の説明を行ったが、実際には、上記のような地図画像の改変は、親指部分と人差し指部分とが表示パネル202上を移動するにつれて行われる。すなわち、表示パネル202の2カ所の接触部分がそれぞれ微小距離だけ移動するごとに上記の処理が行われ、表示される地図画像が変更される。その結果、親指部分F11と人差し指部分F21にそれぞれ表示されていた地図上の地点が、ユーザの親指と人差し指の動きについて行くように、地図画像が表示される。
【0052】
このような処理を行うことで、ユーザは、直感的な操作によって、地図画像の拡大、縮小、移動、および回転を行うことができる。なお、ステップS20の処理を実現する主制御部210の機能部を、第1の表示制御部232として図1に示す。
【0053】
図2のステップS25においては、主制御部210は、地図を表示する処理を終了する指示が、ユーザによって、または他の処理によって、出されたか否かを判定する。地図を表示する処理を終了する指示が出された場合には、処理を終了する。そうではない場合は、処理はステップS35に進む。
【0054】
図2のステップS35では、後に説明するステップS85から直接(すなわち、ステップS15を経ずに)、ステップS20に処理が進んだ場合であって、かつ、ユーザから携帯電話200に入力がない時間が所定時間Tth(たとえば、20秒)を超えたか否かが判定される。ステップS35の判定結果がYesである場合には、処理はステップS45に進む。すなわち、ステップS35の判定結果がYesである場合には、処理は、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替わる。一方、ステップS35の判定結果がNoである場合には、処理はステップS15に戻る。
【0055】
ステップS45では、主制御部210は、表示パネル202に表示されている検索地点および現在位置の合計数を調べる。検索地点および現在位置の合計数が1である場合は、処理はステップS50に進む。検索地点および現在位置の合計数が2以上である場合は、処理はステップS60に進む。
【0056】
ステップS50では、主制御部210は、表示パネルに表示されている検索地点または現在位置を基準地点に決定する。たとえば、表示パネル202に現在位置が表示されている場合には、現在位置を基準地点に決定する。また、表示パネル202に検索地点が1カ所だけ表示されている場合には、その検索地点を基準地点に決定する。
【0057】
ステップS60では、主制御部210は、表示パネルに表示されている検索地点および現在位置のうち、ユーザによって接触された表示パネル202上の2カ所の部分の中心点の中点に最も近い地点を基準地点に決定する。
【0058】
図5は、処理がステップS60からステップS70に進んだ場合の処理の一例を説明する図である。図5において、表示パネル202の画像を表示できる領域DAには、地図画像DM3が表示されている。地図画像DM3は、道路の表示R01〜R05のほか、現在位置を表すマークPPと、検索地点を表すマークM1〜M3を含む。検索地点のマークM1〜M3は、ピンの形状を有し、地図画像上において、検索地点にピンが刺されているように表示される。なお、表示パネル202にマークが表示される検索地点は、すべての検索地点であってもよく、一部の検索地点であってもよい。また、検索地点を表すマークは、検索地点を特定できるものであれば、他の形状でもよい。
【0059】
なお、以下、地図画像中において検索地点を表すマークM1〜M3、またはマークM1〜M3が表す地図画像内の点を、単純に「検索地点Mi」(i=1〜3)と表記することがある。また、地図画像中において現在位置を表すマークPP、またはマークPPが表す地図画像内の点を、単純に「現在位置PP」と表記することがある。
【0060】
図5の状態は、ユーザが、現在位置周辺の施設を検索して、その結果として得られた施設の地点(検索地点)を表示させた状態である。なお、技術の理解を容易にするため、図5に示す地図画像DM3の範囲を、図3に示す地図画像DM1の範囲と同じ範囲にしている(図3および図5の道路の表示R01〜R05参照)。参考のために図3において破線で示した現在位置PP1は、図5に示す現在位置PPと一致する位置にある。
【0061】
ユーザが、親指と人差し指で表示パネル202上の2カ所の部分に接触し、図3および図4で説明したのと同じ操作をしたものとして、以下で表示パネル202の表示について説明する(図3〜図5の第1〜第4の部分F11,F21,F12,F22参照)。なお、ユーザの操作に関する図中の符号、および「第1の状態」、「第2の状態」などの呼称は、図3および図4の例と同じである。
【0062】
図6は、第2の動作モードの第2の状態において表示パネル202に表示される地図画像DM4を示す図である。表示パネル202を介してユーザによる第1の部分F11と第2の部分F21への接触の操作を受け取った主制御部210は、ステップS60において、検索地点および現在位置のうち、第1の部分F11と第2の部分F21の中点Pc1に最も近い地点を基準地点に決定する。図5および図6の例では、検索地点M1〜M3、ならびに現在位置PPのうち、現在位置PPが基準地点とされる。なお、ステップS45,S50,S60の処理を実現する主制御部210の機能部を、地点決定部234として図1に示す。
【0063】
ステップS70では、主制御部210は、ステップS20の場合と同様に、親指部分の中心点と人差し指部分の中心点の中点を決定する(図5および図6におけるPc1,Pc2参照)。また、主制御部210は、親指部分の中心点と人差し指部分の中心点を両端とする線分の長さおよび両者の相対角度を決定する(図5および図6のL1,L2,θ1参照)。
【0064】
そして、主制御部210は、第1の状態において表示されていた基準地点の位置が表示パネル202上で移動しないようにして、表示パネル202に表示する地図画像を改変する。第2の状態において表示される地図画像DM4(図6参照)は、たとえば、(i)図5の地図画像DM3において、基準地点(ここでは現在位置PP)の表示が表示パネル202の画像表示領域DA内において移動しないように固定し、(ii)その基準地点を中心に、地図画像DM1をθ1だけ反時計回りに回転させ(図5および図6の矢印Aθ1参照)、さらに、(iii)その基準地点を中心としてその地図画像を(L2/L1)倍することにより得ることができる。なお、主制御部210が、第2の状態において画像表示領域DAに表示すべき地図画像の縮尺および範囲(上記(i)および(iii)参照)と向き(上記(ii)参照)とを決定し、そのようにして決定された表示すべき地図画像の縮尺と範囲と向きとに応じて、地図画像DM2を新たに生成する点は、ステップS20と同様である。
【0065】
図2のステップS60およびS70においては、ユーザが表示パネル202の2カ所の部分に接触して表示パネル202の操作を行った場合、以上のような処理が行われる。なお、ここでは、図5の状態と図6の状態との比較で画像の説明を行ったが、実際には、上記のような地図画像の改変は、親指部分と人差し指部分とが表示パネル202上を移動するにつれて行われる。すなわち、表示パネル202の2カ所の接触部分がそれぞれ微小距離だけ移動するごとに上記の処理が行われ、表示される地図画像が変更される。その結果、表示パネル202において、地図画像が連続的に改変されるように表示される。
【0066】
たとえば、第1の動作モードのステップS20の処理においては、図3において破線で示した現在位置PP1は、図4においては、破線で示すPP2の位置に移動する。なお、参考のために、図4では、表示パネル202の画像表示領域DAにおいて、図3の現在位置PP1と一致する位置を、やはりPP1で示す。なお、ここで、「一致する位置」とは、表示パネル202のハードウェア構成(たとえば、画像表示領域DAの画素や外枠)との対比において、同じ位置であることを意味する。
【0067】
第1の動作モードにおけるこのような地点の移動の量は、地図画像上において親指部分および人差し指部分から離れた地点ほど大きくなる。よって、検索地点を表示させている場合や、現在位置を表示させている場合には、それらユーザが着目している可能性の高い地点が、ユーザによる操作の結果、表示パネル202の画像表示領域DA内で大幅に移動し、また、画像表示領域DAから外れてしまったのでは、ユーザの利便性は大きく損なわれる。
【0068】
しかし、本実施例においては、検索地点を表示させている場合や、現在位置を表示させている場合には、それらのうちの一つを固定して地図画像の拡大、縮小、および回転が行われる(図2のステップS15,S70参照)。このため、ユーザは、自分が着目している地点を見失うことなく、地図画像を拡大、縮小、移動、および回転させることができる。
【0069】
また、ユーザは、通常、着目している地点の近傍に二本の指をおいて地図画像の拡大、回転等の処理を行うものである。このため、親指部分と人差し指部分のそれぞれの中心点の中点に近い地点を基準地点に決定して上記のような処理を行うことで(図2のステップS60,S70)、よりユーザの利便性を高めることができる。なお、ステップS70の処理を実現する主制御部210の機能部を、第2の表示制御部233として図1に示す。
【0070】
図2のステップS75においては、主制御部210は、地図を表示する処理を終了する指示が出されたか否かを判定する。地図を表示する処理を終了する指示が出された場合には、処理を終了する。そうではない場合は、処理はステップS85に進む。
【0071】
携帯電話200においては、表示パネル202の画像表示領域DA内の1カ所の部分が押され、その1カ所の部分が表示パネル202に対する接触状態を保たれつつ移動した場合には、接触された部分に表示されていた地図上の地点が接触部分の動きについて行くように、地図画像が表示される。すなわち、接触された部分に表示されていた地図上の地点が移動後の接触部分において表示され、他の部分についても、画像表示領域DA内に地図画像が表示されるように、地図画像として表示される地図上の範囲が変更される。
【0072】
図2のステップS85では、表示パネル202の1カ所の部分が押され、その1カ所の部分が表示パネル202に対する接触状態を保たれつつ所定の距離以上、移動したか否かを判定する。接触されている1カ所の部分が表示パネル202において所定の距離以上、移動した場合には、処理はステップS20に進む。すなわち、ステップS85の判定結果がYesである場合には、処理は、第2の動作モードから第1の動作モードに切り替わる。一方、ステップS85の判定結果がNoである場合には、処理はステップS15に戻る。
【0073】
ユーザが、地図画像の表示範囲を所定の距離以上移動させる場合とは、表示パネル202の中心近傍に表示されていない地点、たとえば、表示パネル202に表示されていない地点をユーザが見ようとする場合である。そのような場合に、表示パネルに表示されている地点を基準とした地図画像の拡大、縮小、および回転を行うと(図2のステップS70、ならびに図5、図6参照)、ユーザが見ようとした地点が表示パネル202に表示されなくなるおそれがある。また、そのような地点が表示パネル202に表示されるとしても、画像表示領域DA内において大きく移動し、ユーザがそれを見失う可能性がある。
【0074】
このため、ユーザが、表示パネル202の中心近傍に表示されていない地点を見ようとした場合には、親指部分F11と人差し指部分F21にそれぞれ表示されていた地図上の地点が、ユーザの親指と人差し指の動きについて行くように地図画像を表示することが好ましい(図2のステップS20、ならびに図3、図4参照)。本実施例においては、ステップS85のような処理を行うことにより、ユーザが、表示パネル202の中心近傍に表示されていない地点を見たい場合に、ユーザの意図に沿った地図画像の表示を行うことができる。
【0075】
一方、前述のように、ステップS85からステップS15を経ずにステップS20に処理が進んだ場合であって、かつ、ユーザから携帯電話200に入力がない時間が所定時間Tthを超えた場合には、処理はステップS45に進む(ステップS35参照)。すなわち、ステップS85の処理を経て第2の動作モードから第1の動作モードに切り替わった場合には、ユーザから所定時間Tthを超えて携帯電話200に入力がない場合には、処理は第2の動作モードに戻る。
【0076】
ユーザから所定時間以上、入力がない場合は、ユーザは、地図画像の範囲を移動させて表示パネルに表示させた地点(ステップS85参照)を見る意思がなくなっている可能性が高い。そのような場合には、検索地点や現在位置を見失いにくい画像表示(ステップS70参照)を行う方が、ユーザにとって利便性が高い。本実施例においては、ステップS35のような処理を行うことによって、地図画像を表示させる際のユーザの利便性を高めることができる。
【0077】
なお、図5および図6では、現在位置PPと複数の検索地点M1〜M3が表示されている場合であって、現在位置PPの近傍において2カ所の部分F11,F21が押された場合について説明した。しかし、現在位置PPよりも検索地点M1〜M3のいずれかに近い位置において2カ所の部分F11,F21が押された場合には、ステップS60においては、それら最初に押された2カ所の部分F11,F21の中点Pc1に最も近い検索地点が基準地点として決定される。
【0078】
また、図5および図6では、ステップS60を経てステップS70の処理が行われる場合について説明した。しかし、ステップS50を経てステップS70の処理が行われる場合についても、基準地点の決定の処理(ステップS50)以外の処理については、図5および図6で説明したのと同様に地図画像の処理が行われる。
【0079】
なお、本実施例におけるGPSユニット201、通信部205、第1の検索部231、および地点決定部234が、「地点決定部」に相当する。本実施例における表示パネル202が、「出力部」に相当する。本実施例における第1の表示制御部232、および第2の表示制御部233が、「制御部」に相当する。
【0080】
なお、以上では、現在位置は静止していることを前提に説明を行った。しかし、携帯電話200が移動している場合には、現在位置の移動をも考慮して、地図画像を生成することが好ましい。そのような場合には、たとえば、現在位置PPは、長方形の画像表示領域DAの上下左右方向についての中心である中心点Pcpに表示し、現在位置を基準として、表示すべき地図画像の範囲を決定することが好ましい。そして、その際の縮尺および向きは、表示パネル202の2カ所の接触部分(たとえば、図5、図6のF11,F21、ならびにF12,F22参照)に基づいて定めることが好ましい。表示すべき地図画像と現在位置との相対位置は、GPSユニット201が取得する現在位置情報に基づいて定めることができる。
【0081】
B.第2実施例:
第1実施例では、図2のステップS20において、親指部分F11と人差し指部分F21にそれぞれ表示されていた地図上の地点が、ユーザの親指と人差し指の動きについて行くように、地図画像が表示される。第2実施例では、図2のステップS20における表示パネル202の2カ所の接触部分の操作に応じた地図画像の表示態様が、第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0082】
図7は、第2実施例の処理を行った場合に、第2の状態(親指部分がF11からF12に移動し、人差し指部分がF21からF22に移動した状態)において表示パネル202に表示される地図画像DM5を示す図である。地図画像DM5は、たとえば、(i)図3の地図画像DM1において、長方形の画像表示領域DAの上下左右方向についての中心である中心点Pcpを中心に、線分Ls2の線分Ls1に対する回転の向きにθ1だけ地図画像DM1を回転させ(図3および図7の矢印Aθ1参照)、(ii)その地図画像を、画像表示領域DAの中心点Pcを中心として(L2/L1)倍することにより得ることができる。
【0083】
第2実施例においては、図2のステップS20においてユーザが表示パネル202の2カ所の部分に接触して表示パネル202の操作を行った場合、以上のような処理が行われる。なお、ここでは、図3の状態と図7の状態との比較で画像の説明を行ったが、実際には、上記のような地図画像の改変は、親指部分と人差し指部分とが表示パネル202上を移動するにつれて行われる。すなわち、表示パネル202の2カ所の接触部分がそれぞれ微小距離だけ移動するごとに上記の処理が行われ、表示される地図画像が変更される。その結果、表示パネル202において、地図画像が連続的に改変されるように表示される。
【0084】
このような処理を行うことで、ユーザは、画像表示領域DAの中心点Pcp近傍に表示されていた部分を見失うことなく、地図画像の拡大、縮小、移動、および回転を行うことができる。なお、以上で説明した処理を実現する主制御部210の機能部は、第1の表示制御部232である。
【0085】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0086】
C1.変形例1:
上記実施例においては、接触部分の「中心点」は、所定の基準値以上の圧力で押されている領域の重心である。しかし、接触部分の位置の基準となる点は、圧力が最も強い一点とするなど、他の方法で決定することもできる。接触部分の位置の基準となる代表点は、所定の基準値以上の圧力で押されている連続領域に含まれる点であって、あらかじめ定められた方法で決定される点とすることができる。
【0087】
C2.変形例2:
上記実施例においては、現在位置は、地図画像の中央右寄りに表示されている。これは、図5の状態において、主制御部210が、検索地点と現在位置との分布に基づいて、地図画像の表示範囲を決定したためである。しかし、現在位置は、検索地点が表示されていない状態においては、画面の上下左右方向についての中央か、または、左右方向については中央であり、上下方向については、中央よりも下方に表示することが好ましい。前者の表示は、たとえば、北を上にする表示で経路案内を行っている場合に採用することが好ましい。後者の表示は、たとえば、進行方向を上にする表示で経路案内を行っている場合に採用することが好ましい。
【0088】
すなわち、画面上に、現在位置が表示され、検索地点が表示されていない場合であって、現在位置が長方形の画像表示領域の上下左右方向についての中央に表示されている場合には、表示パネルの2カ所の接触部分の操作による地図画像の拡大、縮小、および回転は、長方形の画像表示領域の上下左右方向についての中央の点を中心にして行われる。また、画面上に、現在位置が表示され、検索地点が表示されていない場合であって、現在位置が長方形の画面の左右方向についての中央であって、上下方向についての中央よりも下方の位置に表示されている場合には、表示パネルの2カ所の接触部分の操作による地図画像の拡大、縮小、および回転は、長方形の画面の左右方向についての中央に位置する点であって現在位置が表示されている部分に含まれる点を中心にして行われる。
【0089】
北を上にする表示や進行方向を上にする表示をしている場合にも、ユーザが、表示パネルの2カ所に接触して所定の角度以上、回転させる動作(図3〜図7のθ1参照)を行った場合には、それらの表示は解除されることが好ましい。そのような場合には、現在位置は、上下左右方向についての画面中央に表示されることが好ましい。
【0090】
また、上記実施例では、表示パネルに現在位置や検索地点が表示されている場合に、2カ所の接触部分に基づいて定められる基準地点を中心に、拡大、縮小、回転などの処理が行われる(図2のステップ15参照)。しかし、表示パネルに検索地点が表示されている場合にも、画像表示領域の上下および左右の方向の中心点Pcpを中心として、地図画像の拡大、縮小、回転などの処理を行う態様とすることもできる。また、画像表示領域の中心点PcP以外に現在位置が表示されている場合に、中心点Pcpを中心として地図画像の拡大、縮小、回転などの処理を行う態様とすることもできる。さらに、表示パネルに現在位置と検索地点が表示されている場合には、現在位置を中心として、地図画像の拡大、縮小、回転などの処理を行う態様とすることもできる。
【0091】
C3.変形例3:
上記実施例においては、基準地点は、検索地点および現在位置の中から、2カ所の接触部分との位置関係に基づいて選択される。しかし、基準地点は、現在位置を含まない複数の検索地点の集合の中から2カ所の接触部分との位置関係に基づいて選択されることもできる。
【0092】
また、上記実施例では、基準地点は、複数の地点の中から2カ所の接触部分の中点に最も近いものが選択される。しかし、基準地点は、複数の地点の中から2カ所の接触部分の一方の代表点に最も近いものが選択されるなど、他の方法で決定されることもできる。
【0093】
さらに、基準地点は、検索地点や現在位置の中から選択されるのではなく、たとえば、複数の検索地点の重心や、複数の検索地点および現在位置の重心とすることもできる。ただし、基準地点は、検索地点と現在位置の少なくとも一方に基づいて定めることが好ましい。
【0094】
C4.変形例4:
上記第1実施例では、第1の動作モードのステップS20の処理では、2カ所の接触部分の中点を基準として、移動ならびに拡大、縮小など地図画像の表示範囲の改変を説明した。しかし、第1の動作モードにおいては、たとえば、2カ所の接触部分の一方の代表点を基準として地図画像の表示範囲を改変することもできる。すなわち、地図画像の表示範囲の改変は、2カ所の接触部分に基づいて、予め定められた方法で行われるものとすることができる。
【0095】
C5.変形例5:
上記実施例においては、ステップS85の移動距離としきい値との比較は、表示パネル202上の絶対的な移動距離に基づいて行われる。しかし、ステップS85の処理は、地図上の距離としきい値との比較に基づいて行うこともできる。そのような態様においては、
その時点で出力部としての表示パネルに表示されている地図の縮尺を実際の接触部分の移動距離に掛けて、地図上の移動距離を得ることができる。
【0096】
C6.変形例6:
さらに、上記実施例では、地図画像の改変は連続的に行われる(図2のステップS20,S70参照)。しかし、互いに異なる複数の画像であることがユーザにも分かるような複数の画像を順次表示することによって、図3の地図画像DM1から図4の地図画像DM2へ、図3の地図画像DM1から図7の地図画像DM5へ、また、図5の地図画像DM3から図6の地図画像DM4へと、地図画像の改変が行われてもよい。
【0097】
C7.変形例7:
上記実施例においては、表示パネルの2カ所の部分が押された場合には、地図画像の拡大、縮小、移動、回転のいずれも実施可能である。しかし、地図表示装置としての携帯電話200は、地図画像の回転を許容せず、拡大および縮小、ならびに移動のみを許容するモードを備えることもできる。たとえば、北を上にする表示が選択されている場合や、経路案内において進行方向を上にする表示が選択されている場合には、そのような態様とすることが好ましい。
【0098】
また、地図表示装置は、地図画像の拡大および縮小、ならびに移動を許容せず、回転のみを許容するモードを備えることもできる。すなわち、地図表示装置は、(i)地図画像の拡大および縮小、(ii)地図画像の移動、(iii)地図画像の回転の、いずれか1個のみ、またはいずれかの2個の組み合わせのみを許容する動作を行う態様とすることができる。また、上記(i)〜(iii)のうち、許容される1の動作または動作の組み合わせが異なる、複数の動作モードを備える態様とすることもできる。
【0099】
C8.変形例8:
上記実施例においては、第1の動作モードと第2の動作モードとの切換は、主制御部210によって自動的に行われる(図2のステップS35,S85参照)。しかし、モード切替は、ユーザの指示によって手動で行われることもできる。たとえば、表示パネルにソフトウェア的に実現されるボタンを表示し、そのボタンが押された場合には、動作モードが切り替わるように構成することも好ましい。また、ハードウェアとしてのボタンが押された場合に、動作モードが切り替わるように構成することもできる。
【0100】
C9.変形例9:
上記第2実施例においては、画像表示領域DAの上下左右方向についての中心である中心点Pcpを中心に、地図画像を回転して得られる地図画像の範囲を表す地図画像が表示される。そして、地図画像は、第1および第2の状態において、画像表示領域DAの全体に表示されている。しかし、地図画像は、第1および第2の状態において、画像表示領域DAの一部の長方形領域に表示されている場合には、地図画像が表示されている範囲の上下左右方向についての中心である中心点を中心に、地図画像を回転して得られる地図画像の範囲を表す地図画像が表示されることが好ましい。
【0101】
また、上記第1実施例のステップS20の処理を行う動作モードと、上記第2実施例におけるステップS20に相当する処理を行う動作モードと、を有する地図表示装置、地図表示方法、またはコンピュータプログラムを構成することもできる。
【0102】
C10.変形例10:
サーバ170の地図データベース178内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース178内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0103】
C11.変形例11:
上記実施例においては、地図表示システムは、その構成要素として、サーバ170と携帯電話200とを含む。しかし、端末としての携帯電話200は、たとえば、電話機能やGPSユニットを備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、画像表示機能を備えた携帯型画像表示装置、ノート型のコンピュータなどとすることもできる。ただし、端末には、現在位置の情報を取得することができる位置情報取得部を備えることが好ましい。
【0104】
また、位置情報取得部を備えユーザが携帯する携帯端末に、サーバ170の機能の一部または全部を備える態様とすることもできる。また、各機能は、最初から携帯端末に備えられていてもよく、たとえば、プログラムやデータの一部または全部をサーバ170からダウンロードすることによって、事後的に携帯端末が各機能を獲得する態様とすることもできる。上記実施例のように、外部のサーバにデータベースの検索を行わせる態様においては、検索に必要な情報を外部のサーバに送信し、外部のサーバから検索結果を受け取る構成要素を、「地点決定部」の一部として把握することができる。一方、携帯端末自身がデータベースの検索を行う場合には、そのような検索を行う制御ユニットが、「地点決定部」の一部として把握される。さらに、検索装置をシステムとして実現する場合には、たとえば、上記実施例の態様においては、第1の検索部231、および第2の検索部175を「地点決定部」の一部として把握することができる。
【0105】
そして、サーバ170は、一つのサーバであってもよいし、ネットワークで接続された複数のサーバで実現することもできる。すなわち、検索装置は、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、検索装置は、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。そして、検索装置が実現する各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0106】
C12.変形例12:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、携帯電話200は、主制御部210の機能によって実現されているコマンド入力部206としてのソフトウェアキーボードに代えて、ハードウェアとしてのキーボードを備えることとしてもよい。
【0107】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0108】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0109】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【0110】
170…サーバ
172…通信部
174…制御部
175…第2の検索部
176…記憶部
177…地点データベース
178…地図データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
210…主制御部
211…CPU
212…RAM
213…ROM
220…通話制御部
230…アプリケーションソフトウェア
231…第1の検索部
Aθ1…地図画像の回転を示す矢印
Bs…検索ボタン
DA…画像表示領域
DM1〜DM4…地図画像
F11…第1の部分(親指部分)
F12…第3の部分(親指部分)
F21…第2の部分(人差し指部分)
F22…第4の部分(人差し指部分)
INT…インターネット
IW…入力窓
L1…第1の部分F11の中心点と第2の部分F21の中心点との第1の距離
L2…第3の部分F12の中心点と第4の部分F22の中心点との第2の距離
Ls1…第1の部分F11の中心点と第2の部分F21の中心点を結ぶ線分
Ls2…第3の部分F12の中心点と第4の部分F22の中心点を結ぶ線分
M1〜M3…検索地点を示すマーク
PP…現在位置を示すマーク
PP1…現在位置に相当する位置
Pc1…第1の部分F11の中心点と第2の部分F21の中心点の中点
Pc2…第3の部分F12の中心点と第4の部分F22の中心点の中点
R01〜R05…道路を表す表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図表示装置であって、
基準地点を決定することができる地点決定部と、
画像を表示することができ、かつ、画像を表示している領域の一部に接触されることによってユーザからの入力を受けとることができる出力部と、
前記出力部を制御して、地図画像を表示させ、かつ前記地図画像上に前記基準地点を表すマークを表示させることができる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記出力部において地図画像を表示している領域の2カ所の部分に接触された第1の状態から、前記2カ所の部分の少なくとも一方が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ移動して第2の状態に移行した場合に、
(i)前記第1の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第1の距離L1とし、前記第2の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第2の距離L2としたとき、前記第1の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、前記第2の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、がなす角度だけ、前記地図画像を表示している前記領域の中心点を中心として前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記中心点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第1の動作モードと、
(ii)前記第1の状態において表示されていた前記基準地点の前記マークの位置は移動させず、前記基準地点を中心として前記角度だけ前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記基準地点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第2の動作モードと、を有する地図表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記地点決定部は、全地球測位システムを利用して、現在位置を取得し、前記現在位置を前記基準地点として決定することができる、装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の装置であって、
前記地点決定部は、
ユーザから入力された情報に基づきデータベース内を検索することによって決定される検索地点の情報を取得することができ、
前記検索地点を前記基準地点として決定することができる、装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、
前記地点決定部は、複数の前記検索地点の情報を取得することができ、
前記制御部は、前記複数の検索地点のうちの2以上の検索地点について、それぞれを表すマークを前記地図画像上に表示させることができ、
前記地点決定部は、前記2以上の検索地点のうち前記第1の状態において前記2カ所の部分の前記代表点の中点に最も近い検索地点を、前記基準地点として決定して、前記第2の動作モードの処理を行うことができる、装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置であって、
前記制御部は、
前記出力部において地図画像を表示している領域の1カ所の部分に接触された第3の状態から、前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ移動して第4の状態に移行した場合に、前記第3の状態において前記1カ所の部分において表示されていた地図上の地点と同じ地点が、前記第4の状態において前記1カ所の部分において表示されるように、前記地図画像の表示範囲を移動させることができ、
前記第2の動作モードにおいて、前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ所定の距離しきい値以上、移動した場合には、前記第1の動作モードに切り替わる、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて前記1カ所の部分が前記出力部に対する接触状態を保たれつつ前記距離しきい値以上、移動した結果、切り替わった前記第1の動作モードにおいて、所定のしきい値時間を超えてユーザから前記地図表示装置に入力がない場合には、前記第2の動作モードに切り替わる、装置。
【請求項7】
地図を表示する方法であって、
(a)基準地点を決定する工程と、
(b)画像を表示することができ、かつ、画像を表示している領域の一部に接触されることによってユーザからの入力を受けとることができる出力部を制御して、コンピュータが、地図画像を表示させ、かつ前記地図画像上に前記基準地点を表すマークを表示させる工程と、を備え、
前記工程(b)は、
(i)前記第1の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第1の距離L1とし、前記第2の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第2の距離L2としたとき、前記第1の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、前記第2の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、がなす角度だけ、前記地図画像を表示している前記領域の中心点を中心として前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記中心点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する工程と、
(ii)前記第1の状態において表示されていた前記基準地点の前記マークの位置は移動させず、前記基準地点を中心として前記角度だけ前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記基準地点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
コンピュータにおいて実行されることにより、地図を表示するコンピュータプログラムであって、
(a)基準地点を決定する機能と、
(b)画像を表示することができ、かつ、画像を表示している領域の一部に接触されることによってユーザからの入力を受けとることができる出力部を制御して、地図画像を表示させ、かつ前記地図画像上に前記基準地点を表すマークを表示させる機能と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラムであり、
前記地図画像とマークを表示させる機能は、
(i)前記第1の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第1の距離L1とし、前記第2の状態における前記2カ所の部分にそれぞれ含まれる代表点の間の距離を第2の距離L2としたとき、前記第1の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、前記第2の状態における前記2カ所の部分の前記代表点を結ぶ線分と、がなす角度だけ、前記地図画像を表示している前記領域の中心点を中心として前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記中心点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第1の動作モードと、
(ii)前記第1の状態において表示されていた前記基準地点の前記マークの位置は移動させず、前記基準地点を中心として前記角度だけ前記第1の状態における地図画像を回転させ、さらに、前記基準地点を中心として前記地図画像の表示をL2/L1倍して得られる地図画像の範囲を表す地図画像を表示する第2の動作モードと、を有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−80513(P2013−80513A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−286402(P2012−286402)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2008−293844(P2008−293844)の分割
【原出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】