説明

地理情報取得装置

【課題】 小型かつ軽量の携帯電話を利用した地理情報取得装置を提供する。
【解決手段】 地盤に設置され、標示情報が記憶された識別体12を有する位置標示器10と、前記標示情報を前記位置標示器10の外部から検出する検出器20と、地理情報60を蓄積するデータベース51が設けられたサーバ50にネットワーク40を介して通信する携帯電話30とを備え、前記携帯電話30が、前記検出器20が検出した前記標示情報を受信する標示情報受信手段32と、前記サーバ50にネットワーク40を介して前記標示情報を送信する標示情報送信手段33と、前記データベース51に蓄積された地理情報60のうち、前記位置標示器20に関連する地理情報60を前記サーバ50からネットワーク40を介して受信する地理情報受信手段34と、前記地理情報60を表示する表示手段31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置や埋設物を標示するのに好適な標示器を用いて地理情報を取得する地理情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、土地や道路の位置または土地の境界や測量点などを標示するために、標示器を地盤に打ち込んでいる。この標示器に、標示器の識別番号を記憶した記憶素子を内蔵させ、この識別番号を外部から読み取り、識別番号を検索キーとしてデータベースに登録されている各種の情報を読み出す地理情報取得装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−122249号公報
【0003】
しかし、従来の地理情報取得装置では、データベースから地理情報を取得するためにコンピュータを現場に持ち込まなければならず、小型かつ軽量で、携帯が容易な地理情報取得装置を実現することができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は小型かつ軽量の携帯電話を利用した地理情報取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る地理情報取得装置は、地盤に設置され、標示情報が記憶された識別体を有する位置標示器と、前記標示情報を前記位置標示器の外部から検出する検出器と、地理情報を蓄積するデータベースが設けられたサーバにネットワークを介して通信する携帯電話とを備え、前記携帯電話が、前記検出器が検出した前記標示情報を受信する標示情報受信手段と、前記サーバにネットワークを介して前記標示情報を送信する標示情報送信手段と、前記データベースに蓄積された地理情報のうち、前記位置標示器に関連する地理情報を前記サーバからネットワークを介して受信する地理情報受信手段と、前記地理情報を表示する表示手段とを有している。ここで、標示情報とは、位置表示器を特定するための情報であり、例えば、識別番号である。地理情報とは、境界標示や区画番号、基準点からの距離、測量点などの土地や道路の位置(経度、緯度)などの位置を示す情報、およびその位置のケーブル、水道管、ガス管等の埋設状況を示す情報である。
【0006】
前記構成によれば、携帯電話が標示情報受信手段、標示情報送信手段、地理情報受信手段、および表示手段を有しているから、従来のようなコンピュータが不要になるので、地理情報取得装置が小型かつ軽量で、携帯が容易になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の地理情報取得装置によれば、携帯電話を利用することにより、小型かつ軽量で、携帯が容易な地理情報取得装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明に係る地理情報取得装置を含む、地理情報ネットワークシステムを示している。地理情報ネットワークシステムは、複数の地理情報取得装置100および地理情報60を管理し、サーバの役割を果たすセンター50で構成され、これらはインターネットのような通信ネットワーク40に接続されている。センター50には、地理情報60を蓄積するデータベース51が設けられている。センター50は、例えば、地理情報60を集中管理する、地域ごとの情報管理センターのコンピュータ、または地理情報取得装置100を使用する会社のコンピュータである。
【0009】
地理情報取得装置100は、位置標示器10、検出器20および携帯電話30で構成されている。位置標示器10は、地盤に一部もしくは全部が埋め込まれる杭もしくは鋲、または地盤に設置されて地上に露出する壁、柱などの建築物に設けられる刻印もしくはステッカーを含む位置標示部材11と、この位置標示部材11に内蔵される、またはその近傍に設置される識別体12とを有している。この識別体12には、読み出し可能な識別番号のような標示情報が記憶されており、磁界が付加されると、識別番号を示す特有の周波数の電磁波を発生する。
【0010】
検出器20は、非接触で前記識別体12から位置標示器10の識別番号のような標示情報を読み出すものであって、磁気検知器が用いられる。この磁気検知器は、指向性のある磁界を発生させる磁界発生器と受信器とを備えている。これにより、検出器20が識別体2に近接すると、検出器20の磁界発生器から発生する磁界が識別体12に付加されることにより、識別体12から電磁波が発生する。この電磁波を検出器20の受信器により検出する。また、検出器20は、無線により、読み取った識別番号を携帯電話30に送信するための赤外線ポート22を有する。
【0011】
携帯電話30は、前記磁気検出器20から送信される識別番号を受信する、赤外線ポート32を有する。また、携帯電話30は、センター50にインターネット40を介して識別番号を送信する標示情報送信手段33と、データベース51に蓄積された地理情報60のうち、該当する位置標示器10に関連する地理情報60をセンター50からインターネット40を介して受信する地理情報受信手段34とを有する。
【0012】
携帯電話30には、例えば、NTTドコモ(登録商標)の「iアプリ(登録商標)」のようなアプリケーションサービスが導入されている。これにより、アプリケーションソフトウェアを利用して、センター50との情報の送受信が可能となる。
【0013】
携帯電話30に設けられた表示画面31には、検出された地理情報60が表示される。
【0014】
センター50のデータベース51には、図2に示すように、地理情報60として位置標示器10の認識情報(ID)、識別番号(No.)、経度X、緯度Yおよび高さZからなる座標位置、および備考として、位置標示器10周辺のケーブル、水道管、ガス管等の埋設物に関する情報が、位置表示器10の識別番号(No.)に関連づけて記憶されている。位置標示器10のIDは、例えば、数字、アルファベットのような文字、または符号が組み合わされて構成され、位置標示器10が設置された地域ごとに共通の符号を付すというように、一見して識別できる属性を表すことができる。識別番号(No.)は、例えば、数字を組合せた簡単な構成であり、データベース51から地理情報60を検出するための検索キーとして利用される。地理情報60として、ほかに、境界標示や区画番号、基準点からの距離などの位置を示す情報を記憶させることもできる。
【0015】
次に、図1の地理情報取得装置100を用いて地籍調査を行う場合の手順について説明する。はじめに、識別番号が書き込まれた識別体12を内蔵した位置標示器10の一部または全部が地盤に埋め込まれる。この後、地籍の調査を行うときに、前記検出器20を用いて位置標示器10の探索が行われる。
【0016】
このとき、検出器20から発生した磁界が位置標示器10の識別体12に付加されると、識別体12が特有の周波数の電磁波を発生する。この電磁波を検出器20が受信し、検出器20に内蔵された変換器が識別番号をデジタルデータに変換して識別番号「18189」として、赤外線ポート22から赤外線により携帯電話30に送信される。
【0017】
携帯電話30は、前記検出器20から送信される識別番号「18189」を、赤外線ポート32により受信し、通信ネットワーク40を介してセンター50に送信する。センター50は、データベース51を検索し、記憶された図2の地理情報60の中から、識別番号「18189」に対応する情報を検出する。
【0018】
検出された地理情報60は、センター50から、携帯電話30に送信される。携帯電話30にダウンロードされた地理情報60は、図3のように、携帯電話30の表示画面31に表示される。この表示画面31によれば、本実施形態の位置表示器10は、IDが「34A5F」で、東経135度、北緯35度、高度20mに位置し、近くに水道管が埋設されていることがわかる。
【0019】
データベース51に記憶された表の情報を順に表示することにより、経度X、緯度Yおよび高さZのような地理情報60が簡潔に表示されるから、携帯電話30に設けられた比較的小型の表示画面31でも必要な情報を一目で把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る地理情報取得装置を含む地理情報ネットワークシステムの概略ブロック図である。
【図2】図1の地理情報ネットワークシステムのセンターのデータベースに記憶された地理情報を示す図である。
【図3】図1の地理情報取得装置の携帯電話の表示画面に表示される地理情報を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
10 位置標示器
12 識別体
20 検出器
30 携帯電話
32 標示情報受信手段
33 標示情報送信手段
34 地理情報受信手段
40 通信ネットワーク
50 センター
51 データベース
60 地理情報
100 地理情報取得装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に設置され、標示情報が記憶された識別体を有する位置標示器と、
前記標示情報を前記位置標示器の外部から検出する検出器と、
地理情報を蓄積するデータベースが設けられたサーバにネットワークを介して通信する携帯電話とを備え、
前記携帯電話が、前記検出器が検出した前記標示情報を受信する標示情報受信手段と、前記サーバにネットワークを介して前記標示情報を送信する標示情報送信手段と、前記データベースに蓄積された地理情報のうち、前記位置標示器に関連する地理情報を前記サーバからネットワークを介して受信する地理情報受信手段と、前記地理情報を表示する表示手段とを有する地理情報取得装置。
【請求項2】
請求項1において、標示情報は位置標示器を識別するための識別番号である地理情報取得装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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