説明

変性されたポリイソシアネート

【課題】変性されたポリイソシアネートの提供。
【解決手段】繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェルコア構造を有し、そのポリマー状シェルがポリウレタン又はポリウレアマトリックスからなる機能化粒子又はカプセルに関する。該粒子は、様々な物質をカプセル化するためのマイクロコンテナとして使用され得る。それらは、繊維製品、ヒトの毛髪又は紙等の基材の表面に永続的に付着可能な基を有する。本発明は、更に機能化粒子の製造に関する。また本発明は繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセル化の技術は、この方法が様々な状態の凝集物質を封入することができるため、重要性を増している。微粒子は、例えば、インク及び染料、芳香又は香料物質、薬理活性製剤、化学試薬及び農薬等の様々な異なる物質のためのキャリヤーとして使用されてきた。
【0003】
カプセル化活性化合物の更なる利点は、他のものと非混和性であるか、又は他のものと非相溶性の活性化合物が組み合わせられ得ることにある。
活性化合物のカプセル化はまた、臭気の強い活性化合物の場合において、悪臭を減少させるという利点も有し得る。カプセル化の更なる重要な利点は、カプセル化により、時間及び量を制御して、活性化合物の放出を行うことができるという点(貯蔵作用)にある。この‘‘徐放’’効果の結果として、活性化合物は、長期間にわたり活性を維持することができ、それによって、より良好に利用され得、必要とされる使用回数が減少され得るため、最終的には、使用される活性化合物の総量が減少され得る。
【0004】
カプセルを製造するための多くの機械及び化学プロセスが、既に、例えばJ.E.Vandegaer,“Microencapsulation”,Plenum−Press,New York−London;1974に記載され、かつ使用されてきた。製造は、適当には、1種以上のモノマーを分散相及び連続相間の界面で重合し、分散相の周囲にシェルを形成するところの界面集合によって行われる。界面重合の1種として、界面縮重合がある。ポリマーシェルは、水溶性基質(水相中の)と油溶性基質(油相中の)の反応の結果として、油相及び水相間の界面に形成する。界面縮重合は、通常、ポリイソシアネート、ポリカルボン酸塩化物及びポリスルホン酸塩化物等の油溶性基質及びポリアミン又は多価アルコール等の水溶性基質を用いて行われ、ポリウレア、ポリアミド又はポリスルホンアミドのマトリックスを有するカプセルを形成する。
【0005】
界面縮重合は、水中油分散液を形成し、各分散油滴の周りで重合させることによって、疎水性の又は油性のコアをカプセル化するために使用される。この反応を行う方法は、かなり満足のいくカプセル化を構築した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近、活性物質を含むマイクロカプセルは繊維業においても使用されている。マイクロカプセルには、例えば、香料及び香水又は抗菌物質がカプセル化される。このような薬剤は、汗による悪臭を減少又は防止するために、放出され、仕上げられた織布材料に芳香又は抗菌効果を付与する。更に、繊維は、体温調節のための相変化材料(アウトラスト:(登録商標:Outlast))を含むマイクロカプセルを用いて仕上げられる。繊維用途において、付与される効果が永続的にとどまることが望ましい。従って、マイクロカプセルは繊維に永続的に付着し、衣服の使用間に繰り返される洗浄に耐性を有する必要がある

【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、(i)部分的にブロックされたポリイソシアネート及び繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネート誘導体と(ii)少なくとも1種のポリアミン又は多価アルコールとの界面付加重合によって得られるポリウレタン又はポリウレアマトリックスからなる完全に形成されたシェル及びコアを有する機能化粒子であって、基材に化学的に又は物理的に結合可能な機能化粒子に関する。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[13]に関する。
[1](i)部分的にブロックされたポリイソシアネート及び繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネート誘導体と(ii)少なくとも1種のポリアミン又は多価アルコールとの界面付加重合によって得られるポリウレタン又はポリウレアマトリックスからなる完全に形成されたシェル及びコアを有する機能化粒子であって、基材に化学的に又は物理的に結合可能な機能化粒子。[2]前記ポリイソシアネート誘導体が、前記ポリイソシアネートと該ポリイソシアネート分子内のイソシアネート基の化学量論量に基づき1ないし80mol%、好ましくは5ないし30mol%、特に10ないし20mol%のブロック基前駆体又は繊維反応基前駆体の反応によって得られる[1]に記載の機能化粒子。
[3]前記ブロック基前駆体が、オキシム、イミダゾール及びアミンの群から選択される化合物である[1]又は[2]に記載の機能化粒子。
[4]前記ブロック基前駆体が、ブタン−2−オン−オキシム、イミダゾール及び3−アミノプロピルトリエトキシシランの群から選択される化合物である[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の機能化粒子。
[5]前記繊維反応基前駆体が、式
【化1】

[式中、
Rは、水素原子を表わし、
(R40-3は、0ないし3個の同じ又は異なる、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、カルボキシ基及びスルホ基の群から選択される置換基を表わし、
Zは、式
【化2】

[式中、
1a及びR2は、水素原子を表わし、
Halは、臭素原子を表わし、
1は、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ
基、ヒドロキシ基、アミノ基;未置換の又はアルキル部位をヒドロキシ基、スルファト基によって又はスルホ基によって置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ない
し4のアルキルアミノ基;モルホリノ基;又は、各々未置換の又はフェニル環中をスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、メチル基によって又はメトキシ基によって置換されたフェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基(ここで、アルキル基は、未置換であるか、又は、ヒドロキシ基、スルホ基によって又はスルファト基によって置換される。);又は、未置換の又は1ないし3個のスルホ基によって置換されたナフチルアミノ基を表わすか、又は式
【化3】

(式中、
Yは、ビニル基、β−クロロエチル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、
1は、塩素原子又はフッ素原子を表わし、
mは、2又は3の数を表わす。)で表わされる繊維反応基を表わす。]で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物である[1]又は[2]に記載の機能化粒子。
[6]前記繊維反応基前駆体が、式
【化4】

(式中、
Rは、水素原子を表わし、
(R40-2は、0ないし2個の同じ又は異なる、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基及びスルホ基の群から選択される置換基を表わし、
1は、基−CH(Br)−CH2−Br又は−C(Br)=CH2を表わし、
Yは、ビニル基、β−クロロエチル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、
mは、2又は3の数を表わす。)で表わされる化合物である[1]、[2]又は[5]のいずれか1項に記載の機能化粒子。
[7]前記ポリイソシアネートが、ジイソシアネート又はトリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートである[2]に記載の機能化粒子。
[8][1]に記載の機能化粒子の製造方法であって、
水中油分散液を製造する工程及び、(i)疎水性の油相中に溶解した、部分的にブロックされたポリイソシアネート及び繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネート誘導体と(ii)水相中に溶解した、少なくとも1種のポリアミン又は多価アルコールの各分散油滴の周りの油−水界面で縮重合させる工程を含む方法。
[9]油相が、更にカプセル化される物質を含む[8]に記載の方法。
[10][1]に記載の機能化微粒子で変性された化合物又は基材の製造方法であって、前記化合物又は基材と[1]に記載の機能化微粒子を反応させて、該化合物又は基材に該微粒子を付着させることを含む方法。
[11]ヒドロキシ基又は窒素原子を含む繊維材料が、[1]ないし[7]のいずれか1項に記載の機能化微粒子又は[8]又は[9]に記載の方法によって得られた機能化微粒子で処理される[10]に記載の方法。
[12]前記繊維材料が、セルロースを含む織物繊維材料、特に綿を含む繊維材料である[11]に記載の方法。
[13]繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネート。
特に本発明は後に詳述するものであるが、繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートに関するものである。
【0008】
ブロックされた又は変性されたイソシアネート基は、例えば、織物繊維材料に粒子を永続的に付着させるためのアンカー基として作用する。
【0009】
本発明に従った機能化微粒子を形成する部分的にブロックされたポリイソシアネート及び繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートは、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネートから製造され得る。選択される特定のイソシアネートは、分子量によって制限されない。それは、いわゆる、モノマー状イソシアネートであり得るか、又はオリゴマー状イソシアネートであり得る。
【0010】
芳香族ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート、例えば、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,2’−又は2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、及び、トリイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン,2,4,6−トリイソシアネートトルエン、及び4,4’−ジフェニル−メタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートを含む。
【0011】
芳香脂肪族ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)、又はその混合物、及び1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又はその混合物、及びトリイソシアネート、例えば1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンを含む。
【0012】
脂環式ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート又はIPDI),4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(バイエル社製H12MDI又はデスモデュアー W(DESMODUR W))、2,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキ
サンジイソシアネート、及び、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン及びトリイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネート−シクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、及び6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル)−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタンを含む。
【0013】
脂肪族ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ぺンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及び2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、及びポリイソシアネート 例えば、リシンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン及び2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタンを含む。
【0014】
好ましくは、ポリイソシアネートは、ジ−又はトリイソシアネート、特にジイソシアネート、例えば2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、3−イソシアネート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)に相当する。
【0015】
本発明において、‘‘部分的にブロックされたポリイソシアネート’’は、イソシアネート基の一部のみがブロック基前駆体と反応するポリイソシアネートを意味する。本発明において、‘‘繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネート’’は、イソシアネート基の一部のみが繊維反応基前駆体と反応するポリイソシアネートを意味する。ブロックされない又は変性されない、前記ポリイソシアネート誘導体の他の部分のイソシアネート基は、界面付加重合中に消費され、微粒子のポリマー状シェルを形成する。
【0016】
ブロック又は変性反応等に敏感なポリイソシアネート分子内のイソシアネート基の数に起因して、未反応のポリイソシアネートに加えて、様々にブロックされた又は変性されたポリイソシアネート誘導体の統計的混合物、例えば一置換誘導体と少量の二置換誘導体の混合物が得られる。得られ得る誘導体と未反応のポリイソシアネートの統計分布は、ポリイソシアネートの誘導体化反応において使用されるブロック基前駆体又は繊維反応基前駆体の量に依存する。ブロック基前駆体又は繊維反応基前駆体の適量は、ポリイソシアネート分子内のイソシアネート基の化学量論量に基づき、例えば1ないし80mol%、好ましくは5ないし30mol%、特に10ないし20mol%である。
【0017】
ブロックされたイソシアネートは文献中に記載されている。ブロックされたイソシアネートに関する総合的な概説は、例えば、D.A.Wicks,Z.W.Wicks Jr.,Progress in Organic Coatings 36(1999),148−172に記載されている。
【0018】
ブロックされたイソシアネートは、通常、イソシアネート基とブロック基前駆体としての活性水素化合物との反応によって製造される。従って、部分的にブロックされたポリイソシアネートの製造は、上記した化学量論量未満の量のブロック基前駆体を使用して行われる。
【0019】
部分的にブロックされたポリイソシアネートの製造において考慮される適当なブロック基前駆体は、例えば、活性メチレン化合物、例えば、マロン酸エステル(ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、t−ブチルメチルマロネート、ジ−t−ブチルマロネート、イソプロピリデンマロネート)、アセト−アセテート(エチルアセトアセテート)、β−ジケトン(2,4−ペンタンジオン)及びシアノアセテートビスルファイト、例えば、重亜硫酸ナトリウム;フェノール、例えば、4−ニトロフェノール、4−ブロモフェノール、2−又は4−ヒドロキシ−安息香酸、メチルサリチレート、メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ベンジル−4−ヒドロキシベンゾエート,2−エチルヘキシルヒドロキシベンゾエート,2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェノール、2−[(ジメチルアミノ)メチル]−ノニルフェノール、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸;ピリジノール、例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン、2−クロロ−3−ピリジノール及び2−及び8−キンリノール(quinlinols);チオフェノール、例えばチオフェノール;メルカプトピリジン、例えば、2−メルカプトピリジン;アルコール、例えば、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクチルアルコール、N−ブチルアルコール、フルフリルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−エトキシエトキシエチルアルコール、2−エチルヘキシルオキシエチルアルコール、2−ブトキシエチルアルコール、2−ブトキシエトキシエチルアルコール、N,N−ジブチルグリコールアミド、N−モルホリノエタノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、3−オキサゾリジンエタノール、2−(ヒドロキシメチル)ピリジン、2−ヒドロキシエチル−トリメチルシラン及び12−ヒドロキシステアリン酸;他のヒドロキシ−官能化剤、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド及びトリフェニルシラノール;メルカプタン、例えば、ヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン及び2−メルカプトエチル−トリメチルシラン;オキシム、例えば、アセトンオキシム、2−ヘプタノンオキシム、2,2,6,6−テトラメチルシクロ−ヘキサノンオキシム、ジイソプロピルケトンオキシム、メチルt−ブチルケトンオキシム、ジイソブチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、メチルイソプロピルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム(ブタン−2−オン−オキシム)、メチル2,4−ジメチルペンチルケトンオキシム、メチル3−エチルヘプチルケトンオキシム、メチルイソアミルケトンオキシム及びメチルN−アミルケトンオキシム;アミド、例えば、アセトアニリド及びN−メチルアセトアミド;環状アミド、例えば、カプロラクタム、2−ピロリドン、6−メチル−2−ピペリドン及び3,6−ジアルキル−2,5−ピペラジンジオン;イミド、例えば、スクシンイミド;イミダゾール、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール及び2−イソプロピルイミダゾール;アミジン及び関連化合物、例えば、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2,4−ジメチルイミダゾリン、4−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、4−メチル−2−フェニルイミダゾリン及びグアニジン;ピラゾール、例えばピラゾール、3−メチルピラゾール及び3,5−ジメチルピラゾール;トリアゾール、例えば1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾール;アミン、例えば、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
(ジメチルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)−アミン、ジイソプロピルアミン、2,2,4−及び2,2,5−トリメチルヘキサメチレンアミン、N−イソプロピル−シクロヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ビス(3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)アミン、エチレンイミン、アミノカプロン酸、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]シラン、3−(2−アミノエチルアミノ)−プロピル−トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)−プロピル−メチルジメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)−エチルアミノ]−プロピル−トリメトキシシラン、アミノメチルトリメチルシラン及びエナミン;ベンズオキサゾロン;3,1−ベンズオキサジン−2,4−ジオン及びベンジルメタクリロヒドロキサメートである。
【0020】
ブロック基前駆体として好ましいものは、オキシム、例えばブタン−2−オン−オキシム;イミダゾール、例えばイミダゾール、及びアミン、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0021】
繊維反応基は、繊維反応性染料の従来技術において既知であり、例えば、Venkataraman “The Chemistry of Synthetic Dyes”Band 6,Seiten 1−209,Academic Press,New York,London 1972又は欧州特許出願公開第625,549号明細書及び米国特許第5,684,138号明細書に記載されている。適当な繊維反応基は、エポキシド誘導体及びそれらの前駆体及びアクリレートも含む。
【0022】
繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの製造は、場合により、不活性溶媒中で、ポリイソシアネートを用いて化学量論量未満の量の繊維反応基前駆体を転換することによって行われる。繊維反応基前駆体は、イソシアネート基と反応しやすく、ウレア又はウレタン基を形成し、それによって該繊維反応基をポリイソシアネートに共有結合させる少なくとも1種の求核基、例えばアミン基又はヒドロキシル基を含む。反応は、室温又は例えば20ないし120℃、好ましくは20ないし80℃の範囲の高温で行われる。
【0023】
繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの製造において考慮される適当な繊維反応基前駆体は、例えば、式
(Z)q−D−(XH)s
[式中、
Dは、脂肪族又は芳香族有機基を表わし、
Zは、繊維反応基を表わし、
Xは、酸素原子、硫黄原子又は基−NR−(式中、Rは、水素原子、又は、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。)を表わし、
q及びsは、互いに独立して、1、2又は3の数を表わす。]で表わされる化合物である。
【0024】
Rとして考慮される炭素原子数1ないし4のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基及びイソブチル基、好ましくはメチル基及びエチル基、特にメチル基である。アルキル基は、例えば、ヒドロキシ基、スルホ基、スルファト基、シアノ基によって又はカルボキシ基によって、好ましくはヒドロキシ基、スルホ基、スルファト基又はカルボキシ基によって更に置換され得る。
【0025】
好ましくは、Xは、基−NR−を表わす。
好ましくは、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基、特に水素原子を表わす。
好ましくは、Xは、基−NR−(ここで、Rは水素原子を表わす。)を表わす。
好ましくは、qは、1又は2の数を表わす。
好ましくは、sは、1又は2の数を表わす。
好ましくは、q及びsは、1の数を表わす。
好ましくは、Dは、ベンゼン又はナフタレン系の基を表わす。
好ましくは、Dはベンゼン又はナフタレン系の基を表わし、Xは基−NR−(ここで、Rは水素原子を表わす。)を表わし、q及びsは1の数を表わす。
【0026】
ベンゼン又はナフタレン系の基の意味において、Dとして適当な置換基は、例えば以下のものである:炭素原子数1ないし4のアルキル基、該基は、メチル基、エチル基、n−又はイソ−プロピル基、n−、イソ−、第二−又は第三−ブチル基を意味すると理解される;炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、該基は、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソ−プロポキシ基又はn−、イソ−、第二−又は第三−ブトキシ基を意味すると理解される;フェノキシ基;未置換の又はアルキル部位を炭素原子数1ないし4のアルコキシ基によって置換された炭素原子数2ないし6のアルカノイルアミノ基、例えばアセチルアミノ基、メトキシアセチルアミノ基又はプロピオニルアミノ基;未置換の又はフェニル部位をスルホ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基によって置換されたベンゾイルアミノ基;未置換の又はアルキル部位を炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基によって置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニルアミノ基;未置換の又はフェニル部位を炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基によって置換されたフェノキシカルボニルアミノ基;炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、例えばメトキシ−又はエトキシカルボニル基;トリフルオロメチル基;ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、該原子は、一般に、例えばフッ素原子、臭素原子、特に塩素原子を意味すると理解される;ウレイド基;カルボキシル基;スルホ基;スルホメチル基;カルバモイル基;カルバミド基;スルファモイル基;未置換の又はフェニル部位をスルホ基又はカルボキシル基によって置換されたN−フェニルスルファモイル基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルスルファモイル基;及びメチル−又はエチルスルホニル基。
【0027】
繊維反応基Zは、共有化学結合を形成するために、セルロースのヒドロキシル基、羊毛及び絹のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びチオール基と、又は合成ポリアミドのアミノ基及び場合によりカルボキシル基と反応可能なものを意味するとして理解される。繊維反応基Zは、一般に、直接又は架橋員を介して、基Dに結合する。適当な繊維反応基Zは、例えば、脂肪族、芳香族又は複素環式の基上で分離され得る少なくとも1種の置換基を含むものであるか、又は言及した基が繊維材料、例えばビニル基と反応可能な基を含むものである。
【0028】
繊維反応基Zは、例えば、式
【化5】

[式中、
Halは、塩素原子又は臭素原子を表わし、
1は、ハロゲン原子、3−カルボキシピリジニ−1−イル又は3−カルバモイルピリ
ジニ−1−イルを表わし、
1は、独立してX1と同じ定義を有するか、又は、非繊維反応置換基又は式(3a)、(3b)、(3c)、(3d)(3e)又は(3f)
【化6】

で表わされる繊維反応基を表わし、
1、R1a及びR1bは、各々互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のア
ルキル基を表わし、
2は、水素原子;未置換の又はヒドロキシ基、スルホ基、スルファト基、カルボキシ
基によって又はシアノ基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基又は基
【化7】

を表わし、
3は、水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基、スルファト基、カルボキシ基、シアノ基
、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルカノイルオキシ基、カルバモイル基又は基−SO2−Yを表わし、
alk及びalk1は、各々互いに独立して、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1な
いし6のアルキレン基を表わし、
アリーレン基は、未置換の又はスルホ基、カルボキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基によって又はハロゲン原子によって置換さ
れたフェニレン基又はナフチレン基を表わし、
Qは、基−O−又は−NR1−(式中、R1は上記で定義した通りである。)を表わし、
Wは、基−SO2−NR2−、−CONR2−又は−NR2CO−(式中、R2は上記で定
義した通りである。)を表わし、
Yは、ビニル基又は基−CH2−CH2−U(式中、Uは、アルカリ条件下で除去可能な基を表わす。)を表わし、
1は、基−CH(Hal)−CH2−Hal又は−C(Hal)=CH2(式中、Ha
lは、塩素原子又は臭素原子を表わす。)を表わし、
l及びmは、各々互いに独立して、1ないし6の整数を表わし、nは0又は1の数を表わし、
2は、ハロゲン原子又は炭素原子数1ないし4のアルキルスルホニル基を表わし、
3は、ハロゲン原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
2は、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を表わす。]に相当する。
【0029】
アルカリ条件下で分離し得る基Uは、例えば、−Cl、−Br、−F、−OSO3H、
−SSO3H、−OCO−CH3、−OPO32、−OCO−C65、−OSO2−炭素原
子数1ないし4のアルキル基又は−OSO2−N(炭素原子数1ないし4のアルキル)2基を表わす。Uは、好ましくは式−Cl、−OSO3H、−SSO3H、−OCO−CH3
−OCO−C65又は−OPO32、特に−Cl又は−OSO3Hで表わされる基、特に
好ましくは式−OSO3Hで表わされる基を表わす。
【0030】
従って、適当な基Yの例は、ビニル基、β−ブロモ−又はβ−クロロエチル基、β−アセトキシエチル基、β−ベンゾイルオキシエチル基、β−ホスファトエチル基、β−スルファトエチル基及びβ−チオスルファトエチル基である。Yは、好ましくは、ビニル基、β−クロロエチル基又はβ−スルファトエチル基、特にビニル基又はβ−スルファトエチル基を表わす。
【0031】
1、R1a及びR1bは、好ましくは、各々互いに独立して、水素原子、メチル基又はエ
チル基、特に水素原子を表わす。
【0032】
2は、好ましくは水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二ブチル基又は第三ブチル基、特に水素原子、メチル基又はエチル基を表わす。R2は、より特には水
素原子を表わす。
【0033】
3は、好ましくは水素原子を表わす。
【0034】
l及びmは、好ましくは、各々互いに独立して、2、3又は4の数、特に2又は3の数を表わす。
【0035】
より特には、lは3の数を表わし、mは2の数を表わす。
【0036】
非繊維反応性である置換基T1は、例えば以下の基を表わす:
ヒドロキシル基;
炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基、又はn−、第二−、イソ−又は第三−ブトキシ基、特にメトキシ基又はエトキシ基;未置換の又はアルキル部位を例えば炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基又はカルボキシル基によって置換された言及した基;炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−又はイソプロピルチオ基又はn−ブチルチオ基;未置換の又はアルキル部位を例えば炭素原子数1ないし
4のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基又はカルボキシル基によって置換された言及した基;
アミノ基;
N−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし6のアルキルアミノ基、好ましくはN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;未置換の、未中断の又はアルキル部位を酸素原子によって中断された又はアルキル部位を例えば炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基、スルファト基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基又はスルファモイル基によって置換された言及した基;例として、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基又はN,N−ジ−エチルアミノ基、N−β−ヒドロキシエチルアミノ基、N,N−ジ−β−ヒドロキシエチルアミノ基、N−2−(β−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ基、N−2−[2−(β−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチルアミノ基、N−β−スルファトエチルアミノ基、N−β−スルホエチルアミノ基、N−カルボキシメチルアミノ基、N−β−カルボキシエチルアミノ基、N−α,β−ジカルボキシエチルアミノ基、N−α,γ−ジカルボキシプロピルアミノ基、N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ基又はN−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ基がある:炭素原子数5ないし7のシクロアルキルアミノ基、例えばシクロヘキシルアミノ基、該基は、未置換の基及びシクロアルキル環中を例えば炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基、又はカルボキシル基によって置換された基を含む。;
フェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基、該基は、未置換の基及びフェニル環中を例えば炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルホ基又はハロゲン原子によって置換された基、例えば、2−、3−又は4−クロロフェニルアミノ基、2−、3−又は4−メチルフェニルアミノ基、2−、3−又は4−メトキシフェニルアミノ基、2−、3−又は4−スルホフェニルアミノ基、ジスルホフェニルアミノ基又は2−、3−又は4−カルボキシフェニルアミノ基を含む。;未置換の又はナフチル環中を例えばスルホ基、好ましくは1ないし3個のスルホ基で置換された基によって置換されたナフチルアミノ基、例えば1−又は2−ナフチルアミノ基、1−スルホ−2−ナフチルアミノ基、1,5−ジスルホ−2−ナフチルアミノ基又は4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ基;
未置換の又はフェニル部位を例えば炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基又はハロゲン原子によって置換されたベンジルアミノ基;又は
更なるヘテロ原子を含み得る又は含み得ないN−複素環、例えばモルホリノ基又はピペリジニ−1−イル基。
【0037】
非繊維反応基としてのT1は、好ましくは、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭
素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基;未置換の又はアルキル部位をヒドロキシ基、スルファト基によって又はスルホ基によって置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;モルホリノ基;又は、各々未置換の又はフェニル環中をスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、メチル基によって又はメトキシ基によって置換されたフェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基(ここで、アルキル基は、未置換であるか、又は、ヒドロキシ基、スルホ基によって又はスルファト基によって置換される。);又は、未置換の又は1ないし3個のスルホ基によって置換されたナフチルアミノ基を表わす。
【0038】
特に好ましい非繊維反応基T1は、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ
基、N−β−ヒドロキシエチルアミノ基、N−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ
基、N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ基、N,N−ジ−β−ヒドロキシエチルアミノ基、モルホリノ基、2−、3−又は4−カルボキシフェニルアミノ基、2−、3−又は4−スルホフェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基である。
【0039】
1は、好ましくはハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、特に
塩素原子又はフッ素原子を表わす。ハロゲン原子としてのT2、X2及びX3は、例えば、
フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、特に塩素原子又はフッ素原子を表わす。
【0040】
炭素原子数1ないし4のアルキルスルホニル基としてのX2は、例えばエチルスルホニ
ル基又はメチルスルホニル基、特にメチルスルホニル基を表わす。
【0041】
炭素原子数1ないし4のアルキル基としてのX3は、例えばメチル基、エチル基、n−
又はイソ−プロピル基、n−、イソ−又は第三−ブチル基、特にメチル基を表わす。
【0042】
2及びX3は、好ましくは、各々互いに独立して、塩素原子又はフッ素原子を表わす。
【0043】
2は、好ましくは、シアノ基又は塩素原子を表わす。
【0044】
Halは、好ましくは臭素原子を表わす。
【0045】
alk及びalk1は、各々互いに独立して、例えばメチレン基、エチレン基、1,3
−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基又は1,6−ヘキシレン基、又はその枝分かれした異性体を表わす。
【0046】
alk及びalk1は、好ましくは、各々互いに独立して、炭素原子数1ないし4のア
ルキレン基、特にエチレン基又はプロピレン基を表わす。
【0047】
アリーレン基は、好ましくは、未置換の又は例えば、スルホ基、メチル基、メトキシ基によって又はカルボキシ基によって置換された1,3−又は1,4−フェニレン基、特に未置換の1,3−又は1,4−フェニレン基を表わす。
【0048】
Qは、好ましくは−NH−又は−O−、特に−O−を表わす。
【0049】
Wは、好ましくは、式−CONH−又は−NHCO−で表わされる基、特に式−CONH−で表わされる基を表わす。
【0050】
nは、好ましくは0の数を表わす。
【0051】
式(3a)ないし(3f)で表わされる反応基は、好ましくは、Wが式−CONH−で表わされる基を表わし、R1が水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、R2及びR3
、各々、水素原子を表わし、Qが基−O−又は−NH−を表わし、alk及びalk1
各々互いに独立してエチレン基又はプロピレン基を表わし、アリーレン基が未置換の又はメチル基、メトキシ基、カルボキシ基によって又はスルホ基によって置換されたフェニレン基を表わし、Yがビニル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、Y1が−CHBr−
CH2Br又は−CBr=CH2を表わし、nが0の数を表わすものである。
【0052】
D中に存在する繊維反応基は、好ましくは、式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)、(2e)又は(2f)(式中、Yは、ビニル基、β−クロロエチル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、Halは、臭素原子を表わし、R2及びR1aは、水素原子を表わ
し、m及びlは2又は3の数を表わし、X1は、水素原子を表わし、T1は、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基;未置換の又はアルキル部位をヒドロキシ基、スルファト基によって又はスルホ基によって置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;モルホリノ基;又は、各々未置換の又はフェニル環中をスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、メチル基によって又はメトキシ基によって置換されたフェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基(ここで、アルキル基は、未置換であるか、又は、ヒドロキシ基、スルホ基によって又はスルファト基によって置換される。);又は、未置換の又は1ないし3個のスルホ基によって置換されたナフチルアミノ基を表わす。)で表わされる基に相当するか、又は式(3a’)、(3b’)、(3c’)、(3d’)又は(3f’)、特に(3c’)又は(3d’)
【化8】

(式中、
Yは、上記で定義した通りであり、
1は、基−CH(Br)−CH2−Br又は−C(Br)=CH2を表わす。)で表わ
される繊維反応基である。
【0053】
式(3a’)及び(3b’)で表わされる基の場合、Yは、好ましくはβ−クロロエチル基を表わす。式(3c’)及び(3d’)で表わされる基の場合、Yは、好ましくはビニル基又はβ−スルファトエチル基を表わす。
【0054】
本発明の興味深い態様において、繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの製造において考慮される繊維反応基前駆体は、例えば、式(1)(式中、脂肪族基としてのDは、酸素原子によって中断され得る炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表わし、Xは、上記で定義したもの及び上記の好ましいものを表わし、Zは、式(2a)で表わされる基を表わす。)で表わされる化合物である。
【0055】
酸素原子によって中断される炭素原子数2ないし8のアルキレン基の意味におけるDは、好ましくは、酸素原子によって中断される炭素原子数2ないし6のアルキレン基、特に酸素原子によって中断される炭素原子数2ないし4のアルキレン基、例えば基−(CH2
2−O−(CH22−、−(CH23−O−(CH22−又は−(CH23−O−(C
23−、特に基−(CH22−O−(CH22−を表わす。
【0056】
ベンゼン又はナフタレン系の基の意味におけるDは、特に、未置換の又はハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、カルボキシ基及びスルホ基の群から選択される少なくとも1個の置換基、例えば1個、2個又は3個の置換基によって置換されたフェニレン基又はナフチレン基を表わす。
【0057】
好ましくは、繊維反応基前駆体は、式
【化9】

[式中、
Rは、上記で定義したもの及び上記の好ましいものを表わし、
(R40-3は、0ないし3個の同じ又は異なる、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、カルボキシ基及びスルホ基の群から選択される置換基を表わし、
Zは、上記した式(2a)、(2c)、(2d)、(2e)又は(2f)[式中、R1a及びR2は、水素原子を表わし、Halは、臭素原子を表わし、Yは、ビニル基、β−ク
ロロエチル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、T1は、炭素原子数1ないし4のア
ルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基;未置換の又はアルキル部位をヒドロキシ基、スルファト基によって又はスルホ基によって置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;モルホリノ基;又は、各々未置換の又はフェニル環中をスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、メチル基によって又はメトキシ基によって置換されたフェニルアミノ基又はN−炭素原子数1ないし4のアルキル−N−フェニルアミノ基(ここで、アルキル基は、未置換であるか、又は、ヒドロキシ基、スルホ基によって又はスルファト基によって置換される。);又は、未置換の又は1ないし3個のスルホ基によって置換されたナフチルアミノ基を表わすか、又は上記した式(3c’)又は(3d’)(式中、Yは、上記で定義した通りであり、X1は、塩素原子又はフッ素原子を表わし、mは、2又は3の数を表わ
す。)で表わされる繊維反応基を表わす。]で表わされる基を表わす。]で表わされる化合物である。
【0058】
炭素原子数1ないし4のアルキル基としてのR4は、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、第三−ブチル基又はイソブチル基、好ましくはメチル基又はエチル基、特にメチル基であり得る。
【0059】
炭素原子数1ないし4のアルコキシ基としてのR4は、例えばメトキシ基、エトキシ基
、N−プロポキシ基、イソプロポキシ基、N−ブトキシ基又はイソブトキシ基、好ましくはメトキシ基又はエトキシ基、特にメトキシ基であり得る。
【0060】
ハロゲン原子としてのR4は、例えばフッ素原子、塩素原子又は臭素原子、好ましくは
塩素原子又は臭素原子、特に塩素原子であり得る。
【0061】
特に、繊維反応基前駆体は、式
【化10】

(式中、
Rは、上記で定義したもの及び上記の好ましいものを表わし、
(R40-2は、0ないし2個の同じ又は異なる、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基及びスルホ基、特にメチル基、メトキシ基及びスルホ基の群から選択される置換基を表わし、
1は、基−CH(Br)−CH2−Br又は−C(Br)=CH2を表わし、
Yは、ビニル基、β−クロロエチル基又はβ−スルファトエチル基、特にビニル基又はβ−スルファトエチル基を表わし、
mは、2又は3、特に2の数を表わす。)で表わされる化合物である。
【0062】
特に好ましくは、繊維反応基前駆体は式(1aa)又は(1ac)で表わされる化合物である。
【0063】
式(1)で表わされる化合物は、既知であるか又は、反応性染料の従来技術において記載される既知の方法に従って製造され得る。
【0064】
繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートは、新規であり、別の本発明の対象である。変更可能なものは、上記で定義したもの及び上記の好ましいものである。
【0065】
機能化粒子の製造において適当な多価アルコールは、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及び炭化水素ポリオールであり得る。
【0066】
ポリエステルポリオールは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン及び3−メチルテトラヒドロフラン等の炭素原子数2ないし5のアルキレンオキシドを含むアルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマー;開始剤として、12−ヒドロキシステアリルアルコール及び水素化ダイマージオール等の炭素原子数14ないし40のポリオールを使用することによって得られる上記アルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマー;及び、ビスフェノール−A又は水素化ビスフェノールAとの上記アルキレンオキシドの付加物であり得る。これらのポリエーテルポリオールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用され得る。特定の例は、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテト
ラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールである。
【0067】
ポリエステルポリオールは、例えば、ジオール成分とラクトンの付加反応生成物、ジオール成分と多価カルボン酸の反応生成物、及び、ジオール成分、二塩基酸及びラクトンを含む3成分の付加反応生成物であり得る。ジオール成分は、低分子量の炭素原子数2ないし40の脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、12−ヒドロキシステアリルアルコール及び水素化ダイマージオール;及びビスフェノール−Aのアルキレンオキシド付加物であり得る。ラクトンは、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン及びβ−メチル−デルタバレロラクトンであり得る。多価カルボン酸は、例えば、脂肪族ジカルボン酸、例えば琥珀酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸;及び芳香族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸であり得る。
【0068】
ポリカーボネートポリオールは、例えば、短鎖ジアルキルカーボネートと上記したポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びジオール成分、例えば2−メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−オクタンジオール及び1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンから選択される成分の反応によって得られ得るポリカーボネートジオールであり得る。短鎖ジアルキルカーボネートは、例えば、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等の炭素原子数1ないし4のアルキルカーボネートであり得る。
【0069】
低分子量のポリオールが使用され得る。低分子量のポリオールの例は、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、高級脂肪酸ポリオール及び高級炭化水素ポリオール、例えば、ヒマシ油、ココナッツ油、モノミリスチン(1−モノミリスチン及び2−モノミリスチン)、モノパルミチン(1−モノパルミチン及び2−モノパルミチン)、モノステアリン(1−モノステアリン及び2−モノステアリン)、モノオレイン(1−モノオレイン及び2−モノオレイン)、9,10−ジオキシステアリン酸、12−ヒドロキシリシノレイルアルコール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、1,16−ヘキサデカンジオール(ユニペリン酸又はタプシン酸(thapcic acid)の還元生成物)、1,21−ヘニコサンジオール、キミルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコール及びダイマー酸ジオールを含む。
【0070】
機能化粒子の製造において適当なポリアミン化合物は、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン及び脂環式ポリアミンからなる群から選択され得る。典型的な例は、ポリビニルアミン、ポリビニルイミン、1,2−エチレンジアミン、ヒドラジン、ヒドラジン−2−ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−メチル−ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミ
ン、2,4,6−トリアミノトルエントリヒドロクロリド、1,3,6−トリアミノナフタレン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、水素化キシリレンジアミン、4,4’−ジ−ジアミノフェニルメタン、水素化4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びこれらのポリアミンモノマーの誘導体を含む。脂肪族及び/又は脂環式のポリアミンが好ましい。言及したポリアミンは、個々に又は少なくとも2種のポリアミンの混合物として使用され得る。
【0071】
ポリアミン化合物は、本発明に従った機能化微粒子の製造のために好ましい。
【0072】
アミノアルコールの例は、N−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びアミノプロピルアルコールである。
【0073】
水相中に分散される疎水性油相は、必要に応じて非反応性の疎水性有機溶媒を添加することによって、粘度を減少され得る。この場合の有機溶媒の量は、全疎水性相の質量に基づき、80質量%以下が適当である。使用され得る有機溶媒の例は、芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;エステル、例えばジメチルフタレート;エーテル;及びケトンを含む。必要に応じて、これらの有機溶媒は、ポリマー微粒子の形成中又は形成後に、加熱又は減圧によって除去され得る。
【0074】
疎水性相が分散されるところの水相は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アラビアゴム、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン及びエチレン無水マレインコポリマー等の少なくとも1種の保護コロイドの水相に基づき、0.1ないし20質量%含み得る。水相は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性の界面活性剤の水相に基づき、0.1ないし10質量%含み得る。
【0075】
本発明の粒子は、粒子におけるコア材料として様々な物質を含み得る。コア材料は、予め疎水性オイル相中に含有されることによって、最終的には粒子の内部に取り込まれる。コア材料の典型的な例は、顔料、薬理活性化合物、抗菌物質、香料、香水、芳香剤、化粧品用活性物質、難燃剤、ビタミン、相変化材料、触媒及び酵素を含む。必要に応じて、本発明の粒子は、イソシアネート基を不活性にしない限りは、可塑剤、パラフィン、動物性及び植物性油、シリコーン油及び合成樹脂(例えば、キシレン樹脂及びケトン樹脂)を含み得る。
【0076】
本発明の機能化粒子の製造方法を以下に簡潔に記載する:
水相中に疎水性相を分散させる工程は、分散液を安定化するために、例えば5ないし90℃の温度において行われる。分散は、高速攪拌器、ホモゲナイザー、ホモディスパーサー又はプロペラ型の一般的な攪拌器等の適当な分散装置によって又は慣用の方法によって容易に行われ得る。
【0077】
大抵の場合において、分散工程の終了後、プロペラ型の攪拌器を使用して、分散液を穏やかに攪拌することが好ましい。
【0078】
平均粒子径は温度及び攪拌速度に依存し、小さな粒子径を得るためには、速い攪拌速度及び高温が好ましい。更に、平均粒子径は、反応媒体の粘度によって制御され得る。粘度は、粘度調節剤又は増粘剤を、例えば、市販で入手可能なアルギネート増粘剤、澱粉エーテル又はローカストビーン粉末エーテル(locust bean flour ether)、アルギン酸ナトリウムを単独で又は変性されたセルロース、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースとの、特に、好ましくは20ないし25質量%のカルボキシメチルセルロースとの混合物を添加することによって調整され得る。言及され得る合成増粘剤は、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド又はポリビニルピロリドンベースのものである。
【0079】
ポリアミン又は多価アルコールの添加前又は添加後、特に添加前、ジブチル錫ジラウレート等のウレタン化反応を進める有機金属触媒が、分散液の総量に基づき5ないし10000ppmの量で添加され得る。
【0080】
ポリアミン又は多価アルコールは、例えば5ないし90℃の温度において分散液に添加される。好ましくは、ポリアミン又は多価アルコールは、その有効量が5ないし70%となるように、水で希釈された後に添加される。
【0081】
例えば、1ないし180分後、好ましくは5ないし60分後、反応温度は、例えば40ないし95℃、好ましくは40ないし65℃に上げられる。ほぼ完全に球状の強く架橋された微粒子を得るために、反応混合物は、該温度において、例えば1ないし180分間、好ましくは5ないし120分間維持される。
【0082】
結果として得られる粒子は、各目的に従って使用される。それらは、噴霧乾燥法、濃縮分離乾燥法、濾過乾燥法又は流動層乾燥法によって乾燥させた後、微細粉末の形態において使用され得る。
【0083】
このようにして得られる本発明の機能化微粒子において、反応は、内部に未反応のイソシアネート基の痕跡がほぼなくなる程度まで十分に完了される。従って、粒子は、非常に強固であり、優れた耐溶媒性を有する。
【0084】
従って、本発明は、本発明の機能化粒子の製造方法であって、水中油分散液を製造する工程及び、(i)疎水性の油相中に溶解した、部分的にブロックされたポリイソシアネート及び繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネートの群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネート誘導体と(ii)水相中に溶解した、少なくとも1種のポリアミン又は多価アルコールの各分散油滴の周りの油−水界面で縮重合させる工程を含む方法(ここで、変更可能なものは、上記したように定義され、かつ上記したものが好ましい。)に関する。
【0085】
好ましくは、製造方法は、更に、疎水性油相中にカプセル化される物質を含有することによって行われる。
【0086】
本発明に従った機能化微粒子は、外部シェルに接続された繊維反応基又はブロックされたイソシアネート基により、求核基、例えば−OH、−NH又は−SHを含む様々な化合物又は基材と反応可能である。ブロックされたイソシアネート基は、例えば100ないし230℃、好ましくは120ないし180℃の高温において脱ブロック化し、該化合物又は基材の求核部位と共有結合を形成する。反応性染料を用いた繊維染色又は印刷の従来技術において既知のように、繊維反応基は、例えば、ソーダ、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリの存在下において、室温又は、湿潤条件において、例えば0ないし230℃、好ましくは20ないし80℃、乾燥条件において120ないし180℃の高温で共有結合を形成する。
【0087】
考慮される化合物は、低分子量化合物、例えばアルコール、チオール又はアミン、又は、高分子量化合物、例えば天然又は合成ポリマー又は様々なポリマー類の混合物、例えば澱粉、セルロース、グリコーゲン、マンナン、ペクチン、キチン、キトサン、アルギン酸
、アルブミン、コラーゲン、エラスチン、グロブリン、フィブリノーゲン、ケラチン、リグニン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、フェノール、アミノプラスティック、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアリルアルコール、ポリアリルアミン、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエポキシド、セルロース−アクリレート、澱粉−アクリレート、多糖部位含有バイオポリマー、例えばグリコペプチド又は澱粉タンパク質等である。考慮される基材は、例えば、実質的に非水溶性の上記ポリマーを含む。それらは、例えばペレット、ビーズ、シート又は繊維の形態である。該例は、ポリマービーズ、紙、織物繊維材料、ケラチン繊維、例えばヒトの毛髪又は革である。基材としては、例えば末端ヒドロキシル基、チオール基又はアミノ基を有する銀又は金基材上の自己組織化単分子膜(SAMs)も考慮される。SAMsは、例えばScience 1991,254(5036),1312−1319;Journal of
Physical Chemistry B,1998,102(2),426−436;又は国際公開第98/58967号パンフレットに記載されている。機能化微粒子を用いた前記基材の変性は、特に表面又は表面近くの範囲に作用する。
【0088】
従って、本発明はまた、機能化微粒子で変性された化合物又は基材の製造方法であって、前記化合物又は基材と本発明の機能化微粒子を反応させて、該化合物又は基材に該微粒子を付着させることを含む方法(ここで、変更可能なものは、上記で定義した通りであり、かつ上記したものが好ましい。)にも関する。
【0089】
化合物の変性及び基材の表面変性は、例えば水溶液中で、適当には界面活性剤の存在下において行われ得る。
【0090】
変性された化合物又は基材は、例えば以下のために使用され得る:
−表面に対する接着性を改善するため。
−対応するマトリックス中でポリマー/オリゴマーを可溶化するため。
−ポリマーを親水性又は疎水性にするため。
−周囲媒質の湿潤性及び相溶性を改善するため。
−凝集に対する安定性を増加させるため。
−レオロジーを改変するため。
−フィルム形成を改善するため。
−殺生物剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺菌剤、除草剤、フェロモン、香料、芳香剤、薬理活性化合物、帯電性仕上げ又は難燃性仕上げのための活性化合物、UV−安定剤、染料、顔料又はそれらの混合物等の活性物質をカプセル化し、制御された方法において、該活性化合物を放出するため。
−活性化合物の生物学的利用能を増加させるため。
−繊維用途のための相変化材料、例えば半合成グリセリドをカプセル化するため。
−複合体形成によって、活性化合物を、例えば、光、温度、酸化、加水分解、蒸発に対して安定化するため。
−活性化合物を可溶化するため。
−カプセル化によって、活性化合物の毒性又は刺激を減少させるため。
【0091】
基材として好ましいものは、ヒドロキシル基含有又は窒素含有繊維材料、例えば織物繊維材料、ケラチン繊維、例えばヒトの毛髪、又は紙、特に織物繊維材料である。織物繊維材料は、繊維、糸又は反物、例えば不織布、編布及び織布、パイル繊維又はテリー織布の形態であり得る。例としては、絹、羊毛、ポリアミド繊維及びポリウレタン、特に全ての種類のセルロース系繊維材料が挙げられる。該セルロース系繊維材料は、例えば綿、リンネル及び麻等の天然セルロース繊維、並びにセルロース及び再生セルロースである。本発明に従った機能化微粒子は、混紡布、例えば綿とポリエステル繊維又はポリアミド繊維の混合物に含まれるヒドロキシル基含有繊維の仕上げにも適当である。本発明に従った機能
化微粒子は、特に、セルロース系材料の仕上げのために適当である。それらは、更に、天然又は合成ポリアミド繊維材料の仕上げのために使用され得る。
【0092】
本発明に従った機能化微粒子は、繊維産業において反応性染料のために知られる染色加工又は仕上加工と同様に、水溶液中で繊維製品に適用される。それらは、塩を含み得る水溶液を繊維製品に染み込ませるところの噴霧法、浸染法及びパッド法において適当である。反応性染料を用いた染色において慣用の染色装置が、好ましくはこのために利用される。本発明に従った機能化微粒子は、適当ならば、アルカリ処理後、又は、好ましくはアルカリの存在下において、熱、スチームの作用下で又は数時間、室温で貯蔵することによって、固定されることにより、基材と化学結合を形成する。優れた効果持続性をもたらし得る繊維仕上げ加工において、本発明に従った機能化微粒子は、架橋剤又は樹脂仕上げ剤、例えばジメチロール−ウレア、ジメトキシ−メチル−ウレア、トリメトキシ−メチル−メラミン、テトラメトキシ−メチル−メラミン、ヘキサメトキシ−メチル−メラミン、ジメチロール−ジヒドロキシ−エチレン−ウレア、ジメチロール−プロピレン−ウレア、ジメチロール−4−メトキシ−5,5’−ジメチル−プロピレン−ウレア、ジメチロール−5−ヒドロキシプロピレン−ウレア、ブタン−テトラ−カルボン酸、クエン酸、マレイン酸、結合剤、例えば、アクリレート、シリコーン、ウレタン、ブタジエンの存在下においても適用され得る。該繊維仕上げ加工は、例えば欧州特許出願公開第4035378号明細書に記載されている。固定後、仕上げられた基材は、適当ならば分散作用を有し、かつ非固定部分の拡散を進める試薬を添加して、冷水及び温水で十分にすすがれる。
【0093】
仕上げられた基材は、基材の総質量に基づき、例えば0.1ないし25質量%、好ましくは1ないし10質量%の本発明に従った機能化微粒子を含む。
【0094】
以下の実施例で本発明を説明する。特に記載がない限りは、部及びパーセントは質量に基づく。
【実施例】
【0095】
実施例1:
オキシムで部分的にブロックされたジイソシアネートの製造(ブロック度 15%):
2,4−トルイレンジイソシアネート5.0g(28.59mmol)を塩化メチレン30mL中に溶解した。この溶液に、室温において強く攪拌しながら、塩化メチレン10mL中ブタン−2−オン−オキシム0.75g(8.58mmol)の溶液を滴下添加した。反応混合物を還流下で30分間加熱し、溶媒を留去した。微粒子の製造において直接使用される粘性の液体を得た。
【0096】
実施例2ないし7:
0.75gのブタン−2−オン−オキシムの代わりに表1に示した量のブタン−2−オン−オキシムを使用したこと以外は実施例1と同様の方法によって、表1に示したブロック度を有する部分的にブロックされた2,4−トルイレンジイソシアネートを得た。
表1:
【表1】

【0097】
実施例8:
繊維反応基で部分的に変性されたジイソシアネートの製造(ブロック度 15%):
真空中で五酸化二リンで予め乾燥させた式D10−NH2(式中、D10は、式
【化11】

で表わされる基を表わす。)で表わされるアミン2.5gを、穏やかな加熱により無水ジメチルアセトアミド4gに溶解した。この溶液に、強く攪拌しながら、2,4−又は2,6−トルイレンジイソシアネート5.0g(28.59mmol)を滴下添加し、反応を40℃で1時間続けた。結果として得られた溶液は、微粒子の製造において直接使用され得る。
【0098】
実施例9ないし14:
2.5gの式D10−NH2で表わされるアミンの代わりに表2に示した量の式D10−N
2で表わされるアミンを使用したこと以外は実施例8と同様の方法によって、表2に示
したブロック度を有する部分的に変性された2,4−トルイレンジイソシアネートを得た。
表2:
【表2】

【0099】
実施例15ないし37:
2.5gの式D10−NH2で表わされるアミンの代わりに表3に列挙した等モル量の式
xy−NH2で表わされるアミンを使用したこと以外は実施例8と同様の方法によって、
部分的に変性された2,4−トルイレンジイソシアネートを得た。
表3:
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0100】
実施例38:
オキシムで部分的にブロックされたジイソシアネートを用いた微粒子の製造:
以下の溶液を調製した:
溶液I:市販の非イオン性界面活性剤0.1gを脱イオン水に溶解し、界面活性剤溶液100gを得た。
溶液II:市販の抗菌活性物質(チバスペシャルティケミカルズ社製トリクロサン(登録商標:TRICLOSAN))1gをジメチルフタレート9gに溶解した。この溶液に、実施例1に記載の部分的にブロックされたジイソシアネート1.5gを添加し、得られた溶液をロダミン6G(Rhodamin 6G)で染色した。
溶液III:BASF社製ポリビニルアミン2.48gを脱イオン水に溶解し、水性ポリビニルアミン溶液5.0gを得た。
溶液IV:ジエチレントリアミン1.78gを脱イオン水に溶解し、水性ジエチレントリアミン溶液5.0gを得た。
微粒子の形成は、高速攪拌器を用いて35℃において行った。溶液IIを溶液Iに滴下添加し、混合物を2分間乳化した。その後、溶液IIIを得られた混合物に滴下添加し、高速攪拌器での攪拌を用いて、反応を35℃で5分間続けた。その後、溶液IVを反応混合物に滴下添加した。添加後、プロペラ型の一般的な攪拌器を使用して、35℃において30分間及び40℃において更に30分間攪拌を続け、シェルの硬化を完了させた。すすいだ水が中性になるまで、得られた懸濁液を脱イオン水ですすいだ。7.36μmの平均粒径を有する微細な微粒子が得られた。
【0101】
実施例39ないし44:
実施例1に記載の部分的にブロックされたジイソシアネートの代わりに表4に記載の部分的にブロックされた2,4−トルイレンジイソシアネートの1つを使用したこと以外は実施例38と同様の方法によって、表4に記載の平均粒径を有する微細な微粒子を得た。
表4:
【表8】

【0102】
実施例45:
繊維反応基で部分的に変性されたジイソシアネートを用いた微粒子の製造:
以下の溶液を調製した:
溶液I:市販の非イオン性界面活性剤0.1gを脱イオン水に溶解し、界面活性剤溶液100gを得た。
溶液II:市販の抗菌活性物質(チバスペシャルティケミカルズ社製トリクロサン(登録商標:TRICLOSAN))1gをジメチルフタレート9gに溶解した。この溶液に、部分的に変性されたジイソシアネートを含む実施例8に記載の溶液2.3gを添加し、混合物を均一化した。その後、混合物をロダミン6Gで染色した。
溶液III:BASF社製ポリビニルアミン2.48gを脱イオン水に溶解し、水性ポリビニルアミン溶液5.0gを得た。
溶液IV:ジエチレントリアミン1.78gを脱イオン水に溶解し、水性ジエチレント
リアミン溶液5.0gを得た。
微粒子の形成は、高速攪拌器を用いて35℃において行った。溶液IIを溶液Iに滴下添加し、混合物を2分間乳化した。その後、溶液IIIを得られた混合物に滴下添加し、高速攪拌器での攪拌を用いて、反応を35℃で5分間続けた。その後、溶液IVを反応混合物に滴下添加した。添加後、プロペラ型の一般的な攪拌器を使用して、35℃において30分間及び40℃において更に30分間攪拌を続け、シェルの硬化を完了させた。すすいだ水が中性になるまで、得られた懸濁液を脱イオン水ですすいだ。7.44μmの平均粒径を有する微細な微粒子が得られた。
【0103】
実施例46ないし51:
実施例8に記載の部分的に変性されたジイソシアネートの代わりに表5に記載の部分的に変性されたジイソシアネートを使用したこと以外は実施例45と同様の方法によって、表5に記載の平均粒径を有する微細な微粒子を得た。
表5:
【表9】

実施例8に記載の部分的に変性されたジイソシアネートの代わりに実施例15ないし37に記載の部分的に変性されたジイソシアネートを使用したこと以外は実施例45と同様の方法によって、微細な微粒子を得た。
【0104】
実施例52:
イミダゾールで部分的にブロックされたジイソシアネートの製造(ブロック度 15%):
2,4−トルイレンジイソシアネート5.0g(28.59mmol)をクロロホルム30mL中に溶解した。この溶液に、室温において強く攪拌しながら、クロロホルム10mL中イミダゾール0.29g(8.58mmol)の溶液を滴下添加した。反応混合物を還流下で30分間加熱し、溶媒を留去した。得られた生成物は、微粒子の製造において直接使用される。
【0105】
実施例53:
シロキサンで部分的に変性されたジイソシアネートの製造(ブロック度 15%):
2,4−トルイレンジイソシアネート5.0g(28.59mmol)を塩化メチレン30mL中に溶解した。この溶液に、室温において強く攪拌しながら、塩化メチレン10mL中3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.75g(8.58mmol)の溶液を滴下添加した。反応混合物を還流下で30分間加熱し、溶媒を留去した。得られた生成物は、微粒子の製造において直接使用される。
【0106】
実施例54:
イミダゾール又はシロキサンで部分的にブロックされたジイソシアネートを用いた微粒子の製造:
以下の溶液を調製した:
溶液I:市販の非イオン性界面活性剤0.1gを脱イオン水に溶解し、界面活性剤溶液
100gを得た。
溶液II:市販のUV安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製チヌビン 328(登録商標:TINUVIN))1gを半合成グリセリド(融点:35−37℃)中イルガフォア レッド(登録商標:IRGAPHOR)(3.7%)の懸濁液9gに溶解した。この溶液に、実施例52又は53に記載の部分的にブロックされたジイソシアネート1.5gを添加し、混合物を攪拌により均一化した。
溶液III:BASF社製ポリビニルアミン2.48gを脱イオン水に溶解し、水性ポリビニルアミン溶液5.0gを得た。
溶液IV:ジエチレントリアミン1.78gを脱イオン水に溶解し、水性ジエチレントリアミン溶液5.0gを得た。
微粒子の形成は、高速攪拌器を用いて35ないし60℃において行った。溶液IIを溶液Iに滴下添加し、混合物を2分間乳化した。その後、溶液IIIを得られた混合物に滴下添加し、反応を言及した条件下で5分間続けた。その後、溶液IVを反応混合物に滴下添加した。添加後、プロペラ型の一般的な攪拌器を使用して、35℃又は55℃において30分間及び40℃又は60℃において更に30分間攪拌を続け、シェルの硬化を完了させた。すすいだ水が中性になるまで、得られた懸濁液を脱イオン水ですすいだ。攪拌速度に依存して5ないし10μmの平均粒径を有する微細な微粒子が得られた。
【0107】
実施例55:
イミダゾール又はシロキサンで部分的にブロックされたジイソシアネートを用いた微粒子の製造:
以下の溶液を調製した:
溶液I:BASF社製ポリビニルアミン2.48gを脱イオン水に溶解し、水性ポリビニルアミン溶液100gを得た。
溶液II:市販のUV安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製チヌビン 328(登録商標:TINUVIN))1gを半合成グリセリド(融点:35−37℃)中イルガフォア レッド(登録商標:IRGAPHOR)(3.7%)の懸濁液9gに溶解した。この溶液に、実施例52又は53に記載の部分的にブロックされたジイソシアネート1.5gを添加し、混合物を攪拌により均一化した。
溶液III:ジエチレントリアミン1.78gを脱イオン水に溶解し、水性ジエチレントリアミン溶液5.0gを得た。
微粒子の形成は、高速攪拌器を用いて35ないし60℃において行った。溶液IIを溶液Iに滴下添加し、混合物を5分間乳化した。その後、溶液IIIを得られた混合物に滴下添加した。添加後、反応を、プロペラ型の一般的な攪拌器を使用して、35℃又は55℃において30分間及び40℃又は60℃において更に30分間続け、シェルの硬化を完了させた。すすいだ水が中性になるまで、得られた懸濁液を脱イオン水ですすいだ。攪拌速度に依存して4ないし8μmの平均粒径を有する微細な微粒子が得られた。
【0108】
実施例56ないし59:
5.0g(28.59mmol)の2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)の代わりに等量の下記物質を使用したこと以外は実施例1と同様の方法によって、ブロック度15%の部分的にブロックされたジイソシアネートを得た:
実施例56:3−イソシアネート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)。
実施例57:4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)。
実施例58:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)。
実施例59:1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)。
【0109】
実施例60ないし63:
実施例1に記載の部分的にブロックされたジイソシアネートの代わりに実施例56ないし59に記載の部分的にブロックされたジイソシアネートの1つを使用したこと以外は実施例38と同様の方法によって、微細な微粒子を得た。
【0110】
適用実施例1:実施例38に従って得られた微粒子100部及びマーリパル 013/109(登録商標:MARLIPAL)(サソル(SASOL)社製界面活性剤))100部を水に懸濁して、混合物1000部を調製した。混合物を、30℃において超音波浴中で15分間均一化した。綿トリコット織布に、その質量が約100%増加するように、フーラル上の混合物を染み込ませた。該パッド工程を4回繰り返した。その後、生地を80℃以下の温度で乾燥させ、150℃又は170℃において1分間固定した。
【0111】
適用実施例2:実施例45に従って得られた微粒子100部及びマーリパル 013/109(登録商標:MARLIPAL)(サソル(SASOL)社製界面活性剤)100部を水に懸濁して、混合物1000部を調製した。混合物を、30℃において超音波浴中で15分間均一化した。綿トリコット織布に、その質量が約100%増加するように、フーラル上の混合物を染み込ませた。該パッド工程を4回繰り返した。生地を、ソーダ20g/Lを含む水性アルカリ液中で60℃において4時間処理することにより固定した。生地を水ですすぎ、その後、乾燥させた。
【0112】
適用実施例3:実施例38に従って得られた微粒子50部及びチバフルイド C(登録商標:CIBAFLUID)(チバ スペシャルティ ケミカルズ社製滑剤)400部を水に懸濁して、混合物1000部を調製した。混合物を、30℃において超音波浴中で15分間均一化した。綿トリコット織布に、その質量が約100%増加するように、フーラル上の混合物を染み込ませた。該パッド工程を4回繰り返した。その後、生地を80℃以下の温度で乾燥させ、150℃又は170℃において1分間固定した。
【0113】
適用実施例4:実施例45に従って得られた微粒子50部及びチバフルイド C(登録商標:CIBAFLUID)(チバ スペシャルティ ケミカルズ社製滑剤)400部を水に懸濁して、混合物1000部を調製した。混合物を、30℃において超音波浴中で15分間均一化した。綿トリコット織布に、その質量が約100%増加するように、フーラル上の混合物を染み込ませた。該パッド工程を4回繰り返した。生地を、ソーダ20g/Lを含む水性アルカリ液中で60℃において4時間処理することにより固定した。生地を水ですすぎ、その後、乾燥させた。
【0114】
織布に、以下の条件下で40℃において洗浄試験を受けさせた(1回、5回、10回及び20回):
洗剤 :ECE色堅牢度試験用洗剤77 30g
洗濯機 : Wascator FOM71 MP LAB
洗濯時間:10分
すすぎ :20Lの水で1分間を2回
【0115】
共有結合した微粒子を、測色により洗浄後のロダミン6Gの保色性を決定することによって、確認した。活性化合物(トリクロサン(登録商標:TRICLOSAN)又はチヌビン 328(登録商標:TINUVIN))の保留性を、未洗浄の及びイソプロパノールで洗浄した織布の高速溶媒抽出(DIONEX)及びHPLCにより抽出された活性化合物の決定によって確認した。
【0116】
本発明に従った機能化微粒子を用いて得られた織布は、ブロック基又は反応基を含まない対応するジイソシアネートを使用して製造された非機能化微粒子を用いて得られた比較織布よりも、ロダミン6G及び活性化合物の驚くべき保留性を示した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0117】
【非特許文献1】J.E.Vandegaer,“Microencapsulation”,Plenum−Press,New York−London;1974。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維反応基で部分的に変性されたポリイソシアネート。

【公開番号】特開2012−144739(P2012−144739A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85669(P2012−85669)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2007−524327(P2007−524327)の分割
【原出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】