説明

変電所の障害監視および診断法

【課題】変電所障害に対する改善された監視および診断のシステムならびに方法を提供する。
【解決手段】変電所用の故障監視システムは、変電所境界のまわりに配置されて音圧波を測定するように構成された音響センサの1つまたは複数の配列を含む。故障監視システムの処理回路は、変電所の障害の場所を突き止めて識別し、音圧波に基づいて音源の領域を識別するための音源位置特定モジュールを含む。処理回路のビーム形成モジュールが、音圧波から背景雑音および妨害雑音を解消することにより、改善された音圧波をもたらし、処理回路の構成要素シグナチュア分類モジュールが、変電所の障害を検出するために、改善された音圧波を構成要素シグナチュアと比較して、音圧波を様々な事象に分類する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に変電所に関し、より具体的には変電所の障害監視および診断法に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所は配電系統の重要な構成要素である。変電所は、一般に、ほんの数例を挙げれば、変圧器、回路遮断器、変電所のバッテリーおよびバッテリー充電器、キャパシタバンク、および地下ケーブルなどの複数の資産を含む。特にシステムの信頼性を考慮に入れるとき、これらおよび他の資産の保守整備、修理および交換の最適化は、難易度が高い業務である。
【0003】
大部分の変電所資産は、時間とともに劣化する高電圧構造体である。著しく劣化した資産を選択的に識別して置換することができれば、経済的利益が顕著である。これら資産の長期劣化の原因となる主要な仕組みは、絶縁表面の中または上の侵食および亀裂である。したがって、長期的には、これらの資産の状態を監視することが、資産交換の計画を支援する。より早急には、疑わしい構成要素を識別して置換することができ、資産の寿命が延びる。
【0004】
変電所点検の現況技術は、通常、一年に一回遂行される訓練された人員による視察である。人手による点検の間、人間の聴覚の評価が通常用いられるが、これは、デジタル機器の周波数範囲を対象として含むことができず、年中無休で監視することもできない。赤外線結像も有効な広域評価方法であるが、より大きな電力が必要なうえに高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7746055号明細書
【発明の概要】
【0006】
したがって、1つまたは複数の前述の課題に対処するための、変電所障害に対する改善された監視および診断のシステムならびに方法が必要である。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、変電所用の障害監視システムが提供される。この障害監視システムは、変電所境界のまわりに配置されて音圧波を測定するように構成された音響センサの1つまたは複数の配列と、変電所の障害の場所を突き止めて識別するように構成された処理回路とを含む。処理回路は、音圧波に基づいて音源の領域を識別するための音源位置特定モジュールと、音圧波から背景雑音および妨害雑音を解消することにより、改善された音圧波をもたらすビーム形成モジュールと、変電所の障害を検出するために、改善された音圧波を構成要素シグナチュアと比較して、この音圧波を様々な事象に分類するための構成要素シグナチュア分類モジュールとを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、変電所の障害を監視する方法が提供される。この方法は、変電所境界のまわりに配置された音響センサの配列から音圧波を取得するステップと、位置特定アルゴリズムに基づいて音源領域の場所を突き止めるステップとを含む。この方法は、音圧波から背景雑音および妨害雑音を除去するステップと、ビーム形成アルゴリズムに基づいて、改善された音圧波を生成するステップと、変電所の障害を検出するために、改善された音圧波を構成要素シグナチュアと比較することにより、改善された音圧波を様々な事象に分類するステップとをさらに含む。
【0009】
本発明の、これらおよび他の特徴、態様および利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を解読するときに一層よく理解されるはずであり、諸図面を通じて、同じ符号は同じ部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電力系統で利用される従来型変電所を表す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、変電所の1つまたは複数の音響センサ配列の配置を表す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、集中型の、変電所の故障監視および診断のシステムを表す図である。
【図4】本発明の一実施形態による処理回路のブロック図である。
【図5】音響センサのスペクトログラムを示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による、変電所の障害を監視して診断する方法を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「ある」、「1つの」、「この」、および「前記」は、その要素の1つまたは複数を意味するように意図される。用語「備える」、「含む」、および「有する」は、包括的であるように意図され、列挙された要素以外にさらなる要素があり得ることを意味する。
【0012】
図1は、任意の電力系統で利用される従来型変電所10を示す。高電圧の大容量電力が、高電圧または超高電圧の三相交流伝送路12(一般に69kV〜765kVの間の電圧を有する)によって変電所10に供給される。高電圧または超高電圧が、変電所10によって、実装形態次第で、1つまたは複数の送電線14を介して分配するのに適切な電圧、通常は4kV〜46kVの間の電圧に低下される。送電線14は、例えば公益企業の配電グリッドの主要な給電線として働くことができる。変電所10のアース線20は、主導体12および14を直接落雷から保護する。
【0013】
変電所10の内部で、高電圧伝送路12は、直列に接続された断路器16および回路遮断器18によって終結し、回路遮断器18は、バスバー(図示せず)に取り付けられる。断路器および回路遮断器の類似の構成は、低電圧送電線14に対しても使用される。回路遮断器18は、回路網に生じる可能性があるいかなる短絡電流または過負荷電流も遮断するのに使用され、断路器16は、メンテナンスのために、導体および他の資産に絶縁をもたらすために使用される。
【0014】
高電圧または超高電圧の電気は、送電線14を介して配電するのに適切なより低いレベルへ電圧を下げるために、さらになる断路器24と回路遮断器26の対を介して電源トランス22に供給される。さらに、落雷および他のシステム障害によって生じる過度に高い電圧を接地するために、一般に変圧器22の両側に避雷器28が設けられる。様々なポイントで電圧および電流を測定するために、変電所10では計器用変圧器30および変流器32が利用され得る。制御室34は、変圧器を動作させるための制御器および測定器、回路遮断器および断路器を、予備電力を供給するためのバッテリーと共に収容することができる。
【0015】
年月を重ねるにつれて、変電所資産も、他の装置と同様に劣化する可能性がある。例えば、変圧器は、熱による鉄心の劣化、巻線の絶縁、ブッシングまたは変圧器油における部分放電、ならびにタップ切換器に対する腐食または摩擦のような故障が進展する可能性がある。回路遮断器、ケーブルボックス、避雷器などの他の資産で類似の欠陥が進展する可能性がある。これらの障害を検出して円滑な動作を保証するために、音響センサ、光学センサ、温度センサ、および圧力センサなどの様々なセンサが、変電所資産のそれぞれに対してそれらの障害を検出するのに利用され得る。本発明の一実施形態では、音響センサに基づく総合的な変電所監視システムが提供される。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態による、変電所54の1つまたは複数の音響センサ配列52の配置の概要を示す。音響センサは、変電所の音波または音圧波をデジタル化された信号に変換するマイクロホンでよい。マイクロホンは、可聴範囲の周波数およびそれ以上を測定することができる。マイクロホンは、機械的振動から電圧信号を生成するのに、電磁誘導方式、静電容量変化方式、圧電効果または光変調に依存してよい。先に論じたように、変電所54は、変圧器56、回路遮断器58、気中開閉器60および避雷器62などの資産を含むことができる。一実施形態では、変電所境界64の至る所に複数の音響センサを備えた音響センサ配列52を配置することができる。音響センサ配列は、変電所境界にわたって均一に、または不等ピッチで配置されてよい。別の実施形態では、境界は、変電所領域全体の境界でよい。さらに別の実施形態では、境界は、変電所資産によって形成されてよい(すなわち、変電所の特定の領域には資産がない場合、境界は、資産の近くの領域だけを閉じ込めるように縮小され得る)。例えば、特定の変圧器が、変電所境界の100メートル内側にあって、変電所境界と同変圧器の間に他の資産がなければ、境界を100メートル縮小することができる。各音響センサ配列52は、スタンドアロンの装置として、音響測定値を記録し、アルゴリズムで特定の区域66に的を絞ってそれ自体のオーディオプロファイルを生成する。次いで、このオーディオプロファイルが、変電所54の障害の位置およびタイプを求めるために解析される。いくつかの実施形態では、特定の資産の障害を監視するために、さらなる専用のセンサ配列(図示せず)も、その資産の近くに配置されてよい。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態による、変電所の故障監視および診断用の集中型システム80を示す。システム80は、変電所83のまわりに配置された音響センサ配列82を含む。前述のように、音響センサ配列は、マイクロホンの配列90または音圧波を検出するその他の音響センサを備えることができる。音響センサは、局所的に(例えばバッテリーを有する太陽電池で)、または配線式の電源によって給電され得る。一実施形態では、すべてのマイクロホンからの測定値をデジタル化するのに、単一のデータ収集(DAQ)システム86を使用することができる。別の実施形態では、各マイクロホン配列に対して専用DAQ(図示せず)を利用することができる。前者では、ケーブルまたは無線リンク84が、音響センサ配列からデータ収集(DAQ)システム86にデータを伝送し、後者では、ケーブルまたは無線リンクが、各音響センサ配列から処理回路88にデータを伝送する。さらに、ケーブル84は、通常の電力ケーブルまたは光ファイバケーブルでよい。次いで、処理回路88が、DAQシステム86からのデータを解析して、変電所83に何らかの障害があるか、障害の原因である可能性が最も高い構成要素はどれか、といったことを識別する。処理回路88の処理ステップは、以下の段落で、より詳細に説明する。一実施形態では、システム80は、特定の障害が生じたとき遠方の監視センター(図示せず)に警報を出すための警報デバイスも含むことができる。この場合、システム80は、偽警報率をさらに引き下げようとして、さらなる処置が講じられる前に、再検討のために、遠隔のセンターに対して音響測定値の関連部分を送る。センサ配列82によって検出され、処理回路88によって処理される音圧波は、変電所資産からのいかなる正常音または異常音も含み得る。正常音は、変圧器のタップ変更などいくつかの事象に起因するものであり得て、異常音は、構成要素における機械的破壊または変電所内のケーブル緩みなどの障害によって引き起こされることがある。異常音の他のいくつかの実例には、コロナ放電、漏電電流、ブッシング内の壊れた磁器などがある。いくつかの実施形態では、異常音は、侵入者からの音でもあり得る。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態による図3の処理回路88の詳細なブロック図を示す。処理回路は、音源位置特定モジュール102、ビーム形成モジュール104、および構成要素シグナチュア識別モジュール106を含む。本明細書で用いられる用語「モジュール」は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せ、あるいは本明細書で説明される処理を遂行するかまたは容易にする、任意のシステム、処理、または機能を指してよいことに留意されたい。処理回路88は、ここには示されていない電子的回路およびメモリなどの他の構成要素も含むことができる。音源位置特定モジュール102は、DAQシステム(図3の86)からデータを受け取り、構成要素の音の空間的発生源または原因を推定するためにそのデータを処理する。構成要素の音が、ユーザにとって関心のある音である可能性がある。例えば、一実施形態では、構成要素の音が特定の周波数を上回る可能性がある。一実施形態では、音源位置特定モジュール102は、到着時間の差に基づいて空間的発生源を識別する。この方法では、別々の音響センサからの同一の音圧波が、到着時刻に基づいて比較される。音源位置が、別々の音響センサから別々の距離にあるので、同一の音圧波が、別々の音響センサに別々の時刻に到達することになる。したがって、様々な音響センサにおける特定の音圧波の到着時刻間の時間差に基づいて、音源の位置領域または空間的発生源が識別される。音源の場所を突き止める他の方法には、多重信号分類(MUSIC)、回転不変性技法による信号パラメータ推定(ESPRIT)、および三角測量など、部分空間ベースで適応型の超分解能位置特定法が含まれ得る。音源位置特定モジュールは、空間的情報に加えて信号のスペクトルの内容に基づいて音の発生源を識別することもできる。例えば、一般に、変電所の特定の資産から発する音または雑音は、特定の周波数範囲を有する。したがって、DAQシステムから得られた音圧波がその周波数範囲に入るのであれば、雑音は、その特定の資産または同資産が配置されている領域から生じるものと識別され得る。一実施形態では、この方法は、到着時間差ベースの位置推定を補強するために利用される。
【0019】
音の音源領域または空間的発生源が一旦識別されると、ビーム形成モジュール104は、背景汚染雑音および他の領域からの音を低減して結果的に偽警報率を引き下げるように、音響センサからの音圧波を処理する。例えば、背景汚染雑音は、近くの交通の雑音または機械類の雑音を含む可能性がある。一般に、ビーム形成モジュール104がデータを処理することができるマイクロホンの最大数は、DAQおよびプロセッサの能力によって制限されることになる。したがって、音源位置特定モジュール102が所望の信号の音源位置領域を推定し、次いで、ビーム形成モジュール104が特定のその位置領域内のみで音響動作を抽出する。ビーム形成モジュール104は、Delay−and−Sumビーム形成アルゴリズム、線形制約最小分散(LCMV)ビーム形成アルゴリズム、時間領域の一般化サイドローブキャンセラ(TD−GSC)アルゴリズム、周波数領域の一般化サイドローブキャンセラ(FD−GSC)アルゴリズム、および頑健な一般化サイドローブキャンセラ(R−GSC)アルゴリズムなどのアルゴリズムを利用することができる。ビーム形成モジュール104は、これらのアルゴリズムに基づいて背景雑音および他の妨害雑音を除去し、対象の音圧波を改善する。
【0020】
次いで、構成要素シグナチュア分類モジュール106は、変電所の資産の障害を識別するために、ビーム形成モジュール104からの改善された音圧波を、様々なタイプの事象に分類する。一実施形態では、ビーム形成モジュール104から受け取った信号を、データベースの構成要素シグナチュアと比較して、様々な事象に分類する。これらの事象には、変圧器のタップ変更などの正常な事象および故障などの異常な事象が含まれ得る。構成要素シグナチュアは、個々の資産に対する事前の調査に基づいてあらかじめ求めてデータベースに記憶されてよく、新しいタイプの故障が検出されたときリアルタイムでさらに累加されてよい。分類モジュール106は、改善された音圧波を分類するために、ニューラルネット、サポートベクタマシン、決定樹または最大エントロピー分級機を含むことができる。一実施形態では、故障検知は、個々の装置または故障に使用される特化されたセンサなどの他のセンサからの情報を利用することにより、さらに改善するかまたはより高精度にすることができる。
【0021】
図5は、変電所の近くに配置された音響センサからの音響スペクトログラム110を示す。音響スペクトログラム110の、水平軸112は時間を秒で表し、垂直軸114は可聴周波数をHzで表す。音響スペクトログラム110に見られるように、5秒から20秒まで、周波数3500Hzまでのスペクトルの内容を有する音が検出された。この周波数情報を、データベースに記憶された構成要素シグナチュアと比較すると、この音が変圧器のタップ変更に相当することが識別され得る。同様に、35秒から65秒までの音は、構成要素シグナチュアまたはアーチファクトデータベースから確認することができる、人間の音声の、いくつかの独特な特性を有する約3000Hzまでの周波数成分を有する。この独特な特性には、ここに示されていない波形の形状が含まれ得る。
【0022】
図6は、変電所の障害を監視し、かつ診断する方法を表す流れ図120を示す。ステップ122で、音響センサの配列からの信号データが取得される。この配列は、変電所境界のまわりの至る所に均一に配置されてよい。ステップ124で、音源の領域の場所が突き止められる。音源の場所は、センサにおける到着の時間差に基づいて突き止めることができる。音源の場所を突き止める他の方法には、MUSIC、ESPRITおよび三角測量など、部分空間ベースで適応型(すなわちデータ依存型)の超分解能位置特定法が含まれ得る。ステップ126で、音源領域からの雑音を改善するために、変圧器のうなり雑音または音源以外の領域からの雑音などの背景雑音(例えば交通の雑音)および他の妨害雑音を除去するのに、ビーム形成アルゴリズムを用いることができる。ビーム形成アルゴリズムは、Delay−and−Sumビーム形成、線形制約最小分散(LCMV)ビーム形成、時間領域の一般化サイドローブキャンセラ(TD−GSC)、周波数領域の一般化サイドローブキャンセラ(FD−GSC)、および頑健な一般化サイドローブキャンセラ(R−GSC)を含むことができる。一旦、背景雑音が除去されると、ステップ128で、もたらされる改善された音圧波が、資産の正常動作および故障などの様々な事象に分類される。一実施形態では、この分類は、改善された音圧波を、前もって定義されてデータベースに記憶されている構成要素シグナチュアと比較することにより行なわれ得る。
【0023】
示されたシステムの利点の1つには、様々な故障を検出可能であることである。さらに、このシステムは、設置するのが簡単で、所要電力が小さく、低価格で、融通性の大きい(例えば、指向性対無指向性、様々な周波数範囲、様々な音響レベル範囲など)音響センサを利用する。また、利用されるセンサが非常に小さく、正常な変電所動作を中断せずに配備することができる。さらに、このシステムは、各変電所の構成要素上に表面実装されたセンサを必要とせず、したがって、完結した変電所用に、集中型の遠隔監視および診断法を提供し、運転コストをさらに引き下げて電気的安全性を向上する。
【0024】
本発明の、単なる特定の特徴が本明細書に示され説明されてきたが、当業者なら多くの修正形態および変更形態を思いつくことができるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような修正形態および変更形態のすべてが、本発明の真の精神の範囲内に入るように対象として含むように意図されていることを理解されたい。
【符号の説明】
【0025】
10 従来型変電所
12 送電線
14 配電線
16 断路器
18 回路遮断器
20 アース線
22 電源トランス
24 断路器
26 回路遮断器
28 避雷器
30 計器用変圧器
32 変流器
34 制御室
52 音響センサ配列
54 変電所
56 変圧器
58 回路遮断器
60 気中開閉器
62 避雷器
64 変電所境界
66 音響区域
80 変電所の故障監視および診断用の集中型システム
82 音響センサ配列
83 変電所
84 ケーブルまたは無線リンク
86 データ収集(DAQ)システム
90 マイクロホン
102 音源位置特定モジュール
104 ビーム形成モジュール
106 構成要素シグナチュア識別モジュール
110 音響スペクトログラム
112 水平軸
114 垂直軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変電所境界のまわりに配置され、音圧波を測定するように構成された音響センサ(90)の1つまたは複数の配列(82)と、
前記変電所の障害の場所を突き止めて識別するように構成された処理回路(88)であって、
前記音圧波に基づいて音源の領域を識別するための音源位置特定モジュール(102)、
前記音圧波から背景雑音および妨害雑音を解消することにより、改善された音圧波をもたらすビーム形成モジュール(104)、および
前記変電所の障害を検出するために、改善された音圧波を構成要素シグナチュアと比較して、前記音圧波を様々な事象に分類するための構成要素シグナチュア分類モジュール(106)を備える処理回路(88)と
を備える、変電所(83)用の故障監視システム(80)。
【請求項2】
前記音源位置特定モジュールが、音圧波の到着の時間差またはスペクトル成分あるいはそれらの組合せに基づいて前記音源の前記領域を識別する請求項1記載の故障監視システム。
【請求項3】
前記音源位置特定モジュールが、前記音源の前記領域を識別するために、部分空間ベースの適応型位置特定アルゴリズム、または三角測量アルゴリズムのうち1つを含む請求項1記載の故障監視システム。
【請求項4】
前記ビーム形成モジュールが、Delay−and−Sumビーム形成アルゴリズム、線形制約最小分散(LCMV)ビーム形成アルゴリズム、時間領域の一般化サイドローブキャンセラ(TD−GSC)アルゴリズム、周波数領域の一般化サイドローブキャンセラ(FD−GSC)アルゴリズム、または頑健な一般化サイドローブキャンセラ(R−GSC)アルゴリズムのうち1つを含む請求項1記載の故障監視システム。
【請求項5】
前記構成要素シグナチュア分類モジュールが、音圧波形シグナチュアを正常事象と異常事象に分類する請求項1記載の故障監視システム。
【請求項6】
前記構成要素シグナチュアが、周波数情報ならびに正常事象および異常事象の波形を含む請求項5記載の故障監視システム。
【請求項7】
前記構成要素シグナチュアが、所定の事象シグナチュアを含む請求項1記載の故障監視システム。
【請求項8】
新しいタイプの故障が検出されたとき、前記構成要素シグナチュアがリアルタイムで累加される請求項1記載の故障監視システム。
【請求項9】
前記構成要素シグナチュア分類モジュールが、ニューラルネット、サポートベクタマシン、決定樹、または最大エントロピー分級機を備える請求項1記載の故障監視システム。
【請求項10】
変電所境界のまわりに配置された音響センサ配列からの音圧波を取得するステップ(122)と、
位置特定アルゴリズムに基づいて音源の領域の場所を突き止めるステップ(124)と、
前記音圧波から背景雑音および妨害雑音を除去し、ビーム形成アルゴリズムに基づいて、改善された音圧波を生成するステップ(126)と、
前記変電所の障害を検出するために、改善された音圧波を構成要素シグナチュアと比較することにより、前記改善された音圧波を様々な事象に分類するステップ(128)とを含む、変電所の障害を監視する方法(120)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−13075(P2013−13075A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−141562(P2012−141562)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】