説明

外科用シーラントの送達のためのアプリケーターシステム

本発明の一局面は、ヒドロゲル処方物の送達のために用いられ得る簡易で安価なアプリケーターシステムに関する。特定の実施形態では、このアプリケーターシステムは、硬膜、特に脊柱内の硬膜のシールにおける使用に適切である。他の実施形態では、このアプリケーターシステムは、心血管系の欠損、胆嚢もしくは膀胱の欠損を修復するために、または身体内の任意の他の導管の修復のために用いられ得る。本発明の一局面は、1つ以上の液体および1つ以上の固体(例えば、重合可能なヒドロゲルの成分)を別々に収容するために用いられ得る、アプリケーターシステム、およびその使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/174,150号への優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
わずかな脊髄硬膜欠損(例えば、1〜3mmの大きさ)は、時には脊椎内の他の構造を取り除くかまたは修復するための外科手術による不慮の帰結である。このような欠損に直面した医師は、シーラント処方物のペイロードが大きい複雑なアプリケーターシステムに手を伸ばす可能性は低く、代わりにかなり少量のシーラント処方物という簡易で直接的な配置の方を好む。少量のシーラント処方物の直接配置を可能にするアプリケーターシステムおよびそれらの使用方法が本明細書に記載される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
要旨
本発明の一局面は、1つ以上の液体および1つ以上の固体(例えば、重合可能なヒドロゲルの成分)を別々に収容するために用いられ得る、アプリケーターシステム、およびその使用方法に関する。このアプリケーターシステムはさらに、このアプリケーターの内側での固体および液体の混合を容易にするように、かつこの混合物の表面に対する適用を容易にするように設計される。特定の実施形態では、このようなアプリケーターは、組織に対して組成物を送達するために用いられ得る。例えば、特定の実施形態では、このようなアプリケーターは、侵襲手術を最小にした組成物の送達のために用いられ得る。特定の実施形態では、このアプリケーターシステムは、特に硬膜の、特に脊柱の硬膜のシールに有用である。他の実施形態では、このアプリケーターシステムは、心血管系の欠損、胆嚢もしくは膀胱の欠損の修復のために、または身体内の任意の他の導管の修復のために用いられ得る。
【0004】
本発明のさらなる目的は、使用のために必要な操作的な工程が最小限であるか、および/または構成要素の数が最小限であるアプリケーターシステムを提供することである。
【0005】
本発明の特定の実施形態では、本発明のアプリケーターシステムは、一部は、従来の構成要素から構成されており、実質的に専門的な構造的要素は必要としない。さらに、特定の実施形態では、本発明は、構築することが簡易でかつ安価であり、さらに滅菌および/または使用の前の液体の汚染、非滅菌性、分離、ならびに固体および液体部分の完全な混合という問題および困難性を効率的に最小化するアプリケーターシステムに関する。
【0006】
本発明の一局面はシリンジであって:側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;このシリンジ本体のこの側壁に接触しており、かつこのシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで平行移動可能な浮動性疎水性中隔であって、それによってこのシリンジの近位端およびこの疎水性中隔に囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端およびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画とを創出する、浮動性疎水性中隔と;この頂部区画中の液体と;この底部区画中の重合可能な成分と;シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドが疎水性中隔でフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能であるプランジャーと;を備える、シリンジに関する。
【0007】
本発明の別の局面は、アンプルであって:閉鎖近位端およびその遠位端の易破壊性シールと;このアンプルの閉鎖近位端およびこの疎水性中隔に囲まれた頂部区画、ならびにこのアンプルのこの遠位端の易破壊性シールおよびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画を創出するようにこのアンプルの内側に配置された浮動性疎水性中隔と;この頂部区画中の液体と;この底部区画中の重合可能な成分と;を備える、アンプルに関する。
【0008】
本発明の別の局面は、アプリケーターであって:側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置された浮動性プランジャーヘッドであって、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体のこの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、浮動性プランジャーヘッドと;シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の遠位端でこの浮動性プランジャーでフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;その近位端および遠位端の各々で開口を有するブラダーと;このシリンジ本体の遠位端からこのブラダーの近位端までの流体経路を創出するアダプターと;その近位端および遠位端の各々に開口を有する先端部であって、このブラダーのこの遠位端がこの先端部のこの近位端に接続されている、先端部と;この頂部区画中の液体と;この底部区画中またはこのアダプター中の重合可能な成分と;このブラダーの中の固体と;を備える、アプリケーターに関する。
【0009】
本発明の別の局面は、上述のシリンジ、アンプルおよびアプリケーターを利用してヒドロゲルを調製および表面に対して適用する方法に関する。
【0010】
本発明のさらに詳細かつ特異的な局面は、本発明の2〜3の形態を例として図示する添付の図面および詳細な説明を参照して理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、シリンジ本体、プランジャー、アダプター、ブラダーおよび直線的先端部を備える、本発明の一実施形態を示す。
【図2】図2は、シリンジ本体、プランジャー、アダプター、ブラダーおよび湾曲先端部を備える、本発明の別の実施形態を示す。
【図3】図3は、シリンジ本体、プランジャー、疎水性フィルターおよび親水性フィルターを示しており、これはそれに吸着されるPEIなどの重合可能な成分を含む。
【図4】図4は、シリンジ本体、プランジャー、および浮動性プランジャーヘッドを示しており、これはチェックバルブなどを備えている。
【図5】図5は、脊髄硬膜に対するヒドロゲルの適用を示す。
【図6】図6は、コントロール群(黒;縫合のみ)と処置群(白;縫合およびヒドロゲル)との間の術中圧力試験の間に得られた平均の最大持続脳脊髄液圧を示すグラフである。
【図7】中隔、ならびに中隔およびプラスチックアンプルを用いるアプリケーターの実施形態を示す(シリンジ本体ではない)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
混合物の無菌性を維持しながらディスペンサーの内側で固体および/または液体の完全な混合を容易にする改良ディスペンサーを開発することが必要とされている。さらに、使用直前まで、混合されるべき2つ以上の成分が別々に保持されることを可能にするディスペンサーのためのシステムが必要とされている。さらに、このディスペンサーがアプリケーターとしても機能し得、それによって混合物の適用が容易になるのであれば有利である。本発明は、これらの必要性および他の必要性に取り組む。
【0013】
本発明の一局面は、複数の成分(例えば、固体および液体などの重合可能なヒドロゲルの成分)を収容するために用いられ得るアプリケーターシステムであって、このアプリケーターの内側でこの成分の混合を容易にし、さらにこの混合物の適用を容易にするアプリケーターシステムに関する。本発明の別の局面は、複数の液体および複数の固体(例えば、重合可能なヒドロゲルの成分)を収容するために用いられ得るアプリケーターシステムであって、このアプリケーターの内側でこの固体および液体の混合を容易にし、さらにこの混合物の適用を容易にするアプリケーターシステムに関する。本発明の別の局面は、1つの液体および固体(例えば、重合可能なヒドロゲルの成分)を収容するために用いられ得るアプリケーターシステムであって、このアプリケーターの内側でこの固体および液体の混合を容易にし、さらにこの混合物の適用を容易にするアプリケーターシステムに関する。
【0014】
本発明は本明細書においては、患者に対する重合可能なヒドロゲル処方物の形成と有効な送達を容易にすると記載される場合が多いが、この表現は、本発明の範囲を決してこのような適用に限定するものではない。そうではなく、本発明のアプリケーター、および本発明の方法は、使用前に2つ以上の成分(例えば、固体および液体)を混合することを必要とする任意の適用に用いられ得る。
【0015】
特定の実施形態では、本発明のアプリケーターは、ヒドロゲル処方物を調製および適用するために用いられ得る。特定の実施形態では、本発明のアプリケーターは、硬膜に対してヒドロゲル処方物を調製および適用するために用いられ得る(例えば、脊髄手術後の脊柱硬膜のシールにおける使用のため)。特定の実施形態では、ヒドロゲル処方物は、液体型で送達され、そして急速に軟性ヒドロゲルに重合する。特定の実施形態では、ヒドロゲル処方物は、3つの基本的な成分を含む:架橋剤(例えば、PEI);活性化ポリマー(例えば、活性化PEG);および緩衝液。
【0016】
特定の実施形態では、本発明のアプリケーターは、処方物の液体部分の貯蔵のために用いられるシリンジと;固体部分の貯蔵のために用いられ、かつ液体および固体部分の混合のために用いられるブラダーと;ブラダーもしくは可塑性チューブの近位端上の先端部もしくはキャップとを備える。処方物の液体部分の貯蔵のためのシリンジの使用によって、所定のアプリケーターについての操作の少なくとも2つの方式の利点が得られる。特定の実施形態では、このアプリケーターデバイスは、使用の時点で組み立てられて、シーラント処方物が、シリンジを用いてこの処方物の液体部分(例えば、緩衝液に含有されるPEI)を処方物の固体部分(例えば、ブラダーまたは可塑性配管を満たした活性化されたPEG粉末)を含むブラダーまたは可塑性配管中へ押し付けることによって再構成される。このアプリケーターを振盪することによって、この処方物の成分は混合され、送達用のデバイスが準備される。次いで、この混合された処方物は、ブラダーまたは可塑性配管を手動で圧縮することによって、滴下してかつ正確に送達され得る。あるいは、次いで、このようなアプリケーターはまた、シリンジプランジャーを引き抜き、次にこのシリンジを進めて処方物を吐き出すことによって、より大きいボーラスの処方物を送達するために用いられ得る。アプリケーターの例は図1にみることができる。
【0017】
特定の実施形態では、図1に示すデバイスの配管アダプターに対してルアーロックの近位端にチェックバルブを追加する。この追加によって処方物の適用の直前に再構成段階の後にシリンジを取り除くことが可能になる。特定の実施形態では、チェックバルブは、空気をブラダーに通すだけで出て行かないように構成できる。
【0018】
特定の実施形態では、PEI含有溶液は、シリンジ内に保持される。このような実施形態は有効であるが、滅菌されたPEI含有緩衝液を用いて形成されたヒドロゲルをロードする10%固体では、37℃24時間のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に置いた後、所望の膨張パーセントよりも高くなった。
【0019】
特定の実施形態では、アプリケーターは、溶解補助足場(例えば、フリットまたは多孔性フィルター)上に吸着された重合可能な成分を含む。特定の実施形態では、この重合可能な成分は、粘稠液(例えば、PEI)である。特定の実施形態では、溶解補助足場は、ブラダーとシリンジとの間、例えば、ルアーロック配管アダプター内に配置される。溶解補助足場上に吸着された重合可能な成分を用いることの1つの利点は、放射線滅菌の間、これを他の成分と別々に保持できるということである。例えば、このような実施形態でヒドロゲルを形成するには、使用時点で、緩衝液をシリンジから、例えば、PEI−含有フリットを通して、かつPEGロードしたブラダー中に押し付ける。このような実施形態で調製されたPEI/PEGヒドロゲルは、37℃のPBS中に24時間浸漬した後、ごくわずかな最小レベルの膨張しか示さなかった。
【0020】
上記のシステムは実現可能であるが、緩衝液に関しては、PEI含有フリットを通過し、かつPEG充填可塑性配管部材内でヒドロゲル小球を早い時期に形成するという傾向があったことが観察された。これが次に送達カニューレおよび/またはデバイス内のフィルターの閉塞を生じた。これは、緩衝液のフロースルー早期においてフリットを出て行くPEIの優位性に起因していた可能性が高く、従って、高〜低濃度勾配のPEIがアプリケーター内の活性化PEGと混合されることになる。
【0021】
従って、滅菌後にPEIに対して緩衝液を導入する別の手段(すなわち、PEIフリットを通じた緩衝液の直線的なフロースルーで形成されるPEI勾配を最小化または排除した実施形態)が考案された。このような実施形態の1つでは、浮動性の親水性フィルター媒体(例えば、Filtrona Filter)がシリンジの内面の遠位の第三の末端中に挿入されている正常なシリンジを利用する。PEI溶液は親水性フィルター媒体上に配置されて、必要に応じて真空乾燥され得る。次いで、中隔が親水性フィルターに対していくらか近位でシリンジの内面に挿入される。この中隔は、実際は疎水性であり、従って水溶液とは混じり合わない。最後に緩衝液をシリンジの最近位端に追加して、正常なシリンジプランジャーでシールする。キャップもこのシリンの最遠位端に追加した。
【0022】
重要なことに、中隔の疎水性の性質は、水ベースの緩衝液が圧迫なしに通過することを妨げ、これによって滅菌の時点および使用の前、緩衝液はPEIから効果的に隔てられる。使用時に、シリンジのプランジャーは手動で前進されて、これが中隔を通して、かつPEI含有親水性フィルター中に緩衝液を駆動する。必要に応じて、プランジャーを手動で押圧しかつ開放するという数サイクルを用いて、PEIを溶液中に徹底的に混合し得る。ここで初めて、シリンジのキャップが取り除かれ、シリンジがPEG充填ブラダーに接続される。次いで、浮動性中隔および浮動性親水性フィルター媒体がシリンジの遠位端まで押されるまで、プランジャーが押圧されて、再構成されたPEI溶液がシリンジから吐き出され得る。このようなデバイスの図面を以下の図3に示す。
【0023】
さらに、同様の作用を異なる実施形態によって行ってもよい。例えば、アプリケーターの特定の実施形態は、シリンジの内部部分の中央部分に配置されている非多孔性の浮動性プランジャーを備える。この浮動性プランジャーは、プランジャーのハンドルがないが、加圧された場合シリンジの内面でスライドする。この浮動性プランジャーはまた、小型のチェックバルブを組み込んでおり、これによって遠位方向にのみ液体を流すことが可能になる。バルブのクラック圧力は、浮動性プランジャーが最初に前にスライドして、その後にチェックバルブがクラックし、流体の流れを可能にするような大きさにされる。シリンジの遠位端には、正常な条件下で所望の設定時間でPEG/PEIヒドロゲルを形成するのに必要な塩分の全てを有する小容積の溶液がある。特定の実施形態では、シリンジの近位端は、一旦水と塩分が混合されれば溶液が正確な再構成されたPEI緩衝液になるような量の水を充填される。このような実施形態では、PEIは、上記のものと同様の、ルアーロックアダプターに対する配管内に収容され得る溶解補助足場(例えば、浸透性のフリット)を介して導入され得る。このような二液のシリンジは、PEIフリット/PEG充填の可塑性配管部材とは離れて滅菌され、これによって滅菌の間のPEIの分解が回避される。使用時に、デバイスは組み立てられて、プランジャーは手動で押圧される。この作用によって、水溶液が加圧される。加圧された水溶液は、浮動性プランジャーの近位端に対して進み、それを前に押し付ける(チェックバルブを開口することなく)。この作用が次に、PEIフリットを通じかつPEG充填可塑性配管部材へ濃縮された塩溶液を吐き出す。この溶液は塩分含量が高いので、PEGは溶解するが、前のフリットの実施形態のようにたとえ高〜低勾配のPEIが存在してもゲル化はしない。プランジャーの連続した手動による押圧は、浮動性プランジャーの前向きの動きを、それがシリンジの内面の最遠位端にあたるまで生じる。この時点で、プランジャーのさらなる押圧は、チェックバルブのクラック圧が、バルブが開放して水がPEG充填可塑性配管部材に流入することを可能にするまで、水溶液の圧力上昇を生じる。水の添加は、ヒドロゲルの重合化が生じる正確なpHの溶液を生じる。この実施形態のシリンジ部分は図4に示す。他の実施形態では、類似の二液体のシリンジは、チェックバルブの代わりにシリンジの外部中にバイパスが構築されるように構成されてもよい。
【0024】
関連の実施形態では、緩衝液を形成するために組み合される塩溶液および水溶液の代わりに、緩衝液成分(例えば、リン酸塩およびホウ酸塩)を同様に装置中で隔てておき、重合可能な成分が再構成された後にのみ合わせてもよい。
【0025】
特定の実施形態では、本発明のアプリケーターは、細い硬質のポリマー先端部を備える。最小侵襲の脊髄手術は代表的には、小切開を通じて行われ、ほぼ内径が18〜22mmでかつ長さが40〜80cmの小さいチューブをその切開に挿入して、術野を伸展させる。医師は、このチューブの内面下に明瞭な視野が得られるように配置した顕微鏡を通じて見る。細い硬質のチューブを備えるアプリケーターによって、使用者は顕微鏡を通じて見ながら、意図する場所に処方物を個別に滴下することが可能になる。
【0026】
特定の実施形態では、顕微鏡を通じた術野の視野を使用者の手がブロックすることを回避するために、特定のアプリケーターは、ベントカニューレ先端部またはバイオネット型(bayonet−style)カニューレ先端部を備える。このようなデバイスの例は図2に描写されている。バイオネット型装置は、2つの相反する屈曲角度を有し、これが一緒になってデバイスのハンドルを、この装置の遠位端の長軸に対して平行で、ただし相殺する方向にさせる。これによって装置のハンドルは、この装置の残りに対して平行にされ、ただしこれは、例えば、最小侵襲手術(MIS)ポートを通る視線の外側にある。
【0027】
特定の実施形態では、アプリケーターは、デバイスの最遠位部分としてカニューレ先端部を備える。しかし、他の実施形態では、このデバイスは、ブラシアプリケーター先端部、ダックビル先端部、シリコンチューブ、または必要性もしくは適用に最適であるような任意の無数の他の形式の先端部を有するように容易に構成され得るということが理解されるべきである。
【0028】
圧力がプランジャー(単数または複数)に加えられることを中断した直後のアプリケーターの末端からの漏出を避けるために、平均のバルク密度より高い活性化PEGが用いられ得る。いかなる理論によっても拘束されることは意図しないが、再構成された材料(例えば、活性化PEG)内の空気、溶存空気および泡の両方は適用段階の間に圧縮され得、次いで停止後にいくらか少量の再構成成分の搾り出しを生じると仮定される。活性化PEGに関しては、現行の再結晶化方法で約0.25g/ccというかなり低いバルク密度を有する綿毛状粉末が得られるということもさらに公知である。かなり濃厚だが小粒子のPEGが用いられる場合、それは再構成されたPEG中の空気の量を減らし得、従って、停止後、再構成されたPEGの意図されない送達を減らし得るということが理論化された。より濃厚なPEG材料の例は下の実施例7に記載される。
【0029】
(選択されたシリンジ、アンプルおよびアプリケーター)
本発明の一局面はシリンジであって:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
このシリンジ本体の側壁に接触しており、かつこのシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで平行移動可能な浮動性疎水性中隔であって、それによってこのシリンジの近位端およびこの疎水性中隔に囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端およびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画とを創出する、浮動性疎水性中隔と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中の重合可能な成分と;
シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドが疎水性中隔でフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;を備えるシリンジに関する。
【0030】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、そのシリンジ本体の遠位端にキャップ、ルアーロックまたは易破壊性シールをさらに備える、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、そのシリンジ本体の遠位端にキャップをさらに備える、シリンジに関する。
【0031】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が緩衝液である、シリンジに関する。
【0032】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記重合可能な成分がPEIを含む、シリンジに関する。
【0033】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記底部区画がさらに液体を含み、その結果上記重合可能な成分が、約20(w/w)%;約30(w/w)%;約40(w/w)%;約50(w/w)%;約60(w/w)%;約70(w/w)%;約90(w/w)%;または約90(w/w)%であるシリンジに関する。
【0034】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体が管状である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体がプラスチックであるシリンジに関する。
【0035】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチ〜約5インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチ〜約4インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約3インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチである、シリンジに関する。
【0036】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約1インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.8インチ〜約1インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.26インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.39インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.55インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.97インチであるシリンジに関する。
【0037】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターを備えるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性の多孔性フィルターが、平坦なシート、中空ファイバーまたはスパイラル型(spiral wound)膜を備えるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニルまたはそれらの組み合わせを含むシリンジに関する。
【0038】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がシリンジ本体の近位端から少なくとも約0.25インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がシリンジ本体の近位端から少なくとも約0.50インチであるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がシリンジ本体の近位端から少なくとも約0.75インチであるシリンジに関する。
【0039】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記底部区画の内側が重合可能な成分でコーティングされているシリンジに関する。
【0040】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつシリンジ本体の遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、その上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、シリンジに関する。
【0041】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(ethyl vinyl acetate)(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である、シリンジに関する。
【0042】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつシリンジ本体の直径と等しい直径を有する、シリンジに関する。
【0043】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.25インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.50インチである、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.75インチである、シリンジに関する。
【0044】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体の側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、シリンジに関する。
【0045】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、破壊された場合、この頂部区画と底部区画とを接続する易破壊性膜を備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体の側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、シリンジに関する。
【0046】
本発明の別の局面は、アンプルであって:
閉鎖近位端およびその遠位端の易破壊性シールと;
このアンプルのこの閉鎖近位端および疎水性中隔に囲まれた頂部区画、ならびにこのアンプルのこの遠位端の易破壊性シールおよびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画を創出するようにこのアンプルの内側に配置された浮動性疎水性中隔と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中の重合可能な成分と;
を備える、アンプルに関する。
【0047】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が緩衝液である、アンプルに関する。
【0048】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記重合可能な成分がPEIを含む、アンプルに関する。
【0049】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記底部区画がさらに、液体を含み、その結果上記重合可能な成分が、約20(w/w)%;約30(w/w)%;約40(w/w)%;約50(w/w)%;約60(w/w)%;約70(w/w)%;約90(w/w)%;または約90(w/w)%であるアンプルに関する。
【0050】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルが管状である、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルがプラスチックであるアンプルに関する。
【0051】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの長さが約1インチ〜約5インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの長さが約2インチ〜約4インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの長さが約3インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの長さが約2インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの長さが約1インチである、アンプルに関する。
【0052】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.1インチ〜約1インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.8インチ〜約1インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.26インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.39インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.55インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルの平均外径が約0.97インチであるアンプルに関する。
【0053】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、このアンプルがプラスチックであるアンプルに関する。
【0054】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターを備えるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性の多孔性フィルターが、平坦なシート、中空ファイバーまたはスパイラル型(spiral wound)膜を備えるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニルまたはそれらの組み合わせを含むアンプルに関する。
【0055】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプルの近位端から少なくとも約0.25インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプルの近位端から少なくとも約0.50インチであるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプル本体の近位端から少なくとも約0.75インチであるアンプルに関する。
【0056】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記底部区画の内側が重合可能な成分でコーティングされているアンプルに関する。
【0057】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であるアンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつアンプル本体の遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、かつその上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、アンプルに関する。
【0058】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である、アンプルに関する。
【0059】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつアンプルの直径と等しい直径を有する、アンプルに関する。
【0060】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がアンプルの遠位端から少なくとも約0.25インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がアンプルの遠位端から少なくとも約0.50インチである、アンプルに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がアンプルの遠位端から少なくとも約0.75インチである、アンプルに関する。
【0061】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このアンプルの近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このアンプルの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このアンプルの近位端に近い位置からこのアンプルの遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、アンプルに関する。
【0062】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアンプルのいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このアンプルの近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、破壊された場合、この頂部区画と底部区画とを接続する易破壊性膜を備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このアンプルの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このアンプルの近位端に近い位置からこのアンプルの遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、アンプルに関する。
【0063】
本発明の別の局面は、アプリケーターであって:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置された浮動性プランジャーヘッドであって、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体のこの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、浮動性プランジャーヘッドと;
シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドがこのシリンジ本体の遠位端でこの浮動性プランジャーでフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;
その近位端および遠位端の各々で開口を有するブラダーと;
このシリンジ本体の遠位端からこのブラダーの近位端までの流体経路を創出するアダプターと;
その近位端および遠位端の各々に開口を有する先端部であって、このブラダーのこの遠位端がこの先端部のこの近位端に接続されている、先端部と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中またはこのアダプター中の重合可能な成分と;
このブラダーの中の固体と;
を備える、アプリケーターに関する。
【0064】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が水である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が緩衝液である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体がリン酸塩を含む水溶液である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体がホウ酸塩を含む水溶液である、アプリケーターに関する。
【0065】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体がさらに上記底部区画中に液体を含む、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記底部区画中の上記液体が濃縮された塩溶液であり、これが希釈された場合、緩衝液を形成する、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記底部区画中の液体がリン酸塩を含む水溶液である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記底部区画中の上記液体がホウ酸塩を含む水溶液である、アプリケーターに関する。
【0066】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記重合可能な材料がポリアルキレンイミンを含む、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記重合可能な材料がPEIを含む、アプリケーターに関する。
【0067】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体が活性化PEGを含む、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−(NHS)試薬を含む、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SPA、PEG−SSeb、PEG−SGまたはそれらの混合物を含む、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SSebを含むアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SPAを含むアプリケーターに関する。
【0068】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体が管状である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体がプラスチックである、アプリケーターに関する。
【0069】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチ〜約5インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチ〜約4インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約3インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチである、アプリケーターに関する。
【0070】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.8インチ〜約1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.26インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.39インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.55インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.97インチであるアプリケーターに関する。
【0071】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつシリンジ本体の遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、その上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、シリンジに関する。
【0072】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である、シリンジに関する。
【0073】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつシリンジ本体の直径と等しい直径を有する、シリンジに関する。
【0074】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつ上記アダプターの直径と等しい直径を有する、シリンジに関する。
【0075】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.25インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.50インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.75インチである、アプリケーターに関する。
【0076】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記チェックバルブが圧力感受性である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記チェックバルブが、ボール式チェックバルブ、ダイヤフラム式チェックバルブ、スイング式チェックバルブ、リフト式チェックバルブ、ダブルチェックバルブ、ダブルボール式チェックバルブ、ピストン式チェックバルブ、ウエハー式チェックバルブ、ダックビル式チェックバルブ、アンブレラチェックバルブ、またはボールアンドコーン式チェックバルブである、アプリケーターに関する。
【0077】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、チェックバルブの代わりに、アプリケーターは上記シリンジ本体の外部部分中に構築されたバイパスを有し、それによって同じ機能を達成する、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、チェックバルブの代わりに、上記浮動性プランジャーは、易破壊性膜を有し、この膜が破壊されるとき、上記頂部区画と底部区画との間の流体連絡が可能になり、それによって同じ機能が達成されるアプリケーターに関する。
【0078】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーが管状である、アプリケーターに関する。
【0079】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーが圧縮性材料から作製されており、この圧縮性材料が手動の圧縮を可能にする、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーがプラスチックである、アプリケーターに関する。
【0080】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約1インチ〜約5インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約2インチ〜約4インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約3インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約2インチである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約1インチである、アプリケーターに関する。
【0081】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.1インチ〜約1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.1インチ〜約0.3インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.3インチ〜約0.5インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.5インチ〜約0.7インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.7インチ〜約1インチであるアプリケーターに関する。
【0082】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターが管状である、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターがプラスチックである、アプリケーターに関する。
【0083】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.001インチ〜約0.5インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.001インチ〜約0.01インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.01インチ〜約0.1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.1インチ〜約0.5インチであるアプリケーターに関する。
【0084】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.1インチ〜約2インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.1インチ〜約0.5インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.5インチ〜1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約1インチ〜約1.5インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約1.5インチ〜2インチであるアプリケーターに関する。
【0085】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記シリンジ本体から上記アダプターへの流体の流れを制御するこのシリンジ本体の遠位端で取り外し可能なセパレーターまたはバルブをさらに備える、アプリケーターに関する。
【0086】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部がカニューレ先端部、ベントカニューレ先端部、バイオネット型カニューレ先端部、ブラシアプリケーター先端部、ダックビル先端部、テキスタイルミット(textile mitt)、スプレー先端部、発泡スワブ、またはシリコンチューブである、アプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部が、ベントカニューレ先端部、またはバイオネット型カニューレ先端部である、アプリケーターに関する。
【0087】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約0.1インチ〜約10インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約1インチ〜約2インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約2インチ〜約3インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約3インチ〜約4インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約4インチ〜約5インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約5インチ〜約6インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約6インチ〜約7インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約7インチ〜約8インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約8インチ〜約9インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の長さが約9インチ〜約10インチであるアプリケーターに関する。
【0088】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.015インチ〜約0.55インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.015インチ〜約0.2インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.035インチ〜0.15インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.055インチ〜0.1インチであるアプリケーターに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.08インチであるアプリケーターに関する。
【0089】
特定の実施形態では、本発明は、前述のアプリケーターのいずれか1つであって、上記先端部中に配置されたスクリーンまたはフィルターをさらに備える、アプリケーターに関する。
【0090】
上記の複数の実施形態の説明から明らかであるとおり、注目すべき複数構成要素のシリンジおよびアプリケーターアセンブリが本明細書において提供される。このような複数構成要素のシリンジおよびアプリケーターは、ヒドロゲルを分配するために用いられ得るが、本発明はまた、使用前に混合されるべきであって、かつ別々に保管される必要があり得る任意の複数の成分の混合物を分配するためにも適用可能である。詳細には本発明は、公知の複数の構成要素のディスペンサーに伴う欠点を克服する、複数の流動可能な成分の材料を同時に分配するためのシリンジおよびアプリケーターアセンブリを包含する。例えば、本発明は、2つの構成要素の接着剤、シーラント、コーティングおよび埋め込み用(potting)化合物、例えば、エポキシ類、ウレタン類、アクリル類、ポリスルフィド類、ポリエステル類およびシリコーン類、ならびに他の接着剤またはシーラント材料などを分配するためにも適用可能である。
【0091】
エポキシ接着剤は、複数構成要素の接着剤の例、さらに一般的には複数構成要素の生成物の例であって、ここでは、この構成要素の材料を使用前に個々に保管する必要があり、かつ使用前に特定の比に応じて混合しなければならない。エポキシ接着剤は代表的には、エポキシ樹脂成分および硬化剤成分を備え、その結果適切な割合で一緒に混合されるとき、そのエポキシ硬化剤は適所で硬化する。この点を考慮して、本明細書に記載されるアプリケーターは、エポキシ樹脂成分および硬化剤成分のための別々の貯蔵場所、ならびに別々の成分を一緒にかつ硬化に適切な比に応じて分配するための手段を有する、エポキシ接着剤分配デバイスとして用いられ得る。
【0092】
さらに、種々のポリウレタン類、例えば、多孔性および非多孔性の基質に対する結合のために有用であるものも、構成要素の材料が個々に貯蔵され、使用のための特定の比に応じて混合されることを必要とする。ポリウレタン接着剤の組成物は代表的には、少なくとも1つのポリウレタンプレポリマーおよび硬化剤を含む。
【0093】
さらに、フィブリノーゲンおよび第XIII因子を含む第一の成分、ならびにトロンビンおよびカルシウムイオンを通常含む第二の成分を含む、血漿成分から形成されるフィブリンシーラントもまた、本明細書に開示されるアプリケーターを介して送達され得る。フィブリノーゲンは、適切な成分が混合されるとき、フィブリン血栓を形成するように重合可能で、かつ架橋可能でありことが周知である。天然の血液凝固カスケードの関連部分を刺激するために必要な追加の因子は、フィブリノーゲンとトロンビンの成分の間で適切に分配され得る。例えば、参照によって本明細書に援用される、フィブリノーゲンシーラント調製(カラム1の20行〜カラム4の62行)およびアプリケーター(カラム4の62行〜カラム5の14行)の詳細な考察を示している、Antanavichら、米国特許第5,585,007号を参照のこと。
【0094】
さらに、特定の実施形態では、アプリケーター中の成分の混合を容易にするために、アプリケーターの部分を独立してキャップしてもよい。特定の実施形態では、このキャップはキャップを通る空気の通過を可能にしてもしなくてもよい。材料がキャップに注入されることができない気密性キャップは、「気密(エアーロック)」と呼ばれる。上記のように空気の通過を可能にするキャップは、所定の末端を「非気密性」の方式でカバーしている。キャップはまた、空気が一方向にのみ流れることを可能にするように設計されてもよい。
【0095】
(選択された方法)
本発明の一局面は、ヒドロゲルを調製および表面に対して適用する方法であって、以下の工程:
(a)シリンジを得る工程であって、このシリンジが:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
このシリンジ本体の側壁に接触しており、シリンジ本体の近位端に近い位置からシリンジ本体の遠位端の位置まで平行移動可能な浮動性疎水性中隔であって、それによってシリンジの近位端およびこの疎水性中隔に囲まれた頂部区画と、シリンジの遠位端およびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画とを創出する、浮動性疎水性中隔と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中の重合可能な成分と;
シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドが疎水性中隔でフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;
を備える、工程と:
(b)この疎水性中隔へ向けて上記プランジャーヘッドを前進させ、この頂部区画中の液体がこの疎水性中隔を通過して、この底部区画に入るようにさせ、それによって重合可能な成分を溶解する工程と;
(c)このシリンジ本体の近位端に向かってこのプランジャーを後ろに引く工程と;
(d)溶解された重合可能な成分を有するシリンジと、アダプターと、ブラダーと、先端部とを備える装置を組み立てる工程であって;ここでこのブラダーがその近位端および遠位端の各々で開口を有し;このブラダーに固体が存在し;この先端部はその近位端および遠位端の各々で開口を有し;このアダプターは、このブラダーのこの近位端に対してこのシリンジ本体のこの遠位端を接続し;このブラダーのこの遠位端は、この先端部のこの近位端に接続される、工程と;
(e)このシリンジ本体のこの近位端に向かってこのプランジャーヘッドを前進させて、この疎水性中隔をこのシリンジ本体のこの遠位端へ動かし、かつこの溶解された重合可能な成分を含むこの液体をこのアダプターを通過させて、このブラダー中のこの固体と接触させ、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(f)この先端部を介してこの表面に対してこの液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここでこのプレヒドロゲル混合物がゲル化して、この表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法に関する。
【0096】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記液体のプレヒドロゲル混合物が、上記ブラダーを手動で圧縮して、このプレヒドロゲル混合物をこのブラダーの外に、上記先端部の中に、および上記表面の上に押し付けることによって適用される、方法に関する。
【0097】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記液体のプレヒドロゲル混合物が、上記シリンジ本体の上記近位端に向かって上記プランジャーを後ろに引くこと、および引き続いてこのプランジャーを前進させてこのプレヒドロゲル混合物を上記ブラダーの外に、上記先端部の中に、および上記表面の上に押し付けることによって適用される、方法に関する。
【0098】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が脊柱内の硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が心血管系組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が胆嚢組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が膀胱組織である方法に関する。
【0099】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに、上記シリンジ本体の遠位端にキャップ、ルアーロックまたは易破壊性シールを備える方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに、上記シリンジ本体の遠位端にキャップを備える方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに、上記装置の組み立ての前に上記キャップを取り外す工程を包含する方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに、上記装置の組み立ての後に上記ルアーロックを開口する工程を包含する方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに、上記アダプターが組み立ての際に易破壊性シールを破裂させる方法に関する。
【0100】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が緩衝液である方法に関する。
【0101】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な成分がPEIを含む、方法に関する。
【0102】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画がさらに、液体を含み、その結果上記重合可能な成分が、約20(w/w)%;約30(w/w)%;約40(w/w)%;約50(w/w)%;約60(w/w)%;約70(w/w)%;約90(w/w)%;または約90(w/w)%である方法に関する。
【0103】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体が管状である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体がプラスチックである方法に関する。
【0104】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチ〜約5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチ〜約4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約3インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチである方法に関する。
【0105】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.8インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.26インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.39インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.55インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.97インチである方法に関する。
【0106】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性多孔性フィルターを含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性多孔性フィルターが、平坦なシート、中空ファイバーまたはスパイラル型(spiral wound)膜を備える方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニルまたはそれらの組み合わせを含む方法に関する。
【0107】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.25インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.50インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.75インチである方法に関する。
【0108】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画の内側が重合可能な成分でコーティングされている方法に関する。
【0109】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつシリンジ本体の遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、その上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、方法に関する。
【0110】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である方法に関する。
【0111】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつ上記シリンジ本体の直径と等しい直径を有する、方法に関する。
【0112】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.25インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.50インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がシリンジ本体の遠位端から少なくとも約0.75インチである方法に関する。
【0113】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジ本体の近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジ本体の遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体の側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である方法に関する。
【0114】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジ本体の近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジ本体の遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、破壊された場合、この頂部区画と底部区画とを接続する易破壊性膜を備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体の側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である方法に関する。
【0115】
本発明の一局面は、ヒドロゲルを調製および表面に対して適用するための方法であって、以下の工程:
(a)アンプルを得る工程であって、このアンプルが:
閉鎖近位端およびその遠位端の易破壊性シールと;
このアンプルのこの閉鎖近位端およびこの疎水性中隔に囲まれた頂部区画、ならびにこのアンプルのこの遠位端の易破壊性シールおよびこの疎水性中隔に囲まれた底部区画を創出するようにこのアンプルの内側に配置された浮動性疎水性中隔と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中の重合可能な成分と;
を備える、アンプルと;
(b)上記頂部区画の外側でアンプルを押圧し、この頂部区画中の上記液体が上記疎水性中隔を通過し、かつ上記底部区画に入るようにさせ、それによって上記重合可能な成分を溶解する工程と;
(c)溶解された重合可能な成分を有するアンプルと、アダプターと、ブラダーと、先端部とを備える装置を組み立てる工程であって;ここでこのブラダーがその近位端および遠位端の各々で開口を有し;このブラダーに固体が存在し;この先端部はその近位端および遠位端の各々で開口を有し;このアダプターは、このアンプルの遠位端上で易破壊性シールを破壊し、それによってこのブラダーのこの近位端に対してこのアンプルのこの遠位端を接続し;かつこのブラダーのこの遠位端は、この先端部のこの近位端に接続される、工程と;
(d)上記底部区画の外側でアンプルを押圧し、上記溶解した重合可能な成分を含む上記液体をこのアダプターを通ってかつこのブラダー中のこの固体と接触させ、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(e)この先端部を介してこの表面に対してこの液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここでこのプレヒドロゲル混合物がゲル化して、この表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法に関する。
【0116】
特定の実施形態では、本発明は、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記液体のプレヒドロゲル混合物が、上記ブラダーを手動で圧縮して、このプレヒドロゲル混合物をこのブラダーの外に、上記先端部の中に、および上記表面の上に押し付けることによって適用される、方法に関する。
【0117】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が脊柱内の硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が心血管系組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が胆嚢組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が膀胱組織である方法に関する。
【0118】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が緩衝液である方法に関する。
【0119】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な成分がPEIを含む、方法に関する。
【0120】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画がさらに、液体を含み、その結果上記重合可能な成分が、約20(w/w)%;約30(w/w)%;約40(w/w)%;約50(w/w)%;約60(w/w)%;約70(w/w)%;約90(w/w)%;または約90(w/w)%である方法に関する。
【0121】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルが管状である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルがプラスチックである方法に関する。
【0122】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの長さが約1インチ〜約5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの長さが約2インチ〜約4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの長さが約3インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの長さが約2インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの長さが約1インチである方法に関する。
【0123】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.1インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.8インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.26インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.39インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.55インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルの平均外径が約0.97インチである方法に関する。
【0124】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アンプルがプラスチックである方法に関する。
【0125】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性多孔性フィルターを含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性多孔性フィルターが、平坦なシート、中空ファイバーまたはスパイラル型(spiral wound)膜を備える方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニルまたはそれらの組み合わせを含む方法に関する。
【0126】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプルの近位端から少なくとも約0.25インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプルの近位端から少なくとも約0.50インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記疎水性中隔がアンプルの近位端から少なくとも約0.75インチである方法に関する。
【0127】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画の内側が重合可能な成分でコーティングされている方法に関する。
【0128】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつアンプルの遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、その上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、方法に関する。
【0129】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である方法に関する。
【0130】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつアンプルの直径と等しい直径を有する、方法に関する。
【0131】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がアンプルの遠位端から少なくとも約0.25インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場がアンプルの遠位端から少なくとも約0.50インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記溶解補助足場が上記アンプルの遠位端から少なくとも約0.75インチである方法に関する。
【0132】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このアンプルの近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このアンプルの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このアンプルの近位端に近い位置からこのアンプルの遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である方法に関する。
【0133】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、疎水性中隔の代わりに、浮動性プランジャーヘッドが用いられ、ここでこの浮動性プランジャーヘッドが、このアンプルの近位端と遠位端との間に配置され、それによってこのシリンジの近位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、このシリンジの遠位端および浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、破壊された場合、この頂部区画と底部区画とを接続する易破壊性膜を備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このアンプルの側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このアンプルの近位端に近い位置からこのアンプルの遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である方法に関する。
【0134】
本発明の別の局面は、ヒドロゲルを調製および表面に対して適用するための方法であって、以下の工程:
(a)アプリケーターを得る工程であって、このアプリケーターが:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
このシリンジ本体の近位端と遠位端との間に位置している浮動性プランジャーヘッドであって、これによってこのシリンジのこの近位端およびこの浮動性プランジャーヘッドによって囲まれた頂部区画、ならびにこのシリンジのこの遠位端およびこの浮動性プランジャーヘッドによって囲まれた底部区画を創出し;ここでこの浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、この頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;この浮動性プランジャーヘッドは、このシリンジ本体の側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつこの浮動性プランジャーは、このシリンジ本体の近位端に近い位置からこのシリンジ本体の遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、浮動性プランジャーヘッドと;
シャフト、遠位端、近位端、およびこの遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;このプランジャーは、このシリンジ本体のこの近位開口を最初に通じてこのシリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;このプランジャーヘッドは、このプランジャーヘッドがシリンジ本体の側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここでこのプランジャーは、このプランジャーヘッドがこのシリンジ本体のこの近位端にある位置とこのプランジャーヘッドが上記シリンジ本体の遠位端で上記浮動性プランジャーでフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;
その近位端および遠位端の各々で開口を有するブラダーと;
このシリンジ本体の遠位端からこのブラダーの近位端までの流体経路を創出するアダプターと;
その近位端および遠位端の各々に開口を有する先端部であって、このブラダーのこの遠位端がこの先端部のこの近位端に接続されている、先端部と;
この頂部区画中の液体と;
この底部区画中またはこのアダプター中の重合可能な成分と;
このブラダーの中の固体と;
を備える、工程と;
(b)上記浮動性プランジャーヘッドへ向けて上記プランジャーヘッドを前進させ、これによってこの浮動性プランジャーヘッドが上記シリンジ本体の上記遠位端に向かって動くようにさせ、上記底部区画中の上記流体が上記アダプターを通過して、上記ブラダーに動くようにさせ、それによって上記重合可能材料を溶解する工程と;
(c)この浮動性プランジャーヘッドへ向けてこのプランジャーヘッドをさらに前進させ、それによって上記チェックバルブを開放させ、上記頂部区画中の上記流体が上記底部区画を通り、かつこのアダプターを通って上記ブラダーへ通過することを可能にし、このブラダー中でこの材料を合わせて、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(d)この先端部を介してこの表面に対してこの液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここでこのプレヒドロゲル混合物がゲル化して、この表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法に関する。
【0135】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記液体のプレヒドロゲル混合物が、上記ブラダーを手動で圧縮して、このプレヒドロゲル混合物をこのブラダーの外に、上記先端部の中に、および上記表面の上に押し付けることによって適用される、方法に関する。
【0136】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記液体のプレヒドロゲル混合物が、上記シリンジ本体の上記近位端に向かって上記プランジャーを後ろに引くこと、および引き続いてこのプランジャーを前進させてこのプレヒドロゲル混合物を上記ブラダーの外に、上記先端部の中に、および上記表面の上に押し付けることによって適用される、方法に関する。
【0137】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が脊柱内の硬膜である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が心血管系組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が胆嚢組織である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記表面が膀胱組織である方法に関する。
【0138】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、さらに上記液体のプレヒドロゲル混合物を上記先端部を介して上記表面に適用する前に、上記シリンジを取り除く工程をさらに包含する方法に関する。
【0139】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体が水である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の液体が緩衝液である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体がリン酸塩を含む水溶液である、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記頂部区画中の上記液体がホウ酸塩を含む水溶液である、方法に関する。
【0140】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体がさらに上記底部区画中に液体を含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画中の上記液体が濃縮された塩溶液であり、これが希釈された場合、緩衝液を形成する方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画中の上記液体がリン酸塩を含む水溶液である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記底部区画中の上記液体がホウ酸塩を含む水溶液である方法に関する。
【0141】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な材料がポリアルキレンイミンを含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記重合可能な材料がPEIを含む、方法に関する。
【0142】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体が活性化PEGを含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−(NHS)試薬を含む、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SPA、PEG−SSeb、PEG−SGまたはそれらの混合物を含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SSebを含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの内側の上記固体がPEG−SPAを含む方法に関する。
【0143】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体が管状である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体がプラスチックである、方法に関する。
【0144】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジの長さが約1インチ〜約5インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチ〜約4インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約3インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約2インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の長さが約1インチである方法に関する。
【0145】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.1インチ〜約0.4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.4インチ〜約0.6インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.6インチ〜約0.8インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.8インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.26インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.39インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.55インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体の平均外径が約0.97インチである方法に関する。
【0146】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、さらに溶解補助足場を備え;ここで上記重合可能な成分がこの溶解補助足場上に吸着される、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であるシリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場が、多孔性材料の小片であり、これは、上記底部区画を通過しかつシリンジ本体の遠位端を出て行く流体が多孔性材料の小片を通過し、その上に吸着された重合可能な成分を再構成するように構成されかつ適合されている、シリンジに関する。
【0147】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはそれらのコポリマーの小片である、シリンジに関する。特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がポリエステルの詰め物または他の線維性フィルター媒体材料の小片である、シリンジに関する。
【0148】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつシリンジ本体の直径と等しい直径を有する、シリンジに関する。
【0149】
特定の実施形態では、本発明は、前述のシリンジのいずれか1つであって、上記溶解補助足場がディスク様に成形されており、かつ上記アダプターの直径と等しい直径を有する、シリンジに関する。
【0150】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.25インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.50インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記浮動性プランジャーが上記シリンジ本体の近位端から少なくとも約0.75インチである、方法に関する。
【0151】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記チェックバルブが圧力感受性である方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記チェックバルブが、ボール式チェックバルブ、ダイヤフラム式チェックバルブ、スイング式チェックバルブ、リフト式チェックバルブ、ダブルチェックバルブ、ダブルボール式チェックバルブ、ピストン式チェックバルブ、ウエハー式チェックバルブ、ダックビル式チェックバルブ、アンブレラチェックバルブ、またはボールアンドコーン式チェックバルブである、方法に関する。
【0152】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、チェックバルブの代わりに、上記アプリケーターが上記シリンジ本体の外部部分中に構築されたバイパスを有し、それによって同じ機能を達成する方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、チェックバルブの代わりに、上記浮動性プランジャーは、易破壊性膜を有し、この膜が破壊されるとき、上記頂部区画と底部区画との間の液体連絡が可能になり、それによって同じ機能が達成される方法に関する。
【0153】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーが管状である、方法に関する。
【0154】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーが圧縮性材料から作製されており、この圧縮性材料が手動による圧縮を可能にする、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーがプラスチックである、方法に関する。
【0155】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約1インチ〜約5インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約2インチ〜約4インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約3インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約2インチである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの長さが約1インチである、方法に関する。
【0156】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.1インチ〜約1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.1インチ〜約0.3インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.3インチ〜約0.5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均外径が約0.5インチ〜約0.7インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダー本体の平均外径が約0.7インチ〜約1インチである方法に関する。
【0157】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターが管状である、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターがプラスチックである、方法に関する。
【0158】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.001インチ〜約0.5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.001インチ〜約0.01インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.01インチ〜約0.1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記ブラダーの平均壁厚が約0.1インチ〜約0.5インチである方法に関する。
【0159】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.1インチ〜約2インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.1インチ〜約0.5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約0.5インチ〜1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約1インチ〜約1.5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記アダプターの長さが約1.5インチ〜2インチである方法に関する。
【0160】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記シリンジ本体から上記アダプターへの流体の流れを制御するこのシリンジ本体の遠位端で取り外し可能なセパレーターまたはバルブをさらに備える、方法に関する。
【0161】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部がカニューレ先端部、ベントカニューレ先端部、バイオネット型カニューレ先端部、ブラシアプリケーター先端部、ダックビル先端部、テキスタイルミット、スプレー先端部、発泡スワブ、またはシリコンチューブである、方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部が、ベントカニューレ先端部、またはバイオネット型カニューレ先端部である、方法に関する。
【0162】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約0.1インチ〜約10インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約1インチ〜約2インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約2インチ〜約3インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約3インチ〜約4インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約4インチ〜約5インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約5インチ〜約6インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約6インチ〜約7インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約7インチ〜約8インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約8インチ〜約9インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の長さが約9インチ〜約10インチである方法に関する。
【0163】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.015インチ〜約0.55インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.015インチ〜約0.2インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.035インチ〜0.15インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.055インチ〜0.1インチである方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部の遠位端の直径が約0.08インチである方法に関する。
【0164】
特定の実施形態では、本発明は、前述の方法のいずれか1つであって、上記先端部中に配置されたスクリーンまたはフィルターをさらに備える、方法に関する。
【0165】
(滅菌手順)
本明細書に含まれる種々の手順のアプリケーターおよび/または化学組成。滅菌は、化学的技術、物理的技術または照射技術によって達成され得る。化学的方法の例としては、エチレンオキシドまたは過酸化水素蒸気に対する曝露が挙げられる。物理的方法の例としては、熱(乾式加熱または湿式加熱)、レトルト缶詰化(retort canning)および濾過による滅菌が挙げられる。英国薬局方は、有効な滅菌には、2時間以上、最低160℃での加熱、1時間以上、最低170℃での加熱、および30分以上、最低180℃での加熱を推奨している。加熱滅菌の例については、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,136,326号を参照のこと。膜を通じた化学組成物の通過を用いて、組成物を滅菌してもよい。例えば、組成物は、濾過されている組成物に対して不活性な材料を含む0.22ミクロンのフィルターなどの小孔のフィルターを通して濾過される。特定の場合、濾過は、クラス100,000以上のクリーンルームで行う。照射方法の例としてはガンマ線照射、電子ビーム照射、マイクロ波照射、および可視光を用いる照射が挙げられる。1つの好ましい方法は、参照によって各々が本明細書に援用される米国特許第6,743,858号;同第6,248,800号;および同第6,143,805号に記載されるとおり電子ビーム照射である。
【0166】
電子ビーム照射にはいくつかの線源がある。電子ビーム加速器の2つの主な群は以下である:(1)絶縁鉄心変圧器形加速器を用いるDynamitron、および(2)高周波(RF)線形加速器(リニアック)。Dynamitronは、電子にエネルギーを付与するように設計された粒子加速器(4.5MeV)である。高エネルギーの電子は、ガラス絶縁ビーム管(加速管)の長さ内に配置された加速器電極の静電場によって生成および加速される。排気ビーム管およびビーム輸送(ドリフトパイプ)の伸張を通じて移動するこれらの電子を、磁石偏向システムに供して、ビーム窓を通じて真空エンクロージャを出て行く前に「キャンド(canned)」ビームを生じる。線量は、スキャンのパーセント、ビーム電流およびコンベヤーの速度の制御で調節してもよい。特定の場合には、使用される電子ビーム照射は、少なくとも約2μキュリー/cm、少なくとも約5μキュリー/cm、少なくとも約8μキュリー/cm、または少なくとも約10μキュリー/cmの初期フルエンスで維持され得る。特定の場合には、使用される電子ビーム照射は、約2〜約25μキュリー/cmの初期フルエンスを有する。特定の場合には、電子ビームの線量は、約5〜50kGray、または約15〜約20kGrayであり、この特定の線量は、電子ビーム照射に対して供される材料の密度、およびそこで見積もられる汚染微生物数に対して選択される。このような要因は十分に当該分野の技術の範囲内である。
【0167】
滅菌されるべきアプリケーターおよび/または組成物は、ガラスまたはプラスチックなどの任意の種類の少なくとも部分的に電子ビーム透過性の容器中であってもよい。電子ビーム照射の浸透は、パッケージングの関数である。定常電子ビームの側から十分な浸透がない場合、容器は、十分な浸透を達成するために反転されてもよいし、または回転されてもよい。あるいは、電子ビーム源は、定常パッケージに対して動かされてもよい。生成物の負荷における線量の分布および線量の浸透を決定するために、線量のマッピングを行ってもよい。これによって生成物内の最小および最大の線量域を特定する。
【0168】
可視光を用いる滅菌のための手順は、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,579,916号に記載されている。滅菌のための可視光は、滅菌を達成するため十分な力および全幅の波長の任意の従来の発生装置を用いて発生され得る。発生装置は、PurePulse Technologies,Inc.4241 Ponderosa Ave,San Diego,Calif.92123,USAから、PureBright(登録商標)インライン滅菌システムという商品名で市販されている。PureBright(登録商標)インライン滅菌システムは、可視光を使用して、表面の日光よりも約90000倍大きい強度で透明な液体を滅菌する。UV光の浸透量が懸念される場合、従来のUV吸収材料を用いてUV光を除去してもよい。
【0169】
好ましい実施形態では、アプリケーターまたはその部分中の組成物を滅菌して、少なくとも約10−3の滅菌保証レベル(Sterility Assurance Level)(SAL)を得る。この滅菌保証レベル測定の標準は、例えば、ISO/CD 14937に記載されており、その開示全体が参照によって本明細書に援用される。特定の実施形態では、滅菌保証レベルは、少なくとも約10−4、少なくとも約10−5、または少なくとも約10−6であってもよい。
【0170】
上記で考察されるとおり、本発明の特定の実施形態では、キットの1つ以上の組成物、試薬または構成要素は滅菌されている。この滅菌は、ガンマ線照射、電子線(eビーム)照射、乾熱滅菌、エチレンオキシド滅菌またはそれらの任意の組み合わせを用いて達成され得る。このキットの組成物、試薬または構成要素は、水溶液またはニート中で滅菌してもよい。
【0171】
特定の実施形態では、アプリケーターまたはその一部に存在する化合物(本明細書に記載のとおり)は、2〜40kGy;または3〜20kGy;または5〜12kGyのeビーム照射によって滅菌されている。
【0172】
特定の実施形態では、この滅菌は、30℃より下で行う。特定の実施形態では、この滅菌は、20℃より下で行う。特定の実施形態では、この滅菌は、10℃より下で行う。特定の実施形態では、この滅菌は0℃より下で行う。
【0173】
(キット)
本発明の別の局面では、本発明の1つ以上のアプリケーターを含むキットが提供される。「キット」は、本明細書において用いる場合、代表的には、例えば、本明細書に記載のような、本発明の1つ以上のアプリケーターおよび/または本発明に関連する他の組成物を含むパッケージまたはアセンブリを規定する。キットの各々の組成物は、液体型(例えば、溶液中で)で提供されてもよいし、または固体型(例えば、乾燥粉末)で提供されてもよい。特定の場合、いくつかの組成物が、例えば、適切な溶媒または他の種(これは、キットに提供されてもよいし、または提供されなくてもよい)の添加によって、構成可能であり得、そうでなければ加工可能(例えば、活性型に)であり得る。本発明に関連する他の組成物または構成要素の例としては限定するものではないが、例えば、特定の用途のために組成物構成要素を使用、改変、アセンブリ、貯蔵、パッケージング、調製、混合、希釈および/または保存するための溶媒、サーファクタント、希釈剤、塩、緩衝液、乳化剤、キレート剤、充填剤、抗酸化剤、結合剤、増量剤、防腐剤、乾燥剤、抗菌剤、針(ニードル)、シリンジ、包装材料、チューブ、ボトル、フラスコ、ビーカー、皿(ディッシュ)、フリット、フィルター、リング、クランプ、ラップ、パッチ、容器などが挙げられる。
【0174】
本発明のキットは、本発明のアプリケーターと組み合わせて提供される任意の形態の説明書を、当業者がその説明書を本発明のアプリケーターと関連すると認識するような方式で備えてもよい。例えば、この説明書はアプリケーターおよび/またはこのキットに関連する他の組成物の使用、改変、混合、希釈、保存、アセンブリ、貯蔵、パッケージング、および/または調製に関連し得る。いくつかの場合には、この説明書はまた、このアプリケーターの使用のための説明書を備えてもよい。この説明書は、このような説明書を備えるために適切な媒体として使用者に認識可能な任意の形態で提供され得る;例えば、任意の方式で提供される、書面または刊行物、口頭、音声的(例えば、電話の)、デジタル、光学的、視覚的(例えば、ビデオテープ、DVDなど)または電気的なコミュニケーション(インターネットまたはウェブのコミュニケーションを含む)。
【0175】
特定の実施形態では、アプリケーターの異なる部分が別々にパッケージングされ得る(例えば、マイラーパウチ中)。例えば、ある状況では、シリンジ本体(プランジャーを備えかつ遠位端でキャップされる)およびブラダー(近位端でキャップされ、かつ遠位端で先端部またはキャップを備える)を別々にパッケージングすることが有利である場合がある。
【0176】
(定義)
本発明において定義されかつ用いられる全ての定義は、辞書的定義、参照によって援用される文献の定義、および/または規定の用語の通常の意味を包含すると理解されるべきである。
【0177】
不定冠詞「1つの、ある(a)、および(an)」は本明細書において、詳細な説明で、および特許請求の範囲で用いる場合、明確に反対を示すのでない限り、「少なくとも1つの」を意味することが理解されるべきである。
【0178】
「および/または」という句は本明細書において詳細な説明で、および特許請求の範囲で用いる場合、そのように接続された要素、すなわち、ある場合には接続して存在し、かつ他の場合には離接的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味することが理解されるべきである。「および/または」で列挙される複数の要素は、同じ形式で、すなわち、そのように接続された要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。他の要素が、必要に応じて、「および/または」の節によって特に特定される要素以外に、特に特定される要素に関連しても関連しなくても、存在してもよい。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という言及は、「含む」などの無制約な言語と組み合わせて用いられる場合、1つの実施形態では、Aのみ(必要に応じてB以外の要素を含む);別の実施形態ではBのみ(必要に応じてA以外の要素を含む);さらに別の実施形態ではAおよびBの両方(必要に応じて他の要素を含む);などを指す場合がある。
【0179】
本明細書において詳細な説明で、および特許請求の範囲で用いる場合、「または」とは、上記のように、「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙の中で条項を分離する場合、「または」または「および/または」は、包括的に、すなわち、少なくとも1つのという包含と解釈されるであろう、そしてまた多数の要素または要素の列挙のうちの2つ以上、および必要に応じて追加して列挙していない条項も含む。明確にその反対に示される唯一の用語、例えば、「〜のうち唯一、のただひとつ(only one of)」または「のうち正確に1つ、の厳密に1つだけ(exactly one of)」または特許請求の範囲で用いる場合は「〜からなる(consisting of)」とは、要素の多数または列挙のうち正確に1つの要素の包含を指す。一般には、本明細書において用いる場合、「または」という用語は、排他性の用語、例えば、「いずれか」、「〜の一つ、一つの〜」、「唯一の〜、〜のうちただ一つ」、または「のうち正確に1つ、の厳密に1つだけ」が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、一方または他方であるが、両方でない)を示すとのみ解釈されるものとする。「本質的に〜からなる」とは特許請求の範囲で用いられる場合、特許法の分野で用いられる通常の意味を有するものとする。
【0180】
本明細書において詳細な説明で、および特許請求の範囲で用いる場合、1つ以上の要素の列挙に関して、「少なくとも1つの〜」という句は、要素の列挙における要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素の列挙内に特に列挙された各々かつあらゆる要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素の列挙における要素の任意の組み合わせを排除しないことが理解されるべきである。この定義によってまた、特に特定される要素に関連しても関連しなくても、「少なくとも1つの」という句が指す要素の列挙内に特に特定される要素以外に必要に応じて要素が存在し得ることが可能になる。従って、非限定的な例としては「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等価的に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」または等価的に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)とは、1実施形態では、少なくとも1つ(必要に応じて2つ以上を含む)のAを指す場合があり、ここでBは存在しない(かつ必要に応じてB以外の要素を含む);別の実施形態では、少なくとも1つ(必要に応じて2つ以上を含む)のBを指す場合があり、ここでAは存在しない(かつ必要に応じてA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、少なくとも1つ(必要に応じて2つ以上を含む)のA、および少なくとも1つ(必要に応じて2つ以上を含む)のB(かつ必要に応じて他の要素を含む)を指す場合がある;その他。
【0181】
明らかに逆を示すのでない限り、2つ以上の工程または行為を含む本明細書に特許請求される任意の方法において、この方法の工程または行為の順序は、この方法の工程または行為が言及されている順序に限定される必要はないこともまた理解されるべきである。
【0182】
特許請求の範囲、および上記の詳細な説明では、全ての移行句、例えば、「含む、包含する(comprising)」、「含む、包含する(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含む、含有する(containing)」、「含む、包含する(involving)」、「保持する、保有する(holding)」、「〜から構成される(composed of)」などは、無制限である、すなわち、包含するが限定しないことを意味することが理解されるべきである。唯一「〜からなる(consisting of)」および「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という移行句のみは、米国特許庁特許審査手順マニュアル(United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures),セクション2111.03に示されるとおり、それぞれ限定または半限定的な移行句であるものとする。
【0183】
「ブラダー(bladder)」という用語は本明細書において用いる場合、開口遠位端および開口近位端を有する中空の構造を指す。可塑性のチューブが、ブラダーの1例であり;PVCプラスチゾルブラダーも同様である。
【0184】
「チェックバルブ(check valve)」という用語は、本明細書において用いる場合、通常は流体が一方向にのみ流れることを可能にする機械的デバイスであるバルブを指す。
【0185】
「流体のバイパス」という用語は、本明細書において用いる場合、プランジャーヘッドなどが遠位に前進された後、1つの区画から別の区画へ流体が流れることを可能にする、例えば、シリンジ本体の構造的特徴を指す。例えば、ツインバイパスのシリンジを記載している、参照によって本明細書に援用される、米国特許第4,735,616号を参照のこと。
【0186】
本明細書において用いる場合、「先端部」という用語は、当業者に公知であり、かつ封入されたチャンバ(例えば、アプリケーター本体)からいくつかの媒体中に出て行くとき流体の流量の特徴を制御するように設計された機械的デバイスを指す。先端部は種々の直径のチューブである場合が多く、液体または気体の流れを指向または改変するために用いられ得る。先端部はそれから出る流れの流速、速度、方向および/または圧力を制御するために頻繁に用いられる。特定の実施形態では、流体の流れが入る先端部の近位端は、流体の流れが出て行く先端部の遠位端よりも大きい直径を有する。これは、収束(convergent)先端部と呼ばれる(すなわち、流れの方向で広い直径から小さい直径へ狭くなっていく)。他の実施形態では、この先端部は、発散(divergent)と特徴づけられ得る(すなわち、小さい直径から大きい直径へ拡大する)。
【0187】
「ブラシ(brush)」または「ブラシカニューレ(brush cannula)」という用語は本明細書において用いる場合、当業者に公知である。この名称は、ブラシの機能に相当するものである:これは、適用のために剛毛(bristle)を通じて液体を流すことができるように構築されている。ブラシは、液体を分配する広範な種々の媒体に結合されてもよく、多くの種類の剛毛材料および構成から作製され得る。本明細書における特定の実施形態では、ブラシカニューレは、アプリケーター本体に接続される。ブラシカニューレはまた、フロースルー(flow−thru)ブラシとしても公知である;この用語は、本明細書において交換可能に用いられる。
【0188】
本明細書において用いる場合、「活性化PEG」という用語は、当業者に公知であり、かつ他の分子とのコンジュゲーションのために活性化された少なくとも1つの末端を有するポリ(エチレン)グリコール(直鎖状または分岐)を指す。下に示すのは、ポリエチレングリコール(PEG)、モノ−メチル化ポリエチレングリコール(mPEG)、活性化mPEGおよびビス−活性化PEGの化学構造である。
【0189】
【化1】

上記で提供される構造では、nは正の整数である。活性化PEGのバッチでは、異なる個々の分子は、nという異なる値を有する(すなわち、この混合物は、多分散系である);これらの混合物は、nについて平均値に変換され得る平均分子量によって特徴付けられる場合が多い。本明細書における特定の実施形態では、平均nは、約10〜約200である。他の実施形態では、平均nは、約80〜約120である。さらに他の実施形態では、平均nは、約100である。上記で示される構造では、Xは、種々の化学部分、例えば、N−スクシンイミド、N−マレイミド、ニトロ、アルデヒド、アミン、チオール、ケタール、アセタールまたはカーボネートなどを含む。特定の実施形態では、Xは、−CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)[「PEG−SPA」]、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)[「PEG−SG」]、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)[「PEG−SA」]、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)[「PEG−SSeb」]、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)、−C(=O)(p−ニトロフェニル)、−CHCHC(=O)H、−CHCHCHNH2、−CHCHCH(OCHCH、−CHCHSH、−CHCHCHN(H)C(=O)CHCH(N−マレイミジル)、および−O(C=O)O(p−ニトロフェニル)からなる群より選択される。
【0190】
特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.1g/cc〜0.2g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.2g/cc〜0.3g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.3g/cc〜0.4g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.4g/cc〜0.5g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.5g/cc〜0.6g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.7g/cc〜0.8g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約0.9g/cc〜1g/ccである。特定の実施形態では、活性化PEGのバルク密度は、約1g/cc〜10g/ccである。約0.25g/ccより大きいバルク密度を有する活性化PEGを調製する方法は、下の実施例7に示される。
【0191】
「PEG(NHS)」という用語は、ポリマー鎖の両端に−C(=O)O((N−スクシンイミジル)を有するポリエチレングリコールを指す。PEG(NHS)は、種々の方法、例えば、以下の方法のいずれかを用いることによって調製され得る。1の方法では、ポリエチレングリコールは、対応するカルボン酸[HOCCHO−PEG−OCHCOH]に対して2つの末端を酸化するための酸化的条件に、続いてビス(NHSエステル)への変換に供される。2の方法では、PEG(NHS)は、NCCHCHO−PEG−OCHCHCNを得るためのアクリロニトリルを有するポリエチレングリコールの2つの末端のアルキル化、続いてビス(酸)[HOCCHCHO−PEG−OCHCHCOH]への加水分解、次いでビス(NHSエステル)への変換によって調製される。
【0192】
本明細書において用いる場合、「PEG−SPA」とは、以下の構造を指し:
【0193】
【化2】

式中、Xは−(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)であり;かつnは整数(例えば、10〜200)である。
【0194】
本明細書において用いる場合、「PEG−SG」とは、以下の構造を指し:
【0195】
【化3】

式中、Xは−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)であり;かつnは整数(例えば、10〜200)である。
【0196】
本明細書において用いる場合、「PEG−SA」とは、以下の構造を指し:
【0197】
【化4】

式中、Xは、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)であり;かつnは整数である(例えば、10〜200)。
【0198】
本明細書において用いる場合、「PEG−SSeb」とは、以下の構造を指し:
【0199】
【化5】

式中、Xは、−C(=O)(CHC(=O)O(N−スクシンイミジル)であり;かつnは整数である(例えば、10〜200)。
【0200】
本明細書において用いる場合、「プラスチック」とは、ポリアクリル酸、シリコーン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミンまたはそれらのコポリマーを指す。
【0201】
本明細書において用いる場合、「シリコーン」(重合化シロキサンまたはポリシロキサン)は、化学式[RSiO]を有する混合された無機−有機のポリマーであって、式中Rは、メチル、エチルおよびフェニルのような有機基である。これらの材料は、四配位であるケイ素原子に結合された有機側鎖基を有する無機のケイ素−酸素骨格からなる。いくつかの場合には、有機側鎖基は、これらの骨格の2つ以上を一緒に連結するために用いられ得る。−Si−O−鎖長、側鎖基および架橋を変化することによってシリコーンは、広範な種々の特性および組成で合成され得る。
【0202】
ヒドロゲルの調製において、液体処方物をゲル化させる化学反応は、pHに依存性であり得る。例えば、PEI/PEG−SGヒドロゲルを形成する場合、PEI溶液は、塩基性であって、緩衝液は酸性であり、その結果一緒に混合されれば、得られた液体は、可溶性のPEG−SGを重合化して合理的な時間内にゲル化させるのに的確なpHを有する。従って、「緩衝液」という用語は本明細書において用いる場合、ヒドロゲルの形成を可能にする緩衝液を指す。
【0203】
本明細書において用いる場合、「吸着された」とは、分子のフィルム(吸着質)が基板上に形成されることを意味する。本明細書において用いる場合、固体または粘性の液体がその上に吸着される基板の一例は、溶解補助足場である。
【0204】
本明細書において用いる場合、「溶解補助足場」とは、固体材料、例えば、プラスチックまたはガラスであって、固体または粘性の液体などがその上に沈着され得る表面積を有する固体材料を指す。この用語が示唆するとおり、足場上に沈着される材料は、バルク材料よりも液体中で溶解することが容易である(なぜなら、部分的には、足場上に広げられた場合存在する材料の表面積が大きいことに起因して)。
【0205】
本明細書において用いる場合、「中隔(septum)」という用語は、2つの腔または空間を隔てる区画を指し、ここでこの区画は、特定の条件下で液体に透過性である(例えば、圧力中で増大)。疎水性膜とは、この用語を本明細書で用いる場合、中隔の例である。
【0206】
本明細書において用いる場合、「患者」という用語は、罹患している任意の動物、例としては、霊長類、詳細には、ヒトおよび他の哺乳動物、例えば、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジ;ならびに鳥類およびペットを一般に指す。
【0207】
本明細書において用いる場合、「易破壊性(frangible)」であるシールとは、破壊可能なシールである(例えば、穿刺によって)。
【実施例】
【0208】
本発明はここで、一般的に記載されており、本発明は、本発明の特定の局面および実施形態の単なる例示の目的のために含まれており、かつ本発明を限定するものではない、以下の実施例を参照してさらに容易に理解される。
【0209】
(実施例1)
親水性フィルター(例えば、Filtrona D3602CまたはFiltrona D3737B;12.25mm直径×5mm長さ)を5mLのBDシリンジに入れた。100mLの容量フラスコを用いて、PEI PR8515(5.0012g)の溶液を調製し、MeOHで容積を満たした。このようにして調製したPEI溶液のうち254μlを親水性フィルターに堆積させた。次いでメタノールを減圧下で除去した。疎水性フィルター(例えば、Filtrona D3602A、D3602B、D3602C、またはD4017)を次に、シリンジの近位端に挿入した。次いで、緩衝液の塩溶液を、四ホウ素酸ナトリウム十水和物(3.3371g)、およびNaHPO(2.6987g)を250mLの容積フラスコ中に溶解することによって調製した;1滴の食品着色料を、この容積フラスコに添加して、可視化助剤として使用した。シリンジの近位端に、2.40mLの緩衝液を分配した。この緩衝液が疎水性フィルターを通過させられないように、プランジャーを近位端に挿入して、キャップをルアーフィッティングに置いた。次いで、溶解補助足場(すなわち、親水性フィルター)上のPEIを、プランジャーを押圧し、最初に疎水性フィルターを通して、次いでPEI埋め込み親水性フィルターを通して溶液を押し付けることによって溶解した。プランジャーを解放して、圧力が生じて平衡になること、およびシリンジの近位端に向かって溶液を押し戻すことを可能にした。この溶液を全部で少なくとも10サイクル繰り返して交換した。次いで、再構成したPEI溶液をPEG−SSeb3.4K(200mg)と混合した。生じたゲルは平均30秒で入り込み、かつpH7.4のPBS中で37Cで5%という24時間の平衡重量膨張があった。サンプルは、列挙したフィルターの種類の全ての8つの組み合わせについて調製した。
【0210】
(実施例2)
5mLのBDシリンジの内側の疎水性フィルター(Filtrona D3602B)に、254μLの実施例1で用いたPEI/MEOH溶液を分配した。MeOHを減圧下で除去した。次いで、実施例1で用いた緩衝液を、処理したフィルターの頂部に分配し、PEIの溶解を可能にするフィルターへの吸収について観察した。このように、一旦PEIがフィルター上に堆積されれば、疎水性フィルターは、親水性フィルターとして機能した。
【0211】
(実施例3)
図1に示されるものと類似のアプリケーターを、一端で長いアプリケーター先端部を有し、そして他の端でキャップを有するルアーロックチューブアダプターを有するシリコーンブラダー内に200mgのPEG−SSebを入れることによって準備した。デバイスのこの一部を、2区画の剥離型ホイルパウチの1区画内でシールした。PEI溶液は、約2.68mMのポリエチレンイミンMw=2000、約58.2mMのNaHPO、約38.8mMのNaHPO、および約35.0mMのNa・10HOを含有する1.88mLの緩衝溶液を3mLのシリンジ中に分配することによって、使用時にPEG−SSebを再構成するように調製した。シリンジは、2区画の剥離型ホイルパウチの第二区画内でシールした。ホイルパウチ内のアプリケーターを、約20〜25kGyの電子線(eビーム)照射に曝露した。使用時に、インサイチュの重合試験物を、ホイルパウチの2つの区画を開封することによって準備した。この試験物は、ルアーロックフィッティングを通して再構成緩衝液を含む3mLのシリンジにアプリケーターチューブアダプターを備える絞り出し式の装備品を接続することによって組み立てた。この再構成溶液を、絞り出し式のブラダーに分配し、PEG3400−SSeb活性成分を、このデバイスを少なくとも5秒間振盪することによって溶解し、得られた溶液は、標的領域上にアプリケーターチューブを通して搾り出した。分配された材料のゲル化は約30秒以内に生じた。
【0212】
(実施例4)
図1に示されるものと類似のアプリケーターを、一端で長いアプリケーター先端部を、そして他の端でキャップを有する改変ルアーロックチューブアダプターを有するシリコーンブラダー内に200mgのPEG−SSebを入れることによって準備した。このルアーロックチューブアダプターは、アダプター中に2つの親水性フィルターを挿入すること、120μLのPEIメタノール溶液(10.1152gのPEI Mw=2000をメタノールに溶解することおよび100mLの容積まで充填することによって作製)を添加すること、次いで減圧下でメタノールを除去することによって改変した。デバイスのこの部分を2区画の剥離式ホイルパウチの1区画内でシールした。再構成溶液を調製して、約87.3mMのNaHPO、約9.7mMのNaHPO、および約35.0mMのNa・10HOを含有する2.08mLの緩衝液を3mLのシリンジ中に分配することによって、PEIを続いてPEG−SSebを使用時に再構成した。シリンジは、2区画の剥離型ホイルパウチの第二区画内でシールした。ホイルパウチ内のアプリケーターを、約20〜25kGyの電子線(eビーム)照射に曝露した。使用時に、インサイチュの重合試験物を、ホイルパウチの2つの区画を開封することによって準備した。この試験物は、ルアーロックフィッティングを通して再構成緩衝液を含む3mLのシリンジにアプリケーターチューブアダプターを備える絞り出し式の装備品を接続することによって組み立てた。適用の部位は、吸い取り乾燥させた。この再構成溶液を、PEIロードしたルアーロックチューブアダプターを通して、絞り出し式のブラダーに緩徐に分配し、PEG3400−SSeb活性成分を、このデバイスを少なくとも5秒間振盪することによって溶解し、得られた溶液は、標的領域上にアプリケーターチューブを通して搾り出した。分配された材料のゲル化は約30秒以内に生じた。
【0213】
(実施例5)
実施例4由来のアプリケーターを、前臨床のイヌ腰髄硬膜侵襲(durotomy)の修復評価で用いた。吸入麻酔下で、正中切開を腰椎に対して行ったところ、皮膚および筋肉が反射した。片側椎弓切除を、バリドリルビット(burr drill bit)を用いてL3椎骨で行った。0.9mm×0.5mmのポリウレタンカテーテルをベースラインのCSF圧力読み取りのためにクモ膜下に挿入した。このカテーテルを頭蓋内圧(ICP)トランスデューサーおよび三方活栓に接続した。一旦移植すれば、ベースラインのCSF圧を記録した。ベースラインの読み取り後、さらなる筋肉組織が背側突起ならびにL2およびL5脊椎骨の薄膜を露出することに反射した。脊椎骨薄膜の両方の背側面を、バリドリルビットを用いて除去して(背側突起を含む)、硬膜を露出した。硬膜の露出後、約1.0cmの切開を硬膜およびクモ膜を通して作成し、切開は6−0モノフィラメントのナイロン縫合糸で近似した。この切開後、CSFはこの切開から自由に出て行けた。この切開を、吸い取り乾燥して、インサイチュの重合溶液を、記載したアプリケーターを介して、6匹(n=6)の処理動物の正中線の上で約1mmの深さまで適用した(図5を参照のこと)。6匹(n=6)のイヌでは、硬膜侵襲の部位を縫合糸のみで閉鎖した。試験物が有意に硬化した後、または縫合閉鎖後、この硬膜侵襲部位を、三方活栓を介した生理食塩水注入でCSF漏出について試験した。ICPトランスデューサーは、圧力が少なくとも41cmのHOに達して、約30秒間維持されるまで生理食塩水注入の間モニターした。各々の処理した部位についてL2およびL5の硬膜侵襲部位は、58cmのHOという平均圧力では漏出なしのままで、これは少なくとも30秒間維持された。各々のコントロールの部位についてL2およびL5の硬膜侵襲部位は、6cmのHOという平均圧力で漏出し、コントロール部位で、特に30秒間41cmのHO付近の圧力を維持できた部位はなかった。結果を図6に示す。一旦、圧力試験が完了すれば、皮膚および筋肉繊維を閉鎖して、組織接着剤を適用した。
【0214】
術後4〜5日で、動物をMRIによる外科手術後CSF漏出について評価した。この評価の間、12の処理部位全てでCSF漏出はなしのまま(漏出なし100%)であったが、12のコントロール部位全てが、CSF漏出の徴候を示した(漏出なし0%)。
【0215】
動物を、2カ月または4カ月のいずれかの計画的剖検まで、神経学的欠損および臨床徴候について評価し続ける。
【0216】
(実施例6)
上記で注記されるとおり、本発明の特定の実施形態は、シリンジ本体を利用しない。例えば、一実施形態は、遠位端に易破壊性シールを有するJames Alexander Company Plastic ampの中央内側に疎水性の多孔性フィルターを有する3mLのプランジャーヘッドから構成される中隔を挿入することによって準備された。PEIをこのampの遠位端の区画に置いた(溶解補助足場の上)。緩衝液を、中隔の近位側において、チューブをシールした。図7を参照のこと。
【0217】
使用時に溶液を前区画に搾り出してPEIを再構成する。次いで、チューブをPEGブラダーに接続して、易破壊性シールを壊して、PEG粉末とPEI溶液とを合わせる。
【0218】
(実施例7)
得られた生成物のいくつかのさらなる機械的な処理をともなう、活性化PEGの溶融加工を下に記載している。
【0219】
1.活性化PEGをガラスバイアル中に入れて、80℃で30分間加熱して、粉末を完全に溶融した。得られた液体を反復ピペッターのシリンジ中に入れて、乾燥実験台上で50mLのアリコート(aloquates)に入れた。一旦冷却されれば、1グラムの活性化PEGビーズをシリンジに入れて、再構成した。活性化PEGビーズを約10分内に溶解して、実質的な量の空気も泡もないことを見出した。
【0220】
2.すぐ上に記載したビーズを、かみそりの刃で切断することによってさらに粒子サイズの低下に供した。得られた材料は、粗粉末であるか、またはある程度変動する粒子サイズであった。得られた材料1グラムをシリンジに入れて再構成した。活性化PEG粒子は実質的に5分以内に溶解され、実質的な量の空気も泡もないことを見出した。
【0221】
3.活性化PEG粉末をガラスバイアルに入れて、80℃で30分間加熱して、粉末を完全に溶融した。得られた液体を3ccのシリンジに入れた。この3ccのシリンジを空気補助噴霧機に入れて、圧縮空気の供給源に取り付けた。次いで、溶融したPEGを加圧して、このように噴霧機の空気流に導入した。溶融PEGのスプレーを、清浄な実験台の表面上約5フィートで得た。得られた材料を実験台の表面から取り除き、極めて微細な粉末を得た。この粉末は、約0.5g/ccのバルク密度を有した。この粉末の1グラムを5ccのシリンジに入れて、再構成した。約3mLの容積を有するこの再構成されたPEGは、溶存空気または混入された空気に起因して約0.2ccという圧縮能を有することが見出された。これは、溶存空気または混入された空気に起因して約0.5ccの圧縮能を有する、再結晶によって形成された1グラムの0.25g/ccのバルク密度粉末の同様のシリンジと比較された。
【0222】
(参照による援用)
本明細書に引用される米国特許および米国特許出願公開の全てが参照によって本明細書に援用される。
【0223】
(等価物)
本発明のいくつかの等価物が本明細書で記載されており図示されているが、当業者は、本明細書に記載される機能を行うか、ならびに/あるいは結果および/または1つ以上の利点を得るため、種々の他の手段および/または構造を容易に想像し、かつこのような変動および/または改変の各々は本発明の範囲内であるとみなされる。さらに一般的には、当業者は、本明細書に記載の全てのパラメーター、寸法、材料および構成が例示である意味であること、ならびに現実のパラメーター、寸法、材料および/または構成が、本発明の教示が用いられる特定の適用(単数または複数)に依存することを容易に理解する。当業者は、単に慣用的な実験を用いて、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識または獲得できる。従って、前述の実施形態は、単なる例として提示されていること、ならびにそれに対する添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内では、本発明は、特に記載されかつ特許請求されたもの以外にも実施され得ることが理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載される各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しない場合、本発明の範囲内に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジであって:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
該シリンジ本体の該側壁に接触しており、かつ該シリンジ本体の該近位端に近い位置から該シリンジ本体の該遠位端の位置まで平行移動可能な浮動性疎水性中隔であって、それによって該シリンジの該近位端および該疎水性中隔に囲まれた頂部区画と、該シリンジの該遠位端および該疎水性中隔に囲まれた底部区画とを創出する、浮動性疎水性中隔と;
該頂部区画中の液体と;
該底部区画中の重合可能な成分と;
シャフト、遠位端、近位端、および該遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;該プランジャーは、該シリンジ本体の該近位開口を最初に通じて該シリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;該プランジャーヘッドは、該プランジャーヘッドが該シリンジ本体の該側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここで該プランジャーは、該プランジャーヘッドが該シリンジ本体の該近位端にある位置と該プランジャーヘッドが該疎水性中隔でフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;
を備える、シリンジ。
【請求項2】
前記シリンジ本体の前記遠位端にキャップ、ルアーロックまたは易破壊性シールをさらに備える、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項3】
前記頂部区画中の前記液体が緩衝液である、請求項1または2に記載のシリンジ。
【請求項4】
前記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、請求項1または2に記載のシリンジ。
【請求項5】
前記重合可能な成分がPEIを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンジ。
【請求項6】
前記疎水性中隔が、疎水性の多孔性フィルターを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンジ。
【請求項7】
さらに溶解補助足場を備え;ここで前記重合可能な成分が該溶解補助足場上に吸着される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリンジ。
【請求項8】
前記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、請求項7に記載のシリンジ。
【請求項9】
アンプルであって:
閉鎖近位端およびその遠位端の易破壊性シールと;
該アンプルの該閉鎖近位端および疎水性中隔に囲まれた頂部区画、ならびに該アンプルの該遠位端の易破壊性シールおよび該疎水性中隔に囲まれた底部区画を創出するように該アンプルの内側に配置された浮動性疎水性中隔と;
該頂部区画中の液体と;
該底部区画中の重合可能な成分と;
を備える、アンプル。
【請求項10】
前記頂部区画中の前記液体が緩衝液である、請求項9に記載のアンプル。
【請求項11】
前記重合可能な成分がポリアルキレンイミンを含む、請求項9または10に記載のアンプル。
【請求項12】
前記重合可能な成分がPEIを含む、請求項9または10に記載のアンプル。
【請求項13】
前記疎水性中隔が疎水性の多孔性フィルターを含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項14】
さらに溶解補助足場を備え;ここで前記重合可能な成分が、該溶解補助足場上に吸着される、請求項9〜13のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項15】
前記溶解補助足場がプラスチックまたはガラスの小片である、請求項14に記載のアンプル。
【請求項16】
アプリケーターであって:
側壁、ならびにその近位端および遠位端の各々に開口を有するシリンジ本体と;
該シリンジ本体の近位端と遠位端との間に配置された浮動性プランジャーヘッドであって、それによって該シリンジの該近位端および該浮動性プランジャーヘッドに囲まれた頂部区画と、該シリンジの該遠位端および該浮動性プランジャーヘッドに囲まれた底部区画とを創出し;ここで該浮動性プランジャーヘッドは、開口された場合、該頂部区画と底部区画とを接続するチェックバルブを備え;該浮動性プランジャーヘッドは、該シリンジ本体の該側壁でシールを形成するように構成されかつ適合されており;かつ該浮動性プランジャーは、該シリンジ本体の該近位端に近い位置から該シリンジ本体の該遠位端の位置まで軸方向に平行移動可能である、浮動性プランジャーヘッドと;
シャフト、遠位端、近位端、および該遠位端に設けられたプランジャーヘッドを有するプランジャーであって;該プランジャーは、該シリンジ本体の該近位開口を最初に通じて該シリンジ本体のプランジャーヘッドに挿入されており;該プランジャーヘッドは、該プランジャーヘッドが該シリンジ本体の該側壁に係合する場合、シールを形成するように構成されかつ適合されており、ここで該プランジャーは、該プランジャーヘッドが該シリンジ本体の該近位端にある位置と該プランジャーヘッドが該シリンジ本体の該遠位端で該浮動性プランジャーでフラッシュされる位置との間で軸方向に平行移動可能である、プランジャーと;
ブラダーであって、その近位端および遠位端の各々で開口を有するブラダーと;
該シリンジ本体の遠位端から該ブラダーの近位端までの流体経路を創出するアダプターと;
先端部であって、その近位端および遠位端の各々に開口を有する先端部であって、該ブラダーの該遠位端が該先端部の該近位端に接続されている、先端部と;
該頂部区画中の液体と;
該底部区画中または該アダプター中の重合可能な成分と;
該ブラダーの中の固体と;
を備える、アプリケーター。
【請求項17】
前記頂部区画中の前記液体が水である、請求項16に記載のアプリケーター。
【請求項18】
前記頂部区画中の前記液体が緩衝液である、請求項16に記載のアプリケーター。
【請求項19】
前記重合可能な材料がポリアルキレンイミンを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項20】
前記重合可能な材料がPEIを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項21】
前記ブラダーの内側の前記固体が活性化PEGを含む、請求項16〜20のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項22】
前記ブラダーの内側の前記固体がPEG−SPA、PEG−SSeb、PEG−SGまたはそれらの混合物を含む、請求項16〜20のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項23】
さらに溶解補助足場を備え;ここで前記重合可能な成分が該溶解補助足場の上に吸着されている、請求項16〜22のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項24】
前記溶解補助足場が、プラスチックまたはガラスの小片である、請求項23に記載のアプリケーター。
【請求項25】
前記チェックバルブが圧力感受性である、請求項16〜24のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項26】
前記チェックバルブがボール式チェックバルブ、ダイヤフラム式チェックバルブ、スイング式チェックバルブ、リフト式チェックバルブ、ダブルチェックバルブ、ダブルボール式チェックバルブ、ピストン式チェックバルブ、ウエハー式チェックバルブ、ダックビル式チェックバルブ、アンブレラチェックバルブ、またはボールアンドコーン式チェックバルブである、請求項16〜24のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項27】
前記ブラダーが圧縮性材料から作製されており、該圧縮性材料が手動による圧縮を可能にする、請求項16〜26のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項28】
シリンジ本体から前記アダプターへの流体の流れを制御する該シリンジ本体の遠位端で取り外し可能なセパレーターまたはバルブをさらに備える、請求項16〜27のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項29】
前記先端部がカニューレ先端部、ベントカニューレ先端部、バイオネット型カニューレ先端部、ブラシアプリケーター先端部、ダックビル先端部、テキスタイルミット、スプレー先端部、発泡スワブ、またはシリコンチューブである、請求項16〜28のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項30】
前記先端部中に配置されたスクリーンまたはフィルターをさらに備える、請求項16〜29のいずれか1項に記載のアプリケーター。
【請求項31】
ヒドロゲルを調製および表面に対して適用する方法であって、以下の工程:
(a)請求項1〜8のいずれか1項に記載のシリンジを得る工程と;
(b)前記疎水性中隔へ向けて前記プランジャーヘッドを前進させ、前記頂部区画中の前記液体が該疎水性中隔を通過して、前記底部区画に入るようにさせ、それによって前記重合可能な成分を溶解する工程と;
(c)前記シリンジ本体の近位端に向かって前記プランジャーを後ろに引く工程と;
(d)溶解された重合可能な成分を有するシリンジと、アダプターと、ブラダーと、先端部とを備える装置を組み立てる工程であって;ここで該ブラダーがその近位端および遠位端の各々で開口を有し;該ブラダーに固体が存在し;該先端部はその近位端および遠位端の各々で開口を有し;該アダプターは、該ブラダーの該近位端に対して該シリンジ本体の該遠位端を接続し;該ブラダーの該遠位端は、該先端部の該近位端に接続される、工程と;
(e)該シリンジ本体の該近位端に向かって該プランジャーヘッドを前進させて、該疎水性中隔を該シリンジ本体の該遠位端へ動かし、かつ該溶解された重合可能な成分を含む該液体を該アダプターを通過させ、そして該ブラダー中の該固体と接触させ、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(f)該先端部を介して該表面に対して該液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここで該プレヒドロゲル混合物がゲル化して、該表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法。
【請求項32】
ヒドロゲルを調製および表面に対して適用する方法であって、以下の工程:
(a)請求項9〜14のいずれか1項に記載のアンプルを得る工程と;
(b)前記頂部区画の外側でアンプルを押圧し、該頂部区画中の前記液体が前記疎水性中隔を通過し、かつ前記底部区画に入るようにさせ、それによって前記重合可能な成分を溶解する工程と;
(c)溶解された重合可能な成分を有する該アンプルと、アダプターと、ブラダーと、先端部とを備える装置を組み立てる工程であって;ここで該ブラダーがその近位端および遠位端の各々で開口を有し;該ブラダーに固体が存在し;該先端部はその近位端および遠位端の各々で開口を有し;該アダプターは、該アンプルの該遠位端上で易破壊性シールを破壊し、それによって該ブラダーの該近位端に対して該アンプルの該遠位端を接続し;かつ該ブラダーの該遠位端は、該先端部の該近位端に接続される、工程と;
(d)前記底部区画の外側でアンプルを押圧し、前記溶解した重合可能な成分を含む前記液体を該アダプターを通過させ、そして該ブラダー中の該固体と接触させ、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(e)該先端部を介して該表面に対して該液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここで該プレヒドロゲル混合物がゲル化して、該表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法。
【請求項33】
ヒドロゲルを調製および表面に対して適用する方法であって、以下の工程:
(a)請求項16〜30のいずれか1項に記載のアプリケーターを得る工程と;
(b)前記浮動性プランジャーヘッドへ向けて前記プランジャーヘッドを前進させ、それによって該浮動性プランジャーヘッドが前記シリンジ本体の前記遠位端に向かって動くようにさせ、前記底部区画中の前記流体が前記ブラダー中へ前記アダプターを通過して動くようにさせ、それによって前記重合可能な材料を溶解する工程と;
(c)該浮動性プランジャーヘッドへ向けて該プランジャーヘッドをさらに前進させ、それによって前記チェックバルブを開放させ、前記頂部区画中の前記流体が前記底部区画を通り、かつ該アダプターを通って前記ブラダーへ通過することを可能にし、該ブラダー中で該材料を合わせて、それによってプレヒドロゲル混合物を形成する工程と;
(d)該先端部を介して該表面に対して液体のプレヒドロゲル混合物を適用する工程であって、ここで該プレヒドロゲル混合物がゲル化して、該表面上でヒドロゲルを形成する工程と;
を包含する方法。
【請求項34】
前記液体のプレヒドロゲル混合物が、前記ブラダーを手動で圧縮して、該プレヒドロゲル混合物を該ブラダーの外に、前記先端部の中に、および前記表面の上に押し付けることによって適用される、請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記液体のプレヒドロゲル混合物が、前記シリンジ本体の前記近位端に向かって前記プランジャーを後ろに引くこと、および引き続いて該プランジャーを前進させて該プレヒドロゲル混合物を前記ブラダーの外に、前記先端部の中に、および前記表面の上に押し付けることによって適用される、請求項31または33に記載の方法。
【請求項36】
前記液体のプレヒドロゲル混合物を前記先端部を介して前記表面に適用する前に、前記シリンジを取り除く工程をさらに包含する、請求項31または33に記載の方法。
【請求項37】
前記表面が硬膜である、請求項31〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記表面が脊柱内の硬膜である、請求項31〜36のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−525234(P2012−525234A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508767(P2012−508767)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/033134
【国際公開番号】WO2010/127222
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(509201148)ハイパーブランチ メディカル テクノロジー, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】