説明

外部画像記録機能付きカーナビゲーター

【課題】運転中に車外の美しい風景や出来事、あるいは車内の様子など、画像として記録しておきたい瞬間に遭遇しても、一瞬にしてチャンスを逃してしまうことがあるばかりか、運転中にカメラ、ビデオを準備することは大きな危険を伴う。
【解決手段】カーナビゲーターに外部画像入力装置を付加する。外部画像入力装置の先端には広角レンズあるいは魚眼レンズを設置して、できるだけ広い範囲の画像を記録できるようにする。運転中は、常時画像をカーナビゲーター内の記憶媒体(ハードディスク、DVD−RWなど)に記録・保存していくことで、不意の事故の際にもその当時の状況、過失の有無などを証明できるようにする。また、カーナビゲーター内のハードディスクからUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスなどを介して、あるいはDVD−RWを直接取り外すことで、記録・保存した画像の抽出や編集をできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在一般的に使用されているカーナビゲーターシステムに、外部よりの画像記録(保存)機能システムを付加することで、更なるカーナビゲーターの使用範囲拡大を目的としたものである。
【技術背景】
【0002】
現在カーナビゲーターの普及は目覚しく、テレビチューナー機能は無論のこと、DVDビデオ機能、CD・MD再生機能、ラジオ機能、電話番号などのデータ検索機能様々な機能が付加され、いわば車内の小さなコンピューターといっても過言ではない。しかし、外部からの画像記録(録画)機能が付加された装置はいまだ商品化されていない。
一方、運転中事故前後の前方画像および速度などが記録されるドライブレコーダーなるものが既に開発され、タクシーやトラックなど一部の自動車に搭載されている。しかし、飛行機に搭載されているフライトレコーダー同様その装置の特殊性から、一般車への普及はまだ進んでいない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カーナビゲーターの本来の使用用途である運転中における道順案内機能は大変に便利なものではあるが、そのためにはパソコンに劣らないハードウェアとソフトウェアを必要とする。ところが、実際運転中に常時道順案内機能が必要とされる機会は少ない。つまり、これらの高価なハードウェア機能を有効に活用することが求められる。
一方、自動車を運転中に、急な歩行者の飛び出し、車の割り込み、急停車、信号無視による交差点の暴走など、こちら側に過失が無いにも関わらずはっとするような出来事に遭遇することがある。そして万が一、事故が生じてしまった場合、こちら側に過失が無いことを証明する術が無い場合には、不注意の可能性ありとして相応の責任を負わされかねない可能性がある。ただ、何らかの形で運転中の状況を証明することができれば、過失が無いことを証明する有力な材料として提出が可能となる。
その他、運転中に思いがけない美しい景観に遭遇したり、珍しい動物との出会いなど、予期せぬ好機に巡り合うことがある。この時にあわててカメラ、ビデオを取り出してもシャッターチャンスを逃すばかりか、時には大変な危険を伴う。
本発明はカーナビゲーターのハードウェア機能を常時有効活用させ、加えて上記の運転中における問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
カーナビゲーターに外部画像入力機能を付加する。外部より入力された画像情報はカーナビゲーター内のメモリーあるいはハードディスク、DVD−RW(DVD Re−writable)などの記憶媒体に圧縮して記憶させる。また、必要時には記録・保存した画像情報を容易に外部抽出、編集、再生できるようにする。
【発明の効果】
【0005】
自動車の運転中に予期しない歩行者の飛び出し、危険な車の割り込み、急停車など、明らかに当方の運転には問題がないと考えられるにもかかわらず危険極まりない状況に遭遇することがある。そして、万が一事故へと発展したならば、明らかな過失がないにもかかわらず、当事者として相応の責任を追求される可能性もある。このような時に運転中の状況が画像記録として残っていれば、過失の有無を証明することが可能となる。また、当装置を多くの自動車が搭載するような状況になれば、必然的に相互に自動車運転を監視するような形となり、無理で危険な運転が減少することが期待できる。すなわち交通安全に、多大に寄与するものと考えられる。
また、運転中に美しい景観との遭遇や思いがけない動物との出会いなど、予期していなかったような光景を目にすることがある。この時、とっさにカメラやビデオを用意しても間に合わないことが多く、運転状況によっては大きな危険が伴う。しかし、常時画像記録機能が働いていれば、後ほどゆっくりと再生、編集して供覧することも可能となる。
さらに、画像入力となるレンズ部分を車外あるいは車内方向へと、任意にその向きを切り替えられるようにすることで、ひとりでの車内実況中継といった新しい試みも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明実施のための概念的形態を説明する。
(イ)小型の外部画像入力装置を設ける。先端にはレンズがついており、レンズを通して集められた光学エネルギーはCCD(Charge−Coupled Devices)にて電気信号に変換される。入力装置の先端は自由に向きが変えられるものとし、車外、車内方向など使用者の必要性と用途に合わせ、任意に角度、方向を調節できるようにする。この調節方式に関しては問わないが、例えば図1の(1)のようにレンズの付いた頭部には回転機能を持たせるすることで360度視野を変えられるようにする。さらに、頭部と連続する頸部部分にもフレキシビリティ機能を持たせることで自由に角度を調節できるようにし、いずれの方向からも任意の映像を得られるようにする。
(ロ)CCDで電気信号化した情報をカーナビゲーター本体に入力する方法(接続方法)、およびこの外部画像入力装置の車内における設置方法も問わない。
ただし、外部画像入力装置は車内フロントボードあるいは天井など、車種や利便性を考慮して設置できるよう自由度の高い設計とする。
(ハ)外部画像入力装置の先端には広角レンズ、魚眼レンズなどを採用し、できるだけ広範囲の画像が得られるようにする。あるいはワンタッチでレンズ切り替えが可能となるようにしても良い。
(ニ)外部画像入力装置から入力されたアナログの電気信号はA/D変換機を介してデジタル信号に変換する。この情報を一時的にメモリに蓄え、CPU(Central Processing Unit)で画像の圧縮を行う(圧縮方法、方式は問わない)。さらに圧縮された情報をハードディスク、DVD−RWに記録、保存する(この媒体は問わない)。
(ホ)記録に用いる記憶媒体には容量の問題があるので、あらかじめ希望の連続記録時間を設定しておき(例えば12時間など)、それを超える場合には上書きして保存していくことでこの問題点の解決を図る。
(ヘ)記録媒体に記録された画像は、後ほどカーナビゲーター本体で再生できるほか、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスなどを設置することでスティックメモリーなどを介して外部抽出できるようにする。あるいはDVD−RWなどの媒体を用いれば、そのまま取り出して使用することも可能である。
(ト)本考案はあくまでもカーナビゲーター本来の道順案内機能を損なわずに併用できる点が重要であるので、両方の機能が常時稼動状態であることを可能せしめるものとする。このために高性能CPUによるマルチタスク方式を用いるものとする(方法については問わない)。
本考案を使用するときには、自動車のフロントパネルに設置されているカーナビゲーターの電源を入れ、外部画像入力装置のレンズを、映像を録画しておきたい方向に向け最終的にカーナビのモニターで確認する。
本来のカーナビゲーターとしての機能を用いる場合には、外部画像入力装置を介しての画像記録機能はバックグラウンドモードにて常時起動しているように設定しておく。
記録媒体の容量を考慮し、あらかじめ設定した時間分の画像を圧縮して記録する。設定時間以上については基本的に上書きモードで記録するものとし、媒体の容量不足を来たさないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明使用時のイメージ図
【図2】本発明のブロック図
【符号の説明】
【0008】
1 外部画像入力装置
2 カーナビゲーター
3 CCD(Charge−Coupled Devices)
4 A/D変換機
5 D/A変換機
6 メモリ
7 ハードディスクあるいはDVD−RW
8 CPU(Central Processing Unit)
9 USB(Universal Serial Bus)インターフェイス
10 モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来のカーナビゲーターに外部画像入力装置を付加することで、自動車運転中の画像情報を内部の記憶媒体に連続して記録・保存することを可能にした新しいタイプのカーナビゲーター。
【請求項2】
記憶媒体の容量を節約するために、記憶媒体への画像保存方法として、あらかじめ設定しておいた時間を超えて記録・保存する場合には上書き方式を用いることとしたその様式。
【請求項3】
内部の記憶媒体に保存されている画像情報をUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスなどを介して、あるいは画像情報が書き込まれているDVD−RW(DVD Re−writable)を直接取り出すことで、自由に抽出、編集可能としたその様式。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−313139(P2006−313139A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163218(P2005−163218)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(304050196)
【Fターム(参考)】