説明

多層フィルム

開示される発明は、多層フィルム(100)に関し、この多層フィルム(100)は、上部表面(112)および下部表面(114)を有する第1の透明フィルム層;第1の透明フィルム層(110)の上部表面(112)の上にある第2の透明フィルム層(130);第1の透明フィルム層(110)の表面または第2の透明フィルム層(130)の表面の上にあり、かつそれに接着するインク層、インク受容層または金属含有層(120);ならびに第1の透明フィルム層(110)の下部表面(114)の上にある第1の接着剤層(140)を備える。これらの多層フィルムは、移し絵として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は多層フィルムに関する。これらの多層フィルムは移し絵として有用である。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
移し絵は、剥離ライナーのような担体からガラスのような基材へ移されるために作製される絵、デザインまたはラベルである。当該分野の移し絵の多くに関する問題は、その移し絵がその基材に移された後に、その端が見え続けるという事実に関連する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの端が見えることは、その移し絵の外観およびその移し絵により提示されるデザインまたは情報を損なう。本発明は、この問題に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;第1の透明フィルム層の上部表面の上にある第2の透明フィルム層;第1の透明層の表面または第2の透明層の表面の上にあり、かつそれに接着するインク層、インク受容層または金属含有層;ならびに第1の透明フィルム層の下部表面の上にある第1の接着剤層を備える多層フィルムに関する。1つの実施形態では、このインク層は、この第1の透明フィルム層と第2の透明フィルム層との間に配置される。1つの実施形態では、上記インク受容層は、第1の透明フィルム層と第2の透明フィルム層との間に配置される。1つの実施形態では、このインク受容層は、この第1の透明フィルム層の上部表面の上にある。1つの実施形態では、このインク受容層は、この第1の透明フィルム層の下部表面の上にある。1つの実施形態では、上記金属含有層は、第1の透明フィルム層の下部表面の上にある。これらの多層フィルムは、移し絵として使用され得る。本発明により提供される移し絵の利点は、少なくとも1つの実施形態では、その移し絵が基材に付与されるときに、その端が実質的に消失し、それゆえに、目立たないという事実に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
添付の図面では、同じ参照は、同じ部品または特徴を示す。
【0006】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
用語「上に(over)」および「上にある(overlie)」ならびに同語源語(例えば、「上にある(overlying)」など)は、1つの層すなわち第1の層の、別の層すなわち第2の層に対する関係に言及する場合、その第1の層が、部分的にかまたは完全にその第2の層の上に置かれているという事実をいう。この第2の層の上にある第1の層は、この第2の層と接していてもいなくてもよい。例えば、1つ以上のさらなる層がこの第1の層とこの第2の層との間に配置され得る。用語「下に(under)」および「下にある(underlie)」ならびに同語源語(例えば、「下にある(underlying)」など)は、その第1の層が部分的にかまたは完全に、その第2の層の上ではなくて、その第2の層の下に置かれているということを除いて、類似の意味を有する。
【0007】
用語「間に(between)」は、第2の層および第3の層の位置に対する第1の層の位置に言及する場合、その第2の層およびその第3の層が、この第1の層の反対の側にあるという事実をいう。この第1の層は、この第2の層またはこの第3の層と接していてもいなくてもよい。例えば、1つ以上のさらなる層がこの第1の層とこの第2の層との間またはこの第1の層とこの第3の層との間に配置され得る。
【0008】
用語「透明な」は、本発明の多層フィルムの層の上にある透明フィルム層に言及する場合、その下にある層が、その透明フィルム層を通して見られ得ることを意味する。この透明フィルムは、半透明であってもよい。
【0009】
用語「上部の(upper)」および「下部の(lower)」は、本発明の多層フィルムで使用される層または層の表面の相対的位置に言及するために、本明細書中および添付の特許請求の範囲で時々使用される。これらの用語は、図面に図示されるような相対的位置に言及する。例えば、図面において、第1の透明フィルム層110は、上部表面112および下部表面114を有する。図面に図示されるその多層フィルムは、斜めに傾けられ得るかまたは逆さまにされ得、従ってこのような上部層もしくは下部層または上部表面もしくは下部表面は、技術的には「上部」層もしくは「下部」層または「上部」表面もしくは「下部」表面ではないことは認識されるが、多層フィルムが上部層もしくは下部層または上部表面もしくは下部表面を有するか否かを決定する際には、その多層フィルムは、図面に図示されるように配向されるべきであるということが理解されるべきである。
【0010】
図1を参照すると、本発明の多層フィルムは、その図示された実施形態のうちの1つにおいて、概して参照数字100により示され、そして、上部表面112および下部表面114を有する第1の透明フィルム層110;第1の透明フィルム層110の上部表面112の上にあるインク層120;インク層120の上にある第2の透明フィルム層130;および第1の透明フィルム層110の下部表面114の上にある第1の接着剤層140を備え、この第2の透明フィルム層は、上部表面132および下部表面134を有し、この第1の接着剤層140は、上部表面142および下部表面144を有する。
【0011】
図2に図示される多層フィルム100Aは、多層フィルム100Aが、第2の透明フィルム層130の上部表面132の上にある第1の剥離ライナー150;および第1の剥離ライナー150の下部表面154と第2の透明フィルム層130の上部表面132との間に配置される第1の剥離コーティング層160をさらに備えることを除いて、図1に図示される多層フィルム100と同一であり、第1の剥離ライナー150は、上部表面152および下部表面154を有する。第1の剥離コーティング層160は、優先的に、第1の剥離ライナー150に接着する。従って、第1の剥離ライナー150が第2の透明フィルム層130から分離された場合、第1の剥離コーティング層160は、第2の透明フィルム層130から分離され、第1の剥離ライナー150に接着したままとどまる。
【0012】
図3に図示される多層フィルム100Bは、多層フィルム100Bが、第1の剥離ライナー150の上部表面152の上にある第3の剥離コーティング層170をさらに備えることを除いて、図2に図示される多層フィルム100Aと同一である。この実施形態では、第1の接着剤層140は、感圧接着剤を含む。
【0013】
図9を参照すると、多層フィルム100Bは、ロール形態に巻かれ、第3の剥離コーティング層170の上部表面172が第1の接着剤層140の下部表面144と接触している。第3の剥離コーティング層170は、優先的に第1の剥離ライナー150に接着する。従って、図9に図示される多層フィルム100Bが解かれる場合、第3の剥離コーティング層170は、第1の接着剤層140から分離し、第1の剥離ライナー150に接着したままとどまる。
【0014】
図4に図示される多層フィルム100Cは、多層フィルム100Cが、接着剤層140の上にある第2の剥離ライナー180;および第2の剥離ライナー180と第1の接着剤層140との間に配置される第2の剥離コーティング層190をさらに備えることを除いて、図1に図示される多層フィルム100と同一である。この実施形態では、第1の接着剤層140は、感圧接着剤層を含む。第2の剥離コーティング層190は、優先的に、第2の剥離ライナー180に接着する。従って、第2の剥離ライナー180が第1の接着剤層140から分離された場合、第2の剥離コーティング層190は、第1の接着剤層140から分離され、第2の剥離ライナー180に接着したままとどまる。
【0015】
図5に図示される多層フィルム100Dは、多層フィルム100Dが、第1の透明フィルム層110とインク層120との間に配置されるインク受容層200をさらに備えることを除いて、図1に図示される多層フィルム100と同一である。
【0016】
図6に図示される多層フィルム100Eは、多層フィルム100Eが、第2の透明フィルム層130とインク層120との間に配置されるインク受容層200をさらに備えることを除いて、図1に図示される多層フィルム100と同一である。
【0017】
図7に図示される多層フィルム100Fは、多層フィルム100Fが、第1の透明フィルム層110とインク層120との間に配置される熱活性化接着剤層210をさらに備えることを除いて、図1に図示される多層フィルム100と同一である。
【0018】
図8に図示される多層フィルム100Gは、多層フィルム100Gが、第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離ライナー150;および第1の剥離ライナー150と第2の透明フィルム層130との間に配置される第1の剥離コーティング層160を、さらに備えることを除いて、図4に図示される多層フィルム100Cと同一であり、第1の剥離ライナー150は、上部表面152および下部表面154を有する。第1の剥離コーティング層160は、優先的に、第1の剥離ライナー150に接着する。従って、第1の剥離ライナー150が第2の透明フィルム層130から分離された場合、第1の剥離コーティング層160は、第2の透明フィルム層130から分離され、第1の剥離ライナー150に接着したままとどまる。
【0019】
図10に図示される多層フィルム100Hは、多層フィルム100Hが、第1の透明フィルム層110とインク層120との間に配置されるインク受容層200をさらに備えることを除いて、図8に図示される多層フィルム100Gと同一である。
【0020】
図11に図示される多層フィルム100Iは、多層フィルム100Iが、第2の透明フィルム層130とインク層120との間に配置されるインク受容層200;および第1の透明フィルム層110とインク層120との間に配置される熱活性化接着剤層210をさらに備えることを除いて、図8に図示される多層フィルム100Gと同一である。
【0021】
図12に図示される多層フィルム100Jは、部分フィルム構造310および320から作製され得る。部分フィルム構造310は、上部表面112および下部表面114を有する第1の透明フィルム層110;第1の透明フィルム層110の下部表面114の上にあるインク受容層200;第1の透明フィルム層110の上部表面112の上にある第2の透明フィルム層130;第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離コーティング層160;第1の剥離コーティング層160の上にある第1の剥離ライナー150;および第1の剥離ライナー150の上にある第3の剥離コーティング層170を備える。部分フィルム構造320は、第2の剥離ライナー180;第2の剥離ライナー180の一方の側の上にある第2の剥離コーティング層190;第2の剥離コーティング層190の上にある第1の接着剤層140;および第1の接着剤層140の上にある第3の剥離ライナー280を備える。第3の剥離ライナー280は、その側の一方に剥離コーティング層を有し、この剥離コーティング層は、第3の剥離ライナー280と第1の接着剤層140との間に配置される。部分フィルム構造310および320は、消費者または使用者へ運搬され得、そしてその消費者または使用者は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザープリンタまたはデジタルプリンタを使用して、インク受容層200の表面へ、インク層120を付与し得る。インク層120の付与後、剥離ライナー280が部分フィルム構造320から取り除かれ得、次いで部分フィルム構造320は、部分フィルム構造310に接着され得、接着剤層140がインク受容層200の上にあるインク層120に接着され得る。
【0022】
図13に図示される多層フィルム100Kは、多層フィルム100Kが、第1剥離ライナー150の上にある第3の剥離コーティング層170を備えることを除いて、図8に図示される多層フィルム100Gと同一である。
【0023】
図14に図示される多層フィルム100Lは、部分フィルム構造330および340から作製され得る。部分フィルム構造330は、インク受容層200;インク受容層200の上にある第2の透明フィルム層130;第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離コーティング層160;および第1の剥離コーティング層160の上にある第1の剥離ライナー150を備える。部分フィルム構造340は、第2の剥離ライナー180;第2の剥離ライナー180の上にある第2の剥離コーティング層190;第2の剥離コーティング層190の上にある第1の接着剤層140;第1の接着剤層140の上にある第1の透明フィルム層110;および第1の透明フィルム層110の上にある、熱活性化可能接着剤層210を備える。部分フィルム構造330および340は、消費者または使用者へ運搬され得、そしてその消費者または使用者は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザープリンタまたはデジタルプリンタを使用して、インク受容層200の表面へ、インク層120を付与し得る。次いで部分フィルム構造330および340は互いに接着され得、熱活性化可能接着剤層110が、インク受容層200の上にあるインク層120に接触し得る。熱および必要に応じて圧力が付与され得、熱活性化可能接着剤層210を活性化し得、それによって部分フィルム構造330および340を一緒に接着し得る。
【0024】
図15に図示される多層フィルム100Mは、部分フィルム構造350および360を用いて作製され得る。部分フィルム構造350は、インク受容層200;インク受容層200の上にある第2の透明フィルム層130;第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離コーティング層160;および第1の剥離コーティング層160の上にある第1の剥離ライナー150を備える。部分フィルム構造360は、第2の剥離ライナー180;第2の剥離ライナー180の一方の側の上にある第2の剥離コーティング層190;第2の剥離コーティング層190の上にある第1の接着剤層140;第1の接着剤層140の上にある第1の透明フィルム層110;第1の透明フィルム層110の上にある第2の接着剤層290;および第2の接着剤層290の上にある第3の剥離ライナー280を備える。その使用者は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザープリンタまたはデジタルプリンタを使用して、インク受容層200へ、インク層120を付与し得る。多層フィルム100Mは、次いで、部分フィルム構造360から第3の剥離ライナー280を取り除き、次いで第2の接着剤層290を、インク受容層200の上にあるインク層120に接着することにより、組み立てられ得る。
【0025】
図16に図示される多層フィルム100Nは、部分フィルム構造370および380を用いて作製され得る。部分フィルム構造370は、第3の接着剤層295;第3の接着剤層295の上にある第2の透明フィルム層130;第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離コーティング層160;および第1の剥離コーティング層160の上にある第1の剥離ライナー150を備える。部分フィルム構造380は、第2の剥離ライナー180;第2の剥離ライナー180の一方の側の上にある第2の剥離コーティング層190;第2の剥離コーティング層190の上にある第1の接着剤層140;第1の接着剤層140の上にある第1の透明フィルム層110;および第1の透明フィルム層110の上にあるインク受容層200を備える。その使用者は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザープリンタまたはデジタルプリンタを使用して、インク受容層220へ、インク層120を付与し得、次いで、第3の接着剤層295がインク受容層200の上にあるインク層120に接触するように、部分フィルム構造370を部分フィルム構造380に接着することにより、多層フィルム100Nを組み立て得る。
【0026】
図17に図示される多層フィルム110Pは、第2の剥離ライナー180;第2の剥離ライナー180の一方の側の上にある第2の剥離コーティング層190;第2の剥離コーティング層190の上にある第1の接着剤層140;第1の接着剤層140の上にある金属含有層300;金属含有層300の上にある第1の透明フィルム層110;および第1の透明フィルム層110の上にある第2の透明フィルム層130;第2の透明フィルム層130の上にある第1の剥離コーティング層160;および第1の剥離コーティング層160の上にある第1の剥離ライナー150を備える。1つの実施形態では、インク層120は、第1の透明フィルム層110と第2の透明フィルム層130との間に配置され得る。
【0027】
第1の透明フィルム層110は、約0.1〜約0.9mil、そして1つの実施形態では約0.2〜約0.4mil、そして1つの実施形態では、約0.7〜約0.9milの厚みを有し得る。インク層120の厚みは、約0.02〜約0.15mil、そして1つの実施形態では約0.02〜約0.10mil、そして1つの実施形態では、約0.02〜約0.08milの範囲であり得る。第2の透明フィルム層130の厚みは、約0.1〜約0.9mil、そして1つの実施形態では約0.7〜約0.9mil、そして1つの実施形態では、約0.2〜約0.4milの範囲であり得る。第1の接着剤層140の厚みは、約0.4〜約1mil、そして1つの実施形態では約0.4〜約0.8milの範囲であり得る。第1の剥離ライナー150の厚みは、約0.5〜約2mil、そして1つの実施形態では約0.5〜約1.5mil、そして1つの実施形態では、約0.8〜約1.1milの範囲であり得る。第1の剥離コーティング層160の厚みは、約0.05〜約0.3mil、そして1つの実施形態では約0.1〜約0.2mil、そして1つの実施形態では、約0.15milの範囲であり得る。第3の剥離コーティング層170の厚みは、約0.02〜約0.2mil、そして1つの実施形態では約0.04〜約0.08milの範囲であり得る。第2の剥離ライナー180の厚みは、約0.5〜約3mil、そして1つの実施形態では約0.5〜約1.5milの範囲であり得る。第2の剥離コーティング層190の厚みは、約0.02〜約0.2mil、そして1つの実施形態では約0.04〜約0.08milの範囲であり得る。インク受容層200の厚みは、約0.05〜約0.2mil、そして1つの実施形態では約0.05〜約0.15mil、そして1つの実施形態では、約0.10〜約0.15milの範囲であり得る。熱活性化接着剤層210の厚みは、約0.05〜約0.15mil、そして1つの実施形態では約0.08〜約0.12milの範囲であり得る。第3の剥離ライナー280の厚みは、約0.5〜約3mil、そして1つの実施形態では約0.5〜約1.5milの範囲であり得る。第2の接着剤層290の厚みは、約0.4〜約1mil、そして1つの実施形態では約0.4〜約0.8milの範囲であり得る。第3の接着剤層295の厚みは、約0.4〜約1mil、そして1つの実施形態では約0.4〜約0.8milの範囲であり得る。金属含有層300の厚みは、約100〜約500Å、そして1つの実施形態では約200〜約300Åの範囲であり得る。1つの実施形態では、金属含有層300の厚みは、光学密度(O.D.)によって測定され、約0.05〜約2.5O.D.、そして1つの実施形態では、約1.0〜約2.5O.D.の厚みを有する。上記の厚みの各々は、乾燥フィルム厚みである。多層フィルム100〜100Pは、最終使用者による容易な使用のために適切な任意の幅および長さを有し得る。例えば、その幅は、約1〜約200cm、そして1つの実施形態では約10〜約100cm、そして1つの実施形態では約30〜約40cmの範囲であり得る。その長さは、約10〜約6500m、そして1つの実施形態では約10〜約3000m、そして1つの実施形態では約15〜約1000mの範囲であり得る。これらの多層フィルムは、図9に図示されるようなロール形態で提供され得る。これらの多層フィルムは、任意の幅および長さ、例えば、1×1インチ(2.54×2.54cm)、2×2インチ(5.08×5.08cm)、36×36インチ(0.91×0.91m)などを有する平坦シートの形態で提供され得る。
【0028】
透明フィルム層110および130は、各々独立に、1つ以上の樹脂を含む。これらの層は、1つ以上の樹脂、水または1つ以上の溶媒、および必要に応じて、特性(レオロジー特性など)を制御するための1つ以上のさらなる添加剤を含む、液体コーティング組成物から作製され得る。これらの層は、独立に、1つ以上のホットメルトフィルム形成性組成物から作製され得、1つ以上の押出し成形フィルム層またはダイコーティング(die coated)フィルム層を含み得る。
【0029】
フィルム層110および130を作製する際に使用される樹脂は、コーティング処方物または塗料処方物において使用される従来の任意の樹脂を含み得る。この樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化樹脂を含み得る。この樹脂は、合成樹脂または天然樹脂を含み得る。有用な樹脂の例としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、フタル酸樹脂またはフタル酸無水物樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのような単位を含む、ビニルポリマーおよびビニリデンポリマーまたはコポリマー;エチレンまたはプロピレン単位およびエーテルの酸素化誘導体またはハロゲン化誘導体、ブタジエン、酸素化ブタジエン、イソプレン、酸素化イソプレン、ブタジエン−スチレン、ブタジエンビニルトルエン、またはイソプレン−スチレンなどを含む炭化水素ポリマーならびにコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、またはアクリロニトリルの単位を含む、ポリマーまたはコポリマー;不飽和物質と反応したビニル炭化水素モノマー(例えば、マレイン酸またはマレイン酸無水物の、スチレンとの反応生成物);ならびにエチレン性不飽和モノマーの幅広い、種々の他の樹脂性ゴム様弾性ラテックスポリマーおよびコポリマー、ならびに安定な水性ラテックス形態で入手可能なポリマーを含み得る。この樹脂は、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマーを含み得る。この樹脂は、ポリ塩化ビニル、または塩化ビニルまたはアクリル酸およびメタクリル酸のコポリマーを含み得る。この樹脂は、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジエチルジイソシアネート、イソシアヌレート、尿素−ホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、フェノール接着剤、動物皮接着剤などを含み得る。この樹脂は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、または繊維素樹脂を含み得る。
【0030】
この樹脂は、1つ以上のポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリマーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、イオノマー、およびこれらの混合物を含み得る。
【0031】
このポリオレフィンは、ASTM試験方法1238により決定される場合、約30未満、そして1つの実施形態では約20未満、そして1つの実施形態では10未満のメルトインデックスすなわち溶融流量を有するとして特徴付けられ得る。このポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのポリマーおよびコポリマー、またはこのようなポリマーおよびコポリマーの混合物のブレンドが挙げられる。これらのポリオレフィンは、エチレンおよびプロピレンのポリマーおよびコポリマーを含み得る。これらのポリオレフィンは、プロピレンホモポリマー、ならびにプロピレン−エチレンコポリマーおよびプロピレン−1−ブテンコポリマーのようなコポリマーを含み得る。ポリプロピレンおよびポリエチレンと互いとのブレンド、あるいはそれらの一方または両方とポリプロピレン−ポリエチレンコポリマーとのブレンドが、使用され得る。ポリオレフィンフィルム形成性材料は、高プロピレン含量を有し得、ポリプロピレンホモポリマー、あるいは低エチレン含量のプロピレン−エチレンコポリマーまたはポリプロピレンとポリエチレンのブレンド、あるいは低ブテン含量のプロピレン−1−ブテンコポリマーまたはポリプロピレンとポリ−1−ブテンとのブレンドであり得る。
【0032】
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンを含む種々のポリエチレンが使用され得る。ポリエチレンについての低密度範囲は、約0.910〜約0.925g/cmであり得、中密度範囲は、約0.925〜約0.940g/cmであり得、そして高密度範囲は、約0.940〜約0.965g/cmであり得る。有用な低密度ポリエチレン(LDPE)の例は、Huntsmanから入手可能なRexene 1017である。
【0033】
単独でかまたはプロピレンコポリマーと組合せて使用され得るプロピレンホモポリマーは、ASTM試験D1238、条件Lにより決定される場合、約0.5〜約20のメルトフローレート(MFR)を有するプロピレンホモポリマーのような、種々のプロピレンホモポリマーを含む。1つの実施形態では、10未満、そして1つの実施形態では約4〜約10のMFRを有するプロピレンホモポリマーが使用され得る。プロピレンホモポリマーは、約0.88〜0.92g/cmの範囲の密度を有するとして特徴付けられ得る。多数の有用なポリプロピレンホモポリマーが、種々の供給源から市販されており、そしていくつかの有用なポリマーとしては、Union Carbideから入手可能で12.0g/10分のメルトフローおよび0.90g/cmの密度を有する5A97;またUnion Carbideから入手可能で8.8g/10分のMFIおよび0.90g/cmの密度を有するDX5E66;およびUnion Carbideからの、3.9g/10分のメルトフローおよび0.90g/cmの密度を有するWRD5−1057が挙げられる。有用な市販のポリプロピレンホモポリマーはまた、FinaおよびMontelから入手可能である。
【0034】
上記ポリアミド樹脂としては、一般商品名Grivory(例えば、CF6S、CR−9、XE3303およびG−21)の下で、EMS American Grilon Inc.、Sumter、SC.から入手可能な樹脂が挙げられる。Grivory G−21は、125℃のガラス転移温度、90ml/10分のメルトフローインデックス(DIN 53735)および15の破断時伸び(ASTM D638)を有する非晶質ナイロンコポリマーである。Grivory CF65は、135℃の融点、50ml/10分のメルトフローインデックスおよび350%を越える破断時伸びを有するナイロン6/12フィルム等級樹脂である。Grilon CR9は、200℃の融点、200ml/10分のメルトフローインデックスおよび250%の破断時伸びを有する別のナイロン6/12フィルム等級樹脂である。Grilon XE 3303は、200℃の融点、60ml/10分のメルトフローインデックスおよび100%の破断時伸びを有するナイロン6.6/6.10フィルム等級樹脂である。上記ポリアミド樹脂は、例えば、Uni−Rez製品ラインの下で、Union Camp of Wayne、New Jerseyから入手可能なポリアミド樹脂および(Versamid 製品ラインの下で)Bostik、Emery、Fuller、Henkelから入手可能な二量体ベースのポリアミド樹脂を含む。上記ポリアミド樹脂は、二量体化した植物性の酸とヘキサメチレンジアミンとの縮合によって生成されるポリアミド樹脂を含む。Union Campから入手可能なポリアミド樹脂の例としては、Uni−Rez 2665;Uni−Rez 2620;Uni−Rez 2623;およびUni−Rez 2695が挙げられる。
【0035】
上記ポリスチレンとしては、スチレンおよび置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。スチレンコポリマーおよびターポリマー(terpolymer)の例としては、以下が挙げられる;アクリルニトリル−ブテン−スチレン(ABS);スチレン−アクリルニトリルコポリマー(SAN);スチレンブタジエン(SB);スチレン−マレイン酸無水物(SMA);およびスチレン−メチルメタクリレート(SMMA);など。
【0036】
上記ポリウレタンとしては、脂肪族ポリウレタンおよび芳香族ポリウレタンが挙げられる。
【0037】
上記ポリエステルは、種々のグリコールまたはポリオールと、1つ以上の脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸とから調製され得る。ポリエチレンテレフタレート(PET)およびPETG(シクロヘキサンジメタノールを用いて変性されたPET)は、有用なフィルム形成材料であり、これらは、種々の市販の供給源(Eastmanを含む)から入手可能である。例えば、Kodar 6763は、Eastman Chemicalから入手可能なPETGである。DuPontからの別の有用なポリエステルは、Selar PT−8307であり、これは、ポリエチレンテレフタレートである。
【0038】
アクリレートポリマーおよびコポリマー、ならびにアルキレンビニルアセテート樹脂(例えば、EVAポリマー)が、使用され得る。例としては、Escorene UL−7520(Exxon)(エチレンと19.3%の酢酸ビニルとのコポリマー);Nucrell 699(DuPont)(11%のメタクリル酸を含有するエチレンコポリマー)などが挙げられる。
【0039】
イオノマー(分子鎖のイオン結合を含むポリオレフィン)が、使用され得る。イオノマーの例としては、イオノマー性エチレンコポリマー(例えば、Surlyn 1706(DuPont))が挙げられ、これは、エチレンメタクリル酸コポリマーの亜鉛塩に基づく鎖間のイオン結合を含むと考えられている。DuPontからのSurlyn 1702は、イオノマーであって、使用され得る。
【0040】
ポリカーボネートがまた有用であり、そしてこれらは、Dow Chemical Co.(Calibre)、G.E.Plastics(Lexan)およびBayer(Makrolon)から入手可能である。これらのポリカーボネートは、界面プロセスにおけるビスフェノールAと塩化カルボニルとの反応によってもたらされ得る。分子量は、約22,000〜約35,000で変化し得、そしてメルトフローインデックスは、約4g/10分〜約22g/10分の範囲にあり得る。
【0041】
上記溶媒は、有機溶媒(例えば、ケトン、エステル、脂肪族化合物、芳香族化合物、アルコール、グリコール、グリコールエーテルなど)を含み得る。これらとしては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、ホワイトスピリット、アルカン、シクロアルカン、ベンゼン、炭化水素置換芳香族化合物(例えば、トルエン、キシレンなど)、イソパラフィン溶媒およびそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。あるいは、水または水ベースの溶液が使用されて、上記樹脂とともにエマルジョンを形成し得る。上記水ベースの溶液としては、水−アルコール混合物などが挙げられる。上記水または溶媒は、充分に揮発性であり、その結果、基材に付与される場合、上記水または溶媒は、上記樹脂および任意の他のさらなる不揮発性成分をそのまま残して蒸発する。
【0042】
使用され得るさらなる成分としては、湿潤剤;可塑化剤、懸濁補助剤;チキソトロピー剤(thixotropic agent)(例えば、シリカ);撥水添加剤(例えば、ポリシロキサン化合物);難燃添加剤;消泡剤;流動化剤(flow agent)などが挙げられる。
【0043】
上記透明フィルム層110および130は、各々、上記フィルム材料の単層または複数層由来であり得る。複数の層が使用される場合、各層は、同じ処方物であっても異なる処方物であってもよい。これらのフィルム層の各々は、増強された耐擦傷性、耐汚染性および/または重塗り適合性を提供し得る。
【0044】
以下のコーティング処方物は、上記透明フィルム層110および130のいずれかまたは両方を作製するために使用され得る:
【0045】
【化1】

上記インク層120は、本発明の複数層フィルムのために意図される印刷されるメッセージおよび/または絵のデザインに依存して、単色のインク層であっても複数色のインク層であってもよい。これらとしては、種々の印刷されたデータ(例えば、シリアル番号、バーコードなど)が挙げられる。上記インク層120は、1つ以上のインクの層から構成され得る。上記インク層120において使用されるインクは、水ベースインク、溶媒ベースインクまたは放射硬化性(例えば、UV硬化性)インクであり得る。例としては、345−36500(Gibraltar ChemicalからのNaphthol red)、345−34130(Gibraltarからのphthalo blue)および345−39420(Gibraltarからのカーボンブラック)が挙げられる。上記インク層は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、デジタルプリンタ、熱プリンタなどを用いて付与され得る。使用され得るインクジェットプリンタの例は、Roland DG Corporationにより提供される、Sol Jet Pro IIデジタル制御インクジェットプリンタである。
【0046】
上記第1の接着剤層140は、フィルム基材との使用のために当該分野で公知の任意の感圧接着剤、湿度活性化可能接着剤または熱活性化可能接着剤を含み得る。上記第2の接着剤層290は、感圧接着剤であり得る。上記第3の接着剤層295は、感圧接着剤層であっても熱活性化可能接着剤層であってもよい。これらの接着剤層は、各々、連続層または非連続層の形態にあり得、そして各々、1つの接着剤を含んでも2つ以上の接着剤の混合物を含んでもよい。各接着剤層は、いくつかの領域で比較的強い接着剤を有し、そして他の領域で比較的弱い接着剤を有するパターン化接着剤層の形態にあり得る。1つの実施形態において、上記接着剤層140は、初期タックを提供し、そして上記複数層フィルムのわずかな移動を可能にして、永続的な結合の形成前の位置決め調整を可能にする。1つの実施形態において、上記接着剤層140は、上記複数層フィルムまたは上記基材の使用がもはや所望されない場合に、上記複数層フィルムの基材からの容易な剥がしを可能にする。1つの実施形態において、上記接着剤層は、上記複数層フィルムが基材に付与される場合に、上記複数層フィルムの境界を越える限定量の滲出のみを生じることによって特徴付けられる。1つの実施形態において、滲出は生じない。上記接着剤層は、ゴムベースの接着剤、アクリル接着剤、ビニルエーテル接着剤、シリコーン接着剤またはそれらの2つ以上の混合物を含み得る。上記接着剤層は、ホットメルト接着剤、溶媒ベース接着剤または水ベース接着剤として付与され得る。「Adhesion and Bond」、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第1巻、476〜546頁、Interscience Publishers、第2版、1985に記載される接着材料が挙げられ、この開示は、これによって参考として援用される。有用な接着材料は、主な構成成分として、接着性ポリマー(例えば、アクリル型ポリマー;ブロックポリマー;天然ゴム、再生ゴムまたはスチレン−ブタジエンゴム;粘着性の天然ゴムまたは合成ゴム;エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー;エチレン−ビニル−アクリルターポリマー;ポリイソブチレン;ポリ(ビニルエーテル)など)を含有し得る。他の材料(例えば、粘着性樹脂、可塑化剤、酸化防止剤、充填剤、ワックスなど)が、上記接着剤に含まれ得る。
【0047】
上記接着剤は、以下のカテゴリーに分類され得る:ランダムコポリマー接着剤(例えば、アクリレートコポリマーおよび/またはメタクリレートコポリマー、α−オレフィンコポリマー、シリコーンコポリマー、クロロプレン/アクリロニトリルコポリマーなどに基づくコポリマー接着剤);ブロックコポリマー接着剤(直線状ブロックコポリマー(すなわち、A−B型およびA−B−A型)、分枝状ブロックコポリマー、星形ブロックコポリマー、グラフト化ブロックコポリマーまたは放射状ブロックコポリマーなどに基づくコポリマー接着剤を含む);ならびに天然ゴム接着剤および合成ゴム接着剤。有用な感圧接着剤の説明は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第13巻、Wiley−Interscience Publishers(New York、1988)に見出され得る。有用な感圧接着剤のさらなる説明は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、第1巻、Interscience Publishers(New York、1964)に見出され得る。
【0048】
使用され得る感圧接着剤としては、HM−1597、HL−2207−X、HL−2115−X、HL−2193−XとしてH.B.Fuller Company、St.Paul、Minn.から入手可能な上記ホットメルト感圧接着剤が挙げられる。他の有用な感圧接着剤としては、Century Adhesives Corporation、Columbus、Ohioから入手可能な感圧接着剤が挙げられる。
【0049】
従来のPSA(シリコーンベースPSA、ゴムベースPSAおよびアクリルベースPSAを含む)は、有用である。ホットメルト接着剤の別の市販の例は、Wauwatusa、WisconsinのAto Findley,Inc.より市販される、H2187−01である。さらに、米国特許第3,239,478号(Harlan)に記載されるゴムベースのブロックコポリマーPSAがまた使用され得、そしてこの特許は、このようなホットメルト接着剤のその開示について、これによって参考として援用される。
【0050】
1つの実施形態において、上記感圧接着剤は、ゴムベースのエラストマー材料(例えば、ジブロック構造A−B、トリブロック構造A−B−A、放射状または結合構造(A−B)およびこれらの組み合わせによって表される直線状コポリマー、分枝状コポリマー、接合コポリマーまたは放射状コポリマー)を含有し、ここで、Aは、室温で非ゴム状、ガラス状または非晶質であるがより高い温度では流体である、硬い熱可塑性相またはブロックを表し、そしてBは、使用温度または室温でゴム状またはエラストマー状である、軟らかいブロックを表す。これらの熱可塑性エラストマーは、約75重量%〜約95重量%のゴム状セグメントおよび約5重量%〜約25重量%の非ゴム状セグメントを含み得る。
【0051】
上記非ゴム状セグメントまたは硬いブロックは、単環式芳香族炭化水素および多環式芳香族炭化水素のポリマーを含み、そしてより詳細には、本質的に単環式または二環式であり得る、ビニル置換芳香族炭化水素を含む。上記ゴム状のブロックまたはセグメントは、代表的に、ホモポリマーまたは脂肪族共役ジエンのコポリマーのポリマーブロックである。ゴム状材料(例えば、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴム)は、上記ゴム状のブロックまたはセグメントを形成するために使用され得る。上記ゴム状セグメントとしては、ポリジエンおよびエチレン/ブチレンコポリマーまたはエチレン/プロピレンコポリマーという飽和オレフィンゴムが挙げられる。後者のゴムは、対応する不飽和ポリアルキレン部分(例えば、ポリブタジエンおよびポリイソプレン)から、その水素化によってもたらされ得る。
【0052】
利用され得るビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロックコポリマーとしては、任意のエラストマー特性を示すブロックコポリマーが挙げられる。上記ブロックコポリマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、マルチブロックコポリマー、星形ブロックコポリマー、ポリブロックコポリマーまたはグラフトブロックコポリマーであり得る。本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、ブロックコポリマーの構造に関する用語である、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、ポリブロックおよびグラフトブロックまたはグラフト化ブロックは、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2巻、(1985)John Wiley & Sons Inc.、New York、325〜326頁およびBlock Copolymers、Science Technology、Dale J.Meier編、Harwood Academic Publishers、1979、1〜5頁(J.E.McGrathによる)におけるような文献に規定されるようなそれらの通常の意味を与えられるべきである。
【0053】
このようなブロックコポリマーは、共役ジエン:ビニル芳香族炭化水素の種々の比(約40重量%までビニル芳香族炭化水素を含有する、共役ジエン:ビニル芳香族炭化水素の比を含む)を含み得る。従って、マルチブロックコポリマーが利用され得、これらのマルチブロックコポリマーは、直線状または放射状の対称または非対称であり、そして式、A−B、A−B−A、A−B−A−B、B−A−B、(AB)0、1、2・・・BAなどによって表される構造を有し、ここで、Aは、ビニル芳香族炭化水素のポリマーブロックまたは共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素のテーパードコポリマーブロック(tapered copolyer)であり、そしてBは、共役ジエンのゴム状ポリマーブロックである。
【0054】
上記ブロックコポリマーは、任意の周知のブロック重合手順またはブロック共重合手順によって調製され得、これらの手順としては、モノマーの連続添加、モノマーの増量添加または例えば、米国特許第3,251,905号;同第3,390,207号;同第3,598,887号;および同第4,219,627号に示されるようなカップリング技術が挙げられる。周知のように、テーパードコポリマーブロックは、それらの共重合反応速度の差を利用して、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素モノマーとの混合物を共重合することにより、マルチブロックコポリマーに組み込まれ得る。種々の特許が、テーパードコポリマーブロックを含むマルチブロックコポリマーの調製を記載しており、これらの特許としては、米国特許第3,251,905号;同第3,639,521号;および同第4,208,356号が挙げられ、これらの開示は、これによって参考として援用される。
【0055】
上記ポリマーおよびコポリマーを調製するために利用され得る共役ジエンは、4個〜約10個の炭素原子、そしてより一般的には、4個〜6個の炭素原子を含む共役ジエンである。例としては、1,3−ジブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ジブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどからが挙げられる。これらの共役ジエンの混合物はまた、使用され得る。好ましい共役ジエンは、イソプレンおよび1,3−ブタジエンである。
【0056】
上記コポリマーを調製するために利用され得るビニル芳香族炭化水素の例としては、スチレンおよび種々の置換スチレン(例えば、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレンなど)が挙げられる。好ましいビニル芳香族炭化水素は、スチレンである。
【0057】
上記共役ジエンとビニル芳香族化合物とのコポリマーのうちの多くは、市販されている。上記ブロックコポリマーの水素化前の平均分子量数は、約20,000〜約500,000、好ましくは、約40,000〜約300,000である。
【0058】
上記コポリマー内の個々のブロックの平均分子量は、特定の制限内を変化し得る。ほとんどの場合、上記ビニル芳香族炭化水素は、約2000〜約125,000程度の数平均分子量、そして好ましくは、約4000と60,000との間の数平均分子量を有する。水素化前または水素化後のいずれかの上記共役ジエンブロックは、約10,000〜約450,000程度の数平均分子量、そしてより好ましくは、約35,000〜150,000の数平均分子量を有する。
【0059】
また、水素化前に、上記共役ジエン部分のビニル含有量は、一般的に、約10%〜約80%であり、そして上記ビニル含有量は、好ましくは、約25%〜約65%、変性ブロックコポリマーがゴム弾性を示す場合には、特に35%〜55%である。上記ブロックコポリマーのビニル含有量は、核磁気共鳴によって測定され得る。
【0060】
ジブロックコポリマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)およびそれらの水素化誘導体が挙げられる。トリブロックポリマーの例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレンおよびα−メチルスチレン−イソプレン α−メチルスチレンが挙げられる。本発明において接着剤として有用な市販のブロックコポリマーの例としては、Shell Chemical Companyから入手可能なブロックコポリマーが挙げられ、そしてこれらは、以下の表IIに列挙される。
【0061】
【化2】

Vector4111は、Houston TexasのDexcoから入手可能なSISブロックコポリマーである。
【0062】
1,4異性体および1,2異性体の混合物のゴム状セグメントを含有するSBSコポリマーを水素化すると、スチレン−エチレン−ブチレンスチレン(SEBS)ブロックコポリマーが得られる。同様に、SISポリマーの水素化は、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマーを与える。
【0063】
ブロックコポリマーの選択的水素化は、Raneyニッケル、貴金属(例えば、白金、パラジウムなど)、および可溶性遷移金属触媒のような触媒の存在下での水素化を含む、種々の周知のプロセスによって実施され得る。使用され得る適切な水素化プロセスは、ジエン含有ポリマーまたはコポリマーが、シクロヘキサンのような不活性な炭化水素希釈剤中に溶解され、そして可溶性水素化触媒の存在下での水素との反応によって水素化されるプロセスである。このような手順は、米国特許第3,113,986号および同第4,226,952号に記載され、その開示は本明細書中に参照として援用される。このようなブロックコポリマーの水素化は、ポリジエンブロック中に、水素化前の元々の不飽和含量の約0.5%〜約20%の残存不飽和含量を有する、選択的に水素化されたコポリマーを生成するような様式および程度に実施される。
【0064】
一つの実施形態において、上記ブロックコポリマーの共役ジエン部分は、少なくとも90%飽和であり、より頻繁には少なくとも95%が飽和であるが、ビニル芳香族部分は、有意に水素化されない。有用な水素化されたブロックコポリマーとしては、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロックポリマーのような、スチレン−イソプレン−スチレンのブロックコポリマー水素化生成物が挙げられる。ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーが水素化される場合、ポリマー中の1,2−ポリブタジエン:1,4−ポリブタジエン比が、約30:70〜約70:30であることが望ましい。このようなブロックコポリマーは水素化される場合、その得られる生成物は、エチレンと1−ブテン(BE)の規則的なコポリマーブロックに類似している。上記共役ジエンは、イソプレンとして利用される場合、その得られる水素化生成物はエチレンとプロピレン(EP)の規則的なコポリマーブロックに類似している。
【0065】
多くの選択的水素化ブロックコポリマ−は、「Kraton G」の総称でShell Chemical Companyから市販されている。一つの例はKraton G1652であり、これは約30重量%のスチレン末端ブロックおよびエチレンと1−ブテン(EB)のコポリマーである中間ブロックを含む水素化SBSトリブロックである。G1652のより低分子バージョンが、Kraton G1650の商標のもとShellから入手可能である。Kraton G1651は、約33重量%のスチレンを含有する別のSEBSブロックコポリマ−である。Kraton G1657は、約13重量%のスチレンを含有するSEBSジブロックコポリマーである。このスチレン含有量は、Kraton G1650およびKraton G1652におけるスチレン含有量よりも低い。
【0066】
別の実施形態において、上記選択的水素化ブロックコポリマ−は、以下の式であり:
(AB)
ここで:n=0または1;oは1〜100;pは0または1;水素化より前の各Bは、主に約20,000〜約450,000数平均分子量を有する重合した共役ジエン炭化水素ブロックであり;そして各Aは、主に約2000〜約115,000の数平均分子量を有する重合したビニル芳香族炭化水素ブロックであり;Aのブロックは、コポリマーの約5%〜約95重量%を構成し;そしてブロックBの不飽和は、元々の不飽和の約10%未満である。他の実施形態において、ブロックBの不飽和は、水素化の際にその元々の値の5%未満まで減少し、そして水素化ブロックコポリマーの平均不飽和は、その元々の値の20%未満まで減少する。
【0067】
上記ブロックコポリマーはまた、α、β−オレフィン性不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸試薬を、上記のビニル芳香族炭化水素および共役ジエンの、選択的水素化ブロックコポリマーに反応させることによって得られ得るような、官能化ポリマーを含み得る。グラフトブロックコポリマーにおける、このカルボン酸試薬間の反応は、フリーラジカル開始剤の存在下で、溶液中または溶融プロセスによってもたらされ得る。
【0068】
カルボン酸試薬でグラフトされた、種々の、共役ジエンおよびビニル芳香族炭化水素の選択的水素化ブロックコポリマーの調製は、多数の特許において記載される:米国特許第4,578,429号;同第4,657,970;および同第4,795,782号、そしてこれらの特許の開示は、グラフトされた、選択的に水素化された、共役ジエンおよびビニル芳香族化合物のブロックコポリマーに関し、そしてこのような化合物の調製は、参照のために本明細書に援用される。米国特許第4,795,782号は、溶液プロセスおよび溶解プロセスによる、グラフトされたブロックコポリマーの調製例を記載および提供する。米国特許第4,578,429号は、Kraton G1652(SEBS)ポリマーの、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサンを伴なう無水マレイン酸による、軸スクリュー押し出し機における溶解反応によるグラフトの例を包含する。
【0069】
市販されているマレイン酸と反応したスチレンおよびブタジエンの選択的水素化コポリマーの例としては、ShellのKraton FG1901X、FG1921XおよびFG1924Xが挙げられ、しばしばマレイン酸と反応した選択的水素化SEBSコポリマーと呼ばれる。FG1901Xは、約1.7%wの無水コハク酸としての結合した官能性を、そして約28%wのスチレンを含む。FG1924Xは、約1%wの無水コハク酸としての結合した官能基および29%wのスチレンを含む。FG1924Xは、約13%のスチレン、および約1%の無水コハク酸としての結合した官能性を含む。
【0070】
有用なブロックコポリマーはまた、Nippon Zeon Co.,(東京都千代田区丸の内2−1)から入手可能である。例えば、Quintac 3530は、Nippon Zeonから入手可能であり、そして直鎖的スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであると考えられている。
【0071】
接着剤組成物は、少なくとも1つの固体粘着付与剤樹脂成分を含み得る。固体粘着付与剤は、80℃を越える軟化点を有するものとして本明細書中に定義される。この固体粘着付与剤樹脂成分が存在する場合、上記接着剤組成物は、約40重量%〜約80重量%の熱可塑性エラストマー成分および約20重量%〜約60重量%の固体粘着付与剤樹脂成分、そして1つの実施形態においては、約55重量%〜約65重量%の固体粘着付与剤樹脂成分を含み得る。この固体粘着付与剤は、上記混合物の弾性率を減少させ、十分に固定または接着させる。また、固体粘着付与剤(特に、高分子量の固体粘着付与剤(例えば、Mwが約2000より大きい)およびより低い分散度(Mw/Mnが約3未満)を有する固体粘着付与剤)は、ポリマーフィルム内への移動に対して感受性が低くあり得、そしてこのことは、粘着付与剤のフィルム層110または180への移動は寸法不安定性を引き起こし得るので、望ましい。
【0072】
上記固体粘着付与剤樹脂としては、炭化水素樹脂、ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ポリテルペン樹脂、および適切なバランスの特性を示す他の樹脂が挙げられる。種々の有用な固体粘着付与剤樹脂は、例えば、登録商標ZonatacとしてArizona Chemical Companyによって販売されているテルペン樹脂、および登録商標EscorezとしてExxon Chemical Companyによって販売されているような石油炭化水素樹脂が市販されている。有用な固体粘着付与剤の1つの特定の例は、Escorez2596であり、これは2100のMwおよび2.69の分散度(Mw/Mn)を有する合成粘着付与剤である。別の有用な固体粘着付与剤は、Escorez1310LCであり、1350のMwおよび1.8の分散度を有する脂肪性の炭化水素と同定される。Wingtack95は、主にピペリレンおよびイソプレンから誘導されるポリマー化構造からなる、Goodyear,Akron,Ohioから入手可能な合成粘着付与剤樹脂である。
【0073】
上記接着剤の弾性率は、液状ゴム(すなわち、室温で液状である)を組み込むことによって低下され得る。この液状ゴムは、一般的に少なくとも5,000のMw、より頻繁には少なくとも20,000の分子量を有する。接着剤処方物の総重量に基づく、10重量%未満の量での液状ゴムの組み込み、およびわずか5重量%未満の量での液状ゴムの組み込みは、接着剤を生じ、これはポリマー性フィルム材料と同時押し出し可能である。液状ブロックコポリマー(例えば、液状スチレン−イソプレンブロックコポリマー)が使用され得る。例としては、Shell Chemical Companyから入手可能な、Kraton LVSI−101が挙げられる。別の例は、高分子量ポリイソプレンの解重合化によって得られる液体ポリイソプレンである。市販されている解重合化高分子量ポリイソプレンの例は、Elementis Performance Polymers,Bellevile,N.J.のIsolene D−400であり、この液状ゴムは約20,000のMwを有する。接着剤混合物に組み込まれ得る他の液状ゴムとしては、液体スチレン−ブタジエンゴム、液状ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられる。
【0074】
上記接着剤組成物はまた、他の材料(例えば、酸化防止剤、熱安定剤および光安定剤、紫外線吸収剤、粘着防止剤、加工助剤など)を含み得る。ヒンダードフェノール酸化防止剤化合物およびヒンダードアミン酸化防止剤化合物が、接着剤組成物中に含まれ得、そして広範なこのような酸化防止剤が、当該分野において公知である。種々の酸化防止剤が、総称「Irganox」および「Irgafos」としてCiba−Geigyから入手可能である。例えば、ヒンダードフェノール酸化防止剤、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネートが、総称「Irganox1076」として入手可能である。Irganox1010は、Tetrakis(メチレン3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオネート)メタンとして同定される。Irgafos168は、Ciba−Geigyの別の有用な酸化防止剤である。ヒドロキノンベースの酸化防止剤もまた利用され得、そしてこのような酸化防止剤の一つの例は、2,5−ジ−tertiary−アミル−ヒドロキノンである。光安定剤、熱安定剤およびUV吸収剤もまた、上記接着剤組成物中に含まれ得る。紫外線吸収剤としては、ベンゾ−トリアゾール誘導体、ヒドロキシベンジルフェノン、安息香酸のエステル、シュウ酸、ジアミドなどが挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられ、そして熱安定剤としては、ジンクジブチルジチオカルバメートのようなジチオカルバメート組成物が挙げられる。
【0075】
剥離ライナー150、180および280は、各々個別に紙、ポリマーフィルム、またはそれらの組み合わせを備え得る。紙ライナーは、紙ライナーが使用され得る広範な種々の用途に起因して有用である。紙はまた、相対的に安価であり、所望の特性(例えば、抗粘着防止、帯電防止、寸法安定性)を有し、そして、潜在的に再利用され得る。従来の紙コーティングおよび処理装置において操作されるのに十分な引っ張り強さを有する任意の種類の紙が、剥離ライナーとして使用され得る。従って、任意の種類の紙は、その最終用途および特定の個人の好みに依存して使用され得る。使用され得る紙の型としては、ソーダプロセス、亜硫酸プロセス、または硫酸(Kraft)プロセス、中性硫化物蒸解(neutral sulfide cooking)プロセス、アルカリ−塩素プロセス、硝酸プロセス、半化学的プロセスなどのようなプロセスにより調製された、クレーコーティング紙、グラシンポリマーコーティング紙、麻、および類似のセルロース材料が挙げられる。任意の重量の紙が、剥離ライナーとして利用され得るが、1連あたり約30ポンド〜約120ポンドの範囲の重量を有する紙が、有用であり、そして1連あたり約60ポンド〜約100ポンドの範囲の重量を有する紙が、使用され得る。本明細書中で使用される場合、用語「連」は、3000平方フィートに等しい。
【0076】
あるいは、剥離ライナー150、180および280は、個別にポリマーフィルムを含み得、ポリマーフィルムの例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。そのポリオレフィンフィルムは、1モルあたり2個〜約12個の炭素原子、1つの実施形態において2個〜約8個の炭素原子、および1つの実施形態において2個〜約4個の炭素原子を有するモノオレフィンのポリマーおよびコポリマーを含み得る。このようなホモポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンなどが挙げられる。コポリマーのブレンドから製造されたフィルムまたはコポリマーとホモポリマーとのブレンドから製造されたフィルムが、使用され得る。このフィルムは、単層または多層において、押し出し成形され得る。
【0077】
剥離ライナー150、180および/または280として使用され得る材料の別の型は、ポリコーティングされたクラフトライナーであり、このクラフトライナーは、本質的に、一方の側または両側のいずれかをポリマーコーティングでコーティングされたクラフトライナーからなる。上記ポリマーコーティングは、高密度、中密度または低密度のポリエチレン、プロピレン、ポリエステルまたは他の同様のポリマーフィルムを含み得、その基材表面上へとコーティングされて、上記ライナーに対して、強度および/または寸法安定性を付加する。上記ポリエチレンのための低密度範囲は、約0.910g/cm〜約0.925g/cmであり;上記中程度の密度範囲は、約0.925g/cm〜約0.940g/cmであり;そして上記高密度範囲は、約0.940g/cm〜約0.965g/cmである。これらの型のライナーの重量は、約30ポンド/連〜約100ポンド/連の範囲であり、約94ポンド/連〜約100ポンド/連が有用である。全体として、上記最終剥離ライナー150、180および/または280は、約10%〜約40%のポリマーおよび約60%〜約90%の紙を含有し得る。2つの側のコーティングのために、ポリマーの量は、上記紙の上部表面と下部表面との間に、必要に応じて均一に分配され得る。
【0078】
上記第1の剥離コーティング層160は、剥離コーティング材料の単層または複数の層に由来し得る。複数の層が使用される場合、各層は、同じ処方物を有し得るか、または異なる処方物が使用され得る。上記第1の剥離コーティング層160は、上記フィルム層110および/または130における使用のための上で開示された任意の樹脂を含み得、これらの樹脂は、上記第1の剥離コーティング層160、第2の透明フィルム層130および第1の剥離ライナー150の間の充分なタックまたは接着を提供して、本発明の多層フィルムの作製および上記多層フィルムの通常操作の間の、上記第2の透明フィルム層130からの上記第1の剥離ライナー150の分離を防止し、そしてこれらの樹脂は、さらに充分な剥離特性を有して、上記多層フィルムを使用する場合に、上記第1の剥離コーティング層160と上記第2の剥離透明フィルム層130との間の容易な分離を提供する。上記第1の剥離コーティング層160は、メラミン樹脂で架橋されたアルキド樹脂および/またはビニル樹脂を含み得る。上記アルキド樹脂としては、1つ以上の多価アルコールと、1つ以上の多塩基酸または無水物との縮合によって形成される樹脂が挙げられる。上記多価アルコールとしては、グリセロールが挙げられ、そして多塩基酸または無水物としては、フタル酸無水物が挙げられる。上記多塩基酸が一価の酸(例えば、アクリル酸または植物油脂肪酸)によって部分的に置換されている改変アルキドが、使用され得る。使用され得るビニル樹脂としては、塩化ポリビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。上記メラミン樹脂としては、メラミンと、ホルムアルデヒドまたはメチレン架橋を提供可能な化合物との縮合によって作製されるアミノ樹脂が挙げられる。上記アルキド樹脂および/またはビニル樹脂と上記メラミン樹脂との架橋は、代表的に、上記剥離コーティング層160が上記剥離ライナー150に付与され、そして乾燥または硬化される場合に、生じる。1つの実施形態において、上記剥離コーティング層160は、固形物ベースで、0重量%〜約80重量%(そして1つの実施形態において、約10重量%〜約30重量%)のアルキド樹脂;0重量%〜約80重量%(そして1つの実施形態において、約10重量%〜約30重量%)のビニル樹脂;そして約10重量%〜約30重量%(そして1つの実施形態において、約20重量%〜約25重量%)のメラミン樹脂を含有する。
【0079】
第1の剥離コーティング層160は、第2の透明フルム層130の表面132に現れて表面132に艶消し仕上げまたは艶なし仕上げを提供する1つ以上の固体粒状物を含み得る。粒状物が存在する場合には、第1の剥離コーティング層160は、艶消し剥離コート層または艶消し剥離コーティング層と呼ばれ得る。使用され得る粒状物は、塗料処方物において通常使用される任意の粒状物充填剤または顔料であり得る。特定の例としては、タルクおよびケイ酸アルミニウムが挙げられる。不規則な形状を有する粒状物(例えば、小片形状)が、使用され得る。これらの粒状物の使用を制御することにより、第2の透明フィルム層130の上部表面132の表面仕上げが、制御され得る。例えば、これらの粒状物を使用することにより、第2の透明フィルム層130の上部表面132は、鈍い仕上げまたは半光沢仕上げが提供され得る。第2の透明フィルム層130の上部表面132は、これらの粒状物を使用しないことまたはその使用を最小にすることにより、光沢仕上げが提供され得る。粒状物の対樹脂重量比は、約1.1:1までの範囲におよび得、そして1つの実施形態では、約0.7:1〜約1.1:1の範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.7:1〜約0.9:1の範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.9:1〜約1.1:1の範囲であり得る。
【0080】
剥離コーティング層170および190ならびに剥離ライナー280に適用される剥離コーティング層は、各々、独立に当該分野で公知の任意の剥離コーティング組成物を含み得る。シリコーン剥離コーティング組成物が、使用され得る。シリコーン剥離コーティング組成物は、代表的には、ポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)を含む。本発明で使用されるシリコーン剥離コーティング組成物は、室温硬化され得るか、熱硬化され得るか、または放射線硬化され得る。一般に、この室温硬化可能組成物および熱硬化可能組成物は、少なくとも1つのポリオルガノシロキサンおよびこのようなポリオルガノシロキサンのための少なくとも1つの触媒(または硬化剤)を含む。これらの組成物はまた、少なくとも1つの硬化促進剤および/または接着促進剤を含み得る。当該分野で公知のように、いくつかの物質は、両方の機能を実施する能力、すなわち速度を高め硬化温度を低下させるための硬化促進剤として作用する能力など、およびまたその基材へのそのシリコーン組成物の結合を改善するための接着促進剤としても作用する能力を有する。適切な場合の、このような二機能性添加剤の使用は、本発明の範囲内である。
【0081】
インク受容層200は、1つ以上のポリエステル樹脂を含み得る。このポリエステル樹脂は、種々のグリコールまたはポリオールと1つ以上の脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸とから調製され得る。有用なポリエステル樹脂の例としては、ビスフェノール骨格またはアルキレン骨格を有するジオールと、1つ以上の二価カルボン酸または三価カルボン酸との重縮合により得られる樹脂が挙げられる。1つの実施形態では、このビスフェノール成分は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールで改変され得る。ポリオールとの縮合のための適切な酸成分の例としては、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、シトラコン酸、イタコン酸、セバシン酸、マロン酸、ヘキサ炭酸(hexacarbonic acid)およびトリメリット酸が挙げられる。
【0082】
インク受容層200は、約98重量部〜約60重量部の、約12,000より大きい数平均分子量(Mn)を有するポリエステル樹脂を含むコーティング組成物から作製され得る。この約12,000より大きい数平均分子量(Mn)を有するポリエステル樹脂は、本明細書中では高分子量ポリエステルと呼ばれ得る。このコーティング組成物はまた、約2重量部〜約40重量部の、約2,000〜約12,000の範囲のMnを有するポリエステル樹脂を含み得る。この約2,000〜約12,000の範囲のMnを有するポリエステル樹脂は、本明細書中では低分子量ポリエステルと呼ばれ得る。1つの実施形態では、上記コーティング組成物中に含まれる高分子量ポリエステル樹脂の量は、約98〜約70重量部、または約98重量部〜約80重量部の範囲に及び得る。さらに別の実施形態では、このコーティング組成物は、約98重量部〜90重量部の高分子量ポリエステル樹脂を含み得る。このコーティング組成物に含まれる低分子量ポリエステル樹脂の量は、他の実施形態では、約2重量部〜約10重量部、20重量部、または30重量部の範囲に及ぶ。この低分子量ポリエステル樹脂および高分子量ポリエステル樹脂重量部は、そのコーティング組成物中のポリエステル樹脂の総重量に基づいている。他の実施形態では、上記高分子量ポリエステル樹脂は、約15,000〜約40,000のMnを有し得、上記低分子量ポリエステル樹脂は、約3,000〜約8,000または約3,000〜約5,000の範囲のMnを有し得る。
【0083】
以下のコーティング組成物が、インク受容層200を作製するために使用され得る。
【0084】
【化3】

【0085】
【化4】

1つの実施形態では、上記インク受容コーティング組成物1が、透明フィルム層110に対応する透明フィルム層に付与されて乾燥され、次いでインク層が、上に示されたSol Jet Pro IIインクジェットプリンタを用いて、得られたインク受容層の上に印刷される。この得られた多層フィルムは、SAE J1885規格に従ってキセノン耐候性試験機中での500キロジュール曝露について試験される。この多層フィルムは、この試験の終了後、その元の色彩および光沢を保持する。
【0086】
熱活性化接着剤層または熱活性化可能接着剤層210は、任意の熱活性化可能接着剤または熱可塑性フィルム材料から作製され得る。これらは、ポリオレフィン(直鎖状または分枝状)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリエステルコポリマー、エチレンメタクリル酸のナトリウム塩、または亜鉛塩に基づくイオノマー、ポリアクリロニトリル、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーを含む。このグループに含まれるのは、アクリレート(例えば、エチレンメタクリル酸、エチレンアクリル酸メチル、エチレンアクリル酸、およびエチレンアクリル酸エチル)である。また、このグループに含まれるのは、例えば、2〜約12個の炭素原子、そして1つの実施形態では、2〜約8個の炭素原子を有するオレフィンモノマーのポリマーまたはコポリマーである。これらは、1分子あたり2〜約4個の炭素原子を有するα−オレフィンのポリマーを含む。これらとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンは、非晶性ポリオレフィンを含む。有用なポリエチレンは、、上に示されたように、低密度範囲、中密度範囲、および高密度範囲を種々の密度を有する。エチレン/アクリル酸メチルコポリマーが使用され得る。コポリマーのブレンドまたはコポリマーの、ホモポリマーとのブレンドから調製されるポリマーフィルム材料が使用され得る。熱活性化接着剤層または熱活性化可能接着剤層210は、第1の透明フィルム層110よりも低い融点を有し得る。代表的には、熱活性化接着剤層または熱活性化可能接着剤層210の融点は、約80℃〜約160℃、そして1つの実施形態では、約120℃〜約150℃の範囲であり得る。
【0087】
金属含有層300は、第1の透明フィルム層110の上に析出され得る任意の金属から作製され得る。1つの実施形態では、この金属含有層は、蒸着により付与され得る。1つの実施形態では、この金属含有層は、銀色、金色、または銅色である。使用される金属は、スズ、クロム、ニッケル、ステンレス鋼、銅、インジウム、金、銀、アルミニウム、およびこれらの合金を含み得る。
【0088】
図8、10、および11〜17に図示される実施形態では、第2の剥離ライナー180を第1の接着剤層140から離すのに必要とされる剥離力は、第1の剥離ライナー150を第2の透明フィルム層130から離すのに必要とされる剥離力よりも小さくあり得る。1つの実施形態では、第1の剥離ライナー150を第2の透明フィルム層130から離すのに必要とされる剥離力は、約20〜約100グラム/2インチ(g/2in)、そして1つの実施形態では約30〜約75g/2in、そして1つの実施形態では約45〜約65g/2inの範囲である。1つの実施形態では、第2の剥離ライナー180を接着剤層140から離すのに必要とされる剥離力は、約5〜約50g/2in、そして1つの実施形態では約10〜約30g/2in、そして1つの実施形態では約20〜約30g/2inの範囲である。これらの剥離力を決定するための試験方法は、第2の剥離コーティング層190でコーティングされた2インチ幅のライナーを、第1の接着剤層140でコーティングされた基材から、または第1の剥離コーティング層160でコーティングされた2インチ幅のライナーを、第2の透明フィルム層130でコーティングされた基材から、そのライナーが、接着剤層140またはフィルム層130に対して90°の角度で延び、そして毎分300インチの速度で引張られるように、引き離すのに必要な力を測定することに関与する。
【0089】
層110、120、130、140、160、170、190、200、210、290および295の各々は、公知の技術を使用して付与され、そして乾燥および/または硬化され得る。付与技術としては、グラビア印刷、リバースグラビア印刷、オフセットグラビア印刷、ロールコーティング、ブラッシング、ロール式ナイフ塗布、制量ピン(metering rod)、逆ロールコーティング、ドクターナイフ、浸漬、ダイコーティング、スロットダイコーティング、スプレー、カーテンコーティング、スライドコーティング、スライドカーテンコーティング、押出し成形、同時押出し成形(co−extrusion)、フレキソ印刷、活版、ロータリースクリーン、フラットスクリーンなどのうちの1つ以上が挙げられる。1つの実施形態では、接着剤層140、290および/または295は、トランスファーラミネーション(transfer lamination)、ダイコーティングまたは押出し成形を使用して付与され得る感圧接着剤層である。層110および130は、ダイコーティングまたは押出し成形され得る。1つの実施形態では、第1の透明フィルム層110は、接着剤層140と同時押出し成形され得る。インク層120は、公知の印刷技術(グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン、インクジェットなどを含む)を使用して付与され得る。付与された層は、熱または公知の形態の電離放射線もしくは化学的非電離放射線への曝露により、乾燥および/または硬化され得る。使用され得る乾燥温度または硬化温度は、約30℃〜180℃、そして1つの実施形態では約110℃〜約150℃の範囲に及び得る。有用な種類の放射線としては、紫外光および電子線が挙げられる。これらの形態の熱的または放射線乾燥および/または硬化を発生させるための装置は、当業者に周知である。
【0090】
図3に図示される多層フィルム100Bは、上に示された技術のうちの1つを使用して、第3の剥離コーティング層170を第1の剥離ライナー150の上部表面152に付与し、そしてその第3の剥離コーティング層170を乾燥または硬化することにより作製され得る。第3の剥離コーティング層170のコーティング重量(coat weight)は、約0.1〜約2グラム/1平方メートル(gsm)、そして1つの実施形態では約0.1〜約1.5gsm、そして1つの実施形態では約0.2〜約1gsmの範囲に及び得る。第1の剥離コーティング層160は、上に示された付与技術のうちの1つを使用して、第1の剥離ライナー150の下部表面154に付与され得、そして乾燥または硬化され得る。第1の剥離コーティング層160のコーティング重量(coat weight)は、約1.5〜約7gsm、そして1つの実施形態では約2〜約6gsm、そして1つの実施形態では約4〜約5gsmの範囲に及び得る。第2の透明フィルム層130は、上に示された付与技術のうちの1つを使用して、剥離コーティング層160の下部表面164に付与され得、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130のコーティング重量(coat weight)は、約3〜約27gsm、そして1つの実施形態では約5〜約27gsm、そして1つの実施形態では約10〜約27gsm、そして1つの実施形態では約15〜約27gsm、そして1つの実施形態では約18〜約27gsm、そして1つの実施形態では約21〜約27gsmの範囲に及び得る。インク層120は、上に示された付与技術のうちの1つを使用して、第2の透明フィルム層130の下部表面134に付与され得、そして乾燥または硬化され得る。インク層120のコーティング重量(coat weight)は、約0.5〜約4gsm、そして1つの実施形態では約0.5〜約2gsmの範囲に及び得る。第1の透明フィルム層110は、上に示された付与技術のうちの1つを使用して、インク層120の下部表面124に付与され得、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110のコーティング重量(coat weight)は、約27gsmまで、そして1つの実施形態では約6〜約12gsmの範囲に及び得る。第1の透明フィルム層110の1つ以上のコートが、付与され得る。第1の接着剤層140は、上に示された付与技術のうちの1つを使用して、第1の透明フィルム層110の下部表面114に付与され得、そして乾燥または硬化され得る。この実施形態では、第1の接着剤層140は、感圧接着剤を含み得る。第1の接着剤層140は、トランスファーラミネーション(transfer lamination)、ダイコーティングまたは押出し成形を使用して付与され得る。第1の接着剤層140のコーティング重量(coat weight)は、約10〜約75gsm、そして1つの実施形態では約10〜約50gsm、そして1つの実施形態では約10〜約25gsm、そして1つの実施形態では約12〜約18gsmの範囲に及び得る。多層フィルム100Bは、図9に示されるように、運搬および取扱いのためにロール状に巻かれ得る。
【0091】
図1に図示される多層フィルム100は、第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160をこの多層フィルムの残りから引き離すことにより、図3に図示される多層フィルム100Bから作製され得る。第3の剥離コーティング層170は、第1の剥離ライナー150とともにこの多層フィルムから離れる。
【0092】
図8に例示される多層フィルム100Gは、以下の処理工程を使用して調製され得る。第1の処理工程において、部分フィルム構造220が作製され得、そして第2の処理工程において、部分フィルム構造230が作製され得る。上記多層フィルム100Gは、部分フィルム構造220を部分フィルム構造230に接着することによって組み立てられ得る。部分フィルム構造220は、第2の剥離コーティング層190を第2の剥離層180に上記技術の1つを使用して付与し、そしてその第2の剥離コーティング層190を硬化または乾燥することによって調製され得る。上記第2の剥離コーティング層190用のコーティング重量は、約0.1gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140は、圧力感応性接着剤の形態であり、上記第2の剥離コーティング層190に上に示した技術の1つを使用して付与され得る。この接着剤層は、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出しを使用して付与され得る。第1の接着剤層140は、約10gsm〜約25gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約10gsm〜約20gsm用のコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造230は、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に上で示した付与技術の1つを使用して付与し、そしてその第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化することによって、調製され得る。第1の剥離コーティング層160は、約1.5gsm〜約7gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約4gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上記第1の剥離コーティング層160に上で示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130の1つ以上のコーティングが付与され得る。その第2の透明フィルム層130は、約3gsm〜約27gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約21gsm〜約27gsm用のコーティング重量で付与され得る。インク層120は、上記第2の透明フィルム層130に上で示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記インク層120用のコーティング重量は、約0.3gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.5gsm〜約1gsmの範囲であり得る。第1の透明フィルム層110は、上記インク層120に上で示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記第1の透明フィルム層110の1つ以上のコーティングが付与され得る。上記第1の透明フィルム層110は、約3gsm〜約27gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約12gsm〜約18gsm用のコーティング重量で付与され得る。多層フィルム100Gは、公知技術を使用して上記部分フィルム構造220を上記部分フィルム構造230に接着させることにより組み立てられ得、ここで、上記第1の透明フィルム層110の下面114は、上記第1の接着剤層140の上面142と接触する。
【0093】
図2に例示される多層フィルム100Aは、第2の剥離ライナー180および第2の剥離コーティング層190を多層フィルムの残りから別々にすることにより、図8に例示される多層フィルム100Gから作製され得る。
【0094】
図4に例示される多層フィルム100Cは、第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160を多層フィルムの残りから別々にすることにより、図8に例示される多層フィルム100Gから作製され得る。
【0095】
図6に例示される多層フィルム100Eは、インク受容層200が第2の透明フィルム層130に付与され得、次いでインク層120が上記インク受容層200に付与され得る点を除いて、図8に例示される多層フィルム100Gと同じ方法で作製され得る。上記インク受容層200は、上で示した付与技術のいずれかを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記インク受容層200用のコーティング重量は、約1gsm〜約5gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約2gsm〜約3.5gsmの範囲であり得る。第2の剥離ライナー180および第2の剥離コーティング層190、ならびに第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160は、多層フィルム100Eに提供される多層の残りから別々にされ得る。
【0096】
図10に例示する多層フィルム100H、は、以下の処理工程を使用して作製され得る。第1の処理工程において、部分フィルム構造240が作製され得、そして第2の処理工程において、部分フィルム構造250が作製され得る。上記多層フィルム100Hは、部分フィルム構造240を部分フィルム構造250に接着することによって組み立てられ得る。部分フィルム構造240は、第2の剥離ライナー180を第2の剥離コーティング層190でコーティングし、そしてその第2の剥離コーティング層190を乾燥または硬化することによって作製され得る。第2の剥離コーティング層190は、約0.1gsm〜約2gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsm用のコーティング重量で付与され得る。第1の接着剤層140は、圧力感応性接着剤の形態であり、上記第2の剥離コーティング層190に上に示した技術の1つを使用して付与される。この第1の接着剤層140は、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出しを使用して付与され得る。第1の接着剤層140は、約10gsm〜約25gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約12gsm〜約18gsm用のコーティング重量で付与され得る。第1の透明フィルム層110は、第1の接着剤層140に上に示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。その第1の透明フィルム層110は、約27gsmまで用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約6gsm〜約12gsm用のコーティング重量で付与され得る。第1の透明フィルム層110の1つ以上のコーティングが付与され得る。インク受容層200は、第1の透明フィルム層110の上面112に上に示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。そのインク受容層200は、約1gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約2gsm〜約3.5gsm用のコーティング重量で付与され得る。インク層120は、上記インク受容層200に上に示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。インク層120は、約0.5gsm〜約4gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約0.5gsm〜約2gsm用のコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造250は、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に上に示した技術の1つを使用して付与し、次いでその第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化することにより作製され得る。その第1の剥離コーティング層160は、約1.5gsm〜約7gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約4gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上記第1の剥離コーティング層160に上で示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。1つ以上のコーティングが付与され得る。上記第2の透明フィルム層130用のコーティング重量は、約3gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、5gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、10gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、15gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、18gsm〜約27gsmの範囲であり得、および1つの実施形態において、21gsm〜約27gsmの範囲であり得る。部分フィルム構造240は、部分フィルム構造250に接着され得、ここで、第2の透明フィルム層130の下面134は、インク層120と接触している。
【0097】
図5に例示される多層フィルム100Dは、第2の剥離ライナー180および第2の剥離コーティング層190、ならびに第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160を多層フィルムの残りから別々にすることにより、図10に例示される多層フィルム100Hから作製され得る。
【0098】
図11に例示する多層フィルム100Iは、別々の工程において部分フィルム構造260および270を作製し、次いでそれらの部分フィルム構造を互いに接着することによって組み立てられ得る。上記部分フィルム構造260は、上に示した付与技術の1つを使用して第2の剥離ライナー180を第2の剥離コーティング層190でコーティングし、そして乾燥または硬化することによって作製され得る。上記第2の剥離コーティング層190用のコーティング重量は、約0.1gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140は、圧力感応性接着剤の形態であり、上記第2の剥離コーティング層190に付与され得る。この第1の接着剤層140は、上に示した付与技術(例えば、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出し)の1つを使用して付与され得る。第1の透明フィルム層110は、第1の接着剤層140に上に示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110の1つ以上のコーティングが付与され得る。その第1の透明フィルム層110用のコーティング重量は、約27gsmまでの範囲であり得、1つの実施形態において、約6gsm〜約12gsmの範囲であり得る。上記第1の透明フィルム層110および上記第1の接着剤層140は、第2の剥離ライナー180の剥離コーティング層190上に同時に押出され得る。熱により活性化可能な接着剤層210は、上記第1の透明フィルム層110に上に示した技術の1つを使用して付与され得る。この熱により活性化可能な接着剤層210は、約1.5gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約2.5gsm〜約3.5gsm用のコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造270は、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に上に示した技術の1つを使用して付与し、そしてその第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化することにより作製され得る。その第1の剥離コーティング層160は、約1.5gsm〜約7gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約4gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上記第1の剥離コーティング層160に上で示した技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記第2の透明フィルム層130用のコーティング重量は、約3gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約21gsm〜約27gsmの範囲であり得る。インク受容層200は、上記第2の透明フィルム層130に上で示した付与技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記インク受容層200用のコーティング重量は、約1gsm〜約5gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約2gsm〜約3.5gsmの範囲であり得る。インク層120は、上記インク受容層200に上で示した付与技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記インク層120は、約0.5gsm〜約4gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約0.5gsm〜約1gsm用のコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造260は、部分フィルム構造270に、熱により活性化可能な接着剤層210を活性化するのに十分な熱を使用して接着され得、この熱により活性化可能な接着剤層210は、上記インク層120と接触している。
【0099】
図7に例示される多層フィルム100Fは、インク受容層200が使用されない点を除いては、図11に例示される多層フィルム100Iを作製するための手順と同じ手順を使用して作製され得る。結果として、上記インク層120は、インク受容層200ではなく第2の透明フィルム層130に付与され得る。第2の剥離ライナー180および剥離コーティング層190、ならびに第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160は、多層フィルムの残りから別々にされ、多層フィルム100Fを与え得る。
【0100】
図12に例示される多層フィルム100Jは、部分フィルム構造310および部分フィルム構造320を最初に作製し、次いでそれらの部分フィルム構造を合わせることによって作製され得る。これらの部分フィルム構造310および320は、それらの部分フィルム構造を合わせて多層フィルム100Jを作製する前に、インク層120をインク受容層200に付与し得る使用者に供給され得る。上記部分フィルム構造310は、第3の剥離コーティング層170を第1の剥離ライナー150の片側に付与し、そして第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150のもう片側に付与することによって作製され得る。上記第3の剥離コーティング層170は、上で示した技術の1つを使用して付与され得、次いで乾燥または硬化され得る。上記第3の剥離コーティング層170用のコーティング重量は、約0.1gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.1gsm〜約1.5gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsmの範囲であり得る。上記第1の剥離コーティング層160は、上記付与技術の1つを使用して付与され得、次いで乾燥または硬化され得る。上記第1の剥離コーティング層160用のコーティング重量は、約1.5gsm〜約7gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約2gsm〜約6gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約4gsm〜約5gsmの範囲であり得る。第2の透明フィルム層130は、上記剥離コーティング層160に上で示した付与技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記第2の透明フィルム層130用のコーティング重量は、約3gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約5gsm〜約7gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約10gsm〜約27gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約15gsm〜約27gsmの範囲であり得、および1つの実施形態において、約18gsm〜約27gsmの範囲であり得、ならびに1つの実施形態において、約21gsm〜約27gsmの範囲であり得。第1の透明フィルム層110は、上記第2の透明フィルム層130に上で示した付与技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記第1の透明フィルム層110用のコーティング重量は、約27gsmまでの範囲であり得、1つの実施形態において、約6gsm〜約12gsmの範囲であり得る。1つの実施形態において、上記第2の透明フィルム層130および上記第1の透明フィルム層110は、ダイコーティングされ得るかまたは連続的に押出され得、あるいはそれらはマルチダイエクストルーダーを使用して同時に押出され得る。インク受容層200は、上記第1の透明フィルム層110に上で示した付与技術の1つを使用して付与され得、そして乾燥または硬化され得る。上記インク受容層200は、約1gsm〜約5gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約2gsm〜約3.5gsm用のコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造320は、第2の剥離コーティング層190を第2の剥離ライナー180に上で示した技術の1つを使用して付与し、次いで第2の剥離コーティング層を硬化または乾燥することによって作製され得る。上記第2の剥離コーティング層190用のコーティング重量は、約0.1gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140は、圧力感応性接着剤の形態であり得、上記第2の剥離コーティング層190に上に示した技術の1つを使用して付与され得る。この第1の接着剤層140は、トランスファーラミネーションまたは押出しを使用して付与され得る。上記第1の接着剤層140は、約10gsm〜約75gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約10gsm〜約50gsm用のコーティング重量で付与され得、1つの実施形態において、約10gsm〜約25gsm用のコーティング重量で付与され得、および1つの実施形態において、約12gsm〜約18gsm用のコーティング重量で付与され得る。第3の剥離ライナー280は、第1の接着剤層140に付与され得、ここでその第3の剥離ライナー280に接着された剥離コーティングは、上記第1の接着剤層140と接触する。多層フィルム100Jは、上記のように、インク層120をインク受容層200に付与した後に組み立てられ得る。
【0101】
図13に例示される多層フィルム100Kは、第3の剥離コーティング層170を第1の剥離ライナー150の上面152に上に示した技術の1つを使用して付与し、そしてこの第3の剥離コーティング層170を乾燥または硬化することによって作製され得る。上記第3の剥離コーティング層170用のコーティング重量は、約0.1gsm〜約2gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.1gsm〜約1.5gsmの範囲であり得、1つの実施形態において、約0.2gsm〜約1gsmの範囲であり得る。次いで、多層フィルム100Kは、図8に例示される多層フィルム100Gを作製するための上で示した手順に従って作製され得る。
【0102】
図14に図示された多層フィルム100Lが、以下のプロセス工程を用いて調節され得る。第1のプロセス工程では、部分フィルム構造330が作製され、そして第2のプロセス工程では、部分フィルム340が作製され得る。この多層フィルム100Lは、部分フィルム構造330を部分フィルム構造340に接着することにより組み立てられ得る。上に示されたように、使用者がインク層120をインク受容層200に付与した後、多層フィルム100Lは、公知の技術を用いて組み立てられ得る。部分フィルム構造340は、上記技術の1つを用いて第2の剥離コーティング層190を第2の剥離ライナー180に付与し、そして第2の剥離コーティング層190を硬化または乾燥することにより作製され得る。第2の剥離コーティング層190のコーティング重量は、約0.1〜約2gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.2〜1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140(感圧接着剤の形態である)は、上に示された技術の1つを用いて第2の剥離コーティング層190に付与され得る。この接着剤層は、トランスファーラミネーション(transfer lamination)、ダイコーティングまたは押出し成形を用いて付与され得る。第1の接着剤層140は、約10〜約25gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約10〜約20gsmのコーティング重量で付与され得る。第1の透明フィルム層110は、上に示された技術の1つを用いて、接着剤層140に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110の1種以上のコートが付与され得る。フィルム層110および接着剤層140は、同時押出成形され得る。第1の透明フィルム層110は、約27gsmまでのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約6〜約12gsmまでのコーティング重量で付与され得る。熱活性化可能接着剤層210は、上に示された技術の1つを用いて、第1の透明フィルム層110に付与され得る。この熱活性化可能接着剤層210は、約1.5〜約5gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約2.5〜約3.5gsmのコーティング重量で付与され得る。上に示された付与技術の1つを用いて第1の剥離コーティング層160が第1の剥離ライナー150に付与され、そして第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化させることにより、部分フィルム構造330が調製され得る。第1の剥離コーティング層160は、約1.5〜約7gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約4〜約5gsmのコーティング重量で付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上に示された技術の1つを用いて第1の剥離コーティング層160に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130の1種以上のコートが付与され得る。この第2の透明フィルム層130は、約3〜約27gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約21〜約27gsmのコーティング重量で付与され得る。このインク受容層200は、上に示された技術の1つを用いて第2の透明フィルム層130に付与され、そして乾燥または硬化され得る。このインク受容層200のコーティング重量は、約1〜約5gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約2〜約3.5gsmの範囲であり得る。
【0103】
図15に図示された多層フィルム100Mは、以下のプロセス工程を用いて調製され得る。第1のプロセス工程では、部分フィルム構造350が作製され得、そして第2のプロセス工程では、部分フィルム構造360が作製され得る。この多層フィルム100Mは、公知の技術を用いて、部分フィルム構造350を部分フィルム構造360に接着させることにより、組み立てられ得る。インク層120は、多層フィルム100Mを組み立てる前に、インク受容層200に付与され得る。部分フィルム構造360は、上記技術の1つを使用して第2の剥離コーティング層190を第2の剥離ライナー180に付与され、そして第2の剥離コーティング層190を硬化または乾燥させることにより、調製され得る。第2の剥離コーティング層190のコーティング重量は、約0.1〜約2gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.2〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140(感圧接着剤の形態である)は、上に示された技術の1つを用いて第2の剥離コーティング層190に付与され得る。この接着剤層は、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出し成形を用いて接着剤層に付与され得る。第1の接着剤層140は、約10〜約25gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約10〜約20gsmのコーティング重量で付与され得る。第1の透明フィルム層110は、上に示された技術の1つを用いて、接着剤層140に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110の1種以上のコートが付与され得る。このフィルム層110および接着剤層140は、同時押出し成形され得る。第1の透明フィルム層110は、約27gsmまでのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約6〜約12gsmのコーティング重量で付与され得る。第2の接着剤層290のコーティング重量は、上に示された付与技術の1つを用いて、透明フィルム層110に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第2の接着剤層290のコーティング重量は、トランスファーラミネーションまたは押出し成形を用いて付与され得る。この接着剤層290は、フィルム層110と同時押出し成形され得る。第2の接着剤層290のコーティング重量は、約10〜約75gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約10〜約50gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約10〜約25gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約12〜約18gsmの範囲であり得る。部分フィルム構造350は、上に示された付与技術の1つを用いて、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に付与し、そして第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化されすることによって調製され得る。第1の剥離コーティング層160は、約1.5〜約7gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約4〜約5gsmで付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上に示された技術の1つを用いて第1の剥離コーティング層160に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130の1種以上のコートが付与され得る。第2の透明フィルム層130は、約3〜約27gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約21〜約27gsmの範囲であり得る。インク受容層200は、上に示された技術の1つを用いて、第2の透明フィルム層130に付与され、そして乾燥または硬化され得る。インク受容層200のコーティング重量は、約1〜約5gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約2〜約3.5gsmの範囲であり得る。
【0104】
図16に図示された多層フィルム100Nは、以下のプロセス工程を用いて調製され得る。第1のプロセス工程では、部分フィルム構造370が作製され、そして第2のプロセス工程では、部分フィルム構造380が作製される。この多層フィルム100Nは、公知の技術を用いて、部分フィルム構造370を部分フィルム構造380に接着させることにより、組み立てられ得る。インク層120は、多層フィルム100を組み立てる前に、インク受容層200に付与され得る。部分フィルム構造380は、上記技術の1つを使用して第2の剥離コーティング層190を第2の剥離ライナー180に付与し、そして第2の剥離コーティング層190を硬化または乾燥させることにより、調製され得る。第2の剥離コーティング層190のコーティング重量は、約0.1〜約2gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.2〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140(感圧接着剤の形態である)は、上に示された技術の1つを用いて第2の剥離コーティング層190に付与され得る。この接着剤層は、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出し成形を用いて接着剤層に付与され得る。第1の接着剤層140は、約10〜約25gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約10〜約20gsmのコーティング重量で付与され得る。第1の透明フィルム層110は、上に示された技術の1つを用いて、接着剤層140に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110の1種以上のコートが付与され得る。このフィルム層110および接着剤層140は、同時押出し成形され得る。第1の透明フィルム層110は、約27gsmまでのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約6〜約12gsmのコーティング重量で付与され得る。このインク受容層200は、上に示された技術の1つを用いて第1の透明フィルム層110に付与され、そして乾燥または硬化され得る。このインク受容層200のコーティング重量は、約1〜約5gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約2〜約3.5gsmの範囲であり得る。部分フィルム構造370は、上に示された付与技術の1つを用いて、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に付与し、そして第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化することにより、調製され得る。第1の剥離コーティング層160は、約1.5〜約7gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約4〜約5gsmのコーティング重量で付与し得る。第2の透明フィルム層130は、上に示された技術の1つを用いて、第1の剥離コーティング層160に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130の1種以上のコートが付与され得る。第2の透明フィルム層130は、約3〜約27gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約21〜約27gsmのコーティング重量で付与され得る。第3の接着剤層295は、上に示された技術の1つを用いて、第2の透明フィルム層130に付与され得る。第3の接着剤層295は、トランスファーラミネーションまたは押出し成形を用いて、付与され得る。第3の接着剤層295およびフィルム層130は、同時押出し成形され得る。第3の接着剤層295は、約10〜約25gsmのコーティング重量で付与され得、1つの実施形態では、約10〜約20gsmのコーティング重量で付与され得る。
【0105】
図17に図示された多層フィルム100Pは、以下のプロセス工程を用いて調製され得る。第1のプロセス工程では、部分フィルム構造390が作製され、そして第2のプロセス工程では、部分フィルム構造400が作製され得る。この多層フィルム100Pは、部分フィルム構造390を部分フィルム構造400に接着させることにより、組み立てられ得る。部分フィルム構造400は、上記の技術の1つを用いて第2の剥離コーティング層190を第2の剥離ライナー180に付与し、そして第2の剥離コーティング層190を硬化または乾燥させることにより調製され得る。第2の剥離コーティング層190のコーティング重量は、約0.1〜約2gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.2〜約1gsmの範囲であり得る。第1の接着剤層140(感圧接剤剤の形態である)は、上に示された技術の1つを用いて、第2の剥離コーティング層190に付与され得る。この接着剤層は、トランスファーラミネーション、ダイコーティングまたは押出し成形を用いて付与され得る。第1の接着剤層140は、約10〜約25gsmのコーティング重量で付与され得、1つの実施形態では、約10〜約20gsmのコーティング重量で付与され得る。部分フィルム構造390は、上に示された付与技術の1つを用いて、第1の剥離コーティング層160を第1の剥離ライナー150に付与し、そして第1の剥離コーティング層160を乾燥または硬化することにより、調製され得る。第1の剥離コーティング層160は、約1.5〜約7gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約4〜約5gsmのコーティング重量で付与され得る。第2の透明フィルム層130は、上に示された技術の1つを用いて第1の剥離コーティング層160に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第2の透明フィルム層130の1種以上の被覆が、付与され得る。第2の透明フィルム層130は、約3〜約27gsmのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約21〜約27gsmのコーティング重量で付与され得る。必要に応じて、インク層120は、上に示された技術の1つを用いて第2の透明フィルム層130に付与され、そして乾燥または硬化され得る。インク層120のコーティング重量は、約0.3〜約2gsmの範囲であり得、そして1つの実施形態では、約0.5〜約1gsmの範囲であり得る。第1の透明フィルム層110は、上に示された技術の1つを用いて、第2の透明フィルム層130またはインク層120に付与され、そして乾燥または硬化され得る。第1の透明フィルム層110の1種以上の被覆が、付与され得る。第1の透明フィルム層110され、約27gsmまでのコーティング重量で付与され得、そして1つの実施形態では、約6〜約12gsmのコーティング重量で付与され得る。この金属含有層(metalized layer)300は、例えば、蒸着を用いることにより、第1の透明フィルム層に付与され得る。
【0106】
1つの実施形態では、多層フィルムをこのライナーの表面にまで打ち抜いて写し絵の輪郭を描き、そしてこの写し絵(マトリックス)の周囲にある余分な材料を取り除くことにより、これらの多層フィルムが反転され得る。例えば、これらの多層フィルム100C、100G、100H、100I、100J、100K、100L、100M、100Nおよび100Pは、第2の剥離コーティング層190まで打ち抜かれ得る。次いで、写し絵をライナーから分離させ、そしてこの写し絵の接着剤層140を基材表面と接触させることにより、この写し絵は、基材表面に接着され得る。1つの実施形態では、この写し絵は、このライナーを剥離プレートの上に後方に曲げることによりライナーから分離され得、その際に、この写し絵が所望の基材表面に向かう直通経路上に存続せしめるために、この写し絵は十分に堅い。
【0107】
本発明の多層フィルムは、単1の生産ラインまたは複数の生産ラインまたは複数の生産設備において製造され得る。複数の生産ラインまたは複数の設備を用いた場合、この多層フィルムの1部は、ロール状多層フィルムとして作製され、乾燥もしくは硬化され、巻き上げられ、次の生産ラインもしくは生産設備に移され、ほどかれ、そしてさらなる層の付与でさらに処理され得る。例えば、第1の透明フィルム層110および接着剤層120は、複数のラインにおいて堆積され得るか、もしくは単1ラインにおいて順番に堆積され得るか、またはこれらを、例えば同時押出し成形またはマルチダイコーティング法(multi−die coating)により、同時に堆積され得る。単1の生産ラインにおける生産は、少なくとも1つの実施形態において比較的薄くて傷つきやすいフィルム物質を含み得るものに対する余分な操作、保存、および移動工程を回避することにより、より有効になり得る。
【0108】
多層フィルム100Bは、図9に図示されるロール状から多層フィルムをほどくことにより使用され得る。この基材は、任意の平らな表面を含み得る。この平らな表面は、壁板、プラスチックシート、金属シート、木材、ガラス、複合材などを含み得る。この基材は、ペイントされたかまたはコーティングされた表面を含み得る。この基材は、内部(すなわち、インドア)表面または外部(すなわち、アウトドア)表面を含み得る。この基材は、乗物の内部表面もしくは乗物の外部表面、家具、私物品などを含み得る。多層フィルムの光沢が、基材の光沢に合うように設計され得、1つの実施形態では、基材の光沢は、多層フィルムが、絵画のデザインを有する基材の1部または伝達事項が刻印された基材の1部に見えさせる。この多層フィルムは、接着剤層140が基材に接触するように、基材の上に設置される。少なくとも1つの実施形態において、この多層フィルムを用いることの利点は、継ぎ目が事実上消えて目立たないという事実に少なくとも1部は起因して、付与された多層フィルムの1部を次の隣接する付与されたフィルムと重ねることが可能であるということである。この利点は、第1の透明フィルム層110および第2の透明フィルム層130が、比較的薄いという事実に1部起因する。この利点はまた、比較的少ない光沢を有するフィルムを用いて達成され得る。
【0109】
多層フィルム100、100D、100Eおよび100Fは、第1の接着剤層140が基材に接触するように、その基材に付与され得る。この多層フィルム100Aおよび100Bは、この多層フィルムが基材に付与された後、第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160(および多層フィルム100Bについては第3の剥離コーティング層170)が、多層フィルムの残りから分離され得ることを除き、同1の様式で付与され得る。これで、多層フィルムを、多層フィルムを損傷せずに基材上に押し付けることが可能になる。
【0110】
多層フィルム100Cは、第2剥離ライナー180および第2剥離コーティング層190を基材の残りから分離した後、基材に付与され得る。次いで、この多層フィルムは、第1の接着剤層140がその基材に接触するように、その基材に接着される。
【0111】
この多層フィルム100G、100H、100I、100J、100K、100L、100M、100Nおよび100Pは、第2の剥離ライナー180および第2の剥離コーティング層190を基材の残りから最初に除去し、次いで、この多層フィルムを、第1の接着剤層140がその基材に接触するようにその基材に付与することによりその基材に付与され得る。次いで、第1の剥離ライナー150および第1の剥離コーティング層160が、多層フィルムから分離される。
【実施例】
【0112】
(実施例1)
第1の剥離ライナー150に対応するポリエチレンテレフタレートフィルム剥離ライナーの1方の側を、第3の剥離コーティング層170に対応するシリコーン剥離コーティングで被覆する。この剥離被覆ライナーの厚さは0.92milである。
【0113】
第1の剥離コーティング層160に対する艶消し剥離コートを、4.5gsmのコーティング重量でグラビアを用いて、裏あてライナーの他方の側に付与する。艶消し剥離コートの処方は、以下の通りである:26重量%のメチルイソブチルケトン、6重量%のイソプロパノール、34.8重量%のLankyd 13−1245(Akzo Resinsにより供給される製品で、アクリル性変性アルキドとして同定される)、2.6重量%のElvacite 2042(Lucite Internationalにより供給される製品で、ポリエチルメタクリレートポリマーとして同定される)、30重量%のMicrotalc MP 15−38(Barrett’s Mineralsにより供給される製品で、タルク乳白剤顔料として同定される)、2.5重量%のCycat 4040(Cytecにより供給される製品で、パラトルエンスルホン酸として同定される)、および8.7重量%のCymel 303(Cytecにより供給される製品で、メラミン樹脂として同定される)。この艶消し剥離コートを、149℃の強制熱空気を用いて乾燥する。
【0114】
第2の透明フィルム層130に対応する透明フィルム層を、25gsmのコーティング重量でグラビアを用いて、この艶消し剥離コートに付与し、そして約120℃の温度の強制熱空気を用いて乾燥させる。第2の透明フィルム層130の処方は、以下の通りである:42.4重量%のメチルエチルケトン、21.2重量%のトルエン、28重量%のVYHH、および8.4%のEdenol 9790。
【0115】
インク層120に対応するインク層を、スポンジ設計グラビアシリンダーを用いて、フィルム層130に対応する透明フィルム層に付与する。このインク層は、以下の処方を有する:50.5重量%のメチルエチルケトン、26.2重量%のトルエン、6.4重量%のPMアセテート(Dow Chemicalにより供給される溶媒)、14.1重量%のVYHH、0.5重量%の345−36500(Gibraltar Chemicalからのナフトールレッド)、1.4重量%の345−34130(Gibraltarからのフタロブルー)、および0.9重量%の345−39420(Gibraltarからのカーボンブラック)。このインク層を、約0.4gsmのコーティング重量で付与し、そして約120°Fの温度の強制熱空気を用いて乾燥する。
【0116】
第1の透明フィルム層110に対応する透明フィルム層を、25gsmのコーティング重量でロールコーターを使用して、上記インク層に付与し、そして約120℃の温度の強制熱空気を用いて乾燥する。第1の透明フィルム層110に対する処方は、以下の通りである:38.18重量%のメチルエチルケトン、19.06重量%のトルエン、28.85重量%のVYHH、および14.11%のEdenol 9790。
【0117】
次いで、第1の接着剤層140に対応する感圧接着剤層を、トランスファーラミネーションを用いて、15gsmのコーティング重量で第1の透明フィルム層110に対応する透明フィルム層に付与する。この感圧接着剤のための処方は、以下の通りである:96重量%の、ブチルアクリレートおよびエチルヘキシルアクリレートの架橋されたコポリマーを含む非粘着性エマルジョン、3.7重量%のUCD 1106E(2酸化チタン濃縮物として同定されるRohm and Haasの製品)および0.3重量%のUCD 1507E(カーボンブラック分散液濃縮物として同定されるRohm and Haasの製品)。
【0118】
本発明は、好ましい実施形態に関連して説明されているが、これらの種々の改変は、本明細書を読めば、当業者には明白であることが理解されるべきである。従って、本明細書中に開示される発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内であるこのような改変を網羅することが意図されることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明を特定の形態で具体化する多層フィルムの側面図の概略図である。
【図2】図2は、本発明の多層フィルムの別の実施形態の側面図の概略図である。
【図3】図3は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図4】図4は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図5】図5は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図6】図6は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図7】図7は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図8】図8は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図9】図9は、図3に図示される多層フィルムの概略図であり、その多層フィルムは、一部はロールに巻かれている。
【図10】図10は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図11】図11は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図12】図12は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図13】図13は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図14】図14は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図15】図15は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図16】図16は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。
【図17】図17は、本発明の多層フィルムのさらに別の実施形態の側面図の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルムであって、以下:
上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の該上部表面の上にある第2の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の表面または該第2の透明フィルム層の下にあり、かつそれに接着するインク層、インク受容層または金属含有層;ならびに
該第1の透明フィルム層の該下部表面の上にある第1の接着剤層、
を備える、多層フィルム。
【請求項2】
前記多層フィルムが、
前記第2の透明フィルム層の上にある第1の剥離ライナーであって、該第1の剥離ライナーが、上部表面および下部表面を有する、第1の剥離ライナー;および
該第1の剥離ライナーの該下部表面の上にあり、かつ該第1の剥離ライナーと該第2の透明フィルム層との間に配置される第1の剥離コーティング、
をさらに備える、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記多層フィルムが、
前記第1の剥離ライナーの前記上部表面の上にある、第3の剥離コーティング層、
をさらに備える、請求項2に記載の多層フィルム。
【請求項4】
前記第1の接着剤層が、感圧接着剤層を含み、そして前記多層フィルムが、以下:
前記第1の接着剤層の上にある、第2の剥離ライナー;および
該第2の剥離ライナー層と該第1の接着剤層との間に配置される、第2の剥離コーティング層、
をさらに備える、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項5】
前記インク層が、前記第1の透明フィルム層と前記第2の透明フィルム層との間に配置される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項6】
前記インク受容層が、前記第1の透明フィルム層と前記第2の透明フィルム層との間に配置される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項7】
前記インク受容層が、前記第1の透明フィルム層の前記上部表面の上にある、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項8】
前記インク受容層が、前記第1の透明フィルム層の前記下部表面の上にある、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項9】
前記金属含有層が、前記第1の透明フィルム層の前記下部表面の上にある、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項10】
前記多層フィルムが、インク層およびインク受容層を備え、該インク受容層が、前記第1の透明フィルム層の上にあり、かつ該インク層が、該インク受容層の上にある、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項11】
前記多層フィルムが、インク層およびインク受容層を備え、該インク受容層が、前記第2の透明フィルム層の上にあり、かつ該インク層が、該インク受容層の上にある、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項12】
前記多層フィルムが、前記第1の透明フィルム層の上にある熱活性化接着剤層をさらに備える、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項13】
前記第1の透明フィルム層、前記第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項14】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、1つ以上のアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、フタル酸樹脂またはフタル酸無水物樹脂、ウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項15】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、1つ以上のビニルポリマーもしくはビニリデンポリマー、または酢酸ビニル、塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの単位を含むコポリマーを含む、、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項16】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、塩化ビニルおよび酢酸ビニルのコポリマーを含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項17】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、エチレンまたはプロピレン単位およびエーテルの酸素化誘導体またはハロゲン化誘導体、ブタジエン、酸素化ブタジエン、イソプレン、酸素化イソプレン、ブタジエン−スチレン、ブタジエン−ビニルトルエン、またはイソプレン−スチレンを含む、1つ以上のポリマーもしくはコポリマーを含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項18】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、またはアクリロニトリルの単位を含む、1つ以上のポリマーもしくはコポリマーを含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項19】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、マレイン酸またはマレイン酸無水物の、スチレンとの反応生成物を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項20】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジエチルジイソシアネート、イソシアヌレート、尿素−ホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、フェノール接着剤、動物皮接着剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、または繊維素樹脂の1つ以上を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項21】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、1つ以上のポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、イオノマー、または2つ以上のこれらの混合物を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項22】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、水または水−アルコール混合物を含む液体組成物から誘導される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項23】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、有機溶媒を含む液体組成物から誘導される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項24】
前記有機溶媒が、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、酢酸エチル、ホワイトスピリット、アルカン、シクロアルカン、またはイソパラフィン溶媒の1つ以上を含む、請求項23に記載の多層フィルム。
【請求項25】
前記第1の透明フィルム層、第2の透明フィルム層、または前記第1および第2の透明フィルム層の両方が、1つ以上の湿潤剤、可塑剤、懸濁補助剤、チキソトロピー剤、撥水性添加剤、防火添加剤、殺生物剤、消泡剤または流動化剤を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項26】
前記インク層が、水ベースのインク、溶媒ベースのインクまたは放射線硬化インクを含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項27】
前記多層フィルムが、基材への付与に適しており、前記第1の接着剤層が、初期タックを提供し、該基材と永続的な結合を形成する前に、位置決め調整を可能にするために、該フィルムのわずかの移動を許容する、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項28】
前記第1の接着剤層が、感圧接着剤を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項29】
前記第1の接着剤層が、水分活性化可能接着剤を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項30】
前記第1の接着剤層が、熱活性化可能接着剤を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項31】
前記第1の接着剤層が、ゴムベースの接着剤、アクリル接着剤、ビニルエーテル接着剤、シリコーン接着剤、またはこれらの2つ以上の混合物を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項32】
前記第1の接着剤層が、ホットメルト接着剤、溶媒ベースの接着剤、または水ベースの接着剤から誘導される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項33】
前記第1の接着剤層が、アクリルポリマー;ブロックコポリマー;天然ゴム、再生ゴム、またはスチレン−ブタジエンゴム;粘着化天然ゴムまたは粘着化合成ゴム;エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー;エチレン−ビニル−アクリルターポリマー;ポリイソブチレン;またはポリビニルエーテルを含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項34】
前記第1の剥離ライナーが、紙、ポリマーフィルム、またはこれらの組合せを含む、請求項2に記載の多層フィルム。
【請求項35】
前記第1の剥離コーティング層が、アルキド樹脂および/またはメラミン樹脂で架橋されたビニル樹脂を含む、請求項2に記載の多層フィルム。
【請求項36】
前記第1の剥離コーティング層が、1つ以上の固体粒状物を含む、請求項2に記載の多層フィルム。
【請求項37】
前記第3の剥離コーティング層が、シリコーンコーティングを含む、請求項3に記載の多層フィルム。
【請求項38】
前記第2の剥離ライナーが、紙、ポリマーフィルム、またはこれらの組合せを含む、請求項4に記載の多層フィルム。
【請求項39】
前記第2の剥離コーティング層が、シリコーンコーティングを含む、請求項4に記載の多層フィルム。
【請求項40】
前記インク受容層が、ポリエステル樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項41】
前記インク受容層が、ポリエステル樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項42】
前記熱活性化接着剤層が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルコポリマー、エチレンメタクリル酸のナトリウム塩または亜鉛塩に基づくイオノマー、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、これらの2つ以上の混合物を含む、請求項12に記載の多層フィルム。
【請求項43】
多層フィルムであって、以下:
上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の該上部表面の上にあるインク層またはインク受容層;
該インク層またはインク受容層の上にある第2の透明フィルム層;
該第2の透明フィルム層の上にある第1の剥離ライナーであって、該第1の剥離ライナーが、上部表面および下部表面を有する、第1の剥離ライナー;
該第1の剥離ライナーの該下部表面の上にあり、かつ該第1の剥離ライナーと該第2の透明フィルム層との間に配置される第1の剥離コーティング層;
該第1の剥離ライナーの該上部表面の上にある、第3の剥離コーティング層;ならびに
該第1の透明フィルム層の該下部表面の上にある第1の接着剤層、
を備える、多層フィルム。
【請求項44】
多層フィルムであって、以下:
上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の該上部表面の上にあるインク層またはインク受容層;
該インク層またはインク受容層の上にある第2の透明フィルム層;
該第2の透明フィルム層の上にある第1の剥離ライナー;
該第1の剥離ライナーと該第2の透明フィルム層との間に配置される第1の剥離コーティング層;
該第1の透明フィルム層の該下部表面の上にある第1の接着剤層であって、該第1の接着剤層が、感圧接着剤を含む、第1の接着剤層;
該第1の接着剤層の上にある第2の剥離ライナー;ならびに
該第2の剥離ライナーと該第1の接着剤層との間に配置される第2の剥離コーティング層、
を備える、多層フィルム。
【請求項45】
多層フィルムであって、以下:
上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の該上部表面の上にあるインク層;
該第1の透明フィルム層と該インク層との間に配置されるインク受容層;
該インク層の上にある第2の透明フィルム層;
該第2の透明フィルム層の上にある第1の剥離ライナー;
該第1の剥離ライナーと該第2の透明フィルム層との間に配置される第1の剥離コーティング層;
該第1の透明フィルム層の該下部表面の上にある第1の接着剤層であって、該第1の接着剤層が、感圧接着剤を含む、第1の接着剤層;
該第1の接着剤層の上にある第2の剥離ライナー;ならびに
該第2の剥離ライナーと該第1の接着剤層との間に配置される第2の剥離コーティング層、
を備える、多層フィルム。
【請求項46】
多層フィルムであって、以下:
上部表面および下部表面を有する第1の透明フィルム層;
該第1の透明フィルム層の該上部表面の上にあるインク層;
該第1の透明フィルム層と該インク層との間に配置される熱活性化接着剤層;
該インク層の上にある第2の透明フィルム層;
該第2の透明フィルム層と該インク層との間に配置されるインク受容層;
該第2の透明フィルム層の上にある第1の剥離ライナー;
該第1の剥離ライナーと該第2の透明フィルム層との間に配置される第1の剥離コーティング層;
該第1の透明フィルム層の該下部表面の上にある第1の接着剤層であって、該第1の接着剤層が、感圧接着剤を含む、第1の接着剤層;
該第1の接着剤層の上にある第2の剥離ライナー;ならびに
該第2の剥離ライナーと該第1の接着剤層との間に配置される第2の剥離コーティング層、
を備える、多層フィルム。
【請求項47】
多層フィルムを作製する方法であって、以下:
第1の剥離コーティング層を、第1の剥離ライナーに付与する工程であって、該第1の剥離ライナーが上部表面および下部表面を有し、該第1の剥離コーティング層が、該第1の剥離ライナーの該下部表面に付与される、工程;
第3の剥離コーティング層を、該第1の剥離ライナーの該上部表面の上に付与する工程;
第2の透明フィルム層を、該第1の剥離コーティング層に付与する工程;
インク層またはインク受容層を、該第2の透明フィルム層に付与する工程;
第1の透明フィルム層を、該インク層またはインク受容層に付与する工程;ならびに
第1の接着剤層を、該第1の透明フィルム層に付与する工程、
を包含する、方法。
【請求項48】
多層フィルムを作製する方法であって、以下:
第1の剥離コーティング層を、第1の剥離ライナーに付与する工程であって、該第1の剥離ライナーが上部表面および下部表面を有し、該第1の剥離コーティング層が、該第1の剥離ライナーの該下部表面に付与される、工程;
第3の剥離コーティング層を、該第1の剥離ライナーの該上部表面の上に付与する工程;
第2の透明フィルム層を該第1の剥離コーティング層の上に押出し成形する工程;
インク層またはインク受容層を、該第2の透明フィルム層に付与する工程;
第1の透明フィルム層を、該インク層またはインク受容層の上に押出し成形する工程;ならびに
第1の接着剤層を、該第1の透明フィルム層の上に押出し成形する工程、
を包含する、方法。
【請求項49】
多層フィルムを作製する方法であって、以下:
第1の剥離コーティング層を、第1の剥離ライナーに付与する工程であって、該第1の剥離ライナーが上部表面および下部表面を有し、該第1の剥離コーティング層が、該第1の剥離ライナーの該下部表面に付与される、工程;
第3の剥離コーティング層を、該第1の剥離ライナーの該上部表面の上に付与する工程;
第2の透明フィルム層を該第1の剥離コーティング層の上に押出し成形する工程;
インク層またはインク受容層を、該第2の透明フィルム層に付与する工程;ならびに
第1の透明フィルム層および第1の接着剤層を、該インク層またはインク受容層の上に同時押出し成形する工程であって、該第1の透明フィルム層が、該インク層またはインク受容層の上にあり、そして該第1の接着剤層が、該第1の透明フィルム層の上にある、工程、
を包含する、方法。
【請求項50】
多層フィルムを作製する方法であって、以下:
第1の剥離コーティング層を、第1の剥離ライナーに付与する工程、および第2の透明フィルム層を該第1の剥離コーティング層に付与する工程により、第1の部分フィルム構造を形成する工程であって、該第1の剥離ライナーが上部表面および下部表面を有し、該第1の剥離コーティング層が、該第1の剥離ライナーの該下部表面に付与される、工程;
第2の剥離コーティング層を、第2の剥離ライナーに付与する工程、第1の接着剤層を、第2の剥離コーティング層に付与する工程、第1の透明フィルム層を該第1の接着剤層に付与する工程、およびインク層またはインク受容層を該第1の透明フィルム層に付与する工程により、第2の部分フィルム構造を形成する工程であって、該第2の剥離ライナーが上部表面および下部表面を有し、該第2の剥離コーティング層が、該第2の剥離ライナーの該上部表面に付与される、工程;ならびに
該第1の部分フィルム構造を第2の部分フィルム構造に接着する工程であって、該第2の部分フィルム構造が、該インク層またはインク受容層に接触して、多層フィルムを形成する工程、
を包含する、方法。
【請求項51】
多層フィルムを基材に付与する方法であって、以下:
請求項1に記載の多層フィルムを、基材の上に配置する工程であって、前記接着剤層が該基材と接触している工程、および該多層フィルムを該基材に接着する工程、を包含する、方法。
【請求項52】
請求項43に記載の多層フィルムを基材に付与する方法であって、該多層フィルムは、ロールに巻かれて前記第1の接着剤層が前記第3の剥離コーティング層に接触しており、該方法は、以下:
該ロールが解かれ、該第1の接着剤層が該第3の剥離コーティング層から分離する工程;
該多層フィルムを基材の上に配置する工程であって、該第1の接着剤層が該基材と接触している工程、および該多層フィルムを該基材に接着する工程;および
前記第1の剥離ライナーを該多層フィルムから分離する工程であって、前記第1の剥離コーティング層が、前記第1の剥離ライナーとともに、該多層フィルムから分離する、工程、
を包含する、方法。
【請求項53】
請求項44に記載の多層フィルムを基材に付与する方法であって、該方法は、以下:
前記第2の剥離ライナーを該多層フィルムから分離する工程であって、前記第2の剥離コーティング層が、該第2の剥離ライナーとともに該多層フィルムから分離する、工程;
該多層フィルムを基材の上に配置する工程であって、該第1の接着剤層が該基材と接触している工程、および該多層フィルムを該基材に接着する工程;および
前記第1の剥離ライナーを該多層フィルムから分離する工程であって、前記第1の剥離コーティング層が、前記第1の剥離ライナーとともに、該多層フィルムから分離する、工程、
を包含する、方法。
【請求項54】
移し絵を形成する工程であって、以下:
請求項4に記載の多層フィルムを、前記第2の剥離コーティング層の前記表面にダイカットし、該移し絵の輪郭を描く工程;および
該移し絵を囲む不要な材料を剥ぎ取る工程、
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−502732(P2007−502732A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532284(P2006−532284)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/003860
【国際公開番号】WO2005/005161
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】