説明

多層二軸延伸フィルム及びその用途

【課題】柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので自動製袋機に適した、従来のポリオレフィンフィルムからなる包装用フィルムと同様に包装用フィルムとして好適に使用しコンポスト処理可能な生分解性フィルムを提供する。
【解決手段】融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)98〜35重量%及び融点(Tm)が45〜80℃未満の生分解性重合体(B)3〜45重量%との組成物(C)からなる熱融着層を有する多層二軸延伸フィルムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性を備え、且つ熱融着性、透明性に優れた包装用フィルムに好適な多層二軸延伸フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
生分解可能なプラスチックとして、汎用性の高い脂肪族ポリエステルが注目されており、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリカプロラクトン(PCL)などが上市されている。
これら生分解性脂肪族ポリエステルの用途の一つとして包装用、農業用、食品用などのフィルム分野があり、用途に応じた高強度、耐熱性および生分解性が、基本性能として要求されている。
上記脂肪族ポリエステルの中で、PLAは、高いものでは170℃付近に融点を持ち高耐熱性であるが、脆いために成形品の伸度は低く、また土中で分解しにくいためコンポスト化設備が必要である。PBSおよびPESは融点が100℃付近で十分な耐熱性を有するが、生分解速度が小さく、実用的には不充分であり、また機械的性質では柔軟性に欠ける。PCLは柔軟性に優れるものの、融点60℃と耐熱性が低いために用途が限定されているが、生分解速度は非常に速い。
プラスチックフィルムの廃棄処理を容易にする目的で生分解性のあるフィルムが注目され、各種フィルムが開発されて来ている。その生分解性フィルムは、土壌中や水中で加水分解や生分解を受け、徐々にフィルムの崩壊や分解が進み、最後には微生物の作用で無害な分解物へと変化するものである。そのようなフィルムとして、芳香族系ポリエステル樹脂やポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族系ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン等から成形したフィルムが知られている。
ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族系ポリエステル樹脂の剛性を改良する方法として、脂肪族ポリエステルとして、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジヒドロキシ化合物成分に、脂肪族オキシカルボン酸成分を共重合させた脂肪族ポリエステル共重合体(たとえば、特許文献1参照)、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジヒドロキシ化合物成分に、脂肪族オキシカルボン酸成分若しくは乳酸を共重合させた脂肪族ポリエステル共重合体(たとえば、特許文献2)が提案されている。
一方、かかる脂肪族ポリエステル共重合体の物性を改良する目的で、ポリ乳酸を添加する方法が提案されている(たとえば、特許文献3、特許文献4参照)。
しかしながら、かかる公報等に記載された脂肪族ポリエステル共重合体から得られる二軸延伸フィルムは、熱融着性がないので包装用フィルムに使用するには制限があった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−239461号公報(請求項1)
【特許文献2】特許3403006号公報(請求項1)
【特許文献3】特開平9−272789号公報(請求項1)
【特許文献4】WO 02/44249 A1号公報(95頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、生分解性ポリマー本来の特徴である生分解性、透明性を損なわずに熱融着性を有する脂肪族ポリエステル共重合体からなる二軸延伸フィルムを開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の少なくとも片面に上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)97〜55重量%と融点(Tm)が45〜80℃未満の生分解性重合体(B)3〜45重量%との組成物(C)からなる熱融着層を有してなることを特徴とする多層ニ軸延伸フィルムに関する。
【0006】
また、本発明の態様の1つは、脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材が、2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の含有量が0.1〜25モル%〔脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)で、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)量は実質的に等しく、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の量の合計は100モル%である。〕の範囲にある多層ニ軸延伸フィルムである
【0007】
さらに、本発明の態様の1つは、上記の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)が、乳酸である多層ニ軸延伸フィルムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多層二軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので、従来のポリオレフィンフィルムからなる包装用フィルムと同様に包装用フィルムとして好適に使用し得る。それに加え、本発明の多層二軸延伸フィルムは、脂肪族ポリエステル共重合体(A)本来の生分解性も有するので、使用済みの包装材料は、食品等の分解される被包装物が付着していてもコンポストとして、ごみの回収、処理が容易になる。
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を備えており、また、運搬に耐え得る耐衝撃性も有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)は、融点(Tm)が80〜120℃、好ましくは80〜115℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃、好ましくは37〜73℃及び(Tm)−(Tc)が30〜55℃、好ましくは35〜50℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)である。
融点(Tm)が80℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、得られるフィルムを基材層として用いるには融点が低過ぎ、夏期における倉庫内等の熱気雰囲気中で収縮したり、ブロッキングを起こす虞がある。
結晶化温度(Tc)が35℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、結晶化温度が低過ぎ、かかる共重合体からフィルムを得ようとしても、通常の冷却温度(5〜30℃)では完全に固化せず、得られるフィルムにニップロール等の押し跡が転写したり、冷却ロールから容易に剥がれず、外観に劣るフィルムとなる虞がある。
(Tm)−(Tc)が30℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、得られる延伸フィルムは透明性に劣る虞がある。
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)は、好ましくは2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の含有量が0.1〜25モル%、より好ましくは1〜10モル%〔脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)で、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)のモル数は実質的に等しく、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の合計を100モル%とする。〕の範囲にある。
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、190℃、荷重2160g)は、フィルム形成能がある限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
【0010】
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジカルボン酸成分は2〜10個の炭素原子(カルボキシル基の炭素も含めて)、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する化合物であり、線状であっても枝分れしていてもよい。脂環式ジカルボン酸成分は、通常、7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有するものが好ましい。
また、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a)は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸を主成分とする限り、より大きい炭素原子数、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸成分を含むことができる。
かかる脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a)としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸等のジカルボン酸、かかるジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステル等のエステル形成誘導体を例示できる。
これら、脂肪族または脂環式ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、単独かまたは2種以上からなる混合物として使用することもできる。
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)としては、特に、コハク酸またはそのアルキルエステルまたはそれらの混合物が好ましく、融点(Tm)が低い脂肪族ポリエステル共重合体(A)を得るために、コハク酸を主成分とし、副成分としてアジピン酸を併用してもよい。
【0011】
脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジヒドロキシ化合物成分であれば、2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状のジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物成分であれば、5〜10個の炭素原子を有する環状の化合物が挙げられる。
かかる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、とくには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール類及びジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール並びにポリテトラヒドロフラン等が例示でき、特にはジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコールまたはこれらの混合物または異なる数のエーテル単位を有する化合物が挙げられる。脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分は、異なる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物の混合物も使用することができる。
脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)としては1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0012】
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)は、特に限定はされないが、通常、1〜10個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状の二価脂肪族基を有する化合物が挙げられる。
かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)としては、具体的には、例えば、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸、ヒドロキシカプロン酸等、かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、シクロヘキシルエステル等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステル形成誘導体を挙げることができる。
【0013】
本発明に係る脂肪族ポリエステル共重合体(A)は種々公知の方法で製造し得る。具体的な重合方法としては、例えば、特開平8−239461号公報、特開平9−272789号公報に記載されている。また、本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(A)としては、例えば、三菱化学株式会社からGS Pla(商品名)として製造・販売されている。
【0014】
脂肪族ポリエステル(B)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル(B)は、融点(Tm)が45〜80℃未満、好ましくは55〜75℃の範囲の脂肪族ポリエステルであり、具体的には、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、等のラクトンの1種類もしくは2種以上を重合して得られるポリラクトンあるいはかかるラクトン類が挙げられる。また、脂肪族ポリエステル(B)はラクトンに加え、少量の他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と共重合したものであってもよい。かかる他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、グリコライド、乳酸、各種ヒドロキシ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、各種ヒドロキシカプロン酸またはそれらの環状無水物等が挙げられる。脂肪族ポリエステル(B)のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、190℃、荷重2160g)は、フィルム形成能がある限り特に限定されないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
【0015】
ポリ乳酸
本発明に係るポリ乳酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、更にはL−乳酸とD−乳酸の混合物(ラセミ体)であるポリ(DL−乳酸)等の乳酸重合体、及び乳酸を主成分とし、乳酸以外の共重合可能なコモノマーを少割合、例えばグリコール酸50重量%未満、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物等の乳酸を主成分とする重合体である。乳酸と共重合可能なコモノマーとしては、例えば3−ヒドロキシブチレート、カプロラクトン、グリコール酸などを挙げることができる。
かかるポリ乳酸の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。
これらポリ乳酸の中でも、D−乳酸を0〜30重量%、好ましくは0〜25重量%含むL−乳酸の単独共重合体もしくはD−乳酸とL−乳酸の共重合体が、基材を構成する前記脂肪族ポリエステル(A)に添加して得られる多層二軸延伸フィルムの透明性、光線透過率が良好である。なお、ポリ乳酸共重合体におけるD−乳酸含有量は、クロムバック社製ガスクロマトグラフCP CYCLODEX B 236Mを用いて測定した値である。
上記ポリ乳酸のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、190℃、荷重2160g)が0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
【0016】
組成物(C)
本発明に係わる組成物(C)は、前記脂肪族ポリエステル共重合体(A)97〜55重量%、好ましくは85〜50重量%と前記脂肪族ポリエステル(B)3〜45重量%、好ましくは15〜50重量%との組成物である。脂肪族ポリエステル(B)の量が3重量%未満の組成物は多層二軸延伸フィルムの熱融着層に用いても充分な熱融着性が得られない虞があり、一方、65重量%を越える組成物は多層二軸延伸フィルムの熱融着層に用いた場合に、低温でのべたつきが起こる虞がある。
本発明における組成物(C)は、脂肪族ポリエステル共重合体(A)及び脂肪族ポリエステル(B)を夫々上記範囲でヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサー等で混合する方法、混合後更に単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法等により得られる。
本発明における組成物(C)には、脂肪族ポリエステル共重合体(A)及び脂肪族ポリエステル(B)を夫々別個に、あるいは組成物(C)を製造する際に、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0017】
多層二軸延伸フィルム
本発明の多層二軸延伸フィルムは、前記脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の片面若しくは両面に組成物(C)からなる熱融着層を有してなる多層二軸延伸フィルムである。本発明の多層二軸延伸フィルムは、二軸延伸フィルム基材として、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いてなるので、得られる多層二軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、且つ表面には、組成物(C)から得られる熱融着層を有することにより熱融着性を有する。
本発明の多層二軸延伸フィルムの基材層を構成する前記脂肪族ポリエステル共重合体(A)に、前記ポリ乳酸を5〜25重量%混合することにより、得られる多層二軸延伸フィルムの柔軟性を変え得るが、添加量を多くし過ぎると柔軟性が損なわれる虞がある。脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材及び組成物(C)からなる熱融着層の厚さは用途に応じて種々決め得るが、通常、基材となる二軸延伸フィルムの厚さは5〜500μm、好ましくは10〜200μm、熱融着層の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.3〜2μmの範囲にあり、多層二軸延伸フィルムの厚さは5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲にある。
【0018】
本発明の多層二軸延伸フィルムは、種々公知の方法、例えば、二軸延伸フィルム(基材層)として脂肪族ポリエステル共重合体(A)を、熱融着層として組成物(C)を用いて共押出し成形して得た多層シートを、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸等の二軸延伸することにより得られる。二軸延伸の条件は、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を延伸し得る条件、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を60〜100℃、延伸倍率を2〜6倍の範囲、横延伸温度を60〜120℃、延伸倍率を2〜12倍の範囲にすればよい。また、同時二軸延伸法では、延伸温度を60〜120℃、延伸倍率を2〜12倍(面倍率で4〜150倍)の範囲の範囲にすればよい。二軸延伸後は多層二軸延伸フィルムの用途に応じて種々条件でヒートセット(熱処理)を行うことにより、得られる多層二軸延伸フィルムの熱収縮率を任意の範囲、例えば80℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を0〜5%、横方向の熱収縮率を0〜5%の範囲に、また100℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を5〜15%、横方向の熱収縮率を10〜20%の範囲することができる。ヒートセットの温度は、通常、脂肪族ポリエステル共重合体(A)の結晶化温度以上かつ融点以下の温度範囲である100〜130℃である。
また熱収縮フィルムを得るためにはヒートセットを略し延伸温度近辺またはそれ以下の温度に置くことで可能になる。また他の低融点の生分解性素材と混練することで更に熱収縮率を上げることも可能である。その結果80℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を1〜10%、横方向の熱収縮率を1〜15%、また100℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を10〜70%、横方向の熱収縮率を10〜70%の範囲にすることができる。
多層二軸延伸フィルムを製造する方法としては前記共押出し多層シートを延伸せずに、予め前記方法で脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いて二軸延伸フィルムを製造した後、かかるニ軸延伸フィルム基材の片面あるいは両面に組成物(C)を押出し被覆する方法、あるいは予め組成物(C)からなるフィルムを得た後、二軸延伸フィルム基材と貼り合せる方法をとり得るが、共押出し多層シートを延伸する方法が、脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルムと組成物(C)からなる熱融着層との層間密着性に優れるので好ましい。
また、(多層)二軸延伸フィルムを得た後、熱処理を行わないか、あるいは熱処理の条件を種々選択することにより、熱収縮性を備えた多層二軸延伸フィルムあるいは熱収縮性を抑えた多層二軸延伸フィルムを得ることができる。
【0019】
オーバーラップ包装用フィルム
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、組成物(C)からなる熱融着層/脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材(基材層)/組成物(C)からなる熱融着層からなる多層二軸延伸フィルムである。本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、二軸延伸フィルム基材として、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いてなるので、得られるオーバーラップ包装用フィルムは柔軟性、透明性に優れ、且つ両表面に、組成物(C)から得られる熱融着層を有しているので、オーバーラップ適性に優れている。
【0020】
収縮フィルム包装用フィルム
本発明の収縮フィルム包装用フィルムは、組成物(C)から得られる熱融着層/脂肪族ポリエステル共重合体(A)から得られる二軸延伸フィルム基材(基材層)/(組成物(C)から得られる熱融着層)からなる多層二軸延伸フィルムからなり、通常、縦方向の熱収縮率が20〜70%、好ましくは30〜60%の範囲、横方向の熱収縮率が20〜70%、好ましくは30〜60%の範囲にある。本発明の収縮フィルム包装用フィルムは、二軸延伸フィルム基材として、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いてなるので、得られる収縮フィルム包装用フィルムは柔軟性、透明性に優れ、且つ(両)表面に、組成物(C)から得られる熱融着層を有しているので熱収縮フィルムとして使用し得る。
【実施例】
【0021】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0022】
本発明の実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
(1)脂肪族ポリエステル共重合体
(i)コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−1);三菱化学社製、商品名 GS−Pla AZ91T
MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):108.9℃、結晶化温度(Tc):68.0℃、(Tm)−(Tc):40.9℃、密度:1.25g/cm
(ii)コハク酸・アジピン酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−2);三菱化学社製、商品名 GS−Pla AD92W
MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):86.9℃、結晶化温度(Tc):40.4℃、(Tm)−(Tc):46.5℃、密度:1.25g/cm
(iii)コハク酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体(E−1);昭和高分子社製、商品名 ビオノーレ#1001
MFR(190℃、荷重2160g):1.5g/10分、融点(Tm):112.6℃、結晶化温度(Tc):86.8℃、(Tm)−(Tc):17.7℃、密度:1.26g/cm
(2)脂肪族ポリエステル(B)
ポリε―カプロラクトン:ダイセル化学社製、商品名PH7、MFR(190℃、荷重2160g):2.0g/10分、融点(Tm):60℃
(3)ポリ乳酸
(i)ポリ乳酸共重合体(F−1)
D−乳酸含有量:1.6重量%、MFR(温度190℃、荷重2160g):3.0g/10分、融点(Tm):164℃、ガラス転位温度(Tg):56.0℃、密度:1.3g/cm
(ii)ポリ乳酸共重合体(F−2)
D−乳酸含有量:12.6重量%、MFR(温度190℃、荷重2160g):2.6g/10分、融点(Tm):なし(非晶)、ガラス転位温度(Tg):56.9℃、密度:1.3g/cm
【0023】
本発明における各種測定方法は以下のとおりである。
(1)ヘイズ(HZ)及び平行光線透過率(PT)
日本電色工業社製ヘイズメーター300Aを用いて、ヘイズ(HZ:%)及び平行光線透過率(PT:%)を測定した。測定値は5回の平均値である。
(2)引張り試験
試験片として、多層二軸延伸フィルムから縦方向(MD)及び横方向(TD)に短冊状フィルム片(長さ:150mm、幅:15mm)を切出し、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用い、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分)の条件で引張試験を行い、降伏点及び破断点における強度(MPa)、伸び(%)、ヤング率(MPa)を求めた。なお、伸び%)はチャック間距離の変化とした。測定値は5回の平均値である。
(3)ヒートシール強度
多層二軸延伸フィルムの熱融着層(ヒートシール層)面を重ね合わせた後に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 商品名 ルミラー12μ)で挟み、テスター産業株式会社製TP−701−B HEATSEALTESTERを用いて、所定の温度で。シール面圧1kg/cm、時間1秒の条件下で熱融着した。尚、加熱は上側のみとした。次いで、熱融着した多層二軸延伸フィルムをオリエンテック社製テンシロン万能試験機 RTC―1225を用いて幅15mmの熱融着したサンプルを300mm/分の引っ張り速度で剥離し、その最大強度を熱融着強度とした。
得られた結果を表1に示す。
【0024】
実施例1〜14
<組成物(C)の製造>
組成物(C)として、コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−1、A−2)及びポリカプロラクトン(B)、ポリ乳酸共重合体(F−1、F−2)を表1に示す組成比で夫々計量し、40mmφの1軸押出機を用いて200℃で溶融混練して各組成物を用意した。
<無延伸シートの製造>
先端にT−ダイを具備した40mmφの二種二層のフィルム・シート成形機を用い、基材層/熱融着層を80/20の比率で、成形温度200℃で押出し、厚さ250μmの二層無延伸シートを得た。
<二軸延伸フィルムの製造>
得られた二層無延伸シートをパンタグラフ式バッチ2軸延伸装置(東洋精機製作所 ヘビー型)を用いて表1記載の温度で60秒のホットエアーにより予熱した後、5m/分の速度に縦横方向に3.0倍延伸(同時二軸延伸)した。また延伸後、直ちに試料を扇風機で冷却し、厚さ30μmの二層二軸延伸フィルムを得た。
得られた二層二軸延伸フィルムの物性を前記測定方法で測定した。測定結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
比較例1〜6
実施例と同様に組成物の製造、無延伸シートの製造、二層二軸延伸フィルムの製造を行った。
測定結果を表1に示す。
【0027】
【表2】

【0028】
表1及び表2から明らかなようにコハク酸−1,4−ブタンジオール−ε−カプロラクトン三元共重合体〔脂肪族ポリエステル共重合体(A−1、A−2)〕を単層とした二軸延伸フィルム(比較例1、6)は全く熱融着性がないのに対し、熱融着層としてコハク酸−1,4−ブタンジオール−ε−カプロラクトン三元共重合体〔脂肪族ポリエステル共重合体(A)〕にポリε―カプロラクトン〔脂肪族ポリエステル(B)〕を10〜40重量%混合した組成物(C)を用いた三層二軸延伸フィルム(実施例1〜12)は、熱融着性を有していることが分る。
二軸延伸フィルム基材に用いる脂肪族ポリエステル共重合体(A)に、ポリ乳酸(F−1、F−2)を添加した多層二軸延伸フィルム(実施例7〜14)は、実施例1〜6と同等またはそれ以上のヒートシール性を有し、ポリ乳酸の添加量を増すことのより、ヤング率が高くなり剛性が増したフィルムとなることが判る。
一方、熱融着層としてポリエステル共重合体(A−2)単体を用いた場合(比較例2)はヒートシール強度が最大でも3N/15mm幅未満であり、実施例に比べてヒートシール性に劣る。尚、熱融着層としてポリカプロラクトン(B)単体を用いた場合(比較例3、6)は60℃でも0.7〜0.8N/15mm幅程度のヒートシール強度があり、使用時にベタついたり、ブロッキングが起きる虞がある。また、ポリエステル共重合体(A−1)に代えて(Tm)−(Tc)=17.7℃であるポリエステル共重合体(E−2)を用いた場合(比較例−6)は、ヒートシール性は得られるもののヘイズが30%以上と透明性に劣った。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の多層二軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので、従来のポリオレフィンフィルムからなる包装用フィルムと同様に包装用フィルムとして好適に使用し得る。それに加え、本発明の多層二軸延伸フィルムは、脂肪族ポリエステル共重合体(A)本来の生分解性も有するので、使用済みの包装材料は、食品等の分解される被包装物が付着していてもコンポストとして、ごみの回収、処理が容易になる。
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を備えており、また、運搬に耐え得る耐衝撃性も有しているので、従来ポリオレフィンフィルムからなるオーバーラップ包装用フィルムが使用されているあらゆる用途、例えばチョコレート、ガム、キャンデー等の菓子類、たばこ、化粧品等の嗜好品、カセットテープ、ビデオテープ、CD、CDR、DVD、ゲームソフト等の記録材料、およびそれらの集積包装材料等の箱物包装の包装用フィルムとして好適に使用できる。
本発明の収縮フィルム包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性、熱収縮性を備えており、また、運搬に耐え得る耐衝撃性も有しているので、従来ポリオレフィンフィルムからなる熱収縮フィルムが使用されているあらゆる用途、ラーメン、うどん、そば、焼きそばのような即席カップ食品また、ヨーグルト、プリン、ゼリー、複数パックの乳酸菌飲料のような飲料デザート類、さらに菓子、紙パック飲料、冷凍・冷蔵食品等のように食べ残し等と同時にコンポスト処理することができる。また食品用途以外にも、スポーツ・玩具、集成材、エアゾール製品、インテリア製品、CD類、磁気テープ製品の一般シュリンク包装、缶・瓶詰飲料、調味料などの集積シュリンクパックや、プラスチック容器、ガラス瓶などの同張りシュリンクラベル、ワインやウイスキーなどのキャップシール等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の少なくとも片面に、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)97〜55重量%と融点(Tm)が45〜80℃未満の脂肪族ポリエステル(B)3〜45重量%との組成物(C)からなる熱融着層を有してなることを特徴とする多層二軸延伸フィルム。
【請求項2】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなるからなる二軸延伸フィルム基材の両面に組成物(C)からなる熱融着層を有してなる請求項1記載の多層二軸延伸フィルム。
【請求項3】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材が、2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の含有量が0.1〜25モル%〔脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)で、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)量は実質的に等しく、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の量の合計は100モル%である。〕の範囲にある請求項1または2記載の多層二軸延伸フィルム。
【請求項4】
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)が、乳酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層二軸延伸フィルム。
【請求項5】
請求項3記載の二軸延伸フィルム基材の少なくとも片面に、脂肪族ポリエステル共重合体(A)95〜10重量%及び融点(Tm)が45〜80℃未満の脂肪族ポリエステル(B)5〜90重量%との組成物からなる熱融着層が積層されてなる積層フィルム。
【請求項6】
脂肪族ポリエステル(B)が、ポリラクトンである請求項5記載の積層フィルム。
【請求項7】
組成物(C)を構成する脂肪族ポリエステル共重合体(A)が、その融点(Tm)が80〜120℃の範囲であり、且つフィルム基材を構成する脂肪族ポリエステル共重合体(A)の融点(Tm)より低い脂肪族ポリエステル共重合体(A)である請求項5または6記載の積層フィルム。
【請求項8】
多層二軸延伸フィルムが、脂肪族ポリエステル共重合体(A)と組成物(C)とを共押出し成形して得られる多層シートを二軸延伸することにより得られる請求項1〜7の何れか1項に記載の多層二軸延伸フィルム。
【請求項9】
請求項2記載の多層二軸延伸フィルムからなるオーバーラップ包装用フィルム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の多層二軸延伸フィルムからなる収縮包装用フィルム。

【公開番号】特開2006−137156(P2006−137156A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330977(P2004−330977)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000220099)東セロ株式会社 (177)
【Fターム(参考)】