説明

多層泡発生役物を備えた遊技台

【課題】変化に富む気泡の流れを発生させることのできる泡発生役物を備えた遊技台を提供する。
【解決手段】遊技台の盤面に配置されたセンター役物の表示画面4は多層泡発生役物5で覆われている。多層泡発生役物5は、前側泡発生役物5Bと後側泡発生役物5Aからなり、これらが盤面に垂直な方向に積層されている。各泡発生役物の液体容器11A、11B内における気泡30A、30Bの発生、発生した気泡の流れが相互に干渉することはない。これらの泡発生役物5A、5Bにおいて異なる形態で気泡を形成すれば、盤面の前方から見た場合に、これらの異なる気泡の流れが重畳され、奥行きのある立体的な気泡流によって、遊技台の盤面の演出効果が高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ台などの遊技台に関し、特に、遊技台盤面に配置されている表示部の前側を覆う状態に多層泡発生役物が取り付けられている遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技台、例えばパチンコ台においては、その遊技台盤面の中央にはセンター役物が配置され、その周りに、特定入賞口、一般入賞口などが配置されている。センター役物は、例えば3列の図柄が液晶画面等においてスクロール表示され、図柄が揃った時にパチンコ台が大当たりなどの特定状態に切り換わるようになっている。また、2個の図柄が揃った所謂リーチ状態になると、液晶表示画面にキャラクタを出現させ、あるいは、背景の色、形態などを変化させることにより、リーチ状態の演出効果を高めている。
【0003】
このような表示状態の変化は平面的なものであり演出効果を高めるには限界がある。これを改善するために、センター役物の前面に泡発生役物を配置した構成の遊技台が提案されている。特許文献1においては、表示装置(センター役物)の前面に、液体注入容器を配置し、この中に注入されている液体に泡を発生させるように構成された遊技機が提案されている。
【0004】
この構成の遊技台では、泡が発生している液体注入容器を介して背後に配置されている表示装置の演出状態を目視させることにより、表示画面による平面的な演出では得られない奥行のある演出効果および泡による演出効果が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−8660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来において提案されている泡発生役物は、液体注入容器、すなわち透明水槽内に泡を発生させ、泡が発生している状態の透明水槽を介してセンター役物などの表示部を透視させることにより、表示部の表示状態に変化を付けている。泡発生役物は、遊技台盤面の前側に配置されるので、一般的な水槽に比べて寸法が小さく、特に厚さが極めて薄い扁平な形状とされる。
【0007】
このため、透明水槽内において多数の泡放出口から泡を放出する場合には、各泡放出口からの泡の放出によって水流が発生し、これらの水流が相互に干渉して、透明水槽内に乱流あるいは上下方向の旋回流れが発生してしまう。したがって、従来の泡発生役物では、その透明水槽内において、変化に富む気泡の流れを意図的に形成することが極めて困難であり、例えば、センター役物の表示内容に応じて最も効果的な泡の流れを演出するなどの泡の制御が困難である。
【0008】
本発明の課題は、この点に鑑みて、変化に富む気泡の流れを発生させることのできる多層泡発生役物を備えた遊技台を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技台は、
遊技台盤面上の表示部を前側から覆う状態に配置した多層泡発生役物を有し、
前記多層泡発生役物は、少なくとも、前記遊技盤面の前方に配置された後側泡発生役物と、当該後側泡発生役物の前側に積層されている前側泡発生役物とを備えており、
前記後側泡発生役物および前記前側泡発生役物のそれぞれは、
前記遊技台盤面の前方から前記表示部を透視可能な扁平な液体容器と、
前記液体容器に貯留されている透明な液体と、
前記液体容器内の底部に配列されている複数の泡放出口を備えた泡発生部と、
前記液体容器内の上部に形成した排気口とを備えており、
前記泡発生部のそれぞれには、当該泡発生部から前記液体容器の液体内に気体を送り込む送気管が接続され、
前記排出口のそれぞれには、当該排出口を介して前記液体容器の内部から外部に気体を排出する排気管が接続されていることを特徴としている。
【0010】
本発明の遊技台では、その盤面に配置されたセンター役物などの表示部が多層泡発生役物によって覆われている。多層泡発生役物は、前側泡発生役物および後側泡発生役物を備えており、これらが盤面に垂直な方向に積層されている。各泡発生役物の液体容器内における気泡の発生、発生した気泡の流れが相互に干渉することはない。よって、一方の泡発生役物において下から上に向かう気泡流を形成し、他方の泡発生役物において全体的にランダムに動く状態に気泡を発生させることができる。この結果、盤面の前方から見た場合に、これらの異なる気泡の流れが重畳され、液体容器内において意図した異なる気泡の流れが形成された状態になる。したがって、表示部の表示内容に応じて最も効果的に演出可能な気泡の流れを形成することができる。また、多様な気泡の流れが形成されるので、遊技台の盤面の演出効果を高めることができる。
【0011】
ここで、多層泡発生役物は2層に限定されるものではなく、3層以上とすることも可能である。すなわち、多層泡発生役物を、前側泡発生役物と後側泡発生役物の間に、これらと同一構成の少なくとも1層の中間泡発生役物が積層された構成とすることができる。
【0012】
また、各層の泡発生役物において、気泡放出位置、気泡放出量、気泡サイズ、気泡放出タイミング、気泡流の形成状態(気泡移動経路、気泡移動速度、気泡流の広がり状態)を異なるものとすれば、遊技台盤面の演出効果を高めることができる。
【0013】
このためには、各層の泡発生役物の液体容器に供給される気体の供給圧力、供給流量を変えるようにすればよい。また、各層の泡発生役物の液体容器内における泡放出口の位置を相互に異なる位置にすればよい。さらに、各層の泡発生役物の液体容器内において、相互に異なる位置に泡ガイドを配置し、あるいは、異なる形状の泡ガイドを配置すればよい。
【0014】
または、液体容器のそれぞれに貯留されている液体として、粘度が相互に異なる液体を用いることも有効である。
【0015】
次に、多層泡発生役物をコンパクトに構成するためには、各層の液体容器を単一の共通液体容器とし、当該共通液体容器の内部を遊技盤面の前後方向において複数に仕切ることにより、各層の液体容器を形成することが望ましい。
【0016】
また、各層の泡発生役物において、液体容器内を下から上に向かう乱れの無い気泡上昇流を確実に形成できるようにするためには、各液体容器の内部において、上下方向に延びる状態で、遊技台盤面に平行な横方向に所定の間隔で複数枚の泡ガイドフィンを配置しておくことが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技台では、その盤面に配置されたセンター役物などの表示部が多層泡発生役物によって覆われている。遊技者は、盤面の前方から各層の泡発生役物を介して盤面上のセンター役物などの表示部を透視する。各層の泡発生役物において、単に上方に移動する一条あるは二条程度の単純な気泡流を形成しておいても、前方から見た場合に、それらが重畳されるので、多様な気泡発生形態が得られる。よって、本発明によれば、意図した複雑かつ多様な気泡流を形成できるので、遊技台の盤面の演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した遊技台の主要部分を示す説明図である。
【図2】図1の多層泡発生役物を示す概略構成図である。
【図3】多層泡発生役物を構成する一つの泡発生役物の一例を示す説明図である。
【図4】多層泡発生役物を構成する一つの泡発生役物の一例を示す説明図である。
【図5】多層泡発生役物を構成する一つの泡発生役物の一例を示す説明図である。
【図6】本発明を適用した遊技台の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明を適用した遊技台の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本実施の形態に係る遊技台の主要部分を示す説明図である。遊技台1は例えばパチンコ台であり、その全体構成は一般的に用いられているものと同様であり、その遊技台盤面2の中央にはセンター役物3が配置されている。センター役物3の表面には、例えば液晶表示装置の矩形の表示画面4が点線で示すように露出しており、ここには遊技の進行状態、入賞状態などに応じて各種の図柄などが表示される。
【0021】
センター役物3の前側には多層泡発生役物5が取り付けられている。多層泡発生役物5は可視光を透過可能であり、当該多層泡発生役物5によってセンター役物3における表示画面4が覆い隠されている。したがって、遊技台1の前方から多層泡発生役物5を通して表示画面4を目視できるようになっている。
【0022】
図2は多層泡発生役物5を示す概略ブロック図である。多層泡発生役物5は、遊技台1のセンター役物3の表示画面4の前側を覆っている後側泡発生役物5Aと、この前側に積層配置されている前側泡発生役物5Bとを備えた2層泡発生役物である。勿論、これらの間に1層の中間泡発生役物を備えた3層泡発生役物とすることもでき、2層以上の中間泡発生役物を備えた多層泡発生役物とすることも可能である。
【0023】
後側泡発生役物5Aは、センター役物3の表示画面4の前側に位置する透明な液体容器11Aを備えている。液体容器11Aは厚さ(遊技台盤面2に直交する方向の厚さ)が薄い扁平な直方体形状の容器であり、この内部には透明な液体12Aを封入してある。例えば透明なグリセリンが封入されている。液体容器11Aの底部側には泡発生部13Aが取り付けられている。泡発生部13Aは液体容器11Aの底板11aを貫通して上下方向に延びる2本の泡放出管14Aを備えており、各泡放出管14Aの上端開口が泡放出口14Aaである。また、液体容器11の天板11bには排気口15Aが形成されている。
【0024】
液体容器11Aの内部には、その底側の部位に複数枚、本例では2組(4枚)の泡ガイドフィン16Aが配置されている。泡ガイドフィン16Aは液体容器11Aの内部において、その底板11aから垂直に上方に延びている所定長さの直線状のフィンである。各組の泡ガイドフィン16Aは、各泡放出管14Aにおける液体容器11Aの内部に位置する部分の両側位置、すなわち、遊技台盤面2に平行な横方向の両側に配置されている。各泡ガイドフィン16Aは、液体容器11Aの前後の板の間に架け渡す状態に形成されており、泡ガイドフィン16Aが配置されている液体容器11Aの底部分は泡ガイドフィン16Aによって左右に仕切られている。泡ガイドフィン16Aの代わりに、液体容器11Aの前後の板の内側表面に沿って上下方向に延びる一定高さおよび幅の突起状のフィンを用いることも可能である。
【0025】
なお、液体容器11Aの内部における底部以外の部位にも泡ガイドを配置することも可能である、例えば、液体容器11Aの幅方向(遊技台盤面2に平行な横方向)の両側おいて、左右対称な状態で幅方向の中央に向けて傾斜しているガイドを配置することも可能である。
【0026】
次に、液体容器11Aの底に配置されている泡発生部13Aの各泡放出管14Aには、これらを介して液体容器11Aの内部に気体、例えば空気を送り込む送気管18の分岐管18Aが接続されている。送気管18の上流端は送気ポンプ19の吐出ポート19aに接続されている。一方、液体容器11Aの天板11bに形成した排気口15Aには排気管20の分岐管20Aが接続されており、排気管20の下流端は送気ポンプ19の吸引ポート19bに接続されている。
【0027】
各泡放出管14Aには流量調整弁21Aが取り付けられており、各泡放出管14Aを介して供給される気体流量を個別に調整可能となっている。また、各泡放出管14Aに供給される気体の圧力は送気管18の分岐管18Aに取り付けた圧力調整弁22Aによって調整可能となっている。なお、各泡放出管14Aにそれぞれ圧力調整機構を取り付けることも可能である。
【0028】
次に、前側泡発生役物5Bは基本的な構成は後側泡発生役物5Aと同様であり、後側泡発生役物5Aの液体容器11Aの前側に積層された透明な液体容器11Bを備えている。液体容器11Bは液体容器11Aと同一の大きさの扁平な直方体形状の容器であり、この内部には透明な液体12Bを封入してある。例えば透明なグリセリンが封入されている。本例では、液体容器11A、11Bは単一の共通液体容器11から形成されており、共通液体容器11の内部が、その厚さ方向において仕切り板11fによって前後に二分され、前側の区画が液体容器11Bとされ、後側の区画が液体容器11Aとされている。勿論、独立した液体容器11A、11Bを用いることも可能である。
【0029】
液体容器11Bの底部側には泡発生部13Bが取り付けられている。泡発生部13Bは液体容器11Bの底板11aを貫通して上下方向に延びる2本の泡放出管14Bを備えており、各泡放出管14Bの上端開口が泡放出口14Baである。泡放出管14Bは、後側泡発生役物5Aにおける2本の泡放出管14Aに対して、横方向にオフセットした位置に配置されている。液体容器11Bの天板11bには排気口15Bが形成されている。
【0030】
液体容器11Bの内部には、その底側の部位に複数枚、本例では3組(6枚)の泡ガイドフィン16Bが配置されている。泡ガイドフィン16Bは液体容器11Bの内部において、その底板11aから垂直に上方に延びている所定長さの直線状のフィンである。各組の泡ガイドフィン16Bは、各泡放出管14Bにおける液体容器11Bの内部に位置する部分の両側位置、すなわち、遊技台盤面2に平行な横方向の両側に配置されている。各泡ガイドフィン16Bは、液体容器11Bの前後の板の間に架け渡す状態に形成されており、泡ガイドフィン16Bが配置されている液体容器11Bの底部分は泡ガイドフィン16Bによって左右に仕切られている。泡ガイドフィン16Bの代わりに、液体容器11Bの前後の板の内側表面に沿って上下方向に延びる一定高さおよび幅の突起状のフィンとすることも可能である。
【0031】
なお、前側泡発生役物5Bにおいても、その液体容器11Bの内部における底部以外の部位に泡ガイドを配置することが可能である、例えば、液体容器11Bの幅方向(遊技台盤面2に平行な横方向)の両側おいて、左右対称な状態で幅方向の中央に向けて傾斜しているガイドを配置することも可能である。
【0032】
次に、液体容器11Bの底に配置されている泡発生部13Bの各泡放出管14Bには、これらを介して液体容器11Bの内部に気体、例えば空気を送り込む送気管18の分岐管18Bが接続されている。液体容器11Bの天板11bに形成した排気口15Bには排気管20の分岐管20Bが接続されている。
【0033】
各泡放出管14Bには流量調整弁21Bが取り付けられており、各泡放出管14Bを介して供給される気体流量を個別に調整可能となっている。また、各泡放出管14Bに供給される気体の圧力は送気管18の分岐管18Bに取り付けた圧力調整弁22Bによって調整可能となっている。なお、各泡放出管14Bにそれぞれ圧力調整機構を取り付けることも可能である。
【0034】
一方、後側泡発生役物5Aおよび前側泡発生役物5Bの泡発生動作の制御は、遊技台1の制御装置23によって行われる。制御装置23はCPU、ROM、RAMなどを備えた制御回路24を備えており、制御回路24によって遊技台1における遊技時の各部の動作が制御される。例えば、液晶ドライバ25を介してセンター役物3の液晶表示装置を駆動制御して表示画面4の表示内容を制御する。また、ドライバ26A、26Bを介して各流量調整弁21A、21Bを制御して、各泡放出口14Aa、14Baから放出される気泡の放出量を個別に調整する。さらに、ドライバ27A、27Bを介して圧力調整弁22A、22Bを制御して、各泡放出口14Aa、14Baから放出される気泡のサイズを調整する。さらには、ドライバ28を介して送気ポンプ19を駆動制御する。
【0035】
この構成の多層泡発生役物5においては、遊技台1での遊技動作の進行状態等に応じて変化するセンター役物3の表示画面4上の表示内容に応じて、泡放出制御が行われる。送気ポンプ19を駆動して空気を液体容器11A、11B内の各泡放出口14Aa、14Baに供給すると、液体12A、12B内において、各泡放出口14Aa、14Baから気泡30A、30Bが上方に向けて放出される。放出された気泡は、泡ガイドフィン16A、16Bによって、ガイドされて上方に向かう乱れの無い上昇気泡流を形成する。したがって、放出された気泡30A、30Bによって、後側の液体容器11A内には2条の上昇気泡流が形成され、前側の液体容器11B内には3条の上昇気泡流が形成される。よって、前方から見た場合には、一定間隔で奥行のある5条の上昇気泡流が形成された状態になる。扁平な狭い空間において、明確に分離された多数条の上昇気泡流を形成することは困難であるが、本例では、仕切り板11fによって分離された空間内において上昇気泡流が形成されるので、それらが相互に干渉することなく、明確に分離された上昇気泡流を形成できる。
【0036】
液体容器11A、11B内において、その中に封入されている液体12A、12Bの液面12Aa、12Baに到達した気泡30A、30Bは、液面12Aaと天板11bの間の隙間11Acおよび液面12Baと天板11bの間の隙間11Bcに放出される。天板11bには排気口15A、15Bが形成されており、空気は排気口15A、15Bから分岐管20A、20Bおよび排気管20を介して送気ポンプ19に側に吸引されて還流する。
【0037】
大当たり、確変などの事象が発生した場合には、センター役物3の表示内容が切り替わるが、これに同期させて多層泡発生役物5の後側泡発生役物5Aおよび前側泡発生役物5Bの泡発生状態を切り替えることにより、演出効果を高めることができる。例えば、各泡発生役物において、供給気体の流量および圧力を高めて、大きなサイズの気泡を多量に発生させることができる。あるいは、供給気体の流量を多くし、その圧力を下げることにより、小さなサイズの気泡を大量に発生させることができる。双方の泡発生役物に供給される供給気体の供給圧力、供給流量を変えることにより、また、気体の供給を異なるタイミングで行うことにより、多様な気泡形成状態が得られる。
【0038】
(泡発生役物の改変例)
ここで、微細な気泡を多数発生させるためには、泡発生部13A、13Bとして、液体容器11A、11B内の底部において遊技台盤面2に平行な横方向に延びる泡発生管を用い、この泡発生管を多孔質素材から形成しておけばよい。このようにすれば、図3に示すように、泡発生管41の外周面からは多孔質部分を介して気体が放出されるので、微細な気泡が液体12A、12B内に発生する。
【0039】
また、多層泡発生役物5を通して見る表示内容の演出効果を高めるためには、液体容器11A、11Bの内部を照明するためのLEDなどの照明具を配置しておくことが望ましい。例えば、図3に示すように、液体容器11A、11Bの底板11aの下面に、3個のLED42を取り付け、これらを上向きに発光させるようにすればよい。
【0040】
次に、泡発生部13A、13Bの泡放出口14Aa、14Baとして、相互に異なる方向に向けて気泡を放出する泡放出口を配置することも可能である。例えば、図4に示すように、液体容器11A、11Bの底板11aに1個の泡放出口14Aa、14Baを開口させ、両側の側板11d、11eの底側の部位に横方向から泡を放出する泡放出口14Aa、14Baを開口させておくことができる。この場合においても、液体12A、12Bの乱流などが発生しないように、中央の泡放出口14Aa、14Baの両側に一対の泡ガイドフィン16A、16Bを上下方向に配置しておけばよい。
【0041】
次に、液体容器11A、11B内に可動役物を配置しておき、これを、泡発生部13A、13Bの泡放出口14Aa、14Baから放出される気泡による液体流によって所定方向に移動させることも可能である。例えば、図5に示すように、液体容器11Aの左右の側板11d、11eの内側に上下方向に揺動可能な可動役物43を配置しておき、泡放出口14Aa、14Baからの泡放出によって生ずる上昇液体流によって可動役物43を上方に揺動させるようにしてもよい。この場合には、供給気体の流量を増減させることにより可動役物43を上下に揺動させることができる。
【0042】
一方、液体容器11A、11B内に貯留されている液体12A、12Bとして、多数の浮遊物を混入させておいても、多層泡発生役物5による演出効果を高めることができる。気泡放出によって形成される液体流に乗って浮遊物が移動するので、例えば、各色の浮遊物を液体12A、12Bに混入させておけば、演出効果を一層高めることができる。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態は本発明をパチンコ台に適用したものである。本発明はパチンコ台におけるセンター役物以外の遊技台盤面上の表示部を覆う位置に配置することも可能である。また、パチンコ台以外の遊技台にも同様に適用可能である。例えば、図6に示すスロットマシンに適用することができる。スロットマシン50はその盤面51の中央にドラム部52が配置されているので、ここを覆う状態に多層泡発生役物5を取り付けることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 遊技台
2 遊技台盤面
3 センター役物
4 表示画面
5 多層泡発生役物
5A 後側泡発生役物
5B 前側泡発生役物
11A、11B 液体容器
11a 底板
11b 天板
11c 隙間
11d、11e 側板
11f 仕切り板
12A、12B 液体
13A、13B 泡発生部
14A、14B 泡放出管
14Aa、14Ba 泡放出口
15A、15B 排気口
16A、16B 泡ガイドフィン
18 送気管
18A、18B 分岐管
19 送気ポンプ
20 排気管
20A、20B 分岐管
21A、21B 流量調整弁
22A、22B 圧力調整弁
23 制御装置
24 制御回路
25 液晶ドライバ
26A、26B、27A、27B、28 ドライバ
30A、30B 気泡
41 泡発生管
42 LED
43 可動役物
50 スロットマシン
51 盤面
52 ドラム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台盤面上の表示部を前側から覆う状態に配置した多層泡発生役物を有し、
前記多層泡発生役物は、少なくとも、前記遊技盤面の前方に配置された後側泡発生役物と、当該後側泡発生役物の前側に積層されている前側泡発生役物とを備えており、
前記後側泡発生役物および前記前側泡発生役物のそれぞれは、
前記遊技台盤面の前方から前記表示部を透視可能な扁平な液体容器と、
前記液体容器に貯留されている透明な液体と、
前記液体容器内の底部に配列されている複数の泡放出口を備えた泡発生部と、
前記液体容器内の上部に形成した排気口とを備えており、
前記泡発生部のそれぞれには、当該泡発生部から前記液体容器の液体内に気体を送り込む送気管が接続され、
前記排出口のそれぞれには、当該排出口を介して前記液体容器の内部から外部に気体を排出する排気管が接続されていることを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1において、
前記前側泡発生役物と前記後側泡発生役物の間には、これらと同一構成の少なくとも1層の中間泡発生役物が積層されていることを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記泡発生部のそれぞれにおける気泡放出位置、気泡放出量、気泡サイズ、気泡放出タイミング、気泡流の形成状態のうちの少なくとも一つが相互に異なることを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記液体容器のそれぞれに貯留されている液体は、相互に粘度の異なる液体であることを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
単一の共通液体容器を有し、
当該共通液体容器の内部は前記遊技盤面の前後方向において複数に仕切られ、複数の前記液体容器が形成されていることを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記泡発生部から発生した気泡を上方に導くために、前記液体容器のそれぞれの内部には、上下方向に延びる状態で、前記遊技台盤面に平行な横方向に所定の間隔で配列されている複数枚の泡ガイドフィンが備わっていることを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−71070(P2012−71070A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220264(P2010−220264)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【出願人】(596047171)コスモ・イーシー株式会社 (12)
【Fターム(参考)】