説明

多機能車両

【課題】移動手段としてのみならず、健康維持のための時間が節約でき、体を動かす楽しみを味わうことができる車両を提供する。また、冬季等暖房が必要な使用環境であっても、楽しんで使える環境に配慮した車両を提供する。
【解決手段】ペダルを有し、前記ペダルへの踏み圧力を回転運動または往復運動に変換するペダル運動機構と、前記ペダル運動機構における前記回転運動のエネルギーを電力に変換する発電手段と、前記発電手段で変換した電力を蓄える蓄電池と、前記蓄電池に蓄えられた電力により回転するモータと、前記モータもしくは前記ペダル運動機構の何れか一方から得られる回転力、または、前記モータおよび前記ペダル運動機構の両方から得られる回転力により駆動する少なくとも1つの車輪と、を有する、複数の動力源を備えた多機能車両を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能車両に関する。特に、本発明は、複数の動力源を備えた多機能車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の動力源として、自動車、オートバイにおいてはガソリンエンジン等の内燃機関あるいは電気モータ等が利用され、自転車においては人力が利用されている。また、前記のような単一種類の動力源に限らず、環境意識の高まりや利便性の向上を背景に、内燃機関と電気モータを併用したハイブリッドエンジンを利用した自動車や、人力と電気モータを併用した電動アシスト自転車が実用化されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、自らの人力を使用することで筋力維持・向上を期待できる自立促進リハビリ用移動車両としての電動アシスト車両が記載されている。特許文献2には、ペダル部の踏み込み力による駆動力とアシストモータによる駆動力とを後輪に伝達して走行する電動アシスト三輪自転車が記載されている。特許文献3には、補助動力走行時の旋回機能及び自走時の安定性の両方を確保できる電動補助三輪車が記載されている。特許文献4には、自分の足の能力を活かし且つその能力のレベルや好みに応じて使用でき、リハビリテーションが必要な人に対して乗物を運転する楽しみを味わいながら社会復帰の手助けとなり、身体の不自由な人から健康体の人まで幅広く運転する楽しみを共有できる電動アシスト付きペダル漕ぎ小型車両が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−37340
【特許文献2】特開2006−8005
【特許文献3】特開平9−216595
【特許文献4】特開2000−211573
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内燃機関と電気モータを併用したハイブリッドエンジンを用いることで、環境に配慮した自動車とすることができる。また、電動アシスト自転車によれば、移動の利便性を高めることができる。
【0006】
しかしながら、車両利用の主目的はあくまでも移動にあり、車内で音楽を楽しむ等のエンタテインメント要素は存在するものの、運転者は移動時間を車両操縦に費やす他なかった。その一方で、健康意識の高い人々はフィットネスクラブに通い、アスレチックマシンを使った運動あるいはジョギング等に時間を費やしている。
【0007】
また、環境に配慮した自動車として電気自動車が有望視されているが、軽量かつ大容量なバッテリが得難く、実用的なバッテリ重量の範囲内で、1回の充電で走行できる航続距離をより長くすることが求められている。特に、冬季における暖房を蓄電池からの電力で行うとすれば、航続距離が極端に短くなり、実用上大きな問題になる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、移動手段としてのみならず、健康維持のための時間が節約でき、体を動かす楽しみを味わうことができる車両を提供することにある。また、本発明の目的は、冬季等暖房が必要な使用環境であっても、楽しんで使える環境に配慮した車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の態様においては、ペダルを有し、前記ペダルへの踏み圧力を回転運動または往復運動に変換するペダル運動機構と、前記ペダル運動機構における前記回転運動のエネルギーを電力に変換する発電手段と、前記発電手段で変換した電力を蓄える蓄電池と、前記蓄電池に蓄えられた電力により回転するモータと、前記モータもしくは前記ペダル運動機構の何れか一方から得られる回転力、または、前記モータおよび前記ペダル運動機構の両方から得られる回転力により駆動する少なくとも1つの車輪と、を有する、複数の動力源を備えた多機能車両を提供する。
【0010】
本発明の多機能車両は、動力源として電動モータを有するとともにペダル運動機構を備える。そして、ペダル運動機構は、ペダル踏み圧力を車輪に直接加えるとともに発電手段での発電にも用いる。すなわち、当該多機能車両は、運転者によるペダル踏み運動のエネルギーを車両の駆動に積極的に利用するものであり、省エネルギーかつ環境に配慮した車両であるといえる。
【0011】
また、本発明の多機能車両は、運転者によるペダル踏み運動のエネルギーを積極的に利用するものであるから、運転者の体温がペダル踏み運動により高まり、冬季等車内に暖房が必要な場合であっても暖房用の電力を節約できる。この結果、蓄電池の充電容量が限られた状況下にあっても、1回当たりの充電により走行できる距離を長くすることができる。
【0012】
さらに、本発明の多機能車両によれば、目的地まで移動するという目的を達成するとともに、体を動かすという楽しみを得ることができる。体を動かすことは、健康を維持するためにも大切なことであり、健康の維持管理にも寄与できる。健康の維持管理のために、日常的にジョギングやランニングをしたり、フィットネスクラブに通ってアスレチックマシンによる有酸素運動をしたりしている、運動を習慣としている人にとっては、当該多機能車両による目的地までの移動時間を、それら習慣的な運動のための時間としても利用でき、時間を節約することができる。
【0013】
前記した多機能車両において、可燃性燃料を燃焼することで回転力を生成する内燃機関をさらに有してもよく、前記車輪が、前記モータ、前記ペダル運動機構および前記内燃機関からなる回転力生成機構群から選択された1以上の回転力生成機構により駆動されてもよい。動力源として内燃機関をさらに備えることで、動力源に余裕を持たせることができる。
【0014】
前記した多機能車両において、光エネルギーを電力に変換する太陽電池をさらに有してもよく、前記蓄電池が、前記太陽電池により変換された電力を蓄えるものであってもよい。太陽等からの光のエネルギーを活用することで、さらに省エネルギーを図ることができ、1回当たりの充電により走行できる距離を長くすることができる。
【0015】
前記した多機能車両において、水素原子を含む水素含有燃料と大気中の酸素分子とから電力を生成する燃料電池をさらに有してもよく、前記蓄電池が、前記燃料電池により生成された電力を蓄えるものであってもよい。燃料電池を備えることで、必要により発電し蓄電池に電力を蓄えることができ、充電なしでの走行距離を飛躍的に高めることができる。また、燃料電池により放出される反応生成物は環境に悪影響を与えない水であり、環境に配慮した車両とすることができる。
【0016】
前記した多機能車両において、外部からの電力を受電する受電ポートをさらに有してもよく、前記蓄電池が、前記受電ポートで受電された電力を蓄えるものであってもよい。受電ポートから受電して蓄電池に電力を蓄えることで、消費した電力を効率的に蓄電池に補充できる。
【0017】
前記した多機能車両において、操舵手段としてハンドルを備えてもよく、前記ハンドルの右手側端部または左手側端部の一方に加速制御手段を有し、他方に減速制御手段を有してもよい。この場合、前記モータが、発電機として機能する回生ブレーキ手段をさらに有してもよく、前記減速制御手段が減速操作を検知した場合に、前記回生ブレーキ手段を作動させることができる。さらに前記ペダル運動機構の前記ペダルの近傍に、踏み下げペダルを有する予備減速制御手段をさらに有してもよく、この場合、運転者が前記予備減速制御手段の前記踏み下げペダルを踏み下げることで、車両への急速な減速制御を発動する。ハンドルに加速制御手段および減速制御手段の両方を備えることで、運転者の両足を開放し、ペダルをこぐ運動をすることができる。また回生ブレーキ手段を備えることで、消費電力を節約できる。さらに予備減速制御手段を有することで、緊急時の制動を使い慣れた踏み下げペダルにより速やかに発動できる。
【0018】
前記した多機能車両において、表示装置をさらに有してもよく、前記表示装置が、前記蓄電池の充電量、または、前記ペダル運動機構における運動量を表示してもよい。この場合、運転者の生体値を計測する生体センサをさらに有してもよく、前記表示装置が、前記生体センサで計測した前記生体値をさらに表示することができる。表示装置を備えることで、速度等の必要な情報の他、重要な情報である蓄電池充電量あるいは運動量を運転者に提示できる。また、生体センサを備える場合には、運転者の血圧、脈拍数、体温、血中酸素濃度等の生体値を運転者に提示でき、適切な運動を行うための判断データとして活用できる。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】多機能車両100の概要を模式的に示す。
【図2】多機能車両200の概要を模式的に示す。
【図3】多機能車両300の概要を模式的に示す。
【図4】多機能車両400の概要を模式的に示す。
【図5】多機能車両500の概要を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、多機能車両100の概要を模式的に示す。多機能車両100は、ボディ102の内部に、ペダル運動機構110、発電手段120、蓄電池130およびモータ140を有し、ボディ102の外側には、4つの車輪150を有する。ボディ102の内部には、シート104が配置され、シート104に運転者106が座って多機能車両100を操作する。
【0023】
ペダル運動機構110は、ペダル112を有し、ペダル112への踏み圧力を回転運動または往復運動に変換する。ペダル112の運動は、変速ギア114を介してフライホイール116に伝達される。フライホイール116として、慣性モーメントが大きい金属製円盤を用いることができる。ペダル運動機構110にフライホイール116を備えることで、ペダル112からの運動を平準化し、発電手段120での発電を安定的に行える。
【0024】
発電手段120は、ペダル運動機構110における回転運動のエネルギーを電力に変換する。発電手段120は、直流発電機または交流発電機の何れでもよい。発電手段120として、たとえばフライホイール116の回転軸に変速機を介して結合した直流発電機、誘導発電機、同期発電機等が例示できる。
【0025】
蓄電池130は、発電手段120で変換した電力を蓄える。蓄電池130として、たとえばリチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池等が例示できる。発電手段120と蓄電池130との間に電圧調整器を配置することが好ましい。特に発電手段120が交流発電機である場合、発電手段120と蓄電池130との間には整流器および電圧調整器を配置することが好ましい。
【0026】
モータ140は、蓄電池130に蓄えられた電力により回転する。モータ140は、直流電動機または交流電動機の何れでも良いが、蓄電池130からの電力供給を考慮すれば直流電動機であることが好ましい。また回転速度制御の容易性を考慮すれば、同期電動機、特にステッピングモータであることが好ましい。モータ140は、1つだけ備えられてもよく、複数備えられてもよい。モータ140が1つだけ備えられる場合、モータ140の駆動力は4つの車輪150の各々に分散して伝達される。モータ140が複数の場合、4つの車輪150の各々に1つのモータ140が備えられることが好ましい。この場合、モータ制御装置142によって、各車輪150に対応するモータ140の出力を制御する。
【0027】
車輪150は、モータ140またはペダル運動機構110から得られる回転力により駆動される。車輪150には、モータ140およびペダル運動機構110の両方から回転力が加えられてもよい。
【0028】
ペダル運動機構110からのみ車輪150に駆動力が伝達される場合、モータ140は休止状態にあり、電力消費が節約される。モータ140からのみ車輪150に駆動力が伝達される場合、ペダル112を踏み下げる必要はなく、運転者は休憩が可能である。
【0029】
モータ140およびペダル運動機構110から車輪150に駆動力が伝達される場合、ペダル112の踏み下げ圧力または現状速度を検知して、モータ140から加える駆動力を調整することができる。たとえば、ペダル112の踏み下げ圧力が所定の値を超える場合にはモータ140から加える駆動力を増加させ、人力駆動を補助する制御をすることができる。あるいは、現状速度が所定の目標速度を超えている場合にはモータ140から加える駆動力を減少させ、消費電力を節約する制御をすることができる。
【0030】
多機能車両100は、操舵手段としてハンドル160を備える。ハンドル160は、右手側端部または左手側端部の一方に加速制御手段を有し、他方に減速制御手段を有する。このように操舵手段としてハンドル160を備え、加速および減速の制御をハンドル160の両端部で行うことで、運転者は足を自由に使え、ペダル112を漕ぐことができる。また、ハンドル160の両端部で加速および減速の制御を行うことは、自動二輪車等で周知されている一般的な操作方法であり、運転者は周知された容易な操作によって多機能車両100を運転できる。
【0031】
なお、多機能車両100は回生ブレーキ手段を有してもよい。回生ブレーキ手段は、減速時にモータ140を発電機として機能させる手段である。この場合、ハンドル160に備えた減速制御手段の減速操作を検知して、回生ブレーキ手段を作動させることができる。回生ブレーキ手段により、消費電力が削減できる。
【0032】
多機能車両100は、速度等走行情報を表示する表示装置170を備える。表示装置170は、速度等の走行情報に加え、蓄電池130の充電量、ペダル運動機構110における運動量を表示することができる。これにより運転者は、蓄電池130の状況を把握し、運動量を把握することができる。なお、蓄電池130の充電量は蓄電池130の残り電力量として表示してもよく、使用可能時間として表示してもよい。またペダル運動機構110における運動量は、予め定めた目標運動量との差として表示してもよい。
【0033】
なお、多機能車両100は運転者の生体値を計測する生体センサ180を有してもよい。そして、生体センサ180で計測した生体値を表示装置170に表示することができる。生体センサ180で計測する生体値として、血圧、脈拍数、体温、血中酸素濃度等が例示できる。生体値を表示装置170に表示することで、運転者は自身に身体状態を把握でき、適切な運動のための適切な判断に資することができる。なお、生体値が正常な範囲を逸脱した場合には、警告を発し、必要な場合には運転を強制的に終了させ、外部に警報を発し、適切な通信手段により所定の連絡先に連絡を発する等の措置を実施することができる。
【0034】
上記した発電手段120、蓄電池130、モータ制御装置142、ハンドル160の減速制御手段および加速制御手段、表示装置170、生体センサ180には、多機能車両100の全体を制御する制御装置190が接続されている。制御装置190により、多機能車両100の速度管理、運動量管理、血圧等の生体値管理等が行える。
【0035】
以上説明した多機能車両100によれば、環境に配慮した省エネルギーの車両が得られる。また、単に移動目的を達成するにとどまらず、健康維持管理のための時間が節約でき、体を動かす楽しみを味わうことができる。また、冬季等暖房が必要な使用環境であっても、1回の充電時間で走行できる距離を長くすることができる。
【0036】
図2は、多機能車両200の概要を模式的に示す。多機能車両200は、受電ポート202を有する以外は多機能車両100と同じである。受電ポート202は、外部からの電力を受電する。そして蓄電池130が、受電ポート202で受電した電力を蓄える。多機能車両200によれば、受電ポート202から受電した電力を蓄電池130に蓄えることができるので、消費した電力を効率的に補充することができる。
【0037】
図3は、多機能車両300の概要を模式的に示す。多機能車両300は、太陽電池302を有する以外は多機能車両200と同じである。太陽電池302は、太陽等からの光エネルギーを電力に変換する。そして蓄電池130が、太陽電池302により変換された電力を蓄える。多機能車両300によれば、太陽等からの光エネルギーを有効活用することで、1回当たりの充電により走行できる距離を長くすることができる。
【0038】
なお、太陽電池302に代えて、あるいは太陽電池302に加えて、燃料電池をさらに有することもできる。燃料電池は水素原子を含む水素含有燃料と大気中の酸素分子とから電力を生成するものであり、燃料電池を備えることで、必要により発電し蓄電池130に電力を蓄えることができる。これにより、充電なしでの走行距離を飛躍的に高めることができる。また、燃料電池により放出される反応生成物は環境に悪影響を与えない水なので、環境に配慮した多機能車両が実現できる。なお、表示装置170に、太陽電池302または燃料電池による充電量(発電量)を表示してもよい。これにより太陽電池302等による充電量を明瞭に把握できる。
【0039】
図4は、多機能車両400の概要を模式的に示す。多機能車両400は、内燃機関402および動力連結部404を有する。多機能車両400では単一のモータ140が備えられ、モータ140と内燃機関402とは動力連結部404を介して結合される。動力連結部404から各車輪150に動力伝達系を介して動力が伝達される。
【0040】
内燃機関402は、可燃性燃料を燃焼することで回転力を生成する。たとえばガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。メタンガス、液化天然ガス等を燃料とするエンジンであってもよい。内燃機関402は制御装置190によって制御される。単一のモータ140にはモータ制御装置142を介して蓄電池130から電力を供給する。内燃機関402とモータ140の出力は、ペダル運動機構110からの回転力と併せて、制御装置190によって統合的に制御できる。たとえば、車輪150は、内燃機関402のみにより駆動でき、モータ140のみにより駆動でき、あるいは内燃機関402とモータ140の組み合わせにより駆動できる。さらにそれらの各場合に、ペダル運動機構110からの回転力を組み合わせることができる。多機能車両400によれば、内燃機関402をさらに備えることで、動力源に余裕を持たせることができる。
【0041】
図5は、多機能車両500の概要を模式的に示す。多機能車両500は、予備減速制御手段502を有する以外は多機能車両100と同じである。予備減速制御手段502は、ペダル運動機構110のペダル112の近傍に設けられ、踏み下げペダル504を有する。運転者は、踏み下げペダル504を踏み下げることで、車両500への急速な減速制御を発動する。予備減速制御手段502を有することで、緊急時の制動を使い慣れた踏み下げペダル504により速やかに発動することができる。なお、多機能車両500に、図2〜図4で説明した受電ポート202、太陽電池302、内燃機関402等が適用できることは言うまでもない。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0043】
たとえば、上記説明では、運転者が一人の場合を説明しているが、助手席を備えて助手席についてもペダル運動機構110および発電手段120を備えてもよい。後部座席を設ける場合には後部座席についても同様である。
【符号の説明】
【0044】
100 多機能車両
102 ボディ
104 シート
106 運転者
110 ペダル運動機構
112 ペダル
114 変速ギア
116 フライホイール
120 発電手段
130 蓄電池
140 モータ
142 モータ制御装置
150 車輪
160 ハンドル
170 表示装置
180 生体センサ
190 制御装置
200 多機能車両
202 受電ポート
300 多機能車両
302 太陽電池
400 多機能車両
402 内燃機関
404 動力連結部
500 多機能車両
502 予備減速制御手段
504 踏み下げペダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルを有し、前記ペダルへの踏み圧力を回転運動または往復運動に変換するペダル運動機構と、
前記ペダル運動機構における前記回転運動のエネルギーを電力に変換する発電手段と、
前記発電手段で変換した電力を蓄える蓄電池と、
前記蓄電池に蓄えられた電力により回転するモータと、
前記モータもしくは前記ペダル運動機構の何れか一方から得られる回転力、または、前記モータおよび前記ペダル運動機構の両方から得られる回転力により駆動する少なくとも1つの車輪と、を有する、
複数の動力源を備えた多機能車両。
【請求項2】
可燃性燃料を燃焼することで回転力を生成する内燃機関をさらに有し、
前記車輪が、前記モータ、前記ペダル運動機構および前記内燃機関からなる回転力生成機構群から選択された1以上の回転力生成機構により駆動される
請求項1に記載の多機能車両。
【請求項3】
光エネルギーを電力に変換する太陽電池をさらに有し、
前記蓄電池が、前記太陽電池により変換された電力を蓄える
請求項1または請求項2に記載の多機能車両。
【請求項4】
水素原子を含む水素含有燃料と大気中の酸素分子とから電力を生成する燃料電池をさらに有し、
前記蓄電池が、前記燃料電池により生成された電力を蓄える
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の多機能車両。
【請求項5】
外部からの電力を受電する受電ポートをさらに有し、
前記蓄電池が、前記受電ポートで受電された電力を蓄える
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の多機能車両。
【請求項6】
操舵手段としてハンドルを備え、
前記ハンドルの右手側端部または左手側端部の一方に加速制御手段を有し、他方に減速制御手段を有する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の多機能車両。
【請求項7】
前記モータが、発電機として機能する回生ブレーキ手段をさらに有し、
前記減速制御手段が減速操作を検知した場合に、前記回生ブレーキ手段を作動させる
請求項6に記載の多機能車両。
【請求項8】
前記ペダル運動機構の前記ペダルの近傍に、踏み下げペダルを有する予備減速制御手段をさらに有し、
運転者が前記予備減速制御手段の前記踏み下げペダルを踏み下げることで、車両への急速な減速制御を発動する
請求項6または請求項7に記載の多機能車両。
【請求項9】
表示装置をさらに有し、
前記表示装置が、前記蓄電池の充電量、または、前記ペダル運動機構における運動量を表示する
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の多機能車両。
【請求項10】
運転者の生体値を計測する生体センサをさらに有し、
前記表示装置が、前記生体センサで計測した前記生体値をさらに表示する
請求項9に記載の多機能車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−214174(P2012−214174A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82102(P2011−82102)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(511083651)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 (1)
【出願人】(511083673)株式会社コメット (1)
【出願人】(504237175)清水電設工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】