説明

多結晶シリコンを包装する方法

【課題】多結晶シリコンを包装する方法において、シリコンの引っ掛かりを抑制すること
【解決手段】充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバッグに充填し、前記充填装置は非金属の汚染の少ない材料からなる懸吊されたエネルギー吸収体を有する多結晶シリコンの包装方法において、前記プラスチックバッグをエネルギー吸収体に被せ、多結晶シリコンを充填し、かつ前記プラスチックバッグを充填の間に下方向へ降下させて、シリコンを前記プラスチックバッグ中へ滑り込ませることを特徴とする、多結晶シリコンの包装方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンを包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶シリコン(ポリシリコン)は、主にシーメンス法を用いて、ハロゲン化シラン、例えばトリクロロシランから堆積され、引き続きできる限り汚染を少なくして多結晶シリコン破砕物に粉砕される。
【0003】
半導体工業及び太陽電池工業において適用するために、できる限り汚染が少ないポリシリコン破砕物が望ましい。従って、この材料は、顧客に運ぶ前に、汚染を少なく包装することが好ましい。
【0004】
通常では、電子工業用のポリシリコン破砕物は、5kgバッグ中に、最大±50gの重量誤差で包装される。太陽電池工業用では、ポリシリコン破砕物は、10kgの重量でかつ最大±100gの重量誤差でバッグ中に包装される。
【0005】
シリコン破砕物の包装のために原則的に適している製袋充填包装機(Schlauchbeutelmaschinen)は、市場で入手可能である。相応する包装機は、例えばDE 36 40 520 A1に記載されている。
【0006】
ポリシリコン破砕物は、個々のSi破砕物が2500gまでの重量を有する、角がとがった、流動性でないバラ物である。従って、包装の際に、この材料が通常のプラスチックバッグを充填時に突き破らないように又はそれどころか最悪の場合に完全に破壊しないように注意しなければならない。
【0007】
このことを避けるために、市販の包装装置をポリシリコンの包装の目的に適切に改変しなければならない。
【0008】
EP 1 334 907 B1からは、高純度ポリシリコン破砕物の、低コストの全自動の運搬、秤量、分配、充填及び包装のための装置が公知であり、この装置は、ポリシリコン破砕物用の搬送溝、ホッパと連結しているポリシリコン破砕物用の秤量装置、シリコン製の逸らせ板、静電気帯電及びそれによるプラスチックシートのパーティクル汚染を防止するためのデイオナイザーを備えた、高純度プラスチックシートからプラスチックバッグを成形する充填装置、ポリシリコン破砕物が充填されたプラスチックバッグ用の溶接装置、前記搬送溝、秤量装置、充填装置及び溶接装置の上方に取り付けられた、ポリシリコン破砕物のパーティクル汚染を防止するためのフローボックス、ポリシリコン破砕物が充填され溶接されたプラスチックバッグ用の磁気誘導検知器を備えたコンベアベルトを有し、その際、ポリシリコン破砕物と接触する全ての部材はシリコンで補強されているか又は高い耐摩耗性のプラスチックで上張りされている。
【0009】
このような装置の場合、充填装置中でシリコン破砕物の引っ掛かりがしばしば起こることが判明した。この引っ掛かりは、これによりこの装置の停止時間を高めることになるために欠点である。プラスチックバッグの突き破りも生じ、このことは、同様に装置の停止を引き起こし、かつシリコンの汚染も引き起こす。
【0010】
DE 10 2007 027 110 A1は、成形し終えた懸吊されたバッグ中へ充填装置を用いて多結晶シリコンを充填し、充填されたバッグを引き続き閉鎖する多結晶シリコンの包装方法において、前記バッグは10〜1000μmの壁厚を有する高純度プラスチックからなり、前記充填装置は、非金属の汚染が少ない材料からなる懸吊されたエネルギー吸収体を有し、前記エネルギー吸収体は多結晶シリコンを充填する前に前記プラスチックバッグ中へ導入され、前記エネルギー吸収体を介してプラスチックバッグ内へ多結晶シリコンが充填され、引き続き前記懸吊されたエネルギー吸収体は、多結晶シリコンが充填されたプラスチックバッグから取り出され、前記プラスチックバッグは閉鎖されることを特徴とする包装方法が開示されている。
【0011】
エネルギー吸収体を前記プラスチックバッグ内に配置するこのような方法により、プラスチックバッグの突き破りを十分に抑制することができる。しかしながら、この方法の欠点は、更に引っ掛かりを引き起こすことにある。この引っ掛かりは、この方法において、特にエネルギー吸収体中で生じる。従って、この引っ掛かりは更に生産停止を引き起こし、手動での介入を必要とし、この介入は結果としてシリコンの汚染を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP 1 334 907 B1
【特許文献2】DE 10 2007 027 110 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、シリコンの引っ掛かりを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題は、充填装置を用いてプラスチックバッグ中へ多結晶シリコンを充填し、前記充填装置は非金属の汚染の少ない材料からなる懸吊されたエネルギー吸収体を有する多結晶シリコンの包装方法において、前記プラスチックバッグをエネルギー吸収体に被せ、多結晶シリコンを充填し、かつ前記プラスチックバッグを充填の間に下方向へ降下させて、シリコンをプラスチックバッグ中へ滑り込ませることを特徴とする、包装方法により解決される。
【0015】
前記課題は、また、充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバックに充填する、多結晶シリコンの包装方法において、リザーバーは1つの開口部を有し、前記開口部を通してシリコンを充填し、前記リザーバーにシリコンが充填された後に、前記リザーバーに前記プラスチックバッグを被せ、引き続き前記リザーバーを回転させて、前記シリコンを前記リザーバーから前記プラスチックバッグ内へ滑り込ませることを特徴とする、第2の包装方法より解決される。
【0016】
前記課題は、また、充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバッグに充填する、多結晶シリコンの包装方法において、リザーバーは少なくとも2つの開口部を有し、前記少なくとも2つの開口部の1つを有する前記リザーバーの側に前記プラスチックバッグを被せ、前記少なくとも2つの開口部の第2の開口部を通してシリコンを前記リザーバーに充填し、前記リザーバーは少なくとも充填工程の開始時に、前記シリコンを充填時にまず前記プラスチックバッグと接触させずに、前記プラスチックバッグの降下により初めて、前記シリコンをプラスチックバッグ内へ滑り込ませることが達成されるように配置されていることを特徴とする、第3の包装方法により解決される。
【0017】
3つの全ての方法はシリコンの引っ掛かりを抑制することが明らかとなった。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この場合、本発明による第1の方法は、先行技術から既に公知のようなエネルギー吸収体を利用する。しかしながら、この充填工程自体は、先行技術に記載された工程とは異なる。シリコンの充填の間に、このプラスチックバッグを下方向へ降下させる。前記エネルギー吸収体の存在により、更にプラスチックバッグの突き破りは抑制される、それというのも、このプラスチックバッグはエネルギー吸収体によってシリコンの激しい衝突から保護されるためである。同時に、このプラスチックバッグの降下によって、エネルギー吸収体中での引っ掛かりは生じないことが保証される。
【0019】
第2及び第3の方法は、プラスチックバッグ中にエネルギー吸収体を存在させない。しかしながら、この場合に使用されるリザーバーが同じような機能を果たす。
【0020】
本発明による第2の方法の場合に、まず、リザーバーにシリコンが充填される。この目的で、このリザーバーは少なくとも1つの開口部を有し、この開口部を介してシリコンが充填される。このリザーバーの充填後に、プラスチックバッグは、開口部を通してシリコンが充填された前記開口部を有する側に被せられる。引き続き、前記リザーバーを前記プラスチックバッグと一緒に回転させるため、シリコンは前記リザーバーから前記プラスチックバッグ中へ滑り込む。このため、前記リザーバーは例えば上方向に引き抜かれる。ここでも、プラスチックバッグの突き破りは、前記リザーバーからプラスチックバッグ内へ到達させるために、シリコンの落下距離は実際に無視できるために、確実に抑制することができる。
【0021】
この本発明の第3の方法は、若干異なる経路をたどる。この場合、プラスチックバッグは、充填工程の開始時に既に前記リザーバーに被せられている。このリザーバーは、この場合少なくとも2つの開口部を有している。一つの開口部を通して、シリコンが充填される。第2の開口部を通して、シリコンをプラスチックバッグに滑り込ませることができる。リザーバー及びプラスチックバッグは、このリザーバー中に充填されたシリコンがすぐにはプラスチックバッグに当たらないか又はプラスチックバッグと接触しないように配置されている、例えば傾けられている。このシリコンは、まずリザーバーの内壁と接触する。この場合に運動エネルギーは失われ、第2の開口部を通してゆっくりとプラスチックバッグに導通される。従って、このリザーバーは、同様に一種のエネルギー吸収体として用いられる。
【0022】
有利に、リザーバー又はエネルギー吸収体が秤を有する。
【0023】
この秤は、好ましくは硬質金属又はセラミック又は炭化物からなる。
【0024】
この好ましくは予め成形されたバッグを、この計量容器に被せ、全体のユニットの回転により、あまり後粉砕させずに充填する。
【0025】
この秤は、第1及び第2の方法の場合に、好ましくは篩として構成され、かつエネルギー吸収体又はリザーバーの底部に存在している。
【0026】
好ましくは、引っ掛かりを完全に排除することができかつより良好な分離を達成するために、揺動メカニズムが設けられている。このような揺動メカニズムは、例えば超音波により生じさせることができる。
【0027】
更に好ましい実施態様は、エネルギー吸収体への引き渡し部を備えた秤が考慮される。
【0028】
この場合、プラスチックバッグをエネルギー吸収体に被せ、引き続き、篩を備えた秤が開放され、その後に、落下制止装置が開放及び閉鎖され、次いでこのバッグを波状運動及び/又は揺動させながら降下させる。
【0029】
落下制止装置として、好ましくはプラシックバッグ又はエネルギー吸収装置に対して押圧する装置が用いられる。それにより、プラスチックバッグ又はエネルギー吸収体の横断面をまず減少させ、次いで制御して開放される。従って、この製品流を制御することができ、あまり後粉砕することなくシリコンを予め形成されたバッグへ充填することが達成される。
【0030】
好ましくは、このエネルギー吸収体は、第1の方法の場合に、非金属の汚染の少ない材料からなる。
【0031】
DE 10 2007 027 110 A1とは異なり、エネルギー吸収体は、多結晶シリコンの充填の前にプラスチックバッグ内へ導入されず、プラスチックバッグをエネルギー吸収体に被せる。
【0032】
好ましくは、このプラスチックバッグは、適切な操作システムを用いてエネルギー吸収体に被せられる。このために、例えば関節アーム型ロボットが適している。
【0033】
第1の方法の場合に、多結晶シリコンを、エネルギー吸収体を介してプラスチックバッグに充填する。
【0034】
この充填の間に、このプラスチックバッグを下方へ降下させる。
【0035】
これは、好ましくは適切な把持システムを用いて行われる。
【0036】
この充填工程の後に、プラスチックバッグは3つの方法全てにおいて、好ましくは閉鎖される。
【0037】
予め、プラスチックバッグは、このプラスチックバッグから空気を吸い出すことにより好ましくは排気され、次いで溶接される。
【0038】
この場合、より簡単な取り扱いのために、プラスチックバッグ中に取手穴が打ち抜かれ、かつこのバッグの場合による突出部は溶接後に除去することができる。
【0039】
予め成形され懸吊されたバッグの固定の位置とは反対に、第1の方法による本発明によって、バッグ把持装置の柔軟な位置決定によって取り扱いシステムを用いて、引っ掛かりがなく、後粉砕が少なくかつ突き破りが少ない充填工程が可能である。
【0040】
この記載された方法は、太陽電池用途のポリシリコン破砕物の包装にも、電子工業用のポリシリコンの包装にも適している。特に、この方法は、10kgまでの重さの、角がとがった多結晶シリコン破砕物の包装のために適している。この利点は、特に80gより重い平均重量を有する破砕物の存在で効力を発揮する。
【0041】
このプラスチックバッグは、好ましくは高純度プラスチックからなる。これは、好ましくはポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリプロピレン(PP)又は複合シートである。
【0042】
複合シートは、フレキシブルな包装が行われる多層の包装シートである。個々のシート層は、通常では押出成形されるか又は成層又はラミネーションされる。この包装は、主に食品工業において使用される。
【0043】
好ましくは、このプラスチックバッグは、ポリシリコン破砕物の充填の間に、このバッグに接する少なくとも2つのエレメントによって保持され、エネルギー吸収体から下方に動かすことで除去され、充填工程の完了後にこの把持装置によって閉鎖装置、有利に溶接装置に供給される。
【0044】
このプラスチックバッグは、好ましくは10〜1000μmの厚さを有する。
【0045】
このエネルギー吸収体は、好ましくは非金属の、汚染の少ない材料からなる。このエネルギー吸収体は、好ましくはホッパ又は中空体の形を有する。
【0046】
このエネルギー吸収体は、好ましくは繊維材料(例えばGore-Tex(登録商標)−PTFE織物又はポリエステル/ポリアミド織物)、プラスチック(例えば、PE、PP、PA又はこれらのプラスチックのコポリマー)からなる。特に好ましくは、このエネルギー吸収体は、30A〜120A、好ましくは70AのショアA硬度を有するゴム弾性プラスチック、例えばPU、ゴム又はエチレンビニルアセテート(EVA)からなることができる。
【0047】
このプラスチックバッグの閉鎖は、例えば、溶接、接着、縫合又は嵌め合わせにより行うことができる。好ましくは、溶接によって行われる。
【0048】
好ましくは、この充填装置は、充填ユニットと、前記充填ユニットと連結されている懸吊されたエネルギー吸収体もしくはリザーバーとからなる。好ましくは、懸吊されたエネルギー吸収体は、懸吊された可動のフレキシブルなホースの形を有するか又は他の記載された形を有し、これらの形は以後、簡素化のために、ホースの概念であると解釈される。
【0049】
このプラスチックバッグをこの可動のフレキシブルなホースに被せ、この破砕物は充填ユニット及びフレキシブルなホースを介してこのバッグ中へ導入される。
【0050】
この充填ユニットは、好ましくは、汚染の少ない材料で上張りされているか又は汚染の少ない材料からなるホッパ、搬送溝、又はシュートである。
【0051】
懸吊されたエネルギー吸収体は、バッグ中へ落下するポリシリコン破砕物の運動エネルギーの大部分を吸収する。このエネルギー吸収体は、プラスチックバッグの壁部が角がとがった多結晶シリコンと接触することを保護し、プラスチックバッグの突き破りを抑制する。プラスチックバッグの充填後に下方に引き下げられることにより、エネルギー吸収体中での多結晶シリコンの引っ掛かりは起こらない。
【0052】
好ましくは、このポリシリコンを包装の前に先ず分配しかつ秤量する。
【0053】
この充填ユニットは、極めて微細な粒子及びポリシリコンの破片を充填の前後に除去するように構成されている。例えば、16mmよりも小さな辺の長さを有する粒子は、確実に篩別することができる。
【0054】
このために、好ましくは、ポリシリコン破砕物の製品流を搬送溝を介して輸送し、少なくとも1つの篩を用いて(この場合、前記篩は多孔板、バースクリーン、オプトニューマティック分級装置又は他の適切な装置である)、粗大な破砕物と微細な破砕物とを分離し、計量供給秤を用いて秤量し、目標重量を計量し、搬出溝を介して搬出し、包装ユニットに輸送する。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つの篩及び計量供給秤の表面は、少なくとも部分的に汚染の少ない材料、例えば硬質金属を有する。
【0056】
このポリシリコン破砕物の分配及び秤量は、好ましくは、ポリシリコン破砕物の計量供給及び包装のための装置のための計量供給ユニットを用いて行われ、前記計量供給ユニットは、破砕物の製品流を運ぶために適した搬送溝と、製品流を粗大な破砕物と微細な破砕物とに分けるために適した少なくとも1つの篩と、粗大な破砕物のための粗大粒溝と、微細な破砕物のための微細粒溝と、計量供給重量を決定するための計量供給秤とを有し、前記少なくとも1つの篩並びに計量供給秤は、その表面に少なくとも部分的に硬質金属を有する。
【0057】
このような供給ユニットは、所定のサイズのポリシリコン破砕物を包装の前にできる限り正確に計量供給するために用いられる。
【0058】
製品流を粗大粒と微細粒とに分けることにより、ポリシリコンのより正確な計量供給が可能である。
【0059】
ポリシリコン破砕物の計量された量は、計量供給の後及び場合により清浄化工程の後に、上記した方法によってシートバッグ中に包装される。
【0060】
この供給ユニットは、最初の製品流の破砕物を粗大粒溝と微細粒溝とに分けるために適した少なくとも1つの篩、例えばバースクリーンを有する。
【0061】
好ましくは、この供給ユニットは、2つの篩、特に好ましくはバースクリーンを有する。
【0062】
粗大な又は大きなポリシリコン破砕物は、粗大粒溝中で搬送される。
【0063】
微細な又は小さなポリシリコン破砕物は、微細粒溝中で搬送される。
【0064】
出発製品流中のポリシリコン破砕物の粒度分布は、特に先行する粉砕プロセスに依存する。粗大な破砕物と微細な破砕物とに分ける手段、並びに粗大な破砕物又は微細な破砕物のサイズは、計量供給されるべき及び包装されるべき所望の最終製品に依存する。一般的な破砕物粒度分布は、5〜170mmのサイズの破砕物を有する。
【0065】
例えば、所定のサイズを下回る破砕物は、搬出溝と連結した篩を用いて、好ましくはバースクリーンを用いて、供給ユニットから搬出することができる。こうして所定のサイズの破砕物だけが計量供給されることが達成できる。
【0066】
搬送溝でのポリシリコンの搬送によって、新たな不所望な製品サイズが生じる。このことは、例えば計量供給秤中での分離により再び除去することができる。このため、この秤に、開口部、交換可能な分離メカニズム、及び搬出ユニットが備え付けられている。
【0067】
搬出された小さな破砕粒は、後続のプロセスにおいて新たに分級され、計量供給され、包装されるか又は他の使用に供給される。
【0068】
好ましくは、この供給ユニットは微細分のシュートを有している。これは、旋回可能に構成されていてもよい。所望な目標製品(破砕粒粒度分布)に応じて、微細分を篩別するために前記シュートが用いられ、正確な計量供給のために製品流から分離される。
【0069】
この両方の計量供給溝を介したポリシリコンの計量供給は自動化することができる。
【0070】
特に、篩及び計量供給秤のために硬質金属エレメントを使用するのが好ましい。少なくとも篩及び計量供給秤は、その表面に少なくとも部分的に硬質金属を有するのが好ましい。
【0071】
硬質金属とは、焼結された炭化物硬質金属であると解釈される。炭化タングステンを基礎とする通常の硬質金属の他に、好ましくは炭化チタン及び窒化チタンを硬質材料として含み、この場合に結合層がニッケル、コバルト及びモリブデンを有する硬質金属も存在する。この使用も、本発明による方法の範囲内で好ましい。
【0072】
好ましくは、篩及び計量供給秤の少なくとも機械的応力がかかり摩耗を被りやすい表面領域が硬質金属又はセラミック/炭化物を有する。好ましくは少なくとも1つの篩は完全に硬質金属から製造される。
【0073】
篩及び計量供給秤は、部分的に又は完全に被覆を備えていてもよい。被覆として、好ましくは、窒化チタン、炭化チタン、窒化チタンアルミニウム及びDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる群から選択される材料が使用される。
【0074】
硬質金属エレメントの使用は、計量供給ユニットの機械的安定性を改善することが明らかとなった。更に、この供給ユニットのメンテナンス期間は明らかにより延長される、それというのもこの硬質金属エレメントは先行技術で利用されたシリコン上張り及びプラスチック上張りよりも摩耗が少ないためである。
【0075】
意外にも、硬質金属の使用によるシリコンの汚染は、シリコン上張り又はプラスチック上張りの使用と比べて有意には高まらないことが判明した。このことは、特にタングステン及びコバルトによる汚染に関する。
【0076】
この計量供給ユニットは、更に、制御された旋回溝を介してシリコン製品流を複数の計量供給システム及び包装システムに分配することも可能であり、それにより、出発製品を充填しかつ計量供給及び秤量の後に多様な包装装置に搬送する複数の計量供給システムの組合せも可能である。
【0077】
この計量供給システムは、不所望な小さな製品サイズを篩別する分離メカニズム(篩)を有し、次いでこの小さな製品サイズを前方に配置されたプロセス(篩、分級)に供給する。
【0078】
好ましくは、このポリシリコン破砕物は、2つのプラスチックバッグに包装される。
【0079】
第1のプラスチックバッグ中での包装は、上述のように、エネルギー吸収体又はリザーバーの使用下で行われる。
【0080】
引き続き、この第1のプラスチックバッグは閉鎖される。
【0081】
好ましくは、溶接されたバッグを、引き続き、把持システム又はコンベアベルトを介して、第2のバッグに詰めるための機械部分に引き渡す。
【0082】
これとは別に、このために、このポリシリコンを、2つの相互に重ね合わせたバッグにも充填することができる。
【0083】
内側バッグの溶接の後に、この内側バッグを外側バッグの底部に至るまで滑り込ませ、この外側バッグを同様に溶接することができる。
【0084】
他の実施態様は、内側バッグと外側バッグを完全に重ね合わせ、内側バッグを溶接し、反転させ、任意の制御により外側バッグを溶接することも考慮する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバッグに充填し、前記充填装置は非金属の汚染の少ない材料からなる懸吊されたエネルギー吸収体を有する多結晶シリコンの包装方法において、前記プラスチックバッグを前記エネルギー吸収体に被せ、多結晶シリコンを充填し、かつ前記プラスチックバッグを充填の間に下方向へ降下させて、シリコンを前記プラスチックバッグ中へ滑り込ませることを特徴とする、多結晶シリコンの包装方法。
【請求項2】
充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバックに充填する多結晶シリコンの包装方法において、リザーバーが開口部を有し、前記開口部を通してシリコンを充填し、前記リザーバーにシリコンが充填された後に、前記プラスチックバッグを前記リザーバーに被せ、引き続き前記リザーバーを回転させて、前記シリコンを前記リザーバーから前記プラスチックバッグ内へ滑り込ませることを特徴とする、多結晶シリコンの包装方法。
【請求項3】
充填装置を用いて多結晶シリコンをプラスチックバッグに充填する多結晶シリコンの包装方法において、リザーバーは少なくとも2つの開口部を有し、前記少なくとも2つの開口部の1つを有する前記リザーバーの側に前記プラスチックバッグを被せ、前記少なくとも2つの開口部の第2の開口部を通して前記リザーバーにシリコンを充填し、前記リザーバーは少なくとも充填工程の開始時に、前記シリコンを充填時にまず前記プラスチックバッグと接触させずに、前記プラスチックバッグの降下により初めて、前記シリコンをプラスチックバッグ内へ滑り込ませるように配置されていることを特徴とする、多結晶シリコンの包装方法。
【請求項4】
前記プラスチックバッグは、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又は複合シートからなることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記プラスチックバッグの降下運動の開始前に、前記プラスチックバッグの横断面を適切な装置によって減少させ、かつ前記横断面を充填の間又は充填後に次第に増大させて、多結晶シリコン破砕物のプラスチックバッグへの制御された充填を達成する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギー吸収体は、非金属の汚染の少ない材料からなり、かつホッパ、ホース又は中空体の形を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
リザーバー又はエネルギー吸収体が秤を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
リザーバー又はエネルギー吸収体が秤を有し、前記秤は篩として構成されかつ前記エネルギー吸収体又は前記リザーバーの底部に存在する、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項9】
前記充填の間に、引っ掛かりを完全に回避できかつ良好な分離を達成するために、リザーバー又はエネルギー吸収体の波状運動及び/又は揺動運動を達成するメカニズムが設けられている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。

【公開番号】特開2013−39977(P2013−39977A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180755(P2012−180755)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】