説明

媒体製品構成

【課題】メディア製品を自動的に構成する方法を提供する。
【解決手段】メタデータ51をコンテンツ記憶装置内のメディア要素と関連付けることにより手作業によるメディアタイプの一覧表示を改善する。メタデータは、そのメディア要素により表現されるものが、1以上の他のメディア要素により描かれるものに対してどのように関係するのかを示す関係性データを含んでいるので、メディア製品はそのメディア製品を記述する詳細なフレームワークを自動的に生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体製品を構成する方法及び媒体製品を構成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体製品(media articles)はある人の感覚に対し(現実であるか、想像上であるか、あるいはコンピュータにより生成されたのかに関係なく)コンテンツを描く。媒体製品は、テキスト、音声、サウンド、ピクチャ、又は動画を含む多岐に亘る媒体(media)を介して人に提示できる。
【0003】
記録技術の改善に伴ない、消費者が入手できる記録された媒体製品の量は急激に増大してきた。媒体製品は、多くの場合、媒体ファイルに記録されている(ここでは複数形の「media(媒体)」が使用されているが、「media file(媒体ファイル)」はただ1つの媒体によってユーザに伝えられることを目的とするファイル(例えばテキストやスピーチ)と、その意味が複数の媒体で伝えられる「マルチメディア(multimedia)」ファイルの両方ともを含むと理解されるべきであることに留意すること)。インターネットは最も最近出現した通信ネットワークであり、テキスト、サウンド、ピクチャ、動画、あるいはこれらの組み合わせを表現する記録されたデジタル媒体ファイルの世界的な伝送を提供する。インターネットを介してアクセス可能な媒体ファイルの数は非常に多いため、媒体ファイルに、それらの内容のなんらかの記述でラベルを付ける必要がある。したがって、例えば、HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)ファイルは、ユーザに提示されるウェブページでどのようなサブジェクトが扱われているのかを示すキーワードを含む「メタ(meta)」タグを含んでいる。
【0004】
媒体ファイルにメタデータ(metadata)でラベルを付けることは、ユーザのグループがそのメタデータがどのように構築されるべきか、そしてそれが含むべき要素に関して合意した場合により有益になる。多くの場合、XML(拡張マークアップ言語(extensible Mark-up Language))はこのような構造及びその構造の中に含まれる要素を定義するために使用される。事実上、XMLはメタデータ「言語」を定義するために使用できる。このようなメタデータ「言語」の一例は、インテリジェントチュータリングシステムズ会議(Intelligent Tutoring Systems Conference)2002の会議録の893ページから902ページの、P.Gerdtらによる「StoryML:ウーブンストーリーズのためのXML拡張(StoryML:An XML Extension for Woven Stories)に説明されているように、StoryMLである。StoryMLは、共同で作成されたストーリーに対する寄稿を説明するように設計されたメタデータ言語である。したがって、それは寄稿の著者及び他の寄稿に対する寄稿関係を与える要素を含む。
【0005】
ビデオファイルにメタデータを追加するための提案(より広くMPEG−7として知られている「マルチメディアコンテンツ記述インタフェース」)は、ムービングピクチャーズエキスパートグループ(Moving Pictures Expert Group)によって検討されている。
【0006】
国際特許出願第02/057959号は、媒体ファイルを編成するためのツールをユーザに提供するコンピュータソフトウェアを開示している。多様なメタデータをそれらのファイルと関連付けることができる。ファイル及びメタデータは「リレーショナル」データベースに記憶されている(表現リレーショナルデータベースで使用されるような「リレーショナル(relational)」はデータベースエントリ間の関係性、またはこれらのエントリで何が表現されるのかにはほとんど関係がないことに留意せよ)代わりに、それはワードが数学的な集合論で使用されるという意味で「関係(relation)」を指す。
【発明の概要】
【0007】
媒体製品を構成する1つの方法は、複数の構成要素をまとめることを含む。例えば、フィルムは脚本に述べられているような複数の場面から構成される。このようにして媒体製品を自動的に作成しようとするいくつかの試みがあった。例えば、音楽サイコロゲーム(musical dice game)に従ったワルツの作成はhttp://sunsite.univie.ac.at/Mozart/dice/に記載されている。同様に自動的なストーリー生成プログラム、ロマンスライター(Romance Writer)は、http://familygames.com/features/humor/romance.htmlで入手できる。
【0008】
本発明の第1の態様によると、
記憶されている媒体データの第1の集合と関連付けられたデジタルメタデータを分析することであって、該デジタルメタデータが、
記憶されている媒体データの第2の集合を識別する関連集合アイデンティティデータと、
記憶されている媒体データの第1の集合によって表現されるものと、記憶されている媒体データの第2の集合によって表現されるものとの間の関係性を示す関係性データと、
を含むものと、
前記分析に従って媒体製品で記憶されている媒体データの前記第1の集合及び第2の集合を構成することと、
を含む、媒体製品を自動的に構成する方法が提供される。
【0009】
記憶されている媒体データの第1の集合と関連付けられたデジタルデータを分析し、このデジタルデータが記憶されている媒体データの第2の集合の識別子及び該第1の集合によって表現されるものと、該第2の集合によって表現されるものとの間の関係性の表示を含み、前記分析に従って記憶されている媒体データの該第1の集合及び該第2の集合を媒体製品の中に構成することによって、媒体製品が構成されるときに提供される順序制御情報の別のソースに対するニーズを取り除く媒体製品を構成する方法が提供される。
【0010】
表現「記憶されている媒体データの集合」は、媒体データファイル、ストリーム、あるいはファイル又はデータベースへのポインタの集合を含む。
【0011】
記憶されている媒体データのデジタル集合は、種々のフォーマットで記憶される。記憶されている媒体データの表現集合は、いかなる特定のフォーマットに限定されることをも目的とせず、したがって例えばコンピュータゲームをプレイしているときにユーザが目にする構成要素の位置に関するデータをめったに含まないファイルを含む。そのファイルの中のデータは後にユーザに表示するための画像を生成するためのレンダリング(rendering)ソフトウェアによって処理される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記方法は前記集合アイデンティティデータ及び前記関係性データを生成することをさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記メタデータは記憶されている媒体データの前記集合により表現されるものを示すコンテンツデータをさらに含み、前記方法は記憶されている媒体データの複数の集合から、前記コンテンツデータに依存して記憶されている媒体データの1以上の集合を選択するステップをさらに含み、前記1以上の集合は記憶されている媒体データの前記第1の集合及び第2の集合を含む。
【0014】
a)媒体製品の複数の潜在的な構成要素、又は媒体データの一部を提供するために検索することと、b)それらの構成要素に関連付けられたメタデータに従って複数の該選択された構成要素を以後に構成することとのこの組み合わせは、これまで可能であったものよりより容易に特定のテーマに向けられた媒体製品の自動的な構成を可能にする。
【0015】
好ましくは、該方法は、複数のこのような選択を行うこと、及び前記選択の結果を連結することをさらに含む。
【0016】
これにより、確立されたパターンに幅広く従うが、従来のシステムの中には見られないそのパターン内の柔軟性の程度を可能にする媒体製品の構成に対する手法も可能になる。したがって、物語及びフィルムについて既知の幅広いパターンのタイプ、例えば、米国、VA23509、ノーフォーク、ローランドドライブ560(560 Roland Drive,Norfolk、VA23509,USA)のストーリークラフト社(StoryCraft Corporation)のストーリークラフト(StoryCraft)プログラムは、書き出しプログラムに主人公及び敵対者を、後に勝利をおさめた主人公の帰還が続く彼らの間の衝突(依然として使用できるが、そのパターンの中の変化は選択の性質を変更することにより容易に導入できる)の前に紹介するように頼むことによって著者がストーリーを書くのを手助けする。
【0017】
これは、例えば、物語、動き、及び音声の連続性の主観的に高い水準を保持しながら、異なる芸術的つまり質的な野望に従う映画又はコンピュータゲームの異なるバージョンの費用効果の高い作成を可能にする。
【0018】
本発明の第2の態様によると、
記憶されている媒体データの複数の集合のそれぞれについて、記憶されている媒体データの前記集合に表現されているコンテンツと、記憶されている媒体データの1つ以上の他の集合に表現されているコンテンツの間の1以上の関係性を示す関係性データを含むメタデータを記憶する1以上の記憶装置と、
前記1以上の記憶装置と通信し、かつ前記関係性データに従って記憶されている媒体データの前記集合又はその識別子を構成することによって、媒体製品を構成するように動作するよう構成された1以上のプロセッサと、
を含む媒体製品構成装置が提供される。
【0019】
好適な実施形態では、前記メタデータにより識別される記憶されている媒体データの集合と関連付けられるメタデータを含むオブジェクトを記憶するためにオブジェクト指向データベースが使用される。その結果、関係性メタデータは、オブジェクト指向データベース内のオブジェクト間の関係性によって表現できる。
【0020】
媒体データの集合は、代わりにファイルシステムに記憶されてもよい。
【0021】
一例としてのみ、本発明の特定の実施形態はここで添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に従って媒体アセンブリシステムを提供するように動作可能なパーソナルコンピュータの構成要素の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に従って図1のパーソナルコンピュータを制御する上で使用されるコンピュータプログラムのアーキテクチャの図である。
【図3】図2の媒体マークアップツールの使用に続いて媒体要素に関連付けられるメタデータを示す図である。
【図3B】図2のオブジェクト指向データベースに記憶される原因オブジェクトを示す図である。
【図4A】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4B】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4C】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4D】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4E】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4F】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図4G】エディタが図3のメタデータに含まれる関係性データをどのようにして構築するのかを示す図である。
【図5】図4Aから図4Hに示されるようにエディタによって入力される関係性データの階層表現の図である。
【図6】図2のテンプレート作成ツールを使用して生成されるテンプレートデータを示す図である。
【図7】図2のユーザプロファイル作成ツールを使用して生成されるユーザプロファイルデータを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のテンプレートポピュレータの構成要素の動作を示すフローチャートである。
【図9】図7に描かれているテンプレートの第1のセクションに関係するテンプレートポピュレータの動作を示す図である。
【図10A】図7に描かれているテンプレートの第2のセクションに関係するテンプレートポピュレータの動作を示す図である。
【図10B】図7に描かれているテンプレートの第2のセクションに関係するテンプレートポピュレータの動作を示す図である。
【図10C】図7に描かれているテンプレートの第2のセクションに関係するテンプレートポピュレータの動作を示す図である。
【図10D】図7に描かれているテンプレートの第2のセクションに関係するテンプレートポピュレータの動作を示す図である。
【図11】テンプレートポピュレータモジュールによって生成される可能性のある編集決定リストを示す図である。
【図12】本発明の好適な実施形態を提供するコンピュータプログラムを実行する際にユーザに提示されるディスプレイを示す図である。
【図13】プログラムの動作の後の段階での同じディスプレイを示す図である。
【図14】ユーザが媒体ビンの1つを選択すると開く追加のサブウィンドウを示す図である。
【図15】ユーザが選択された媒体ビンの中に含まれる媒体要素の1つを選択するとユーザに提示される、追加のサブウィンドウを示す図である。
【図16】ユーザが、媒体ビンの中に含まれる選択された(又は全ての)媒体要素に関連付けられる関係性データを見ることを希望することを示した後の、アプリケーションウィンドウを示す図である。
【図17】ユーザが語彙を定義できるようにする追加のサブウィンドウを示す図である。
【図18】ユーザが媒体製品を生成する際に使用するためのテンプレートを選択した後の、そのテンプレートを編集しているディスプレイを示す図である。
【図19】ユーザが媒体製品を生成する際に使用するためのテンプレートを選択した後の、そのテンプレートを拡大しているディスプレイを示す図である。
【図20】ユーザがプログラムのテンプレートポピュレータ構成要素を実行した結果を示すために表示されるサブウィンドウを示す図である。
【図21】本発明の好適な実施形態の改良版で、(図18及び図19に見られるような)照会ビルダウィンドウを介してユーザに提供された追加機能性を描く図である。
【図22】本発明の好適な実施形態の改良版を使用する媒体製品をプレビューするときに、ユーザに提供される追加制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、従来の方法でともに接続されている周知のハードウェア構成要素を備えるパーソナルコンピュータを示している。該周知のハードウェア構成要素は、中央処理装置10、ランダムアクセスメモリ12、読取専用メモリ14、ハードディスク16、及び入出力装置18、20、22、24及び26を備える。該ハードウェア構成要素は、1つ以上のデータバス及びアドレスバス28を介して相互接続されている。該入出力装置は、モニタ18、キーボード20、マウス22及びCD ROMドライブ24及びネットワークカード26を備える。該ネットワークカードは、公開のインターネット32によってサーバコンピュータ30に接続される。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施形態に従ったシステムのソフトウェア及びデータ構成要素を示している。該ソフトウェアは3つの入力プログラムモジュール、つまり媒体マークアップツールプログラム40、テンプレート作成ツールプログラム42、ユーザプロファイル作成ツールプログラム44、オブジェクト指向データベース管理ソフトウェア45、及び2つの出力プログラムモジュール、つまりテンプレートポピュレータプログラムモジュール46及びコンテンツ合成プログラムモジュール48を含む。
【0025】
システムはデータの固定記憶域のための2つの記憶装置も含む。これらの内の第1の記憶装置は、コンピュータのオペレーティングシステムプログラムにより提供されるファイルシステムを使用してハードディスク16上に記憶される、多くの媒体ファイルを備えるコンテンツ記憶装置50である。データの固定記憶域のための第2の記憶装置は、マサチューセッツ州バーリントン(Burlington,Massachusetts)のエクセロン社(Excelon Corporation)により供給されるObjectStore(登録商標)として知られているオブジェクト指向データベース54を備えている。該データベースは3つの異なるオブジェクトのカテゴリ、つまり媒体オブジェクト51(それぞれが該コンテンツ記憶装置50に記憶されている媒体ファイルの1つを記述するメタデータを含む)、テンプレートオブジェクト52、及びユーザプロファイルオブジェクト53を記憶している。データベース内のオブジェクトは再びコンピュータのハードディスク16に記憶される。該オブジェクト指向データベース及び/又はコンテンツ記憶装置のための固定記憶域は、ハードディスクの代わりに、DVD、CD、CD−ROMのような取り外し可能なデータキャリアによって、あるいは該ネットワークカード26により提供されるように、ネットワーク接続を介してアクセス可能な(例えば、URIを介してアクセスされる)異なるコンピュータで提供されてもよい。
【0026】
該3つの入力プログラムモジュールは、既定の構造化されたデータモデルに従って構築されたデータ構造を含むオブジェクトの生成を可能にするユーザインタフェースを提供するためにコンピュータ(図1)を制御する。これにより、異なるプログラムモジュールがデータを交換できる容易さが増す。構築されたデータモデルが公にされる場合、異なる関係者が、それにも関わらず互いにデータを交換できるプログラムの異なる構成要素を書き込むことができる。また、あるエディタによって作成されるオブジェクトは、別のロケーションで、あるいは後に作業する別のエディタが使用することができる。
【0027】
本実施形態では、該3つの入力プログラムモジュールは、以下の機能性を提供する。
【0028】
メディアマークアップツールは、エディタが該コンテンツ記憶装置50及び該オブジェクト指向データベース54を更新するためのインタフェースを提供する。実際には、この実施形態を使用するエディタは、自分の自由に、他のエディタにより生成される媒体要素、多様なソースからのラッシュ(rushes)、作成されたプログラムのセクション、スチル写真及び(全て電子形式で表現されている)媒体の多様な他の部分にアクセスできる。これらの媒体要素は該コンテンツ記憶装置内の適切なディレクトリ構造に記憶される。それぞれのディレクトリは技術では「ビン(bin)」(ある特定のプロジェクトに関係する数本のフィルムが記憶されたラベルが貼られたビンを参照)として知られている。
【0029】
媒体要素は、多くの場合、線形ストリーム内の数多くの要素を含んでよいファイルにデジタルで記録されている。したがって、このようなファイルは、それに関連付けられている1つ以上の媒体要素を含んでいる。該媒体マークアップツールにより、エディタはファイルをプレビューし、及びそのファイルの中に複数の媒体要素がなければならない場合には、該ファイルの中のそれぞれの媒体要素の範囲を定める開始点及び終了点を設定できる。該ファイルと関連付けられるただ1つの媒体要素がある場合には、開始点はゼロにすぎず、終了点は媒体の長さ(持続時間)である。このようにして、エディタは、それぞれが1つの媒体要素を形成する複数のファイルを生成できる。該エディタは、媒体要素の開始点と終了点を定めた時点で、各ファイルに名前を付ける。
【0030】
しかしながら、本説明の目的のため、該エディタは、フットボールのゲームで記録された未編集のフィルムの電子表現、及びフットボール番組等のための導入シーケンスを含むファイルだけで開始すると想定される。フィルムの未編集の部分は当技術分野では「ラッシュ」として知られている。該エディタが媒体マークアップツール40を使用して、該ラッシュの多様なセクションを選択し、該コンテンツ記憶装置50内のディレクトリの中のさらに短いファイルの中の媒体要素としてそれぞれを記憶する可能性がある。
【0031】
媒体マークアップツールは、エディタが、該コンテンツ記憶装置50内に記憶されている媒体要素のためにメタデータを生成又は編集できるようにするツールをまた提供する。該ツールはオブジェクト指向データベース54内でのオブジェクトとしてこのメタデータを記憶する。
【0032】
コンテンツ記憶装置内のディレクトリを選択すると、該エディタには、それぞれがディレクトリの中に保持される媒体要素の1つを表すアイコンの集合を提示する(図4A)グラフィカルユーザインタフェースを与えられる。これらのアイコンは例えばファイルの中に含まれるビデオシーケンスからのスチル写真にすぎない場合がある。以下の例では、それらは、右上角でエディタによって入力される媒体要素識別子を含み、ボックスの中心の媒体要素で発生するものの説明を含むボックスとして描かれている。該ユーザインタフェースによって、エディタはマウス22を使用して媒体要素を選択し、マウスを使用して画面の周りで媒体要素を動かすことができる。
【0033】
媒体要素の1つを選択してから、エディタは2段階でこの媒体要素と関連付けられるメタデータを入力する。第1の段階では、エディタはピクチャの1つの上でダブルクリックし、スキーマの中に含まれるパラメータの値がその上に入力できる形式を立ち上げることができる。
【0034】
第1の段階で生成されるメタデータの一例は、図3の2行目から12行目に示されている(第1行の情報は、エディタがファイルに媒体要素識別子を与えたときに生成された)。
【0035】
メタデータは、構造化データモデルに従って構成されることが理解されるであろう。それぞれの行で、一番右の列のエントリはユーザによって入力されるプロパティの値を表している。該構造化されたデータモデルは、複数のプロパティが集合体(ここではプロパティの集合(4つの列を有するこれらの行の左から第2列)と呼ばれる)の第1のレベルでの単位の項(members)としてラベルが付けられなければならないことを提供してよい。構造化されたデータモデルは、複数の集合が集合体(ここではプロパティの上位集合(3つ又は4つの列を有するこれらの行の一番左の列)と呼ばれる)の第2のレベルでの単位の項としてラベルが付けられなければならないこともまた提供してもよい。当業者は、集合体の追加のレベルが提供される可能性があることを理解するであろう。
【0036】
階層配列は、前述されたマルチメディアコンテンツ記述インタフェースにより影響を受ける。意図は、全ての考えられるアプリケーションにわたる完全なデータモデルの使用を強制することではなく、製作会社又はプロジェクトの特定の集合(例えば野生生物のドキュメンタリ)の主題ドメインの中でのコンテンツの再利用を可能にすることである。提供されるデータモデルは、要素及びそれらの使用を補助するインタフェース及びそれらに適用できる語彙の最大集合を提供することを意図する。
【0037】
メタデータは、可変数のパラメータを含んでいる(しかし、それにも関わらず所定の構造化されたデータモデルに適合しなければならない)。図3に示されている例では、エディタは18のプロパティに値を入力した。これらは、以下を含む。
【0038】
i)媒体要素ID(これは媒体要素を識別する)−この例では、エディタはそれに0.xxという数値を与え、ここでxxはオリジナルラッシュの中の媒体要素の位置を反映している。
【0039】
この後には、2つのプロパティ、及びプロパティの「位置」集合を備える「媒体」上位集合(superset)が続く。該2つのプロパティは以下のとおりである。
ii)URI−媒体要素を含むファイルのユニバーサルリソース識別子である。
iii)フォーマット−これは、ファイルを構成するデータのフォーマットの表示を示す。
【0040】
「位置」集合は以下のとおりの2つのプロパティを含む。
iv)イン−媒体要素の開始時のラッシュの開始以来経過した時間の表示。
v)アウト−媒体要素の開始時のラッシュの開始以来経過した時間の表示。
【0041】
「媒体」上位集合の後には4つの「構造化」プロパティの上位集合が後に続く。その上位集合は以下で始まる。
vi)記述−ファイルのコンテンツの記述。
【0042】
以下の3つのプロパティを含む(「イベント」と呼ばれる)別の集合が後に続く。
vii)性質−このファイルの中に記録されるビデオシーケンスの中で見られるイベントのタイプ。
viii)出演者−イベントの主要な動作を実行する人物。
ix)受取人−イベントの主要な動作に左右される人物。
【0043】
これらのプロパティの後には、2つのサイドがある(two−sided)スポーツイベントから得られる素材に関する媒体要素に無理なく適用されるにすぎないプロパティのドメインに特殊な上位集合が続く。
【0044】
最初の2つのプロパティは2つのプロパティの(「チーム」と呼ばれる)集合に属している。
x)ホームチーム−オリジナルのラッシュで特徴付けられるフットボールの試合の間ホームグラウンドでプレイするチームの名前。
xi)アウェイチーム−オリジナルのラッシュで特徴付けられるフットボールの試合の、別のフットボールの名前。
【0045】
この集合の後には、以下の2つのプロパティが続く。
xii)主演者忠誠(Allegiance)−(存在する場合には)主演者が忠誠を負うサイド。
xiii)受取人忠誠−(存在する場合には)受取人が忠誠を負うサイド。
【0046】
これらの2つのプロパティの後には、以下の2つのプロパティを含む(「概念上」と名付けられる)集合が後に続く。
xiv)関心値−0と1の間のこの値は、エディタがこの媒体要素をどれほど重要と考えているのかを示している。
xv)格付け−この値は、年齢基準に基づいて(フィルムに与えられる分類に類似した方法で)人々に示すための媒体要素の適切性を示す。
【0047】
いったんエディタがこのデータを入力すると、ピクチャは前記「記述」プロパティの値として与えられる媒体要素の記述で置換される。次に、形式がディスプレイから削除され、オリジナルラッシュからエディタによって選択される媒体要素を表す複数のピクチャのディスプレイに戻る(図4A)。
【0048】
媒体要素メタデータは次にオブジェクト指向データベース54の中の媒体オブジェクトとして記憶される。
【0049】
1つ以上の「関係性」プロパティを生成するメタデータ作成の第2の段階が図4Aから図4Hに関してここで説明されるであろう。ユーザにはグラフィカルユーザインタフェースが与えられ、ユーザが、PCの画面18(図1)上のそれらの媒体要素を表すアイコンを移動し、クリックすることによって媒体要素間の関係性プロパティを示すことができるようにする。
【0050】
エディタが示す可能性のある1つの関係性は因果関係である。これを行うために、エディタは、カーソルの形を変更する、画面(図示せず)上に提示されているボタン要素をクリックする。その後ユーザは、別の媒体要素の原因と判断される媒体要素まで、カーソルを移動させる。次にユーザはそれを原因を表す媒体要素として識別するために該媒体要素の上でクリックし、カーソルをその原因の影響を表す媒体要素まで移動し、再びクリックする。いったんユーザがこれを行うと、第1の媒体要素から原因オブジェクトを表す菱形形状まで矢印が描画され、次に第2の矢印が該菱形から第2の媒体要素まで描画される。エディタは、該影響を表す該媒体要素を見るビューワが該原因も見ることを希望するであろうと考える場合は、この種の原因関連を行うことを希望してよい。図4Bに図示されている例では、エディタは以下を示した。
【0051】
i)媒体要素0.13は媒体要素0.12により引き起こされ、両方の媒体要素0.14と0.15とも媒体要素0.13により引き起こされ、
ii)媒体要素0.53は、次に媒体要素0.51により引き起こされる媒体要素0.52により引き起こされる。
【0052】
原因関連の入力に応えて、独自の媒体要素識別子を有する原因オブジェクト(図3B)が該オブジェクト指向データベース54に追加される。影響を表す媒体要素と関連付けられるメタデータは、原因オブジェクトの媒体要素識別子を示すパラメータを含むように更新される。さらに詳細には、媒体オブジェクトは、それを引き起こす、あるいはそれにより達成される任意の原因オブジェクトに対するポインタのリンクされたリストを有する。原因オブジェクトは、それらが関連付けられている媒体オブジェクトに戻るポインタの2つのリストもまた保持する。
【0053】
図3に図示される最後のパラメータに1つの例が見られる。原因オブジェクトは、影響を引き起こす媒体要素識別子を示すメタデータもまた含む。
【0054】
複数の異なる媒体オブジェクトが同じ影響(例えば、主人公が毒を盛られたために、あるいは激突死したために死んだであろう)を引き起こす可能性があり、1つの原因から複数の異なる影響(例えば、該主人公の死のため、邪悪な女王が103という高齢まで負けずに生き延び、悲嘆に暮れたお姫様が独身生活を誓い、修道女になった)がある場合がある。因果関係が原因オブジェクトを使用して表現されるのはこのためである。
【0055】
エディタが示す可能性のある第2のタイプの関係性は順序(sequence)の関係性である。このような関係性を示すために、エディタは自分が画面の同じ矩形領域の中への分類を希望する媒体要素を配列し、それらを、それらが従わなければならない順序に従って左から右に順序付け、追加ボタン(図示せず)をクリックし、カーソルに形式を変更させ、カーソルをその矩形領域の1つの角に対する位置に移動させる。その後エディタはマウス22でボタンをクリックし、その矩形領域の反対の角に移動する間ボタンを押し続け、そこでボタンを離す。これにより、矩形領域の中に含まれる媒体要素の周りに太い実線の矩形の線が描画され、太い短い矢印が該矩形線によって画定される領域の左上角に描画される。図4Cの例では、エディタは、Bチームの15番目のパスを表す媒体要素の後に、次にBチームの第1のゴールを表す媒体要素が後に続くBチームの16番目のパスを表す媒体要素が続くことを示した。
【0056】
エディタは、(媒体要素の複数がテンプレートポピュレータモジュールによって選択される場合に)媒体要素が示されている順序で図示されなければならないと感じるこの性質の順序関係を示すことを希望する可能性がある。例えば1年の異なるときのガーデニングを示す媒体要素は、春の庭を表す要素が夏の庭を表す要素に先行する等のように順序に配列される可能性がある。
【0057】
このようにして順序を作成すると、順序オブジェクトはオブジェクト指向データベースで、該順序の中に含まれる媒体要素に関連付けられる媒体オブジェクトを含むコンテナオブジェクトとして作成される。以下で分かるように、それ自体順序を含む順序を生成することができる。この階層プロパティは、原因が順序にある識別子の第1の番号に反映される。順序が個別の媒体要素だけを含む場合には、順序識別子は1.xの形式となり、ここでxは、階層の第1レベルの新規順序又はグループ(以下に説明される)が形成されるたびにインクレメントされるにすぎない。したがって、図4Cに示される順序には識別子1.1が与えられる。
【0058】
順序の中の各媒体要素と関連付けられる媒体オブジェクト(つまり、メタデータ)は、それに付加される順序の中の媒体要素の位置を有する。オブジェクト指向データベースは、各媒体オブジェクトが新規に作成された順序オブジェクトの子である(つまりその中に含まれる)という事実もまた記録する。順序位置メタデータの例は図3の最後から2番目の行で見ることができる。
【0059】
この実施形態では、グループ又は順序の記述を与えるメタデータはないが、ある場合もあるであろう。このようなメタデータは、例えばプロパティを右クリックし、選択し、結果として生じるダイアログの記述フィールドにテキストを入力することにより入力される可能性がある。
【0060】
エディタが媒体要素の間で示すことを希望する可能性がある第3のタイプの関係性は、グループのメンバーシップの関係性である。エディタは、グループ内の複数の媒体要素が選択され、次にそれらがともに示されるべきことを示すことを希望する場合に、これを行う可能性がある。グループは、重要ではない画面上の媒体要素の順序を除き、順序と同じように形成され、エディタは、グループの中に含まれなければならない媒体要素を含む矩形領域を画定する前にグループを表す第3のボタン(図示せず)をクリックする。
【0061】
このアクションにより、グループオブジェクト、つまりグループ内の媒体要素と関連付けられた媒体オブジェクトを含むコンテナオブジェクトが作成される。グループオブジェクトはオブジェクト指向データベース54内にも記憶される。
【0062】
図4Dは、エディタが媒体要素0.13、0.14及び0.15を第1レベルのグループ1.2、0.39、0.40及び0.41を第2の第1レベル順序1.3の中に、媒体要素0.52及び0.53を第2の第1レベルグループ1.4の中に形成した後に、エディタが見るディスプレイを示している。
【0063】
図4Eは、エディタが媒体要素0.51及び第3の第1レベル順序1.4を第2レベルのグループ2.1に結び付けるのを示している。これは、別のグループオブジェクトのためのコンテナオブジェクトであるデータベース内の別のグループオブジェクトを作成する。このようにして、コンテナオブジェクトの階層をオブジェクト指向データベース54の中で構築できる。
【0064】
図4Fは、2つの第1のレベルの順序、1.1と1.3、第1のレベルのグループ1.2及び第2のレベルのグループ2.1を第3のレベルのグループ3.1に入れるエディタを示している。
【0065】
図4Gは第4のレベルの順序を定めるエディタを示している。
【0066】
図5はエディタによって階層形式で入力される関係性を示し、したがってエディタがハードディスク16上のオブジェクト指向データベース54の中に構築したオブジェクト階層を反映している。
【0067】
図2に戻ると、テンプレート作成ツール42は、エディタ及び/又はプロデューサが、媒体製品の所望される特徴を特定するためのインタフェースを提供する。したがってテンプレートオブジェクトを作成する(図6)ためのインタフェースとなる。該ツールは、オブジェクト指向データベース54の中でこのテンプレートオブジェクトを構成するメタデータを記憶する。
【0068】
媒体オブジェクトのように、この実施形態で使用するためのテンプレートオブジェクトは包括的な事前定義されたデータモデルに準拠する。図6から分かるように、この事前定義されたデータモデルは1つのタイトルフィールド、及び複数のセクションを含む。各セクションは、名前フィールド、照会フィールド、そして任意の制約フィールドを備える集合である。テンプレートポピュレータツールは、ユーザにテンプレートの名前を入力し、セクション構造を示すように促す(トップレベルのセクションはそれ自体セクションを含むことがある)。エディタは、例えば、マイクロソフトWindows(登録商標) Explorerに提供されるフォルダリストに同様のグラフィカルユーザインタフェースの構成要素を使用してセクション構造を示す。図6に示されている例では、テンプレートは3つのセクションのフラットな構造を有している。
【0069】
テンプレートは、複雑な照会及び潜在的に深い(deep)構造を使用して媒体製品特徴を符号化するため、エディタインタフェースは複数の役割の間でテンプレート作成のタスクを分割する。エディタの役割を割り当てられる人物はテンプレートのトップレベル構造を定め、プロデューサの役割を割り当てられる人物(プロデューサは通常作成されている実際の製品のより密接な制御を有する)は構造を精緻化し、照会(オブジェクト指向データベースからの情報に対する要求)を追加する。特に、以下に説明されるように、プロデューサはユーザプロファイルに対するリンケージを指定し、それによりそれら自体と消費者の間の「力のバランス」を定義する。
【0070】
テンプレート作成ツールは、既存の媒体オブジェクト及びテンプレートオブジェクトを検索するために使用できるオブジェクトブラウザを提供する。既存のテンプレートは修正することができ、テンプレートの部分は新しいテンプレートの中にコピーできる。
【0071】
前述されたグラフィカルユーザインタフェースを使用して、おそらく媒体オブジェクトブラウザを使用して、セクション構造を定めると、エディタ/プロデューサは、照会形成のプロセスを容易にするグラフィカルユーザインタフェースを与えられる。
【0072】
エディタはこのグラフィカルユーザインタフェースを使用して、セクションのそれぞれに照会文字列を入力する。図6の第1のセクションの照会文字列は、テンプレートの中のこのスロットを充填するための候補媒体オブジェクトが、それらのURIの中に文字列「フットボールイントロ」を有さなければならないことを示している。
【0073】
セクションのための照会文字列は、図6のテンプレートの「メイン」セクションに見られるように、著しくさらに複雑である場合がある。ここでは、照会はXPath言語で作成される。その照会が評価される方法は、ユーザプロファイルメタデータが後述された後に説明されるであろう。
【0074】
エディタは、該紹介に応えてデータベースから検索される媒体オブジェクトによって表現される媒体要素に関して、なんらかの制約を課すことを希望するそれらのセクションのための制約もまた入力する。制約は、媒体オブジェクトがテンプレートポピュレータによってアセンブルされる方法を制限することを意図している。制約の考えられる例は、時間(例えば、このセクションは長さ5分でなければならない)、空間(例えば、この提示は640×480ピクセルディスプレイに表示されなければならない)又は数(ニュース番組の「ヘッドライン」セクションには5つのニュース項目がなければならない)を含む。
【0075】
ユーザプロファイル作成ツール44は、図7に見られるユーザプロファイルのようなユーザプロファイルを生成するためのユーザインタフェースを提供する。
【0076】
ユーザプロファイルはある特定のユーザの好みを表している。媒体オブジェクト及びテンプレートオブジェクトと同様に、データは所定のデータ構造又はスキーマに忠実でなければならない。スキーマは、各ユーザが識別子(このケースでは数表示「1」)により識別されることを指示する。ユーザプロファイルの「構造上の」要素は、ユーザが好む事柄(このケースでは、フットボールチームB、特にPaulo Di Canio及びTrevor Sinclair、Essexクリケットチーム、特にNasser Hussain、女優Milla Jovovich及び俳優Jimmy Nailを示している。
【0077】
テンプレートポピュレータプログラムモジュール(図8)は、媒体オブジェクトの集合の合成に備えて、編集決定リストの消費者用の個人向け媒体製品への自動アセンブリのためのプロセスを提供する。開始(ステップ60)時、テンプレートポピュレータはその入力として、特定のテンプレート、特定のユーザプロファイル、および媒体オブジェクトの記憶のインジケータ(このケースでは、オブジェクト指向データベース54のロケーションの表示)を取る。
【0078】
いったん特定のテンプレート、ユーザプロファイル、及び媒体オブジェクトの記憶が指定されると、テンプレートポピュレータはXPath言語で書き込まれるあらゆる照会についてテンプレート(図6)を調べる(ステップ61)。このような照会が検出されると、それはXPathを評価するためにApache ProjectのXalanプロセッサを使用して分解される。
【0079】
例えば、以下のように読まれる照会
(チームは「!Profile(プロファイル/スポーツ//チーム)」)及び(アクションは「ゴール」である)
は、(テンプレートポピュレータプログラムモジュールを起動時に指定される)図7のユーザプロファイルが考えられるときに以下に分解される。
【0080】
(チームは「Bチーム」又は「エセックス」)及び(アクションは「ゴール」である)
次にテンプレートポピュレータはテンプレートの第1のセクションを識別し(図8)、テンプレートの階層構造を通して反復する(ステップ62から75)。
【0081】
各反復(ステップ62から75)は、検出されているテンプレート内に次のセクションを含み、そのセクションの中の任意の照会はオブジェクト指向データベース54で実行され(ステップ62)、関連する媒体オブジェクトの選択を戻す。
【0082】
第1の反復は図6の中で「イントロ」と名付けられたセクションに関係する。反復はセクションとともに含まれる照会の実行で開始する(ステップ62)(つまり、URIは「フットボールイントロ」を含む)。図9Aは、この例を生じさせる選択を描く。
【0083】
次に、ステップ64では、その「葉」として選択された媒体オブジェクトを含むツリーが構築される。この構築は以下のように行われる。第1の選択された媒体オブジェクトの親オブジェクトは検索され、それに関連付けられた親オブジェクトがないオブジェクトに達するまでその親オブジェクト等が後に続く(この例の「導入」オブジェクトには親オブジェクトはないため、ツリー内に含まれる唯一のオブジェクトである)。この点で、葉オブジェクトからトップレベルコンテナまでの単一リンクリストが再構築された。(複数のオブジェクトが照会の結果として選択される場合に)別の選択された葉オブジェクトが調べられ、その葉のオブジェクトの系図が、第1のオブジェクトの系図を表すリンクリスト内にすでに存在するオブジェクトが検索されるまで、あるいは別のトップレベルコンテナに遭遇するまで辿られる。選択の中で全ての他のオブジェクトについてこのプロセスを繰り返すことにより、それらのオブジェクトを含む最小ツリーが再構築される。
【0084】
前記に示されたように、第1の反復では、結果として生じるツリーは「導入」媒体オブジェクト0.1だけを含む。
【0085】
編集決定リストを作成する際に記憶、使用されるツリーデータ構造を改変するテンプレートポピュレータプログラム内の命令のループの中の以後のステップ(ステップ66から72)は、テンプレートの第2のセクションで実行される命令のループの第2の反復に関して後述されるように、テンプレートの第1のセクションに関して影響を与えない。
【0086】
反復を通して、ツリー構造はPCの揮発性メモリ12の中に記憶される。
【0087】
命令のグループの各反復の最後で、テンプレートの中の最後のセクションが考慮されたかどうかに関して決定が下される(ステップ74)。されなかった場合、次のセクションが識別され(ステップ75)、次の反復が実行される。
【0088】
フットボールゴールハイライトテンプレート(図6)の中心のセクションに関して第2の反復が実行される。このケースでは、セクション照会が、ユーザの好みを考慮に入れるために前述されたように照会を分解するためにユーザプロファイル(図7)を使用して実行される。
【0089】
照会(ステップ62)は、媒体要素0.12及び0.53(図10A)の選択を生じさせる。新しいツリーデータ構造は前述されたように作成され、図10Bに描かれているツリーを表すデータを記憶する。
【0090】
その後、媒体オブジェクトの選択が、ユーザによって特定される原因/影響の関係性を考慮に入れるために拡大される(ステップ66)。詳細には、このステップは、どのくらいの数の原因オブジェクトがこの媒体オブジェクトに関連付けられるのかを見つけるための、それぞれの選択された媒体オブジェクトのメタデータの調査を含む。原因オブジェクトが検出されない場合には、媒体オブジェクトは分解された媒体オブジェクトのリストに移動される。ただ1つの原因オブジェクトが検出される場合には、原因オブジェクトは原因オブジェクトのリストに移動され、媒体オブジェクトは、分解された媒体オブジェクトのリストに移動される。複数の原因オブジェクトが検出されると、(それがすでにそのリストの中に存在しない場合には)それぞれの考えられる原因オブジェクトが考えられる原因オブジェクトのリストに追加され、媒体オブジェクトが分解されていない媒体オブジェクトのリストに追加される。
【0091】
この例では、ただ1つの原因オブジェクトが検出され(図3Bに描かれているもの)るため、媒体オブジェクト0.53は分解された媒体オブジェクトのリストに移動され、(図10Cに図示されるように、命令のループのこの反復と関連付けられるツリーデータ構造に追加され)原因オブジェクトが原因オブジェクトのリストに移動される。
【0092】
考えられる原因オブジェクトのリストが作成される場合、最も分解されていない媒体オブジェクトを引き起こす原因オブジェクトが検出される。この原因オブジェクトは原因オブジェクトのリストの中に移動され、それが引き起こす媒体オブジェクトは前述された分解された媒体オブジェクトのリストに追加される。このプロセスは、分解されていない媒体オブジェクトの全てのリストが空になるまで繰り返される。この例では、このステップは適用されない。
【0093】
原因オブジェクトのリストの中の各原因オブジェクトは、次にそれがどのくらいの数の媒体オブジェクトによって引き起こされたのかを検出するために調べられる。ただ1つの媒体オブジェクトがそれを引き起こす場合には、原因オブジェクトは分解された原因オブジェクトのリストに移動され、その媒体オブジェクトは分解されていない媒体オブジェクトのリストに追加される。複数の媒体オブジェクトにより原因オブジェクトが引き起こされる場合には、それらの媒体オブジェクトは、それらがすでに存在していないならば考えられる媒体オブジェクトのリストに追加される。
【0094】
この例では、原因オブジェクトのリストの中のただ1つの原因オブジェクト(CO1)がただ1つの媒体オブジェクト(0.52)により引き起こされるため、原因オブジェクトは分解された原因オブジェクトのリストに移動され、媒体オブジェクト(0.52)は分解されていない媒体オブジェクトのリストに移動される。
【0095】
考えられる媒体オブジェクトのリストが取得される場合、大部分の原因オブジェクトを引き起こす媒体オブジェクトが検出される。次に原因オブジェクトは分解された原因オブジェクトのリストの中に移動され、媒体オブジェクトが分解されていない媒体オブジェクトのリストに追加される。これは、原因オブジェクトのリストが空になるまで繰り返される。
【0096】
前記手順は、(因果関係が元の原因まで遡られるように)あらゆる分解されていない媒体オブジェクトについて繰り返される。したがって、このケースでは、前記手順が媒体要素0.52について繰り返され、この反復に関連付けられたツリーに対する媒体オブジェクト0.51の追加を生じさせる(図10D)。
【0097】
ツリーの構築(ステップ62から66)の後には、ツリーの中のオブジェクトの並べ替え(ステップ68及び70)が続く。
【0098】
並べ替え(ステップ68)の第1の段階は、ユーザが入力する順序情報を考慮する。これは、オブジェクトに関連付けられる順序位置メタデータにより識別されるように正しい順序にツリーのノードを位置付けるために、既知の「クイックソート(Quicksort)」アルゴリズムを使用して行われる。これは、ツリーの上部で開始してから、ツリーの葉(つまり、媒体オブジェクト)に向かって移動して行われる。
【0099】
並べ替えの第2の段階は、グループのメンバー又はグループのメンバーの子孫(つまり、ツリーのさらに下方のオブジェクト)の間の原因/影響のつながりを考慮に入れる。グループがこのような原因/影響のつながりを有さない場合には、この並べ替えの段階はそれらのグループに対して実行される必要がない。
【0100】
並べ替えの第2の段階は、(それが媒体オブジェクトである場合)全ての原因及び影響がそれに、あるいは(それがコンテナである場合)その子孫のどれかに付着した状態でツリーの中のグループの各メンバにラベルを付けることにより開始する。
【0101】
次に、追加のラベルが、aがbを引き起こし、bがcを引き起こす場合には、aがcを引き起こすという論理関係を反映するためにオブジェクトメタデータに追加される。同じ事は、fがeにより引き起こされ、eがdにより引き起こされる場合にはfはdにより引き起こされるという論理関係を反映するために行われる。
【0102】
既知のQuicksortアルゴリズムは、次に原因が影響の前に示されていることを確実にするために使用される。当業者が理解するように、Quicksortのインプリメンテーションにより、ユーザは、それに渡される2つのオブジェクトの順序を示す関数を定義できる。このケースでは、bが原因bである前にaが行き、dがcにより引き起こされる場合にdがcの後に来ることを示す関数が提供される。
【0103】
したがって、第2の反復の並べ替えステップ(ステップ68と70)の最後に、媒体要素0.12、0.51、0.52及び0.53がフットボールゴールハイライトテンプレート(図6)に画定される中央セクションと関連付けられているツリーの葉ノードを形成する。
【0104】
テンプレートポピュレータは、次にあらゆる制約を評価し、相応してツリーを更新する(ステップ72)。時間制約を評価するためには、ツリーの中に含まれている各媒体オブジェクトの継続時間が「イン」プロパティから「アウト」プロパティを差し引くことにより計算され、これらの継続時間は実際の継続時間に達するためにともに追加される。この継続時間がターゲット継続時間より長いと判明すると、媒体オブジェクトはツリーから削除される。この継続時間がターゲット継続時間より短い場合には、媒体オブジェクトはツリーに追加される。
【0105】
この実施形態では、ツリーのこのプルーニング又は成長は、媒体オブジェクトに関連付けられる関心値のメタデータに従って行われる。
【0106】
実際の継続時間がターゲット継続時間より長い場合には、次に示すプロセスが実行される。
【0107】
1)ターゲット継続時間と実際の継続時間の間の差異が、ツリーの中の最も短い媒体要素の継続時間より短い場合には、プロセスは終了する。
【0108】
2)それ以外の場合、ツリーの中の媒体オブジェクトのリストが作成され、このリストは「関心値」プロパティの順序で並べ替えられる。
【0109】
3)最低値を有する媒体オブジェクトは(このオブジェクトがリストの中の他の媒体オブジェクトの1つ以上の原因ではないと仮定して)ツリーから削除され、実際の継続時間が計算し直される。ターゲット継続時間と実際の継続時間の間の差異は計算し直され、前記ステップは、差異がツリーの中に残る最も短い媒体要素の継続時間より短くなるまで繰り返される。
【0110】
実際の継続時間がターゲット継続時間より短い場合には、次に示すプロセスが実行される。
【0111】
A)セクションの中の照会はその最後の「AND」演算子、及びその後の条件を削除することにより、あるいは「AND」演算子がない場合には、「関心値」>0.6のような条件が後に続く「OR」演算子を追加することにより修正される。次に現在のセクションの新しいツリーは元のツリーと同じような方法で作成される。このプロセスは、実際の継続時間がターゲット継続時間より長くなるまで繰り返される。それ以後、前記ステップ1)から3)が実行される。
【0112】
いったんこのプルーニング又は成長(growth)が実行されると、第2の反復が終了する。
【0113】
第3の反復が媒体オブジェクト0.99を備えるツリーを単に生成するにすぎないであろうことは明らかであろう。
【0114】
全てのセクションが媒体オブジェクトメタデータとともに入力され、照会に従って順番に配列されると、制約及びユーザの好みが提供され、テンプレートポピュレータは、ループの3つの反復で生成されるツリーの葉で検出される媒体要素を連結することにより、編集決定リスト(図11)を出力する(ステップ78)。
【0115】
テンプレートポピュレータプログラムモジュール(46)により作成される編集決定リスト(図11)は、コンテンツシンセサイザモジュール(48)に渡される。この例では、コンテンツシンセサイザモジュールは、ストリーム化されたビデオプレゼンテーションの中で1場面ずつ出力するか、あるいはプログラムファイルを作成するために場面をまとめて連結する。
【0116】
コンテンツシンセサイザは、消費者に対する個人向けの媒体製品の中に媒体要素の集合を自動的に合成するためのプロセスを提供する。シンセサイザは、それが媒体要素の集合の位置を付け、完成した媒体製品の中に組み込むために編集決定リスト(図11)を使用するという点で従来の非線形編集システムに類似している。しかしながら、従来の編集ツールは製作後だけに使用され、エディタの施設内に常駐する一方、コンテンツシンセサイザはネットワークの端縁で、あるいは実際には(PC又はパーソナルデジタルレコーダなどの)消費者のデバイスの中に配備できる携帯軽量アプリケーションである。これは、媒体製品は、達成できる個人化のレベルという点でかなりの利点をもって送達点で合成できることを意味する。さらにテンプレート、媒体オブジェクト又はユーザプロファイルを含むいかなるメタデータの変更も、その結果として生じる媒体製品内で動的に反映できる。
【0117】
消費者によって呼び出されると、コンテンツシンセサイザは、ユーザプロファイル及びテンプレートを、上記のようにこれらを処理し、シンセサイザに編集決定リストを戻すテンプレートポピュレータに渡す。編集決定リストは、次に、どの媒体要素が必要とされるか、及びそれらがどのようにして互いと対話するのかを発見するために解析される。コンテンツ記憶装置50の中の多様な媒体要素に対する多様な参照を備えるタイムラインは、次にこの情報に従ってアセンブルされる。遷移影響(その例はANSI/SMPTE 258M/1993規格に定義される)は必要とされる場合に媒体に適用される。最後に、キャプションテキスト及びグラフィカルオーバレイが解析され、次に、それらがいかなる他のグラフィック要素の上で可視であることを確実にする高い優先順位でタイムラインに追加される静的画像にレンダリングされる。
【0118】
いったんタイムラインがアセンブルされると、個人向けプレゼンテーションは、Apple Quicktime又はMicrosoft DirectShowなどの適切な媒体コンポジタ技術を使用して、リアルタイムでレンダリングされる。該コンポジタのモジュール性質は、コンテンツシンセサイザがセットトップボックスなどの埋め込みアーキテクチャ内でさらに容易に実現できるであろうことを意味する。
【0119】
本発明の好適な実施形態により提供されるグラフィカルユーザインタフェースは、ここで図11から図20を参照して説明される。
【0120】
図12は、図1のコンピュータ上で媒体製品アプリケーションプログラムが実行されるときに表示されるアプリケーションウィンドウを示す。それが多くの周知のグラフィカルユーザインタフェース構成要素を提供することが分かるであろう。
【0121】
図13は、開くためのプロジェクトを選択するためにファイルメニュー又は「オープン」ボタンを使用することによって、ユーザが「プロジェクト」を選択した後のディスプレイを示す。この好適な実施形態では、コンテンツ記憶装置50の中のディレクトリ構造は最高レベルのプロジェクトディレクトリに編成され、それぞれが1つ以上の「媒体ビン」、つまり、媒体要素の集合体、及び1つ以上の「テンプレートビン」を保持するディレクトリ、つまり、テンプレートの集合体を保持するディレクトリを含む。図13では、ユーザが「製紙工場(Paper Mill)、03.db」プロジェクトを開くと、プロジェクトサブウィンドウが表示され、「用紙媒体」及び「juliamark」と呼ばれる2つの媒体ビン、及び「用紙テンプレート」と呼ばれる1つのテンプレートビンを含むことを示す「製紙工場03.db」プロジェクトディレクトリが表示される。
【0122】
図14は、ユーザが「用紙媒体」媒体ビンをダブルクリックすると開く、追加のサブウィンドウを示す。このサブウィンドウは、それぞれが多数の列の入力を含む複数の行を表示する。図から分かるように、サブウィンドウのタイトルバーの上でマウスポインタを移動させることによって、媒体要素を記述するための構造化データモデルに含まれる全ての属性のリストが、ユーザに与えられる。マウスでクリックすることにより、ユーザはその構造化されたデータモデルの中のどの要素が「用紙媒体」媒体−ビンサブウィンドウの中に表示されるのかを選択できる。構造化データモデルは、図3に図示されるメタデータの下にある構造化データモデルに密接に対応することに留意されたい。
【0123】
各行の第1列に提供されるサムネイル(thumbnails)の1つをダブルクリックすると、サムネイルが表す媒体要素に関連付けられたメタデータが追加のサブウィンドウ(図15)に示される。それぞれの属性に与えられる値は編集可能である。加えて、属性のいくつかはそれらに関連付けられた語彙(つまり、属性のための限られた数の所定値)を有する。これが当てはまる場合は、値フィールドを右クリックすると、それらの所定の値を含むドロップダウンリストが表示される。ユーザは、通常の方法でこのリストからそれらの所定の値の1つを選択できる。
【0124】
ユーザが図14に描かれているサブウィンドウに含まれる複数の(及びおそらく全ての)媒体要素を選択し、右クリックし、「関係性」オプションを選択すると、追加のサブウィンドウが、選択の中に含まれる多様な媒体要素の間の関係性を示すディスプレイ(図16)に追加される。図4Aから図4Gに図示される方法に類似した方法で、媒体要素のグループが実線境界線の中に対応するサムネイルを封入することによって描かれており、左上角近くの矢印記号を含む境界線を除きシーケンスも類似して示されている。やはり描かれているのは、第1の実施形態に関して説明されたような原因オブジェクトを表す2つの菱形である。左側の原因オブジェクトは、原因/影響関係性が媒体要素JKY08a及びJKY08bの間に存在することを示す。
【0125】
前述された第1の実施形態の改良版では、ユーザは原因オブジェクトを表す菱形形状を右クリックすることができ、それからオプション、つまり「後方」、「前方」、「双方向」、「全て切り離す」及び「削除」のリストを与えられる。最初の3つは、前記第1の実施形態に関して説明されるツリー拡張プロセスが、それがそれに付着される原因オブジェクトを有する媒体要素を選択するときにツリーを拡大する方法を参照している。「前方」が選ばれると、JKY08aの選択はJKY08bがツリーに追加されていることになるが、逆もまた同様ではない。「後方」には反対の効果がある。つまり、JKY08bが選択されると、JKY08aがツリーに追加されるが、逆もまた同様ではない。「双方向」が選択されると、どちらか一方を選択したことで他方でのツリー拡張が増す。「前方」、「後方」、及び「双方向」の選択肢は図3Bのメタデータの追加行として記憶される。
【0126】
図17は、ユーザが編集メニューから「語彙」オプションを選択することによって開くことができる「語彙」サブウィンドウを示している。媒体オブジェクトのための下にある構造化データモデルは、再度、サブウィンドウの左上ボックス内で見られる。ユーザは語彙、つまり、そのデータモデルでユーザが選択した任意の属性の許容値のリストを定義してよい。図17では、ユーザは属性「場所」を選択し、値「運河(canal)の側」、「製紙工場」、及び「セインズベリー(Sainsbury)」をその属性の考えられる値として定義した。この語彙は、現在選択されているプロジェクトと関連付けられ、オブジェクト指向データベースに記憶されている(図2から図54)。
【0127】
図17は、構造化データモデルの拡張性も描いている。この拡張性は、ユーザがドメインに特定の属性を追加できるようにすることによって有効にされる(このような属性の例も図3に含まれていることが思い出されるであろう)。ドメインの特定の属性は、ドメインに特定の属性を追加又は削除するために使用されてよい「追加」ボタン及び「削除」ボタンのように、図17に描かれているサブウィンドウの底部左側ボックスに示されている。ドメインの特定の属性は、現在開いているプロジェクトに関連付けられたデータモデルに追加される。
【0128】
図18は、図6に図示されているテンプレートメタデータに類似したテンプレートメタデータを生成するためにユーザが従うステップを描いている。媒体オブジェクトメタデータの生成の場合と同様に、ユーザは最初にプロジェクトサブウィンドウを開く。その後、ユーザは、「照会ビルダ」サブウィンドウを立ち上げるために、表示されたテンプレートビンの1つの上でダブルクリックする(図示されている例では、ユーザは「用紙テンプレート」テンプレートビン上でダブルクリックした)。そのサブウィンドウの左側のツリー構造は、それぞれ「新しい場面」がセクションに対応する、図6のテーブルに類似していることが分かる。
【0129】
ツリー構造の中の円は、媒体ビンから媒体オブジェクトを選択するフィルタを表す。以下のとおりに3つのタイプのフィルタがある。
【0130】
i)「=」又は>又は<、又は≠を含む円
これらのフィルタは、ユーザにより選択された属性について、円に沿って示される値に等しい、あるいはその値より大きい等、その属性のための値を有する媒体ビンの中の全ての媒体オブジェクトを選択する。
【0131】
ii)円に沿って示される文字列を含む媒体ビンの中で全ての媒体オブジェクトを選択するフィルタを表す(*)を含む円
フィルタリング動作の結果を結合するために使用される論理演算子はコンバイナとして知られ、三角形として表示されている。「ランダム」、「順次」及び「どちらか/又は」と呼ばれる3つのタイプのコンバイナがある。
【0132】
順次コンバイナは、それらがツリーの中に位置付けされる順序で、ツリーの中のそのすぐ下に単にフィルタリング動作の結果を表示するにすぎない。各順次コンバイナはそれを通るまっすぐな矢印を有する。例は、図18に示されている「機械(860)」テンプレートの第1のセクションと第3のセクションに見られている。
【0133】
ランダムコンバイナは、ランダムな順序でツリーの中でその下に1つ以上のフィルタの結果を表示する。ランダムコンバイナは、それを通るジグザグ矢印を有する。例は、図18に見られる機械(860)テンプレートの第2のセクションに見られる。
【0134】
どちらか/又はコンバイナ(図示せず)は、その下に2つのフィルタ枝の結果を選択する。どちらか/又はコンバイナはそれを通る分割矢印を有する。
【0135】
図19は、どのようにしてユーザがツリーを修正し、図7に示されているテンプレートデータに類似したテンプレートデータを作成できるのかを示している。フィルタが追加されると、ユーザは属性の選択肢を与えられ、所望される値を入力できる。
【0136】
ツリーに追加できる別の要素は「ファンネル(funnel)」である。これは、フィルタのように動作し、ツリーの中のさらに高い段階までのユーザによって定義された数の無作為に選ばれた媒体オブジェクトだけを可能にする。
【0137】
フィルタがネスト化される場合、それぞれが、代わりにツリーをさらに下がったフィルタの結果まで適用される。
【0138】
編集決定リストを作成するために、ユーザは、テンプレートが選択される間にツールバーの中の「!」と記されるボタンをクリックする。編集決定リストは次に、ツールバー上の適切なボタンが押されると表示される編集決定リスト履歴サブウィンドウに追加される。そのウィンドウ内の編集決定リストの上を右クリックすると、ユーザは、その編集決定リストに従ってビデオを再生するオプションと、ストーリーボード(図20に図示される結果)をプレビューするオプションと、編集決定リストをインポート又はエクスポートするオプションと、そのテキスト形式で編集決定リストを編集する、又は編集決定リストを削除するオプションとを与えられる。
【0139】
追加機能は本発明の好適な実施形態の改良版で提供される。ユーザに対してこの機能を提供するグラフィカルユーザインタフェースは図21に描かれている。ワード「ジャッキー(Jacky)、問題」を選択し、フィルタを挿入すると、ユーザにはチェックボックスが提示される。そのチェックボックスにチェックマークを付けると、ユーザは図示されるようなドロップダウンコントローラのリストを与えられる。それらのコントローラの1つを選択することによって、ユーザはそのフィルタに「コントローラ」を適用できる。コントローラは複数回提供できる(第1のコントローラが図21に描かれているテンプレートで二回適用されていることが分かるであろう)。
【0140】
図22は、1組のスライダ制御装置がユーザによって移動できることを示している。例えば、一番上のスライダをさらに左側の位置にドラッグすることによって、コントローラ#1に関連付けられた「Conceptual_PlotValue」が削減できる(又は逆も同様である)。スライダの位置を改変することにより、ユーザはフィルタを定義し直さなければならないよりもむしろ、媒体製品プレビューウィンドウ(図22)からじかに照会ビルダにより生成されるテンプレートを変更することができる。これは、テンプレートの中のフィルタを更新するさらに容易な方法を与えるだけではなく、照会ビルダ等に対するアクセスを必要としない簡略化されたユーザインタフェースの基礎も形成する。言い換えると、非技術系のユーザには、注文品のビデオプレゼンテーションを生成するための手段が与えられる。
【0141】
本発明は、多くの異なる方法で具現化されてよい。例えば、前述された実施形態は、本発明の代替実施形態を提供するために下記に一覧表示される方法の1つ以上で改変されてよい(このリストは決して網羅的ではない)。
【0142】
i)前記実施形態では、入力プログラムモジュールが、所定の構造を有するデータ構造を生成した。いくつかの実施形態では、所定の構造はXMLスキーマ指針に準拠した文書により提供される。
【0143】
ii)テンプレートの中の制約の項はユーザによって可変である可能性がある。例えば、ユーザは、自分が見ることを希望する媒体製品の継続期間を選択できるグラフィカルユーザインタフェースを与えられるであろう。対応する値は、次にテンプレートポピュレータプログラムによってテンプレートオブジェクトに追加できる。
【0144】
iii)各選択又は選択の組み合わせに追加される可能性のある1つの制約は、指定された媒体要素が完成した媒体製品に現れる回数に関する制約であるであろう。例えば、任意の媒体要素が指定された媒体製品では一度だけ現れなければならないことが指示される可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶されている媒体データの第1の集合と関連付けられたデジタルメタデータを分析することであって、該デジタルメタデータは、
記憶されている媒体データの第2の集合を識別する関連集合アイデンティティデータと、
記憶されている媒体データの前記第1の集合によって表現されるものと、記憶されている媒体データの前記第2の集合によって表現されるものとの関係性を示す関係性データと、
を含むものと、
前記分析に従って媒体製品の中で記憶されている媒体データの前記第1の集合及び前記第2の集合を構成することと、
を含む、媒体製品を自動的に構成する方法。
【請求項2】
前記集合アイデンティティデータ及び前記関係性データを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メタデータは、記憶されている媒体データの前記集合により表現されるものを示すコンテンツデータをさらに含み、前記方法は、記憶されている媒体データの複数の集合から前記コンテンツデータに依存して記憶されている媒体データの1つ以上の集合を選択するステップをさらに含み、前記1つ以上の集合が記憶されている媒体データの前記第1の集合及び第2の集合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のこのような選択を行うことと、
前記選択の前記結果を連結することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記配列するステップは、ユーザが、記憶されている媒体データの前記第2の集合により表現されるものを見る又は聞く前に、又は後に、記憶されている媒体データの前記第1の集合により表現されるものを見る又は聞くかどうかを判断するために記憶されている媒体データの前記集合を構成する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
記憶されている媒体データの前記集合はビデオデータを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
記憶されている媒体データの複数の集合のそれぞれについて、記憶されている媒体データの前記集合に表現されているコンテンツと、記憶されている媒体データの1つ以上の他の集合に表現されているコンテンツの間の1つ以上の関係性を示す関係性データを含むメタデータを記憶する1以上の記憶装置と、
前記1以上の記憶装置と通信し、かつ前記関係性データに従って記憶されている媒体データの前記集合又はその識別子を配列することによって、媒体製品を構成するように動作するよう構成された1以上のデジタルプロセッサと、
を含む、媒体製品構成装置。
【請求項8】
前記関係性データは、記憶されている媒体データの前記集合の1つによって表現されるものと、記憶されている媒体データの前記集合の別の集合により表現されるものとの間の因果関係を示す、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記1以上のプロセッサは、ユーザに、該ユーザが前記関係性データを入力できるようにするインタフェースを与えるように動作するようにさらに構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記メタデータはデータベースに記憶され、
前記1以上のプロセッサは前記データベースを照会し、そのメタデータが前記照会で特定された1以上の条件を満たす記憶されている媒体データの集合の識別子を取得するように動作するようさらに構成された、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記データベースはオブジェクト指向データベースを含み、記憶されている媒体データの集合ごとのメタデータは前記オブジェクト指向データベース内のオブジェクトとして記憶される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記関係性データは、前記データベースのオブジェクト間の関係性を定義するデータとして記憶される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
集合のメンバーシップは、コンテナオブジェクトから継承する前記集合の各メンバーによって示される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
記憶されている媒体データの複数の集合を記憶するコンテンツ記憶装置をさらに含み、記憶されている媒体データのそれぞれの集合の前記メタデータは、前記コンテンツ記憶装置内の記憶されている媒体データの前記集合のロケーションに対するポインタを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項15】
前記1以上の記憶装置は、1以上の媒体要素選択基準をさらに記憶し、
前記1以上のプロセッサは、媒体要素識別子の集合を受け取り、前記選択基準に従って媒体要素識別子の部分集合を選択することにより前記入力集合を選択するように動作するようにさらに構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項16】
前記1以上の媒体要素選択基準はテンプレートデータの集合を含み、テンプレートデータの前記集合のそれぞれは充填される複数のスロットと、スロットごとに前記スロットを充填するための媒体要素の1以上の関連付けられている要件を一覧表示し、
前記1以上のプロセッサは、前記スロットのそれぞれについて、そのメタデータが前記スロットの前記1以上の要件に一致する1以上の媒体要素識別子を検索することにより前記部分集合を提供するように動作するようにさらに構成された、請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−150711(P2011−150711A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−41643(P2011−41643)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【分割の表示】特願2004−571920(P2004−571920)の分割
【原出願日】平成15年9月15日(2003.9.15)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】