媒体認識装置、紙幣取扱装置、媒体認識方法
【課題】媒体の挙動を精度良く認識する技術を提供する。
【解決手段】搬送される媒体を認識する媒体認識装置であっ所定の動力源を駆動して媒体を搬送する搬送部と、媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、媒体が搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、媒体画像取得部が媒体の読み取りを行っている際に、動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、動作画像を解析して、搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、取得したパラメータに基づいて媒体画像を認識する媒体認識部とを備える。
【解決手段】搬送される媒体を認識する媒体認識装置であっ所定の動力源を駆動して媒体を搬送する搬送部と、媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、媒体が搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、媒体画像取得部が媒体の読み取りを行っている際に、動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、動作画像を解析して、搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、取得したパラメータに基づいて媒体画像を認識する媒体認識部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される媒体を認識する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣取扱装置、印刷装置、改札機など、搬送される媒体を認識する技術が知られている(例えば、下記特許文献1)。媒体の搬送には、通常、モータを動力源として用いており、モータには媒体の搬送量を検出するためのエンコーダやレゾルバを設けている。また、搬送される媒体を認識するために、媒体の搬送方向に交差するラインセンサを備える。これら装置は、ラインセンサによって取得した媒体のデータを、エンコーダで検知した搬送量や搬送速度によって補正することによって、媒体認識の精度を向上させる。しかしエンコーダを用いた場合、モータの回転量は正確に検出できるものの、用いられているローラの噛み合わせの遊び部分が大きかったり、搬送路で媒体が滑ったりすることがあり、搬送される媒体の挙動を精度良く認識できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−95162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、搬送される媒体の挙動を精度良く認識する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
搬送される媒体を認識する媒体認識装置であって、
所定の動力源を駆動して前記媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、
前記動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、
前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識部と
を備える媒体認識装置。
【0006】
この媒体認識装置によると、媒体の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、媒体の搬送速度が変動しても媒体の挙動を精度良く認識することができる。
【0007】
[適用例2]
適用例1記載の媒体認識装置であって、前記動作画像取得部は、前記ラインセンサを用いて前記動作部を読み取ることによって前記動作画像を取得し、前記媒体認識部は、前記媒体画像と前記動作画像とを時系列的に関連付けた1つの画像として記憶する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、動作画像取得部は媒体画像取得部が用いるのと同じラインセンサを用いて動作部を読み取るので、別途、動作部を読み取るためのセンサを設ける必要がない。
【0008】
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の媒体認識装置であって、前記動作部は、前記媒体の推進力により前記搬送実速度に応じて回転し、回転方向に交差する方向に所定の形態が付された回転体であり、前記動作画像取得部は、前記回転体の前記所定の形態を読み取って画像化して前記動作画像を取得する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体の推進力により搬送実速度に応じて回転する回転体によって搬送実速度を反映したパラメータを取得し、媒体画像を認識することができる。形態とは、形状や模様や色彩を言う。
【0009】
[適用例4]
適用例3記載の媒体認識装置であって、前記所定の形態は、前記回転体の前記回転方向に交差する方向の線画が前記回転方向に等間隔に配列した目盛であり、前記動作画像は、前記目盛が記録された画像であり、前記パラメータ取得部は、前記動作画像として読み取った前記目盛の間隔を認識し、該認識した目盛の間隔に基づいて前記パラメータを取得する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、所定の形態は目盛であるので、回転体を比較的簡易な構成とすることができる。
【0010】
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか記載の媒体認識装置であって、前記媒体認識部は、前記媒体画像の所定の領域を認識することによって前記媒体を認識するとともに、前記所定領域の認識に先立ち、前記パラメータに基づいて前記所定の領域の補正を行う前記媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体画像の所定の領域を簡易な構成で精度良く認識することができる。
【0011】
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか記載の媒体認識装置であって、前記媒体にはセキュリティ情報に対応するセキュリティ画像が記録されており、前記媒体認識部は、前記媒体画像における前記セキュリティ画像を認識することによって前記媒体を認識する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体のセキュリティ情報を簡易な構成で精度良く認識することができる。
【0012】
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の媒体認識装置を備える紙幣取扱装置であって、前記媒体は紙幣であり、前記媒体認識装置によって前記紙幣を認識した結果に基づいて、前記搬送される紙幣の識別を行う紙幣識別部を備える紙幣取扱装置。
【0013】
この紙幣取扱装置によると、紙幣の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、紙幣の搬送速度が変動しても紙幣の挙動を精度良く認識し、紙幣を識別することができる。
【0014】
[適用例8]
搬送される媒体を認識する媒体認識方法であって、所定の動力源を駆動して、前記媒体を搬送し、前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサを用意し、該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得し、前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部を用意し、前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得し、前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識方法。
【0015】
この媒体認識方法によると、媒体の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、媒体の搬送速度が変動しても媒体の挙動を精度良く認識することができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、媒体判別方法および装置、紙幣取扱方法および装置、媒体移動検知方法及び装置、それらのシステム、方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】現金自動取引装置10のハードウェア構成を概略的に示す説明図である。
【図2】紙幣処理機構30の内部構成を説明する説明図である。
【図3】識別部302の内部構成を説明する説明図である。
【図4】A方向から識別部302を模式的に図示した矢視図である。
【図5】搬送画像を説明する説明図である。
【図6】紙幣識別処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れて位置する例を説明する説明図である。
【図8】伸縮位置が基準認識位置から±3mm以内に位置する例を説明する説明図である。
【図9】識別部302Aを説明する説明図である。
【図10】識別部302Bを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施例:
(A1)ハードウェア構成:
図1は、本発明の一実施例としての現金自動取引装置10(以下、ATM10とも呼ぶ)のハードウェア構成を概略的に示す説明図である。ATM10は、例えば、金融機関や小売店、公共施設等に設置され、利用者の操作に従って金融機関等の提供する現金出納等のサービスを自動で提供する装置である。
【0019】
ATM10は、カード機構22と、通帳機構24と、明細票機構26と、硬貨処理機構28と、紙幣処理機構30と、顧客操作部42と、制御ユニット50と、ジャーナル印字機構60とを備える。カード機構22は、カードスロットから挿入されたキャッシュカードから、利用者の口座番号等の情報を読み取るための機構である。通帳機構24は、通帳スロットから挿入された通帳から、利用者の口座番号等の情報を読み取ると共に、通帳に対して取引内容等の印字を行うための機構である。明細票機構26は、利用者の取引内容を印字した明細票を発行するための機構である。
【0020】
硬貨処理機構28は、利用者との間で硬貨の授受を行うとともに、利用者が入金時に投入した硬貨を、硬貨毎に、金種、および真偽の識別をする機構である。紙幣処理機構30は、利用者との紙幣(以降、「紙葉類」とも呼ぶ。)の授受を行う機構である。紙幣処理機構30は、入金時には、利用者が挿入した紙幣を識別し、金種毎に分類した上で保管する。また、出金時には、利用者から指示された金額分の紙幣を繰り出し、入出金口から利用者へ受け渡す。
【0021】
顧客操作部42は、ATM10の前面に設けられたタッチパネルを介して、取引に必要な情報を表示すると共に、利用者からの操作を受け付けるためのユーザインタフェースを提供する。制御ユニット50は、CPUやメモリ、ハードディスク、ネットワークインタフェース等を備えるコンピュータとして構成されており、上述の各機構を制御する。また、制御ユニット50は、紙幣処理機構30を制御することにより、後述する紙幣識別処理を実行する。ジャーナル印字機構60は、利用者との取引内容等を所定のジャーナル用紙に逐次印字するための機構である。なお、ジャーナル印字機構60には、紙媒体に印字する方法に代えて、ICカードや、データベースや、ファイル等の電子媒体を用いて記録を残す電子ジャーナルの方法を採用してもよい。
【0022】
図2は、紙幣処理機構30の内部構成を模式的に説明する説明図である。紙幣処理機構30は、紙幣の真偽、金種などを識別する識別部302、利用者から入金紙幣を受け入れ、利用者へ出金紙幣を放出する入出金口303、紙幣を収納する収納庫304a,304b,304c(以下、まとめて収納庫304と呼ぶこともある)、紙幣を一時的に保管する一時保管庫306を備える。また、紙幣処理機構30は、識別部302、入出金口303、収納庫304、及び一時保管庫306を結ぶ搬送路205を有する。
【0023】
図3は、識別部302の内部構成を説明する説明図である。図4は、図3に図示したA方向から、識別部302の内部構成を模式的に図示した矢視図である。図3、図4を用いて識別部302を説明する。識別部302は、イメージセンサ320と、搬送ローラ322〜325と、ミラー326と、光源327とを備える。イメージセンサ320は、紙幣Pの搬送方向に交差する方向に300dpiの解像度でCCDが配列したラインセンサである。イメージセンサ320は、搬送によってイメージセンサ320を通過する紙幣Pからの画像光をCCDで受光し、CCDから一定のインターバルで信号を読み出すことによって、紙幣Pの外観の画像を撮像する。以下、紙幣Pからイメージセンサ320に入射する画像光を媒体情報とも呼ぶ。
【0024】
搬送ローラ322〜325は、他の搬送ローラの搬送力によって搬送されてくる紙幣Pに直接に接する位置に備えられている。搬送ローラ322〜325は、搬送されてくる媒体の推進力によって回転するローラである。具体的には、搬送ローラ322〜325は、モータや、他のローラとベルトで繋がれるなどはしておらず、紙幣Pの推進力以外の動力によって回転するローラではない。搬送ローラ322〜325は、搬送される紙幣Pに追随して回転し、紙幣Pの搬送実速度に応じて、その回転速度は変化する。
【0025】
搬送ローラ323は搬送ローラ322よりy方向に短い円筒形のローラである。搬送ローラ323の端部、その円筒外周に沿って、5mmの等間隔で目盛Sが付されている。イメージ光源327からの光は、搬送ローラ323で反射した後、ミラー326で反射し、目盛情報としてイメージセンサ320に入射する。イメージセンサ320は、回転する搬送ローラ323からの目盛情報を、媒体情報を読み取るのと同じインターバルで読み取る。つまり、図4から分かるように、搬送ローラ323は、紙幣Pと搬送ローラ323とを、一定のインターバルで同時に読み取る。イメージセンサ320としてのラインセンサは、目盛情報を読み取ることができる十分な長さをy方向に有している。
【0026】
イメージセンサ320には、目盛Sに相当する画像光と、目盛S以外の部分の画像光とが交互に目盛情報として入射する。イメージセンサ320は、媒体情報と共に、目盛情報も上述した一定のインターバルで読み取ることにより、搬送ローラ323の回転の様子を画像化する。イメージセンサ320が媒体情報および目盛情報を読み取るインターバルは、イメージセンサ320に入射した1つの目盛Sに相当する画像光の信号幅と比較して十分に短く設定されている。従って、イメージセンサ320に入射した目盛Sに相当する画像光は、必ず画像化される。
【0027】
図5は、イメージセンサ320が媒体情報と目盛情報とを読み取って画像化した画像(以下、搬送画像Tとも呼ぶ)を説明する説明図である。図示するように、搬送画像Tは、イメージセンサ320をx方向に通過する紙幣Pと紙幣Pの搬送に追随して回転している搬送ローラ323とを、所定のインターバルで読み取り、これを読み取り順序に従って配列した結果得られる画像である。このように、図5のx方向に搬送される媒体を所定のインターバルで読み取り画像を取得することを、「経時的に撮像する」と呼ぶ。搬送画像Tにおいて、媒体情報に基づく画像を媒体画像Mと呼ぶ。また目盛情報に基づく画像を回転画像Rと呼ぶ。イメージセンサ320を通過する紙幣Pの搬送速度が一定の場合には、媒体画像Mはx方向に等しい縮尺で等間隔に撮像された画像となる。また、紙幣Pの搬送速度が一定の場合には、搬送ローラ323の回転速度は等速であるため、回転画像Rとして記録された目盛は等間隔となる。以下、イメージセンサ320を通過する紙幣Pの搬送速度が一定の場合に記録された搬送画像を定速搬送画像とも呼ぶ。
【0028】
搬送される媒体が本実施例のように紙幣の場合、図示するように、紙幣の真贋を判定するためのセキュリティ情報としてアルファベットや数字からなる記番号が記録されており、媒体画像Mにも記番号Nが画像として記録される。図5には、記番号Nと共に、後述する紙幣識別処理において用いる記番号認識位置、記番号認識幅、基準位置、記番号認識領域Fを示している。これらについては後で説明をする。
【0029】
(A2)紙幣識別処理:
制御ユニット50が識別部302を制御して行う紙幣識別処理について説明する。紙幣識別処理は、紙幣の金種および記番号の識別を行う処理である。図6は、紙幣識別処理の流れを示したフローチャートである。制御ユニット50は、紙幣識別処理を開始すると、イメージセンサ320を通過する紙幣Pを検知し、経時的に媒体情報と目盛情報とを撮像し、搬送画像Tを取得する(ステップS102)。イメージセンサ320を通過する紙幣Pの検知は、イメージセンサ320で行うとしてもよいし、搬送ローラに紙幣Pの通過を検知するセンサを別途備えるとしてもよい。
【0030】
搬送画像Tを取得すると、制御ユニット50は、媒体画像M全体を認識して(ステップS104)、イメージセンサ320を通過した紙幣Pの金種及び、紙幣Pが傾いていないか否か(紙幣Pの姿勢)を確認する(ステップS106)。本実施例においては、紙幣Pの姿勢は傾いていないものとして説明をする。媒体画像Mにおいて紙幣Pが傾いている場合には、媒体画像Mを補正することによって傾きを修正する。その後、制御ユニット50は、回転画像Rとして記録されている目盛を認識して、目盛が等間隔であるかを確認する。目盛が等間隔である場合には(ステップS108:YES)、記番号認識領域Fの記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、制御ユニット50は記番号認識および紙幣の識別を行う(ステップS126)。
【0031】
ここで、図5を用いて、制御ユニット50が行う記番号認識について説明する。記番号認識は、媒体画像M全体の認識(ステップS104参照)とは別に、取得した搬送画像Tにおける記番号Nに範囲を絞ってさらに認識することで、記番号を高精度に認識する処理である。記番号認識は、紙幣の真贋判定や、ATM10からの紙幣の入出金の管理等に用いられる。
【0032】
記番号認識をする場合の認識領域(以下、記番号認識領域F)の位置と範囲は、制御ユニット50に予め設定されている。記番号認識領域Fの位置を規定するのが図5に示した記番号認識位置であり、認識をする幅を規定するのが記番号認識幅である。記番号認識位置は、紙幣の搬送方向をx方向とした場合の、紙幣の上端である基準位置からのx方向の距離によって規定されている。記番号認識位置は、定速搬送画像上においては、x方向における記番号Nの中心に位置する。記番号認識幅は、記番号認識位置を基準に規定されており、定速搬送画像上においては、記番号認識位置を0とした場合の、x方向の±4mmの範囲である(図5参照)。また、記番号は記番号認識位置から±2mmの幅で記録されている。このように、定速搬送画像を基準として、制御ユニット50に予め設定されている記番号認識位置および記番号認識幅を、基準認識位置および基準認識幅と呼ぶ。
【0033】
説明を紙幣識別処理(図6)に戻す。上述したように、制御ユニット50は、回転画像Rとして記録されている目盛情報を認識して、目盛が等間隔であるかを確認し、目盛が等間隔である場合には(ステップS108:YES)、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定した記番号認識領域Fを用いて(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。
【0034】
一方、回転画像Rの目盛を認識して、目盛が等間隔ではない部分(伸縮部分)を検知した場合(ステップS108:NO)、制御ユニット50は、目盛間隔の伸縮している位置(伸縮位置)と伸縮の幅(伸縮幅)とを検知する(ステップS110)。本実施例においては、伸縮位置は、伸縮している範囲の内、最も基準位置に近い位置と定義する。
【0035】
制御ユニット50は、回転画像Rにおける目盛間隔の伸縮を検知することにより、媒体画像Mの伸縮を検知する。搬送画像Tは、媒体情報と目盛情報とを一定のタイミングで経時的に記録した画像であるため、搬送画像Tとして媒体情報と目盛情報とを撮像中に搬送実速度が変動した場合には、搬送画像Tにおいて、回転画像Rおよび媒体画像Mはx方向に伸縮することとなる。搬送速度が変動するのは、紙幣Pが回転速度の異なる種々の搬送ローラを通過することや、紙幣Pが搬送ローラ上で滑ることに起因する。紙幣Pの搬送速度が通常より速い場合には、目盛間隔(回転画像R)および媒体画像Mの高さは縮む。紙幣Pの搬送速度が通常より遅い場合には、目盛間隔(回転画像R)および媒体画像Mの高さは伸びる。
【0036】
制御ユニット50は、伸縮位置を確認した結果、伸縮位置が、基準認識位置からx方向に-3mm以上手前に離れた位置である場合(ステップS112:-3mm以上手前)、すなわち伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合には、記番号Nの画像自体の歪みは直接影響しないことから、伸縮位置の伸縮幅に応じて、記番号認識位置のみを補正し(ステップS114)、その後、記番号認識を行う(ステップS126)。制御ユニット50は、記番号認識幅の補正は行わない。伸縮幅とは、伸縮が無いとした場合の目盛間隔と、伸縮によって伸縮した目盛間隔との差分の長さを言う。
【0037】
図7は、伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合の一例を示す説明図である。伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合には、伸縮位置の伸縮幅に応じて、記番号認識位置のみを補正することによって、搬送画像Tにおける記番号Nを記番号認識領域F内に入れることができる。例えば、伸縮位置が基準認識位置から-3mmより手前であり、伸縮幅が+4mmの場合、記番号認識位置をx方向に+4mmの補正をする。このように補正をすると、媒体画像Mにおける記番号Nは、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0038】
伸縮位置が基準認識位置よりx方向に+3mm以上離れた位置である場合には(ステップS112:+3mm以上)、制御ユニット50は、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。記番号認識領域Fのx方向の位置を規定する記番号認識位置は、基準位置からの距離によって定めている。したがって、基準認識位置よりx方向に+3mm以上離れた位置に伸縮が存在している場合には、記番号認識位置の補正はしなくても、搬送画像Tに記録されている記番号Nは記番号認識領域F内に入ることになる。
【0039】
伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置する場合(ステップS112:−3mm〜+3mm)、制御ユニット50は、その伸縮が、「伸び」であるか「縮み」であるかを判断する(ステップS118)。その伸縮が「縮み」である場合には(ステップS118:「縮み」)、制御ユニット50は、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に伸縮がある場合であっても、伸縮が縮みである場合には、搬送画像Tに記録されている記番号Nは、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0040】
制御ユニット50は、その伸縮が「伸び」である場合には(ステップS118:「伸び」)、基準認識位置を中心にして、記番号認識幅に、伸び幅分をx方向のプラス側とマイナス側に加算した幅に補正する(ステップS120)。本実施例では、基準認識位置を中心に伸び幅分を加算する補正を行うが、伸縮位置を挟む2つの目盛のいずれか一方を基準にして記番号認識幅を加算する補正を行うとしてもよいし、伸びの態様に応じて、記番号認識幅の補正を行う基準を変えるとしてもよい。
【0041】
図8は、伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置する場合の一例を示す説明図である。図示するように、伸縮位置が伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置している場合には、補正前の記番号認識幅では記番号Nが記番号認識領域F内に入らない場合が生じる。補正前の記番号認識幅に伸び幅分を加算して新たな記番号認識幅として設定することにより、記番号Nが、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0042】
その後、制御ユニット50は、記番号認識幅の補正を行った後の記番号認識領域F内に、記番号N以外のセキュリティ情報(ホログラムなど)が入っていないかを確認する(ステップS122)。記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入っていない場合には(ステップS122:NO)、制御ユニット50は、ステップS120で設定した認識幅を記番号認識幅として記番号認識を行う(ステップS126)。
【0043】
記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入っている場合(ステップS122:YES)、記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入り込まないように、記番号認識幅を短くする補正を行う(ステップS124)。例えば、ステップS120において記番号認識幅を補正した結果、記番号認識領域F内に紙幣に記録されているホログラムが入り込む場合には、記番号認識領域Fとホログラムとの間隔を1mm確保できるように、記番号認識幅を短くする補正を行う。記番号認識として記番号認識領域Fを認識した際に、ホログラムが入り込むことによって記番号Nの認識の精度が低下するのを回避するためである。制御ユニット50は、補正を行った後の記番号認識幅によって、記番号認識を行う(ステップS126)。このようにして、制御ユニット50は紙幣識別処理を行う。
【0044】
以上説明したように、搬送ローラ323は、紙幣Pの推進力のみによって回転するので、ATM10は、精度良く紙幣Pの搬送実速度を検知することができる。またエンコーダと比べて、比較的簡易な構造によって実現することができる。さらに、本実施例のATM10は、目盛情報と媒体情報とを画像化し、媒体画像Mと回転画像Rとが経時的に並列に配置された搬送画像Tを用いて伸縮位置を検知して、記番号認識領域F(記番号認識位置と記番号認識幅)の補正を行う。従って、比較的簡易な処理で、搬送実速度を反映した、精度の高い記番号Nの認識を行うことができる。本実施例においては、目盛情報と媒体情報とはいずれもイメージセンサ320で取得することから、低コスト化および構造の簡易化を実現することができる。
【0045】
搬送ローラ323には目盛以外にも、正弦曲線やその他蛇行する曲線、周期的な凹凸形状など種々の形態を採ることが可能であるが、本実施例においては等間隔の目盛を採用することで、回転画像として記録される目盛の間隔を認識するという比較的簡易な処理で伸縮の検知が可能となる。また、搬送ローラ323に目盛を付することも、他の形態を付するよりも簡易である。本実施例においては、高精度に搬送される媒体を認識することが可能であるため記番号のようなセキュリティ情報の認識には特に有効である。
【0046】
特許請求の範囲との対応関係としては、識別部302が特許請求の範囲に記載の媒体認識装置に相当し、搬送路205および搬送路に設けられた紙幣Pを搬送するための動力を有する搬送ローラが特許請求の範囲に記載の搬送部に相当し、搬送ローラ323が特許請求の範囲に記載の動作部に相当する。回転画像Rが特許請求の範囲に記載の動作画像に相当し、記番号認識領域Fを規定する記番号認識位置および記番号検知幅が特許請求の範囲に記載のパラメータに相当し、現金自動取引装置10が特許請求の範囲に記載の紙幣取扱装置に相当する。
【0047】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0048】
(B1)変形例1:
上記実施例では、識別部302は、図3で説明した構成としたが、それに限らず種々の態様を採用することができる。図9は、変形例1としての識別部302Aの構成を説明する説明図である。識別部302は、紙幣Pを搬送する搬送ベルト328Aと、搬送ベルト328Aを駆動するための駆動力を有する搬送ローラ323A、324Aを備える。紙幣Pは搬送ベルト328の搬送速度に追随して搬送される。また搬送ローラ323Aは、搬送ローラ323と同様に目盛Sが付されており、搬送ベルト328の搬送速度に追随して回転する。光源327Aは搬送ローラ323Aを照射する。搬送ローラ323Aからの反射光はミラー326Aで反射して、目盛情報としてイメージセンサ320Aで読み取られる。後の処理は、上記実施例と同様なので説明は省略する。
【0049】
本構成においては、搬送ローラ323A、324Aと搬送ベルト328Aとの間で滑りが生じ、搬送ベルト328Aの搬送速度が、搬送ローラ323A、324Aの回転速度に応じた搬送速度とならない場合でも、搬送ローラ323Aは搬送ベルト328Aの搬送速度に追随して回転する。よって、識別部302Aは、上記実施例同様、紙幣Pの搬送実速度を反映して精度良く記番号の認識を行うことができる。
【0050】
また、その他の態様として図10に示した構成を採用することができる。図10には、変形例1としての識別部302Bの構成を説明する説明図である。識別部302Aとの違いは、搬送ローラ322B、324Bは、駆動力を有さず、紙幣Pは他の駆動力によって搬送される。搬送ベルト328Bは、紙幣Pの推進力によって紙幣Pに追随して回転する。搬送ベルト328Bには、等間隔の目盛Sが付されている。光源327Bは搬送ベルト328Bを照射する。搬送ベルト328からの反射光はミラー326Bで反射して、目盛情報としてイメージセンサ320Bで読み取られる。後の処理は、上記実施例と同様なので説明は省略する。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。その他、図9,図10において、搬送ベルト328A,搬送ベルト328Bを透明な材質(例えば、透明フィルム)とし、透過光によって目盛を読み取るとしてもよい。
【0051】
(B2)変形例2:
上記実施例においては、搬送ローラ323は紙幣Pに直接的に接するものとしたが、これに限ることなく、搬送ローラ323は、紙幣Pの推進力を間接的に受けて回転するローラであるとしてもよい。例えば、搬送ローラ323とは異なるローラ(ローラ323aとする)が紙幣Pと直接的に接して回転し、ローラ323aと接する搬送ローラ323が、搬送ローラ323aの回転力によって回転するとしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(B3)変形例3:
上記実施例においては、搬送ローラ323には等間隔の目盛を付したが、目盛に変えて、規則的な形状を有する蛇行線や、点や、升目などの光学的に読み取り可能な模様を付すとしてもよい。搬送ローラ323の目盛間隔は5mmとして説明したが、1mmや、2mmや、7mmなど、回転画像Rとして目盛が記録され一部の目盛が消失することがない範囲で、任意の間隔によって目盛を付すとしてもよい。また、目盛や蛇行線など平面的な模様に限らず、搬送ローラ323の表面に、光学的に読み取り可能な立体的な凹凸を形成するとしてもよい。その他、搬送ローラ323の表面の材質が、2以上の異なる材質で構成され、材質の違いに起因する反射率の違いにより、搬送ローラ323の回転を光学的に読み取るとしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(B4)変形例4:
上記実施例においては、媒体画像と回転画像とを用いた媒体の認識技術を、紙幣Pを識別する現金自動取引装置10に適用して説明したが、それに限ることなく、搬送される印刷媒体を認識する印刷装置や、搬送される切符や定期、カードなどの記録媒体を認識する検札機など、搬送される媒体を認識する装置に適用することができる。また、媒体は紙やカード等の平面媒体に限らず、立体形状をした媒体にも適用可能である。例えば、物流業界において、物流品の配送先を仕分ける際に、物流品に貼り付けられている伝票に記載されている住所や宛名など伝票の記載内容を高精度に読み取る際にも適用することが可能である。
【0054】
(B5)変形例5:
上記実施例においては、搬送される紙幣Pと搬送ローラの目盛とを、媒体情報と目盛情報として同じイメージセンサ(イメージセンサ320)によって読み取ったが、それに限ることなく、媒体情報と目盛情報とを異なるイメージセンサで読み取るとしてもよい。また、上記実施例においては媒体画像Mと回転画像Rとは搬送画像Tとして1つの画像に含まれているが、媒体画像Mと回転画像Rとを1つの画像にせず、別個の画像として扱ってもよい。この場合、先に、取得した回転画像Rから伸縮位置を認識した後に、両画像に付されたタイムコードなどを用いて媒体画像Mにおける伸縮位置を特定する。そして特定した伸縮位置に基づいて記番号認識領域Fの記番号認識位置と記番号認識幅とを補正し、媒体画像Mに適用することで、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(B6)変形例6:
上記実施例においては、搬送ローラ322を通過する際の搬送速度が予め定速に設定されている場合について説明したが、予め設定されている搬送速度が加速や減速を伴うとものであってもよい。この場合、設定された搬送速度で紙幣が搬送されたとしても、回転画像上の目盛の間隔は等間隔とはならないが、設定された搬送速度で搬送された場合の目盛の間隔(以下、基準目盛間隔とも呼ぶ)を予め記憶しておき、回転画像における目盛間隔と基準目盛間隔とを比較することにより、伸縮位置の特定が可能であり、その後の、記番号認識領域Fの補正および記番号の認識も、上記実施例同様に高精度に行うことができる。
【0056】
(B7)変形例7:
上記実施例においては、搬送画像Tの伸縮を認識した場合には、記番号認識領域Fの記番号認識位置および記番号認識幅を補正したが、それに限らず、伸縮幅に応じて媒体画像Mを補正するとしてもよい。このようにしても上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(B8)変形例8:
上記実施例では、媒体画像Mに対してその一部である記番号認識領域Fをさらに認識して紙幣を識別するために回転画像Rの目盛の伸縮を認識した。つまり、媒体の一部を精度良く認識するために回転画像Rの目盛の伸縮を認識したが、それに限ることなく、搬送される媒体全体を精度良く認識するためや、搬送される媒体の位置、搬送速度、搬送量などを精度良く認識するために、回転画像Rの目盛の伸縮を認識するとしてもよい。
【0058】
(B9)変形例9:
上記実施例においては、媒体画像Mに記録された記番号Nを認識することによって媒体(紙幣P)を認識しているが、それに限ることなく、ホログラムや紙幣Pに記録された他の図形など、他のセキュリティ情報を認識することによって、媒体を認識するとしてもよい。
【0059】
(B10)変形例10:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0060】
5…制御ユニット
10…現金自動取引装置
22…カード機構
24…通帳機構
26…明細票機構
28…硬貨処理機構
30…紙幣処理機構
42…顧客操作部
50…制御ユニット
60…ジャーナル印字機構
205…搬送路
302…識別部
303…入出金口
304…収納庫
304a〜c…収納庫
306…一時保管庫
320…イメージセンサ
322〜325…搬送ローラ
326…ミラー
327…光源
P…紙幣
S…目盛
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される媒体を認識する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣取扱装置、印刷装置、改札機など、搬送される媒体を認識する技術が知られている(例えば、下記特許文献1)。媒体の搬送には、通常、モータを動力源として用いており、モータには媒体の搬送量を検出するためのエンコーダやレゾルバを設けている。また、搬送される媒体を認識するために、媒体の搬送方向に交差するラインセンサを備える。これら装置は、ラインセンサによって取得した媒体のデータを、エンコーダで検知した搬送量や搬送速度によって補正することによって、媒体認識の精度を向上させる。しかしエンコーダを用いた場合、モータの回転量は正確に検出できるものの、用いられているローラの噛み合わせの遊び部分が大きかったり、搬送路で媒体が滑ったりすることがあり、搬送される媒体の挙動を精度良く認識できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−95162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、搬送される媒体の挙動を精度良く認識する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
搬送される媒体を認識する媒体認識装置であって、
所定の動力源を駆動して前記媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、
前記動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、
前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識部と
を備える媒体認識装置。
【0006】
この媒体認識装置によると、媒体の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、媒体の搬送速度が変動しても媒体の挙動を精度良く認識することができる。
【0007】
[適用例2]
適用例1記載の媒体認識装置であって、前記動作画像取得部は、前記ラインセンサを用いて前記動作部を読み取ることによって前記動作画像を取得し、前記媒体認識部は、前記媒体画像と前記動作画像とを時系列的に関連付けた1つの画像として記憶する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、動作画像取得部は媒体画像取得部が用いるのと同じラインセンサを用いて動作部を読み取るので、別途、動作部を読み取るためのセンサを設ける必要がない。
【0008】
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の媒体認識装置であって、前記動作部は、前記媒体の推進力により前記搬送実速度に応じて回転し、回転方向に交差する方向に所定の形態が付された回転体であり、前記動作画像取得部は、前記回転体の前記所定の形態を読み取って画像化して前記動作画像を取得する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体の推進力により搬送実速度に応じて回転する回転体によって搬送実速度を反映したパラメータを取得し、媒体画像を認識することができる。形態とは、形状や模様や色彩を言う。
【0009】
[適用例4]
適用例3記載の媒体認識装置であって、前記所定の形態は、前記回転体の前記回転方向に交差する方向の線画が前記回転方向に等間隔に配列した目盛であり、前記動作画像は、前記目盛が記録された画像であり、前記パラメータ取得部は、前記動作画像として読み取った前記目盛の間隔を認識し、該認識した目盛の間隔に基づいて前記パラメータを取得する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、所定の形態は目盛であるので、回転体を比較的簡易な構成とすることができる。
【0010】
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか記載の媒体認識装置であって、前記媒体認識部は、前記媒体画像の所定の領域を認識することによって前記媒体を認識するとともに、前記所定領域の認識に先立ち、前記パラメータに基づいて前記所定の領域の補正を行う前記媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体画像の所定の領域を簡易な構成で精度良く認識することができる。
【0011】
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか記載の媒体認識装置であって、前記媒体にはセキュリティ情報に対応するセキュリティ画像が記録されており、前記媒体認識部は、前記媒体画像における前記セキュリティ画像を認識することによって前記媒体を認識する媒体認識装置。
この媒体認識装置によると、媒体のセキュリティ情報を簡易な構成で精度良く認識することができる。
【0012】
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の媒体認識装置を備える紙幣取扱装置であって、前記媒体は紙幣であり、前記媒体認識装置によって前記紙幣を認識した結果に基づいて、前記搬送される紙幣の識別を行う紙幣識別部を備える紙幣取扱装置。
【0013】
この紙幣取扱装置によると、紙幣の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、紙幣の搬送速度が変動しても紙幣の挙動を精度良く認識し、紙幣を識別することができる。
【0014】
[適用例8]
搬送される媒体を認識する媒体認識方法であって、所定の動力源を駆動して、前記媒体を搬送し、前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサを用意し、該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得し、前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部を用意し、前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得し、前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識方法。
【0015】
この媒体認識方法によると、媒体の搬送実速度に基づいて取得したパラメータを用いて媒体画像を認識するので、媒体の搬送速度が変動しても媒体の挙動を精度良く認識することができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、媒体判別方法および装置、紙幣取扱方法および装置、媒体移動検知方法及び装置、それらのシステム、方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】現金自動取引装置10のハードウェア構成を概略的に示す説明図である。
【図2】紙幣処理機構30の内部構成を説明する説明図である。
【図3】識別部302の内部構成を説明する説明図である。
【図4】A方向から識別部302を模式的に図示した矢視図である。
【図5】搬送画像を説明する説明図である。
【図6】紙幣識別処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れて位置する例を説明する説明図である。
【図8】伸縮位置が基準認識位置から±3mm以内に位置する例を説明する説明図である。
【図9】識別部302Aを説明する説明図である。
【図10】識別部302Bを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施例:
(A1)ハードウェア構成:
図1は、本発明の一実施例としての現金自動取引装置10(以下、ATM10とも呼ぶ)のハードウェア構成を概略的に示す説明図である。ATM10は、例えば、金融機関や小売店、公共施設等に設置され、利用者の操作に従って金融機関等の提供する現金出納等のサービスを自動で提供する装置である。
【0019】
ATM10は、カード機構22と、通帳機構24と、明細票機構26と、硬貨処理機構28と、紙幣処理機構30と、顧客操作部42と、制御ユニット50と、ジャーナル印字機構60とを備える。カード機構22は、カードスロットから挿入されたキャッシュカードから、利用者の口座番号等の情報を読み取るための機構である。通帳機構24は、通帳スロットから挿入された通帳から、利用者の口座番号等の情報を読み取ると共に、通帳に対して取引内容等の印字を行うための機構である。明細票機構26は、利用者の取引内容を印字した明細票を発行するための機構である。
【0020】
硬貨処理機構28は、利用者との間で硬貨の授受を行うとともに、利用者が入金時に投入した硬貨を、硬貨毎に、金種、および真偽の識別をする機構である。紙幣処理機構30は、利用者との紙幣(以降、「紙葉類」とも呼ぶ。)の授受を行う機構である。紙幣処理機構30は、入金時には、利用者が挿入した紙幣を識別し、金種毎に分類した上で保管する。また、出金時には、利用者から指示された金額分の紙幣を繰り出し、入出金口から利用者へ受け渡す。
【0021】
顧客操作部42は、ATM10の前面に設けられたタッチパネルを介して、取引に必要な情報を表示すると共に、利用者からの操作を受け付けるためのユーザインタフェースを提供する。制御ユニット50は、CPUやメモリ、ハードディスク、ネットワークインタフェース等を備えるコンピュータとして構成されており、上述の各機構を制御する。また、制御ユニット50は、紙幣処理機構30を制御することにより、後述する紙幣識別処理を実行する。ジャーナル印字機構60は、利用者との取引内容等を所定のジャーナル用紙に逐次印字するための機構である。なお、ジャーナル印字機構60には、紙媒体に印字する方法に代えて、ICカードや、データベースや、ファイル等の電子媒体を用いて記録を残す電子ジャーナルの方法を採用してもよい。
【0022】
図2は、紙幣処理機構30の内部構成を模式的に説明する説明図である。紙幣処理機構30は、紙幣の真偽、金種などを識別する識別部302、利用者から入金紙幣を受け入れ、利用者へ出金紙幣を放出する入出金口303、紙幣を収納する収納庫304a,304b,304c(以下、まとめて収納庫304と呼ぶこともある)、紙幣を一時的に保管する一時保管庫306を備える。また、紙幣処理機構30は、識別部302、入出金口303、収納庫304、及び一時保管庫306を結ぶ搬送路205を有する。
【0023】
図3は、識別部302の内部構成を説明する説明図である。図4は、図3に図示したA方向から、識別部302の内部構成を模式的に図示した矢視図である。図3、図4を用いて識別部302を説明する。識別部302は、イメージセンサ320と、搬送ローラ322〜325と、ミラー326と、光源327とを備える。イメージセンサ320は、紙幣Pの搬送方向に交差する方向に300dpiの解像度でCCDが配列したラインセンサである。イメージセンサ320は、搬送によってイメージセンサ320を通過する紙幣Pからの画像光をCCDで受光し、CCDから一定のインターバルで信号を読み出すことによって、紙幣Pの外観の画像を撮像する。以下、紙幣Pからイメージセンサ320に入射する画像光を媒体情報とも呼ぶ。
【0024】
搬送ローラ322〜325は、他の搬送ローラの搬送力によって搬送されてくる紙幣Pに直接に接する位置に備えられている。搬送ローラ322〜325は、搬送されてくる媒体の推進力によって回転するローラである。具体的には、搬送ローラ322〜325は、モータや、他のローラとベルトで繋がれるなどはしておらず、紙幣Pの推進力以外の動力によって回転するローラではない。搬送ローラ322〜325は、搬送される紙幣Pに追随して回転し、紙幣Pの搬送実速度に応じて、その回転速度は変化する。
【0025】
搬送ローラ323は搬送ローラ322よりy方向に短い円筒形のローラである。搬送ローラ323の端部、その円筒外周に沿って、5mmの等間隔で目盛Sが付されている。イメージ光源327からの光は、搬送ローラ323で反射した後、ミラー326で反射し、目盛情報としてイメージセンサ320に入射する。イメージセンサ320は、回転する搬送ローラ323からの目盛情報を、媒体情報を読み取るのと同じインターバルで読み取る。つまり、図4から分かるように、搬送ローラ323は、紙幣Pと搬送ローラ323とを、一定のインターバルで同時に読み取る。イメージセンサ320としてのラインセンサは、目盛情報を読み取ることができる十分な長さをy方向に有している。
【0026】
イメージセンサ320には、目盛Sに相当する画像光と、目盛S以外の部分の画像光とが交互に目盛情報として入射する。イメージセンサ320は、媒体情報と共に、目盛情報も上述した一定のインターバルで読み取ることにより、搬送ローラ323の回転の様子を画像化する。イメージセンサ320が媒体情報および目盛情報を読み取るインターバルは、イメージセンサ320に入射した1つの目盛Sに相当する画像光の信号幅と比較して十分に短く設定されている。従って、イメージセンサ320に入射した目盛Sに相当する画像光は、必ず画像化される。
【0027】
図5は、イメージセンサ320が媒体情報と目盛情報とを読み取って画像化した画像(以下、搬送画像Tとも呼ぶ)を説明する説明図である。図示するように、搬送画像Tは、イメージセンサ320をx方向に通過する紙幣Pと紙幣Pの搬送に追随して回転している搬送ローラ323とを、所定のインターバルで読み取り、これを読み取り順序に従って配列した結果得られる画像である。このように、図5のx方向に搬送される媒体を所定のインターバルで読み取り画像を取得することを、「経時的に撮像する」と呼ぶ。搬送画像Tにおいて、媒体情報に基づく画像を媒体画像Mと呼ぶ。また目盛情報に基づく画像を回転画像Rと呼ぶ。イメージセンサ320を通過する紙幣Pの搬送速度が一定の場合には、媒体画像Mはx方向に等しい縮尺で等間隔に撮像された画像となる。また、紙幣Pの搬送速度が一定の場合には、搬送ローラ323の回転速度は等速であるため、回転画像Rとして記録された目盛は等間隔となる。以下、イメージセンサ320を通過する紙幣Pの搬送速度が一定の場合に記録された搬送画像を定速搬送画像とも呼ぶ。
【0028】
搬送される媒体が本実施例のように紙幣の場合、図示するように、紙幣の真贋を判定するためのセキュリティ情報としてアルファベットや数字からなる記番号が記録されており、媒体画像Mにも記番号Nが画像として記録される。図5には、記番号Nと共に、後述する紙幣識別処理において用いる記番号認識位置、記番号認識幅、基準位置、記番号認識領域Fを示している。これらについては後で説明をする。
【0029】
(A2)紙幣識別処理:
制御ユニット50が識別部302を制御して行う紙幣識別処理について説明する。紙幣識別処理は、紙幣の金種および記番号の識別を行う処理である。図6は、紙幣識別処理の流れを示したフローチャートである。制御ユニット50は、紙幣識別処理を開始すると、イメージセンサ320を通過する紙幣Pを検知し、経時的に媒体情報と目盛情報とを撮像し、搬送画像Tを取得する(ステップS102)。イメージセンサ320を通過する紙幣Pの検知は、イメージセンサ320で行うとしてもよいし、搬送ローラに紙幣Pの通過を検知するセンサを別途備えるとしてもよい。
【0030】
搬送画像Tを取得すると、制御ユニット50は、媒体画像M全体を認識して(ステップS104)、イメージセンサ320を通過した紙幣Pの金種及び、紙幣Pが傾いていないか否か(紙幣Pの姿勢)を確認する(ステップS106)。本実施例においては、紙幣Pの姿勢は傾いていないものとして説明をする。媒体画像Mにおいて紙幣Pが傾いている場合には、媒体画像Mを補正することによって傾きを修正する。その後、制御ユニット50は、回転画像Rとして記録されている目盛を認識して、目盛が等間隔であるかを確認する。目盛が等間隔である場合には(ステップS108:YES)、記番号認識領域Fの記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、制御ユニット50は記番号認識および紙幣の識別を行う(ステップS126)。
【0031】
ここで、図5を用いて、制御ユニット50が行う記番号認識について説明する。記番号認識は、媒体画像M全体の認識(ステップS104参照)とは別に、取得した搬送画像Tにおける記番号Nに範囲を絞ってさらに認識することで、記番号を高精度に認識する処理である。記番号認識は、紙幣の真贋判定や、ATM10からの紙幣の入出金の管理等に用いられる。
【0032】
記番号認識をする場合の認識領域(以下、記番号認識領域F)の位置と範囲は、制御ユニット50に予め設定されている。記番号認識領域Fの位置を規定するのが図5に示した記番号認識位置であり、認識をする幅を規定するのが記番号認識幅である。記番号認識位置は、紙幣の搬送方向をx方向とした場合の、紙幣の上端である基準位置からのx方向の距離によって規定されている。記番号認識位置は、定速搬送画像上においては、x方向における記番号Nの中心に位置する。記番号認識幅は、記番号認識位置を基準に規定されており、定速搬送画像上においては、記番号認識位置を0とした場合の、x方向の±4mmの範囲である(図5参照)。また、記番号は記番号認識位置から±2mmの幅で記録されている。このように、定速搬送画像を基準として、制御ユニット50に予め設定されている記番号認識位置および記番号認識幅を、基準認識位置および基準認識幅と呼ぶ。
【0033】
説明を紙幣識別処理(図6)に戻す。上述したように、制御ユニット50は、回転画像Rとして記録されている目盛情報を認識して、目盛が等間隔であるかを確認し、目盛が等間隔である場合には(ステップS108:YES)、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定した記番号認識領域Fを用いて(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。
【0034】
一方、回転画像Rの目盛を認識して、目盛が等間隔ではない部分(伸縮部分)を検知した場合(ステップS108:NO)、制御ユニット50は、目盛間隔の伸縮している位置(伸縮位置)と伸縮の幅(伸縮幅)とを検知する(ステップS110)。本実施例においては、伸縮位置は、伸縮している範囲の内、最も基準位置に近い位置と定義する。
【0035】
制御ユニット50は、回転画像Rにおける目盛間隔の伸縮を検知することにより、媒体画像Mの伸縮を検知する。搬送画像Tは、媒体情報と目盛情報とを一定のタイミングで経時的に記録した画像であるため、搬送画像Tとして媒体情報と目盛情報とを撮像中に搬送実速度が変動した場合には、搬送画像Tにおいて、回転画像Rおよび媒体画像Mはx方向に伸縮することとなる。搬送速度が変動するのは、紙幣Pが回転速度の異なる種々の搬送ローラを通過することや、紙幣Pが搬送ローラ上で滑ることに起因する。紙幣Pの搬送速度が通常より速い場合には、目盛間隔(回転画像R)および媒体画像Mの高さは縮む。紙幣Pの搬送速度が通常より遅い場合には、目盛間隔(回転画像R)および媒体画像Mの高さは伸びる。
【0036】
制御ユニット50は、伸縮位置を確認した結果、伸縮位置が、基準認識位置からx方向に-3mm以上手前に離れた位置である場合(ステップS112:-3mm以上手前)、すなわち伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合には、記番号Nの画像自体の歪みは直接影響しないことから、伸縮位置の伸縮幅に応じて、記番号認識位置のみを補正し(ステップS114)、その後、記番号認識を行う(ステップS126)。制御ユニット50は、記番号認識幅の補正は行わない。伸縮幅とは、伸縮が無いとした場合の目盛間隔と、伸縮によって伸縮した目盛間隔との差分の長さを言う。
【0037】
図7は、伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合の一例を示す説明図である。伸縮位置が記番号位置から基準位置側に3mm以上離れた位置である場合には、伸縮位置の伸縮幅に応じて、記番号認識位置のみを補正することによって、搬送画像Tにおける記番号Nを記番号認識領域F内に入れることができる。例えば、伸縮位置が基準認識位置から-3mmより手前であり、伸縮幅が+4mmの場合、記番号認識位置をx方向に+4mmの補正をする。このように補正をすると、媒体画像Mにおける記番号Nは、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0038】
伸縮位置が基準認識位置よりx方向に+3mm以上離れた位置である場合には(ステップS112:+3mm以上)、制御ユニット50は、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。記番号認識領域Fのx方向の位置を規定する記番号認識位置は、基準位置からの距離によって定めている。したがって、基準認識位置よりx方向に+3mm以上離れた位置に伸縮が存在している場合には、記番号認識位置の補正はしなくても、搬送画像Tに記録されている記番号Nは記番号認識領域F内に入ることになる。
【0039】
伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置する場合(ステップS112:−3mm〜+3mm)、制御ユニット50は、その伸縮が、「伸び」であるか「縮み」であるかを判断する(ステップS118)。その伸縮が「縮み」である場合には(ステップS118:「縮み」)、制御ユニット50は、記番号認識位置を基準認識位置に、記番号認識幅を基準認識幅に設定し(ステップS109)、記番号認識を行う(ステップS126)。基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に伸縮がある場合であっても、伸縮が縮みである場合には、搬送画像Tに記録されている記番号Nは、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0040】
制御ユニット50は、その伸縮が「伸び」である場合には(ステップS118:「伸び」)、基準認識位置を中心にして、記番号認識幅に、伸び幅分をx方向のプラス側とマイナス側に加算した幅に補正する(ステップS120)。本実施例では、基準認識位置を中心に伸び幅分を加算する補正を行うが、伸縮位置を挟む2つの目盛のいずれか一方を基準にして記番号認識幅を加算する補正を行うとしてもよいし、伸びの態様に応じて、記番号認識幅の補正を行う基準を変えるとしてもよい。
【0041】
図8は、伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置する場合の一例を示す説明図である。図示するように、伸縮位置が伸縮位置が基準認識位置からx方向を基準として±3mm以内に位置している場合には、補正前の記番号認識幅では記番号Nが記番号認識領域F内に入らない場合が生じる。補正前の記番号認識幅に伸び幅分を加算して新たな記番号認識幅として設定することにより、記番号Nが、記番号認識領域F内に入ることとなる。
【0042】
その後、制御ユニット50は、記番号認識幅の補正を行った後の記番号認識領域F内に、記番号N以外のセキュリティ情報(ホログラムなど)が入っていないかを確認する(ステップS122)。記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入っていない場合には(ステップS122:NO)、制御ユニット50は、ステップS120で設定した認識幅を記番号認識幅として記番号認識を行う(ステップS126)。
【0043】
記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入っている場合(ステップS122:YES)、記番号認識領域F内に他のセキュリティ情報が入り込まないように、記番号認識幅を短くする補正を行う(ステップS124)。例えば、ステップS120において記番号認識幅を補正した結果、記番号認識領域F内に紙幣に記録されているホログラムが入り込む場合には、記番号認識領域Fとホログラムとの間隔を1mm確保できるように、記番号認識幅を短くする補正を行う。記番号認識として記番号認識領域Fを認識した際に、ホログラムが入り込むことによって記番号Nの認識の精度が低下するのを回避するためである。制御ユニット50は、補正を行った後の記番号認識幅によって、記番号認識を行う(ステップS126)。このようにして、制御ユニット50は紙幣識別処理を行う。
【0044】
以上説明したように、搬送ローラ323は、紙幣Pの推進力のみによって回転するので、ATM10は、精度良く紙幣Pの搬送実速度を検知することができる。またエンコーダと比べて、比較的簡易な構造によって実現することができる。さらに、本実施例のATM10は、目盛情報と媒体情報とを画像化し、媒体画像Mと回転画像Rとが経時的に並列に配置された搬送画像Tを用いて伸縮位置を検知して、記番号認識領域F(記番号認識位置と記番号認識幅)の補正を行う。従って、比較的簡易な処理で、搬送実速度を反映した、精度の高い記番号Nの認識を行うことができる。本実施例においては、目盛情報と媒体情報とはいずれもイメージセンサ320で取得することから、低コスト化および構造の簡易化を実現することができる。
【0045】
搬送ローラ323には目盛以外にも、正弦曲線やその他蛇行する曲線、周期的な凹凸形状など種々の形態を採ることが可能であるが、本実施例においては等間隔の目盛を採用することで、回転画像として記録される目盛の間隔を認識するという比較的簡易な処理で伸縮の検知が可能となる。また、搬送ローラ323に目盛を付することも、他の形態を付するよりも簡易である。本実施例においては、高精度に搬送される媒体を認識することが可能であるため記番号のようなセキュリティ情報の認識には特に有効である。
【0046】
特許請求の範囲との対応関係としては、識別部302が特許請求の範囲に記載の媒体認識装置に相当し、搬送路205および搬送路に設けられた紙幣Pを搬送するための動力を有する搬送ローラが特許請求の範囲に記載の搬送部に相当し、搬送ローラ323が特許請求の範囲に記載の動作部に相当する。回転画像Rが特許請求の範囲に記載の動作画像に相当し、記番号認識領域Fを規定する記番号認識位置および記番号検知幅が特許請求の範囲に記載のパラメータに相当し、現金自動取引装置10が特許請求の範囲に記載の紙幣取扱装置に相当する。
【0047】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0048】
(B1)変形例1:
上記実施例では、識別部302は、図3で説明した構成としたが、それに限らず種々の態様を採用することができる。図9は、変形例1としての識別部302Aの構成を説明する説明図である。識別部302は、紙幣Pを搬送する搬送ベルト328Aと、搬送ベルト328Aを駆動するための駆動力を有する搬送ローラ323A、324Aを備える。紙幣Pは搬送ベルト328の搬送速度に追随して搬送される。また搬送ローラ323Aは、搬送ローラ323と同様に目盛Sが付されており、搬送ベルト328の搬送速度に追随して回転する。光源327Aは搬送ローラ323Aを照射する。搬送ローラ323Aからの反射光はミラー326Aで反射して、目盛情報としてイメージセンサ320Aで読み取られる。後の処理は、上記実施例と同様なので説明は省略する。
【0049】
本構成においては、搬送ローラ323A、324Aと搬送ベルト328Aとの間で滑りが生じ、搬送ベルト328Aの搬送速度が、搬送ローラ323A、324Aの回転速度に応じた搬送速度とならない場合でも、搬送ローラ323Aは搬送ベルト328Aの搬送速度に追随して回転する。よって、識別部302Aは、上記実施例同様、紙幣Pの搬送実速度を反映して精度良く記番号の認識を行うことができる。
【0050】
また、その他の態様として図10に示した構成を採用することができる。図10には、変形例1としての識別部302Bの構成を説明する説明図である。識別部302Aとの違いは、搬送ローラ322B、324Bは、駆動力を有さず、紙幣Pは他の駆動力によって搬送される。搬送ベルト328Bは、紙幣Pの推進力によって紙幣Pに追随して回転する。搬送ベルト328Bには、等間隔の目盛Sが付されている。光源327Bは搬送ベルト328Bを照射する。搬送ベルト328からの反射光はミラー326Bで反射して、目盛情報としてイメージセンサ320Bで読み取られる。後の処理は、上記実施例と同様なので説明は省略する。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。その他、図9,図10において、搬送ベルト328A,搬送ベルト328Bを透明な材質(例えば、透明フィルム)とし、透過光によって目盛を読み取るとしてもよい。
【0051】
(B2)変形例2:
上記実施例においては、搬送ローラ323は紙幣Pに直接的に接するものとしたが、これに限ることなく、搬送ローラ323は、紙幣Pの推進力を間接的に受けて回転するローラであるとしてもよい。例えば、搬送ローラ323とは異なるローラ(ローラ323aとする)が紙幣Pと直接的に接して回転し、ローラ323aと接する搬送ローラ323が、搬送ローラ323aの回転力によって回転するとしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(B3)変形例3:
上記実施例においては、搬送ローラ323には等間隔の目盛を付したが、目盛に変えて、規則的な形状を有する蛇行線や、点や、升目などの光学的に読み取り可能な模様を付すとしてもよい。搬送ローラ323の目盛間隔は5mmとして説明したが、1mmや、2mmや、7mmなど、回転画像Rとして目盛が記録され一部の目盛が消失することがない範囲で、任意の間隔によって目盛を付すとしてもよい。また、目盛や蛇行線など平面的な模様に限らず、搬送ローラ323の表面に、光学的に読み取り可能な立体的な凹凸を形成するとしてもよい。その他、搬送ローラ323の表面の材質が、2以上の異なる材質で構成され、材質の違いに起因する反射率の違いにより、搬送ローラ323の回転を光学的に読み取るとしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(B4)変形例4:
上記実施例においては、媒体画像と回転画像とを用いた媒体の認識技術を、紙幣Pを識別する現金自動取引装置10に適用して説明したが、それに限ることなく、搬送される印刷媒体を認識する印刷装置や、搬送される切符や定期、カードなどの記録媒体を認識する検札機など、搬送される媒体を認識する装置に適用することができる。また、媒体は紙やカード等の平面媒体に限らず、立体形状をした媒体にも適用可能である。例えば、物流業界において、物流品の配送先を仕分ける際に、物流品に貼り付けられている伝票に記載されている住所や宛名など伝票の記載内容を高精度に読み取る際にも適用することが可能である。
【0054】
(B5)変形例5:
上記実施例においては、搬送される紙幣Pと搬送ローラの目盛とを、媒体情報と目盛情報として同じイメージセンサ(イメージセンサ320)によって読み取ったが、それに限ることなく、媒体情報と目盛情報とを異なるイメージセンサで読み取るとしてもよい。また、上記実施例においては媒体画像Mと回転画像Rとは搬送画像Tとして1つの画像に含まれているが、媒体画像Mと回転画像Rとを1つの画像にせず、別個の画像として扱ってもよい。この場合、先に、取得した回転画像Rから伸縮位置を認識した後に、両画像に付されたタイムコードなどを用いて媒体画像Mにおける伸縮位置を特定する。そして特定した伸縮位置に基づいて記番号認識領域Fの記番号認識位置と記番号認識幅とを補正し、媒体画像Mに適用することで、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(B6)変形例6:
上記実施例においては、搬送ローラ322を通過する際の搬送速度が予め定速に設定されている場合について説明したが、予め設定されている搬送速度が加速や減速を伴うとものであってもよい。この場合、設定された搬送速度で紙幣が搬送されたとしても、回転画像上の目盛の間隔は等間隔とはならないが、設定された搬送速度で搬送された場合の目盛の間隔(以下、基準目盛間隔とも呼ぶ)を予め記憶しておき、回転画像における目盛間隔と基準目盛間隔とを比較することにより、伸縮位置の特定が可能であり、その後の、記番号認識領域Fの補正および記番号の認識も、上記実施例同様に高精度に行うことができる。
【0056】
(B7)変形例7:
上記実施例においては、搬送画像Tの伸縮を認識した場合には、記番号認識領域Fの記番号認識位置および記番号認識幅を補正したが、それに限らず、伸縮幅に応じて媒体画像Mを補正するとしてもよい。このようにしても上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(B8)変形例8:
上記実施例では、媒体画像Mに対してその一部である記番号認識領域Fをさらに認識して紙幣を識別するために回転画像Rの目盛の伸縮を認識した。つまり、媒体の一部を精度良く認識するために回転画像Rの目盛の伸縮を認識したが、それに限ることなく、搬送される媒体全体を精度良く認識するためや、搬送される媒体の位置、搬送速度、搬送量などを精度良く認識するために、回転画像Rの目盛の伸縮を認識するとしてもよい。
【0058】
(B9)変形例9:
上記実施例においては、媒体画像Mに記録された記番号Nを認識することによって媒体(紙幣P)を認識しているが、それに限ることなく、ホログラムや紙幣Pに記録された他の図形など、他のセキュリティ情報を認識することによって、媒体を認識するとしてもよい。
【0059】
(B10)変形例10:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0060】
5…制御ユニット
10…現金自動取引装置
22…カード機構
24…通帳機構
26…明細票機構
28…硬貨処理機構
30…紙幣処理機構
42…顧客操作部
50…制御ユニット
60…ジャーナル印字機構
205…搬送路
302…識別部
303…入出金口
304…収納庫
304a〜c…収納庫
306…一時保管庫
320…イメージセンサ
322〜325…搬送ローラ
326…ミラー
327…光源
P…紙幣
S…目盛
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される媒体を認識する媒体認識装置であって、
所定の動力源を駆動して前記媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、
前記動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、
前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識部と
を備える媒体認識装置。
【請求項2】
請求項1記載の媒体認識装置であって、
前記動作画像取得部は、前記ラインセンサを用いて前記動作部を読み取ることによって前記動作画像を取得し、
前記媒体認識部は、前記媒体画像と前記動作画像とを時系列的に関連付けた1つの画像として記憶する
媒体認識装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の媒体認識装置であって、
前記動作部は、前記媒体の推進力により前記搬送実速度に応じて回転し、回転方向に交差する方向に所定の形態が付された回転体であり、
前記動作画像取得部は、前記回転体の前記所定の形態を読み取って画像化して前記動作画像を取得する
媒体認識装置。
【請求項4】
請求項3記載の媒体認識装置であって、
前記所定の形態は、前記回転体の前記回転方向に交差する方向の線画が前記回転方向に等間隔に配列した目盛であり、
前記動作画像は、前記目盛が記録された画像であり、
前記パラメータ取得部は、前記動作画像として読み取った前記目盛の間隔を認識し、該認識した目盛の間隔に基づいて前記パラメータを取得する
媒体認識装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか記載の媒体認識装置であって、
前記媒体認識部は、前記媒体画像の所定の領域を認識することによって前記媒体を認識するとともに、前記所定領域の認識に先立ち、前記パラメータに基づいて前記所定の領域の補正を行う
前記媒体認識装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか記載の媒体認識装置であって、
前記媒体にはセキュリティ情報に対応するセキュリティ画像が記録されており、
前記媒体認識部は、前記媒体画像における前記セキュリティ画像を認識することによって前記媒体を認識する
媒体認識装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか記載の媒体認識装置を備える紙幣取扱装置であって、
前記媒体は紙幣であり、
前記媒体認識装置によって前記紙幣を認識した結果に基づいて、前記搬送される紙幣の識別を行う紙幣識別部を備える
紙幣取扱装置。
【請求項8】
搬送される媒体を認識する媒体認識方法であって、
所定の動力源を駆動して、前記媒体を搬送し、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサを用意し、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得し、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部を用意し、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得し、
前記取得したパラメータに基づいて前記媒体画像を認識する
媒体認識方法。
【請求項1】
搬送される媒体を認識する媒体認識装置であって、
所定の動力源を駆動して前記媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサと、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得する媒体画像取得部と、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部と、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を取得する動作画像取得部と、
前記動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得するパラメータ取得部と、
前記取得したパラメータを用いて前記媒体画像を認識する媒体認識部と
を備える媒体認識装置。
【請求項2】
請求項1記載の媒体認識装置であって、
前記動作画像取得部は、前記ラインセンサを用いて前記動作部を読み取ることによって前記動作画像を取得し、
前記媒体認識部は、前記媒体画像と前記動作画像とを時系列的に関連付けた1つの画像として記憶する
媒体認識装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の媒体認識装置であって、
前記動作部は、前記媒体の推進力により前記搬送実速度に応じて回転し、回転方向に交差する方向に所定の形態が付された回転体であり、
前記動作画像取得部は、前記回転体の前記所定の形態を読み取って画像化して前記動作画像を取得する
媒体認識装置。
【請求項4】
請求項3記載の媒体認識装置であって、
前記所定の形態は、前記回転体の前記回転方向に交差する方向の線画が前記回転方向に等間隔に配列した目盛であり、
前記動作画像は、前記目盛が記録された画像であり、
前記パラメータ取得部は、前記動作画像として読み取った前記目盛の間隔を認識し、該認識した目盛の間隔に基づいて前記パラメータを取得する
媒体認識装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか記載の媒体認識装置であって、
前記媒体認識部は、前記媒体画像の所定の領域を認識することによって前記媒体を認識するとともに、前記所定領域の認識に先立ち、前記パラメータに基づいて前記所定の領域の補正を行う
前記媒体認識装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか記載の媒体認識装置であって、
前記媒体にはセキュリティ情報に対応するセキュリティ画像が記録されており、
前記媒体認識部は、前記媒体画像における前記セキュリティ画像を認識することによって前記媒体を認識する
媒体認識装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか記載の媒体認識装置を備える紙幣取扱装置であって、
前記媒体は紙幣であり、
前記媒体認識装置によって前記紙幣を認識した結果に基づいて、前記搬送される紙幣の識別を行う紙幣識別部を備える
紙幣取扱装置。
【請求項8】
搬送される媒体を認識する媒体認識方法であって、
所定の動力源を駆動して、前記媒体を搬送し、
前記媒体の搬送方向に交差する方向にライン状に設けられ、前記搬送される媒体の外観の少なくとも一部を読み取るラインセンサを用意し、
該ラインセンサから得られる信号に基づいて生成した画像を媒体画像として取得し、
前記媒体が前記搬送される際の実速度である搬送実速度に応じて動作する動作部を用意し、
前記媒体画像取得部が前記媒体の読み取りを行っている際に、前記動作部を所定のインターバルで読み取って画像化した動作画像を解析して、前記搬送実速度を反映したパラメータを取得し、
前記取得したパラメータに基づいて前記媒体画像を認識する
媒体認識方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−114643(P2013−114643A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263285(P2011−263285)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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