説明

安定な高濃度メロキシカム溶液

【課題】長期にわたって安定性のある粒子を含まない高濃度メロキシカム溶液で、重量が750キロにまでいたる家畜の治療に適したメロキシカム溶液を生成すること。
【解決手段】経口又は非経口投与用のシクロデキストリンを含有しない
メロキシカム水溶液であって、薬理学的に許容できる有機又は無機塩基のメロキシカム塩と一種以上の好適な賦形剤を含み、溶解しているメロキシカム塩の含有量が10mg/mlより多いことを特徴とするメロキシカム水溶液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与及び非経口投与用の安定な高濃度メロキシカム溶液に関するもので、詳細には大型家畜における呼吸器系疾患治療用の安定な高濃度メロキシカム溶液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メロキシカム(4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキサイド)は、NSAID(非ステロイド抗炎症薬)のグループに属する有効成分である。メロキシカム及びそのナトリウムやメグルミン塩(N−メチル−D−グルカミン塩)については、EP-A-0002482に記載されている。なかでも、上記有効成分のメグルミン塩、塩化ナトリウム及び水からなるメロキシカムの0.2%注射剤の例がEP-A-0002482に示されている。
EP-A-0945134には、メロキシカム及びその塩、即ち、ナトリウム塩、アンモニウム塩及びメグルミン塩の水溶液におけるpH依存溶解特性が開示されている。
上記公報によると、メロキシカムは容易には水に溶解しない有効成分である。EP-A-0945134の表1によると、メロキシカム塩、なかでもメグルミン塩はpH値が4から10へ上昇するにしたがい溶解度が向上している。しかしながら、現在に至るまで、安定な透明な水溶液はメロキシカム濃度の低いものしか製造することができなかった。メロキシカム塩、例えばメグルミン塩を現場形成させ、可溶化剤を添加することにくわえ、これらの溶液は相応に許容できるというよりは溶解性が最大となる範囲にpH値を有することが必要とされ、また、有機溶媒を高い比率で含有させる必要があった。同一又は同様な処方の配合試験では、例えば、メロキシカムが高濃度、例えば2%であると溶液に曇りがでてしまった。
【0003】
WO9959634 A1には、メロキシカムを0.5%の濃度で含有する目薬溶液が記載されているが、メロキシカムの濃度が1%を超えるものについては何の言及もされていない。0.5%濃度のメロキシカム溶液の市販品は、例えば犬、雌牛、子牛のような小動物の呼吸器疾患を治療するのに使用されている。
これまで、大型家畜動物をメロキシカム注射剤で治療することは不可能であった。注射剤中の有効成分がこのように低濃度なので、これらの動物の大重量を考えると満足のいく十分に許容できる注入量にすることができなかった。非経口投与の場合は溶液が粒子を含まないことが必要となる。もし非経口薬に粒子が含まれていると、血管損傷や塞栓症をひきおこす恐れがある。薬物耐性という理由から、有機溶剤、可溶化剤及び水溶性物質はある特定の濃度でしか使うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、長期にわたって安定性のある粒子を含まない高濃度メロキシカム溶液で、重量が750キロにまでいたる家畜の治療に適したメロキシカム溶液を生成することである。該溶液は経口又は非経口の両方に適したものであるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚いたことには、メロキシカム塩と特定の賦形剤に加えて、クエン酸、レシチン、グルコン酸、酒石酸、リン酸及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、又はこれらの塩から選ばれる賦形剤を含有する高濃度メロキシカム溶液を、粒子のない状態で長期にわたり安定な溶液として生成できることがわかった。意外なほど少量の有機可溶化剤を使うことで安定性が得られた。この配合物は最終滅菌処理に供されても安定していることがわかった。
これによって本発明の問題を解決することができるものであり、即ち、メロキシカム塩の他に、可溶化剤、防腐剤、pH値を最適化するための緩衝物質、及びその他の賦形剤を低濃度で含有するメロキシカム溶液の配合物である。
【0006】
本発明は、請求項1記載のとおり、シクロデキストリンを含まない非経口又は経口投与用のメロキシカム水溶液であって、薬理学的に許容できる有機又は無機塩基のメロキシカム塩を含有し、好適な賦形剤と一緒にメロキシカムを11〜25mg/mlの高濃度で有する水溶液に関するものである。従属項2〜14は本発明のさらなる有利な特徴を述べたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の配合物により、大型家畜動物の治療用としても適している有効成分メロキシカムを注射剤で提供するという従来技術により引き起こされていた問題を解決することができ、即ち、長期間安定し、後述の組成を有する粒子を含有しない溶液中において、有効成分の高濃度化を可能にすることによって問題が解決される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の配合物は、メロキシカム塩としてメグルミン、ナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、好ましくはメロキシカムメグルミン塩を含有するとよい。
使用する可溶化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(例えばポロクサマー188)、グルコフロール、アルギニン、リジン、ヒマシ油、プロピレングリコール、ソルケタール、ポリソルベート、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ポリビニルピロリドン、レシチン、コレステロール、12−ヒドロキシステアリン酸−PEG660−エステル、プロピレングリコールモノステアレート、ポリオキシ−40−硬化ヒマシ油、ポリオキシル−10−オレイル−エーテル、ポリオキシル−20−セトステアリルエーテル及びポリオキシル−40−ステアレート、又はソルビトール、マンニトール及びキシリトールの混合物がよく、好ましくはポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、グルコフロール、ポリビニルピロリドン、レシチン、コレステロール、12−ヒドロキシステアリン酸−PEG660−エステル、プロピレングリコールモノステアレート、ポリオキシ−40−硬化ヒマシ油、ポリオキシル−10−オレイル−エーテル、ポリオキシル−20−セトステアリルエーテル及びポリオキシル−40−ステアレートがよい。とりわけ好ましいのは、ポリエチレングリコール、グルコフロール、及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体であるが、なかでもポリエチレングリコール(例えばマクロゴール300)とポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(例えばポロクサマー188)が特に好ましい。
【0009】
使用する防腐剤としては、例えば、エタノール、安息香酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、メチル、エチル、プロピル又はブチル−p−ヒドロキシ安息香酸エステル、フェノール、m−クレゾール、p−クロロ−m−クレゾール、或いは塩化ベンザルコニウムがよい。なかでも、エタノール、安息香酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、並びにメチル、エチル、プロピル又はブチル−p−ヒドロキシ安息香酸エステルが好ましく、さらにはエタノール、安息香酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩が好ましく、とりわけエタノールが好ましい。
pH値を8〜10にするのに使用される緩衝系としては、例えば、グリシン、グリシンとHClとの混合物、グリシンと水酸化ナトリウム溶液との混合物、そのナトリウム及びカリウム塩、フタル酸水素カリウムと塩酸との混合物、フタル酸水素カリウムと水酸化ナトリウム水溶液との混合物、又はグルタミン酸とグルタメートとの混合物がよい。グリシン、グリシンとHClとの混合物、及びグリシンと水酸化ナトリウム溶液との混合物、なかでもグリシンが特に好ましい。
【0010】
その他の好適な賦形剤としては、クエン酸、レシチン、グルコン酸、酒石酸、リン酸及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、又はそれらのアルカリ金属塩が挙げられ、とりわけ酒石酸とEDTA又はそのアルカリ金属塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムが特に好ましい。
【0011】
本発明の実施態様の一つは、メロキシカムのメグルミン塩又はナトリウム塩に加えて、可溶化剤としてのポリエチレングリコール、グリコフロール及び/又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、なかでもポリエチレングリコール(例えばマクロゴール300)及び/又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(例えばポロクサマー188)を含み、防腐剤としてのエタノール、安息香酸及びそのナトリウム塩若しくはカリウム塩、又はソルビン酸及びそのナトリウム塩若しくはカリウム塩、なかでもエタノールを含み、緩衝剤としてグリシン、グリシンとHClの混合物、又はグリシンと水酸化ナトリウム溶液との混合物、なかでも好ましくはグリシンを含み、さらに補助賦形剤としてのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含有する。
【0012】
本発明の配合物は、メロキシカムを11〜25mg/ml、好ましくは13〜24mg/ml、さらに好ましくは16〜23mg/ml、特に好ましくは18〜22mg/ml、なかでも20mg/mlの濃度で含有するとよい。
マグルミンの濃度は12.5〜16.5mg/mlがよく、好ましくは13〜16mg/ml、さらに好ましくは13.5〜15.5mg/ml、より好ましくは14〜15mg/ml、特に好ましいのは約14mg/mlである。これに従って使用しうるナトリウム、カリウム及びアンモニウムの濃度は計算される。
可溶化剤の濃度は20〜200mg/mlがよく、好ましくは30〜150mg/ml、さらに好ましくは40〜130mg/ml、より好ましくは50〜120mg/ml、特に好ましいのは70〜100mg/mlの範囲である。
防腐剤のエタノールの濃度は100〜200mg/mlがよく、好ましくは120〜180mg/ml、さらに好ましくは約150mg/mlである。
防腐剤の安息香酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、m−クレゾール、ならびにp−クロロ−m−クレゾールの濃度は、0.5〜50mg/mlがよく、好ましくは1〜10mg/ml、さらに好ましくは3〜5mg/mlである。
防腐剤の塩化ベンザルコニウム、硝酸フェニル水銀、及びメチル、エチル、プロピル又はブチル−p−ヒドロキシ安息香酸エステルの濃度は、0.01〜4mg/mlの範囲がよく、好ましくは0.02〜3mg/ml、さらに好ましくは0.1〜0.5mg/mlである。
緩衝物質の濃度は、4〜50mg/mlの範囲がよく、好ましくは5〜20mg/ml、さらに好ましくは8〜10mg/mlである。
上記記載のその他の賦形剤、即ちEDTA、クエン酸、レシチン、グルコン酸、酒石酸及びリン酸、又はそれらの塩の濃度は、0.2〜3mg/mlの範囲がよく、好ましくは0.3〜2.5mg/ml、より好ましくは0.5〜2mg/ml、さらに好ましくは0.6〜1.5mg/mlの範囲で、なかでも好ましいのは0.7〜1.0mg/mlである。
【0013】
メグルミンとメロキシカムはモル比が9:8〜12:8の範囲、好ましくはモル比11:8、特に好ましくは10:8の割合で使用するとよい。
本発明の配合物において、メロキシカムと他の賦形剤、なかでもエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムは、25:1〜15:1の重量比で存在するのがよく、好ましくは24:1〜16:1、さらに好ましくは23:1〜17:1、より好ましくは22:1〜18:1、最も好ましくは21:1〜19:1で、なかでも20:1くらいが好ましい。
本発明の配合物は、開封後の貯蔵寿命が28日以上であるとよい。
最初の密封包装状態にある溶液の貯蔵寿命は1ヶ月以上、とりわけ1ヶ月〜24ヶ月であればよいが、少なくとも1ヶ月〜18ヶ月、好ましくは1ヶ月〜12ヶ月、より好ましくは1ヶ月〜9ヶ月、最も好ましくは1ヶ月〜6ヶ月、とりわけ1ヶ月〜3ヶ月が好ましい。例示した安定性試験の詳細については、後述の表1及び2から理解することができる。
【0014】
開封後の安定性試験
包装材料:50mlの無色のガラス瓶、ガラスタイプI、
エチレンプロピレンノルボルネン三元共重合体製のゴム栓(タイプ:WI640グレー)、
アルミニウム製フランジ付きキャップ。
処方:明細書の実施例1に類似。
六日間にわたり貯蔵試料から4mlの試料を一日3回取り出し、七日目には4mlの試料を4回取り出した。こうして28日間貯蔵し続け試料を取り出した。
【0015】
【表1】

両方の試料において、メロキシカム含有量の他に調べたパラメーター、即ち外見(透明な黄色の溶液)、pH(8.0〜9.7)、エタノール含有量(13.5〜15.75)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム含有量(85.0〜110.0mg/100ml)、無菌性(欧州及び米国薬局方による)、並びに包装材料の安定性に何の変化も見られなかった。
最初の密封包装状態での長期間安定性試験
包装材料:50mlの無色のガラス瓶、ガラスタイプI、
エチレンプロピレンノルボルネン三元共重合体製のゴム栓(タイプ:WI640グレー)、
アルミニウム製フランジ付きキャップ。
処方:明細書の実施例1に類似。
【0016】
【表2】

両方の試料において、メロキシカム含有量の他に調べたパラメーター、即ち外見(透明な黄色の溶液)、pH(8.0〜9.7)、エタノール含有量(13.5〜15.75)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム含有量(85.0〜110.0mg/100ml)、無菌性(欧州及び米国薬局方による)、並びに包装材料の安定性に何の変化も見られなかった。
【0017】
本発明の配合物のpH値は8〜10の範囲であるとよく、好ましくは8.5〜9、さらに好ましくは8.7〜8.9、とりわけ8.8が好ましい。
本発明の配合物は、動物における疼痛、炎症、熱、急性乳腺炎、下痢、跛行、運動器官の障害、呼吸器関係の病気の治療に適しているが、好ましくは動物の急性乳腺炎、下痢、跛行、運動器官の障害、呼吸器関係の病気、そのなかでも特に急性乳腺炎、下痢、呼吸器関係の病気、最も好ましく適しているのは呼吸器関係の病気の治療である。これらの治療は、抗生物質治療と併用して行うとよい。
本発明の配合物は動物の治療に適しており、好ましくは家畜動物、さらに好ましくは大型家畜動物の治療に最適である。
本発明の配合物は、動物の治療、好ましくは500kgにいたる動物、特に好ましくは750kgにもなる大型動物の治療に好適である。
本発明の配合物の投与量は、体重1kgにつき有効成分が0.2〜1.0mg、好ましくは0.4〜0.8mg/体重1kg、より好ましくは0.5〜0.7mg/体重1kg、とりわけ好ましくは0.6mg/体重1kgに対応するとよい。
【0018】
本発明の配合物は、文献から公知である水溶性液状配合物の調製法を利用して調製すればよい。例えば、適切な賦形剤をメロキシカム塩の溶液に添加すればよい。
完成品容器にいれて不活性ガス下で密封したり、高圧蒸気殺菌法による最終滅菌をおこなうことが可能な水溶性液状配合物用の種々の市販の材料が、本発明の配合物の包装材料として使用できる。このような材料としては、例えばアンプルやガラス瓶、とりわけガラス瓶がよく、例えば50ml又は100mlのガラスタイプI(米国及び欧州薬局方による)のガラス瓶と、エチレンプロピレンノルボルネン三元重合体(タイプWI640グレー)製のゴム栓とアルミニウムのキャップとを組み合わせたものが挙げられる。
本発明のメロキシカム溶液について、以下の実施例を参照しながら説明する。
これらの実施例は単なる例示にすぎず、限定的なものではないことはこの分野の当業者であれば理解できるであろう。
【0019】
実施例
実施例1:2%メロキシカム溶液
処方:
g/l
メロキシカム 20.0
メグルミン 14.0
マクロゴール300*1 150.0
ポロクサマー188*2 50.0
エタノール 150.0
グリシン 5.0
EDTAナトリウム塩 1.0
1M HCl pH8.8にするのに十分な量
1M NaOH pH8.8にするのに十分な量
注射用蒸留水 合計1000mlとなる量
*1 ドイツBrenntag, Plochingenより入手可。
*2 ドイツC.H. Erbsloeh, Krefeldより入手可。
方法:
20gのメロキシカムを500mlのメグルミン水溶液(14g/500ml)に90℃で溶解させる。上記の処方に従い、その他の賦形剤を順次溶液に添加する。さらに、1Mの塩酸と1Mの水酸化ナトリウム溶液を使ってpH値を8.8にする。蒸留水を溶液に加え、体積が1リットルになるようにする。
【0020】
実施例2:2%メロキシカム溶液
処方:
g/l
メロキシカム 20.0
メグルミン 12.5
PEG400 100.0
ポロクサマー 50.0
エタノール 150.0
グリシン 5.0
EDTAナトリウム塩 1.0
1M HCl pH8.8にするのに十分な量
1M NaOH pH8.8にするのに十分な量
注射用蒸留水 合計1000mlとなる量
方法:
20gのメロキシカムを500mlのメグルミン水溶液(12.5g/500ml)に90℃で溶解させる。上記の処方に従い、その他の賦形剤を順次溶液に添加する。さらに、1Mの塩酸又は1Mの水酸化ナトリウム溶液を使ってpH値を8.8にする。蒸留水を溶液に加え、体積が1リットルになるようにする。
【0021】
実施例3:2.5%メロキシカム溶液
処方:
g/l
メロキシカム 25.0
メグルミン 17.5
PEG300 150.0
ポロクサマー 50.0
エタノール 150.0
グリシン 5.0
EDTAナトリウム塩 1.0
1M HCl pH8.8にするのに十分な量
1M NaOH pH8.8にするのに十分な量
注射用蒸留水 合計1000mlとなる量
方法:
25gのメロキシカムを500mlのメグルミン水溶液(17.5g/500ml)に90℃で溶解させる。上記の処方に従い、その他の賦形剤を順次溶液に添加する。さらに、1Mの塩酸又は1Mの水酸化ナトリウム溶液を使ってpH値を8.8にする。蒸留水を溶液に加え、体積が1リットルになるようにする。
【0022】
実施例4:1.5%メロキシカム溶液
処方:
g/l
メロキシカム 15.0
メグルミン 10.5
PEG300 100.0
ポロクサマー 50.0
エタノール 150.0
グリシン 5.0
EDTAナトリウム塩 1.0
1M HCl pH8.8にするのに十分な量
1M NaOH pH8.8にするのに十分な量
注射用蒸留水 合計1000mlとなる量
方法:
15gのメロキシカムを500mlのメグルミン水溶液(10.5g/500ml)に90℃で溶解させる。上記の処方に従い、その他の賦形剤を順次溶液に添加する。さらに、1Mの塩酸又は1Mの水酸化ナトリウム溶液を使ってpH値を8.8にする。蒸留水を溶液に加え、体積が1リットルになるようにする。
【0023】
実施例5:2%メロキシカム溶液
処方:
g/l
メロキシカム 20.0
メグルミン 14.0
PEG300 150.0
ポロクサマー 50.0
p−クロロ−m−クレゾール 2.0
グリシン 5.0
EDTAナトリウム塩 1.0
1M HCl pH8.8にするのに十分な量
1M NaOH pH8.8にするのに十分な量
注射用蒸留水 合計1000mlとなる量
方法:
20gのメロキシカムを500mlのメグルミン水溶液(14g/500ml)に90℃で溶解させる。上記の処方に従い、その他の賦形剤を順次溶液に添加する。さらに、1Mの塩酸又は1Mの水酸化ナトリウム溶液を使ってpH値を8.8にする。蒸留水を溶液に加え、体積が1リットルになるようにする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口又は非経口投与用のシクロデキストリンを含有しないメロキシカム水溶液であって、薬理学的に許容できる有機又は無機塩基のメロキシカム塩と一種以上の好適な賦形剤を含み、溶解しているメロキシカム塩の含有量が10mg/mlより多いことを特徴とするメロキシカム水溶液。
【請求項2】
メロキシカム塩がナトリウム又はメグルミン塩である請求項1記載の水溶液。
【請求項3】
メグルミンとメロキシカムのモル比が9:8から12:8である請求項2記載の水溶液。
【請求項4】
メグルミンとメロキシカムのモル比が10:8である請求項3記載の水溶液。
【請求項5】
緩衝剤類及び/又は防腐剤類から選ばれる一種以上の賦形剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項6】
可溶化剤類から選ばれる一種以上の賦形剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項7】
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項8】
開封後の貯蔵寿命が室温で28日以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項9】
最初の包装状態で、長期貯蔵寿命が室温で24ヶ月以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項10】
水溶液のpH値が8.0から10の範囲にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項11】
メロキシカム、メグルミン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、エタノール及びグリシンを含有し、任意に水酸化ナトリウム又は塩酸を含んでいても良く、さらにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項12】
本質的に、メロキシカム、メグルミン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、エタノール、グリシン及び注射用蒸留水からなり、任意に水酸化ナトリウム又は塩酸を含んでいてもよく、さらにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の水溶液。
【請求項13】
大型家畜における疼痛、炎症、熱、及び呼吸器系疾患治療用の医薬組成物の調製のための請求項1〜12のいずれか1項記載のメロキシカム溶液の使用。
【請求項14】
体重1kgにつき有効成分が0.2〜1.0mgの投与量範囲に対応する請求項13記載の溶液の使用。

【公開番号】特開2010−280726(P2010−280726A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210791(P2010−210791)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【分割の表示】特願2002−503297(P2002−503297)の分割
【原出願日】平成13年6月19日(2001.6.19)
【出願人】(504225895)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (34)
【Fターム(参考)】