定量吸入器における、及びそれに関する改良
一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器であり、この吸入器は、上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備え;前記ハウジングが、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するために、前記用量を空気又は他の気体の流れとして貯蔵手段からマウスピースに送達するためのエアウェイとを含み、ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約45リットル/分以下、好ましくは約40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器に関する。本発明は、本発明に従い吸入器を組み立てるための部品のキットをさらに包含する。
【背景技術】
【0002】
典型的には噴霧形態又は粉末形態である一定用量の活性薬剤を配量するための定量吸入器は、当該技術分野において周知である。かかる器具は典型的には、活性薬剤のリザーバと、患者が吸入できるようマウスピースに一用量の薬剤を送達するためのエアウェイとを含む。「能動型」吸入器は圧縮空気源をさらに含み、これは加圧空気を器具に押し通すように動作し得るもので、それにより活性薬剤がエアロゾル化され、一用量がマウスピースに、及びそこから患者の気道に送達される。それに代わり「受動型」器具は、主として患者がマウスピースに加える吸引力を頼りとし、それにより一用量の活性薬剤がリザーバからマウスピースへと吸い込まれ、その後肺に入る。「能動型」及び「受動型」の双方の機能又は様式を有し得る器具もある。
【0003】
リザーバ、エアウェイ、及び、能動型器具の場合に加圧空気源は、通常ハウジングの中に収容される。典型的には、ハウジングはプラスチック材料の2個以上の部品で製造され、それらの部品が製造プロセスにおいて一体に組み立てられ、溶接されることで最終製品が作られる。ハウジングの構成部品を一体に溶接することにより、通常は気密接続が確保される。しかしながら、溶接プロセスは費用がかかり、且つ、概して用いられるプラスチック材料の性質に依存して、時に信頼性に欠ける。ある場合には、溶接プロセスでは完全に気密な接続が形成されない結果となることもある。
【0004】
溶接なしに製造し得る器具が、当該技術分野において公知である。かかる器具は、2個以上の部品がクリック嵌め固定部などの機械的固定部によって一体に接続されることで形成されるハウジングを含む。しかしながら、かかる器具は通常、気密性が不完全であることが認められており、これは、器具を通じて活性薬剤を吸い込んだり、又は推し進めたりするために用いられる空気が、固定部分を通じてその周辺から漏れ出すためであり、結果として動作の効率性が低くなる。受動型吸入器の場合、これによって器具の有効な動作に要求される吸引力レベルが大幅に上昇する。ひいては、小児又は慢性閉塞性肺疾患等の病態を患う人などの、吸引能力が低いか、又は吸引能力に障害のある患者は、吸入器を利用できないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って当該技術分野では、溶接なしに製造することができ、しかし気密であるため効率良く動作する定量吸入器が、際立って必要とされている。特に、溶接なしに製造でき、呼吸能力が低下した、又は損なわれた患者が有効に動作させることのできる受動型吸入器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の第1の態様に従えば、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器が提供され、この吸入器は、上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備え、ここで前記ハウジングは、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するため、前記用量を空気又は他の気体の流れとして貯蔵手段からマウスピースに送達するためのエアウェイとを含み、ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とは、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約45リットル/分以下、好ましくは約40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0007】
好適には、本発明の第1の態様に係る吸入器は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0008】
器具を作動させるために必要な最低気体流量は、Dosage Unit Sampling Apparatus(DUSA)を用いて計測することができる。DUSAは、本来、器具からの粉末の排出量及びその変動を計測するために用いられる。しかしながら、流量制御ユニットを調節して流量をある間隔、例えば5リットル/分の間隔ずつ増加させることにより、本明細書にさらに十分に記載されるとおり、投薬機構を作動させるために要求される流量を測定することができる。従って、計測方法論及び装置は当該技術分野において周知されており、且つ、United States Pharmacopoeia 第<601>章、又はEuropean Pharmacopoeiaの吸入研究論文に記載されており、これらは両文献とも本明細書により参照によって援用される。
【0009】
典型的な手順では、流量制御モジュールに、Draeger Volumeter、Inhalation Test Box及びDUSAが装備されている。各個別の試験機構について、30L/分、35L/分、40L/分、及び45L/分の空気流量が予め調節される。45L/分より大きい流量が必要となった場合、流量制御モジュールの流量が再度調節され得る。試験される各吸入器具は、振盪され、開放され、及び空気流量が30L/分に調節された第1の試験機構に入れられる。8秒間にわたって模擬吸入を作動させて、模擬総吸息量を4Lに到達させる。器具の作動及び用量の放出が観測された場合には、器具を装置から取り外した。吸入器具を最低空気流量で作動させることができなかった場合、この手順が同じ流量で再び繰り返され得る。2度目も吸入器具を作動させることができなかった場合、漸増させた次の事前設定流量を伴う試験機構を用いて、35L/分で器具の作動が試行され得る。試験は、5L/分ずつ流量を増加させながら、作動が成功裏に行われるまで繰り返され得る。結果は、特定の作動流量と共に作業表に記録した。
【0010】
本発明の第2の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、下側部品と上側部品とを含むハウジング;前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、それを貫通するチャンネルを含むマウスピース;前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップ;前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバ;前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッター;受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライド;前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールド;規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段;吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段;及び前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニット、を備え;ハウジングの前記上側部品及び前記下側部品が、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下、好ましくは40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0011】
好適には、本発明の第2の態様に係る吸入器は、一用量の前記活性薬剤を患者に投与ためリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0012】
本発明の第3の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が投薬キャビティに計り取られ;及び保護キャップが開放され続けているとき、充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わるとバルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによってシャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放されるものであり;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、投薬キャビティが漏斗出口の下にある充填位置に投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、吸入器のブロックを行うように構成され;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下、好ましくは40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0013】
好適には、本発明の第3の態様に係る吸入器は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0014】
本発明の第4の態様に従えば、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器が提供され、この吸入器は、上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備え;前記ハウジングは、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するため、前記用量を空気又は他の気体の流れとして貯蔵手段からマウスピースに送達するためのエアウェイとを含み;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、下側部品と上側部品とを含むハウジング;前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピース;前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップ;前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバ;前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッター;受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライド;前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールド;規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段;吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段;及び前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニット、を備え;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第6の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が投薬キャビティに計り取られ;及び保護キャップが開放され続けているとき、充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わるとバルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによってシャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放されるものであり;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、投薬キャビティが漏斗出口の下にある充填位置に投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、吸入器のブロックを行うように構成され;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0017】
好適には、前記封止部分の封止作用は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分、好ましくは約45リットル/分、及びより好ましくは約40リットル/分の気体流量が要求されるものである。
【0018】
前記封止部分は、上側部品及び下側部品の一方に設けられたフランジを備えてもよく、このフランジは、上側部品及び下側部品の他方に設けられた対応するスロットに密封状態で嵌まり込むように構成される。従って、ハウジングの上側部品と下側部品とは封止部分で互いに重なり合うことになり、有効で気密な封止が確保される。
【0019】
好ましくは、前記機械的固定部は解除可能であり得る。前記機械的固定部は、好ましくは少なくとも1つのスナップ嵌め固定部を備え、これは上側部品及び下側部品の一方に設けられた雄部分と、上側部品及び下側部品の他方に設けられた協働する雌部分とを備える。有利には、前記吸入器は、前記ハウジングの周囲に離間された複数のスナップ嵌め固定部を備え得る。
【0020】
好ましくは、各スナップ嵌め固定部の雄部分は、2本の共に延出する略平行アームを備えてもよく、これらは場合により互いから離れるように付勢され、及び雌部分は凹部を備えてもよく、その中に前記アームが挿入されるように構成され、その構成は、アームが前記凹部の壁と係合することにより生じる摩擦がアームを凹部の内部に保持するように作用するものである。雄部分と雌部分とは、相互に係合すると、互いを係止し合うような形状とされ得る。従って、雄部分及び雌部分は、それぞれ、雄部分を雌部分に挿入すると、雄部分及び雌部分の一方にある1つ又は複数の付形された突起が、雄部分及び雌部分の他方にある対応するラッチ又は凹部と係合し、それにより雄部分が雌部分と係合した状態で係止されるような形状とされ得る。
【0021】
本発明に係る吸入器で利用される活性薬剤は、固体形態であっても、又は液体形態であってもよい。好ましくは、前記活性薬剤は乾燥粉末状の物質であり得る。
【0022】
本発明は、前記マウスピースに吸引力が加えられたとき、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに吸い込むように、空気を前記エアウェイに吸い込むための入口を備える「受動型」器具;及び、加圧された空気又は他の気体の供給源を備え、それが作動時に、患者に投与するよう一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに吹き込むように構成される「能動型」器具の双方、並びに「受動型」及び「能動型」の双方の機能又は様式を備えた器具を包含する。双方のタイプの器具とも、その特徴は当該技術分野において周知されており、当業者は熟知しているであろう。本発明によって改良されるタイプの「受動型」器具が、例えば国際公開第97/20589号パンフレットに開示され、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0023】
本発明の第7の態様に従えば、本発明の任意の態様に係る吸入器を組み立てるための部品のキットが提供され、前記キットは、マウスピースと、ハウジングの上側部品と、ハウジングの下側部品とを備え、ここで前記上側部品及び下側部品は、本発明に従い一体に固定されるように構成される。
【0024】
以下は、単に例としての、本発明の実施形態の添付図面に関連する説明である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】閉鎖された状態の本発明に係る吸入器の側面図を示す。
【図1B】図1Aの吸入器の後面図を示す。
【図1C】図1Aの吸入器の前面図を示す。
【図1D】図1Aの吸入器の平面図を示す。
【図1E】キャップ950及びマウスピース920のない図1Aの吸入器の斜視図を示す。
【図1F】保護キャップが引き抜かれた図1Aの吸入器を示す。
【図1G】保護キャップが完全に下まで回動して、直ちに吸入できる状態にある図1Aの吸入器を示す。
【図2A】図1Aの吸入器の保護キャップの斜視図を示す。
【図2B】図1Aの吸入器の保護キャップの平面図を示す。
【図2C】図1Aの吸入器の保護キャップの側面図を示す。
【図2D】図1Aの吸入器の保護キャップの中の図を示す。
【図3A】ハウジングの下側部品の斜視図を示す。
【図3B】ハウジングの下側部品の一方の後部縁端の拡大図を示す。
【図4A】ハウジングの上側部品の斜視図を示す。
【図4B】ハウジングの上側部品の一方の後部縁端の拡大図を示す。
【図4C】互いに係合した状態にあるハウジングの上側部品及び下側部品の切欠側面図を示す。
【図4D】ハウジングの上側部品と下側部品との間の係合の拡大図を示す。
【図5A】マウスピースの基板の斜視図を示す。
【図5B】マウスピースの側面の斜視図を示す。
【図5C】マウスピースの一方の半体の外側の図を示す。
【図5D】マウスピースの一方の半体の内側の図を示す。
【図5E】広げられたマウスピースの内側斜視図を示す。
【図6A】スライドレールの下方からの斜視図を示す。
【図6B】スライドレールの側方からの斜視図を示す。
【図7A】前部から側方向に見た、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図7B】前部からの、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図7C】後部からの、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図8A】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8B】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8C】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8D】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図9A】投薬スライドの上方からの斜視図を示す。
【図9B】後部から見た、投薬スライドの上方からの斜視図を示す。
【図9C】投薬スライドの下方からの斜視図を示す。
【図10A】シャッターの上方からの斜視図を示す。
【図10B】シャッターの下方からの斜視図を示す。
【図11A】バルブシールドの斜視図を示す。
【図11B】バルブシールドの側面斜視図を示す。
【図12A】バルブガイドの内側斜視図を示す。
【図12B】バルブガイドの外側斜視図を示す。
【図13A】漏斗の上方からの斜視図を示す。
【図13B】漏斗の下方からの斜視図を示す。
【図14A】漏斗ホルダの上方からの斜視図を示す。
【図14B】漏斗ホルダの側面斜視図を示す。
【図14C】漏斗ホルダの下方からの斜視図を示す。
【図15A】漏斗蓋の上方からの斜視図を示す。
【図15B】漏斗蓋の下方からの斜視図を示す。
【図15C】半透膜を備えた漏斗蓋を示す。
【図16A】漏斗ホルダ、漏斗及び漏斗蓋の側面斜視図を示す。
【図16B】漏斗ホルダ及び嵌め込まれた漏斗の上方からの斜視図を示す。
【図17A】カウンタの単位ホイールの斜視図を示す。
【図17B】カウンタの百位ホイールの斜視図を示す。
【図17C】カウンタの単位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17D】カウンタの単位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17E】カウンタの十位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17F】カウンタの十位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17G】カウンタの百位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17H】カウンタの百位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17I】カウンタ本体の内側斜視図を示す。
【図17J】カウンタ本体の外側斜視図を示す。
【図17K】カウンタのカバー板の外側斜視図を示す。
【図17L】カウンタのカバー板の内側斜視図を示す。
【図17M】カウンタの駆動ホイールの外側斜視図を示す。
【図17N】カウンタの駆動ホイールの内側斜視図を示す。
【図17O】カウンタ、単位ホイール上での投薬スライドの係合を示す。
【図18A】図1Aの線A−Aに沿った図1Aの吸入器の水平長手方向断面図を示す。
【図18B】図1Dの線B−Bに沿った図1Aの吸入器の垂直長手方向断面図を示す。
【図18C】図1Dの線C−Cに沿った図1Aの吸入器の垂直横断方向断面図を示す。
【図19A】シャッターの解除の機能原理を説明する。開口部及びカムを備えたキャリッジの側部ウィングを示す。
【図19B】シャッターの解除の機能原理を説明する。閉鎖された構成にある図1Aの吸入器を示す。
【図19C】シャッターの解除の機能原理を説明する。ほぼ解除されているが、保護キャップが完全に下までは回動していないシャッターを示す。
【図19D】シャッターの解除の機能原理を説明する。解除され、図1Fと一致して保護キャップが完全に下まで回動したシャッターを示す。
【図20A】吸入器の機能原理を説明する。図1A、18A及び19Bと一致して閉鎖された吸入器を示す。
【図20B】吸入器の機能原理を説明する。図1F及び19Dと一致して開放された吸入器を示す。
【図20C】吸入器の機能原理を説明する。不完全な吸入後の吸入器の閉鎖を説明する。
【図20D】吸入器の機能原理を説明する。完全な吸入後の吸入器の閉鎖を説明する。
【図20E】吸入器の機能原理を説明する。不完全な吸入後の閉鎖された吸入器を示す。
【図20F】吸入器の機能原理を説明する。完全な吸入後の閉鎖された吸入器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1A〜1E
外側からは、本発明に係る吸入器は、ハウジングの下側部品100と、ハウジングの上側部品150と、保護キャップ950とで構成される。ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150は、細長いセミモノコック構造を有する。上側部品150は、その上側面に、漏斗蓋680を受け入れるための相当な大きさの開口151と、カウンタの状況を読み取ることができる窓152とを有する。ハウジングの下側部品100とハウジングの上側部品150とは、以下に記載される方法で互いに接合及び封止され、それによって閉鎖された実質的に気密なハウジングが得られる。把持性を高めることができるよう、保護キャップ950の外側面上にグリップ用外形物951が設けられる。好ましくは把持ディンプル113として設計されるグリップ用外形物がハウジングの両側面にも配置され、この場合には、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150にわたって延在する。
【0027】
保護キャップ950の上面、外縁端にかけて細長凹部があり、これが隣接するハウジングの上側部品150と共にクリアランス968を作り出す。このクリアランス968を覗き込むことにより、マウスピースが嵌め込まれ、ひいてはクリアランス968が塞がれているか、又はマウスピースが見当たらず、結果的にクリアランス968が開放されているかを確認することが可能となる。保護キャップ950の反対側−吸入器の後部部品上−に、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150によって囲まれるバルブガイドの穴開き基面854を見ることができる。
【0028】
ここに示される閉鎖された状態にある開始位置−以降では状況A1と称される−では、保護キャップ950は、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150と面一に嵌め込まれる。従って、吸入器に貯蔵された医薬調合物は、密封に準じる状態で外部湿度から保護される。
【0029】
図1F
吸入器は使用前に開放しなければならず、これを行うため、まず初めに保護キャップ950が軸方向に引き抜かれる。保護キャップ950が引き抜かれるときに従う線は、一対の側部アーム960によって制限され、この側部アーム960は保護キャップ950に固定され、且つ長手方向に変位可能な形で吸入器の内側に係合している。保護キャップ950が引き抜かれてこの程度離れると、マウスピース900が既に部分的に現れ、このマウスピース900はハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150の前面に取り付けられ、側部アーム960によって両側面を取り囲まれている。後に説明されるとおり、このステップには、粉末リザーバから医薬品を正確に投薬するための一時的な振動が関係する。保護キャップ950が引き抜かれたこの中間位置は、これ以降状況A2と称される。
【0030】
図1G
患者がマウスピース900にアクセスできるようにし、すなわち吸入を可能とするには、側部アーム960に懸架された保護キャップ950がさらなる操作で下まで回動しなくてはならない。以上で、基板910から突出したマウスチューブ920を備えるマウスピース900が完全に現れる。患者が医薬品を吸入するためのチャンネル出口922が、マウスチューブ920の端面921に位置する。
【0031】
この位置では、保護キャップが引き抜かれて完全に下まで回動され−以降では状況A4と称される−、吸入器はそれ自体、吸入の準備ができている。用意されている一用量の医薬品は散剤状態である。保護キャップ950は、それが初めに限界まで引き抜かれたときにのみ、下まで回動され得ることは理解されなければならない。マウスピース900の寸法、側部アーム960の長さ、及び保護キャップ950を下方に回動するのに唯一つの可能性しかないことにより、患者は必然的に吸入器を正しい位置にセットする。吸入器が誤って逆さまに使用されたならば、患者は自分の鼻が保護キャップ950にぶつかり、従ってほとんどマウスピース900を利用できないであろうため、そのことに直ちに気付き得る。
【0032】
状況A3は、保護キャップ950が回動しているが、まだその最下位置には達していない状態を特徴とする。
【0033】
図2A〜2D
保護キャップ950は、前述の2本の側部アーム960と、実際のキャップ952とからなる。クリアランス968は、マウスピース900の基板910のための空間を提供するものであり、キャップ952のマウスピース900と向かい合う縁端上、上側面及び下側面の中央に配置される。
【0034】
2本の側部アーム960は各々、側方向にキャップ952の中まで延在する。側部アーム960は、吸入器に係合する前部分に、互いに対称的な特殊な構造物を有する。各側部アーム960は、角の丸い正方形の開口部961と、角の丸い開口部961の下方にあって内側に向くピン962と、側部アームの下側から組み込まれ、且つ切込み縁964を有する凹部963並びに前方斜面969とを有する。各側部アーム960における開口部961と切込み縁964との間に、さらなる矩形開口部970がある。この開口部970の上方にずれて、外側に向いたディンプル971がある。同じタイプのディンプル972が、側部アーム960の下部領域、キャップ952への入り口の近傍に配置される。
【0035】
図3A〜3B
図3Aに示されるとおり、ハウジングの下側部品100は後部について、半円形担持リング102が得られるようにして端部で補強される。同様に半円形で径方向受入れ溝104を備える二重壁103が、基面上、担持リング102からある距離を隔てて設けられる。二重壁103の間の中心に、起立した軸方向接続ウェブ115が延びている。
【0036】
基面には、前側面105から延在する2本の平行なバー又はガイドレール106が配置される。ハウジング100の下側部分の内表面は、多くの成形物を含む。特に、ハウジングの中にはハウジング異形部119が成形又はプレス加工される。この異形部は、本質的に平坦な表面118と、その平坦な表面の外側上方にハウジング壁に向かって延在する斜面117とからなる。2つの斜角の壁120がガイドレール106の外側にハウジング壁に向かって延在し、但しこれは、ハウジング壁まで完全に延在するものではない。チャンネル121が、斜角の壁の端部と対向するハウジング壁とによって画定される。器具が係止されていない位置にあるとき、平坦な表面118の各々に制止ボール(図示せず)が位置し、これは壁120と斜面117とによって定位置に保持される。
【0037】
前側面105には、2つの受入れノッチ109、並びに基面−各ハウジング壁の近傍−に2本の軸方向に延在する長手方向スロット110が組み込まれる。各長手方向スロット110の入口にある側面に、安全カム125がある。2本のレール106と前側面105との間に、2つのU字型陥凹部124がある。
【0038】
ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108の各々の内面に沿って、複数の凹部111が離間され、その各々は、一致した面取り突起114が設けられた一対の直立バー112によって画定される。突起114は、凹部111の方を向いている。ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108の各々の外面に沿って、長手方向に延在する細長溝116が設けられる。
【0039】
ハウジングの下側部品100の後端102の一方の縁端が、図3Bに示される。この図において、上記のとおりの凹部111及び溝116の形状及び形態を、さらに詳細に見ることができる。
【0040】
図4A〜4D
図4Aで分かるとおり、ハウジングの上側部品150はハウジングの下側部品100と同様に、後部に半円形担持リング154、並びに受入れ溝156を備えた二重壁155を有する。それぞれの半体の担持リング102及び154、並びに受入れ溝104及び156が組み合わさって完全な円形を形成する。
【0041】
受入れ溝156の前方に装着された側壁には、いずれの側にも支持カム158と、それより高いオーバースプリングリブ157とがある。支持カム158及びオーバースプリングリブ157は、ハウジングの上側部品150の中心に向かって突き出て、側壁上に共通の起点を有する。上側部品150の内面には、窓152(図示せず)に隣接して、互いに離間された2つの平行な支持体159(図示せず)が配置される。上側部品150の内面には、嵌め込まれる漏斗のための凹部151(図示せず)もある。この凹部151の側壁に向いた両側面には、制限カム164(図示せず)が、いずれの側でも上側部品150の内面から起立している。
【0042】
ハウジングの下側部品100の長手方向スロット110に対応して、ハウジングの上側部品150の前側面160にも2本のスロット161がある。前側面160には、さらに中心受入れノッチ162と、前側面160からマウスピース900に向かって延在する2本の弾性締付けプロング163とがある。前側面160と締付けプロング163の基面との間には、受入れノッチ162に隣接して横材165が延伸する。前側面160の後方にかけて、締付けプロング163は合体して垂直方向のU字型異形部166となり、このU字型異形部166の垂直方向溝167は内側で前側面160と隣接し、且つ互いに向かい合う。
【0043】
ハウジングの下側部品100の凹部111に対応して、上側部品150には複数の一対のアーム173が設けられ、これらのアームは、ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108に沿った凹部111の間隔に対応した距離で、上側部品150の長手方向側面177、178に沿って離間される。各対の2本のアーム173は共に伸張し、互いに略平行である。各アームには付形されたヘッド174が設けられる。細長溝116に対応する細長フランジ179が、ハウジングの上側部品150の側面177、178の各々の外面に沿って長手方向に延在する。
【0044】
ハウジングの上側部品100の後端の一方の縁端が、図4Bに示される。この図では、上記のとおりのアーム173及びフランジ179の形状及び形態を、さらに詳細に見ることができる。
【0045】
その構成は、図4Cに示されるとおり、ハウジングの上側部品150と下側部品100とが一体にされると、上側部品にあるアーム173の各対が、下側部品にある対応する凹部111に挿入され得るものである。各凹部111は、各対の2本のアーム173が、凹部に挿入されると互いに向かって押圧されるような幅である。これにより、アーム173が僅かに外向きに付勢される結果として、アーム173と凹部111の壁との間の摩擦が増す。各アームのヘッド174が面取り突起114の裏側に引っ掛かり、それによりアーム173が凹部111の中に確実に係止される。これは、ハウジングの上側部品150と下側部品100とを確実に一体に保持する働きをする。一方、ハウジングの上側部品150にある2つの細長フランジ179の各々は、ハウジングの下側部品100の対応する細長溝116に隙間なく嵌まり込み、それによりハウジングの上側部品と下側部品との間に有効な略気密封止が作り出される。
【0046】
凹部111とアーム173との間の係合は、図4Dに提示される拡大図にさらに詳細に示される。
【0047】
図5A〜5E
基板910とマウスチューブ920とからなるマウスピース900は、有利には2つの半体で構成され、それらの半体は、例えば端面921に設けられる一体型のフィルムヒンジ923によって一体に接合される。基板910上、吸入器と向かい合って、各半体の下部に完全コネクタプラグ911が、及び上部に半体カム912があり、この半体カム912は隣接する半体カム912と相補的である。各コネクタプラグ911は、その自由前端、下方の領域に、内側に向いた斜面931を備えた凹部930を有する。
【0048】
2つの半体カム912の下に係合開口913が組み込まれ、これはマウスチューブ920に通し込まれるシャフト932として延在する。シャフト932の奥には、マウスチューブ920の壁にいずれの側でも側方向に凹状溝933が存在する。マウスチューブ920の噴霧器経路924のためのチャンネル入口914が係合開口913の下方にある。チャンネル入口914は、噴霧器経路924を介してチャンネル出口922と接続される。基板910上、チャンネル入口914の下に、マウスピースの第2の半体と相補的な水平方向の斜面935が、いずれの側にも配置される。
【0049】
噴霧器経路924の内部、チャンネル入口914の後方に複数のバッフル925があり、これらは医薬品を含有する空気流に衝突して渦流を生じさせるよう、噴霧器経路924の中に突出しており、従って噴霧器経路924は、曲線に富む進路を確保する。チャンネル出口922に近付くと、中を流れる粉末エアロゾルはS字型カーブを経て拡張したチャンネル部分928に入り込み、ここでチャンネル出口922に逸れる。この噴霧器経路の特別な形態の目的は、粉末を分散させ、粉末の流量を低減することで、吸入に効果的でない粗い粒子を堆積させることである。同時に、ひいては患者の咽頭に活性物質の粒子が衝突することが防止される。マウスチューブ920は、使用中に吸入器を正しい位置で用いるよう患者を促すため、少なくとも端面921の領域において水平方向に潰れている。
【0050】
図6A及び6B
図6A及び6Bに示されるスライドレール200は2つの長手方向溝202を有し、これらの長手方向溝202は端面201から側方向に、且つ互いに平行に延在し、スライドレール200に沿ってほぼ中間に達する。端面201の延長部には、互いに離間された2本の脚部204がスライドレール200の下部から下方に延在する。スライドレール200は、上部に張出し棚様の屋根部品210を有し、これは突出し屋根の状態で端面201を覆うように突出する。端面201と反対側の端部において、スライドレール200は傾斜した表面205を終端とし、これはスライドレール200の上表面と斜面状に合体し、屋根部品210は傾斜した表面205の前方で終端となる。
【0051】
図7A〜7D
図7A〜7Dに示されるキャリッジ500は、側方向に起立し、且つ前側面501を始端とする2つの対向する側壁又はウィング503、523を有し、そこにはいずれの側にも外側に向いたカム504が配置される。カム504は、略楕円形状を得るように、垂直方向より水平方向により幅が広い。ウィング503、523の各々には円弧状のスロット又は開口部505が組み込まれ、これはカム504の周りに下方から、部分的な環状として延びる。カム504は、キャップ950の側部アーム960に設けられたスロットと係合するように配置され、一方、スロット505は、側部アーム960に設けられた突出部と係合するように配置され、それによりキャリッジがキャップと係合する。スロットと突出部との間のかかる協働により、キャップが引き抜かれて開放されるときのその移動がキャリッジと連動し、このようにしてキャリッジをキャップに合わせて側方向に動かすことができる。キャップが完全に引き伸ばされると、図1Gに示されるとおり90度回動させることが可能となり、使用者はマウスピースにアクセスできる。
【0052】
その後側面507において、キャリッジ500は2つの側方向に起立するストラット508、510を有し、ストラット508は水平方向ショルダ509を有する。2つのプルカム512がキャリッジ基面511から起立し、一方、キャリッジ基面511は後側面507まで、2つの弾性スプリング舌部513の形態で続き、これらの舌部513はスプリング楔514として終端し、側方に逸れて撓曲することができる。2つのスプリング舌部513の間には、キャリッジ基面511を通じて中央に長手方向溝520が延在する。前側面501上、溝520とウィング503、523の各々との間にプルキャッチ521が存在する。ウィング523は、前側面501に向かって内側に摩擦部分515を有する。
【0053】
溝520の真下で、キャリッジ500はその下側に2つのランナー522を有し、これらのランナー522はハウジングの下側部品100に設けられたガイドレール106を係合し、それによりキャリッジはレールに沿って側方向に動くことができる。キャリッジはまた、当接部分524も備え、これは以下でさらに詳細に記載される重力によって作動する係止機構の第1の係止要素を提供する。
【0054】
図8A〜8D
図8Aには、ランナー522で下側ハウジング部分100に装着されたキャリッジ500が示される(断面ではない)。かかる装着位置では、当接部分524はハウジング100の下側部品の基面に向かって下方に延在し、キャリッジがキャップ950の移動に従いガイドレールに沿って側方向に前後に動かされると、チャンネル121を通過するように構成される。以上に記載したとおり、キャップ950の移動は、側部アーム960がカム504及びスロット505を介してキャリッジと接続されていることによってキャリッジと連動する。明確にするため、図8Aでは接続されているキャップのアーム960は示されていない。この図では、キャリッジは、キャップが閉鎖されているときの状況に相当する、完全に後退した位置にある。この構成では、当接部分524はチャンネル121の中に延在しない。係止ボール222が重力によって作動する係止機構の第2の係止要素を形成し、この図ではそれらが係止されていない位置にあることが示され、従ってキャップが開放され、それによりキャリッジが動かされたならば、当接部分はチャンネルを支障なく通行し得る。
【0055】
図8Bは、図8Aに示されるものと実質的に同じ図であり、但しキャップ950がハウジングから側方向外側に引き離され、図1Eに示される位置をとった結果として、キャリッジ500が前方に引き込まれている。図8Bでは、当接部分524がキャリッジと共にチャンネル121を通じて前進し、制止ボール222を越えたことが分かる。さらに、この図では、制止ボールは係止されていない位置にあり、当接部分524は支障なくボールを通り過ぎ、従ってキャップの開放は可能である。
【0056】
図8Cは、図8A及び8Bに示されるものと実質的に同じ図を示す。器具は、軸A−A’を中心として反時計回りの方向に回転している。図の左側に示される制止ボール222が、ハウジングの下側部分100の平坦な表面118を離れ、斜面117を渡ってハウジング部分100の壁に向かって移動したことが分かる。この回転は、制止ボール222が斜面117を渡る動きの慣性に勝るよう、十分なものでなければならない。回転の臨界点に達した後、ボールは重力下に、図示される位置まで動く。当然ながら、当業者は、係止機構の感度が、制止ボール222の質量を変えるか、若しくは斜面117の傾斜を変えるかのいずれかによって慣性力を増加若しくは減少させたり、ボールとハウジング異形部との間の接触角度を変えたり、又はこれらを任意に組み合わせたりすることによって調節され得ることを理解するであろう。この移動は、器具が回転する結果として起こる。制止ボール222が斜面117に位置しているときは、キャップ950、従ってキャリッジ500を動かそうとするいかなる試みも、当接部分524が制止ボール222と接触し得るため妨げられる。このようにして、使用者が正しい投薬に適切な向きを外れて器具を回転させた場合、キャップは取り外すことができない。従って上記から、器具が時計回りの方向に傾けられた場合、図の右側に位置する制止ボール222が対向する当接部分の経路に入り込むことによって係止が生じることになる。
【0057】
図8Dは、図8A、8B及び8Cと実質的に同じ図を示す。しかしながら、この図では器具は、器具のキャップ端部が上方に傾けられたかのように、(回転されるのとは対照的に)軸A−A’から外れるように傾けられている。この傾く動きに応じて、制止ボール222は双方とも、斜角の壁120によって案内されて斜面117を渡り動く。この場合も、制止ボール222がチャンネル121の斜面117に配置されているため、キャップ950を動かそうとするいかなる試みも、当接部分524が制止ボール222と接触し、係止機構が作動する結果となる。器具が傾く動きに対する係止機構の感度は、上記に考察された回転動作の場合と同じようにして調節することができる。
【0058】
図9A〜9C
舌状の投薬スライド300は、その前縁端301の近傍に貫通孔の投薬キャビティ302を有する。前縁端301から出発して、投薬スライド300はまず初めに細い舌部先端303として延在し、次に幅が広くなって後部部品304に至る。後部部品304の外側脇にスプリングリーフ305が配置され、そこからカム306が垂直に起立する。
【0059】
投薬スライド300は、下側に側脇起立部307を有し、これらは投薬キャビティ302の直ちに後方を始端とし、そこに制限ストッパ縁端308を形成する。投薬キャビティ302は、下側で径方向封止リム320によって取り囲まれる。後部部品304への移行部の近傍には、2つの下方に延在する横断方向カム309がある。投薬スライド300の後部縁端310には、2つの下方に向かう異形キャッチ321がある。
【0060】
図10A及び10B
シャッター400は、好適な強い吸入があるときにのみ、投薬キャビティ302に準備されている医薬品を放出する機能を有する。シャッター400は、最前部に貫通開口402を備えたスリーブ状の閉鎖部品401を有する。閉鎖部品401の後方には外側の垂直方向側面起立部403があり、これは制限ストッパ404を始端とする。各側面起立部403には、外側に向いた斜面形状のウィング405が配置される。ウィング405の後部部品406に向かって後ろに、側部ブラケット407が続く。シャッター400は、後部縁端408の下部に外側に向いたキャリア409も有する。底面のウィング405の領域に、2つの基板410が、貫通間隙411を残して互いに向かって延在する。後部部品406の端部には、後部縁端408にかけてカバー420が提供され、これは上面で2つの平行な側面起立部403にかかるように広がり、ほぼ側部ブラケット407の領域を始端とする。カバー420には丸みの付けられた溝421があり、これは中央に沿って延在し、シャッター400の中心に向かって開放している。
【0061】
図11A及び11B
バルブシールド800は、患者に正しい吸入のための規定の最小吸引力を生成するよう促す機能を有する。バルブシールド800は、円筒形カプセル810と、そこに取り付けられ、且つ異なる役割を有する複数のアームとからなる。カプセル810は、開口を取り囲み、且つ外側に突出するフランジ状カラー811を有する。カプセル810の底面812は凸面状に外側に湾曲しており、外側面上に多数の起立したスタブ813を有する。
【0062】
バルブシールド800のさらなる要素が、カラー811と垂直に取り付けられ、軸方向に延在している。カラー811には、まず初めに一対の長い触手820があり、これらは互いに反対方向にあり、且つその最前部にキャリア821を有している。触手820の前方には2本のより短いスプリングアーム822があり、その先端には外側に向いた楔形異形部823が備わっている。触手820の後方には、2つの短い係止歯824が互いに近接して立っている。
【0063】
図12A及び12B
カプセル形状バルブガイド850は、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150に嵌め込まれると、バルブシールド800、すなわちそのカプセル810を受け入れる働きをする。バルブガイド850は、この程度においてスライドを担持する機能を有する。バルブシールド800のカラー811と相補的なバルブガイド850は、外側制限ストッパフランジ851を有する。バルブガイド850の内側にあるスライドリブ852は、バルブシールド800が動いて外に出るときの摩擦を低減する目的を有する。穴開き底面854は多くの穴855を有し、それによりバルブシールド800のスタブ813のための空間が設けられる。制限ストッパフランジ851の上部及び下部には、2つの直径方向反対側にあるノッチ856がある。穴855及びスタブ813により、吸入器を後部で実質的に閉鎖するように設計し、ひいては埃の粒子の侵入及びバルブシールド800の不慮の移動を防止することが可能となる。
【0064】
図13A及び13B
漏斗690は漏斗ホルダ601に嵌め込むように意図される(図14A、14Bを参照)。漏斗底面691は、出口692に向かって斜めに傾斜した設計とされ、従って医薬品粉末が有利な形で流れる。出口692は外側面において封止要素694によって取り囲まれる。漏斗690は外側面において、2つの反対側の側面で上方に突き出るリテーナカム695、並びに、斜めになっている漏斗底面上、リテーナカム695間に位置して中心に位置決めされた固定ノーズ696を有する。
【0065】
図14A〜14C
箱型漏斗ホルダ601は、その下面にホルダ底面603と、前壁611と、後壁612と、前壁611と後壁612との間にある半分の高さの2つの側壁613、614とを有する。ホルダ底面603には、漏斗出口608と細長溝615とが位置する。最底部で、封止部材622が漏斗出口608を取り囲み、それにより湿度の侵入及び漏斗690から投薬スライド300の摺動面への粉末の漏出を防止することが可能となる。
【0066】
前壁611には2本の斜角レール616が垂直に配置され、及び後壁612の上部には支持縁端602があり、そこからスプリングアーム617が、いずれの側にも2つの側壁613、614に沿って延在する。スプリングアーム617の各々には、それぞれの側壁613、614と向かい合って溝618が設けられる。側壁613、614は、その下縁端のほぼ中心に、各々下方に開放されたノッチ619を有する。一方の側壁613の後壁612の近傍に、摩擦部分621が設けられる。2枚の弾性薄板605が後壁612に接続され、ホルダ底面603の外側脇に沿って延在する。薄板605は、下方に突き出した制止カム609を備えた垂直方向に可動な端部を有する。
【0067】
図15A〜15C
漏斗蓋680は、漏斗690を閉鎖する働きをする。漏斗蓋680の下側には、半透膜682によって閉鎖されるチャンバ681がある。チャンバ681は、湿気を引き付ける乾燥剤粉末を収容するよう意図され、その湿気は半透膜682を通じて拡散することができる。
【0068】
図16A及び16B
漏斗構成体が完成した状態のとき、漏斗690は漏斗ホルダ601に嵌め込まれ、且つ漏斗690は漏斗蓋680によって閉鎖される。しかしながら、吸入器の組立て順序に、漏斗構成体の事前の完成は含まれなくともよい。
【0069】
図17A及び17B
完全なカウンタ700は、単位ホイール701、十位ホイール780、百位ホイール720、カウンタ本体740、カウンタカバー板760、及びここでは図示されない2つの同一の駆動ホイールからなる。カウンタ700の目的は、使用された投薬回数、又は未だ利用可能な投薬回数を記録して、患者に直前に行われた吸入を、それが正しく実施されたのであれば、知らせることである。数字、及び適切であるならば色標示が、カウンタ本体740のアクスル741に固定されたカウンタホイール701、780及び720の周囲に設けられる。カウンタの現在の状態は、ハウジングの上側部品150の窓152に位置するレンズ742の下に表示される。レンズ742はカウンタ本体740と接続される。
【0070】
図17C及び17D
単位ホイール701は、その外表面702上に10個の半径方向に分配されたカム703を有する。
【0071】
図17E及び17F
内側歯付リング781を備えた十位ホイール780は、それ自体は従来どおりの構造である。
【0072】
図17G及び17H
百位ホイール720も同様に、内側歯付リング721及び外側に突出した端部カム722を有する。
【0073】
図17I及び17J
カウンタ本体740は、基板743、直角の上面に設置されたレンズ742、基板743から垂直方向に延在するアクスル741、並びに駆動ホイールベアリング744からなる。
【0074】
図17K及び17L
カウンタカバー板760は、単位ホイール701を押圧してカウンタ本体740のアクスル741に固定される。カウンタカバー板760は、端部に楔状カム762を備えた弾性調節舌部761を有し、このカム762は常に単位ホイール701の2つのカム703の間を動く。
【0075】
図17M及び17N
星型駆動ホイール790は、一方で単位ホイール701と十位ホイール780との間に、他方で十位ホイール780と百位ホイール720との間に収まる。これは均等に配置された6本の歯791を有し、それらの歯791は1本おきに、その先端に駆動ホイール790の一側面上のアンダーカット部792を有する。
【0076】
図17O
正しい吸入が完了され、保護キャップ950が上方に回動して中に押し込まれることにより吸入器が再び閉鎖されると、カウンタ700の作動が起こる。投薬スライド300を開始位置に押し戻したとき−状況A1−にのみ、単位ホイール701のカム703がスプリングリーフ305にあるカム306によって把持され、それにより単位ホイール701が1カウント位置だけ回る。
【0077】
吸入器から目的とする回数の投薬が行われたとき、百位ホイール720は、端部カム722が最上部に配置された位置となり、キャリッジ500を引くと、ショルダ509(図7A〜7Bを参照)が端部カム722と衝突する。従って、それ以上の吸入器の作動が阻止される。
【0078】
図18A〜18C
組み立てられた状態では、以下の構成が状況A1において得られる。ハウジングの下側部品100とハウジングの上側部品150とが、以上に記載されるとおり一体に接合される。マウスピース900が前部から挿入され、保護キャップ950は完全に閉鎖される。
【0079】
スライドレール200、キャリッジ500、投薬スライド300、シャッター400は、ハウジング部品100、150内にある。バルブガイド850、及びそこにバルブシールド800が嵌め込まれ、並びに完全な漏斗構成体−漏斗690、漏斗ホルダ601及び漏斗蓋680からなる−及びカウンタ700が嵌め込まれる。バルブシールド800はその最後方位置にあり、及び投薬スライド300は、漏斗出口608の下に位置する投薬キャビティ302に医薬品を充填できるような位置にある。シャッター400の閉鎖部品401はチャンネル入口914の中に突出している。締付けプロング163−マウスピース900をさらに固定する−がマウスピース900のシャフト932に位置し、溝933に係合する。一体に接合されたマウスピース900の半体カム912は、ハウジングの上側部品150の受入れノッチ162に係止される。マウスピース900のコネクタプラグ911はハウジングの下側部品100の受入れノッチ109を挿通し、及びマウスピース900の斜面935がスライドレール200の屋根部品210の前縁端の下に係合する。保護キャップ950の側部アーム960はハウジングの下側部品100のスロット110とハウジングの上側部品150のスロット161とを通じて突出し、キャリッジ500のウィング503、523を抱え込む。ここでピン962が開口部505に掛かり、一方、カム504が開口部961に係合する。保護キャップ950を開始位置に固定するため、安全カム125がディンプル972に係止される。
【0080】
スライドレール200の脚部204は、ハウジングの下側部品100の陥凹部124に係合する。漏斗ホルダ601の斜角レール616が、ハウジングの上側部品150にあるU字型異形部166の垂直方向溝167に入り込む。漏斗690は、そのリテーナカム695及びその固定ノーズ696によって、それぞれ漏斗ホルダ601のノッチ619及び溝615に着座する。封止部材694を備えた漏斗690の出口692は、漏斗出口608に位置する。さらに、漏斗ホルダ601が、制限カム164によってハウジングの上側部品150に側方向に固定される。
【0081】
完成体のカウンタ700は、ハウジングの上側部品150の支持体159によって保持される。バルブシールド800のカプセル810はバルブガイド850の最大限の範囲に着座し、バルブガイド850の制限ストッパフランジ851はハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150のそれぞれの受入れ溝104、156に着座して、且つ接続ウェブ115はノッチ856と係合することになる。
【0082】
図19A〜19D
図のこの順序は、保護キャップ950が下まで回動したときの、医薬品が充填された投薬スライド300の投薬キャビティ302を取り囲むシャッター400の解除を説明する。
【0083】
図19A及び19B
状況A1に従えば、キャリッジ500はそのウィング503、523が漏斗ホルダ601の手前に立つような位置にあり、すなわち、開口部505に係合する保護キャップ950の側部アーム960のピン962は、動くことのできないシャッター400の係合を外すことに関しては役に立たない。漏斗ホルダ601の下の制止カム609が、シャッター400において側方向に突き出ているウィング405の後側に係合する。投薬キャビティ302は漏斗出口608の真下に位置し、既に医薬品で充填されている可能性がある。
【0084】
図19C
保護キャップ950が一時的に完全に引き抜かれて、側部アーム960に掛かるキャリッジ500が前方に引かれている;状況A2に達している。シャッター400はいまだ動けず、その閉鎖部品401によって投薬キャビティ302を取り囲み、この投薬キャビティ302は、保護キャップ950を引き外したことによってマウスピース900のチャンネル入口914の中に押し込まれており、且つ医薬品が充填されている。
【0085】
ここで保護キャップ950を下に回動し始め、すなわち状況A3が実行されている。しかしながら、保護キャップ950はいまだ完全に下までは回動しておらず、従ってピン962は、下に回動する間に開口部505を上り、結果的に徐々に上昇して、シャッター400を阻止している薄板605の係合を外す。
【0086】
図19D
状況A3に達すると−これはまた状況A4〜A7にも当てはまるが−保護キャップ950は完全に下まで回動しており、その結果ピン962が薄板605を押し上げる。ひいては制止カム609がシャッター400のウィング405から離脱する。シャッター400は移動可能となり、すなわち状況A3と同時に吸入の準備ができた状態が存在する。下まで回動した保護キャップ950は、ハウジングの下側部品100の安全カム125と側部アーム960のディンプル971との協働によってこの位置に固定される。
【0087】
図20A〜20F
図のこの順序は、可能性のある異なる状況において起こる機械的なイベントを伴う、完全な吸入サイクルを説明する。
【0088】
図20A
状況A1では、バルブシールド800、キャリッジ500及びシャッター400は、それらの後端位置にある。これは、正しく実施された吸入後に保護キャップ950が閉鎖された後、又は最初の使用前の吸入器の状態である。保護キャップ950が押し込まれているとき、シャッター400、バルブシールド800及び投薬スライド300は、キャリッジ500によって後端位置に押し戻されている。キャリッジ500のプルキャッチ521がシャッター400のキャリア409を把持する。そのスプリング楔514により、キャリッジ500は投薬スライド300のキャッチ321を押圧し、そのスプリング楔514は係止歯824によって内側に囲まれている。
【0089】
キャリッジ500の2つのストラット508、510が、バルブシールド800をその開始位置に押し込んでいる。カウンタ700の単位ホイール701上のカム703が、投薬スライド300上のカム306によって1単位進められている。ここで投薬キャビティ302は、再び漏斗出口608の真下に位置する。
【0090】
図20B
状況A4では、吸入器は吸入の準備ができた状態にある。保護キャップ950を引き抜くことによって、バルブシールド800が最後退位置から前進する。触手820のキャリア821がウィング503、523によって把持され、僅かに前方に引かれており、それによりバルブシールド800のスタブ813がバルブガイド850の穴855から外れ、空気間隙が生じる。吸入している患者は、吸入器に他の空気入口が提供されていなければ、これらの空気間隙を通じて息を吸い込むことができる。保護キャップ950を引き抜くと、キャリッジ500はその摩擦部分515と共に漏斗ホルダの摩擦部分621を通り過ぎ、それにより医薬品粉末の漏斗690から投薬キャビティ302への流れを促進する振動が発生した。摩擦部分515、621は、保護キャップ950が引き抜かれるとき、投薬キャビティ302が漏斗出口608の下に位置している場合にのみ振動が発生するような寸法及び構成とされる。キャリッジ500がそれと共に投薬スライド300を引き始めると、摩擦部分515と621とは離脱する。
【0091】
投薬スライド300が、横断方向カム309を介してキャリッジ500のプルカム512によってさらに把持され、マウスピース900に向かって前方に動かされたことにより、ここで投薬キャビティ302はシャッター400の閉鎖部品401によって取り囲まれる。保護キャップ950が下まで回動していることに伴い、漏斗ホルダ601の下の制止カム609がシャッター400のウィング405から持ち上げられているため、シャッター400もまた解除される。バルブシールド800のスプリングアーム822の楔形異形部823は、ハウジングの上側部品150のオーバースプリングリブ157に隣接して立つ。
【0092】
圧力が漏斗ホルダ601のスプリングアーム617の上方からかけられ、それにより下方にある全ての構成要素が一定量の表面圧力を受ける。これにより密封性が高まり、医薬品粉末の漏出が防止される。保護キャップ950が下まで回動された後、吸入器は吸入の準備ができた状態となり、ここでシャッター400の移動は容易であるほど望ましい。側部アーム960が下まで回動されると、上方から作用する表面圧力は、開口部505を上るピン962が薄板605を押圧するため、ある部分補償される。カム504の楕円形状及び開口部961の幾何形状を用いることにより、カム504は意図的に開口部961内において、その水平方向の遊びと比べて大きい垂直方向の遊びを有する。従って表面圧力が低減され、吸入時にシャッター400をより容易に移動させることが可能となる。
【0093】
図20C
状況A5−吸入が見送られた後、吸入器が再び閉鎖されている−では、バルブシールド800はその位置に留まっており、すなわち前方に吸い込まれなかった。保護キャップ950が嵌められると、キャリッジ500が押し戻される;そのスプリング舌部513は、投薬スライド300のキャッチ321から離れるように動く。バルブシールド800はキャリッジ500によって再びその最後退位置まで押し込まれる;シャッター400が再び係止される。しかしながら、投薬スライド300はその充填された投薬キャビティ302がその前進位置にあるままである;投薬スライド300は好適な摩擦の結果としてそこに留まる。
【0094】
図20D
状況A6−吸入が不完全なまま中断された−では、バルブシールド800はまだその前進位置に達しておらず、その結果としてシャッター400がいまだ移動せず、一用量の医薬品が中に入ったままであった。保護キャップ950が嵌められ、キャリッジ500が押し戻されても、投薬スライド300は、空になっていない投薬キャビティ302が前方にあるままである。キャリッジ500のスプリング舌部513がスプリング楔514を介してキャッチ321と衝突し、ひいては内側に屈曲する。このようにしてスプリング楔514が係止歯824と衝突し、ひいてはバルブシールド800を押し戻し、最後にはキャリッジ500の2つのストラット508及び510によってバルブシールド800のさらなる押し戻しが起こる。
【0095】
図20E
不完全な吸入及び吸入器の再閉鎖後−状況A8−、充填された投薬スライド300は前方に出ており、一方、バルブシールド800及びキャリッジ500は再び後部開始位置に置かれる。
【0096】
図20F
状況A7−吸入の完了後−では、保護キャップ950は完全に下まで回動しており、その結果としてピン962が漏斗ホルダ601の薄板605を持ち上げ、及びシャッター400のウィング405の係止が外れている。正しい吸入中、バルブシールド800は前方に吸い込まれている。バルブシールド800が前方に動く結果として、楔形異形部823を備えたスプリングアーム822は、ハウジングの上側部品150のオーバースプリングリブ157の上に載っている。バルブシールド800の前進によりシャッター400がその前端位置まで押し込まれ、それにより投薬キャビティ302が自由となり、医薬品は患者によって吸入された。
【0097】
正しい吸入中、楔形異形部823を備えたそのスプリングアーム822がオーバースプリングリブ157の上に載った後、バルブシールド800は前方に吸い込まれている。吸引に必要な力は、楔形異形部823及びオーバースプリングリブ157の幾何形状と、スプリングアーム822の弾性とを用いて定義することが可能である。
【0098】
キャリッジ500が後進する間、そのスプリング楔514はキャッチ321と係止歯824との間に挟圧されて位置し、従って離脱できない。結果として、ここで投薬スライド300及びバルブシールド800が、スプリング楔514及びストラット508、510によって開始位置−状況A1−に押し戻される。
【0099】
以下の説明は、吸入器の作製について記載する;ここに記載されるステップの順序は、必ずしも大量生産における組立て順序と一致する必要はない。
【0100】
バルブガイド850がハウジングの下側部品100の後部に嵌め込まれ、バルブシールド800がバルブガイド850に嵌め込まれる。マウスピース900は前方から突き出ている。吸入器に、マウスピース900の近傍に位置してスライドレール200が、及びバルブシールド800に押し当ててキャリッジ500が装着される。ここで投薬スライド300がスライドレール200上に配置される。シャッター400が加えられ、さらに完成される。ここで、キャリッジ500に取り付けられている側方向の側部アーム960を備えた保護キャップ950が嵌め込まれる。ここでは、保護キャップ950の方を向いて完全に嵌め込まれた漏斗構成体600とカウンタ700とが、2つの覗き窓に見える。最後に、ハウジングの上側部品150が嵌め込まれなければならない。
【0101】
記載された吸入器に対し、さらなる作製上の変形を行うことができる。以下の変形例が、ここで明示的に記載される。
【0102】
保護キャップ950を押し込まれた状態−状況A1−に抑え込むため、ディンプル972ではなく、いずれの側にもキャップ952への入口の近傍、側部アーム960の上側に、外側に向いたカムを設け、ハウジングの上側部品150の前側面160のスロットに閉鎖状態で係合してもよい。保護キャップ950をマウスピース900と切り離すには、保護キャップが側方向グリップ用外形物951の領域で押し込まれ、その結果としてカムが外に出ることになる。
【0103】
マウスピース900において、チャンネル出口922の近傍で拡張されたチャンネル部分928に、粉末の分散及び吸入に非効果的な粗い粒子の堆積を促進するための横断方向のフルート溝を備えた三次元表面異形壁部を提供することが可能である。
【0104】
マウスピース900の2つの半体を共に保持するため、いずれの側にも2つの半体の内側切込み縁上に相補的な接続要素−例えば、穴とカムとの組み合わせ−を配置してもよく、それにより、生じ得る清掃及び乾燥の後に2つ半体を再び一体に接合することができる。
【0105】
漏斗構成体を吸入器に組み込むため、弾性材料で作製されたカラーを使用することが可能であり、そのカラーは漏斗ホルダ601に対して押圧される。
【0106】
漏斗690に貯蔵された薬理作用を有する乾燥粉末は、一方で散剤形態であってもよい。しかしながら、例えば押出しペレットレーンとして、又はパールチェーン形態など、配量される所定用量単位もまた含まれる。配量される個別の用量単位は、ブリスタ又はテープロールに準備され得る。製剤リザーバ及び個々の用量に分割する器具は互いに基づき設計されるべきであることは理解されるであろう。
【0107】
マウスピース900の噴霧器経路924は、直状の、又は巻回されたチャンネルとして設計され、そこには少なくとも1つのバッフル925が配置され、このバッフル925は内側に突き出る薄板、壁、流路本体又はスクリーンであってもよい。
【0108】
機械的カウンタ700に代えて、チップを使用して全ての関連データ、例えば、吸入の実施回数、吸息時間、及びフローパラメータなどを記録することもまた可能である。
【0109】
現在、オーバースプリングリブ157及びスプリングアーム822を用いて実現される流れ制御は、バルブガイド850の内部の可変抵抗を用いても確保できる。
【0110】
流量を制限するため、任意のノズルを受け入れるためのインサートを、マウスチューブ920の範囲内、すなわち噴霧器経路924の始点に設けるか、又はマウスチューブの上流に装着することが有利である。
【0111】
吸入中の吸入器における流れ抵抗の特定の変化について、この抵抗は、固定されたバルブガイド850とバルブシールド800の動いているカプセル810との間の空気間隙によって得られるもので、この空気間隙を、カプセル810の表面及び/又はバルブガイド850の内側面を物理的に不規則にすることによって増加させる形で、バルブシールド800のそれぞれの位置で効果的となるように構成することが可能である。この目的上、例えば、バルブシールド800のカプセル810上、及びバルブガイド850内の物理的寸法を広げるか、若しくは狭めること、又は長さに沿って断面が変化する溝が考慮され得る。
【0112】
記載されている吸入器において、さらには一般的な吸入器においても、センサ技術を用いて吸入及びそのフローパラメータを記録する可能性がある。パラメータを計測するため、膜/屈曲ビーム技術、又は、ダイヤフラムと組み合わせるか、若しくはベンチュリ測定原理と組み合わせたピエゾ抵抗素子が利用される。IPC論理及びセンサ技術により、開ループ制御が閉ループ制御となる。この閉ループ制御により、調節可能なノズルを電子動作素子を介して調節することが可能であり、最終的にはこのノズルが抵抗変化によって吸入器の流れを常時調整する。
【0113】
電流供給については、吸入器の内側にダイナモが提供され、保護キャップ950が開放されたときか、又は吸入中に空気が吸入器を通じて流れたときに電流を生成し、この電流は蓄えられ、電子部品への供給に用いられる。
【0114】
プラグイン式の再利用可能な制御モジュールとしての電子部品は、電池による動作を可能とするよう、吸入器から取り外すことができる。吸入データは集積メモリチップを用いて収集され、医師又は薬剤師が利用することができる。従って、用量投与を正確に監視することが可能となる。プラグインモジュールは、さらなる使用のため基本ユニット上で再充電することができ、及び/又は吸入器の汚染された部品のみが廃棄されるようにプログラムすることができる。
【0115】
吸入の進行をより良く監視するため、吸入が成功裏に、又は不成功に完了すると、機械的及び/又は電子的に生成された音響信号及び/又は光信号が放たれる。
【0116】
2つの相補的な摩擦部分515、621を、一方でキャリッジ500に、他方でハウジングの下側部品100又はハウジングの上側部品150に配置することもまた可能である。保護キャップ950が引き抜かれているときにのみ振動が起こる−それが押し戻されるときには起こらない−ように、2つの摩擦部分515、621のうちの一方が、例えば、同様に可動の構成部品上にあり、保護キャップ950を元に戻すごとに動作から取り除かれてもよい。
【0117】
現在、チャンバ681の内側の漏斗蓋680に収容されている乾燥剤粉末はまた、漏斗ホルダ601の内側に配置されてもよい。
【0118】
吸入器の外形及び内部の重量分布は、それが本質的に水平で、寸法上安定した支持体の上に置かれていることを意味し、吸入器は常に、漏斗ホルダ601の出口608が下方を向く向きとなっている。
【0119】
本説明は、患者が吸引力をかけることによって作動する「受動型」吸入器を記載する。しかしながら、加圧気体の供給を含み、且つその加圧気体が器具から放出されることによって作動する「能動型」器具にも、本発明の原理が等しく適用されることは理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器に関する。本発明は、本発明に従い吸入器を組み立てるための部品のキットをさらに包含する。
【背景技術】
【0002】
典型的には噴霧形態又は粉末形態である一定用量の活性薬剤を配量するための定量吸入器は、当該技術分野において周知である。かかる器具は典型的には、活性薬剤のリザーバと、患者が吸入できるようマウスピースに一用量の薬剤を送達するためのエアウェイとを含む。「能動型」吸入器は圧縮空気源をさらに含み、これは加圧空気を器具に押し通すように動作し得るもので、それにより活性薬剤がエアロゾル化され、一用量がマウスピースに、及びそこから患者の気道に送達される。それに代わり「受動型」器具は、主として患者がマウスピースに加える吸引力を頼りとし、それにより一用量の活性薬剤がリザーバからマウスピースへと吸い込まれ、その後肺に入る。「能動型」及び「受動型」の双方の機能又は様式を有し得る器具もある。
【0003】
リザーバ、エアウェイ、及び、能動型器具の場合に加圧空気源は、通常ハウジングの中に収容される。典型的には、ハウジングはプラスチック材料の2個以上の部品で製造され、それらの部品が製造プロセスにおいて一体に組み立てられ、溶接されることで最終製品が作られる。ハウジングの構成部品を一体に溶接することにより、通常は気密接続が確保される。しかしながら、溶接プロセスは費用がかかり、且つ、概して用いられるプラスチック材料の性質に依存して、時に信頼性に欠ける。ある場合には、溶接プロセスでは完全に気密な接続が形成されない結果となることもある。
【0004】
溶接なしに製造し得る器具が、当該技術分野において公知である。かかる器具は、2個以上の部品がクリック嵌め固定部などの機械的固定部によって一体に接続されることで形成されるハウジングを含む。しかしながら、かかる器具は通常、気密性が不完全であることが認められており、これは、器具を通じて活性薬剤を吸い込んだり、又は推し進めたりするために用いられる空気が、固定部分を通じてその周辺から漏れ出すためであり、結果として動作の効率性が低くなる。受動型吸入器の場合、これによって器具の有効な動作に要求される吸引力レベルが大幅に上昇する。ひいては、小児又は慢性閉塞性肺疾患等の病態を患う人などの、吸引能力が低いか、又は吸引能力に障害のある患者は、吸入器を利用できないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って当該技術分野では、溶接なしに製造することができ、しかし気密であるため効率良く動作する定量吸入器が、際立って必要とされている。特に、溶接なしに製造でき、呼吸能力が低下した、又は損なわれた患者が有効に動作させることのできる受動型吸入器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の第1の態様に従えば、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器が提供され、この吸入器は、上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備え、ここで前記ハウジングは、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するため、前記用量を空気又は他の気体の流れとして貯蔵手段からマウスピースに送達するためのエアウェイとを含み、ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とは、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約45リットル/分以下、好ましくは約40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0007】
好適には、本発明の第1の態様に係る吸入器は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0008】
器具を作動させるために必要な最低気体流量は、Dosage Unit Sampling Apparatus(DUSA)を用いて計測することができる。DUSAは、本来、器具からの粉末の排出量及びその変動を計測するために用いられる。しかしながら、流量制御ユニットを調節して流量をある間隔、例えば5リットル/分の間隔ずつ増加させることにより、本明細書にさらに十分に記載されるとおり、投薬機構を作動させるために要求される流量を測定することができる。従って、計測方法論及び装置は当該技術分野において周知されており、且つ、United States Pharmacopoeia 第<601>章、又はEuropean Pharmacopoeiaの吸入研究論文に記載されており、これらは両文献とも本明細書により参照によって援用される。
【0009】
典型的な手順では、流量制御モジュールに、Draeger Volumeter、Inhalation Test Box及びDUSAが装備されている。各個別の試験機構について、30L/分、35L/分、40L/分、及び45L/分の空気流量が予め調節される。45L/分より大きい流量が必要となった場合、流量制御モジュールの流量が再度調節され得る。試験される各吸入器具は、振盪され、開放され、及び空気流量が30L/分に調節された第1の試験機構に入れられる。8秒間にわたって模擬吸入を作動させて、模擬総吸息量を4Lに到達させる。器具の作動及び用量の放出が観測された場合には、器具を装置から取り外した。吸入器具を最低空気流量で作動させることができなかった場合、この手順が同じ流量で再び繰り返され得る。2度目も吸入器具を作動させることができなかった場合、漸増させた次の事前設定流量を伴う試験機構を用いて、35L/分で器具の作動が試行され得る。試験は、5L/分ずつ流量を増加させながら、作動が成功裏に行われるまで繰り返され得る。結果は、特定の作動流量と共に作業表に記録した。
【0010】
本発明の第2の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、下側部品と上側部品とを含むハウジング;前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、それを貫通するチャンネルを含むマウスピース;前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップ;前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバ;前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッター;受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライド;前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールド;規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段;吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段;及び前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニット、を備え;ハウジングの前記上側部品及び前記下側部品が、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下、好ましくは40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0011】
好適には、本発明の第2の態様に係る吸入器は、一用量の前記活性薬剤を患者に投与ためリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0012】
本発明の第3の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が投薬キャビティに計り取られ;及び保護キャップが開放され続けているとき、充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わるとバルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによってシャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放されるものであり;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、投薬キャビティが漏斗出口の下にある充填位置に投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、吸入器のブロックを行うように構成され;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下、好ましくは40リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする。
【0013】
好適には、本発明の第3の態様に係る吸入器は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるように作製され得る。
【0014】
本発明の第4の態様に従えば、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器が提供され、この吸入器は、上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備え;前記ハウジングは、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するため、前記用量を空気又は他の気体の流れとして貯蔵手段からマウスピースに送達するためのエアウェイとを含み;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、下側部品と上側部品とを含むハウジング;前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピース;前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップ;前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバ;前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッター;受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライド;前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールド;規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段;吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段;及び前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニット、を備え;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第6の態様に従えば、薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器が提供され、これは、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が投薬キャビティに計り取られ;及び保護キャップが開放され続けているとき、充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わるとバルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによってシャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放されるものであり;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、投薬キャビティが漏斗出口の下にある充填位置に投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、吸入器のブロックを行うように構成され;ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする。
【0017】
好適には、前記封止部分の封止作用は、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分、好ましくは約45リットル/分、及びより好ましくは約40リットル/分の気体流量が要求されるものである。
【0018】
前記封止部分は、上側部品及び下側部品の一方に設けられたフランジを備えてもよく、このフランジは、上側部品及び下側部品の他方に設けられた対応するスロットに密封状態で嵌まり込むように構成される。従って、ハウジングの上側部品と下側部品とは封止部分で互いに重なり合うことになり、有効で気密な封止が確保される。
【0019】
好ましくは、前記機械的固定部は解除可能であり得る。前記機械的固定部は、好ましくは少なくとも1つのスナップ嵌め固定部を備え、これは上側部品及び下側部品の一方に設けられた雄部分と、上側部品及び下側部品の他方に設けられた協働する雌部分とを備える。有利には、前記吸入器は、前記ハウジングの周囲に離間された複数のスナップ嵌め固定部を備え得る。
【0020】
好ましくは、各スナップ嵌め固定部の雄部分は、2本の共に延出する略平行アームを備えてもよく、これらは場合により互いから離れるように付勢され、及び雌部分は凹部を備えてもよく、その中に前記アームが挿入されるように構成され、その構成は、アームが前記凹部の壁と係合することにより生じる摩擦がアームを凹部の内部に保持するように作用するものである。雄部分と雌部分とは、相互に係合すると、互いを係止し合うような形状とされ得る。従って、雄部分及び雌部分は、それぞれ、雄部分を雌部分に挿入すると、雄部分及び雌部分の一方にある1つ又は複数の付形された突起が、雄部分及び雌部分の他方にある対応するラッチ又は凹部と係合し、それにより雄部分が雌部分と係合した状態で係止されるような形状とされ得る。
【0021】
本発明に係る吸入器で利用される活性薬剤は、固体形態であっても、又は液体形態であってもよい。好ましくは、前記活性薬剤は乾燥粉末状の物質であり得る。
【0022】
本発明は、前記マウスピースに吸引力が加えられたとき、患者に投与するため一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに吸い込むように、空気を前記エアウェイに吸い込むための入口を備える「受動型」器具;及び、加圧された空気又は他の気体の供給源を備え、それが作動時に、患者に投与するよう一用量の前記活性薬剤をリザーバからマウスピースに吹き込むように構成される「能動型」器具の双方、並びに「受動型」及び「能動型」の双方の機能又は様式を備えた器具を包含する。双方のタイプの器具とも、その特徴は当該技術分野において周知されており、当業者は熟知しているであろう。本発明によって改良されるタイプの「受動型」器具が、例えば国際公開第97/20589号パンフレットに開示され、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0023】
本発明の第7の態様に従えば、本発明の任意の態様に係る吸入器を組み立てるための部品のキットが提供され、前記キットは、マウスピースと、ハウジングの上側部品と、ハウジングの下側部品とを備え、ここで前記上側部品及び下側部品は、本発明に従い一体に固定されるように構成される。
【0024】
以下は、単に例としての、本発明の実施形態の添付図面に関連する説明である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】閉鎖された状態の本発明に係る吸入器の側面図を示す。
【図1B】図1Aの吸入器の後面図を示す。
【図1C】図1Aの吸入器の前面図を示す。
【図1D】図1Aの吸入器の平面図を示す。
【図1E】キャップ950及びマウスピース920のない図1Aの吸入器の斜視図を示す。
【図1F】保護キャップが引き抜かれた図1Aの吸入器を示す。
【図1G】保護キャップが完全に下まで回動して、直ちに吸入できる状態にある図1Aの吸入器を示す。
【図2A】図1Aの吸入器の保護キャップの斜視図を示す。
【図2B】図1Aの吸入器の保護キャップの平面図を示す。
【図2C】図1Aの吸入器の保護キャップの側面図を示す。
【図2D】図1Aの吸入器の保護キャップの中の図を示す。
【図3A】ハウジングの下側部品の斜視図を示す。
【図3B】ハウジングの下側部品の一方の後部縁端の拡大図を示す。
【図4A】ハウジングの上側部品の斜視図を示す。
【図4B】ハウジングの上側部品の一方の後部縁端の拡大図を示す。
【図4C】互いに係合した状態にあるハウジングの上側部品及び下側部品の切欠側面図を示す。
【図4D】ハウジングの上側部品と下側部品との間の係合の拡大図を示す。
【図5A】マウスピースの基板の斜視図を示す。
【図5B】マウスピースの側面の斜視図を示す。
【図5C】マウスピースの一方の半体の外側の図を示す。
【図5D】マウスピースの一方の半体の内側の図を示す。
【図5E】広げられたマウスピースの内側斜視図を示す。
【図6A】スライドレールの下方からの斜視図を示す。
【図6B】スライドレールの側方からの斜視図を示す。
【図7A】前部から側方向に見た、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図7B】前部からの、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図7C】後部からの、キャリッジの上方からの斜視図を示す。
【図8A】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8B】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8C】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図8D】図1Aの吸入器の部品の部分横断面の斜視図を示し、キャリッジの移動並びに吸入器の回転及び傾斜に応じた係止ボールの動きを示す。
【図9A】投薬スライドの上方からの斜視図を示す。
【図9B】後部から見た、投薬スライドの上方からの斜視図を示す。
【図9C】投薬スライドの下方からの斜視図を示す。
【図10A】シャッターの上方からの斜視図を示す。
【図10B】シャッターの下方からの斜視図を示す。
【図11A】バルブシールドの斜視図を示す。
【図11B】バルブシールドの側面斜視図を示す。
【図12A】バルブガイドの内側斜視図を示す。
【図12B】バルブガイドの外側斜視図を示す。
【図13A】漏斗の上方からの斜視図を示す。
【図13B】漏斗の下方からの斜視図を示す。
【図14A】漏斗ホルダの上方からの斜視図を示す。
【図14B】漏斗ホルダの側面斜視図を示す。
【図14C】漏斗ホルダの下方からの斜視図を示す。
【図15A】漏斗蓋の上方からの斜視図を示す。
【図15B】漏斗蓋の下方からの斜視図を示す。
【図15C】半透膜を備えた漏斗蓋を示す。
【図16A】漏斗ホルダ、漏斗及び漏斗蓋の側面斜視図を示す。
【図16B】漏斗ホルダ及び嵌め込まれた漏斗の上方からの斜視図を示す。
【図17A】カウンタの単位ホイールの斜視図を示す。
【図17B】カウンタの百位ホイールの斜視図を示す。
【図17C】カウンタの単位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17D】カウンタの単位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17E】カウンタの十位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17F】カウンタの十位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17G】カウンタの百位ホイールの内側斜視図を示す。
【図17H】カウンタの百位ホイールの外側斜視図を示す。
【図17I】カウンタ本体の内側斜視図を示す。
【図17J】カウンタ本体の外側斜視図を示す。
【図17K】カウンタのカバー板の外側斜視図を示す。
【図17L】カウンタのカバー板の内側斜視図を示す。
【図17M】カウンタの駆動ホイールの外側斜視図を示す。
【図17N】カウンタの駆動ホイールの内側斜視図を示す。
【図17O】カウンタ、単位ホイール上での投薬スライドの係合を示す。
【図18A】図1Aの線A−Aに沿った図1Aの吸入器の水平長手方向断面図を示す。
【図18B】図1Dの線B−Bに沿った図1Aの吸入器の垂直長手方向断面図を示す。
【図18C】図1Dの線C−Cに沿った図1Aの吸入器の垂直横断方向断面図を示す。
【図19A】シャッターの解除の機能原理を説明する。開口部及びカムを備えたキャリッジの側部ウィングを示す。
【図19B】シャッターの解除の機能原理を説明する。閉鎖された構成にある図1Aの吸入器を示す。
【図19C】シャッターの解除の機能原理を説明する。ほぼ解除されているが、保護キャップが完全に下までは回動していないシャッターを示す。
【図19D】シャッターの解除の機能原理を説明する。解除され、図1Fと一致して保護キャップが完全に下まで回動したシャッターを示す。
【図20A】吸入器の機能原理を説明する。図1A、18A及び19Bと一致して閉鎖された吸入器を示す。
【図20B】吸入器の機能原理を説明する。図1F及び19Dと一致して開放された吸入器を示す。
【図20C】吸入器の機能原理を説明する。不完全な吸入後の吸入器の閉鎖を説明する。
【図20D】吸入器の機能原理を説明する。完全な吸入後の吸入器の閉鎖を説明する。
【図20E】吸入器の機能原理を説明する。不完全な吸入後の閉鎖された吸入器を示す。
【図20F】吸入器の機能原理を説明する。完全な吸入後の閉鎖された吸入器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1A〜1E
外側からは、本発明に係る吸入器は、ハウジングの下側部品100と、ハウジングの上側部品150と、保護キャップ950とで構成される。ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150は、細長いセミモノコック構造を有する。上側部品150は、その上側面に、漏斗蓋680を受け入れるための相当な大きさの開口151と、カウンタの状況を読み取ることができる窓152とを有する。ハウジングの下側部品100とハウジングの上側部品150とは、以下に記載される方法で互いに接合及び封止され、それによって閉鎖された実質的に気密なハウジングが得られる。把持性を高めることができるよう、保護キャップ950の外側面上にグリップ用外形物951が設けられる。好ましくは把持ディンプル113として設計されるグリップ用外形物がハウジングの両側面にも配置され、この場合には、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150にわたって延在する。
【0027】
保護キャップ950の上面、外縁端にかけて細長凹部があり、これが隣接するハウジングの上側部品150と共にクリアランス968を作り出す。このクリアランス968を覗き込むことにより、マウスピースが嵌め込まれ、ひいてはクリアランス968が塞がれているか、又はマウスピースが見当たらず、結果的にクリアランス968が開放されているかを確認することが可能となる。保護キャップ950の反対側−吸入器の後部部品上−に、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150によって囲まれるバルブガイドの穴開き基面854を見ることができる。
【0028】
ここに示される閉鎖された状態にある開始位置−以降では状況A1と称される−では、保護キャップ950は、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150と面一に嵌め込まれる。従って、吸入器に貯蔵された医薬調合物は、密封に準じる状態で外部湿度から保護される。
【0029】
図1F
吸入器は使用前に開放しなければならず、これを行うため、まず初めに保護キャップ950が軸方向に引き抜かれる。保護キャップ950が引き抜かれるときに従う線は、一対の側部アーム960によって制限され、この側部アーム960は保護キャップ950に固定され、且つ長手方向に変位可能な形で吸入器の内側に係合している。保護キャップ950が引き抜かれてこの程度離れると、マウスピース900が既に部分的に現れ、このマウスピース900はハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150の前面に取り付けられ、側部アーム960によって両側面を取り囲まれている。後に説明されるとおり、このステップには、粉末リザーバから医薬品を正確に投薬するための一時的な振動が関係する。保護キャップ950が引き抜かれたこの中間位置は、これ以降状況A2と称される。
【0030】
図1G
患者がマウスピース900にアクセスできるようにし、すなわち吸入を可能とするには、側部アーム960に懸架された保護キャップ950がさらなる操作で下まで回動しなくてはならない。以上で、基板910から突出したマウスチューブ920を備えるマウスピース900が完全に現れる。患者が医薬品を吸入するためのチャンネル出口922が、マウスチューブ920の端面921に位置する。
【0031】
この位置では、保護キャップが引き抜かれて完全に下まで回動され−以降では状況A4と称される−、吸入器はそれ自体、吸入の準備ができている。用意されている一用量の医薬品は散剤状態である。保護キャップ950は、それが初めに限界まで引き抜かれたときにのみ、下まで回動され得ることは理解されなければならない。マウスピース900の寸法、側部アーム960の長さ、及び保護キャップ950を下方に回動するのに唯一つの可能性しかないことにより、患者は必然的に吸入器を正しい位置にセットする。吸入器が誤って逆さまに使用されたならば、患者は自分の鼻が保護キャップ950にぶつかり、従ってほとんどマウスピース900を利用できないであろうため、そのことに直ちに気付き得る。
【0032】
状況A3は、保護キャップ950が回動しているが、まだその最下位置には達していない状態を特徴とする。
【0033】
図2A〜2D
保護キャップ950は、前述の2本の側部アーム960と、実際のキャップ952とからなる。クリアランス968は、マウスピース900の基板910のための空間を提供するものであり、キャップ952のマウスピース900と向かい合う縁端上、上側面及び下側面の中央に配置される。
【0034】
2本の側部アーム960は各々、側方向にキャップ952の中まで延在する。側部アーム960は、吸入器に係合する前部分に、互いに対称的な特殊な構造物を有する。各側部アーム960は、角の丸い正方形の開口部961と、角の丸い開口部961の下方にあって内側に向くピン962と、側部アームの下側から組み込まれ、且つ切込み縁964を有する凹部963並びに前方斜面969とを有する。各側部アーム960における開口部961と切込み縁964との間に、さらなる矩形開口部970がある。この開口部970の上方にずれて、外側に向いたディンプル971がある。同じタイプのディンプル972が、側部アーム960の下部領域、キャップ952への入り口の近傍に配置される。
【0035】
図3A〜3B
図3Aに示されるとおり、ハウジングの下側部品100は後部について、半円形担持リング102が得られるようにして端部で補強される。同様に半円形で径方向受入れ溝104を備える二重壁103が、基面上、担持リング102からある距離を隔てて設けられる。二重壁103の間の中心に、起立した軸方向接続ウェブ115が延びている。
【0036】
基面には、前側面105から延在する2本の平行なバー又はガイドレール106が配置される。ハウジング100の下側部分の内表面は、多くの成形物を含む。特に、ハウジングの中にはハウジング異形部119が成形又はプレス加工される。この異形部は、本質的に平坦な表面118と、その平坦な表面の外側上方にハウジング壁に向かって延在する斜面117とからなる。2つの斜角の壁120がガイドレール106の外側にハウジング壁に向かって延在し、但しこれは、ハウジング壁まで完全に延在するものではない。チャンネル121が、斜角の壁の端部と対向するハウジング壁とによって画定される。器具が係止されていない位置にあるとき、平坦な表面118の各々に制止ボール(図示せず)が位置し、これは壁120と斜面117とによって定位置に保持される。
【0037】
前側面105には、2つの受入れノッチ109、並びに基面−各ハウジング壁の近傍−に2本の軸方向に延在する長手方向スロット110が組み込まれる。各長手方向スロット110の入口にある側面に、安全カム125がある。2本のレール106と前側面105との間に、2つのU字型陥凹部124がある。
【0038】
ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108の各々の内面に沿って、複数の凹部111が離間され、その各々は、一致した面取り突起114が設けられた一対の直立バー112によって画定される。突起114は、凹部111の方を向いている。ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108の各々の外面に沿って、長手方向に延在する細長溝116が設けられる。
【0039】
ハウジングの下側部品100の後端102の一方の縁端が、図3Bに示される。この図において、上記のとおりの凹部111及び溝116の形状及び形態を、さらに詳細に見ることができる。
【0040】
図4A〜4D
図4Aで分かるとおり、ハウジングの上側部品150はハウジングの下側部品100と同様に、後部に半円形担持リング154、並びに受入れ溝156を備えた二重壁155を有する。それぞれの半体の担持リング102及び154、並びに受入れ溝104及び156が組み合わさって完全な円形を形成する。
【0041】
受入れ溝156の前方に装着された側壁には、いずれの側にも支持カム158と、それより高いオーバースプリングリブ157とがある。支持カム158及びオーバースプリングリブ157は、ハウジングの上側部品150の中心に向かって突き出て、側壁上に共通の起点を有する。上側部品150の内面には、窓152(図示せず)に隣接して、互いに離間された2つの平行な支持体159(図示せず)が配置される。上側部品150の内面には、嵌め込まれる漏斗のための凹部151(図示せず)もある。この凹部151の側壁に向いた両側面には、制限カム164(図示せず)が、いずれの側でも上側部品150の内面から起立している。
【0042】
ハウジングの下側部品100の長手方向スロット110に対応して、ハウジングの上側部品150の前側面160にも2本のスロット161がある。前側面160には、さらに中心受入れノッチ162と、前側面160からマウスピース900に向かって延在する2本の弾性締付けプロング163とがある。前側面160と締付けプロング163の基面との間には、受入れノッチ162に隣接して横材165が延伸する。前側面160の後方にかけて、締付けプロング163は合体して垂直方向のU字型異形部166となり、このU字型異形部166の垂直方向溝167は内側で前側面160と隣接し、且つ互いに向かい合う。
【0043】
ハウジングの下側部品100の凹部111に対応して、上側部品150には複数の一対のアーム173が設けられ、これらのアームは、ハウジングの下側部品100の長手方向側面107、108に沿った凹部111の間隔に対応した距離で、上側部品150の長手方向側面177、178に沿って離間される。各対の2本のアーム173は共に伸張し、互いに略平行である。各アームには付形されたヘッド174が設けられる。細長溝116に対応する細長フランジ179が、ハウジングの上側部品150の側面177、178の各々の外面に沿って長手方向に延在する。
【0044】
ハウジングの上側部品100の後端の一方の縁端が、図4Bに示される。この図では、上記のとおりのアーム173及びフランジ179の形状及び形態を、さらに詳細に見ることができる。
【0045】
その構成は、図4Cに示されるとおり、ハウジングの上側部品150と下側部品100とが一体にされると、上側部品にあるアーム173の各対が、下側部品にある対応する凹部111に挿入され得るものである。各凹部111は、各対の2本のアーム173が、凹部に挿入されると互いに向かって押圧されるような幅である。これにより、アーム173が僅かに外向きに付勢される結果として、アーム173と凹部111の壁との間の摩擦が増す。各アームのヘッド174が面取り突起114の裏側に引っ掛かり、それによりアーム173が凹部111の中に確実に係止される。これは、ハウジングの上側部品150と下側部品100とを確実に一体に保持する働きをする。一方、ハウジングの上側部品150にある2つの細長フランジ179の各々は、ハウジングの下側部品100の対応する細長溝116に隙間なく嵌まり込み、それによりハウジングの上側部品と下側部品との間に有効な略気密封止が作り出される。
【0046】
凹部111とアーム173との間の係合は、図4Dに提示される拡大図にさらに詳細に示される。
【0047】
図5A〜5E
基板910とマウスチューブ920とからなるマウスピース900は、有利には2つの半体で構成され、それらの半体は、例えば端面921に設けられる一体型のフィルムヒンジ923によって一体に接合される。基板910上、吸入器と向かい合って、各半体の下部に完全コネクタプラグ911が、及び上部に半体カム912があり、この半体カム912は隣接する半体カム912と相補的である。各コネクタプラグ911は、その自由前端、下方の領域に、内側に向いた斜面931を備えた凹部930を有する。
【0048】
2つの半体カム912の下に係合開口913が組み込まれ、これはマウスチューブ920に通し込まれるシャフト932として延在する。シャフト932の奥には、マウスチューブ920の壁にいずれの側でも側方向に凹状溝933が存在する。マウスチューブ920の噴霧器経路924のためのチャンネル入口914が係合開口913の下方にある。チャンネル入口914は、噴霧器経路924を介してチャンネル出口922と接続される。基板910上、チャンネル入口914の下に、マウスピースの第2の半体と相補的な水平方向の斜面935が、いずれの側にも配置される。
【0049】
噴霧器経路924の内部、チャンネル入口914の後方に複数のバッフル925があり、これらは医薬品を含有する空気流に衝突して渦流を生じさせるよう、噴霧器経路924の中に突出しており、従って噴霧器経路924は、曲線に富む進路を確保する。チャンネル出口922に近付くと、中を流れる粉末エアロゾルはS字型カーブを経て拡張したチャンネル部分928に入り込み、ここでチャンネル出口922に逸れる。この噴霧器経路の特別な形態の目的は、粉末を分散させ、粉末の流量を低減することで、吸入に効果的でない粗い粒子を堆積させることである。同時に、ひいては患者の咽頭に活性物質の粒子が衝突することが防止される。マウスチューブ920は、使用中に吸入器を正しい位置で用いるよう患者を促すため、少なくとも端面921の領域において水平方向に潰れている。
【0050】
図6A及び6B
図6A及び6Bに示されるスライドレール200は2つの長手方向溝202を有し、これらの長手方向溝202は端面201から側方向に、且つ互いに平行に延在し、スライドレール200に沿ってほぼ中間に達する。端面201の延長部には、互いに離間された2本の脚部204がスライドレール200の下部から下方に延在する。スライドレール200は、上部に張出し棚様の屋根部品210を有し、これは突出し屋根の状態で端面201を覆うように突出する。端面201と反対側の端部において、スライドレール200は傾斜した表面205を終端とし、これはスライドレール200の上表面と斜面状に合体し、屋根部品210は傾斜した表面205の前方で終端となる。
【0051】
図7A〜7D
図7A〜7Dに示されるキャリッジ500は、側方向に起立し、且つ前側面501を始端とする2つの対向する側壁又はウィング503、523を有し、そこにはいずれの側にも外側に向いたカム504が配置される。カム504は、略楕円形状を得るように、垂直方向より水平方向により幅が広い。ウィング503、523の各々には円弧状のスロット又は開口部505が組み込まれ、これはカム504の周りに下方から、部分的な環状として延びる。カム504は、キャップ950の側部アーム960に設けられたスロットと係合するように配置され、一方、スロット505は、側部アーム960に設けられた突出部と係合するように配置され、それによりキャリッジがキャップと係合する。スロットと突出部との間のかかる協働により、キャップが引き抜かれて開放されるときのその移動がキャリッジと連動し、このようにしてキャリッジをキャップに合わせて側方向に動かすことができる。キャップが完全に引き伸ばされると、図1Gに示されるとおり90度回動させることが可能となり、使用者はマウスピースにアクセスできる。
【0052】
その後側面507において、キャリッジ500は2つの側方向に起立するストラット508、510を有し、ストラット508は水平方向ショルダ509を有する。2つのプルカム512がキャリッジ基面511から起立し、一方、キャリッジ基面511は後側面507まで、2つの弾性スプリング舌部513の形態で続き、これらの舌部513はスプリング楔514として終端し、側方に逸れて撓曲することができる。2つのスプリング舌部513の間には、キャリッジ基面511を通じて中央に長手方向溝520が延在する。前側面501上、溝520とウィング503、523の各々との間にプルキャッチ521が存在する。ウィング523は、前側面501に向かって内側に摩擦部分515を有する。
【0053】
溝520の真下で、キャリッジ500はその下側に2つのランナー522を有し、これらのランナー522はハウジングの下側部品100に設けられたガイドレール106を係合し、それによりキャリッジはレールに沿って側方向に動くことができる。キャリッジはまた、当接部分524も備え、これは以下でさらに詳細に記載される重力によって作動する係止機構の第1の係止要素を提供する。
【0054】
図8A〜8D
図8Aには、ランナー522で下側ハウジング部分100に装着されたキャリッジ500が示される(断面ではない)。かかる装着位置では、当接部分524はハウジング100の下側部品の基面に向かって下方に延在し、キャリッジがキャップ950の移動に従いガイドレールに沿って側方向に前後に動かされると、チャンネル121を通過するように構成される。以上に記載したとおり、キャップ950の移動は、側部アーム960がカム504及びスロット505を介してキャリッジと接続されていることによってキャリッジと連動する。明確にするため、図8Aでは接続されているキャップのアーム960は示されていない。この図では、キャリッジは、キャップが閉鎖されているときの状況に相当する、完全に後退した位置にある。この構成では、当接部分524はチャンネル121の中に延在しない。係止ボール222が重力によって作動する係止機構の第2の係止要素を形成し、この図ではそれらが係止されていない位置にあることが示され、従ってキャップが開放され、それによりキャリッジが動かされたならば、当接部分はチャンネルを支障なく通行し得る。
【0055】
図8Bは、図8Aに示されるものと実質的に同じ図であり、但しキャップ950がハウジングから側方向外側に引き離され、図1Eに示される位置をとった結果として、キャリッジ500が前方に引き込まれている。図8Bでは、当接部分524がキャリッジと共にチャンネル121を通じて前進し、制止ボール222を越えたことが分かる。さらに、この図では、制止ボールは係止されていない位置にあり、当接部分524は支障なくボールを通り過ぎ、従ってキャップの開放は可能である。
【0056】
図8Cは、図8A及び8Bに示されるものと実質的に同じ図を示す。器具は、軸A−A’を中心として反時計回りの方向に回転している。図の左側に示される制止ボール222が、ハウジングの下側部分100の平坦な表面118を離れ、斜面117を渡ってハウジング部分100の壁に向かって移動したことが分かる。この回転は、制止ボール222が斜面117を渡る動きの慣性に勝るよう、十分なものでなければならない。回転の臨界点に達した後、ボールは重力下に、図示される位置まで動く。当然ながら、当業者は、係止機構の感度が、制止ボール222の質量を変えるか、若しくは斜面117の傾斜を変えるかのいずれかによって慣性力を増加若しくは減少させたり、ボールとハウジング異形部との間の接触角度を変えたり、又はこれらを任意に組み合わせたりすることによって調節され得ることを理解するであろう。この移動は、器具が回転する結果として起こる。制止ボール222が斜面117に位置しているときは、キャップ950、従ってキャリッジ500を動かそうとするいかなる試みも、当接部分524が制止ボール222と接触し得るため妨げられる。このようにして、使用者が正しい投薬に適切な向きを外れて器具を回転させた場合、キャップは取り外すことができない。従って上記から、器具が時計回りの方向に傾けられた場合、図の右側に位置する制止ボール222が対向する当接部分の経路に入り込むことによって係止が生じることになる。
【0057】
図8Dは、図8A、8B及び8Cと実質的に同じ図を示す。しかしながら、この図では器具は、器具のキャップ端部が上方に傾けられたかのように、(回転されるのとは対照的に)軸A−A’から外れるように傾けられている。この傾く動きに応じて、制止ボール222は双方とも、斜角の壁120によって案内されて斜面117を渡り動く。この場合も、制止ボール222がチャンネル121の斜面117に配置されているため、キャップ950を動かそうとするいかなる試みも、当接部分524が制止ボール222と接触し、係止機構が作動する結果となる。器具が傾く動きに対する係止機構の感度は、上記に考察された回転動作の場合と同じようにして調節することができる。
【0058】
図9A〜9C
舌状の投薬スライド300は、その前縁端301の近傍に貫通孔の投薬キャビティ302を有する。前縁端301から出発して、投薬スライド300はまず初めに細い舌部先端303として延在し、次に幅が広くなって後部部品304に至る。後部部品304の外側脇にスプリングリーフ305が配置され、そこからカム306が垂直に起立する。
【0059】
投薬スライド300は、下側に側脇起立部307を有し、これらは投薬キャビティ302の直ちに後方を始端とし、そこに制限ストッパ縁端308を形成する。投薬キャビティ302は、下側で径方向封止リム320によって取り囲まれる。後部部品304への移行部の近傍には、2つの下方に延在する横断方向カム309がある。投薬スライド300の後部縁端310には、2つの下方に向かう異形キャッチ321がある。
【0060】
図10A及び10B
シャッター400は、好適な強い吸入があるときにのみ、投薬キャビティ302に準備されている医薬品を放出する機能を有する。シャッター400は、最前部に貫通開口402を備えたスリーブ状の閉鎖部品401を有する。閉鎖部品401の後方には外側の垂直方向側面起立部403があり、これは制限ストッパ404を始端とする。各側面起立部403には、外側に向いた斜面形状のウィング405が配置される。ウィング405の後部部品406に向かって後ろに、側部ブラケット407が続く。シャッター400は、後部縁端408の下部に外側に向いたキャリア409も有する。底面のウィング405の領域に、2つの基板410が、貫通間隙411を残して互いに向かって延在する。後部部品406の端部には、後部縁端408にかけてカバー420が提供され、これは上面で2つの平行な側面起立部403にかかるように広がり、ほぼ側部ブラケット407の領域を始端とする。カバー420には丸みの付けられた溝421があり、これは中央に沿って延在し、シャッター400の中心に向かって開放している。
【0061】
図11A及び11B
バルブシールド800は、患者に正しい吸入のための規定の最小吸引力を生成するよう促す機能を有する。バルブシールド800は、円筒形カプセル810と、そこに取り付けられ、且つ異なる役割を有する複数のアームとからなる。カプセル810は、開口を取り囲み、且つ外側に突出するフランジ状カラー811を有する。カプセル810の底面812は凸面状に外側に湾曲しており、外側面上に多数の起立したスタブ813を有する。
【0062】
バルブシールド800のさらなる要素が、カラー811と垂直に取り付けられ、軸方向に延在している。カラー811には、まず初めに一対の長い触手820があり、これらは互いに反対方向にあり、且つその最前部にキャリア821を有している。触手820の前方には2本のより短いスプリングアーム822があり、その先端には外側に向いた楔形異形部823が備わっている。触手820の後方には、2つの短い係止歯824が互いに近接して立っている。
【0063】
図12A及び12B
カプセル形状バルブガイド850は、ハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150に嵌め込まれると、バルブシールド800、すなわちそのカプセル810を受け入れる働きをする。バルブガイド850は、この程度においてスライドを担持する機能を有する。バルブシールド800のカラー811と相補的なバルブガイド850は、外側制限ストッパフランジ851を有する。バルブガイド850の内側にあるスライドリブ852は、バルブシールド800が動いて外に出るときの摩擦を低減する目的を有する。穴開き底面854は多くの穴855を有し、それによりバルブシールド800のスタブ813のための空間が設けられる。制限ストッパフランジ851の上部及び下部には、2つの直径方向反対側にあるノッチ856がある。穴855及びスタブ813により、吸入器を後部で実質的に閉鎖するように設計し、ひいては埃の粒子の侵入及びバルブシールド800の不慮の移動を防止することが可能となる。
【0064】
図13A及び13B
漏斗690は漏斗ホルダ601に嵌め込むように意図される(図14A、14Bを参照)。漏斗底面691は、出口692に向かって斜めに傾斜した設計とされ、従って医薬品粉末が有利な形で流れる。出口692は外側面において封止要素694によって取り囲まれる。漏斗690は外側面において、2つの反対側の側面で上方に突き出るリテーナカム695、並びに、斜めになっている漏斗底面上、リテーナカム695間に位置して中心に位置決めされた固定ノーズ696を有する。
【0065】
図14A〜14C
箱型漏斗ホルダ601は、その下面にホルダ底面603と、前壁611と、後壁612と、前壁611と後壁612との間にある半分の高さの2つの側壁613、614とを有する。ホルダ底面603には、漏斗出口608と細長溝615とが位置する。最底部で、封止部材622が漏斗出口608を取り囲み、それにより湿度の侵入及び漏斗690から投薬スライド300の摺動面への粉末の漏出を防止することが可能となる。
【0066】
前壁611には2本の斜角レール616が垂直に配置され、及び後壁612の上部には支持縁端602があり、そこからスプリングアーム617が、いずれの側にも2つの側壁613、614に沿って延在する。スプリングアーム617の各々には、それぞれの側壁613、614と向かい合って溝618が設けられる。側壁613、614は、その下縁端のほぼ中心に、各々下方に開放されたノッチ619を有する。一方の側壁613の後壁612の近傍に、摩擦部分621が設けられる。2枚の弾性薄板605が後壁612に接続され、ホルダ底面603の外側脇に沿って延在する。薄板605は、下方に突き出した制止カム609を備えた垂直方向に可動な端部を有する。
【0067】
図15A〜15C
漏斗蓋680は、漏斗690を閉鎖する働きをする。漏斗蓋680の下側には、半透膜682によって閉鎖されるチャンバ681がある。チャンバ681は、湿気を引き付ける乾燥剤粉末を収容するよう意図され、その湿気は半透膜682を通じて拡散することができる。
【0068】
図16A及び16B
漏斗構成体が完成した状態のとき、漏斗690は漏斗ホルダ601に嵌め込まれ、且つ漏斗690は漏斗蓋680によって閉鎖される。しかしながら、吸入器の組立て順序に、漏斗構成体の事前の完成は含まれなくともよい。
【0069】
図17A及び17B
完全なカウンタ700は、単位ホイール701、十位ホイール780、百位ホイール720、カウンタ本体740、カウンタカバー板760、及びここでは図示されない2つの同一の駆動ホイールからなる。カウンタ700の目的は、使用された投薬回数、又は未だ利用可能な投薬回数を記録して、患者に直前に行われた吸入を、それが正しく実施されたのであれば、知らせることである。数字、及び適切であるならば色標示が、カウンタ本体740のアクスル741に固定されたカウンタホイール701、780及び720の周囲に設けられる。カウンタの現在の状態は、ハウジングの上側部品150の窓152に位置するレンズ742の下に表示される。レンズ742はカウンタ本体740と接続される。
【0070】
図17C及び17D
単位ホイール701は、その外表面702上に10個の半径方向に分配されたカム703を有する。
【0071】
図17E及び17F
内側歯付リング781を備えた十位ホイール780は、それ自体は従来どおりの構造である。
【0072】
図17G及び17H
百位ホイール720も同様に、内側歯付リング721及び外側に突出した端部カム722を有する。
【0073】
図17I及び17J
カウンタ本体740は、基板743、直角の上面に設置されたレンズ742、基板743から垂直方向に延在するアクスル741、並びに駆動ホイールベアリング744からなる。
【0074】
図17K及び17L
カウンタカバー板760は、単位ホイール701を押圧してカウンタ本体740のアクスル741に固定される。カウンタカバー板760は、端部に楔状カム762を備えた弾性調節舌部761を有し、このカム762は常に単位ホイール701の2つのカム703の間を動く。
【0075】
図17M及び17N
星型駆動ホイール790は、一方で単位ホイール701と十位ホイール780との間に、他方で十位ホイール780と百位ホイール720との間に収まる。これは均等に配置された6本の歯791を有し、それらの歯791は1本おきに、その先端に駆動ホイール790の一側面上のアンダーカット部792を有する。
【0076】
図17O
正しい吸入が完了され、保護キャップ950が上方に回動して中に押し込まれることにより吸入器が再び閉鎖されると、カウンタ700の作動が起こる。投薬スライド300を開始位置に押し戻したとき−状況A1−にのみ、単位ホイール701のカム703がスプリングリーフ305にあるカム306によって把持され、それにより単位ホイール701が1カウント位置だけ回る。
【0077】
吸入器から目的とする回数の投薬が行われたとき、百位ホイール720は、端部カム722が最上部に配置された位置となり、キャリッジ500を引くと、ショルダ509(図7A〜7Bを参照)が端部カム722と衝突する。従って、それ以上の吸入器の作動が阻止される。
【0078】
図18A〜18C
組み立てられた状態では、以下の構成が状況A1において得られる。ハウジングの下側部品100とハウジングの上側部品150とが、以上に記載されるとおり一体に接合される。マウスピース900が前部から挿入され、保護キャップ950は完全に閉鎖される。
【0079】
スライドレール200、キャリッジ500、投薬スライド300、シャッター400は、ハウジング部品100、150内にある。バルブガイド850、及びそこにバルブシールド800が嵌め込まれ、並びに完全な漏斗構成体−漏斗690、漏斗ホルダ601及び漏斗蓋680からなる−及びカウンタ700が嵌め込まれる。バルブシールド800はその最後方位置にあり、及び投薬スライド300は、漏斗出口608の下に位置する投薬キャビティ302に医薬品を充填できるような位置にある。シャッター400の閉鎖部品401はチャンネル入口914の中に突出している。締付けプロング163−マウスピース900をさらに固定する−がマウスピース900のシャフト932に位置し、溝933に係合する。一体に接合されたマウスピース900の半体カム912は、ハウジングの上側部品150の受入れノッチ162に係止される。マウスピース900のコネクタプラグ911はハウジングの下側部品100の受入れノッチ109を挿通し、及びマウスピース900の斜面935がスライドレール200の屋根部品210の前縁端の下に係合する。保護キャップ950の側部アーム960はハウジングの下側部品100のスロット110とハウジングの上側部品150のスロット161とを通じて突出し、キャリッジ500のウィング503、523を抱え込む。ここでピン962が開口部505に掛かり、一方、カム504が開口部961に係合する。保護キャップ950を開始位置に固定するため、安全カム125がディンプル972に係止される。
【0080】
スライドレール200の脚部204は、ハウジングの下側部品100の陥凹部124に係合する。漏斗ホルダ601の斜角レール616が、ハウジングの上側部品150にあるU字型異形部166の垂直方向溝167に入り込む。漏斗690は、そのリテーナカム695及びその固定ノーズ696によって、それぞれ漏斗ホルダ601のノッチ619及び溝615に着座する。封止部材694を備えた漏斗690の出口692は、漏斗出口608に位置する。さらに、漏斗ホルダ601が、制限カム164によってハウジングの上側部品150に側方向に固定される。
【0081】
完成体のカウンタ700は、ハウジングの上側部品150の支持体159によって保持される。バルブシールド800のカプセル810はバルブガイド850の最大限の範囲に着座し、バルブガイド850の制限ストッパフランジ851はハウジングの下側部品100及びハウジングの上側部品150のそれぞれの受入れ溝104、156に着座して、且つ接続ウェブ115はノッチ856と係合することになる。
【0082】
図19A〜19D
図のこの順序は、保護キャップ950が下まで回動したときの、医薬品が充填された投薬スライド300の投薬キャビティ302を取り囲むシャッター400の解除を説明する。
【0083】
図19A及び19B
状況A1に従えば、キャリッジ500はそのウィング503、523が漏斗ホルダ601の手前に立つような位置にあり、すなわち、開口部505に係合する保護キャップ950の側部アーム960のピン962は、動くことのできないシャッター400の係合を外すことに関しては役に立たない。漏斗ホルダ601の下の制止カム609が、シャッター400において側方向に突き出ているウィング405の後側に係合する。投薬キャビティ302は漏斗出口608の真下に位置し、既に医薬品で充填されている可能性がある。
【0084】
図19C
保護キャップ950が一時的に完全に引き抜かれて、側部アーム960に掛かるキャリッジ500が前方に引かれている;状況A2に達している。シャッター400はいまだ動けず、その閉鎖部品401によって投薬キャビティ302を取り囲み、この投薬キャビティ302は、保護キャップ950を引き外したことによってマウスピース900のチャンネル入口914の中に押し込まれており、且つ医薬品が充填されている。
【0085】
ここで保護キャップ950を下に回動し始め、すなわち状況A3が実行されている。しかしながら、保護キャップ950はいまだ完全に下までは回動しておらず、従ってピン962は、下に回動する間に開口部505を上り、結果的に徐々に上昇して、シャッター400を阻止している薄板605の係合を外す。
【0086】
図19D
状況A3に達すると−これはまた状況A4〜A7にも当てはまるが−保護キャップ950は完全に下まで回動しており、その結果ピン962が薄板605を押し上げる。ひいては制止カム609がシャッター400のウィング405から離脱する。シャッター400は移動可能となり、すなわち状況A3と同時に吸入の準備ができた状態が存在する。下まで回動した保護キャップ950は、ハウジングの下側部品100の安全カム125と側部アーム960のディンプル971との協働によってこの位置に固定される。
【0087】
図20A〜20F
図のこの順序は、可能性のある異なる状況において起こる機械的なイベントを伴う、完全な吸入サイクルを説明する。
【0088】
図20A
状況A1では、バルブシールド800、キャリッジ500及びシャッター400は、それらの後端位置にある。これは、正しく実施された吸入後に保護キャップ950が閉鎖された後、又は最初の使用前の吸入器の状態である。保護キャップ950が押し込まれているとき、シャッター400、バルブシールド800及び投薬スライド300は、キャリッジ500によって後端位置に押し戻されている。キャリッジ500のプルキャッチ521がシャッター400のキャリア409を把持する。そのスプリング楔514により、キャリッジ500は投薬スライド300のキャッチ321を押圧し、そのスプリング楔514は係止歯824によって内側に囲まれている。
【0089】
キャリッジ500の2つのストラット508、510が、バルブシールド800をその開始位置に押し込んでいる。カウンタ700の単位ホイール701上のカム703が、投薬スライド300上のカム306によって1単位進められている。ここで投薬キャビティ302は、再び漏斗出口608の真下に位置する。
【0090】
図20B
状況A4では、吸入器は吸入の準備ができた状態にある。保護キャップ950を引き抜くことによって、バルブシールド800が最後退位置から前進する。触手820のキャリア821がウィング503、523によって把持され、僅かに前方に引かれており、それによりバルブシールド800のスタブ813がバルブガイド850の穴855から外れ、空気間隙が生じる。吸入している患者は、吸入器に他の空気入口が提供されていなければ、これらの空気間隙を通じて息を吸い込むことができる。保護キャップ950を引き抜くと、キャリッジ500はその摩擦部分515と共に漏斗ホルダの摩擦部分621を通り過ぎ、それにより医薬品粉末の漏斗690から投薬キャビティ302への流れを促進する振動が発生した。摩擦部分515、621は、保護キャップ950が引き抜かれるとき、投薬キャビティ302が漏斗出口608の下に位置している場合にのみ振動が発生するような寸法及び構成とされる。キャリッジ500がそれと共に投薬スライド300を引き始めると、摩擦部分515と621とは離脱する。
【0091】
投薬スライド300が、横断方向カム309を介してキャリッジ500のプルカム512によってさらに把持され、マウスピース900に向かって前方に動かされたことにより、ここで投薬キャビティ302はシャッター400の閉鎖部品401によって取り囲まれる。保護キャップ950が下まで回動していることに伴い、漏斗ホルダ601の下の制止カム609がシャッター400のウィング405から持ち上げられているため、シャッター400もまた解除される。バルブシールド800のスプリングアーム822の楔形異形部823は、ハウジングの上側部品150のオーバースプリングリブ157に隣接して立つ。
【0092】
圧力が漏斗ホルダ601のスプリングアーム617の上方からかけられ、それにより下方にある全ての構成要素が一定量の表面圧力を受ける。これにより密封性が高まり、医薬品粉末の漏出が防止される。保護キャップ950が下まで回動された後、吸入器は吸入の準備ができた状態となり、ここでシャッター400の移動は容易であるほど望ましい。側部アーム960が下まで回動されると、上方から作用する表面圧力は、開口部505を上るピン962が薄板605を押圧するため、ある部分補償される。カム504の楕円形状及び開口部961の幾何形状を用いることにより、カム504は意図的に開口部961内において、その水平方向の遊びと比べて大きい垂直方向の遊びを有する。従って表面圧力が低減され、吸入時にシャッター400をより容易に移動させることが可能となる。
【0093】
図20C
状況A5−吸入が見送られた後、吸入器が再び閉鎖されている−では、バルブシールド800はその位置に留まっており、すなわち前方に吸い込まれなかった。保護キャップ950が嵌められると、キャリッジ500が押し戻される;そのスプリング舌部513は、投薬スライド300のキャッチ321から離れるように動く。バルブシールド800はキャリッジ500によって再びその最後退位置まで押し込まれる;シャッター400が再び係止される。しかしながら、投薬スライド300はその充填された投薬キャビティ302がその前進位置にあるままである;投薬スライド300は好適な摩擦の結果としてそこに留まる。
【0094】
図20D
状況A6−吸入が不完全なまま中断された−では、バルブシールド800はまだその前進位置に達しておらず、その結果としてシャッター400がいまだ移動せず、一用量の医薬品が中に入ったままであった。保護キャップ950が嵌められ、キャリッジ500が押し戻されても、投薬スライド300は、空になっていない投薬キャビティ302が前方にあるままである。キャリッジ500のスプリング舌部513がスプリング楔514を介してキャッチ321と衝突し、ひいては内側に屈曲する。このようにしてスプリング楔514が係止歯824と衝突し、ひいてはバルブシールド800を押し戻し、最後にはキャリッジ500の2つのストラット508及び510によってバルブシールド800のさらなる押し戻しが起こる。
【0095】
図20E
不完全な吸入及び吸入器の再閉鎖後−状況A8−、充填された投薬スライド300は前方に出ており、一方、バルブシールド800及びキャリッジ500は再び後部開始位置に置かれる。
【0096】
図20F
状況A7−吸入の完了後−では、保護キャップ950は完全に下まで回動しており、その結果としてピン962が漏斗ホルダ601の薄板605を持ち上げ、及びシャッター400のウィング405の係止が外れている。正しい吸入中、バルブシールド800は前方に吸い込まれている。バルブシールド800が前方に動く結果として、楔形異形部823を備えたスプリングアーム822は、ハウジングの上側部品150のオーバースプリングリブ157の上に載っている。バルブシールド800の前進によりシャッター400がその前端位置まで押し込まれ、それにより投薬キャビティ302が自由となり、医薬品は患者によって吸入された。
【0097】
正しい吸入中、楔形異形部823を備えたそのスプリングアーム822がオーバースプリングリブ157の上に載った後、バルブシールド800は前方に吸い込まれている。吸引に必要な力は、楔形異形部823及びオーバースプリングリブ157の幾何形状と、スプリングアーム822の弾性とを用いて定義することが可能である。
【0098】
キャリッジ500が後進する間、そのスプリング楔514はキャッチ321と係止歯824との間に挟圧されて位置し、従って離脱できない。結果として、ここで投薬スライド300及びバルブシールド800が、スプリング楔514及びストラット508、510によって開始位置−状況A1−に押し戻される。
【0099】
以下の説明は、吸入器の作製について記載する;ここに記載されるステップの順序は、必ずしも大量生産における組立て順序と一致する必要はない。
【0100】
バルブガイド850がハウジングの下側部品100の後部に嵌め込まれ、バルブシールド800がバルブガイド850に嵌め込まれる。マウスピース900は前方から突き出ている。吸入器に、マウスピース900の近傍に位置してスライドレール200が、及びバルブシールド800に押し当ててキャリッジ500が装着される。ここで投薬スライド300がスライドレール200上に配置される。シャッター400が加えられ、さらに完成される。ここで、キャリッジ500に取り付けられている側方向の側部アーム960を備えた保護キャップ950が嵌め込まれる。ここでは、保護キャップ950の方を向いて完全に嵌め込まれた漏斗構成体600とカウンタ700とが、2つの覗き窓に見える。最後に、ハウジングの上側部品150が嵌め込まれなければならない。
【0101】
記載された吸入器に対し、さらなる作製上の変形を行うことができる。以下の変形例が、ここで明示的に記載される。
【0102】
保護キャップ950を押し込まれた状態−状況A1−に抑え込むため、ディンプル972ではなく、いずれの側にもキャップ952への入口の近傍、側部アーム960の上側に、外側に向いたカムを設け、ハウジングの上側部品150の前側面160のスロットに閉鎖状態で係合してもよい。保護キャップ950をマウスピース900と切り離すには、保護キャップが側方向グリップ用外形物951の領域で押し込まれ、その結果としてカムが外に出ることになる。
【0103】
マウスピース900において、チャンネル出口922の近傍で拡張されたチャンネル部分928に、粉末の分散及び吸入に非効果的な粗い粒子の堆積を促進するための横断方向のフルート溝を備えた三次元表面異形壁部を提供することが可能である。
【0104】
マウスピース900の2つの半体を共に保持するため、いずれの側にも2つの半体の内側切込み縁上に相補的な接続要素−例えば、穴とカムとの組み合わせ−を配置してもよく、それにより、生じ得る清掃及び乾燥の後に2つ半体を再び一体に接合することができる。
【0105】
漏斗構成体を吸入器に組み込むため、弾性材料で作製されたカラーを使用することが可能であり、そのカラーは漏斗ホルダ601に対して押圧される。
【0106】
漏斗690に貯蔵された薬理作用を有する乾燥粉末は、一方で散剤形態であってもよい。しかしながら、例えば押出しペレットレーンとして、又はパールチェーン形態など、配量される所定用量単位もまた含まれる。配量される個別の用量単位は、ブリスタ又はテープロールに準備され得る。製剤リザーバ及び個々の用量に分割する器具は互いに基づき設計されるべきであることは理解されるであろう。
【0107】
マウスピース900の噴霧器経路924は、直状の、又は巻回されたチャンネルとして設計され、そこには少なくとも1つのバッフル925が配置され、このバッフル925は内側に突き出る薄板、壁、流路本体又はスクリーンであってもよい。
【0108】
機械的カウンタ700に代えて、チップを使用して全ての関連データ、例えば、吸入の実施回数、吸息時間、及びフローパラメータなどを記録することもまた可能である。
【0109】
現在、オーバースプリングリブ157及びスプリングアーム822を用いて実現される流れ制御は、バルブガイド850の内部の可変抵抗を用いても確保できる。
【0110】
流量を制限するため、任意のノズルを受け入れるためのインサートを、マウスチューブ920の範囲内、すなわち噴霧器経路924の始点に設けるか、又はマウスチューブの上流に装着することが有利である。
【0111】
吸入中の吸入器における流れ抵抗の特定の変化について、この抵抗は、固定されたバルブガイド850とバルブシールド800の動いているカプセル810との間の空気間隙によって得られるもので、この空気間隙を、カプセル810の表面及び/又はバルブガイド850の内側面を物理的に不規則にすることによって増加させる形で、バルブシールド800のそれぞれの位置で効果的となるように構成することが可能である。この目的上、例えば、バルブシールド800のカプセル810上、及びバルブガイド850内の物理的寸法を広げるか、若しくは狭めること、又は長さに沿って断面が変化する溝が考慮され得る。
【0112】
記載されている吸入器において、さらには一般的な吸入器においても、センサ技術を用いて吸入及びそのフローパラメータを記録する可能性がある。パラメータを計測するため、膜/屈曲ビーム技術、又は、ダイヤフラムと組み合わせるか、若しくはベンチュリ測定原理と組み合わせたピエゾ抵抗素子が利用される。IPC論理及びセンサ技術により、開ループ制御が閉ループ制御となる。この閉ループ制御により、調節可能なノズルを電子動作素子を介して調節することが可能であり、最終的にはこのノズルが抵抗変化によって吸入器の流れを常時調整する。
【0113】
電流供給については、吸入器の内側にダイナモが提供され、保護キャップ950が開放されたときか、又は吸入中に空気が吸入器を通じて流れたときに電流を生成し、この電流は蓄えられ、電子部品への供給に用いられる。
【0114】
プラグイン式の再利用可能な制御モジュールとしての電子部品は、電池による動作を可能とするよう、吸入器から取り外すことができる。吸入データは集積メモリチップを用いて収集され、医師又は薬剤師が利用することができる。従って、用量投与を正確に監視することが可能となる。プラグインモジュールは、さらなる使用のため基本ユニット上で再充電することができ、及び/又は吸入器の汚染された部品のみが廃棄されるようにプログラムすることができる。
【0115】
吸入の進行をより良く監視するため、吸入が成功裏に、又は不成功に完了すると、機械的及び/又は電子的に生成された音響信号及び/又は光信号が放たれる。
【0116】
2つの相補的な摩擦部分515、621を、一方でキャリッジ500に、他方でハウジングの下側部品100又はハウジングの上側部品150に配置することもまた可能である。保護キャップ950が引き抜かれているときにのみ振動が起こる−それが押し戻されるときには起こらない−ように、2つの摩擦部分515、621のうちの一方が、例えば、同様に可動の構成部品上にあり、保護キャップ950を元に戻すごとに動作から取り除かれてもよい。
【0117】
現在、チャンバ681の内側の漏斗蓋680に収容されている乾燥剤粉末はまた、漏斗ホルダ601の内側に配置されてもよい。
【0118】
吸入器の外形及び内部の重量分布は、それが本質的に水平で、寸法上安定した支持体の上に置かれていることを意味し、吸入器は常に、漏斗ホルダ601の出口608が下方を向く向きとなっている。
【0119】
本説明は、患者が吸引力をかけることによって作動する「受動型」吸入器を記載する。しかしながら、加圧気体の供給を含み、且つその加圧気体が器具から放出されることによって作動する「能動型」器具にも、本発明の原理が等しく適用されることは理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備える、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器であって;前記ハウジングが、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するために、前記用量を空気又は他の気体の流れとして前記貯蔵手段から前記マウスピースに送達するエアウェイとを含む吸入器において、
前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、解除可能な固定部を用いて一体に接合され、且つ前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項2】
前記封止部分が、前記上側部品及び前記下側部品の一方に設けられたフランジであって、前記上側部品及び前記下側部品の他方に設けられた対応するスロットに密封状態で嵌まり込むように構成されるフランジを備えることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記解除可能な固定部が、前記上側部品及び前記下側部品の一方に設けられた雄部分と、前記上側部品及び前記下側部品の他方に設けられた協働する雌部分とを備える少なくとも1つのスナップ嵌め固定部を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記ハウジングの周囲に離間された複数のスナップ嵌め固定部を含むことを特徴とする、請求項3に記載の吸入器。
【請求項5】
各スナップ嵌め固定部の前記雄部分が、場合により互いに離れるように付勢される、2本の共に延出する平行なアームを備え、及び前記雌部分が、中に前記アームが挿入されるように構成される凹部を備え、その構成が、前記アームが前記凹部の前記壁と係合することによって生じる摩擦が、前記アームを前記凹部の中に保持するように作用するものであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の吸入器。
【請求項6】
前記雄部分及び前記雌部分が、相互に係合するとき互いを解除可能に係止するような形状であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記活性薬剤が乾燥粉末状の物質であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項8】
前記マウスピースに吸引力が加えられたとき、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに吸い込むように、空気を前記エアウェイに吸い込むための入口をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項9】
作動時、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに吹き込むように構成される加圧された空気又は他の気体の供給源をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記封止部分の封止作用が、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記封止部分の封止作用が、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるものであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項12】
上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備える、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器であって;前記ハウジングが、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するために、前記用量を空気又は他の気体の流れとして前記貯蔵手段から前記マウスピースに送達するためのエアウェイとを含む吸入器において、
前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、解除可能な固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項13】
マウスピースとハウジングの上側部品とハウジングの下側部品とを備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸入器を組み立てるための部品のキットであって、前記上側部品及び前記下側部品が、請求項1〜12のいずれか一項に指定されるとおり一体に固定されるように構成される、キット。
【請求項14】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、
下側部品と上側部品とを含むハウジングと、
前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピースと、
前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップと、
前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッターと、
受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む可動式投薬スライドと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールドと、
規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段と、
吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段と、
前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、前記復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニットと、
を備える吸入器において、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、解除可能な固定部を用いて一体に接合され、且つ前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項15】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、
下側部品と上側部品とを含むハウジングと、
前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピースと、
前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップと、
前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッターと、
受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライドと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールドと、
規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段と、
吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段と、
前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、前記復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニットと、
を備える吸入器において、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、解除可能な固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項16】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために前記製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、前記保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が前記投薬キャビティに計り取られ;及び前記保護キャップが開放され続けているとき、前記充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;前記ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、前記投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると前記投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わると前記バルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによって前記シャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより前記投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放され;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、前記投薬キャビティが前記漏斗出口の下にある充填位置に前記投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、前記吸入器のブロックを行うように構成される、吸入器において;前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つ、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項17】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、前記保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が前記投薬キャビティに計り取られ;及び前記保護キャップが開放され続けているとき、前記充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;前記ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、前記投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると前記投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わると前記バルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによって前記シャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより前記投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放され;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、前記投薬キャビティが前記漏斗出口の下にある充填位置に前記投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、前記吸入器のブロックを行うように構成される、吸入器において;前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載され、且つ、添付の図面に関連してそこに説明されるとおりの、実質的に以上に記載されるとおりの吸入器。
【請求項1】
上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備える、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器であって;前記ハウジングが、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するために、前記用量を空気又は他の気体の流れとして前記貯蔵手段から前記マウスピースに送達するエアウェイとを含む吸入器において、
前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、解除可能な固定部を用いて一体に接合され、且つ前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項2】
前記封止部分が、前記上側部品及び前記下側部品の一方に設けられたフランジであって、前記上側部品及び前記下側部品の他方に設けられた対応するスロットに密封状態で嵌まり込むように構成されるフランジを備えることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記解除可能な固定部が、前記上側部品及び前記下側部品の一方に設けられた雄部分と、前記上側部品及び前記下側部品の他方に設けられた協働する雌部分とを備える少なくとも1つのスナップ嵌め固定部を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記ハウジングの周囲に離間された複数のスナップ嵌め固定部を含むことを特徴とする、請求項3に記載の吸入器。
【請求項5】
各スナップ嵌め固定部の前記雄部分が、場合により互いに離れるように付勢される、2本の共に延出する平行なアームを備え、及び前記雌部分が、中に前記アームが挿入されるように構成される凹部を備え、その構成が、前記アームが前記凹部の前記壁と係合することによって生じる摩擦が、前記アームを前記凹部の中に保持するように作用するものであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の吸入器。
【請求項6】
前記雄部分及び前記雌部分が、相互に係合するとき互いを解除可能に係止するような形状であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記活性薬剤が乾燥粉末状の物質であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項8】
前記マウスピースに吸引力が加えられたとき、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに吸い込むように、空気を前記エアウェイに吸い込むための入口をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項9】
作動時、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに吹き込むように構成される加圧された空気又は他の気体の供給源をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記封止部分の封止作用が、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記封止部分の封止作用が、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、約30〜約40リットル/分の範囲の気体流量が要求されるものであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項12】
上側部品と下側部品とによって画定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるか、又は取り付けられるように構成されるマウスピースとを備える、一用量の活性薬剤を患者の気道に配量するための吸入器であって;前記ハウジングが、活性薬剤を貯蔵するための貯蔵手段と、患者に投与するために、前記用量を空気又は他の気体の流れとして前記貯蔵手段から前記マウスピースに送達するためのエアウェイとを含む吸入器において、
前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、解除可能な固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項13】
マウスピースとハウジングの上側部品とハウジングの下側部品とを備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸入器を組み立てるための部品のキットであって、前記上側部品及び前記下側部品が、請求項1〜12のいずれか一項に指定されるとおり一体に固定されるように構成される、キット。
【請求項14】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、
下側部品と上側部品とを含むハウジングと、
前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピースと、
前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップと、
前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッターと、
受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む可動式投薬スライドと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールドと、
規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段と、
吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段と、
前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、前記復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニットと、
を備える吸入器において、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、解除可能な固定部を用いて一体に接合され、且つ前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項15】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、
下側部品と上側部品とを含むハウジングと、
前記ハウジングの端部に取り付けられたマウスピースであって、そこを貫通するチャンネルを含むマウスピースと、
前記マウスピースを被覆する保護キャップであって、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能な保護キャップと、
前記ハウジングの内部に位置する製剤リザーバであって、乾燥粉末を収容し、且つ漏斗出口を含む製剤リザーバと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式シャッターであって、前記マウスピースの前記チャンネルの中に突出する閉鎖部品を含むシャッターと、
受取位置と配量位置との間を移動可能な、前記ハウジングの内部に位置する可動式投薬スライドであって、前記投薬スライドが前記受取位置にあるとき前記製剤リザーバの前記漏斗出口の下に配置される投薬キャビティであって、前記保護キャップが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動すると前記配量位置に移動することができ、前記投薬スライドが前記配量位置に移動すると、前記閉鎖部品の中に入り前記閉鎖部品によって取り囲まれる投薬キャビティ、を含む投薬スライドと、
前記ハウジングの内部に配置された可動式バルブシールドであって、吸入中に生成される吸引力に応じて静止位置と前進位置との間を移動可能であり、前記前進位置に移動したとき前記シャッターを移動させ、その前記シャッターの移動により前記投薬キャビティが前記閉鎖部品から解放され、それにより乾燥粉末が前記投薬キャビティから前記マウスピースの前記チャンネルへと放出され、前記吸入器の使用者による乾燥粉末の吸入が可能となる、バルブシールドと、
規定の最小吸入強度があるときのみ前記バルブシールドを前記前進位置に係止するための係止手段と、
吸入が正しく完了された場合にのみ前記投薬スライドを前記受取位置に戻し、それにより前記投薬キャビティを前記漏斗出口の下に戻すための復帰手段と、
前記ハウジングの内部に配置された記録ユニットであって、正しく実施された吸入の回数を記録し、且つ、初期位置から最終位置に移動する突起であって、その最終位置に達すると、前記復帰手段が前記投薬スライドをその受取位置に移動させるのを妨害し、それによりそれ以上の吸入器の使用を阻止する突起、を有する記録ユニットと、
を備える吸入器において、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、解除可能な固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項16】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために前記製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、前記保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が前記投薬キャビティに計り取られ;及び前記保護キャップが開放され続けているとき、前記充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;前記ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、前記投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると前記投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わると前記バルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによって前記シャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより前記投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放され;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、前記投薬キャビティが前記漏斗出口の下にある充填位置に前記投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、前記吸入器のブロックを行うように構成される、吸入器において;前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、機械的固定部を用いて一体に接合され、且つ、前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品との間に略気密な接続を維持する働きをする別個の封止部分によって一体に封止されることを特徴とする、吸入器。
【請求項17】
薬理作用を有する乾燥粉末を頻回用量で投与するための吸入器であって、上側部品と下側部品とを含むハウジングと、散剤形態の、又は配量される所定用量単位の乾燥粉末を収容する製剤リザーバと、着脱可能な保護キャップによって被覆されるマウスピースと、充填のために製剤リザーバの漏斗出口の下の開始位置に位置決めすることができる投薬キャビティを備えた可動式投薬スライドとを備え;その構成は、前記保護キャップが部分的に開放しているとき、前記粉末の一用量が前記投薬キャビティに計り取られ;及び前記保護キャップが開放され続けているとき、前記充填された投薬キャビティがチャンネルに搬送され、そこから患者が前記用量の医薬品を吸入することができるものであり;前記ハウジングには可動式シャッター及び可動式バルブシールドが提供され、このシャッターは、前記投薬キャビティが前記チャンネルに搬送されると前記投薬キャビティを閉鎖するように構成され;前記バルブシールドは、吸入によって生成された吸引力が加えられるとその静止位置から移動することができ、その構成は、規定の最小レベルの吸引力が加わると前記バルブシールドが動いて前記シャッターと接触し、それによって前記シャッターが動かされて調節可能な係止手段に当たり、それにより前記投薬キャビティが、そこから患者が吸入するための一用量の粉末を放出するように開放され;及び吸入が正しく完了された場合にのみ、前記投薬キャビティが前記漏斗出口の下にある充填位置に前記投薬スライドを戻すための手段が提供され;及び統合された機械式及び/又は電子式記録ユニットが提供され、それを用いて少なくとも正しく実施された吸入が記録され;この記録ユニットは、規定回数の吸入用量を使用し終えると、前記吸入器のブロックを行うように構成される、吸入器において;前記ハウジングの前記上側部品と前記下側部品とが、前記患者に投与するために、一用量の前記活性薬剤を前記リザーバから前記マウスピースに推し進めるのに、45リットル/分以下の気体流量が要求されるように、機械的固定部を用いて略気密な方式で一体に接合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載され、且つ、添付の図面に関連してそこに説明されるとおりの、実質的に以上に記載されるとおりの吸入器。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図17I】
【図17J】
【図17K】
【図17L】
【図17M】
【図17N】
【図17O】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B−19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図20F】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図17I】
【図17J】
【図17K】
【図17L】
【図17M】
【図17N】
【図17O】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B−19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図20F】
【公表番号】特表2010−512876(P2010−512876A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541855(P2009−541855)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011003
【国際公開番号】WO2008/074441
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500322826)ヤゴテック アーゲー (16)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011003
【国際公開番号】WO2008/074441
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500322826)ヤゴテック アーゲー (16)
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