説明

導電性ロールおよびその製造方法

【課題】従来に比較して、均一な粗面を得やすい導電性ロール、また、その製造方法を提供すること
【解決手段】ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を備え、最外層の表面に孔部を多数有する導電性ロールとする。光吸収色素は、波長500〜1200nmの近赤外線領域に有効吸収波長を有すると良い。また、光吸収色素は、フタロシアニン系色素、インモニウム系色素などを好適に用いることができる。上記導電性ロールは、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を形成し、その後、最外層の表面に、光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光を照射し、孔部を多数形成することにより製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ロールおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、電子写真機器などに用いて好適な導電性ロールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されている。これら電子写真機器の内部には、 通常、感光ドラムが組み込まれている。そして、感光ドラムの周囲には、現像ロール、帯電ロール、トナー供給ロール、転写ロールなど、各種の導電性ロールが配設されている。
【0003】
上記電子写真機器では、最近、接触現像方式、接触帯電方式といった方式が主流になってきている。これら方式において、例えば、現像ロール、帯電ロールなどは、次のようにして用いられる。
【0004】
すなわち、上記接触現像方式では、トナー層を形成した現像ロール表面を、感光ドラム表面に直接接触させ、これにより感光ドラム表面の潜像にトナーを付着させる。
【0005】
また、上記接触帯電方式では、帯電ロール表面を感光ドラム表面に直接接触させ、帯電ロールを放電させて感光ドラム表面を帯電させる。
【0006】
そのため、導電性ロールを現像ロールとして用いる場合には、優れたトナー搬送性などが、帯電ロールとして用いる場合には、感光ドラムに対する優れた帯電性などがそれぞれ要求される。
【0007】
これら要求特性を満足させるため、従来、現像ロールや帯電ロールなどの導電性ロールでは、ロール表面を粗面化することが行われてきた。
【0008】
例えば、特許文献1は、現像ロールに関する文献であるが、同文献には、ロール最外層の樹脂層中にシリカ粒子を分散させることにより、樹脂層表面を粗面化した現像ロールが開示されている。
【0009】
なお、特許文献2は、導電性ロールに関する文献ではないが、同文献には、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料などの黒色、有色顔料(細かい粒子)を含有させた多層配線基板用の絶縁体に対して、レーザー光を照射することにより、スルーホール、ビアホールなどの導通用孔部を形成する方法が開示されている。
【0010】
また例えば、特許文献3は、帯電ロールに関する文献であるが、同文献には、ゴム層表面を研磨材により研磨し、表面粗さを0.5〜10μm程度とし、さらに、このゴム層の外周に、ポリウレタン樹脂を被覆した帯電ロールが開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2002−296897号公報(段落0002、段落0034)
【特許文献2】特開2003−86953号公報(特許請求の範囲、実施例など)
【特許文献3】特開平9−160354号公報(特許請求の範囲など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来知られる粗面化技術を適用し、導電性ロールのロール表面を粗面化した場合には、次のような問題があった。
【0013】
すなわち、従来の現像ロールは、樹脂層中に、シリカ粒子などの粗さ形成粒子を多数分散させている。この種の粗さ形成粒子は、樹脂層の形成過程で凝集しやすい。そのため、均一な粗面が得られ難いといった問題があった。現像ロールの表面粗さがばらついていると、これに起因して、トナー搬送性などが不均一になりやすくなる。
【0014】
さらに、樹脂層の表面は、粗さ形成粒子の存在する部分が凸部、存在しない部分が凹部とされることにより、粗面化されている。
【0015】
そのため、トナー搬送時に、樹脂層表面にある硬い凸部が、トナーに対してストレスを与えてトナーを劣化させやすく、これにより画質低下が生じやすくなる。とりわけ、この種の画質低下は、現像ロールの長期使用時に顕著になってくる。
【0016】
一方、従来の帯電ロールは、研磨材を用いた機械研磨により、ロール表面を粗面化している。そのため、均一な粗面が得られ難いといった問題があった。帯電ロールの表面粗さがばらついていると、これに起因して、感光ドラムとの接触が不均一となり、放電状態も不安定となって、感光ドラムに帯電むらが生じ、画像むらなどが生じやすくなる。
【0017】
またロール表面の局部的な凹部や凸部に、すり抜けトナーやトナーの外添剤(シリカなど)などが付着しやすくなる。そして、特に長期使用時などにおいては、その付着むらに対応した画質低下が生じやすくなる。
【0018】
このように、ロール表面の粗面化状態は、導電性ロールの性能を大きく左右する。そのため、均一な粗面を得やすい導電性ロールが切望されている。
【0019】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来に比較して、均一な粗面を得やすい導電性ロール、また、その製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明に係る導電性ロールは、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を備え、上記最外層の表面に、孔部を多数有していることを要旨とする。
【0021】
この際、上記光吸収色素は、波長500〜1200nmの近赤外線領域に有効吸収波長を有していると良い。
【0022】
また、上記光吸収色素は、フタロシアニン系色素、インモニウム系色素、アミニウム系色素、ナフタロシアニン系色素およびジオキサジン系色素から選択される1種または2種以上を少なくとも含んでいると良い。
【0023】
一方、本発明に係る導電性ロールの製造方法は、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を形成する第1工程と、上記最外層の表面に、上記光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光を照射し、孔部を多数形成する第2工程とを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る導電性ロールは、最外層の有機ポリマー中に光吸収色素を含有している。そのため、最外層の表面に、光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光などを照射するなどすれば、その照射部位に存在している光吸収色素の発熱により、従来よりも明瞭な輪郭を有する孔部が形成されやすい。そのため、このような孔部を利用して粗さを付与できるので、比較的均一な粗面を得やすい。
【0025】
したがって、例えば、本発明に係る導電性ロールを現像ロールに適用した場合には、従来の現像ロールのように、最外層表面を粗面化するために、最外層中に粗さ形成粒子を実質的に添加する必要がない。
【0026】
それゆえ、従来のように粗さ形成粒子による凝集が生じず、トナー搬送性、トナー帯電性などに優れる。
【0027】
また、粗さ形成粒子に起因して表面硬度が硬くなったり、トナー搬送時に、粗さ形成粒子がトナーに対してストレスを与えたりすることがない。そのため、長期使用した場合であっても、トナーを劣化させ難く、良好な画質を長期に亘って維持することが可能となる。
【0028】
また例えば、本発明に係る導電性ロールを帯電ロールに適用した場合には、感光ドラムと均一に接触させることができるので、放電状態が安定化し、帯電むらなどが生じ難くなる。
【0029】
また、最外層の表面が均一な粗面であれば、すり抜けトナーやトナーの外添剤なども付着し難くなるので、付着むらなどに起因する画質低下も抑制することができる。
【0030】
ここで、上記光吸収色素が、波長500〜1200nmの近赤外線領域に有効吸収波長を有している場合には、当該近赤外線領域に有効吸収波長を有するレーザー光を利用して、上記孔部を形成することができる。
【0031】
また、光吸収色素が、フタロシアニン系色素、インモニウム系色素、アミニウム系色素、ナフタロシアニン系色素およびジオキサジン系色素から選択される1種または2種以上を少なくとも含んでいる場合には、近赤外線領域に有効吸収波長を有するためレーザー光を吸収しやすく、比較的高い加工精度で孔部を形成可能となる。
【0032】
一方、本発明に係る導電性ロールの製造方法は、第1工程において、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を形成した後、第2工程において、その最外層の表面に、光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光を照射し、多数の孔部を形成する。
【0033】
そのため、レーザー光の照射部位では、光吸収色素がレーザー光を吸収し、これにより生じた発熱により、従来よりも明瞭な輪郭を有する孔部が形成される。そして、このような孔部を多数形成することにより、最外層の表面に比較的均一な粗面が形成される。
【0034】
したがって、本発明に係る導電性ロールの製造方法によれば、上記作用効果を奏する本発明に係る導電性ロールを得ることができる。
【0035】
また、本発明に係る導電性ロールの製造方法は、その孔部の分布密度や孔部の大きさなどを制御する際の自由度が比較的高い。そのため、粗さ形成粒子を用いる場合などに比較して、最外層の表面粗さを比較的簡単に精度良く制御することができるなどの利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本実施形態に係る導電性ロール(以下、「本ロール」ということがある。)、本実施形態に係る導電性ロールの製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
【0037】
1.本ロール
本ロールは、ロール最外周に特定の最外層を備えている。具体的には、本ロールが1つの層を有する場合であれば、この層が本ロールの最外層に該当する。また、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を本ロールが有する場合であれば、この積層構造のうち、ロール最外周に位置する層が本ロールの最外層に該当する。
【0038】
本ロールの具体的な構成としては、例えば、導電性シャフト(金属製の中実体よりなる芯金、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、これらにめっきが施されたものなど)の外周に最外層を1層有する構成や、同シャフトの外周に1層または2層以上の内層(例えば、導電性弾性層など)を有し、その外周に最外層(例えば、被膜状など)を有する構成などを例示することができる。
【0039】
なお、最外層の厚み、内層の厚み、積層構造などについては、本ロールを組み込む電子写真機器内部の設置スペース、電子写真機器の種類、本ロールの用途などを考慮して、適宜選択することができる。
【0040】
本ロールにおいて、上記最外層は、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含んでいる。
【0041】
上記有機ポリマーとしては、具体的には、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、これら樹脂にフッ素および/またはシリコーンを共重合させた樹脂など、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
【0042】
これら有機ポリマーのうち、例えば、後述する本製造方法により孔部を形成しやすくするなどのため、含有される光吸収色素が吸収可能な波長の光に対して透過性を有するポリマーを好適に用いることができる。
【0043】
具体的には、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの透明ポリマーを好適なものとして例示することができる。
【0044】
ここで、上記有機ポリマー中に含有される光吸収色素は、吸収した光を熱に変換する機能を主として有している。したがって、上記光吸収色素は、これが吸収可能な波長を含んだ光が照射されると、吸収した光を熱に変換し、発熱可能となる。
【0045】
そのため、最外層表面に、光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光などの光を照射するなどすれば、その照射部位に存在している光吸収色素の発熱により、従来より明瞭な輪郭を有する孔部が形成されやすい。
【0046】
上記光吸収色素は、有機ポリマー中に1種または2種以上含有されていても良い。また、上記光吸収色素は、有機溶剤に可溶もしくは微分散し、かつ、有機ポリマーに可溶もしくは微分散するものであると良い。有機ポリマー中に分子レベルで分散されやすくなるので、従来より明瞭な輪郭を有する孔部が一層形成されやすくなるからである。
【0047】
上記光吸収色素は、加工機のレンズのバリエーションが豊富で、処理エリアが広く、かつ、高速での処理が可能であるなどの観点から、具体的には、例えば、波長500〜1200nmの近赤外線領域に有効吸収波長を有する、いわゆる、近赤外線吸収色素が好ましい。
【0048】
上記光吸収色素としては、より具体的には、例えば、フタロシアニン系色素、インモニウム系色素、アミニウム系色素、ナフタロシアニン系色素、ジオキサジン系色素などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
【0049】
これらのうち、とりわけ、近赤外線領域の波長の吸収に優れる、有機ポリマーへの微分散および溶解性に優れるなどの観点から、上記光吸収色素は、フタロシアニン系色素およびインモニウム系色素から選択される1種または2種以上を少なくとも含んでいると良い。
【0050】
なお、上記フタロシアニン系色素は、例えば、(株)日本触媒より「イーエクス カラー シリーズ」の商品名で上市されている。上記インモニウム系色素は、例えば、日本カーリット(株)より「CIRシリーズ」の商品名で上市されている。上記アミニウム系色素は、例えば、日本化薬(株)より「KAYASORBシリーズ」の商品名で上市されている。上記ナフタロシアニン系色素は、例えば、山本化成(株)より「YKRシリーズ」の商品名で上市されている。
【0051】
本ロールにおける最外層が、光吸収色素を含有しているか否かは、例えば、NMR、GC−MS分析などを用いて、ロール最外層から溶出させた溶出物を分析、解析し、分子構造を特定することなどにより調べることができる。レーザー加工技術により孔部を形成する場合、最外層中に含まれる光吸収色素の全てが、その孔部形成のために使用されるわけではなく、使用されなかったものは最外層中に残存しているからである。
【0052】
最外層中に含まれる光吸収色素の含有量は、特に限定されるものではない。もっとも、光吸収色素の含有量が過度に多くなると、本ロールの製造コストが高くなるなどの傾向が見られる。一方、光吸収色素の含有量が過度に低くなると、レーザー加工技術により、光吸収色素を用いて孔部を形成し難くなるなどの傾向が見られる。したがって、光吸収色素の含有量は、これらに留意して選択すると良い。
【0053】
最外層中に含まれる光吸収色素の含有量としては、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、最外層を構成する有機ポリマー100重量部に対して、40、30、20、15、10重量部などを例示することができる。一方、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値としては、具体的には、例えば、0.1、0.3、0.5重量部などを例示することができる。
【0054】
また、上記最外層中には、本発明の作用効果を奏する範囲内であれば、上記光吸収色素以外にも、必要に応じて、他の添加物が1種または2種以上添加されていても良い。他の添加物としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、顔料、導電剤(イオン導電剤、電子導電剤)、酸化防止剤、硬化剤、老化防止剤、充填剤、難燃剤、オイルなどを例示することができる。
【0055】
とりわけ、カーボンブラックをさらに含有する場合には、レーザー光を効率良く吸収しやすくなるので、孔部の加工精度を向上させることができる。
【0056】
この場合、カーボンブラックの含有量としては、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、最外層を構成する有機ポリマー100重量部に対して、10、5、3重量部などを例示することができる。一方、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値としては、具体的には、例えば、0.1、0.5、1重量部などを例示することができる。
【0057】
また、最外層中におけるカーボンブラック/光吸収色素(重量比)は、上記効果を発揮しやすくするなどの観点から、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、100、50、20などを例示することができる。一方、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値としては、具体的には、例えば、0.01、0.1、1などを例示することができる。
【0058】
本ロールは、上記説明した最外層の表面に、孔部を多数有している。孔部の形態としては、略円柱状(開口部が楕円のものも含む)、略半球状、略多角柱状、略円錐状(頂部方向が内部側)、略多角錐状(頂部方向が内部側)などの形態を例示することができる。これら形態は、1種または2種以上含まれていても良い。好ましくは、形成容易性などの観点から、略円柱状、略半球状などの形態が好適である。
【0059】
上記孔部の開口径は、好適なトナー搬送性を有する表面粗さを得るなどの観点から、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、200、160、120μmなどを例示することができる。また、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、20、30、40、50μmなどを例示することができる。
【0060】
なお、「孔部の開口径」とは、本ロールの最外層表面を電子顕微鏡で観察し、任意に選択した孔部10個について測定した各開口部の直径の平均値を指す。
【0061】
上記孔部は、表面にその開口部を有しておれば、最外層を貫通しない非貫通孔であっても良いし、最外層を貫通する貫通孔であっても良い。上記孔部の深さは、例えば、現像ロールとして用いた場合に良好なトナー搬送性を発現できる表面粗さを得る、帯電ロールとして用いた場合に良好な帯電性を発現できる表面粗さを得るなどの観点から、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、20、15、10μmなどを例示することができる。また、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、1、2、3μmなどを例示することができる。
【0062】
なお、「孔部の深さ」とは、最外層を厚み方向に切断し、その断面を電子顕微鏡で観察し、任意に選択した孔部10個について測定した最表面から最深部までの距離の平均値を指す。
【0063】
上記孔部の開口縁部は、隣接する孔部の開口縁部と相互に重なり合わないように形成されていると良い。隣接する孔部の開口縁部間の距離としては、例えば、現像ロールとして用いた場合に良好なトナー搬送性を発現できる表面粗さを得る、帯電ロールとして用いた場合に良好な帯電性を発現できる表面粗さを得るなどの観点から、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、50、25、10μmなどを例示することができる。また、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.5、1、3μmなどを例示することができる。
【0064】
なお、「隣接する孔部の開口縁部間の距離」とは、最外層表面を電子顕微鏡で観察し、任意に選択した開口縁部間10箇所について測定した各開口縁部間の距離の平均値を指す。
【0065】
本ロールにおいて、上記孔部は、ロール最外層の表面粗さを全面に亘って均一にするなどの観点から、規則的に配列されていると良い。孔部の配列としては、具体的には、例えば、各孔部間のピッチがロール周方向に一定にされるなど、ロール周方向に規則的な配列や、各孔部間のピッチがロール軸方向(長手方向)に一定にされるなど、ロール軸方向に規則的な配列や、これらの組み合わせによる配列や、各孔部間のピッチがロール軸方向に対して傾斜する方向に一定にされるなど、ロール軸方向に対して傾斜する方向に規則的な配列などを例示することができる。
【0066】
本ロールは、上記説明した多数の孔部により最外層の表面が粗面化されているが、最外層の表面粗さとしては、トナー搬送性、帯電性などに優れるなどの観点から、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、20、16、12μmなどを例示することができる。また、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、2、3、4μmなどを例示することができる。
【0067】
なお、上記「表面粗さ」とは、JIS B0601:1994に準拠して測定される十点平均粗さRzを指す。
【0068】
これら孔部の具体的な形成手法については、「2.本製造方法」の項にて後述する。
【0069】
上記の通り、本ロールは、最外層表面に多数の孔部を有することにより、最外層表面が粗面化されている。すなわち、本ロールは、最外層中に粗さ形成粒子などを分散し、これによる凸部を主に利用して最外層表面が粗面化されているわけではない。
【0070】
したがって、本ロールは、その最外層表面に、実質的に多数の凸部を有していないが、本発明の作用効果を奏する範囲内であれば、最外層表面には、添加物、夾雑物などに起因する凸部などが存在していても良い。
【0071】
以上、本ロールの最外層について説明した。なお、本ロールが積層構造を有する場合、内層の形成材料は、本ロールの具体的な用途(現像ロール、帯電ロールなど)などを考慮して適宜最適なものを選択すれば良い。
【0072】
内層の形成材料としては、具体的には、例えば、下記の主材料に、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)を含有するものなどを例示することができる。
【0073】
すなわち、その主材料としては、具体的には、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、、フッ素ゴム、ヒドリンゴム(ECO、CO)、ポリウレタン系エラストマー、天然ゴム(NR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
【0074】
とりわけ、本ロールを現像ロールとして用いる場合には、トナーへのストレスを低減させることができる柔軟性や、感光ドラムや層形成ブレードに対する低圧縮永久歪み性などに優れるなどの観点から、上記主材料としては、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー、ブタジエンゴムなどを好適なものとして例示することができる。
【0075】
また、本ロールを帯電ロールとして用いる場合には、感光ドラムへ均一に電荷を付与させる高いイオン導電性を有するなどの観点から、上記主材料としては、ヒドリンゴム、ニトリルゴム、ポリウレタン系エラストマーなどを好適なものとして例示することができる。
【0076】
上記導電剤の含有量は、本ロールを現像ロールとして用いる場合、通常、上記内層の体積抵抗率が、好ましくは10〜1012Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。また、本ロールを帯電ロールとして用いる場合、通常、上記内層の体積抵抗率が、好ましくは10〜1012Ω・cm、より好ましくは10〜1010Ω・cmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
【0077】
上記内層の形成材料は、導電剤以外にも、必要に応じて、充填剤、増量剤、補強剤、活性剤、加工助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、滑剤、助剤などの各種添加剤を1種または2種以上適宜含有していても良い。
【0078】
上記添加剤の割合は、各種の添加剤がその目的を達することができるように、従来知られる配合割合を適宜採用すれば良い。また、内層を複数有する場合、各内層は、同一材料・組成であっても良いし、異なる材料・組成であっても良い。
【0079】
上記内層の厚みは、特に限定されるわけではないが、通常、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは1〜6mmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
【0080】
2.本製造方法
本製造方法は、上記構成を有する本ロールを製造することが可能な方法であり、少なくとも以下の第1工程と、第2工程とを含んでいる。以下、順に説明する。
【0081】
2.1 第1工程
本製造方法において、第1工程は、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を形成する工程である。
【0082】
ここで、1つの層を有する本ロールを製造する場合には、本第1工程としては、具体的には、接着剤、プライマーなどを任意に塗布した導電性シャフトの表面に、上記光吸収色素と、上記有機ポリマーとを少なくとも含む組成物を押出成形する方法、上記導電性シャフトをロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、上記組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型などする方法、上記導電性シャフトの表面に、上記光吸収色素と、上記有機ポリマーと、有機溶剤(MEK:メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、アルコールなど)とを少なくとも含む組成物をロールコーティング法などにより塗工し、乾燥させて形成したりする方法などを例示することができる。
【0083】
一方、積層構造を有する本ロールを製造する場合には、本第1工程としては、具体的には、例えば、次のような方法を例示することができる。すなわち、先ず、同導電性シャフトの表面に、上述した内層形成材料を、上記と同様して、1層または2層以上押出成形または金型成形するなどして、最外層を形成する前のロール体を予め形成する。
【0084】
次いで、その後、形成したロール体の表面に、上記光吸収色素と、上記有機ポリマーとを少なくとも含む組成物を、上記と同様にして、押出成形または金型成形する方法、上記光吸収色素と、上記有機ポリマーと、上記有機溶剤とを少なくとも含む組成物をロールコーティング法などにより塗工し、乾燥させる方法などを例示することができる。
【0085】
この際、本工程において、最外層を形成するために用いる組成物中に含まれる光吸収色素の含有量としては、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、当該組成物中に含まれる有機ポリマー100重量部に対して、40、30、20、15、10重量部などを例示することができる。一方、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.1、0.3、0.5重量部などを例示することができる。
【0086】
また、上記組成物中には、必要に応じて、カーボンブラックなどの上記添加物が1種または2種以上含まれていても良い。
【0087】
以上の第1工程を経ることにより、ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層(孔部未形成)を形成することができる。
【0088】
2.2 第2工程
本製造方法において、第2工程は、上記第1工程を経て形成された最外層の表面に、レーザー光を照射し、孔部を多数形成する工程である。
【0089】
本工程において、レーザー光が照射された部位では、最外層中に含まれる光吸収色素がレーザー光を吸収し、これにより生じた熱により孔部が形成される。
【0090】
ここで、上記光吸収色素は、有機ポリマー中に分子レベルで分散されやすい。そのため、細かい粒子よりなる顔料を主に用いてレーザー加工した場合などに比較すると、明瞭な輪郭を有する孔部(例えば、孔部の開口縁部がはっきりとしているなど)が形成されやすくなる。
【0091】
本工程で用いるレーザー光は、上記光吸収色素に吸収される波長を含んでいれば良い。具体的には、例えば、上記光吸収色素が近赤外線吸収色素であれば、レーザ光は、波長350〜1500nm、好ましくは、500〜1200nmの近赤外線領域の波長を含んでいると良い。
【0092】
このようなレーザー光を発生するレーザーとしては、具体的には、例えば、Nd−YAGレーザー、エキシマレーザー、UVレーザーなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用しても良い。
【0093】
上記レーザー光を照射する方法としては、具体的には、例えば、次のような方法を例示することができる。すなわち、例えば、レーザー光を微小な点状に収束するレンズ系を、最外層が形成されたロール体のロール軸方向に沿って直線状に複数個配置し、上記レーザー光が点状に収束した点状部分を、上記最外層表面に、ロール軸方向に沿って一端縁から他端縁まで直線状に、多数点在させるようにすると、それら点在部分に一度に複数の孔部を形成することができる。
【0094】
さらに、上記ロール体を断続的にロール軸周りに回転させ、その回転に同調させて断続的にレーザ光を照射すると、上記最外層表面に、孔部を多数形成することができる。
【0095】
また、レンズ系を調節することにより、レーザー光が点状に収束した点状部分を一定ピッチになるようにし、さらに、ロール体の断続的回転を一定角度になるようにすると、孔部を周方向および軸方向に規則的に配列させることが可能となる。
【0096】
他にも例えば、最外層が形成されたロール体のロール軸方向、ロール軸方向に対して傾斜する方向などに沿って、1個のレーザー光を走査させ、その走査過程でレーザー光を断続させて照射するなどしても良い。
【0097】
この際、形成される孔部の大きさは、レーザー光の出力、照射時間などを適宜調製することにより設定すれば良い。
【0098】
以上の第2工程を経ることにより、上記第1工程を経て形成された最外層の表面に、孔部を多数形成することができる。
【0099】
上記本製造方法によれば、上記本ロールを得ることができる。他にも、本製造工程は、上記第2工程の前後に、必要に応じて、例えば、最外層表面を研磨する工程を有していても良い。
【0100】
また、上記第2工程の前後に、必要に応じて、例えば、最外層表面に、トナーに対する離型性を向上させるための表面処理を施す工程を有していても良い。この場合には、得られる本ロール表面へのトナー付着に起因する画質劣化を軽減することができる。
【0101】
具体的な表面処理としては、フッ化物処理、塩素処理、UV処理、プラズマ処理、コロナ処理、イソシアネート処理、シロキサン処理などを例示することができる。これら表面処理は、1種または2種以上組み合わせて行っても良い。
【実施例】
【0102】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下では、本発明を現像ロール、帯電ロールに適用した場合について例示する。
【0103】
<現像ロール>
1.実施例および比較例に係る現像ロールの作製
(実施例1G)
下記に示すように、導電性シャフト、内層となる導電性弾性層の形成材料、最外層の形成材料を準備した。そしてこれらを用い、導電性シャフトの外周に導電性弾性層、塗膜よりなる最外層をこの順に積層した現像ロールを作製した。
【0104】
<導電性シャフト>
外径8mm、長さ350mmの鉄製の中実円柱状の導電性シャフトを準備した。
【0105】
<導電性弾性層の形成材料>
導電性シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−264A/B」)をニーダーにより混練し、内層となる導電性弾性層の形成材料を調製した。
【0106】
<最外層の形成材料>
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン2304」)100重量部、インモニウム系色素A(日本カーリット(株)製、「CIR−1080」)1重量部とを、ボールミルにより混練した後、MEK400重量部を加えて混合、攪拌することにより、最外層の形成材料を調製した。
【0107】
<現像ロールの作製>
その内部に上記導電性シャフトを同軸にセットした円筒状金型内に、上記導電性弾性層の形成材料を注入し、200℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に導電性弾性層(厚み4mm、長さ240mm)を1層有するロール体を作製した。
【0108】
次いで、このロール体の導電性弾性層の外周に、上記最外層の形成材料を、ロールコーティング法により塗工した後、乾燥(硬化)させ、塗膜よりなる最外層(厚み10μm)を形成した。
【0109】
次いで、上記最外層の表面に、レーザー光を照射(レーザーエッチング)し、孔部を多数形成した。この際、孔部の形成は、隣り合う孔部の開口縁部同士が相互に重ならないように行った。また、ロール周方向およびロール軸方向に一定のピッチ(ロール周方向に隣接する孔部の開口縁部間の距離およびロール軸方向に隣接する孔部の開口縁部間の距離の何れも5μm)になるよう行った。
【0110】
この際、上記レーザー光の照射条件は、レーザーの種類:Nd−YAGレーザー、出力:22A、周波数:30kHz、照射スピード:2400mm/秒とした。
【0111】
これにより、最外層表面に、断面略凹状の孔部(開口径80μm、深さ3μm)を多数形成した。
【0112】
形成した最外層表面につき、JIS B0601:1994に準拠して、十点平均粗さ(Rz)を測定したところ、Rzは10.1μmであった。なお、このRzの測定には、接触式表面粗さ計(東京精密(株)製、「サーフコム1400D」)を用いた。また、この測定を5回行い、得られたRzの最大値と最小値との差を粗さバラツキとした。その結果、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0113】
以上のようにして、実施例1Gに係る現像ロールを作製した。
【0114】
(実施例2G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂A(住友化学(株)製、「LG6A」)を用いた点、インモニウム系色素B(日本カーリット(株)製、「CIR−1081」)を用いた点以外は同様にして、実施例2Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径85μm、深さ5μmであった。また、最外層の表面粗さRzは9.8μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0115】
(実施例3G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂B(根上工業(株)製、「パラクロンW197C」)を用いた点以外は同様にして、実施例3Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径80μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.8μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0116】
(実施例4G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、「バイロンSS30」)を用いた点、上記インモニウム系色素Aに代えてインモニウム色素Bを用いた点以外は同様にして、実施例4Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径82μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.5μm、粗さバラツキは0.2μmであった。
【0117】
(実施例5G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えて上記アクリル樹脂Bを用いた点、インモニウム系色素A1重量部に代えてフタロシアニン系色素(日本触媒(株)製、「TX−EX−910B」10重量部を用いた点以外は同様にして、実施例5Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径85μm、深さ3μmであった。また、最外層の表面粗さRzは9.0μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0118】
(実施例6G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Aを用いた点、インモニウム系色素A0.5重量部を用いた点以外は同様にして、実施例6Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径80μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは9.6μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0119】
(実施例7G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Aを用いた点、インモニウム系色素A30重量部を用いた点以外は同様にして、実施例7Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径80μm、深さ10μmであった。また、最外層の表面粗さRzは10.0μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0120】
(実施例8G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Bを用いた点、インモニウム系色素A1重量部と、さらにカーボンブラック(三菱化学(株)製、「MA100」)10重量部とを併用した点以外は同様にして、実施例8Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径100μm、深さ5μmであった。また、最外層の表面粗さRzは11.2μm、粗さバラツキは0.2μmであった。
【0121】
(比較例1G)
上記実施例1Gに係る現像ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、インモニウム系色素Aを用いず、粗さ形成粒子としてシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製、「サイリシア450」)35重量部を用い、さらに、上記カーボンブラック35重量部を配合した点、最外層表面にレーザー光を照射せず、孔部を全く形成しなかった点以外は同様にして、比較例1Gに係る現像ロールを作製した。なお、最外層の表面粗さRzは12.1μm、粗さバラツキは2.4μmであった。
【0122】
2.各現像ロールの評価
作製した各現像ロールについて、ロール表面の粗面化状態による性能の違いを調べるため、以下の評価を行った。
【0123】
2.1 ロール表面硬度
先ず、参考データとして、各現像ロールの表面硬度を、MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1型」)により測定(N=3)した。
【0124】
2.2 残留電荷むら
各現像ロールについて、残留電荷むらを測定した。すなわち、先ず、各現像ロールの軸方向に沿って、コロトロン(帯電器)を設置した。このとき、上記コロトロンの芯部と現像ロールの最外層の表面との距離を10mmに設定した。そして、上記コロトロンの芯部を、定電流制御装置(定電流を−100μAに設定)を介して直流電源のマイナス側に接続し、この直流電源のプラス側を、アースした。また、上記コロトロンのシールド部を、現像ロールの軸体とともに、アースした。そして、現像ロールを1分間に70回転とする回転速度で周方向に回転させた状態で、最外層の表面をコロトロンにより帯電させ、その帯電位置から回転方向に90度回転した位置での最外層の残留電荷を測定した。この残留電荷の測定は、表面電位計(Trek社製、Model541)に接続されたプローブ(電位検出器)を、現像ロールの軸方向に沿って最外層の画像領域内を8.7mm/sの速度で移動させながら行った。このとき、プローブと最外層の表面との距離を1mmに設定した。なお、上記画像領域とは、トナー層が形成される領域であり、最外層の両端縁から内側に5mmまでの部分を除く中間部分のことである。そして、測定した残留電荷の最大値と平均値との差を残留電荷むら[V]とした。残留電荷むらが20V以下であった場合を合格とし、20Vを越える場合を不合格と判定した。
【0125】
2.3 濃度むら
各現像ロールについて、濃度むらを測定した。すなわち、各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「レーザーショット LBP−2510」)に組み込み、20℃×50%RHの環境下で、黒べた画像の画像出しを行った。次いで、得られた各画像について、濃度むらの有無を目視にて確認した。その結果、濃度むらがなかったものを合格とし、濃度むらが生じたものを不合格とした。
【0126】
2.4 かぶり
各現像ロールについて、初期かぶり、耐久かぶり現象の有無を調べた。すなわち、上記「2.3 濃度むら」で説明した画像出しを5000枚(A4サイズ)行った後、感光ドラム表面の白地部の濃度をマクベス濃度計を用いて測定することにより、初期かぶり現象の有無を調べた。
【0127】
その結果、濃度が0.15未満であったものは、かぶり現象(上記感光ドラム表面の白地部へのトナーの付着現象)がほとんど発生していないとして合格(後述する表では二重丸印で示す)とした。また、濃度が0.15以上0.2未満であったものは、僅かにかぶり現象が発生していたが許容範囲内であるとして合格(後述する表では丸印で示す)とした。また、濃度が0.2以上のものは、明確なかぶり現象が発生したとして不合格(後述する表ではバツ印で示す)とした。
【0128】
一方、上記画像だしを、32.5℃×85%RHの環境下で行った以外は上記と同様にして耐久かぶり現象の有無を調べ、評価を行った。
【0129】
表1に、各現像ロールの最外層の形成材料の配合、評価結果をまとめたものを示す。
【0130】
【表1】

【0131】
表1によれば、次のことが分かる。すなわち、比較例1Gに係る現像ロールは、残留電荷むらが大きく、トナー帯電性が不均一であった。これは、粗さ形成粒子として添加されたシリカ粒子が、ロール最外層中で凝集するなどし、不均一に分散しているためであると推測される。
【0132】
また、比較例1Gに係る現像ロールは、濃度むらが生じたり、長期使用時にかぶり現象が顕著に発生したりした。これは、シリカ粒子による凹凸により最外層表面が粗面化されているので、硬いシリカ粒子による凸部が、トナーに対してストレスを与えてトナーを劣化させたため、画質低下を引き起こしたものと推測される。
【0133】
これに対し、実施例1G〜8Gに係る現像ロールは、各評価結果が全て合格であった。これは、最外層表面の粗さバラツキが小さいことから分かるように、主に、光吸収色素とレーザー加工技術とを用いて多数の孔部を形成し、これにより最外層表面を均一に粗面化できたためであると推測される。上記実施例1G〜8Gに係る現像ロールによれば、従来に比較して、トナー帯電性、トナー搬送性に優れるとともに、トナーを劣化させ難く、長期に亘って画質低下も生じ難いことが確認できた。
【0134】
<帯電ロール>
1.実施例および比較例に係る帯電ロールの作製
(実施例1T)
下記に示すように、導電性シャフト、内層となる導電性弾性層の形成材料、最外層の形成材料を準備した。そしてこれらを用い、導電性シャフトの外周に導電性弾性層、塗膜よりなる最外層をこの順に積層した帯電ロールを作製した。
【0135】
<導電性シャフト>
外径8mm、長さ350mmの鉄製の中実円柱状の導電性シャフトを準備した。
【0136】
<導電性弾性層の形成材料>
エピクロロヒドリンゴム(ECO)(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG102」)100重量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)1重量部と、イオン導電剤(ライオン(株)製、「TBAHS」)1重量部と、2−メルカプトイミダゾリン(加硫剤)(川口化学工業(株)製、「アクセル22S」)2重量部と、受酸剤(協和化学工業(株)製、「DHT−4A」)5重量部とを、ニーダーでゴム練りすることにより、内層となる導電性弾性層の形成材料<T1>を調製した。
【0137】
<最外層の形成材料>
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン2304」)100重量部、インモニウム系色素A(日本カーリット(株)製、「CIR−1080」)1重量部とを、ボールミルにより混練した後、MEK400重量部を加えて混合、攪拌することにより、最外層の形成材料を調製した。
【0138】
<帯電ロールの作製>
その内部に上記導電性シャフトを同軸にセットした円筒状金型内に、上記導電性弾性層の形成材料<T1>を注入し、170℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に導電性弾性層(厚み4mm、長さ240mm)を1層有するロール体を作製した。
【0139】
次いで、このロール体の導電性弾性層の外周に、上記最外層の形成材料を、ロールコーティング法により塗工した後、乾燥(硬化)させ、塗膜よりなる最外層(厚み10μm)を形成した。
【0140】
次いで、上記最外層の表面に、レーザー光を照射(レーザーエッチング)し、孔部を多数形成した。この際、孔部の形成は、隣り合う孔部の開口縁部同士が相互に重ならないように行った。また、ロール周方向およびロール軸方向に一定のピッチ(ロール周方向に隣接する孔部の開口縁部間の距離およびロール軸方向に隣接する孔部の開口縁部間の距離の何れも5μm)になるよう行った。
【0141】
この際、上記レーザー光の照射条件は、レーザーの種類:Nd−YAGレーザー、出力:30A、周波数:30kHz、照射スピード:2000mm/秒とした。
【0142】
これにより、最外層表面に、断面略凹状の孔部(開口径120μm、深さ3μm)を多数形成した。
【0143】
形成した最外層表面につき、JIS B0601:1994に準拠して、十点平均粗さ(Rz)を測定したところ、Rzは8.2μmであった。なお、このRzの測定には、接触式表面粗さ計(東京精密(株)製、「サーフコム1400D」)を用いた。また、この測定を5回行い、得られたRzの最大値と最小値との差を粗さバラツキとした。その結果、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0144】
以上のようにして、実施例1Tに係る帯電ロールを作製した。
【0145】
(実施例2T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂A(住友化学(株)製、「LG6A」)を用いた点、インモニウム系色素B(日本カーリット(株)製、「CIR−1081」)を用いた点以外は同様にして、実施例2Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径110μm、深さ5μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.5μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0146】
(実施例3T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂B(根上工業(株)製、「パラクロンW197C」)を用いた点以外は同様にして、実施例3Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径120μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.3μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0147】
(実施例4T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、「バイロンSS30」)を用いた点、上記インモニウム系色素Aに代えてインモニウム色素Bを用いた点以外は同様にして、実施例4に係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径120μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.1μm、粗さバラツキは0.2μmであった。
【0148】
(実施例5T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えて上記アクリル樹脂Bを用いた点、インモニウム系色素A1重量部に代えてフタロシアニン系色素(日本触媒(株)製、「TX−EX−910B」10重量部を用いた点以外は同様にして、実施例5Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径110μm、深さ5μmであった。また、最外層の表面粗さRzは7.9μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0149】
(実施例6T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Aを用いた点、インモニウム系色素A0.5重量部を用いた点以外は同様にして、実施例6Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径110μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.4μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0150】
(実施例7T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Aを用いた点、インモニウム系色素A30重量部を用いた点以外は同様にして、実施例7Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径110μm、深さ7μmであった。また、最外層の表面粗さRzは9.0μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0151】
(実施例8T)
上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Bを用いた点、インモニウム系色素A1重量部と、さらにカーボンブラック(三菱化学(株)製、「MA100」)10重量部とを併用した点以外は同様にして、実施例8Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径110μm、深さ6μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.8μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
(実施例9T)
【0152】
ニトリルゴム(NBR)(日本ゼオン(株)製、「ニポールDN401」)100重量部と、上記ステアリン酸0.5重量部と、上記イオン導電剤3重量部と、酸化亜鉛(ZnO)5重量部と、スルフェンアミド系加硫促進剤(大内新興化学(株)製、「ノクセラーCZ−G」)1重量部と、ジオカルバミン酸塩系加硫促進剤(大内新興化学(株)製、「ノクセラーBZ−P」)0.5重量部と、粉末硫黄1重量部とを、ニーダーでゴム練りすることにより、内層となる導電性弾性層の形成材料<T2>を調製した。
【0153】
また、上記導電性弾性層の形成材料<T1>の調製において、エピクロロヒドリンゴム(ECO)(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG102」)をエピクロロヒドリンゴム(ECO)(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG」)に代えて、同様にゴムを調製し、そのゴム100gを、MEK300gとトルエン150gの混合溶媒に溶解することにより、内層となる導電性弾性層の形成材料<T3>を調製した。
【0154】
次いで、上記実施例1Tに係る帯電ロールの作製において、導電性弾性層の形成材料<T1>に代えて、上記導電性弾性層の形成材料<T2>を用いて、導電性シャフトの外周に導電性弾性層(ベース層として機能)を1層形成した後、さらに、この導電性弾性層の外周に導電性弾性層の形成材料<T3>を塗布(80μm)することにより、別の導電性弾性層(抵抗調整層として機能)を形成し、導電性弾性層を2層有するロール体を作製した点、このロール体の外周に設ける最外層の形成材料を調製する際に、ウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂Bを用いた点以外は同様にして、実施例9Tに係る帯電ロールを作製した。なお、最外層表面の孔部は、開口径120μm、深さ4μmであった。また、最外層の表面粗さRzは8.2μm、粗さバラツキは0.1μmであった。
【0155】
(比較例1T)
エピクロロヒドリンゴム(ECO)(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG102」)80重量%に、NBR(日本ゼオン(株)製、「ニポールDN101」)10重量%、液状NBR(日本ゼオン(株)製、「ニポール1312」)10重量%を加え、このゴム成分100重量部に対して、硫黄1.5重量部、テトラメチルチウラムジスルフィド1.5重量部、ステアリン酸1重量部、酸化亜鉛5重量部、カーボンブラック3重量部、炭酸カルシウム20重量部、老化防止剤1重量部を添加し、ゴム組成物を調製した。
【0156】
次いで、その内部に上記導電性シャフトを同軸にセットした円筒状金型内に、上記ゴム組成物を注入し、170℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に導電性弾性層(厚み4mm、長さ240mm)を1層有するロール体を作製した。
【0157】
次いで、得られたロール体の表面を、研磨材で研磨し、JIS B0601に記載されている10点平均粗さで10μmになるまで砥石の目を変えて研磨した。
【0158】
次いで、ポリウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製、「スーパーフレックス126」)を水中に分散した水溶液(固形分20%)80重量%と、酸化すず20重量%とをボールミルにて混合し、コート溶液を作製した。
【0159】
次いで、上記コート溶液中に、上記研磨後のロール体を浸漬し、乾燥後、150℃で10分間熱処理した。これにより、上記ロール体の表面に、上記コート溶液により形成された被膜層(30μm)を有する比較例1Tに係る帯電ロールを作製した。
【0160】
なお、比較例1Tに係る帯電ロールの被膜層の表面粗さRzは8.4μm、粗さバラツキは1.6μmであった。
【0161】
2.各帯電ロールの評価
作製した各帯電ロールについて、ロール表面の粗面化状態による性能の違いを調べるため、以下の評価を行った。
【0162】
2.1 ロール表面硬度
先ず、参考データとして、各帯電ロールの表面硬度を、MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1型」)により測定(N=3)した。
【0163】
2.2 耐久試験後の画像評価
各帯電ロールについて、以下の耐久試験を行い、その後の画像評価を行った。すなわち、市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「レーザーショット LBP−2510」)の黒のカートリッジ内に、各帯電ロールを組み込んだ。
【0164】
次いで、このカラーレーザープリンターにより、黒単色モード、および、15℃×10%RHの環境下で、ハーフトーン画像出しを5000枚(A4サイズ)行い、耐久後の画像出し画像を目視にて確認した。
【0165】
その結果、黒点や濃度むらがなかったもの、濃度むらが僅かに発生するものをともに合格(後述する表2では、前者を二重丸印、後者を丸印で示す)とした。一方、黒点、濃度むらがともにはっきりと分かるものを不合格(後述する表2ではバツ印で示す)とした。
【0166】
2.3 耐久試験後の外添剤の付着性
上記2.2の耐久試験後、帯電ロールの外観を確認した。すなわち、このような耐久試験を行うと、トナーから外れたシリカなどの外添剤がロール表面に付着してくる現象が生じてくる。
【0167】
ここでは、上記2.2の耐久試験後、ロール表面上に白粉がほとんどのっていないもの、または、うっすらと白粉がのっている箇所が部分的にあるもの、あるいは、ロール表面全面にうっすらと白粉がのった状態のものを合格(後述する表2では前2者を二重丸印で示し、後者を丸印で示す)とした。一方、耐久評価後に、ロール表面全面に白粉が付着しており、灰色を越え、白く見えるものを不合格(後述する表2ではバツ印で示す)とした。
【0168】
表2に、各帯電ロールの最外層の形成材料の配合、評価結果をまとめたものを示す。
【0169】
【表2】

【0170】
表2によれば、次のことが分かる。すなわち、比較例1Tに係る帯電ロールは、耐久試験後の画像評価結果が悪かった。これは、ロール表面の粗さバラツキが大きかったので、これに起因して、感光ドラムとの接触が不均一となり、放電状態が不安定となって、帯電むらが生じ、これが黒点や濃度むらの発生につながったためであると推測される。また、比較例1Tに係る帯電ロールは、外添剤の付着むらが生じやすかった。
【0171】
これに対し、実施例1T〜9Tに係る帯電ロールは、各評価結果が全て合格であった。これは、最外層表面の粗さバラツキが小さいことから分かるように、主に、光吸収色素とレーザー加工技術とを用いて多数の孔部を形成し、これにより最外層表面を均一に粗面化できたためであると推測される。上記実施例1T〜9Tに係る帯電ロールによれば、従来に比較して、帯電むら、外添剤の付着むらなどが生じ難く、良好な画像が得られることが確認できた。
【0172】
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を備え、
前記最外層の表面に、孔部を多数有していることを特徴とする導電性ロール。
【請求項2】
前記光吸収色素は、波長500〜1200nmの近赤外線領域に有効吸収波長を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ロール。
【請求項3】
前記光吸収色素は、フタロシアニン系色素、インモニウム系色素、アミニウム系色素、ナフタロシアニン系色素およびジオキサジン系色素から選択される1種または2種以上を少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ロール。
【請求項4】
ロール最外周に、少なくとも光吸収色素を含有する有機ポリマーを含む最外層を形成する第1工程と、
前記最外層の表面に、前記光吸収色素に吸収される波長を含んだレーザー光を照射し、孔部を多数形成する第2工程と、
を含むことを特徴とする導電性ロールの製造方法。

【公開番号】特開2007−310140(P2007−310140A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139133(P2006−139133)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】