説明

小物収納部付きポケットティシュケース

【課題】多目的に使用することができる小物収納部を備え、その小物収納部に例えば使用済みティッシュペーパーを収納する場合には、充分に収納できるとともに、嵩張ることもなく携帯に至便で衛生的に使用できる収納部付きポケットティシュケースを提供できるようにする。
【解決手段】出し入れ口からポケットティッシュ並びにティッシュペーパーを出し入れ可能なティッシュケース部と、当該ティッシュケース部に連結された小物収納部とを備え、少なくとも小物収納部を、可撓性シート若しくは布帛または編地等の柔軟性を有する素材で形成することにより、当該小物収納部を使用済みのティッシュペーパーを収納する場合には嵩張らず使用済みのティッシュペーパーを大量に収納できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットティシュを収納するポケットティシュケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドラッグストアや駅の売店等で販売されているポケットティッシュや街角で頒布されている広告の入ったポケットティッシュは、小型でありその名の通りポケットに入れて携行するいたって便利な物である。
特に、花粉が多く飛び交う春先の時期、花粉症にとっては外出時にはポケットティッシュは必携のものとなっている。
【0003】
一方、昨今の社会情勢不安、特にテロ対策等により、公衆のゴミ箱は監視の目が行き届く特定の、しかも数少ない場所にしか設置されていない。
従って、外出先でこのティッシュペーパーをポケットティッシュから取り出し、使用した後のティッシュペーパーを処理する場所がないという問題があった。
【0004】
そこで、斯かる問題を解消しようとして、未使用ポケットティッシュ入れを収納する未使用ポケットティッシュ入れ収納容器と、使用済ティッシュペーパーを収納する使用済ティッシュペーパー収納容器とを備え、未使用ポケットティッシュ入れ収納容器と使用済ティッシュ収納容器とは、実質的に同一の高さおよび横幅を有し、同一の高さに調整されるとともに同一の横幅を有する双方の横面の一部または全面で一体化され、同一の平面上にそれぞれ未使用ポケットティッシュペーパー取り出し口部および使用済ティッシュペーパーをいれるための入り口部が形成され、かつ前記横面の他の横面のそれぞれに未使用ポケットティッシュ入れ入り口部および使用済ティッシュ取り出し口部を形成するようにしたものが提案されている。
【0005】
ところが、こうした先の提案のものでは、未使用ポケットティッシュ入れ収納容器と使用済ティッシュ収納容器とは、実質的に同一の高さおよび横幅を有し、同一の高さに調整されて同一の横幅を有する双方の横面の一部または全面で一体化されているために、使用済みティッシュペーパー収納容器に使用済みティッシュペーパーを収納する、しないに拘らず、全体の形状が未使用ポケットティッシュ入れ収納容器の2倍の容積と成ることから、大形になってしまい、携帯には嵩張ってしまい、実用的ではないという問題があった。
【0006】
更に、使用済みティッシュペーパー収納容器と未使用ポケットティッシュ入れ収納容器とが同形状に形成されていることから、急いでいたり、確認していない状態でティッシュペーパーを出し入れしたりするときには間違いやすく、衛生上にも問題が生じる。
【0007】
加えて、未使用のティッシュペーパーは密に折り畳んだ状態で収納されているのに対して、使用されたティッシュペーパーは、丸まった状態になっていることから、未使用ポケットティッシュ入れ収納容器と同形状に形成されている使用済みティッシュペーパー収納容器には十分な量を収納することができないという問題もある。
【特許文献1】特開2003−137370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、例えば使用済みティッシュペーパーを充分に収納できるとともに、嵩張ることもなく携帯に至便で衛生的な小物収納部付きポケットティシュケースを提供できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明にかかる小物収納部付きポケットティッシュケースは、出し入れ口からポケットティッシュ並びにティッシュペーパーを出し入れ可能なティッシュケース部と、当該ティッシュケース部に連結された小物収納部とを備え、少なくとも小物収納部を可撓性シート若しくは布帛または編地等の柔軟性を有する素材で形成されていることを最も主要な特徴とするものである。
【0010】
また、本発明にかかる小物収納部付きポケットティッシュケースでは、小物収納部を複数に区画し、その少なくとも1部を使用済みティッシュペーパーの小物収納部としたことや、小物収納部の開口部が紐若しくはファスナ等の開閉手段により開閉可能に構成したことも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出し入れ口からポケットティッシュ並びにティッシュペーパーを出し入れ可能なティッシュケース部と、この当該ティッシュケース部に連結された小物収納部とを備え、少なくとも小物収納部を可撓性シート若しくは布帛または編地等の柔軟性を有する素材で形成するようにしてあるので、使用済みティッシュペーパーを小物収納部に収納しない時は扁平にすることにより嵩張るのを防止することができるとともに、使用済みティッシュペーパーを収納しない時は小物収納部を小銭入れや鍵を収納するのに使用することもできる。
【0012】
また、小物収納部に例えば使用済みのティッシュペーパーを収納する場合、丸められて入れられることにより小物収納部が膨らんでいても、その上から押圧するだけで小物収納部に収納された使用済みのティッシュペーパーが潰されてコンパクトになるので、嵩張ることがなく、携帯に至便なものにすることができる利点がある。
【0013】
更に、小物収納部が可撓性シート若しくは布帛または編地等の柔軟性を有する素材で形成するようにしてあり、定型的なポケットティッシュを収納するティッシュケース部とは形状が異なることから、両者の区別は見ないでも手の感触だけで判別することができる。
これにより、ティッシュケース部と小物収納部とが同じ形状に形成されているもののように、使用済みのティッシュペーパーをティッシュケース部に誤って収納するようなこともなく衛生的なものにすることができるという利点もある。
【0014】
加えて、小物収納部を複数に区画し、その一部を使用済みティッシュペーパーの小物収納部としたものでは、上記効果に加えて他の部分を小銭入れや鍵入れ等に使用することができ、用途を広くできるという利点がある。
【0015】
また、小物収納部の開口部が紐若しくはファスナ等の開閉手段により開閉可能に構成すると、小物収納部に収納したものが携行中に不意に飛び出したり、紛失したりするのを確実に防止することができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の小物収納部付きポケットティッシュケースにかかる最も好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は小物収納部付きポケットティッシュケースの全体斜視図、図2はその縦断側面図であって図中符号1は小物収納部付きポケットティッシュケースを全体的に示す。
【0017】
この小物収納部付きポケットティッシュケース1は、未使用のティッシュペーパー12を収納するティッシュケース部2と、その裏面側に設けられた、例えば使用済みのティッシュペーパー11を収納する小物収納部3とを、布帛等の柔軟性を有するシート状素材4を縫製して形成してなる。
上記ティッシュケース部2は、市販されていたり街頭でよく頒布されている袋入りのポケットティッシュ5を収納するサイズに形成され、その出し入れ口6は、上方と下方との布帛の端部分が重ね合わされており、この重ね合わされた部分の表面には操作兼用の花弁を模した飾り7を取り付けてある。
【0018】
なお、この花弁を模した飾り部分7で、内外に重なり合わされた布帛部分にわたってホックやベルベットクロス式ファスナ(面ファスナ)等の封止手段(図示せず)を設けておくこともでき、その場合には出し入れ口6を確りと閉じるとともに、ティッシュケース部2の型崩れを確りと防止することもできる。
また、出し入れ口6を形成する内外に重なり合わされた布帛部分に貼着や縫着により補強用の芯材(図示せず)を設けることは出し入れ口6を保形する上で望ましいことである。
【0019】
小物収納部3は、本例では使用済みのティッシュペーパー11を収納する収納用空間として形成されており、上記ティッシュケース部2と同一のシート状素材4を縫製により、上方に開口部8を有する袋状に形成され下端及びティッシュケース部2の裏面と接する中間位置部分で、ティッシュケース部2に連結されている。
【0020】
小物収納部3の開口部は、その布帛(シート状素材)4の端部が内方に折り返されてパイピング9が形成され、このパイピング9部分に開閉操作用に2本の環状の紐10が挿通されている。
したがって、この紐10の端を持って左右に引っ張ると、開口部8が閉じ、開口部8に指を差し入れて左右に広げると開くようになっている。
【0021】
なお、この開口部8も、上記ティッシュケース部2の出し入れ口6と同様にホックやベルベットクロス式ファスナ等の封止手段(図示せず)で開閉操作可能に構成することができるのは勿論のこと、例えば携帯用灰皿でよく見られるように上記パイピングに閉止用の板バネを設け、両端を中側に押圧することにより当該開口部8を開くようにすることもできる。
【0022】
上記のように構成された小物収納部付きポケットティシュケース1を使用する手順を次に説明する。
先ず、ティッシュケース部2の出し入れ口6から市販若しくは街頭で頒布された袋入りのポケットティッシュ5を収納する。
こうしてティッシュケース部2に収納されたポケットティッシュ5はティッシュケース部2を形成する布帛4で覆われることにより外部からは視認されなくなり、例えば無料で配布される商業広告入りのものでも優美なものとなる。
【0023】
また、斯かるポケットティッシュ5では一旦開封したり、残りが少なくなると自己保形力が弱くなり最後の1枚まで綺麗な状態で使用することができなかったりするが、ティッシュケース部2に収納されたポケットティッシュ5は、ティッシュケース部2で確りと保形されるので、最後の1枚まで綺麗な状態で使用することができるようになり無駄がなくなる。
【0024】
次に、化粧直しに使用したり、鼻をかんだり、靴を磨いたりするためにティッシュペーパー12を使用する場合、ティッシュケース部2の出し入れ口6を開口し、指先でティッシュペーパー12を必要な枚数つまみ、引き出して使用する。
そして使用後のティッシュペーパー11は、図3に示すように、小物収納部3の開口部8を閉じている開閉操作用の2本の紐10を持ってティッシュケース部2を下に、小物収納部3の開口部8が上方に位置するようにしながら、開口部8に指を差し入れて左右に広げて当該開口部8を開く。
【0025】
こうして開かれた小物収納部3の開口部8から、使用済みのティッシュペーパー11を小物収納部3に入れた後、開閉操作用の環状の紐10の端を持って左右に引っ張り、開口部8を閉じる。
小物収納部3に収納された使用済みのティッシュペーパー11は丸められて嵩張っていることが多いが、こうした場合には、ポケットティッシュケース1を図1及び図2に示すように立てた状態にし、特に図2に矢印Fで示すように小物収納部3をその側方から押圧して小物収納部3に丸めて収納された使用済みのティッシュペーパー11を押し潰して扁平にすると、嵩張らず、使用済みの多くのティッシュペーパー11を小物収納部3に収納することができるのである。
【0026】
なお、本例では小物収納部3を1つの空間で形成するようにしてあるが、こうしたものに限られず、小物収納部3を二つ以上に小分けし、その1つを使用済みのティッシュペーパー11の小物収納部3に、他を鍵や化粧品等の小物入れに使用することもできる。
更に、小物収納部付きポケットティシュケース1を形成する素材は布帛4に限られず、編地や軟質合成樹脂シートで形成することができるのは言うまでもないことである。
特に軟質合成樹脂シートで小物収納部付きポケットティシュケース1を形成する場合、小物収納部3に収納された使用済みの湿ったティッシュペーパー11からの水分が表面に滲み出るのを防止できる利点がある。
【0027】
上記実施の形態では、ティッシュケース部2に小物収納部3を、下端及び中間位置で縫着して連結するようにしてあるが、こうしたものに限られず、ティッシュケース部2と小物収納部3とをその背中同士を合わせた状態で固定手段により固定することもできるし、固定手段は縫着に限られず、合成樹脂(繊維を含む)材料の場合、高周波による溶着でティッシュケース部2と小物収納部3を連結乃至固定することもできる
【0028】
また、上記実施の形態では、袋入りのポケットティッシュ5をティッシュケース部2に収納するようにしてあるが、ティッシュケース部2には未使用のティッシュペーパー12を折りたたんで直接収納することも可能である。
加えて、上記実施の形態では、ティッシュケース部2と小物収納部3とを、柔軟性を有する同一のシート状素材で形成するようにしてあるが、少なくとも小物収納部3を、柔軟性を有するシート状素材4で形成すれば本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】は本発明にかかる小物収納部付きポケットティッシュケースの全体斜視図であ る。
【図2】は本発明にかかる小物収納部付きポケットティッシュケースの縦断側面図である 。
【図3】は本発明にかかる小物収納部付きポケットティッシュケースの使用状態を示す 縦断側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1・・・小物収納部付きポケットティッシュケース
2・・・ティッシュケース部
3・・・小物収納部
4・・・シート状素材(布帛)
5・・・ポケットティッシュ
6・・・出し入れ口
7・・・飾り
8・・・開口部
9・・・パイピング
10・・・紐
11・・・使用済みのティッシュペーパー
12・・・未使用のティッシュペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出し入れ口からポケットティッシュ並びにティッシュペーパーを出し入れ可能なティッシュケース部と、当該ティッシュケース部に連結された小物収納部とを備え、少なくとも小物収納部を可撓性シート若しくは布帛または編地等の柔軟性を有する素材で形成されていることを特徴とする小物収納部付きポケットティッシュケース。
【請求項2】
小物収納部を複数に区画し、その少なくとも一部を使用済みティッシュペーパーの小物収納部としたことを特徴とする請求項1に記載の小物収納部付きポケットティッシュケース。
【請求項3】
小物収納部の開口部が紐若しくはファスナ等の開閉手段により開閉可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の小物収納部付きポケットティッシュケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−222262(P2008−222262A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61770(P2007−61770)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(507079275)
【Fターム(参考)】