説明

小麦タンパク質および製造法

亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質、および単離小麦タンパク質から形成された組成物が記載される。亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を含む組成物を形成する方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な実施形態は、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を含む組成物に関する。別の実施形態は、亜硫酸塩を実質的に含まない小麦タンパク質を単離する方法、およびこれから形成される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉は、パン製造など、様々なプロセスにとって理想的である。その理由は、パン製品が膨らむ間に酵母が作る二酸化炭素などのガス泡を保持する、密着力のある強い生地を小麦の貯蔵タンパク質が形成し、軽量の焼き製品を形成するからである。小麦タンパク質は、水流の下で生地を穏やかに加工することによって、デンプンおよびアルブミン/グロブリンを除去することにより、小麦粉から単離することができる。洗浄後、ゴム状の球体が残り、これは「バイタル小麦グルテン」として知られている小麦グルテンタンパク質を含む。従来、植物タンパク質は溶解性に応じて以下の4つのファミリーに分類されている。すなわち、水または薄い塩溶液に可溶であり、熱で凝固するアルブミン類;純水に不溶であるが、薄い塩水溶液に可溶であり、濃い塩水溶液に不溶であるグロブリン類;水性アルコールに可溶であるプロラミン類;および、希酸もしくは希塩基、洗剤、または尿素などの解離剤もしくは2−メルカプトエタノールなどの還元剤に可溶である、グルテリン類。
【0003】
プロラミンは、穀類、雑穀類または草本の種子に特有であると考えられる。プロラミンは、以下のように、異なる穀類に異なる名前が与えられてきた:たとえば、小麦ではグリアジン、オート麦ではアベニン、トウモロコシではゼイン、ライ麦ではセカリン(secalins)、大麦ではホルデインである。小麦のグリアジンおよびグルテニンは小麦胚乳の貯蔵タンパク質である。グルテンはグリアジンおよびグルテニンの組成物を有しているとされている。グルテン組成物は、小麦生地の混合の強度および加工特性を決定する主な要因である。
【0004】
グリアジンまたはグルテンのグリアジン画分は、低いイオン強度および優れたフィルム形成能を有している。グリアジンは水に溶けないが、その溶解性は界面活性剤の添加および/またはpHの調節で変更できる。グリアジンは水をその重量の2倍まで吸収することができる。グルテニンまたはグルテンのグルテニン画分は、高度に弾性があってゴム状であり、またせん断に対して抵抗性もある。グルテニンはアルコールおよび中性の水に不溶であるが、その溶解性は、界面活性剤の添加および/またはpHの調節で変更できる。グルテニンのタンパク質構造は鎖間のジスルフィド結合によって安定化している。
【0005】
バイタル小麦グルテンは、生地強化剤、調合助剤、栄養補給剤、加工助剤、安定剤、増粘剤、表面仕上げ剤、およびテクスチャー剤(texturizing agent)として、現行の適正製造基準を超えないレベルでの使用が、安全性認定(GRAS)21C.F.R.§184.1322としてアメリカ食品医薬品局によって承認されている。バイタル小麦グルテンは、水和すると伸長性になる粘弾性グルテンと定義される。
【0006】
非タンパク成分のさらなる除去によって、バイタル小麦グルテンのタンパク質含量を増加させることができる。このタンパク質の機能特性を、酸、還元剤、リン酸塩、酵素およびその組み合わせの使用によって改質して、このタンパク質を「小麦タンパク質単離物」または「改質小麦タンパク質単離物」に変換することができる(これは特定の市場で「加水分解小麦タンパク質」として知られている)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
小麦タンパク質単離物は、たとえばメタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸、重亜硫酸、および/またはメタ重亜硫酸の他の塩類などの還元剤および/または他の硫黄含有還元剤で改質できる。還元剤を小麦タンパク質単離物に添加して、タンパク質鎖間での分子間および/または分子内鎖架橋を開裂させ、その結果、より低い粘度を有する生成物、すなわち、より「液体」の生成物が得られる。しかし、亜硫酸塩または他の硫黄含有還元剤が存在すると、特定の消費者にアレルギー反応を引き起こすことがある。さらに、特定の市場においては、製品に添加された亜硫酸塩が存在すると、亜硫酸塩含有製品または亜硫酸塩含有小麦タンパク質単離物を含有する製品を記載するのに、「天然」または「有機」などの特定の記述子の使用ができなくなることがある。
【0008】
小麦タンパク質単離物は、食物製品のきめを変え味覚および外観を増強する成分として食品工業で使用されてきた。小麦タンパク質単離物は、たとえば以下のような一定の便益を食物製品に加えることができる。焼いたまたは加工した食品において砂糖または炭水化物の機能を代替すること;焼いた食品において、構造を組み立てる、またはパンの身のきめを改善すること;きめおよび口当たりを改善して凍結融解性能を改善すること;バー食品のバインダーおよび穀類のコーティングとして砂糖に代替すること;味覚およびきめを犠牲にせず食品中のタンパク質レベルを向上させること;生地レオロジー、寝かし時間、およびシート性を改善すること;食物製品中の脂肪を減少させること;泡の生成および他のタイプの制御された空気の閉じ込め;および全粒の用途において味覚およびきめを改善すること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の様々な実施形態は、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質、これから製造される組成物、および単離小麦タンパク質およびこれから製造される組成物を製造する方法に関する。
【0010】
本開示の一実施形態は、単離小麦タンパク質を含む組成物を提供し、単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。単離小麦タンパク質を含む食品組成物も開示される。
【0011】
本開示の他の実施形態は、単離小麦タンパク質を製造する方法を提供する。本方法は、水、酸および小麦グルテンを混合してグルテンスラリーを形成するステップと;単離小麦タンパク質を生成させるのに十分な反応温度および時間でグルテンスラリーを攪拌するステップとを含み、単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。特定の実施形態において、本方法は、単離小麦タンパク質を乾燥させるステップをさらに含んでもよい。さらに他の実施形態は、本明細書に開示された方法によって製造される、単離小麦タンパク質を提供する。
【0012】
本開示のさらに他の実施形態は、食品組成物を製造する方法を提供する。本方法は、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を、食品組成物の中へ配合するステップを含むことができる。
【0013】
本開示のさらなる実施形態は、亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質を含む組成物を提供する。他の実施形態は、単離小麦タンパク質および酸から本質的に成る組成物を提供する。さらに他の実施形態は、単離小麦タンパク質および酸から成る組成物を提供する。
【0014】
本開示のさらなる実施形態は、単離小麦タンパク質および乳酸から本質的に成る組成物を提供する。本組成物は、組成物の窒素含量を測定し6.25をかけることによって決定される、少なくとも85%のタンパク質含量を有する。
【0015】
他の実施形態は、本明細書に記載された組成物のいずれかを含む容器を提供する。
【0016】
本開示の様々な実施形態は、以下の図を参照して一層よく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本開示の一実施形態に従って製造された、亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質のミキソグラフプロットである。
【図2】亜硫酸塩を含有する改質小麦タンパク質単離物のミキソグラフプロットである。
【図3】亜硫酸塩を含有する改質小麦タンパク質単離物のミキソグラフプロットである。
【図4】改質していない小麦タンパク質のミキソグラフプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の様々な実施形態は、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質、およびこれから製造される食品組成物などの組成物に関する。亜硫酸塩を実質的に含まない小麦タンパク質を単離する方法も開示される。
【0019】
操作実施例または他の方法で示された場合は別として、本明細書および特許請求の範囲の中で使用される、成分の量、加工条件などを表すすべての数字は、すべての例において「約(about)」という用語によって修飾されているものと理解されたい。したがって、これと逆のことが示されない限りは、以下の明細書および添付の特許請求の範囲の中で述べられる数値パラメーターは、得ようとした所望の特性に依存して変動することがある近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らしかつ通常の四捨五入法を適用することにより解釈されるべきである。
【0020】
本開示の広い範囲を述べる数値範囲およびパラメーターは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例で述べる数値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いかなる数値も、たとえば装置および/またはオペレータエラーなど、若干のエラーを本質的に含んでいることがあり、それぞれの試験測定において見つかる標準偏差に必然的に起因するものである。
【0021】
また、本明細書に記述されるいかなる数値範囲も、本明細書において組み入れられる部分的な範囲をすべて含むように意図されるものと理解されたい。たとえば、「1から10」の範囲は、記述される最小値の1から記述される最大値の10までの(最大値と最小値を含む)部分的な範囲をすべて含むように意図される。すなわちこの範囲は1以上の最小値および10以下の最大値を有する。
【0022】
参照により本明細書に組み込まれると記載した場合の特許文献、刊行物または他の開示資料は、組み込まれる文献が全体としてまたは部分的に、本開示に記載する既存の規定、記述または他の開示資料と矛盾しない程度まで本明細書に組み込まれるに過ぎない。このように、また、必要な程度にまで、本明細書で述べる開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する文献に優先する。参照により本明細書に組み込まれると記載しているが、本明細書で述べる既存の規定、記述または他の開示資料と矛盾するいかなる資料またはその一部も、組み込まれる資料と既存の開示資料とが矛盾しない程度にまで組み込まれるに過ぎない。
【0023】
本開示は本明細書に記載の種々の例示的実施形態のいくつかの異なる特徴及び態様を記載している。しかしながら、当業者が有用であることを見出す任意の組み合わせで、本明細書に述べられる異なる特徴、態様および実施形態のうちのいずれかを組み合わせることによって成し遂げられる、多数の代替的な実施形態を本開示が包含することは理解される。
【0024】
特定の実施形態によれば、本開示は単離小麦タンパク質を含む組成物を提供し、単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。一実施形態において、単離小麦タンパク質は、窒素含量を測定し5.7をかけることにより決定されるタンパク質を少なくとも60重量%含むことができる。別の実施形態において、タンパク質含量は窒素含量を測定し6.25をかけることにより決定することもできる。本明細書では、亜硫酸塩濃度に関して使用された場合の用語「実質的に含まない」は、Monier−Williams法(AOAC990.28、その全体は参照により本明細書に組み込まれる)などの標準分析法を使用した測定限界未満の亜硫酸塩濃度を含む。特定の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は0.001重量%未満(すなわち10ppm未満)の亜硫酸塩濃度を含んでいてもよい。他の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は0重量%の亜硫酸塩濃度を含んでいてもよい。
【0025】
本明細書に論じられるように、たとえば、形成中に小麦タンパク質の粘度を低下させてより「液体の」製品を提供するのに市販の改質小麦タンパク質を形成する間に、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ならびに亜硫酸、重亜硫酸、および/またはメタ重亜硫酸の他の塩類を含むがこれらに限定されない、亜硫酸塩のような硫黄還元剤が用いられる。しかしながら、亜硫酸処理した改質小麦タンパク質を配合する食物製品の一定の消費者は、市販の改質小麦タンパク質中に存在する亜硫酸塩に対して感受性またはアレルギー反応を有していることがある。本開示の単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩還元剤を含まない方法によって製造され、したがって亜硫酸塩を実質的に含まない。このように、単離小麦タンパク質が亜硫酸塩感受性増強剤および/またはアレルゲンを実質的に含まないので、本開示の単離小麦タンパク質は、感受性またはアレルギー反応なく消費者に使用され得る。
【0026】
さらに、すべて(様々な規制する機関によって規定される)天然のおよび/または有機である製品および食品組成物に対する要望が、一定の消費者の間に拡大してきた。特定の取り締まり機関は、どのように亜硫酸塩を含有する組成物を記載すればよいのか、制限または規制する。たとえば、特定の市場において、製品または食品成分中に亜硫酸塩が存在すると、亜硫酸塩含有製品または食品組成物についての記載において特定の名称、記述または証印の使用ができなくなることがある。たとえば、特定の市場において、製品または食品組成物中に亜硫酸塩が存在すると、製品または食品組成物について記載するとき「有機」または「天然」などの記述子の使用はできなくなることがある。したがって、容認された商業的方法によって製造される改質小麦タンパク質は、これらの制限により「天然」、「有機」と記載できないことがある。しかし、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を含む本開示の組成物は、これらの規制を受けることはない。
【0027】
本明細書に論じられるように、特定の実施形態によると、本開示の単離小麦タンパク質は許容できる粘度を有する。粘度は、単離小麦タンパク質などの組成物の流動性または流動状態の測定値である。従来の改質した小麦タンパク質の製造中、従来の小麦タンパク質の粘度は、(本明細書に記載される)亜硫酸塩還元剤などの還元剤の添加によって低下する。いずれの理論によっても限定を受ける意図はないが、亜硫酸塩がタンパク質の分子間および分子内鎖結合を減少させると、小麦タンパク質分子鎖は互いに対してより容易に移動し、その結果、より流動性のあるまたはより液体の小麦タンパク質が得られると考えられる。本開示は、亜硫酸塩還元剤を使用しない、適切な粘度を有する単離小麦タンパク質の製造を可能にする。たとえば、特定の実施形態によれば、本開示の単離小麦タンパク質は、固形分含量20重量%、20rpmで、室温(すなわち約20から25℃)において50cpsから1200cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有していてもよい。他の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は、固形分含量20重量%、20rpmで、室温において100cpsから500cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有していてもよい。さらに別の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は、固形分含量20重量%、20rpmで、室温において200cpsから300cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有していてもよい。本開示および、本明細書に論じられる単離小麦タンパク質は、ブルックフィールド方式のようないかなる特別の測定系によっても、または粘度測定の特定の固形分含量またはrpmによっても、限定されず、本開示は、他の測定装置および/または条件並びにそれによって測定された等価な粘度範囲にわたるように意図するものであることを、留意するべきである。
【0028】
特定の実施形態によれば、本開示の単離小麦タンパク質は、酸および/または非亜硫酸塩還元剤で処理することによって改質することができる。本明細書に論じられるように、小麦タンパク質構造を改質するとタンパク質組成物を結果として得ることができ、タンパク質骨格中のタンパク質鎖および/またはアミド結合間の分子内または分子間鎖間結合を切断することができる。たとえば、小麦タンパク質の2次、3次および/または4次構造は、疎水性力、(イオン結合または塩橋などの)イオン性または部分的なイオン性引力、水素結合および/または(ジスルフィド結合などの)共有結合によって共に保持することができる。小麦タンパク質を酸で処理すると、分子内および分子内鎖引力のうちの少なくともいくつかを切断することができる。あるいはまたはさらに、小麦タンパク質を酸で処理すると、タンパク質骨格中のアミド(ペプチド)結合の1つまたは複数の加水分解を結果として得ることができる。小麦タンパク質を酸で処理すると、その結果、小麦タンパク質構造を改質することができ、タンパク質鎖は互いに対してより容易に移動することができる。したがって、本明細書に記載されるように、酸で処理した単離小麦タンパク質は、亜硫酸処理した小麦タンパク質単離物の特性とほぼ同じかより良好に、粘度がより低く、より液体の特性を有することができる。
【0029】
許容できる粘度および他の特性を有する単離小麦タンパク質を、亜硫酸塩還元剤を使用しないで製造できることが発見された。たとえば、本明細書に記載されるように、小麦タンパク質を、混合、高せん断の混合、振とう、超音波処理、およびこれらのいずれかの組み合わせのように撹拌して、酸で処理することにより、小麦タンパク質のタンパク質構造を適切に改質できることが発見された。亜硫酸塩還元剤を含まない初期の小麦タンパク質の粘度は高いため、許容できる粘度および他の特性を有する単離小麦タンパク質を得るためには、必然的に長時間および/またはより高いせん断力で攪拌を行われなければならないことがある。
【0030】
特定の実施形態において、小麦タンパク質を酸で処理することができる。この酸は、たとえばカルボン酸またはスルホン酸などの有機酸または無機酸であってもよい。特定の実施形態においては、小麦タンパク質は有機酸で処理され、酸は、たとえば乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、プロピオン酸、コハク酸、酢酸、シュウ酸、またはこれらのいずれかの組み合わせのような有機カルボン酸であってもよい。他の実施形態においては、小麦タンパク質は、たとえば塩酸、リン酸、硫化水素、硫酸、硝酸、またはこれらのいずれかの組み合わせのような無機酸で処理してもよい。本明細書に記述される有機酸および無機酸に加えて、小麦タンパク質は、本明細書に記述される有機酸および無機酸のうちのいずれかの様々な組み合わせを含む酸の組み合わせで処理してもよい。一実施形態において、酸の量は、粉体組成物の乾燥量基準で0.25%から5%の範囲で使用してもよい。
【0031】
特定の実施形態によれば、この酸は乳酸(2−ヒドロキシプロピオン酸)であってもよい。様々な実施形態で使用するのに適している乳酸は様々な起源からであってもよい。たとえば、乳酸は、たとえば石油系の供給材料から工業的方法によって製造されてもよい。他の実施形態において、乳酸は生化学的な方法または経路によって製造してもよい。たとえば、乳酸は細菌、菌類、または酵母などの細胞の発酵法によって製造してもよい。細胞の発酵法からの乳酸について、細胞は、生化学的方法によって自然に乳酸を製造することができ、あるいは、遺伝子スプライシングまたは挿入法などによって、細胞を遺伝子組み換えし、乳酸を製造することができる。遺伝子組み換え生物(GMO)は非遺伝子組み換え生物よりも速い速度で乳酸を製造することができる。しかしながら、特定の市場において、遺伝子組み換え生物(GMO)からの組成物を含有する製品が望ましくないことがあり、またはすべて禁止されていることがあることに留意するべきである。したがって、特定の実施形態において、本開示の単離小麦タンパク質は、非遺伝子組み換え生物から単離した乳酸(または他の有機酸)で処理することにより改質してもよい。非GMO由来の乳酸を使用して製造した、単離小麦タンパク質は、GMO製品に敏感な市場で利用することができ、たとえばそれがGMOで製造された材料を含まないことを示す証印で標識付けしてもよい。特定の実施形態においては、この乳酸は食品用乳酸であってもよい。
【0032】
特定の実施形態において、この酸は、2.0から5.0の範囲のpHを与えるのに十分な量を小麦タンパク質の水性スラリーに加えてもよい。小麦タンパク質および酸の溶液またはスラリーのpHは、スラリー中の固形分含量の量および混合または攪拌の方法、温度、および/または時間に依存して変更してもよい。
【0033】
亜硫酸塩を実質的に含まない本開示の単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物(すなわち、亜硫酸塩または亜硫酸塩還元剤を使用して製造されるもの)と比較して、改善された特性および特徴を有することができる。たとえば、本明細書に記載される様々な実施形態の単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を含有する改質小麦タンパク質単離物と比較して、改善された泡立ち特性および/またはより淡白な風味を有する。
【0034】
特定の実施形態において、亜硫酸塩を実質的に含まない本開示の単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物と比較して、改善された(すなわち、より大きな)コシおよび寿命を示すことができる。他の実施形態において、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物よりも素早く泡立てることができる。たとえば、本開示の単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物よりも20%から50%の短い時間で、完全な泡立ちを達成することができる。本明細書で使用する用語「完全な泡立ち」は、泡立てた卵白と同様のきめまでまたはホイップクレームのきめまで製品が泡立つものを含む。
【0035】
他の実施形態において、本開示の単離小麦タンパク質は、たとえば亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物よりも、淡白な風味を包含する、より望ましい風味特性を有することができる。たとえば、本開示の単離小麦タンパク質は、穀物の臭気および風味が低い風味特性を有することができる。少ない穀物臭および/またはより淡白な風味を有する単離小麦タンパク質単離物は、たとえば食品組成物に小麦タンパク質組成物の風味を与えたりまたは食品組成物の他の成分からの所望の風味を遮蔽したりすることにより結果として生じる食品組成物の風味に著しく影響を与えないで、食品組成物などの組成物に組み入れることができる。
【0036】
本明細書に記載されるように、本開示の単離小麦タンパク質は、小麦グルテン、バイタル小麦グルテン、小麦タンパク質単離物または小麦タンパク質濃縮物から製造してもよい。小麦タンパク質単離物は、少なくとも75重量%のタンパク質含量を有していてもよく、小麦タンパク質濃縮物は、少なくとも60重量%のタンパク質含量を有してもよい。このように、特定の実施形態によれば、本開示の単離小麦タンパク質は、少なくとも60重量%のタンパク質含量を有していてもよい。他の実施形態によれば、本開示の単離小麦タンパク質は、少なくとも75重量%のタンパク質含量を有していてもよい。さらに別の実施形態によれば、本開示の単離小麦タンパク質は、少なくとも80重量%のタンパク含量を有していてもよい。特定の実施形態において、本開示の単離小麦タンパク質は、最大99重量%のタンパク質含量を有していてもよい。本開示の単離小麦タンパク質のタンパク質含量は、当技術分野で公知の何らかの方法によって測定することができる。たとえば、食品組成物中のタンパク質含量を測定する1つの方法はケルダール法であり、改質小麦タンパク質単離物中の(たとえば化学分解による)窒素含量を測定し、次いで(小麦タンパク質の窒素含量に対応する)5.7をかける。他の実施形態において、タンパク質含量は窒素含量に6.25をかけることにより算定することができる。燃焼窒素含量析(「デュマ法」)のような、単離小麦タンパク質中で窒素含量を測定する他の方法も使用してもよい。
【0037】
本開示はまた、本明細書に開示された様々な実施形態に従って、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を含む食品組成物を提供する。食品組成物としては、焼いたもの、加工食品、全粒食品、バー食品、シリアル、グラノーラ、生地および衣用生地、ケーキ、トルティーヤ、スナック、クッキー、マイクロ波ベーカリー製品、ホイップ、詰め物、フロスティング、冷凍食品、ウインナーソーセージ、ソーセージ、ミートローフ、肉の小型パイ、ドレッシング、スプレッド、ペットフード、魚類飼料、小エビ飼料、または動物飼料を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0038】
他の実施形態によれば、本開示は、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を製造する方法を提供する。一実施形態によれば、単離小麦タンパク質を製造する方法は、水、酸および小麦グルテンを混合してグルテンスラリーを形成するステップと、単離小麦タンパク質を製造するのに十分な時間および反応温度でグルテンスラリーを攪拌するステップとを含んでもよく、この単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。他の実施形態によれば、単離小麦タンパク質を製造する方法は、グルテンスラリーを形成する温度で水、酸、および小麦グルテンを混合するステップと、単離小麦タンパク質を製造するのに十分な時間および温度でグルテンスラリーを攪拌するステップとを含んでもよく、この単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。特定の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は、0.001重量%未満(10ppm未満)の亜硫酸塩濃度を有することができる。他の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は、0重量%の亜硫酸塩濃度を有することができる。
【0039】
特定の実施形態において、反応温度は10℃(50°F)から65.6℃(150°F)の範囲である場合がある。他の実施形態においては、反応温度は21℃(70°F)から54.5℃(130°F)の範囲である場合がある。他の実施形態においては、反応温度は37.8℃(100°F)から48.9℃(120°F)の範囲であり、さらに別の実施形態においては、45.6℃(114°F)から47.8℃(118°F)である場合がある。他の実施形態において、反応温度は21℃(70°F)から93.3℃(200°F)の範囲である場合がある。他の実施形態において、反応温度は37.8℃(100°F)から93.3℃(200°F)の範囲である場合がある。
【0040】
グルテンスラリーは、スラリーを形成するために、水と、本明細書に記載された酸のうちのいずれかの酸と、水分を含む小麦グルテンなどの小麦グルテンとを混合することによって形成することができる。特定の実施形態において、混合は、反応温度または反応温度よりも高い温度(水温など)で行ってもよい。小麦グルテンおよび酸は、乾燥量基準で8%から35%の範囲の総固形分含量をグルテンスラリーが結果として有するような量で、水に加えられてもよい。別の実施形態において、グルテンスラリーは乾燥量基準で15%から25%の範囲の総固形分含量を有することができる。別の実施形態において、グルテンスラリーは乾燥量基準で18%から22%の範囲の総固形分含量を有することができる。別の実施形態において、グルテンスラリーは乾燥量基準で19%から20%の範囲の総固形分含量を有することができる。
【0041】
特定の実施形態によれば、グルテンスラリーの総固形分含量は本開示の方法の重要な特徴となる場合がある。たとえば、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質の形成には、グルテンスラリーを長時間および/または高いせん断力で攪拌することを必要とする。何らかの特別な解釈によって限定する意図はないが、生産工程に亜硫酸塩を使用しないと、亜硫酸塩を添加するグルテンスラリーと比較して、グルテンスラリーは生産工程中、より高い粘度を有すると考えられる。亜硫酸塩の化学作用(すなわち分子間および分子内鎖タンパク質結合の開裂)は、pHおよび温度を適切に調節して攪拌または振とうを増加させるかまたは延長することと代替できると考えられる。すなわち、グルテンスラリーの振とうまたは撹拌を増加させると、分子間および分子内鎖タンパク質結合の開裂を結果として生じ、その結果、所望の最終粘度を有する単離小麦タンパク質製品を得ることができる。亜硫酸塩の欠如によりグルテンスラリーの粘度が増加する特定の実施形態において、振とうまたは撹拌は、たとえばスラリーに加えるグルテンの量を減少させるかおよび/またはスラリーに加える水の量を増加させ、スラリーの総固形分含量を減少させることにより、より容易に行うことができる。他の実施形態において、グルテンスラリーの粘度は、スラリーのpHを2.0から5.0に調節することにより、または他の実施形態においては、スラリーのpHを3.0から4.5に調節することにより、調節することができる。さらに別の実施形態においては、pHは3.5から4.0とすることができる。
【0042】
様々な方法によれば、グルテンスラリーの温度は、10℃(50°F)から65.6℃(150°F)の範囲の第2の温度に調節してもよい。他の実施形態において、第2の温度は21℃(70°F)から54.5℃(130°F)の範囲でもよい。他の実施形態において、第2の温度は、37.8℃(100°F)から48.9℃(120°F)の範囲であってもよく、さらに他の実施形態においては45.6℃(114°F)から47.8℃(118°F)でもよい。特定の実施形態において、過度の反応温度(すなわち、高すぎる反応温度または第2の温度)は、反応条件の下で小麦グルテン中の残余のデンプンの糊化を結果として生じることがある。この糊化は、その結果得られる単離小麦タンパク質を乾燥する間に問題を引き起こすことがある。したがって、糊化を望まない場合、過度の反応温度は回避すべきである。
【0043】
グルテンスラリーは、反応温度または第2の温度で、所望の粘度を有する単離小麦タンパク質を製造するのに十分な時間、攪拌してもよい。たとえば、特定の実施形態によれば、単離小麦タンパク質は、室温(すなわち20℃から25℃)で50cpsから1200cpsの範囲の(本明細書に規定される)ブルックフィールド粘度を有してもよい。本明細書では、「攪拌」および「攪拌する」は、グルテンスラリーを振とうすること、グルテンスラリーを混合すること、グルテンスラリーを高いせん断で(たとえば、高いせん断ミキサーを使用して)混合すること、グルテンスラリーを攪拌すること、およびグルテンスラリーを超音波で処理すること、またはこれらの攪拌方法のいずれかかの組み合わせを含む。特定の実施形態において、グルテンスラリーの攪拌は、たとえば高速の混合など、高いせん断を使用して行われる。他の実施形態において、グルテンスラリーの攪拌は標準混合速度を使用して行われる。グルテンスラリーを反応時間にわたって攪拌すると、スラリーの粘度は減少する。様々な実施形態において、グルテンスラリー粘度が減少したら、混合速度も減少させてもよい。たとえば、一実施形態の中で、グルテンスラリーの粘度が約250cpsまで減少した後、攪拌機の速度は、たとえば高速度から中間速度または低速度まで低下させてもよい。
【0044】
他の実施形態において、グルテンスラリーは、室温で100cpsから500cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有する、単離小麦タンパク質を製造するのに十分な時間、攪拌してもよい。他の実施形態において、グルテンスラリーは、室温で200cpsから300cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有する、単離小麦タンパク質を製造するのに十分な時間、攪拌してもよい。特定の実施形態において、グルテンスラリーは、1分間から240分間の範囲の時間、たとえば高速で攪拌してもよい。より低出力かより強力な撹拌を使用する他の実施形態においては、撹拌時間がそれに応じて調節されることは理解されるだろう。たとえば、特定の実施形態において、より低エネルギーの攪拌を使用する場合、攪拌時間を増やしてもよく、一方、より高エネルギーの攪拌を使用する実施形態においては、攪拌時間を短くしてもよい。
【0045】
本明細書に述べられるように、小麦タンパク質は本明細書に記載されるように酸と混合される。特定の実施形態において、酸は、0.1重量%から5.0重量%の範囲の量を加えてもよい。たとえば、特定の実施形態において、酸は、スラリーの0.1重量%から5.0重量%の範囲の量で、水および小麦グルテンと混合してもよい乳酸(本明細書に記載されるように、様々な起源からであってよい)であってもよい。他の実施形態において、乳酸のような酸は、スラリーの0.1重量%から1.0重量%の範囲の量を加えてもよい。
【0046】
単離小麦タンパク質を形成するためにグルテンスラリーを攪拌した後、単離小麦タンパク質製品は、反応器に残る何らかの残余のふすまから分離することができる。たとえば、単離小麦タンパク質製品は、残余のふすまから分離されてもよいし、または当技術分野で公知の他の手段によって残余のふすまから取り除かれてもよい。他の実施形態において、ふすまは、酸と小麦グルテンを反応させる前に小麦グルテンから取り除かれてもよい。
【0047】
特定の実施形態において、単離小麦タンパク質の水性スラリーなどの、攪拌からの単離小麦タンパク質製品は、乾燥に先立って保持タンク中に保持されてもよい。特定の実施形態において、保持タンクは、30rpmから500rpmの可変速度を有する撹拌器など、速度可変撹拌器を装備していてもよい。スラリーの攪拌は、40cpsから300cpsの範囲の粘度を有する流体または液体などの可溶な「流体」または「液体」の形態に単離小麦タンパク質を維持することを、補助することができる。特定の実施形態において、保持タンク中での単離小麦タンパク質製品の攪拌は、保持タンクにある間、スラリーが、たとえば、より高い粘度に増粘するのを防ぐことができ、またはスラリーの表面に被膜が形成するのを防ぐことができる。許容レベルのスラリーの粘度を維持することはまた、たとえば、当技術分野で使用される輸送管または他の移動機構などによって、保持タンクから乾燥装置までスラリーをポンプで送り込むとき、ある場所から別の場所にスラリーを輸送するのを補助することができる。
【0048】
本開示の方法の特定の実施形態は、たとえば製品から水を取り除くために、単離小麦タンパク質の乾燥をさらに含んでもよい。たとえば、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を含むスラリーは、160℃(320°F)から260℃(500°F)の範囲の気温で乾燥してもよい。単離小麦タンパク質は、71.1℃(160°F)から110℃(230°F)の範囲の製品温度を有する単離小麦タンパク質製品を与えるのに十分な時間、乾燥してもよい。特定の実施形態において、単離小麦タンパク質は、0.1重量%水分から10.0重量%水分の範囲の水分含量に乾燥してもよい。他の実施形態において、単離小麦タンパク質は、0.1%から7.0%の範囲の水分含量;さらに別の実施形態では、4.0%から6.0%の範囲の水分含量;およびさらに別の実施形態においては、5.0%の水分含量に乾燥してもよい。さらに別の実施形態において、水分含量は7重量%未満としてもよい。様々な実施形態において、乾燥装置の内部温度を高くしてもよいが、より高い温度はグルテン構造を損傷し、それによって、(ミキソグラフでより低いラインによって示されるように)その機能性を減少させる。単離した乾燥小麦タンパク質製品は、室温に冷却されてもよい。単離小麦タンパク質は、当技術分野で認識されている任意の手段によって乾燥されてもよい。たとえば、一実施形態において、単離小麦タンパク質は、160℃(320°F)から260℃(500°F)の温度で乾燥炉で乾燥されてもよい。乾燥炉は大気圧であってもよいが、特定の実施形態においては、乾燥炉は減圧であってもよい。他の実施形態において、単離小麦タンパク質は、凍結乾燥、噴霧乾燥、環状乾燥または気流乾燥によって乾燥されてもよい。これらの乾燥方法のうちのいずれかの様々な組み合わせも考慮される。
【0049】
様々な実施形態において、亜硫酸塩を実質的に含まない単離した乾燥小麦タンパク質は、粉末、粒状、または微粒子状の製剤形態を有してもよい。たとえば、一実施形態によれば、単離した乾燥小麦タンパク質は、単離小麦タンパク質穀粒の少なくとも85%が#60メッシュUSBSふるいを通過することができるサイズを有する粒状の形態であってもよい。すなわち、#60メッシュふるいには250μmのふるい目開きがあり、したがって単離小麦タンパク質粒の少なくとも85%は、250μm未満のサイズを有する。他の実施形態において、単離した乾燥小麦タンパク質は、単離小麦タンパク質穀粒の少なくとも95%が#60メッシュUSBSふるいを通過することができるサイズを有する粒状の形態であってもよい。
【0050】
亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を製造する方法の他の実施形態において、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物と比較して、単離小麦タンパク質は改善された泡立ち特性を有することがある。改善された泡立ち特性は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物と比較して、たとえば、改善された(すなわち、より大きな)泡のコシ、改善された泡の寿命または安定性および/またはより速い泡立ち時間を含んでもよい。たとえば、本開示の単離小麦タンパク質の特定の実施形態は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物よりも、20%から50%短い時間で、完全な泡立ちを達成することができる。他の実施形態において、本開示の方法によって製造される単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない改質小麦タンパク質単離物よりも、淡白な風味など、より望ましい風味特性を有してもよい。
【0051】
他の実施形態において、本開示の方法は、輸送のために構成された容器のような容器に単離小麦タンパク質を配置するステップをさらに含んでもよい。さらに別の実施形態において、本方法は容器に証印を組み合わせるステップをさらに含んでもよく、この証印で、容器の内容をユーザーまたは消費者に通知することができる。さらに他の実施形態では、たとえば、飛行機、船、トラック、鉄道車両またはこれらの輸送方法のうちのいずれかの組み合わせによって、容器を輸送するステップをさらに含んでもよい。容器は、たとえば、第1の地理的位置から第2の地理的位置まで輸送されてもよい。
【0052】
本開示の他の実施形態は、本明細書に開示された方法のうちのいずれかによって製造される、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質に関する。たとえば、一実施形態は、水、酸、および小麦グルテンを混合しグルテンスラリーを形成するステップと、反応温度に温度を調整するステップと、単離小麦タンパク質を製造するのに十分な反応温度および時間でグルテンスラリーを攪拌するステップとを含み、単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない。
【0053】
さらに、本開示の実施形態は、食品組成物を製造する方法を提供する。本方法は、食品組成物中に亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質を配合するステップを含んでもよい。亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質は、本明細書で述べられる単離小麦タンパク質のいずれであってもよく、本明細書に述べられる単離小麦タンパク質を製造する方法のうちのいずれによって製造されてもよい。食品組成物は、焼いた品物、加工食品、全粒食品、バー食品、シリアル、グラノーラ、生地およびバッター、ケーキ、トルティーヤ、スナック、クッキー、マイクロ波ベーカリー製品、冷凍食品、ウインナーソーセージ、ソーセージ、ミートローフ、肉の小型パイ、ホイップ、詰め物、フロスティング、ドレッシング、スプレッド、ペットフード、魚類飼料、小エビ飼料、または動物飼料を含むことができるが、これらに限定されない。米国特許出願公開第2007/0014914号として公開されている、2006年6月23日に出願された同時係争中の米国特許仮出願第11/473,662号、米国特許出願公開第2007/0077345号として公開されている、2006年9月29日に出願された米国特許出願第11/540,080号;および2008年1月24日に出願された米国特許仮出願第12/011,067号に述べられた、たとえば、組成物または方法において、亜硫酸塩を実質的に含まない単離小麦タンパク質組成物は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない従来の小麦タンパク質単離物の少なくとも一部の代替として使用することができ、その各々の開示の全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0054】
本開示の他の実施形態は、亜硫酸塩を含まなくてもよい単離小麦タンパク質を含む組成物を提供する。さらに他の実施形態は、単離小麦タンパク質および酸から本質的に成る組成物を含む。さらに他の実施形態は、単離小麦タンパク質および酸から成る組成物を含む。様々な実施形態によれば、本組成物は、1つの具体的な実施形態では乳酸を含むが、これに限定されずに、本明細書において提供される、有機酸のような酸を含んでもよい。
【0055】
他の実施形態において、単離小麦タンパク質製品は、4.0から11.0のpHを有していてもよい。特定の実施形態において、単離小麦タンパク質製品のpHは6.0から9.0の範囲であってもよく、他の実施形態では、pHは6.0から8.0の範囲であってもよい。単離小麦タンパク質のpHは、たとえばリン酸塩、ソーダ灰、重炭酸ナトリウム、および他のアルカリ試薬など、1つまたは複数の塩基性またはアルカリ性の成分または試薬の添加によって所望のpHレベルに調節されてもよい。本組成物の他の実施形態は、さらにリン酸塩(phosphate salt)またはリン酸などのリン酸塩(phosphate)を含んでもよい。使用してもよいリン酸塩の一例は、リン酸ナトリウムを含むが、これに限定されない。一実施形態において、使用してもよいリン酸塩の量は、粉体組成物中に乾燥量基準で0.25%から5%の範囲である。単離小麦タンパク質製品のpHの調節によって、1つまたは複数の良好なフィルム形成能、良好な弾性特性、より高い粘度または他の特性を有する単離小麦タンパク質が結果として得られる。
【0056】
様々な実施形態によれば、本組成物は、少なくとも60重量%のタンパク質含量を有していてもよい。他の実施形態において、本組成物は、少なくとも75重量%のタンパク質含量を有していてもよい。他の実施形態において、本組成物は、少なくとも80重量%のタンパク質含量を有していてもよい。本明細書に記載されるように、タンパク質含量は、本組成物の全窒素含量を測定し、次いで5.7をかけることによる、または特定の実施形態においては、全窒素含量に6.25をかけることによる、任意の適切な手段によって決定することができるが、これらに限定されない。
【0057】
さらに本組成物の他の実施形態は微粉、微粒子または粉末の形態を有してもよい。たとえば、一実施形態によれば、本組成物は、組成物の少なくとも85%が#60メッシュUSBSふるいを通過することができる造粒であってもよい。別の実施形態において、本組成物の少なくとも95%は#60メッシュUSBSふるいを通過することができてもよい。
【0058】
本開示の他の実施形態は、本明細書に記載される本組成物のうちのいずれかを含む食料品を含むことができる。さらに、本開示の他の実施形態は、本明細書に記載される本組成物のいずれかを含む容器を提供することができる。本明細書で使用する、用語「容器」は、本組成物を保持することができ、密閉式または開放式であってもよく、かつ輸送に適していてもよい、任意の器具を含む。
【0059】
さらに、本開示の他の実施形態は、単離小麦タンパク質および乳酸から本質的に成る組成物を含んでもよく、本組成物は、本明細書に記載される方法を使用するなどして本組成物の窒素含量を測定し、6.25をかけることによって決まる、少なくとも85%のタンパク質含量を有する。本組成物のさらに他の実施形態は、本組成物の窒素含量を測定し6.25をかけることにより決まる、少なくとも90%のタンパク質含量を有する。本組成物の特定の実施形態はさらにリン酸塩を含んでもよい。様々な実施形態による本組成物は、0.001重量%未満の亜硫酸塩濃度を有することができる。他の実施形態において、本組成物は、測定可能な亜硫酸塩含量を有しない。本組成物は、本明細書に記載された水分含量を有していてもよく、特定の実施形態において7重量%未満であってもよい。
【0060】
特定の実施形態による本組成物は、本組成物の少なくとも85%が#60メッシュUSBSふるいを通過することができるような造粒をしてもよい。他の実施形態において、本組成物の少なくとも95%は#60メッシュUSBSふるいを通過することができる。亜硫酸塩を含む改質小麦タンパク質単離物と比較して、本組成物は望ましい特性を有することができ、たとえば、亜硫酸塩を含有する改質小麦タンパク質単離物と比較して、本組成物は20%から50%短い時間で完全な泡立ちを達成することができる。
【0061】
特定の実施形態において、本組成物のスラリーは、固形分含量20%、20rpmで室温において50cpsから1200cpsの範囲のブルックフィールド粘度をスラリーが有することができるように、たとえば、水などの水性溶媒中で本組成物を懸濁することにより、製造されてもよい。
【0062】
本開示のさらに他の実施形態は、本明細書に記載される様々な実施形態による本組成物を含む容器を提供することができ、この容器は証印に関連付けることができる。特定の実施形態において、この証印は、本容器内の組成物が、亜硫酸塩を実質的に含まない、測定可能な亜硫酸塩を含まない、または0.001重量%未満の亜硫酸塩含量を有していることを示すことができてもよい。
【0063】
以下の限定されない実施例に関連して読まれると、本開示の様々な実施形態は一層よく理解されるだろう。以下の実施例において述べられた手順は、本明細書に限定するようには意図しておらず、当業者は、実施例において述べられた手順、および実施例に述べられていない他の手順に対する様々な変形が、本明細書に記載され、添付された特許請求の範囲に述べられた本発明を実施する上で有用であることを認識するだろう。
【実施例】
【0064】
(実施例1)
この実施例において、単離小麦タンパク質は、亜硫酸塩を生産工程中に使用しないで調製した。単離小麦タンパク質製品は測定可能な亜硫酸塩含量を含まなかった。
【0065】
47.8℃(118°F)の温度の水(1370g)、食品用乳酸(88%)(13.5g)および乾燥量基準(「d.b.」)で31.5%の総固形分含量を有し水分を含む小麦グルテン(1200g、窒素含量を測定し5.7をかけることにより決定されるタンパク質が80%で、Archer-Daniels-Midland Company、Candiac、Quebec、Canadaから市販されている)をミキサーに加えグルテンスラリーを形成した。混合することによる攪拌をしながら15分間にわたって、このグルテンを加え、反応液の温度は45℃(113°F)であった(全固形分含量15.5%d.b.)。スラリーの温度は47.2℃(117°F)に上昇し、その結果得られる高粘度のスラリー(ブルックフィールド粘度=1000cps、全固形分含量17.1%d.b.)を、47.2℃(117°F)から52.2℃(126°F)の間の温度で70分間攪拌した。その間、粘度は240cps(室温で200cps)まで減少し、全固形分含量は乾燥量基準で17.5%から17.8%の範囲に増加した。さらに80分間、47.8℃(118°F)の反応温度で攪拌しながらスラリーを反応させた。その結果得られたスラリーは200cpsのブルックフィールド粘度を有していた。このスラリーは72℃(162°F)の温度で2日間、乾燥炉で乾燥され、亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質を与えた。単離小麦タンパク質のサンプルは、ミキソグラフで解析し、その結果得られたミキソグラフを図1に示す。
【0066】
亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質を、亜硫酸塩を含む市販の小麦タンパク質単離物PROLITE(登録商標)100(Archer-Daniels-Midland Company(Decatur、イリノイ州)から購入可能)、PROLITE(登録商標)200(Archer-Daniels-Midland Company、(Decatur、イリノイ州)から購入可能)、Whet Pro(商標)75(バイタル小麦グルテン(Archer-Daniels-Midland Company、Candiac、Quebec、Canadaから購入可能))、および酵素で加水分解した小麦タンパク質と比較した。比較結果を表1に示す。PROLITE(登録商標)100のおよびPROLITE(登録商標)200の比較ミキソグラフプロットは図2および3にそれぞれ示される。結果として得られる亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質は、購入可能な亜硫酸塩含有の小麦タンパク質単離物と比較して、泡立ち特性など、改善された特性に相当することを示した。亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質は、改質していない小麦タンパク質(図4)と比較して、特性およびミキソグラフプロットが改善されていることを示した。
【0067】
【表1】

【0068】
(実施例2)
この実施例においては、実施例1の手順を使用し、以下の変更を加えて亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質を小麦グルテンから製造した。
【0069】
水分を含む小麦グルテン(32%の固形分含量で2767kg(6,000ポンド))を、乾燥量基準で約19%の総固形分含量を維持するのに十分な58.3℃(137°F)の水に加えた。タンク撹拌器の速度を、工程の初めは高速に、粘度が低下する反応の終点近くでは低速に設定した(一旦、粘度は約250cpsに達する)。反応温度は、水分を含む小麦グルテンの添加によって、また反応時間にわたって、約58.3℃(137°F)から46.1℃(115°F)に低下した。乳酸(88%、27.7kg(61ポンド))をスラリーに加えた。反応が完了したとき、残余のふすま、デンプンおよび繊維を、亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質スラリーから取り除いた。亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質スラリーは、10rpmから30rpmの範囲の撹拌速度を有する速度可変撹拌器を保持する保持タンクに輸送した。小麦タンパク質スラリーを乾燥炉で乾燥し、亜硫酸塩を含まない単離小麦タンパク質を製造した。
【0070】
(実施例3)
本明細書に記載されるように、実質的に亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質単離物を製造した。小麦タンパク質単離物は以下の特性を有する:窒素含量を測定し6.25をかけることにより決まる、乾燥量基準で少なくとも90%のタンパク質;最大6.0%の水分;最大1%の灰分;エーテル抽出して約5%の脂肪、または最大2%の脂肪;ライトクリーム色の外観;および、少なくとも98%が#60USBSのふるいを通過し、少なくとも99.9%が#30USBSのふるいを通過する造粒。小麦タンパク質単離物はまた乳酸を含む。
【0071】
(実施例4)
本明細書に記載されるように、実質的に亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質単離物を製造した。小麦タンパク質単離物は以下の特性を有する:窒素含量を測定し6.25をかけることにより決まる、乾燥量基準で少なくとも85%のタンパク質;最大7.0%の水分;最大5%の灰分;約5%の脂肪、またはエーテル抽出して最大2%の脂肪;ライトクリーム色の外観;および、少なくとも98%が#60USBSのふるいを通過し、少なくとも99.9%が#30USBSのふるいを通過する造粒。小麦タンパク質単離物もまた乳酸およびリン酸塩を含む。
【0072】
(実施例5)
この実施例において、実施例1で製造された実質的に亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質単離物を含む組成物の泡立ち特性を調べる。次の方法を使用する。実質的に亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質単離物(100g)を、ホイップ付きのミキサーフィッターのミキシングボウルに入れる。ミキサーを室温で最低の速度で始動し生水(200ml)を加える。水200mlを追加しミキサーの速度を上げた。実質的に亜硫酸塩を含まない小麦タンパク質単離物は、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない小麦タンパク質単離物を含む組成物よりも、20%から50%短い時間で硬い卵白とマシュマロクリームとの間のきめを有する完全な泡立ちを達成する。
【0073】
先の記載は本発明のいくつかの実施形態を示したが、本発明の本質について説明するために本明細書に記載され例示された実施例の成分、詳細、材料、およびプロセスパラメーターにおける様々な変更が、当業者によって可能であり、すべてのこの種の修正は、添付された特許請求の範囲の中で表されるような本発明の原理および範囲内に留まることを、当業者は認識するだろう。この広い発明概念から外れずに、上記の実施形態に変更を行うことができることは、やはり当業者によって認識されるだろう。したがって、本発明が、開示された特別の実施形態に限定されないことは理解されるが、それは、特許請求の範囲によって規定される本発明の原理および範囲内にある修正にわたるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離小麦タンパク質と酸と、を含む組成物であって、
亜硫酸塩を実質的に含まず、かつ10重量%未満の水分を有する組成物。
【請求項2】
0.001重量%未満の亜硫酸塩濃度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
固形分含量20%、20rpmで、室温において50cpsから1200cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
酸が、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、プロピオン酸、コハク酸、酢酸、シュウ酸およびこれらのいずれかの組み合わせから成る群から選択される有機酸である、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
組成物を水中に分散させる際に、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない小麦タンパク質単離物を含む組成物と比較して、コシおよび寿命において改善された泡立ち特性を有する、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
亜硫酸塩を実質的に含まないのではない小麦タンパク質単離物を含む組成物よりも、20%から50%短い時間で完全な泡立ちを達成する、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
組成物の窒素含量に6.25をかけることにより決定される、少なくとも85重量%のタンパク質含量を有する、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
さらにリン酸塩を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
単離小麦タンパク質が酵素によって加水分解されていない、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物の少なくとも85%が#60USBSふるいを通過することができる造粒を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の組成物を含む食品組成物。
【請求項12】
単離小麦タンパク質と;酸と、を含み、亜硫酸塩を実質的に含まない粉末の組成物。
【請求項13】
酸が、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、プロピオン酸、コハク酸、酢酸、シュウ酸、およびこれらのいずれかの組み合わせから成る群から選択される有機酸である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
さらにリン酸塩を含む請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
組成物の少なくとも85%が#60USBSふるいを通過することができる造粒を有する、請求項12から14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、組成物の窒素含量に6.25をかけることにより決定される、少なくとも85重量%のタンパク質含量を有する、請求項12から15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
単離小麦タンパク質および酸から本質的に成る、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項18】
単離小麦タンパク質および酸から成る、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項19】
請求項12から18のいずれかに記載の組成物を含む食料品。
【請求項20】
組成物の窒素含量に6.25をかけることにより決定される、少なくとも90%のタンパク質含量を有する、請求項12から18のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
亜硫酸塩を含む小麦タンパク質単離物を含む組成物と比較して、20%から50%短い時間で完全な泡立ちを達成する、請求項12から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
組成物のスラリーが、固形分含量20%、20rpmで、室温において50cpsから1200cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項12から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
組成物が10重量%未満の水分含量を有する、請求項12から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
単離小麦タンパク質と;有機酸と;リン酸塩と、を含む組成物であって、亜硫酸塩を実質的に含まず、水中に分散させる際に、亜硫酸塩を実質的に含まないのではない小麦タンパク質単離物を含む組成物よりも、20%から50%短い時間で完全な泡立ちを達成する、組成物。
【請求項25】
単離小麦タンパク質を製造する方法であって:
水、酸、および小麦グルテンを混合してグルテンスラリーを形成するステップと;
単離小麦タンパク質を製造するのに十分な反応温度および時間で、グルテンスラリーを攪拌するステップと、
を含み、単離小麦タンパク質は亜硫酸塩を実質的に含まない、方法。
【請求項26】
単離小麦タンパク質が0.001重量%未満の亜硫酸塩濃度を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
反応温度が10℃から65.6℃の範囲である、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
グルテンスラリーが乾燥量基準で8%から35%の範囲の総固形分含量を有する、請求項25から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
混合が21℃から93.3℃の範囲の温度で行われる、請求項25から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
単離小麦タンパク質が室温において50cpsから1200cpsの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項25から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
グルテンスラリーが1分間から240分間、高速で攪拌される、請求項25から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
酸が0.1重量%から5重量%の範囲の量の乳酸を含む、請求項25から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
単離小麦タンパク質を乾燥するステップをさらに含む、請求項25から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
輸送のために構成された容器に単離小麦タンパク質を配置するステップと;
第1の地理的位置から第2の地理的位置まで前記容器を輸送するステップと、
をさらに含む、請求項25から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
食品製品に単離小麦タンパク質を配合するステップをさらに含む、請求項25から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
請求項25から35のいずれかに記載の方法による製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−523148(P2010−523148A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503073(P2010−503073)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/004725
【国際公開番号】WO2008/127664
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507303309)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド カンパニー (16)
【Fターム(参考)】