布製品印刷装置
【課題】インクジェットプリンタを用いた、作業効率の良い布製品印刷装置を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置である。
【解決手段】インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、衣服、スカーフ、ハンカチ等の布製品、特にＴシャツ、を印刷する布製品印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
Ｔシャツの多色印刷には、一色ごとにスクリーン印刷機と布製品セット具とを備えたステージを回転軸のまわりに放射状に多数設けて、一定速度で回転するロータリースター印刷装置が従来用いられていた。しかし、各色ごとにスクリーンパターンを用意しなければならず、スクリーンパターン製作費の観点からロータリースター印刷装置は少量生産に向いていない。また、スクリーンパターンを交換するためには、ロータリースター印刷装置を停止した状態で古いスクリーンパターンを取り外し、新しいスクリーンパターンを取り付ける。スクリーンパターンを交換するためにロータリースター印刷装置を約1時間停止させることになる。装置の稼動時間の観点からもロータリースター印刷装置は少量生産に向いていない。
【０００３】
そこで、多色印刷を写真品質で行うことができるインクジェットプリンタが注目された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、インクジェットプリンタは印刷速度が極めて遅く、Ｔシャツをセットし、インクジェットプリンタで印刷開始してから印刷終了まで約１０分がかかる。その間、オペレータは何ら作業をすることなく遊んでしまうので、作業効率が極めて悪い。
【０００５】
そこで、インクジェットプリンタを用いた、作業効率の良い布製品印刷装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的は、請求項１に記載の本発明に係る布製品印刷装置、すなわち、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置、によって、達成される。
【０００７】
また、上記目的は、請求項２に記載の本発明に係る布製品印刷装置、すなわち、第１オペレータ作業位置を中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路と、第２オペレータ作業位置を中心とし、第２オペレータの手の届く長さを半径とする、第２回転移動路と、を含む無限循環水平搬送路の上に、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて設置してなる布製品印刷装置、によっても、達成される。
【０００８】
請求項１における「無限循環搬送路」は無限循環水平搬送路であっても無限循環垂直搬送路であってもよい。請求項１及び請求項２における「布製品印刷ユニット」は、インクジェットプリンタに印刷情報を送信し制御するコンピュータを含んでいても含まなくてもよい。
【発明の効果】
【０００９】
インクジェットプリンタの印刷時間と、第１オペレータの布製品取付け作業時間と、第２オペレータの布製品取外し作業時間との合計を無限循環搬送路の一周時間と等しくすることによって、第１オペレータは順次搬送されて来る布製品印刷ユニットの布製品セット具に印刷前の布製品を取り付け、第２オペレータは順次搬送され、印刷が終了した布製品を布製品印刷ユニットの布製品セット具から取り外すことができるので、第１及び第２オペレータの作業効率が飛躍的に向上する。
【００１０】
特に、請求項２に係る布製品印刷装置においては、第１オペレータを中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路を無限循環搬送路に含んでいるので、第１オペレータを中心として布製品印刷ユニットが手の届く距離で回転移動する。第２オペレータについても同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【００１２】
図１は本発明の実施形態の布製品印刷ユニットの概略図である。
【００１３】
布製品印刷ユニットＰＵは、インクジェットプリンタ１と、これに隣接して、Tシャツセット具３と、インクジェットプリンタに印刷デザイン情報を送信し制御するコンピュータ２と、からなる。Tシャツセット具３は布製品セット具の１つの実施形態であるが、インクジェットプリンタ１の印刷部へと一定速度で移動する移動テーブルである。Ｔシャツセット具３の上には、Ｔシャツ４が一時的に固定されて取り付けられている。コンピュータ２は無線ＬＡＮ等のローカル・ネットワークやコンピュータ・ネットワーク等のグローバル・ネットワークに接続されていてもよい。印刷しようとするデザインや数量を離れた場所から集中管理することができる。
【００１４】
また、他の実施形態として、布製品印刷ユニットＰＵにはコンピュータを含めないで、各インクジェットプリンタを無線LANに接続するとともに１つのコンピュータを別の静止場所に設置して、LANを通じて各インクジェットプリンタに印刷デザインや印刷開始命令を１つのコンピュータから発信しても良い。
【００１５】
図２は本発明の第１実施形態の布製品印刷装置の概略平面図である。
【００１６】
長円形状の無限循環水平搬送路５の上に１２個の布製品印刷ユニットＰＵ１〜１２が等間隔で設備してある。無限循環水平搬送路５は１２分で一周する速度で回転している。そして、第１オペレータと第２オペレータとは、布製品印刷ユニットＰＵの間隔とほぼ同じ距離だけ離れている。第１オペレータの前には１分ごとに新しい布製品印刷ユニットＰＵが到達し、約３０〜４０秒の間で新しいＴシャツの取り付けやコンピュータ入力などの作業を行う。その後に、布製品印刷ユニットＰＵはＴシャツ４にカラー印刷をしながら、無限循環水平搬送路５によって搬送され、１０分間でＴシャツの印刷を完了する。そして、第２オペレータの前に、印刷が完了した布製品印刷ユニットＰＵが１分ごとに到達し、約３０秒の間で印刷済みのＴシャツ４を取り外す。
【００１７】
このようにして、１分間に１枚の生産速度で、Ｔシャツをカラー印刷することができる。また、印刷デザインは電子情報であるので、作成価格も安く、また、多種の印刷デザインを望む順序にカラー印刷することができ、しかも、カラー印刷の順序などの変更を瞬時に容易に行うことができる。
【００１８】
図３は本発明の第２実施形態の無限循環水平搬送路の概略平面図である。
【００１９】
この無限循環水平搬送路６には、第１オペレータ作業位置Ｐ１を中心とし、第１オペレータの手の届く長さｒ１を半径とする、第１回転移動路６ａと第２オペレータ作業位置Ｐ２を中心とし、第２オペレータの手の届く長さｒ２を半径とする、第２回転移動路６ｂを含んでいる。第１オペレータ及び第２オペレータが回転椅子に座れば、着座しながら回転することによって、到着した布製品印刷ユニットがあたかも静止しているような状態で、第１オペレータ及び第２オペレータは作業することができる。
【００２０】
図４は、本発明の第３実施形態の布製品印刷装置の概略正面図である。
【００２１】
無限循環搬送路は垂直方向に上り、その後に垂直方向に下る、無限循環垂直搬送路７である。無限循環垂直搬送路７には間隔をおいて、６個の懸垂バスケット８が回転自在に垂下している。各々の懸垂バスケット８の中には布製品印刷ユニットＰＵ１〜６が載置されている。無限循環垂直搬送路７の下部の一方には第１オペレータ作業位置Ｐ１が設けられ、他方には第２オペレータ作業位置Ｐ２が設けてある。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の実施形態の布製品印刷ユニットの概略図である。
【図２】本発明の第１実施形態の布製品印刷装置の概略平面図である。
【図３】本発明の第２実施形態の無限循環水平搬送路の概略平面図である。
【図４】本発明の第３実施形態の布製品印刷装置の概略正面図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ インクジェットプリンタ
２ コンピュータ
３ Ｔシャツセット具
４ Ｔシャツ
５ 無限循環水平搬送路
６ 無限循環水平搬送路
６ａ 第１回転移動路
６ｂ 第２回転移動路
７ 無限循環垂直搬送路
８ 懸垂バスケット
ＰＵ 布製品印刷ユニット
Ｐ１ 第１オペレータ作業位置
Ｐ２ 第２オペレータ作業位置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、衣服、スカーフ、ハンカチ等の布製品、特にＴシャツ、を印刷する布製品印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
Ｔシャツの多色印刷には、一色ごとにスクリーン印刷機と布製品セット具とを備えたステージを回転軸のまわりに放射状に多数設けて、一定速度で回転するロータリースター印刷装置が従来用いられていた。しかし、各色ごとにスクリーンパターンを用意しなければならず、スクリーンパターン製作費の観点からロータリースター印刷装置は少量生産に向いていない。また、スクリーンパターンを交換するためには、ロータリースター印刷装置を停止した状態で古いスクリーンパターンを取り外し、新しいスクリーンパターンを取り付ける。スクリーンパターンを交換するためにロータリースター印刷装置を約1時間停止させることになる。装置の稼動時間の観点からもロータリースター印刷装置は少量生産に向いていない。
【０００３】
そこで、多色印刷を写真品質で行うことができるインクジェットプリンタが注目された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、インクジェットプリンタは印刷速度が極めて遅く、Ｔシャツをセットし、インクジェットプリンタで印刷開始してから印刷終了まで約１０分がかかる。その間、オペレータは何ら作業をすることなく遊んでしまうので、作業効率が極めて悪い。
【０００５】
そこで、インクジェットプリンタを用いた、作業効率の良い布製品印刷装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的は、請求項１に記載の本発明に係る布製品印刷装置、すなわち、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置、によって、達成される。
【０００７】
また、上記目的は、請求項２に記載の本発明に係る布製品印刷装置、すなわち、第１オペレータ作業位置を中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路と、第２オペレータ作業位置を中心とし、第２オペレータの手の届く長さを半径とする、第２回転移動路と、を含む無限循環水平搬送路の上に、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて設置してなる布製品印刷装置、によっても、達成される。
【０００８】
請求項１における「無限循環搬送路」は無限循環水平搬送路であっても無限循環垂直搬送路であってもよい。請求項１及び請求項２における「布製品印刷ユニット」は、インクジェットプリンタに印刷情報を送信し制御するコンピュータを含んでいても含まなくてもよい。
【発明の効果】
【０００９】
インクジェットプリンタの印刷時間と、第１オペレータの布製品取付け作業時間と、第２オペレータの布製品取外し作業時間との合計を無限循環搬送路の一周時間と等しくすることによって、第１オペレータは順次搬送されて来る布製品印刷ユニットの布製品セット具に印刷前の布製品を取り付け、第２オペレータは順次搬送され、印刷が終了した布製品を布製品印刷ユニットの布製品セット具から取り外すことができるので、第１及び第２オペレータの作業効率が飛躍的に向上する。
【００１０】
特に、請求項２に係る布製品印刷装置においては、第１オペレータを中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路を無限循環搬送路に含んでいるので、第１オペレータを中心として布製品印刷ユニットが手の届く距離で回転移動する。第２オペレータについても同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【００１２】
図１は本発明の実施形態の布製品印刷ユニットの概略図である。
【００１３】
布製品印刷ユニットＰＵは、インクジェットプリンタ１と、これに隣接して、Tシャツセット具３と、インクジェットプリンタに印刷デザイン情報を送信し制御するコンピュータ２と、からなる。Tシャツセット具３は布製品セット具の１つの実施形態であるが、インクジェットプリンタ１の印刷部へと一定速度で移動する移動テーブルである。Ｔシャツセット具３の上には、Ｔシャツ４が一時的に固定されて取り付けられている。コンピュータ２は無線ＬＡＮ等のローカル・ネットワークやコンピュータ・ネットワーク等のグローバル・ネットワークに接続されていてもよい。印刷しようとするデザインや数量を離れた場所から集中管理することができる。
【００１４】
また、他の実施形態として、布製品印刷ユニットＰＵにはコンピュータを含めないで、各インクジェットプリンタを無線LANに接続するとともに１つのコンピュータを別の静止場所に設置して、LANを通じて各インクジェットプリンタに印刷デザインや印刷開始命令を１つのコンピュータから発信しても良い。
【００１５】
図２は本発明の第１実施形態の布製品印刷装置の概略平面図である。
【００１６】
長円形状の無限循環水平搬送路５の上に１２個の布製品印刷ユニットＰＵ１〜１２が等間隔で設備してある。無限循環水平搬送路５は１２分で一周する速度で回転している。そして、第１オペレータと第２オペレータとは、布製品印刷ユニットＰＵの間隔とほぼ同じ距離だけ離れている。第１オペレータの前には１分ごとに新しい布製品印刷ユニットＰＵが到達し、約３０〜４０秒の間で新しいＴシャツの取り付けやコンピュータ入力などの作業を行う。その後に、布製品印刷ユニットＰＵはＴシャツ４にカラー印刷をしながら、無限循環水平搬送路５によって搬送され、１０分間でＴシャツの印刷を完了する。そして、第２オペレータの前に、印刷が完了した布製品印刷ユニットＰＵが１分ごとに到達し、約３０秒の間で印刷済みのＴシャツ４を取り外す。
【００１７】
このようにして、１分間に１枚の生産速度で、Ｔシャツをカラー印刷することができる。また、印刷デザインは電子情報であるので、作成価格も安く、また、多種の印刷デザインを望む順序にカラー印刷することができ、しかも、カラー印刷の順序などの変更を瞬時に容易に行うことができる。
【００１８】
図３は本発明の第２実施形態の無限循環水平搬送路の概略平面図である。
【００１９】
この無限循環水平搬送路６には、第１オペレータ作業位置Ｐ１を中心とし、第１オペレータの手の届く長さｒ１を半径とする、第１回転移動路６ａと第２オペレータ作業位置Ｐ２を中心とし、第２オペレータの手の届く長さｒ２を半径とする、第２回転移動路６ｂを含んでいる。第１オペレータ及び第２オペレータが回転椅子に座れば、着座しながら回転することによって、到着した布製品印刷ユニットがあたかも静止しているような状態で、第１オペレータ及び第２オペレータは作業することができる。
【００２０】
図４は、本発明の第３実施形態の布製品印刷装置の概略正面図である。
【００２１】
無限循環搬送路は垂直方向に上り、その後に垂直方向に下る、無限循環垂直搬送路７である。無限循環垂直搬送路７には間隔をおいて、６個の懸垂バスケット８が回転自在に垂下している。各々の懸垂バスケット８の中には布製品印刷ユニットＰＵ１〜６が載置されている。無限循環垂直搬送路７の下部の一方には第１オペレータ作業位置Ｐ１が設けられ、他方には第２オペレータ作業位置Ｐ２が設けてある。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の実施形態の布製品印刷ユニットの概略図である。
【図２】本発明の第１実施形態の布製品印刷装置の概略平面図である。
【図３】本発明の第２実施形態の無限循環水平搬送路の概略平面図である。
【図４】本発明の第３実施形態の布製品印刷装置の概略正面図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ インクジェットプリンタ
２ コンピュータ
３ Ｔシャツセット具
４ Ｔシャツ
５ 無限循環水平搬送路
６ 無限循環水平搬送路
６ａ 第１回転移動路
６ｂ 第２回転移動路
７ 無限循環垂直搬送路
８ 懸垂バスケット
ＰＵ 布製品印刷ユニット
Ｐ１ 第１オペレータ作業位置
Ｐ２ 第２オペレータ作業位置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置。
【請求項２】
第１オペレータ作業位置を中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路と、第２オペレータ作業位置を中心とし、第２オペレータの手の届く長さを半径とする、第２回転移動路と、を含む無限循環水平搬送路の上に、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて設置してなる布製品印刷装置。
【請求項１】
インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて、無限循環搬送路に設置してなる布製品印刷装置。
【請求項２】
第１オペレータ作業位置を中心とし、第１オペレータの手の届く長さを半径とする、第１回転移動路と、第２オペレータ作業位置を中心とし、第２オペレータの手の届く長さを半径とする、第２回転移動路と、を含む無限循環水平搬送路の上に、インクジェットプリンタと、印刷しようとする布製品を着脱自在に取り付ける布製品セット具と、からなる布製品印刷ユニットを、所定の間隔をおいて設置してなる布製品印刷装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２２３４４８（Ｐ２００９−２２３４４８Ａ）
【公開日】平成２１年１０月１日（２００９．１０．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−６５０４７（Ｐ２００８−６５０４７）
【出願日】平成２０年３月１４日（２００８．３．１４）
【出願人】（５０８０７９１４２）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月１日（２００９．１０．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年３月１４日（２００８．３．１４）
【出願人】（５０８０７９１４２）
【Ｆターム（参考）】
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