説明

帯電防止樹脂

【課題】表面のみならず内部においても耐久性でかつ高い帯電防止能のポリウレタン樹脂を提供することにある。
【解決手段】ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを重合させてなるポリウレタン中に活性水素含有イオン液体成分(A)がウレタン結合されているか不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)の重合物を含有してなる帯電防止ポリウレタン樹脂ある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯電防止樹脂に関する。更に詳しくは帯電防止ポリウレタン樹脂、帯電防止シリコン、帯電防止ポリエステル樹脂、帯電防止アクリル樹脂および帯電防止ゴムに関する。
【背景技術】
【0002】
帯電防止ウレタンに関する特許文献として有機塩類のイオン性化合物を使用する方法が特許文献1に開示がある。また活性基含有4級アンモニウム塩型アクリル系カチオン高分子とジイソシアネートと反応させる方法が特許文献2に開示がある。前者ではイオン化合物がポリマーに固定されてないので帯電防止剤が溶出してその性能が失われる。
後者では4級アンモニウム塩型アクリル系カチオン高分子が加水分解を起こし易いと言う問題がある。またイオン性帯電防止剤と導電性高分子を併用する方法が特許文献3に開示があるがこれらは所謂、添加型で耐久性が乏しい。
固定型としてウレタン(メタ)アクリレートを活性エネルギーで硬化させる方法が特許文献4に開示があるがコーティング剤であり表面のみ帯電防止されるだけで内部までは帯電防止される訳ではない。
また帯電防止ポリエステルや帯電防止ゴムについても特許文献5、特許文献6にそれぞれ開示があるが、前者はポリエチレングリコールを、後者はアルカリ金属塩を添加したものでそれぞれ耐久性に課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−169377
【特許文献2】特開2009−46599
【特許文献3】特開2008−239934
【特許文献4】特開2007−314694
【特許文献5】特開平9−25398
【特許文献6】特開平10−182988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、樹脂全体に帯電防止能があり更に耐久性の帯電防止樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、活性水素や不飽和エチレン基等の活性基を有するイオン液体をポリマー中に組み込むことにより、帯電防止ポリウレタン樹脂、帯電防止シリコン樹脂、帯電防止ポリエステル樹脂、帯電防止ゴムを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、下記(1)〜(7)に記載の事項をその特徴とするものである。
【0007】
(1)ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを重合させてなるポリウレタン中に活性水素含有イオン液体成分(A)がウレタン結合されているか、不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)の重合物を含有してなる帯電防止ポリウレタン樹脂である。
(2)シリコン樹脂中に活性水素含有イオン液体含有成分(A)がエーテル結合もしくはウレタン結合されている帯電防止シリコン樹脂である。
(3)ポリエステル中に活性水素含有イオン液体含有成分(A)がエステル結合もしくはウレタン結合されている帯電防止ポリエステル樹脂である。
(4)アクリル樹脂中に活性水素含有イオン液体成分(A)もしくは不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が炭素−炭素結合もしくはウレタン結合されている帯電防止アクリル樹脂である。
(5)ゴム中のエチレン性不飽和結合と不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が炭素−炭素結合されている帯電防止ゴムである。
(6)活性水素含有イオン液体含有成分(A)の末端が水酸基である(1)〜(4)記載の帯電防止樹脂である。
(7)不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が少なくとも1個の(メタ)アクリル基を含有する(1)〜(5)記載の帯電防止樹脂である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の帯電防止樹脂によれば、表面のみならず内部においても耐久性の帯電防止樹脂を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における活性水素含有イオン液体含有成分(A)(以下、イオンAと称す)は
(HO(CH2CR1O)e)n1Y+Z− であり、
R1はH2又はH(CH3)であり、eは1〜30であり、n1は2であり、Yは塩基で4,4’−トリメチレンジピリジン、ピペラジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、モルホリン、ジプロピルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピラゾールであり、Zは酸基で、SO3H、フルオロスルホン酸、BF4、ハロゲン、PF6、燐酸、(CF3SO2)2NH(以下、TFSIと称す)である。これらのうち好ましいものはeが1〜20でn1が2でYがジプロピルアミン、イミダゾール及びピラゾールであり、ZがBF4、燐酸及びTFSIである。
【0010】
本発明におけるイオン液体含有成分(B)(以下、イオンBと称す)としては
CH2=CR2COO(X)n(D)mY+Z−であり
式中、R2はHもしくはCH3であり、nは0か1であり、mは0か1、XはCH2又はCH2R3Oであり、R3はCH2もしくはCH(CH3)であり、DはNHCOOである。Y、Zは上記記載のものが使用できる。イオンBの具体例としては1−メタアクリロイルオキシプロピレン−3−メチルイミダゾリウムのBF4、ハロゲン、PF6、TFSIの塩が挙げられる。またDがNHCOOのものの具体例はイオンA中のn1が1であるものと(メタ)アクリルイソシアネートとを反応することにより得られる。(メタ)アクリルイソシアネートの例としては2−アクロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクロイルオキシエチルイソシアネート(以下、MOIと略す)が挙げられる。これらのうち好ましいものはn、mが0で、Yがピペラジン、ベンズイミダゾール、ジプロピルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピラゾールで、ZがBF4、燐酸及びTFSIである。
【0011】
本発明における帯電防止ポリウレタン樹脂はポリオール、ポリアミン、架橋剤、イオンAとポリイソシアネートとの重合により得られフォームも含まれる。イオンBを例えば、予めポリオール中で重合したポリマーポリオールを使用してもよい。
【0012】
ポリオールとしてはポリエーテルポリオールとしてアルキレンオキシドを開環重合した、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが、ポリエステルポリオールとしてはアジペート系ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。その他、ポリオレフィン系ポリオール、アクリルポリオール、ポリマーポリオール等も使用できる。これらのうち好ましいのはポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールで分子量が300〜5000のものである。
【0013】
ポリオール中でイオンBを公知の方法で重合したポリマーポリオールを使用することもできる。
【0014】
ポリアミンとしてはポリエーテルポリアミン及びベンゾイルジアミンが挙げられる。
このうち好ましいものはベンゾイルジアミンで分子量が200〜3000のものである。
【0015】
架橋剤としては低分子ジオール及び低分子アミンが使用できる。前者の例としてはエチレングリコール、ブタンジオール等が挙げられる。後者の例としては3,3‘―ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAと略す)、2,2‘−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。このうち好ましいのはブタンジオール及びMOCAである。
【0016】
ポリイソシアネートとしては芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及びこれらのプレポリマーが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としてはトリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと称す)、粗MDI、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが脂環族ポリイソシアネートとしてはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。これらのうち好ましいものは芳香族ポリイソシアネートである。
【0017】
プレポリマーは前記記載のポリオールとポリイソシアネートとを公知の方法で反応させることにより得られる。NCO%は通常、3.0%〜15%、好ましくは3.0%〜10%である。この範囲外では好ましい性能が得られない。
【0018】
ポリウレタン樹脂の重合に際し触媒を使用することができる。触媒としては有機金属及び3級アミンが使用できる。前者の例としてはオクチル酸鉛、オクチル酸錫等が、後者の例としてはトリエチレンジアミンが挙げられる。
【0019】
ポリウレタン樹脂のうちポリウレタンフォームの重合の際には発泡剤、整泡剤、触媒が使用できる。発泡剤としては水、炭化水素系、フッ素系、炭酸ガスが挙げられる。整泡剤は用途に応じて軟質フォーム、高弾性フォーム用、半硬質フォーム用、硬質フォーム用のものが使用できる。触媒は前記記載のものが使用できる。
【0020】
イオンAを使用しての帯電防止ウレタン樹脂は上記記載のポリオールにそれを添加するか、あるいはプレポリマー化してポリイソシアネートに添加するかにより得ることができる。またイオンBを使用する場合はそれを予めポリオール中でラジカル重合して使用するか、ウレタン重合時に下記記載のラジカル重合開始剤と共に添加するか、により得られる。イオンA及びイオンBの添加量は樹脂全体に対し0.1重量%〜5重量%である。
【0021】
ポリウレタン樹脂のキュアー時の加熱温度は通常60℃以上、好ましくは80℃以上である。時間は通常10分以上、好ましくは30分以上である。
【0022】
本発明における帯電防止シリコン樹脂は分子内にイオンAがエステル結合又はウレタン結合を形成しているものである。具体的にはイオンA中の水酸基とシリコン樹脂中のアルコラートと縮合するか、ポリイソシアネートと反応させるか、によりエーテル結合又はウレタン結合が得られる。付加重合型のシリコン樹脂に適応してもよい。イオン液体含有成分(A)の添加量は樹脂全体に対し0.1重量%〜5重量%である。
【0023】
本発明における帯電防止ポリエステル樹脂は不飽和ポリエステル樹脂を含むものでジカルボン酸またはカルボン酸無水物とジオールから縮合重合またはビスフェノールAとホスゲンまたはジフェニルカーボネートの反応により得られるもので分子内にイオンAもしくはイオンBが炭素−炭素結合、エステル結合、ウレタン結合で固定されている。
【0024】
ジカルボン酸の例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等が挙げられる。カルボン酸無水物の例としては無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられる。ジオールとしては前記記載のポリオールのうちポリエーテルポリオールやアクリルポリールが挙げられる。
【0025】
イオンAを使用して帯電防止ポリエステル樹脂はイオンAをジオールに添加することにより得られる。またイオンBを使用する場合はアクリルポリオールとラジカル重合することにより得られる。
【0026】
本発明における帯電防止アクリル樹脂は(メタ)アクリル系モノマー中の活性水素をまたはもしくはイソシアネートをウレタン結合もしくはエステル結合し、重合開始剤で重合したものと、(メタ)アクリル系モノマー中の(メタ)アクリル基を重合開始剤で重合したものである。(メタ)アクリル系モノマーとしては(メタ)アクリル基を2個以上含有するモノマーが好ましい。イオンAは前者に添加し、イオンBは後者に添加する。イオンA及びイオンBの添加量は樹脂全体に対し0.1重量%〜5重量%である。
【0027】
必要により他のモノマーと併用してもよい。具体例としてアクリロニトリル、アクリル類、スチレン等が挙げられる。
【0028】
重合開始剤としては熱及びUVラジカル重合開始剤及びレドックス重合開始剤が挙げられる。熱ラジカル重合開始剤の例としては例えばアゾ系としてアゾビスイソブチルニトリル(以下、AIBNと称す)等が、過酸化物系としてベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。このうちアゾ系が好ましい。
【0029】
またUVラジカル重合開始剤の例としてはベンゾインエーテル系(ベンゾイン等)、 ケトン系(ベンゾフェノン、クロロキサントン等)、アセトフェノン系(ジエチルアセトフェノン等)及びベンジル系(ベンジル等)が挙げられる。これらのうち好ましいものはベンゾインエーテル系及びアセトフェノン系である。好ましい使用量は熱ラジカル重合開始剤の場合と同様である。
【0030】
レドックス重合開始剤としては過酸化物と金属触媒との組み合わせのものが好ましい。後者の例としてはナフテン酸コバルトが挙げられる。
【0031】
重合開始剤の使用量はイオン液体含有成分(B)、100質量部に対し通常、0.05〜5質量部、好ましくは0.05〜2質量部である。
【0032】
本発明における帯電防止ゴムは分子内にエチレン性不飽和結合を有するゴムとイオンBを公知の方法で重合することによりイオンBが炭素−炭素結合でポリマーに固定される。エチレン性不飽和結合を有するゴムの例としてはSBR、NBR、EPDMが挙げられる。
【0033】
イオンA及びイオンBの添加量は樹脂全体に対し0.1重量%〜5重量%である。
【実施例】
【0034】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
表面抵抗率は表面抵抗計(三菱化学製 MHCP−HT プローブURS)を使用し印加電圧500V、温度23℃、湿度50%で数箇所、測定した。
【0036】
耐水試験は試料をイオン交換水に1日浸漬し乾燥後、1日保持して表面抵抗率を測定した。
【0037】
ILOH・MOIの製法:1−ブチルアルコール−3−メチルイミダゾリウム・BF4塩とMOIを等モル量、ジラウリルリン酸ジブチル錫をMOIに対し0.1質量%添加し80℃にて1.5時間反応させた。反応の終了はIRスペクトルでNCO基の消失で確認した。
【0038】
ポリウレタン樹脂(以下、イと称す)の製法:PTMG−1000(テトラメチレングリコール、分子量1000)と148.8質量部、TDI−100とを51.2重量部を混合し、80℃で3時間反応させNCO%6.09のプレポリマーを作成した。当該プレポリマー8.41質量部を80℃に加熱しイオンA又はイオンBと後者の場合はAIBNをイオンBに対し1重量%添加して数分間減圧脱泡した。これに120℃に加熱して溶融させたMOCA1.59質量部加え均一に混合後、脱泡し100℃にて20時間反応させた。
【0039】
(実施例1)
前記(イ)にイオンAとしてIL−A29(OH%5.2、広栄化学工業製)をウレタン樹脂中0.5重量%になるように添加し、前記記載のポリウレタン樹脂の製法に従いポリウレタン樹脂を作成した。表面抵抗率は6.2×10^9(Ω/□)、耐水試験後は6.2×10^9(Ω/□)であった。
【0040】
(実施例2)
EP−330N(三井化学製)10g、トリエタノールアミンを0.4g、水を0.3g、カオーライザアーNO.31(花王製)を0.045g、N−エチルモルホリンを0.03g、SRX−274DL(ダウコーニングトーレ製)を0.1g、イオン液体AとしてIL−A29(OH%5.2、広栄化学工業製)を全重量に対し0.1%になるように均一に混合しTDI−80/粗MDI=8/2を4.74g加え攪拌しフォームを作成した。そのものの表面抵抗率は3.1×10^10(Ω/□)、耐水試験後は3.0×10^10(Ω/□)であった。
【0041】
(実施例3)
前記(イ)にイオンBとしてILOH・MOIをウレタン樹脂中1重量%になるように添加し、前記記載のポリウレタン樹脂の製法に従い作成した。そのものの表面抵抗率は3.7×10^9(Ω/□)、耐水試験後は4.3×10^9(Ω/□)であった。
【0042】
(実施例4)
ELASTOSIL M8520(旭化成ワッカーシリコーン製)を10gとIL−A29(OH%5.2、広栄化学工業製)を0.1gを混合しCATALYST T40(旭化成ワッカーシリコーン製)を0.4g、加え更に混合して離型紙上に流しシートを作成した。そのものの表面抵抗率は5.9×10^9(Ω/□)、耐水試験後は5.7×10^9(Ω/□)であった。
【0043】
(実施例5)
アジピン酸とエチレングリコール及びIL−A29(OH%5.2、広栄化学工業製)から公知の方法によりポリエステルを合成した。IL−A29はポリエステル全体に対し0.5重量%になるように加えた。そのものの表面抵抗率は6.0×10^9(Ω/□)、耐水試験後は6.2×10^9(Ω/□)であった。
【0044】
(実施例6)
ライトアクリレートTMP−A(共栄社化学工業製)10gにイオンBであるIL−MA2(広栄化学工業製)を0.05g、ベンゾフェノンを0.1g添加し溶解後、ガラスに塗布してUV照射装置(ジャパンテクノロジーシステムコーポレーション社製)を使用して硬化した。そのものの表面抵抗率は5.0×10^9(Ω/□)、耐水試験後は5.2×10^9(Ω/□)であった。
(比較例1)
実施例1においてIL−A29を添加しない以外は実施例1と同様に行った。そのものの表面抵抗率は4.5×10^13(Ω/□)であった。
【0045】
(比較例2)
実施例2においてIL−A29(広栄化学工業製)を添加しない以外は実施例2と同様に行い、そのものの表面抵抗率は6.3×10^13(Ω/□)であった。
【0046】
(比較例3)
実施例3においてILOH・MOIを添加しない以外は実施例3と同様に行った。そのものの表面抵抗率は6.3×10^13(Ω/□)であった。
【0047】
(比較例4)
実施例4においてIL−A29を添加しない以外は実施例4と同様に行った。そのものの表面抵抗率は8.8×10^13(Ω/□)であった。
【0048】
(比較例5)
実施例5においてIL−A29を添加しない以外は実施例5と同様に行った。そのものの表面抵抗率は7.3×10^13(Ω/□)であった。
【0049】
(比較例6)
実施例6においてIL−MA2を添加しない以外は実施例6と同様に行った。そのものの表面抵抗率は1×10^13(Ω/□)<であった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の帯電防止樹脂は電子コピー機のロールや電子部品保護の分野、輸送機のタイヤ分野、帯電防止シート、摺動部品等に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを重合させてなるポリウレタン中に活性水素含有イオン液体成分(A)がウレタン結合されているか不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)の重合物を含有してなる帯電防止ポリウレタン樹脂。
【請求項2】
シリコン樹脂中に活性水素含有イオン液体含有成分(A)がエーテル結合もしくはウレタン結合されている帯電防止シリコン樹脂。
【請求項3】
ポリエステル中に活性水素含有イオン液体含有成分(A)もしくは不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が炭素−炭素結合、エステル結合もしくはウレタン結合されている帯電防止ポリエステル樹脂。
【請求項4】
アクリル樹脂中に活性水素含有イオン液体成分(A)もしくは不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が炭素−炭素結合もしくはウレタン結合されている帯電防止アクリル樹脂。
【請求項5】
ゴム中のエチレン性不飽和結合と不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が炭素−炭素結合されている帯電防止ゴム。
【請求項6】
活性水素含有イオン液体含有成分(A)の末端が水酸基である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の帯電防止樹脂。
【請求項7】
不飽和エチレン基含有イオン液体成分(B)が少なくとも1個(メタ)アクリル基を含有する請求項1もしくは請求項5のいずれかに記載の帯電防止樹脂。

【公開番号】特開2011−32397(P2011−32397A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181158(P2009−181158)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(508229574)KYCソリューションズ有限会社 (5)
【Fターム(参考)】