説明

平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法および蛇行修正装置

【課題】本発明は、平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法および蛇行修正装置に関し、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことにある。
【解決手段】平メッシュベルト14を搬送方向両端でローラ16,18により支持した平メッシュベルトコンベア12の蛇行修正装置10において、平メッシュベルトの蛇行を検出する蛇行検出センサ20と、平メッシュベルト14の表面に対して平行に延びる軸を有し、該平メッシュベルト14を挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラ32,34と、一対の蛇行修正用ローラ32,34の軸の向く方向を平メッシュベルト14の面内方向において可変する蛇行修正機構30と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法および蛇行修正装置に係り、特に、平メッシュベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平メッシュベルトコンベアの蛇行修正方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送用の平ベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平ベルトコンベアの蛇行を修正する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。平ベルトコンベアにおいては、被搬送物が平ベルト上に幅方向に偏って載置されたときや経年的な変化によって蛇行が生ずることがあるので、その発生した蛇行を自動的に修正することが便宜である。上記の蛇行修正装置において、平ベルトコンベアの蛇行修正は、その蛇行が検出されたうえで、その検出結果に基づいて、平ベルトを支持するローラの位置を旋回体の作動によって変更することにより実現することとしている。
【特許文献1】特開2000−118663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、平ベルトには、剛性の比較的低い樹脂製のベルト以外に、剛性の比較的高く弾性の比較的低い金属製のメッシュベルトがある。金属製のメッシュベルトは、樹脂製のベルトが使用できない加熱炉内などの高温雰囲気下にて使用される。平ベルトがこのメッシュベルトである場合に、上記従来の装置の如く平ベルトの弾性を利用して蛇行修正を行おうとすると、高温雰囲気下ではメッシュベルトが永久変形したり、樹脂製のベルトに比べて剛性が高いため多大な負荷が必要となったりと、メッシュベルトの蛇行修正は極めて困難であった。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベアの有するメッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことが可能な平メッシュベルトコンベア蛇行修正蛇行修正方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、平メッシュベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平メッシュベルトコンベアの蛇行修正方法であって、前記平メッシュベルトの蛇行を蛇行検出センサで検出し、前記平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を前記平メッシュベルトの面内方向において変更する平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法により達成される。
【0006】
この態様の発明において、平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向は、平メッシュベルトの面内方向において変更される。このように一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向が変更されると、平メッシュベルトには、一対の蛇行修正用ローラの上流側と下流側とでその幅方向の位置を変化させる力が作用する。このため、本発明によれば、平メッシュベルトの蛇行を修正することができる。また、上記した一対の蛇行修正用ローラが設けられた構成においては、平メッシュベルトが一対のローラで挟まれない構成すなわち一つのローラに支持される構成に比べて、その蛇行を修正する力が平メッシュベルトに作用し易くなる。従って、本発明によれば、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことが可能となる。
【0007】
尚、上記した平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法において、前記蛇行検出センサにより前記平メッシュベルトの蛇行が検出された場合に、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を該蛇行を修正する方向に回動させることとすれば、平メッシュベルトの蛇行が検出された際にその蛇行を一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向の回動により修正することができる。
【0008】
また、上記の目的は、平メッシュベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平メッシュベルトコンベアの蛇行修正装置であって、前記平メッシュベルトの蛇行を検出する蛇行検出センサと、前記平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラと、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を前記平メッシュベルトの面内方向において可変するローラ軸方向可変手段と、を備えている平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置により達成される。
【0009】
この態様の発明において、平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し、該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラが設けられている。この一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向は、平メッシュベルトの面内方向において可変される。このように一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向が可変されると、平メッシュベルトには、一対の蛇行修正用ローラの上流側と下流側とでその幅方向の位置を変化させる力が作用する。このため、本発明によれば、平メッシュベルトの蛇行を修正することができる。また、上記した一対の蛇行修正用ローラが設けられた構成においては、平メッシュベルトが一対のローラで挟まれない構成すなわち一つのローラに支持される構成に比べて、その蛇行を修正する力が平メッシュベルトに作用し易くなる。従って、本発明によれば、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことが可能となる。
【0010】
尚、上記した平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置において、前記一対の蛇行修正用ローラは、前記平メッシュベルトを挟んで互いに軸同士を略平行にして搬送方向に並んで配置されることとすれば、一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向の可変がそれら一対の蛇行修正用ローラで同時に行われるため、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことができる。
【0011】
また、上記した平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置において、前記ローラ軸方向可変手段は、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を、前記平メッシュベルトの面内方向において回動させることとすれば、平メッシュベルトの蛇行が検出された際にその蛇行を一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向の回動により修正することができる。
【0012】
更に、上記した平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置において、前記ローラ軸方向可変手段は、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の端部に対して同時に搬送方向へ付与する力を発生する力発生手段を有することとすれば、力発生手段の発生する力により一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向の可変がそれら一対の蛇行修正用ローラで同時に行われるため、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、平メッシュベルトの蛇行修正を適切かつ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施例である平メッシュベルトコンベアの蛇行修正装置10の構成図を示す。尚、同図(A)は蛇行修正装置10の平面図を、また、同図(B)は蛇行修正装置10の側面図を、それぞれ示す。更に、図2は、本実施例の蛇行修正装置10のシステム構成図を示す。
【0015】
本実施例の蛇行修正装置10は、平メッシュベルトコンベア12の有する平メッシュベルト14の蛇行を修正する装置である。図1に示す如く、本実施例において、平メッシュベルトコンベア12は、被搬送物13が載置される平メッシュベルト14を備えている。平メッシュベルト14は、剛性の高い金属により構成されており、その表面がメッシュ状となるように形成されている。平メッシュベルト14は、搬送方向に直交する方向(図1(A)における上下方向;以下、幅方向と称す)にある程度広い幅を有しており、その搬送方向の両側においてローラ16により支持されている。以下、ローラ16を支持用ローラ16と称す。
【0016】
支持用ローラ16は、平メッシュベルト14の幅方向の長さよりも長い軸長さを有している。搬送方向両側の支持用ローラ16のうち一方には、モータが取り付けられている。このモータが取り付けられている支持用ローラ16は、モータの回転により軸中心に回転することができ、平メッシュベルト14を両支持用ローラ16間において走行させることが可能である。平メッシュベルト14は、両支持用ローラ16間においてその上面側が従動側の支持用ローラ16側から駆動側の支持用ローラ16側へ(図1における左側から右側へ)走行し、また、その下面側が駆動側の支持用ローラ16側から従動側の支持用ローラ16側へ(図1における右側から左側へ)リターンするようになっている。
【0017】
本実施例の蛇行修正装置10は、平メッシュベルト14の幅方向におけるエッジを確認するための蛇行検出センサ20を備えている。蛇行検出センサ20は、平メッシュベルトコンベア12の本体に対して固定されており、平メッシュベルト14の幅方向における両エッジ近傍のそれぞれに或いはその一方のみに配設されている。蛇行検出センサ20は、例えばリミットスイッチにより構成されており、平メッシュベルト14の幅方向におけるエッジに応じた信号、すなわち、そのエッジが所望の位置から所定距離(例えば3mm)以上ずれるか否かに応じた信号を出力するセンサである。
【0018】
蛇行検出センサ20には、コンピュータを主体に構成されたコントローラ22が電気的に接続されている。各蛇行検出センサ20の出力信号はそれぞれ、コントローラ22に供給される。コントローラ22は、各蛇行検出センサ20の出力信号に基づいて、平メッシュベルト14の幅方向におけるエッジが所望の位置から所定距離以上ずれたか否かを判別して、平メッシュベルト14の所定以上の蛇行の有無を検出する。
【0019】
また、蛇行修正装置10は、平メッシュベルト14の蛇行を修正するために設けられた蛇行修正機構30を備えている。蛇行修正機構30は、金属製の一対のローラ32,34を備えている。各ローラ32,34は共に、それぞれ平メッシュベルト14の表面に対して平行に延びる軸を有している。一対のローラ32,34は、互いに軸同士を略平行にして搬送方向に並んで配置されている。また、一対のローラ32,34は、平メッシュベルト14を挟み込むようにすなわち一方のローラ32がその下端近傍で平メッシュベルト14の表面に接しかつ他方のローラ34がその上端近傍で平メッシュベルト14の表面に接するように配置されている。以下、ローラ32,34を蛇行修正用ローラ32,34と称す。
【0020】
蛇行修正用ローラ32,34は、その軸方向端においてブラケット36,38により互いに連結され固定されている。蛇行修正用ローラ32,34は、ブラケット36,38により互いの連結状態を維持したまま、平メッシュベルト14の面と平行な面内において点Cを中心にして回動することすなわちその軸の向く方向を可変することが可能な構成とされている。尚、回動中心Cは、図1(A)に示す如く、蛇行修正用ローラ32,34の軸中心近傍であることとしてもよいが、後述するシリンダ40の配設側とは反対の軸端部近傍であってもよい。
【0021】
蛇行修正機構30は、平メッシュベルト14の面と平行な面内においてその搬送方向と平行な方向に伸縮可能なシリンダ40を有している。シリンダ40は、蛇行修正用ローラ32,34の軸方向端のうちの一方側に配設されており、ブラケット36に回動可能に連結されている。シリンダ40は、蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部(図1(A)において上方側)をブラケット36と共に平メッシュベルト14の面内において点Cを中心にして回動させる機能を有している。
【0022】
シリンダ40には、電磁アクチュエータ42が接続されている。電磁アクチュエータ42は、シリンダ40を平メッシュベルト14の搬送方向の順方向(図1(A)において左方)に伸長させることにより蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部をブラケット36と共にその順方向に押圧する押圧力(厳密には、点Cを中心にして図1(A)に示す紙面上反時計周り方向に回動させる力)を発生し、また、シリンダ40を平メッシュベルト14の搬送方向の順方向と正反対の逆方向(図1(A)において右方)に収縮させることにより蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部をブラケット36と共にその逆方向に引っ張る引っ張り力(厳密には、点Cを中心にして図1(A)に示す紙面上時計周り方向に回動させる力)を発生する。電磁アクチュエータ42は、上記したコントローラ22に電気的に接続している。コントローラ22は、後述の如く、上記の押圧力又は引っ張り力が適宜発生するように電磁アクチュエータ42を駆動する。
【0023】
次に、図3及び図4を参照して、本実施例の蛇行修正装置10の動作について説明する。図3は、本実施例の蛇行修正装置10においてコントローラ22が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。また、図4は、本実施例の蛇行修正装置10による蛇行修正の手法を説明するための図を示す。尚、図4には蛇行修正装置10の平面図を示す。
【0024】
本実施例の蛇行修正装置10において、コントローラ22は、蛇行検出センサ20の出力信号に基づいて、平メッシュベルト14の所定以上の蛇行の有無を検出する(ステップ100)。その検出の結果、平メッシュベルト14の蛇行が生じていないと判定したときは、シリンダ40が、蛇行修正用ローラ32,34の軸の向く方向を平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向とする通常の伸縮長さに調整されるように、電磁アクチュエータ42を駆動する処理を行う(ステップ102)。この場合には、シリンダ40が通常の伸縮長さを保つ中立状態になることによって蛇行修正用ローラ32,34がその軸を平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向に向けることとなり、平メッシュベルト14は、蛇行修正機構30のシリンダ40からほとんど幅方向に位置調整される力が付与されることなく、搬送方向に所定のテンションを伴って走行することとなる。
【0025】
一方、上記ステップ100の検出の結果、平メッシュベルト14の蛇行が生じたと判定したときは、まず、その平メッシュベルト14の幅方向におけるエッジの移動方向に基づいて、その蛇行が生じている方向(具体的には、平メッシュベルト14が搬送方向に対して左寄り(図4に示す状態において下側)に走行して蛇行しているか或いは右寄り(図4に示す状態において上側)に走行して蛇行しているか)を特定する(ステップ104)。
【0026】
そして、平メッシュベルト14の蛇行が左寄りにあると判定したときは、平メッシュベルト14の搬送方向に対して右側にあるシリンダ40が通常の伸縮長さよりも収縮されて短い伸縮長さに調整されるように電磁アクチュエータ42を駆動する処理を行う(ステップ106)。尚、この際、シリンダ40の収縮度合いは、一定の値であってもよいし、また、左寄り蛇行の度合いに応じて変化されるものであってもよい。
【0027】
この場合には、シリンダ40が中立状態よりも収縮することによって、一対の蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部に搬送方向の順方向と正反対の逆方向に引っ張る力が作用して、蛇行修正用ローラ32,34の軸が同時に平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向に対して僅かに図1(A)や図4における時計回り方向に向くこととなる。かかる方向に一対の蛇行修正用ローラ32,34の軸が向くと、平メッシュベルト14のリターン側は、一対の蛇行修正用ローラ32,34の上流側から下流側にかけてその全体で平メッシュベルト14の面内方向においてその蛇行修正用ローラ32,34の軸に直交する方向に向かう力Fが付与されることによって、搬送方向に大きなテンションで引っ張られつつ僅かに幅方向右側に向かう分力を受けることとなる(図4参照)。
【0028】
また一方、平メッシュベルト14の蛇行が右寄りにあると判定したときは、平メッシュベルト14の搬送方向に対して右側にあるシリンダ40が通常の伸縮長さよりも伸張されて長い伸縮長さに調整されるように電磁アクチュエータ42を駆動する処理を行う(ステップ108)。尚、この際、シリンダ40の伸張度合いは、一定の値であってもよいし、また、右寄り蛇行の度合いに応じて変化されるものであってもよい。
【0029】
この場合には、シリンダ40が中立状態よりも伸張することによって、一対の蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部に搬送方向の順方向に押圧する力が作用して、蛇行修正用ローラ32,34の軸が同時に平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向に対して僅かに図1(A)や図4における反時計回り方向に向くこととなる。かかる方向に一対の蛇行修正用ローラ32,34の軸が向くと、平メッシュベルト14のリターン側は、一対の蛇行修正用ローラ32,34の上流側から下流側にかけてその全体で平メッシュベルト14の面内方向においてその蛇行修正用ローラ32,34の軸に直交する方向に向かう力が付与されることによって、搬送方向に大きなテンションで引っ張られつつ僅かに幅方向左側に向かう分力を受けることとなる。
【0030】
このように本実施例の蛇行修正装置10によれば、平メッシュベルト14の蛇行が生じていないときは、シリンダ40を通常の伸縮長さを保つ中立状態にすることによって、一対の蛇行修正用ローラ32,34の軸を同時に平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向に向けることができ、平メッシュベルト14をその幅方向に向かう力を作用させることなく所定のテンションを伴って走行させることが可能である。また一方、平メッシュベルト14の蛇行が生じたときは、シリンダ40をその蛇行方向に応じて通常の伸縮長さよりも収縮又は伸張することによって、一対の蛇行修正用ローラ32,34を平メッシュベルト14の面内方向において僅かに回動させてそれらの軸を同時に搬送方向と直交する方向に対して時計回り方向又は反時計回り方向に向けることができ、平メッシュベルト14をその蛇行方向に応じた幅方向(具体的には、その蛇行を修正する幅方向)に向かう力を作用させつつ走行させることが可能である。
【0031】
平メッシュベルト14の走行中にその平メッシュベルト14に幅方向に向かう力が作用すれば、その走行が進むに連れて、その力が作用する方向に平メッシュベルト14が移動することとなる。この場合、左寄りに蛇行が生じた平メッシュベルト14の幅方向における走行位置は右寄りに修正され、また、右寄りに蛇行が生じた平メッシュベルト14の幅方向における走行位置は左寄りに修正されることとなる。従って、本実施例の蛇行修正装置10によれば、平メッシュベルトコンベア12の有する平メッシュベルト10が蛇行した際にその蛇行を修正することが可能となる。
【0032】
また、本実施例の蛇行修正装置10の如く、一対の蛇行修正用ローラ32,34が平メッシュベルト14を挟み込みながらその軸を同時に平メッシュベルト14の面内方向において搬送方向と直交する方向に対して僅かにずれた方向に向けることにより、その平メッシュベルト14の蛇行を修正する構成によれば、例えば一つの蛇行修正用ローラのみを用いて平メッシュベルト14の蛇行を修正する構成と異なり、平メッシュベルト14がそれら一対の蛇行修正用ローラ32,34の外周に常に接し密着するので、蛇行修正用ローラ32,34の軸の向く方向の変化に速やかにかつ確実に追従してその蛇行修正が行われることとなる。従って、本実施例の蛇行修正装置10によれば、平メッシュベルトコンベア12の有する平メッシュベルト14の蛇行修正を適切にかつ確実に行うことが可能となっている。
【0033】
更に、本実施例の蛇行修正装置10の如き平ベルトの蛇行を修正する構成によれば、その平ベルトが、剛性が高く弾性が低い金属製の平メッシュベルト14であっても、一対の蛇行修正用ローラ32,34の外周に常に接し密着するので、この点でも、蛇行修正用ローラ32,34の軸の向く方向の変化に速やかにかつ確実に追従してその蛇行修正が行われることとなる。従って、本実施例の蛇行修正装置10によれば、平メッシュベルトコンベア12の有する剛性の高い平メッシュベルト14の蛇行修正を適切にかつ確実に行うことが可能となっている。
【0034】
ところで、上記の実施例においては、ローラ16が特許請求の範囲に記載した「支持用ローラ」に、ローラ32,34が特許請求の範囲に記載した「蛇行修正用ローラ」に、蛇行修正機構30、シリンダ40及び電磁アクチュエータ42が特許請求の範囲に記載した「ローラ軸方向可変手段」及び「力発生手段」に、それぞれ相当している。
【0035】
尚、上記の実施例においては、蛇行修正機構30のシリンダ40を、平メッシュベルト14のリターン側の搬送方向の順方向に対して右側(蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部側(図1(A)において上方側))に設けることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、右側に代えて左側に設けることとしてもよく、また、両側に設けることとしてもよい。但し、シリンダ40を両側に設けるときは、平メッシュベルト14の蛇行修正に際し、両側のシリンダ40を逆相で伸縮させることが必要である。
【0036】
また、上記の実施例においては、一対の蛇行修正用ローラ32,34の軸方向端を互いにブラケット36,38により連結することとし、伸縮可能なシリンダ40をブラケット36に連結することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の蛇行修正用ローラ32,34の一方の軸端部それぞれに独立したシリンダを連結することとし、それぞれのシリンダを同相で伸縮させることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例である平メッシュベルトコンベアの蛇行修正装置の構成図である。
【図2】本実施例の蛇行修正装置のシステム構成図である。
【図3】本実施例の蛇行修正装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図4】本実施例の蛇行修正装置による蛇行修正の手法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
10 蛇行修正装置
12 平メッシュベルトコンベア
14 平メッシュベルト
16 支持用ローラ
20 蛇行検出センサ
22 コントローラ
30 蛇行修正機構
32,34 蛇行修正用ローラ
40 シリンダ
42 電磁アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平メッシュベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平メッシュベルトコンベアの蛇行修正方法であって、
前記平メッシュベルトの蛇行を蛇行検出センサで検出し、前記平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を前記平メッシュベルトの面内方向において変更することを特徴とする平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法。
【請求項2】
前記蛇行検出センサにより前記平メッシュベルトの蛇行が検出された場合に、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を該蛇行を修正する方向に回動させる請求項1記載の平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法。
【請求項3】
平メッシュベルトを搬送方向両端で支持用ローラにより支持した平メッシュベルトコンベアの蛇行修正装置であって、
前記平メッシュベルトの蛇行を検出する蛇行検出センサと、前記平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラと、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を前記平メッシュベルトの面内方向において可変するローラ軸方向可変手段と、を備えていることを特徴とする平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置。
【請求項4】
前記一対の蛇行修正用ローラは、前記平メッシュベルトを挟んで互いに軸同士を略平行にして搬送方向に並んで配置される請求項3記載の平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置。
【請求項5】
前記ローラ軸方向可変手段は、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を、前記平メッシュベルトの面内方向において回動させる請求項4記載の平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置。
【請求項6】
前記ローラ軸方向可変手段は、前記一対の蛇行修正用ローラの軸の端部に対して同時に搬送方向へ付与する力を発生する力発生手段を有する請求項3〜5の何れか記載の平メッシュベルトコンベア蛇行修正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−127113(P2008−127113A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310411(P2006−310411)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】