説明

建設機械用旋回機構の出力軸支持構造

【課題】コンパクトで負荷容量の高い自動調心ころ軸受を有する建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を提供する。
【解決手段】建設機械用旋回機構11は、出力軸13と、出力軸13を回転自在に支持する自動調心ころ軸受21とを備える。自動調心ころ軸受21は、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に複列に配置された複数の球面ころと、隣接する球面ころの間隔を保持する保持器とを備える。保持器は、一対のリング部と、一対のリング部の間に位置する柱部と、柱部の端部領域に球面ころの抜け止め部とを有し、射出成型によって製造される樹脂製保持器である。そして、抜け止め部は、球面ころのピッチ円の上側に位置して、球面ころの長さ方向端部の径方向外側への移動を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建設機械、例えば、油圧ショベルの上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する旋回機構の出力軸支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧ショベル101は、例えば、図12に示すように、キャタピラ102aを有する下部走行体102と、運転室103aを含む上部旋回体103と、上部旋回体103を下部走行体102に対して旋回自在に支持する旋回機構104と、一端が上部旋回体103に連結され、他端に掘削バケット105aを有するアーム105とを備える。
【0003】
旋回機構104は、図13に示すように、駆動力を発生させるモータ(図示せず)と、出力軸106と、モータの回転を減速して出力軸106に伝達する減速機構(図示せず)と、出力軸106を回転自在に支持する自動調心ころ軸受107と、出力軸106の先端に取り付けられて、下部走行体102に設けられたラック(図示せず)とかみ合うピニオン106aとを備える。
【0004】
出力軸106にはモータの回転が減速して伝達されるので、比較的低速で高トルクの回転となる。また、ピニオン106aとラックとの噛み合いによってラジアル方向の荷重が負荷される。したがって、このような出力軸106を支持する軸受107には、負荷容量が高く低速回転に適した軸受が使用される。
【0005】
そこで、この旋回機構104の出力軸106を支持する自動調心ころ軸受107には、例えば、特開2002−21195号公報(特許文献1)に記載されたような自動調心ころ軸受が使用される。同公報に記載された自動調心ころ軸受107は、図14に示すように、内輪108と、外輪109と、内輪108および外輪109の間に複列に配置された複数の球面ころ110と、複数の球面ころ110の間隔を保持する保持器111とを備える。
【0006】
保持器111は、図15に示すように、リング部とリング部の端面から突出する柱部111aとを有し、隣接する柱部111aの間に球面ころ110を収容するポケット111bを有する。柱部111aは、球面ころ110のピッチ円を跨いで径方向に延在し、球面ころ110の径方向への抜け止めおよび隣接する球面ころ110の間隔を一定に保つ機能を有する。
【0007】
上記構成の自動調心ころ軸受107は、他の軸受と比較して定格荷重が高く、また、歯車の噛み合いによって生じる回転軸の撓みに対して調心性を有しているので、このような場所に使用する軸受として好適である。
【特許文献1】特開2002−21195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、油圧ショベル101の高出力化およびコンパクト化の要求が高まっている。旋回機構104のモータを高出力化した場合、自動調心ころ軸受107に負荷される荷重が増大する。これにより、従来の自動調心ころ軸受107では、負荷容量不足による軸受寿命の低下や、出力軸106の撓みによって球面ころ110の端部と内輪108および外輪109の軌道面との間に生じるエッジ応力の増大が問題となる。なお、この問題は、油圧ショベル101を高出力化した場合に留まらず、従来と荷重条件の同じ自動調心ころ軸受107をコンパクト化しようとする場合、上下軸受間距離を狭くする場合にも生じ得る。
【0009】
高荷重に対応する最も簡単な方法は、自動調心ころ軸受107を大型化することであるが、油圧ショベル101のコンパクト化の観点から自動調心ころ軸受107を大型化することは適切ではない。
【0010】
そこで、自動調心ころ軸受107の軸受サイズを維持したまま、定格荷重を向上させることが望まれる。自動調心ころ軸受107の定格荷重を向上させる方法としては、内輪108および外輪109の間に配置する球面ころ110の本数を増加させるか、ころ径を大きくすることが考えられる。
【0011】
しかし、例えば、ころ本数を増加させる場合、自動調心ころ軸受107の球面ころ110の左右には保持器111の柱部111aが配置されており、柱部111aの強度確保の観点から柱部111aの太さを一定値以上にする必要がある。その結果、隣接する球面ころ110の間隔を小さくして収容可能な球面ころ110の本数を増やすことは困難であった。
【0012】
そこで、この発明の目的は、コンパクトで負荷容量の高い自動調心ころ軸受を有する建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る建設機械用旋回機構の出力軸支持構造は、上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する旋回機構の出力軸と、出力軸を回転自在に支持する自動調心ころ軸受とを備える。自動調心ころ軸受に注目すると、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置された複数の球面ころと、一対のリング部、一対のリング部の間に位置する柱部、および球面ころの脱落を防止する抜け止め部を有する樹脂製保持器とを備える。そして、球面ころの長さ方向中央部に対面する柱部の中央領域は、球面ころのピッチ円の下側に位置し、抜け止め部は、球面ころのピッチ円の上側に位置し、球面ころの転動面に当接してこの球面ころの径方向への移動を規制する。また、抜け止め部は、球面ころの長さ方向端部に対面する柱部の端部領域に設けられている。
【0014】
隣接する球面ころの間隔はピッチ円上で最小となるので、ころ径が最大となる長さ方向中央部で柱部をピッチ円から外れた領域に配置することにより、隣接する球面ころの間隔を小さくすることができる。その結果、より多くの球面ころを収容することが可能となるので、自動調心ころ軸受の定格荷重が向上する。そして、このような自動調心ころ軸受を旋回機構の出力軸を支持する軸受に採用することにより、コンパクトで耐荷重性に優れた建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を得ることができる。
【0015】
好ましくは、一対のリング部のうちの少なくとも一方は、その外径面が複数の球面ころのころ中心より外側に位置する。軸受組立て時の球面ころの傾きを有効に抑制できるので、軸受の取扱いが容易となる。
【0016】
この発明の他の局面に係る建設機械用旋回機構の出力軸支持構造は、上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する旋回機構の出力軸と、出力軸を回転自在に支持する自動調心ころ軸受とを備える。自動調心ころ軸受に注目すると、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置された複数の球面ころと、複数の球面ころの間隔を保持する保持器とを備える。そして、保持器は、複数の球面ころの端面に対面するリング部と、隣接する球面ころの間に位置し、リング部の内側面から軸方向に突出する突出部とを有し、突出部の突出長さをAとし、リング部の内側面から球面ころの最大径部分に至るまでの軸方向長さをBとしたとき、A<Bの関係が成立する。
【0017】
上記構成の保持器は、突出部の先端が、隣接する球面ころの間隔が最小となる最大径部に対面する位置まで達しないので、隣接する球面ころの間隔を小さくすることができる。その結果、より多くの球面ころを収容することが可能となるので、軸受サイズを維持したまま定格荷重を向上した自動調心ころ軸受を得ることができる。そして、このような自動調心ころ軸受を旋回機構の出力軸を支持する軸受に採用することにより、コンパクトで耐荷重性に優れた建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を得ることができる。なお、本明細書中「リング部の内側面」とは、リング部の球面ころと対面する端面を指すものとする。
【0018】
好ましくは、保持器は、隣接する突出部の間に、球面ころの一方側端部を受け入れる凹部を有する。上記構成の保持器は、リング部の端面に設けられた複数の凹部が隣接する球面ころの間隔を一定に保つ機能に加え、球面ころの脱落を防止する機能を有する。これにより、球面ころの円滑な回転を維持すると共に、球面ころの脱落を防止することができる。
【0019】
さらに好ましくは、保持器は球面ころの両端に配置される。このように、球面ころの両端に保持器を配置することにより、さらに効果的に球面ころの円滑な回転を維持することができる。
【0020】
好ましくは、保持器は内輪の小鍔部の内側に係合する係合部を有する。これにより、特に、保持器を球面ころの両端に独立して配置した場合でも、軸受回転時に保持器が脱落するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、収容可能な球面ころの本数を増加させることにより、軸受サイズを維持したまま自動調心ころ軸受の定格荷重を向上することができる。そして、このような自動調心ころ軸受を旋回機構の出力軸を支持する軸受に採用することにより、コンパクトで耐荷重性に優れた建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図6を参照して、この発明の一実施形態に係る建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る建設機械用旋回機構を示す図であって、図2は、図1に示す建設機械用旋回機構の出力軸を支持する自動調心ころ軸受を示す図、図3〜図6は、図2に示す自動調心ころ軸受に使用する保持器を示す図である。
【0023】
図1を参照して、建設機械用旋回機構11は、駆動力を発生させるモータ(図示せず)に連結された入力軸12と、出力軸13と、入力軸12の回転を減速して出力軸13に伝達する減速機構14と、出力軸13を回転自在に支持する自動調心ころ軸受21と、出力軸13の先端に設けられたピニオン16とを備える。
【0024】
減速機構14は、入力軸12に固定連結された太陽歯車17と、太陽歯車17と同軸上に固定された内歯車(図示せず)と、太陽歯車17と内歯車とに噛み合う複数の遊星歯車18と、遊星歯車18各々に設けられた遊星キャリア軸19と、全ての遊星キャリア軸19と出力軸13とに連結され、遊星歯車18の公転運動を出力軸13に伝達する遊星キャリア20とを備える遊星歯車減速機である。
【0025】
この減速機構14は、モータの回転に伴って入力軸12に固定連結された太陽歯車17が自転する。このとき、遊星歯車18は、太陽歯車17と内歯車との間で太陽歯車17の自転運動とは逆向きに自転し、太陽歯車17の自転運動と同じ向きに公転する。そして、遊星キャリア20は、遊星キャリア軸19を介して遊星歯車18の公転運動を出力軸13に伝達する。この減速機構14の減速比は、太陽歯車17の歯数をn、内歯車の歯数をnとすると、n/nで表される。
【0026】
上記構成の建設機械用旋回機構11は、油圧ショベル等の建設機械の下部走行体と上部旋回体の間に配置され、モータの回転に伴ってピニオン16が下部走行体に設けられた旋回輪上を移動することにより、上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する。
【0027】
図2を参照して、出力軸13を支持する自動調心ころ軸受21は、内輪22と、外輪23と、内輪22および外輪23の間に複列に配置された複数の球面ころ24と、隣接する球面ころ24の間隔を保持する保持器25とを備える。また、内輪22の外径面には複列の軌道面が形成され、外輪23の内径面には軸受中心を曲率中心とする球面の軌道面が形成されている。
【0028】
図3を参照して、保持器25は、一対のリング部25aおよび25bと、一対のリング部25a,25bの間に位置する柱部25cと、柱部25cのリング部25a側の端部領域に位置し、球面ころ24の長さ方向端部の径方向外側への移動を規制する抜け止め部25dとを有し、射出成型によって製造される樹脂製保持器である。
【0029】
次に、図4は、図3のIV−IVにおける断面図である。図4を参照して、リング部25a近傍の柱部25cは、球面ころ24のピッチ円を跨いで径方向に延在し、球面ころ24に対向する壁面は球面ころ24の転動面に沿う曲面形状である。球面ころ24のピッチ円より上側の開口端の開口幅wは、球面ころ24のころ径wより小さく設定されており、球面ころ24の径方向外側への移動を規制する。また、球面ころ24のピッチ円より下側の開口端の開口幅wも球面ころ24のころ径wより小さく設定されており、球面ころ24の径方向内側への移動を規制する。
【0030】
次に、図5は、図3のV−Vにおける断面図である。図5を参照して、ポケットの長さ方向中央部に位置する柱部25cは、球面ころ24のピッチ円の下側に位置し、球面ころ24に対向する端面は球面ころ24の転動面に沿う曲面形状である。また、ポケット内部に突出した凸部(図3の斜線部)によって、ポケットの開口幅wを球面ころ24のころ径wより小さく設定することにより、球面ころ24の径方向内側への移動を規制する。
【0031】
次に、図6は、図3のVI−VIにおける断面図である。図6を参照して、リング部25aの外径面は、球面ころ24のころ中心よりも外側に位置しており、リング部25bの外径面は、球面ころ24のころ中心よりも内側に位置している。
【0032】
上記構成の自動調心ころ軸受21において、隣接する球面ころ24の間隔はピッチ円上で最小となる。そこで、柱部25cをピッチ円から外れた領域に配置することにより、隣接する球面ころ24の間隔を小さくすることができる。その結果、より多くの球面ころ24を収容することが可能となるので、軸受サイズを維持したまま定格荷重の向上した自動調心ころ軸受21を得ることができる。
【0033】
また、上記構成の保持器25は、リング部25bの側に球面ころ24の径方向への移動を規制する手段を有していないので、軸受組立て時に球面ころ24とリング部25aの外径面との当接部分を基点として球面ころ24が傾く可能性がある。そこで、図6に示すように、リング部25bの外径面を球面ころ24のころ中心より外側に配置することにより、軸受組立て時の球面ころの傾きを有効に抑制できるので、軸受の組立てが容易となる。
【0034】
上記の実施形態においては、リング部25aの側にのみ抜け止め部25dを設けた例を示したが、これに限ることなく、リング部25bの側にも抜け止め部を設けてもよい。
【0035】
また、抜け止め部25dは柱部25cの一部とした例を示したが、これに限ることなく、柱部から離れた位置、例えば、球面ころ24の端面に対面するリング部25a,25bの壁面から突出する凸部であって、球面ころ24の転動面に当接して球面ころ24の径方向の移動を規制するものであってもよい。
【0036】
次に、図7〜図11を参照して、図1に示す建設機械用旋回機構の出力軸支持構造11に使用する自動調心ころ軸受の他の実施例を説明する。なお、図7は、この発明の他の実施形態に係る自動調心ころ軸受であって、図8〜図11は、図7に示す自動調心ころ軸受に使用する保持器を示す図である。
【0037】
図7を参照して、自動調心ころ軸受31は、両端に小鍔部32aを有する内輪32と、外輪33と、内輪32および外輪33の間に複列に配置された複数の球面ころ34と、複数の球面ころ34の間隔を保持する保持器35および36とを備える。なお、保持器35および36は、それぞれ独立して回転するので、自動調心ころ軸受31の両端部に配置される保持器36には、脱落を防止するために内輪32の小鍔部32aの内側に係合する係合部36aを設ける。
【0038】
図8および図9を参照して、保持器35は、複数の球面ころ34の端面に対面するリング部35aと、隣接する球面ころ34の間に位置し、リング部35aの内側面から軸方向に突出する突出部35cと、隣接する突出部35cの間に、球面ころ34の一方側端部を受け入れる凹部35bとを有する。そして、突出部35cの突出長さをAとし、リング部35aの内側面から球面ころ34の最大径部分に至るまでの軸方向長さをBとしたとき、A<Bの関係が成立するように設定されている。また、この保持器35は、銅合金等により形成された円筒状の材料の端面に切削加工によって凹部35bを形成する揉み抜き保持器である。なお、保持器36も同様の構造である。
【0039】
さらに、図10を参照して、保持器35の突出部35bは、球面ころ34のピッチ円を跨いで径方向に延在し、球面ころ34の転動面に対向する壁面は、球面ころ34の転動面に沿う曲面形状である。この突出部35bは、球面ころ34の転動面に当接してその回転を案内すると共に、球面ころ34の径方向外側および径方向内側への抜けを防止する。また、図11に示す保持器36も同様である。
【0040】
上記構成の自動調心ころ軸受31は、保持器35,36が一対となって構成され、保持器35,36の突出部の先端が球面ころ34の最大径部に対面する位置に達しないので、隣接する球面ころ34の間隔を小さくすることができる。その結果、より多くの球面ころ34を収容することが可能となるので、軸受サイズを維持したまま定格荷重を向上した自動調心ころ軸受31を得ることができる。
【0041】
図8に示した保持器として、揉み抜き保持器の例を示したが、これに限ることなく、射出成型による樹脂保持器にも適用可能である。
【0042】
上記の各実施形態に係る自動調心ころ軸受21,31を建設機械用旋回機構の出力軸を支持する軸受として使用することにより、軸受回転時の摩擦および発熱を低減し、大気中へのCOの排出を削減可能な建設機械を得ることができる。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明は、建設機械用の旋回機構の出力軸支持構造に有利に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の一実施形態に係る建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を示す図である。
【図2】図1に示す出力軸を支持する自動調心ころ軸受の一例を示す図である。
【図3】図2に示す自動調心ころ軸受に使用される保持器を径方向から見た図である。
【図4】図3に示す保持器のIV−IVにおける断面図である。
【図5】図3に示す保持器のV−Vにおける断面図である。
【図6】図3に示す保持器のVI−VIにおける断面図である。
【図7】図1に示す出力軸を支持する自動調心ころ軸受の他の例を示す図である。
【図8】図7に示す自動調心ころ軸受に使用される保持器を軸方向から見た図である。
【図9】図7に示す自動調心ころ軸受に使用される保持器を径方向から見た図である。
【図10】図7のVIII−VIIIにおける断面図である。
【図11】図7のIX−IXにおける断面図である。
【図12】建設機械としての油圧ショベルの概略図である。
【図13】従来の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造を示す図である。
【図14】図13に示す出力軸を支持する従来の自動調心ころ軸受を示す図である。
【図15】図14に示す自動調心ころ軸受のXV−XVにおける断面図である。
【符号の説明】
【0046】
11 建設機械用旋回機構の出力軸支持構造、12 入力軸、13 出力軸、14 減速機構、16,106a ピニオン、17 太陽歯車、18 遊星歯車、19 遊星キャリア軸、20 遊星キャリア、21,31,107 自動調心ころ軸受、22,32,108 内輪、32a 小鍔部、23,33,109 外輪、24,34,110 球面ころ、25,35,36,111 保持器、25a,25b,35a リング部、25c,111a 柱部、25d 抜け止め部、35b 凹部、35c 突出部、36a 系合部、111b ポケット、101 油圧ショベル、102 下部走行体、102a キャタピラ、103 上部旋回体、103a 運転室、104 旋回機構、105 アーム、105a 掘削バケット、106 出力軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する旋回機構の出力軸と、
前記出力軸を回転自在に支持する自動調心ころ軸受とを備える、建設機械用旋回機構の出力軸支持構造であって、
前記自動調心ころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪および前記外輪の間に配置された複数の球面ころと、一対のリング部、前記一対のリング部の間に位置する柱部、および前記球面ころの脱落を防止する抜け止め部を有する樹脂製保持器とを備え、前記球面ころの長さ方向中央部に対面する前記柱部の中央領域は、前記球面ころのピッチ円の下側に位置し、前記抜け止め部は、前記球面ころのピッチ円の上側に位置し、前記球面ころの転動面に当接してこの球面ころの径方向への移動を規制する、建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項2】
前記抜け止め部は、前記球面ころの長さ方向端部に対面する前記柱部の端部領域に設けられている、請求項1に記載の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項3】
前記一対のリング部のうちの少なくとも一方は、その外径面が前記複数の球面ころのころ中心より外側に位置する、請求項1または2に記載の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項4】
上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に支持する旋回機構の出力軸と、
前記出力軸を回転自在に支持する自動調心ころ軸受とを備える、建設機械用旋回機構の出力軸支持構造であって、
前記自動調心ころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪および前記外輪の間に配置された複数の球面ころと、前記複数の球面ころの間隔を保持する保持器とを備え、前記保持器は、前記複数の球面ころの端面に対面するリング部と、隣接する球面ころの間に位置し、前記リング部の内側面から軸方向に突出する突出部とを有し、前記突出部の突出長さをAとし、前記リング部の内側面から前記球面ころの最大径部分に至るまでの軸方向長さをBとしたとき、A<Bの関係が成立する、建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項5】
前記保持器は、隣接する前記突出部の間に、前記球面ころの一方側端部を受け入れる凹部を有する、請求項4に記載の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項6】
前記保持器は、前記球面ころの両端に配置される、請求項4または5に記載の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。
【請求項7】
前記保持器は、前記内輪の小鍔部の内側に係合する係合部を有する、請求項4〜6のいずれかに記載の建設機械用旋回機構の出力軸支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−211526(P2007−211526A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34121(P2006−34121)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】