説明

強化ガラス物品およびその製造方法

【課題】ガラスが脆弱性を示す限界値より低い中央張力を有する強化ガラス物品を提供する。
【解決手段】強化ガラス物品は、厚さtを有し、以下を含む:物品の表面から物品内の層の深さDOLまで伸長する外側領域であって、圧縮応力CS下の外側領域;および中央張力CT下の内側領域であって、−15.7t+52.5<CT≦−38.7ln(t)+48.2であり、CTがメガパスカル(MPa)で示されtがミリメートル(mm)で示される内側領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2008年8月8日に出願された米国仮特許出願第61/087324号に優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
化学的に強化されたガラスは、携帯電話、メディアプレーヤ、および他の装置のような手持ち式装置、並びに、透明性、高強度および耐摩耗性を必要とする他の用途に用いることが認識されている。しかしながら、そのようなガラスは、脆弱性を潜在的に引き起こしやすい−すなわち、十分な貫通力で衝突されるとガラスは多数の小片に粉々に壊れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それを超えるとガラスが脆弱性を示す閾値より低い中央張力を有する強化ガラスが、ここに提供され記載される。中央張力は、ガラスの厚さと共に非直線的に変化する。ガラスは、携帯電話、音楽プレーヤのような携帯用または移動式の電子通信および娯楽機器;およびラップトップコンピュータ等のようなインフォメーションターミナル(IT)装置のためのカバープレートとしてまたはウィンドウとして使用してもよい。
【発明を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の一つの態様は、強化ガラス物品を提供することである。強化ガラス物品は、厚さtを有し、以下を含む:物品の表面から物品内の層の深さDOLまで伸長する外側領域であって、圧縮応力CS下の外側領域;および中央張力CT下の内側領域であって、−15.7t+52.5<CT≦−38.7ln(t)+48.2であり、CTがメガパスカル(MPa)で示されtがミリメートル(mm)で示される内側領域。
【0005】
本開示の別の態様は、強化ガラス物品を提供することである。強化ガラス物品は、約2mm未満の厚さt、外側領域、および、中央張力CT下の内側領域を有し、CTはメガパスカル(MPa)で示され、CT>−15.8t+52.5である。強化ガラス物品は、強化ガラス物品を破壊するのに十分な点衝突を受ける場合に、実質的に非脆弱性である。
【0006】
本開示のさらに別の態様は、実質的に非脆弱性の強化ガラス物品を製造する方法を提供することにある。この方法は、以下の工程を含む:厚さtを有するガラス物品を提供し;ガラス物品の外側領域中の層の深さDOLまで圧縮応力CSを与えて強化ガラス物品を形成する;この圧縮応力はガラス物品の中央領域で中央張力CTを与えるのに十分であり、CT≦−38.7ln(t)+48.2であり、CTはメガパスカル(MPa)で示され、tはミリメートル(mm)で示され、強化ガラス物品は実質的に非脆弱性である。
【0007】
これらのおよび他の態様、利点、および特徴は、以下の詳細な説明、添付の図面、および添付の請求項から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1a】1)断片化により脆弱性を示す;および2)断片化により非脆弱性を示す、強化ガラス物品を示す図
【図1b】断片化により非脆弱性を示す強化ガラスシートを示す図
【図2】強化アルカリアルミノシリケートガラス物品についてガラス厚さの関数として限界中央張力のプロットを含む図
【図3】強化ガラス物品の略図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、図面中に示されるいくつかの視点を通して、同様の参照文字は同様のまたは対応するパーツを示す。他に明示されない限り、「頂」、「底」、「外側」、「内側」等の用語は、便宜のための単語であり、制限的な用語として解釈されるべきでないことも理解される。さらに、ある群が一群の要素の少なくとも1つおよびその組合せを含むものとして記載される場合は常に、その群は、個々にまたは互いに組み合わせて、記載されるそれらの要素の任意の数を含んでもよいことが理解される。同様に、ある群が一群の要素の少なくとも1つまたはその組合せから成ると記載される場合は常に、その群は個々にまたは互いに組み合わせて、それらの要素の任意の数から構成されてもよいことが理解される。他に明示しない限り、記載される場合は、数値の範囲はその範囲の上限および下限の両方、並びにその間の部分的範囲を含む。
【0010】
概して図面を参照して、説明は特定の実施の形態を示す目的であり、本開示および添付の請求項をこれに限定することを意図しないことが理解されるであろう。図面は必ずしも一定の比例に拡大しておらず、図面の特定の特徴および見方は明瞭さおよび簡潔さのために倍率または概念において誇張して示されるかもしれない。
【0011】
脆弱性(ここで「脆さ」とも称される)は、ガラス物品の極端な断片化の性質を称する。脆弱性は、物品内の過度の内部または中央の張力CTの発生の結果であり、破損により物品の激しいまたは力強い断片化を生じる。熱的に調節され、積層され、または化学的に強化された(例えばイオン交換により強化された)ガラス物品において、ガラス物品(例えばプレートまたはシート)の表面または外側領域における圧縮応力(CS)とガラスプレートの中央における引張応力とのバランスが、物品からのガラス小片および/または粒子の放出または「トシング」(tossing)を伴う複数の亀裂拡張を生じるのに十分なエネルギーを提供する場合に、脆弱性が生じ得る。そのような放出が起こる速度は、中央張力CTとして蓄えられたガラス物品内の過度のエネルギーの結果である。
【0012】
ガラス物品の脆弱性は中央張力CTおよび圧縮応力CSの関数である。特に、ガラス物品内の中央張力CTは、圧縮応力CSから計算できる。圧縮応力CSは、表面近く(すなわち100μm内)で測定され、最大CS値および圧縮応力層の測定深さ(「層深さ」または「DOL」とも称される)を与える。CSとCTとの間の関係は、以下の式により与えられる:
CT=(CS・DOL)/(t−2DOL) (1)、
ここで、tはガラス物品の厚さである。他に明示しない限り、中央張力CTおよび圧縮応力CSはメガパスカル(MPa)で示され、厚さtおよび層の深さDOLはミリメートルで示される。ガラス物品に設計または提供できる圧縮層の深さDOLおよび圧縮応力CSの最大値は、そのような脆弱性により制限される。したがって、脆弱性は、様々のガラス物品の設計において考慮されるべき一つの検討材料である。
【0013】
脆弱性は、以下の少なくとも一つにより特徴付けられる:強化ガラス物品(例えばプレートまたはシート)の複数小片(例えば1mm以下)への破壊;ガラス物品の単位面積毎に形成される断片の数;ガラス物品中の最初の亀裂から拡張する複数の亀裂;および元の位置から特定距離(例えば約5cm、または約2インチ)の少なくとも1つの断片の激しい放出;および上記の破壊(サイズおよび密度)、亀裂および放出作用の任意の組合せ。ここで用いたように、「脆弱性」および「脆さ」なる用語は、コーティング、接着層等のような任意の外側耐久物を有しない強化ガラス物品の激しいまたは力強い断片化の態様を称する。コーティング、接着層等をここに記載される強化ガラス物品と共に使用してもよいが、そのような外側耐久物は、ガラス物品の脆弱性または脆さの特定において使用されない。
【0014】
図1aおよび1bは、鋭いインデンター(indenter)を用いた点衝突による強化ガラス物品の脆弱性および非脆弱性の例を示す。脆弱性を特定するために使用される点衝突テストは、強化ガラス物品内に存在する内蔵エネルギーを放出するのにちょうど十分な力を有しガラス物品の表面に供給される装置を含む。すなわち、点衝突力は、強化ガラスシートの表面に少なくとも1つの新しい亀裂を生じ、圧縮応力CS領域(すなわち層の深さ)を通って中央張力CT下の領域中まで亀裂を伸長するのに十分である。強化ガラスシート中に亀裂を生じるまたは開始させるのに必要な衝突エネルギーは、物品の圧縮応力CSおよび層の深さDOLに依存し、したがって、シートが強化された条件に依存する(すなわち、イオン交換によりガラスを強化するために使用された条件)。あるいは、各イオン交換されたガラスプレートは、引張応力下であるプレートの内側領域中まで亀裂を広げるのに十分に鋭いダート(dart)インデンターに接触された。ガラスプレートに与えられる力は、内側領域の始まりに達するのにちょうど十分であり、したがって、亀裂を生じるエネルギーを、外側表面上のダート衝突の力からよりも内側領域中の引張応力からもたらす。
【0015】
図1aおよび1bに示されるガラスシートは、50mm×50mmのイオン交換されたアルカリアルミノシリケートガラスプレートであり、各サンプルは0.5mmの厚さを有する。サンプルの各々は、以下のいずれかの組成を有した:66.7mol% SiO2;10.5mol% Al2O3;0.64mol% B2O3;13.8mol% Na2O;2.06mol% K2O;5.50mol% MgO;0.46mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.34mol% As2O3;および0.007mol% Fe2O3;または66.4mol% SiO2;10.3mol% Al2O3;0.60mol% B2O3;4.0mol% Na2O;2.10mol% K2O;5.76mol% MgO;0.58mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.21mol% SnO2;および0.007mol% Fe2O3。図1aおよび1bに示されるガラスプレートの各々は、80MPa(1b)から84MPa(1a)までの範囲で中央張力を達成するようにイオン交換された。
【0016】
図1aを参照すると、ガラスプレートa(図1a)は、脆弱性であると分類できる。特に、ガラスプレートaは複数の小片に断片化され放出され、最初の亀裂から拡張し小片を生じる大規模の亀裂を示した。断片の約50%は、1mm未満のサイズであり、約8から10の亀裂が最初の亀裂から拡張したと推定される。図1aに示されるように、ガラス片はまた、元のガラスプレートaから約5cm放出された。上記の3つの基準(すなわち、複数の亀裂拡張、放出および極端な断片化)のいずれかを示すガラス物品は、脆弱性であると分類される。例えば、ガラスが過度の拡張のみを示すが上記のような放出または極端な断片化を示さない場合、ガラスは依然として脆弱性と分類される。
【0017】
ガラスプレートb、c(図1b)およびd(図1a)は脆弱性ではないと分類される。これらのサンプルの各々において、ガラスシートは、割れて少数の大きい断片になる。例えば、ガラスプレートb(図2b)は、割れて亀裂拡張のない2つの大きい断片になる;ガラスプレートc(図2b)は、割れて最初の亀裂から拡張する2つの亀裂を有する4つの断片になる;およびガラスプレートd(図2a)は、割れて最初の亀裂から拡張する2つの亀裂を有する4つの断片になる。放出された断片がないこと(すなわち、元の位置から2インチ以上強く放出されたガラス片がない)、1mm以下のサイズの目に見える断片がないこと、および観察された亀裂拡張が最低限の量であることに基づいて、サンプルb、cおよびdは、非脆弱性または実質的に非脆弱性として分類される。
【0018】
上記に基づいて、別の物体との衝突に基づくガラス、ガラスセラミック、および/またはセラミック物品の脆弱性または非脆弱性の程度を定量化するために、脆弱性インデックス(表1)を作成できる。インデックス番号は、非脆弱性について1から高い脆弱性について5までの範囲で、脆弱性または非脆弱性の異なるレベルを表すために割り当てられる。インデックスを使用して、脆弱性は以下の多くのパラメータに関して特徴付けることができる:1)1mm未満の直径(すなわち最大寸法)を有する断片の集団のパーセンテージ(表1における「断片サイズ」);2)サンプルの単位面積毎(この場合cm)に形成される断片の数(表1における「断片密度」);3)衝突により形成された最初の亀裂から拡張する亀裂の数(表1における「亀裂拡張」);および4)衝突により元の位置から約5cm(または約2インチ)以上放出された断片の集団のパーセンテージ(表1における「放出」)。
【表1】

【0019】
特定のインデックス値と関連する基準の少なくとも一つを物品が満たす場合に、脆弱性インデックスがガラス物品に割り当てられる。あるいは、ガラス物品が脆弱性の2つの特定のレベルの間の基準を満たす場合に、物品は脆弱性インデックス範囲(例えば2−3の脆弱性インデックス)を割り当てられてもよい。ガラス物品は、表1に記載される個々の基準から特定されて、脆弱性インデックスの最高値を割り当てられてもよい。多くの場合、表1に記載される、断片密度または元の位置から5cm以上放出された断片のパーセンテージのような、それぞれの基準の値を確認することは不可能である。したがって、異なる基準は、脆弱性の個別の選択的な目安であると考えられ、脆弱性インデックスは、ガラス物品が一つの基準レベル内に含まれるように、対応する脆弱性の程度および脆弱性インデックスが割り当てられる。表1に記載される4つの基準のいずれかに基づく脆弱性インデックスが3以上である場合、ガラス物品は脆弱性であると分類される。
【0020】
上記の脆弱性インデックスを図1aおよび1bに示されるサンプルに当てはめると、ガラスプレートaは複数の放出小片に断片化され、最初の亀裂から拡張し小片を生じる大規模の亀裂を示す。断片の約50%が、1mm未満のサイズであり、約8から10の亀裂が最初の亀裂から拡張したと推定される。表1に記載される基準に基づいて、ガラスプレートaは、約4−5の間の脆弱性インデックスを有し、中−高程度の脆弱性を有すると分類される。
【0021】
3未満の脆弱性インデックス(低脆弱性)を有するガラス物品は、非脆弱性または実質的に非脆弱性であると考えられてもよい。ガラスプレートb、cおよびdはそれぞれ、1mm未満の直径を有する断片、衝突により形成される最初の亀裂から拡張する複数の亀裂、および元の位置から5cm以上放出された断片を有しない。ガラスプレートb、cおよびdは、非脆弱性であり、したがって1の脆弱性インデックスを有する(脆弱性ではない)。
【0022】
上記のように、図1aおよび1bにおいて、脆弱性を示したガラスプレートaと、非脆弱性を示したガラスプレートb、cおよびdとの間で観察された性質の違いは、テストされたサンプル間の中央張力CTの違いによるかもしれない。そのような脆弱性の可能性は、携帯電話、娯楽機器等のような携帯用または移動式電子装置のためのカバープレートまたはウィンドウ、並びにラップトップコンピュータのようなインフォメーションターミナル(IT)装置のためのディスプレイのような、様々のガラス製品の設計における一つの検討材料である。さらに、ガラス物品中に設計できるまたはガラス物品に提供できる圧縮層の深さDOLおよび圧縮応力CSの最大値は、そのような脆弱性により制限される。
【0023】
したがって、脆弱性を避けるために、圧縮応力CSおよび層の深さDOLの両方を考慮に入れながら、別の物体との衝突による脆弱性を避けるためにガラス物品について臨界または限界中央張力CTでのまたはそれより低い中央応力CTを有するように、ガラス物品が設計されなければならない。2mm以上の厚さを有するガラス物品の脆弱性の経験的観察に基づいて、許容できない脆弱性を生じる中央張力の「臨界」または「限界」量とガラス厚さtとの間の関係は、これまで直線的であると考えられていた。許容できない脆弱性の始まり(「臨界」または「限界」中央張力値とも称される)が生じると考えられる限界中央張力CT(「限界CT」とも称される)の例が、図2に厚さの関数としてプロットされる(直線2)。
【0024】
図2に示される直線2により表されるデータは、以下のいずれかの組成を有し、イオン交換により強化された、一連の化学的に強化されたアルカリアルミノシリケートガラスサンプルについて実験的に観察された性質に基づく:66.7mol% SiO2;10.5mol% Al2O3;0.64mol% B2O3;13.8mol% Na2O;2.06mol% K2O;5.50mol% MgO;0.46mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.34mol% As2O3;および0.007mol% Fe2O3;または66.4mol% SiO2;10.3mol% Al2O3;0.60mol% B2O3;4.0mol% Na2O;2.10mol% K2O;5.76mol% MgO;0.58mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.21mol% SnO2;および0.007mol% Fe2O3。サンプルのそれぞれは、少なくとも2mmの厚さを有した。図2で直線2により示されるデータは、限界中央張力CT(等式(1)およびCS、DOL、およびtから特定される)とガラスの厚さtとの間の関係が直線的であり(「直線的限界中央張力CT」または「CT」と称される)、以下の等式により表されることを示した。
【0025】
CT=−15.7t+52.5(2)。
【0026】
等式(2)は、それぞれ少なくとも2mmの厚さを有する、化学的に強化されたガラスサンプルについて得られた実験的圧縮応力および層の深さのデータに由来する。より小さい厚さに挿入されると、等式(2)は、ここに記載される強化ガラスについてCTの下限値を提供する。厚さt≧2mmであるサンプルについて得られ等式(2)で示されるデータに由来する中央張力、圧縮応力、および層の深さの間の関係により、厚さtに関する限界CTの直線的性質は、生じ得る圧縮応力の量および層の深さを制限する。したがって、特定の用途、特にガラスのより薄いシートが使用される用途のための、設計柔軟性は、そのような予想される直線的性質に基づいて制限されると思われる。例えば、ガラスシートは、式(2)により予測され図2の直線2により示される限界CT値より低い中央張力を達成するCSおよびDOL値を達成するよう強化されるであろう。
【0027】
ここに記載されるように、強化されたガラス物品、特に2mm未満の厚さtを有するガラス物品において脆弱性を生じる中央張力CTの臨界または限界量の間の関係は、非直線的であることが分かった。したがって、ここに記載される基準により定められるように、実質的に非脆弱性の(すなわち脆弱性のない)強化シートまたはプレートのような強化ガラス物品が提供され、図3に概略的に示される。強化ガラス物品300は、厚さt、表面312から層の深さ314まで伸長する外側領域310、および内側領域320を有する。ガラス物品300の外側領域310が、圧縮応力CS下になるように強化される(すなわち、熱的にまたは化学的に強化される)。外側領域310における圧縮応力CSは、内側領域320における中央張力CT、または臨界応力まで上昇し、圧縮応力のバランスを取る。圧縮応力層の深さDOL314は、表面から、測定された圧縮応力が引張応力ゾーン(内側領域320)との境界でゼロ応力に減少する点までの深さである。中央張力CTと圧縮応力CSとの間の関係は、前記の等式(1)により与えられる:
CT=(CS・DOL)/(t−2DOL) (1)。
【0028】
図2を参照すると、許容できない脆弱性の始まり(ここで臨界または限界中央張力とも称される)が実際に起こる限界中央張力(限界CT)が、厚さtの関数としてプロットされ、図2で直線1により示される。直線1は、イオン交換された、以下のいずれかの組成を有するアルカリアルミノシリケートガラスの実験的に観察された性質に基づく:66.7mol% SiO2;10.5mol% Al2O3;0.64mol% B2O3;13.8mol% Na2O;2.06mol% K2O;5.50mol% MgO;0.46mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.34mol% As2O3;および0.007mol% Fe2O3;または66.4mol% SiO2;10.3mol% Al2O3;0.60mol% B2O3;4.0mol% Na2O;2.10mol% K2O;5.76mol% MgO;0.58mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.21mol% SnO2;および0.007mol% Fe2O3。直線1により示されるデータは、中央張力CT(以下、「非直線的限界中央張力CT」または「CT」と称される)とガラスの厚さtとの間の関係を示し、実質的に非直線であり、以下の式により示される:
CT≦−38.7ln(t)+48.2 (3)。
【0029】
式(3)は、それぞれ約1.4mm未満の厚さを有するイオン交換されたアルカリアルミノシリケートガラスサンプルの圧縮応力CSおよび層の深さDOLの実測に由来する。等式(2)により示されるCTとtとの間の以前に予想された直線的関係により定められる直線的中央張力CTよりも大きい非直線的限界中央張力CTをガラス物品が有することが観察された。したがって、許容できない脆弱性が最小化されるまたは存在しない中央張力CTの予期せぬ範囲は、以下の式により表される:
−15.7t+52.5<CT≦−38.7ln(t)+48.2 (4)。
【0030】
類似するまたは同一の組成のより厚い強化ガラスサンプルについてこれまで観察された性状を考慮に入れると、図2の直線1および式(3)により示される、許容できる最大CTとガラス物品厚さとの間の非直線的関係は予想外である。図2の直線2により示され式(2)により表されるように、CTと厚さとの間の関係が直線的(CT)である場合、約0.2から2mmまでの範囲の成形品の厚さについてのCT限界脆弱性は、式(3)から特定されるよりも小さく、CSおよびDOLの少なくとも1つは、それに相応して制限されるであろう。小さい厚さでの圧縮層の深さ(DOL)および圧縮応力CSの最大値もまた減少されるであろう。図2に示される直線的性状により決定されるような、これらの範囲におけるCSおよびDOLのそのような減少は、特定の用途について設計の柔軟性を制限するであろう。
【0031】
限界CTのこれまで予想されていた直線的性状(図2の直線2により示されるCT)は、厚さの関数としての脆弱性t(図2の直線1)についての実際の限界CT極限(CT)の間の非直線的関係を示唆しない。この予期せぬ結果をさらに説明するために、表2は、図2の直線1から式(3)を使用して計算される実際の非直線的限界中央張力CT、図2の直線2から式(2)を使用して計算される直線的限界中央張力CT、および選択されたガラス厚さについて式(2)および(3)を使用して計算される限界CT値の差(CT−CT)を記載する。
【表2】

【0032】
表2に記載される数値から分かるように、予測される(式(2))期待限界CTと非直線的関係(式(3))により予測される実際の限界CTとの間の差(CT−CT)は、厚さtの減少と共に増加する。CTは厚さt、層の深さDOL、および圧縮応力(CS)に関連するので(式(1))、ここに記載される非直線的関係(CT:式(3))により予想されるより大きい限界CT値は、より大きい範囲のCSおよびDOL値を提供し、これは、非脆弱性を示す、すなわち3より小さい脆弱性インデックスを有する強化ガラスシートを設計および作成するために使用されてもよい。結果として、非脆弱性強化ガラス物品は、特定の厚さに作製され、これまで可能であると考えられていたよりも大きい限界中央張力CTを有するように強化できる。
【0033】
ある実施の形態において、強化ガラス物品300は、上記のように、実質的に非脆弱性である、または脆弱性を有しない。すなわち、強化ガラス物品300は、表1に記載されるように、3未満の脆弱性インデックスを有する。
【0034】
図1の直線2に示されるデータは、厚さの関数として脆弱性について限界CT極限CTの非直線的性状を示唆しない。表2に記載される数値から分かるように、式(2)により予想される限界CTと非直線的関係(式3)により予想される限界CTとの間の差は、厚さtの減少と共に増加する。
【0035】
ここに記載される強化ガラス物品は、様々の組成を有してもよく、ある実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスを含む。いくつかの実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、以下を含む、以下から実質的に成る、または以下から成る:60-70 mol% SiO2;6-14mol% Al2O3;0-15mol% B2O3;0-15mol% Li2O;0-20mol% Na2O;0-10mol% K2O;0-8mol% MgO;0-10mol% CaO;0-5mol% ZrO2;0-1mol% SnO2;0-1mol% CeO2;50ppm未満のAs2O3;および50ppm未満のSb2O3;ここで、12mol%≦Li2O + Na2O + K2O≦20mol%および0mo%≦MgO + CaO≦10mol%。他の実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、以下を含む、以下から実質的に成る、または以下から成る:64mol%≦SiO2≦68mol%;12mol%≦Na2O≦16mol%;8mol%≦Al2O3≦12mol%;0mol%≦B2O3≦3mol%;2mol%≦K2O≦5mol%;4mol%≦MgO≦6mol%;および0mol%≦CaO≦5mol%;ここで:66mol%≦SiO2 + B2O3 + CaO≦69mol%; Na2O + K2O + B2O3 + MgO + CaO + SrO >10mol%;5mol%≦MgO + CaO + SrO≦8mol%;(Na2O + B2O3)−Al2O3≦2mol%;2mol%≦Na2O−Al2O3≦6mol%;および4mol%≦(Na2O + K2O)−Al2O3≦10mol%。第3の実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、以下を含む、以下から実質的に成る、または以下から成る:5-50wt% SiO2;2-20wt% Al2O3;0-15wt% B2O3; 1-20wt% Na2O;0-10wt% Li2O;0-10mol% K2O;および0-5wt% (MgO + CaO + SrO + BaO);0-3wt% (SrO + BaO);および0-5wt% (ZrO2 + TiO2)、ここで、0≦(Li2O + K2O)/Na2O≦0.5。
【0036】
ある特定の実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、以下の組成を有する:66.7mol% SiO2;10.5mol% Al2O3;0.64mol% B2O3;13.8mol% Na2O;2.06mol% K2O;5.50mol% MgO;0.46mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.34mol% As2O3;および0.007mol% Fe2O3。別の特定の実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、以下の組成を有する:66.4mol% SiO2;10.3mol% Al2O3;0.60mol% B2O3;4.0mol% Na2O;2.10mol% K2O;5.76mol% MgO;0.58mol% CaO;0.01mol% ZrO2;0.21mol% SnO2;および0.007mol% Fe2O3。いくつかの実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは実質的にリチウムを含まず、他の実施の形態において、アルカリアルミノシリケートガラスは、ヒ素、アンチモンおよびバリウムの少なくとも1つを実質的に含まない。
【0037】
そのようなアルカリアルミノシリケートガラスの限定的でない例は、その内容がここに引用されることにより全て組み込まれる、2007年5月22日に出願され、「カバープレートのためのダウンドロー可能で化学的に強化されたガラス」と題される米国仮特許出願第60/930,808号に優先権を主張する、2007年7月31日に出願された、同じ題名のAdam J. Ellison 等による米国特許出願第11/888,213号;2007年11月29日に出願され、「改良された強靭性および引っかき耐性を有するガラス」と題される米国仮特許出願第61/004,677号に優先権を主張する、2008年11月25日に出願された、同じ題名のMatthew J. Dejneka等による米国特許出願第12/277,573号;2008年2月26日に出願され、「シリケートガラスのための清澄剤」と題される米国仮特許出願第61/067,130号に優先権を主張する、2009年2月25日に出願された、同じ題名のMatthew J. Dejneka等による米国特許出願第12/392,577号;2008年2月29日に出願され、「イオン交換された高速冷却ガラス」と題される米国仮特許出願第61/067,732号に優先権を主張する、2009年2月26日に出願された、同じ題名のMatthew J. Dejneka等による米国特許出願第12/393,241号の各明細書に記載されている。
【0038】
ある実施の形態において、ガラス物品300のような、ここに記載されるガラス物品は、イオン交換により化学的に強化される。この方法において、ガラスの表面層中のイオンは、同じ価数または酸化状態を有するより大きいイオンにより置換される−または交換される。ガラス物品がアルカリアルミノシリケートガラスを含む、アルカリアルミノシリケートガラスから実質的に成る、またはアルカリアルミノシリケートガラスから成るこれらの実施の形態において、ガラスの表面層中のイオンおよびより大きいイオンは、Li+(ガラス中で存在する場合)、Na+、K+、Rb+、およびCs+のような一価アルカリ金属陽イオンである。あるいは、表面層中の一価陽イオンは、Ag+等のような、アルカリ金属陽イオン以外の一価陽イオンにより交換されてもよい。
【0039】
イオン交換処理は、通常、ガラス中のより小さいイオンと交換されるより大きいイオンを含む溶融塩浴中にガラス物品を浸漬することにより行われる。浴槽の組成および温度、浸漬時間、塩浴中のガラスの浸漬の数、複数塩浴の使用、アニーリング、洗浄等のような追加の工程を含むがこれらに限定されないイオン交換処理についてのパラメータは、ガラスの組成、および強化操作の結果としてのガラスの所望の層の深さおよび圧縮応力によって通常は特定されることが、当業者により理解されるであろう。一例として、アルカリ金属含有ガラスのイオン交換は、より大きいアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、および塩化物を含むがこれらに限定されない塩を含有する少なくとも一つの溶融浴中に浸漬することにより達成してもよい。溶融塩浴の温度は通常、約380℃から約450℃までの範囲であり、浸漬時間は約15分間から約16時間までの範囲である。しかしながら、上記と異なる温度および浸漬時間を使用してもよい。そのようなイオン交換処理は通常、約200MPaから約800MPaまでの範囲の圧縮応力および約100MPa未満の中央張力を有し、約10μmから少なくとも50μmまでの範囲の層の深さを有する、強化アルカリアルミノシリケートガラスを生じる。
【0040】
イオン交換処理の限定的でない例は、上記で参照された米国特許出願および仮特許出願に提供される。さらに、ガラスが複数のイオン交換浴中に浸漬され、浸漬の間に洗浄および/またはアニーリング工程があるイオン交換処理の限定的でない例が、以下に記載される:ガラスが、異なる濃度の塩浴中での複数の連続的なイオン交換処理での浸漬により強化される、2008年7月11日に出願された「民生用途のための圧縮表面を有するガラス」と題される、Douglas C. Allan等による米国仮特許出願第61/079,995号;および、ガラスが、排出イオンにより希釈される第一浴でのイオン交換、およびその後の第一浴よりも小さい濃度の排出イオンを有する第二浴中の浸漬により強化される、2008年7月29日に出願された、「ガラスの化学的強化のための二段階イオン交換」と題される、Christopher M. Lee等による米国仮特許出願第61/084,398号の各明細書。米国仮特許出願第61/079,995号および第61/084,398号の内容は、参照により全体がここに組み込まれる。
【0041】
ある実施の形態において、ガラスは、スロットドロー、フュージョンドロー、再ドロー等のような当該技術において知られる方法によりダウンドロー可能であり、少なくとも130キロポアズ(13キロPa・秒)の液体粘性を有する。
【0042】
いくつかの実施の形態において、強化ガラス物品は、約2mmまでの厚さを有し、特定の実施の形態において、厚さは約0.2mmから約2mmまでの範囲である。別の実施の形態において、ガラス物品の厚さは、約0.5mmから約0.75mmまで、別の実施の形態において、約0.9mmから約2mmまでの範囲である。ある特定の実施の形態において、強化ガラス物品の外側領域は、少なくとも30μmの層の深さおよび少なくとも600MPaの圧縮応力を有する。
【0043】
実質的に非脆弱性である、または脆弱性を有しない(すなわち、ここに記載されるように3未満の脆弱性インデックスを有する)、強化ガラス物品を作製する方法もまた提供される。厚さtを有するガラス物品がまず提供される。ある実施の形態において、ガラス物品は、上記のようなアルカリアルミノシリケートガラスである。圧縮応力CSは、ガラス物品の外側領域中に与えられ、ガラス物品を強化する。圧縮応力CSは、CT≦−38.7ln(t)+48.2となるようにガラス物品の中央領域中に中央張力CTを生じるのに十分である。ある実施の形態において、圧縮応力CSは、−15.7t+52.5≦CT≦−38.7ln(t)+48.2となるように、ガラス物品の中央領域において中央張力CTを生じるのに十分である。
【0044】
ある実施の形態において、圧縮応力は、ガラス物品を化学的に強化することにより、例えば、上記のように、ガラス物品の外側領域中の複数の第1の金属イオンが複数の第2の金属イオンにより交換されて外側領域が複数の第2の金属イオンを含む、イオン交換処理により、生じる。第1の金属イオンの各々は第1のイオン半径を有し、第2のアルカリ金属イオンの各々は第2のイオン半径を有する。第2のイオン半径は第1のイオン半径より大きく、外側領域中により大きい第2のアルカリ金属イオンが存在することにより、外側領域中に圧縮応力が生じる。
【0045】
第1の金属イオンおよび第2の金属イオンの少なくとも一つは、好ましくはアルカリ金属のイオンである。第1のイオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、およびルビジウムのイオンでもよい。第2の金属イオンは、第2のアルカリ金属イオンが第1のアルカリ金属イオンのイオン半径よりも大きいイオン半径を有するという条件で、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの一つのイオンでもよい。
【0046】
強化ガラス物品(図3に示されるガラス物品300のような)300は、電話、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ等のような携帯用通信および娯楽装置のような、だがこれらに限定されない、ディスプレイおよびタッチスクリーン用途のための保護カバープレートとして(ここで用いたように、「カバープレート」という用語はウィンドウ等を含む);および情報関連ターミナル(IT)(例えば携帯用またはラップトップコンピュータ)装置のためのディスプレイスクリーンとして;並びに他の用途において、使用してもよい。
【0047】
説明のために代表的な実施の形態が示されてきたが、上記の記載は本開示および添付の請求項の範囲を制限するものとみなされるべきではない。例えば、イオン交換以外の処理を使用してガラスを化学的に強化してもよく、ガラスを強化する異なる手段を互いに組み合わせてガラス内に圧縮応力を達成してもよい。ある代替の実施の形態において、イオン交換処理において、アルカリ金属イオンの代わりに−またはそれと組み合わせて−銀等のような金属イオンを使用してもよい。したがって、本開示および添付の請求項の原理および範囲から逸脱せずに、様々の変更、適応、および代案が当業者に思い浮かぶであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化ガラス物品であって、0.5mm以下の厚さtを有し、以下を含む:
少なくとも30μmの層の深さおよび少なくとも600MPaの圧縮応力を有する外側領域、
内側領域であって、該内側領域が中央張力CT下にあり、CT(MPa)>−15.7(MPa/mm)・t(mm)+52.5(MPa)であり、前記強化ガラス物品が3未満の脆弱性インデックスを有する、
ことを特徴とする強化ガラス物品。
【請求項2】
前記強化ガラス物品が、0.5mm未満の厚さtを有することを特徴とする請求項1記載の強化ガラス物品。
【請求項3】
前記強化ガラス物品が、0.3mm以上0.5mm未満の厚さtを有することを特徴とする請求項2記載の強化ガラス物品。
【請求項4】
前記強化ガラス物品が点衝突により破壊される場合に、該強化ガラス物品が、断片サイズn(%≦1mm)が0%≦n≦5%、断片密度n(断片/cm)が0断片/cm≦n≦3断片/cm、亀裂拡張nが0≦n≦5、および放出n(%≧5cm)が0%≦n≦2%、またはこれらの組合せの少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の強化ガラス物品。
【請求項5】
前記強化ガラス物品は、該強化ガラス物品を破壊するのに十分な点衝突を受ける場合に実質的に脆弱性を有しないことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の強化ガラス物品。
【請求項6】
前記強化ガラス物品は、アルカリアルミノシリケートガラスを含み、該アルカリアルミノシリケートガラスは、以下を含むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の強化ガラス物品:
60-70 mol% SiO2;6-14mol% Al2O3;0-15mol% B2O3;0-15mol% Li2O;0-20mol% Na2O;0-10mol% K2O;0-10mol% CaO;0-5mol% ZrO2;0-1mol% SnO2;0-1mol% CeO2;50ppm未満のAs2O3;および50ppm未満のSb2O3;ここで、12mol%≦Li2O + Na2O + K2O≦20mol%。
【請求項7】
前記アルカリアミノシリケートガラスが、さらに0mol%≦MgO + CaO≦10mol%を含むことを特徴とする請求項6記載の強化ガラス物品。
【請求項8】
前記アルカリアミノシリケートガラスが、さらに8mol%までのMgOを含むことを特徴とする請求項7記載の強化ガラス物品。
【請求項9】
前記tが0.3から0.5mmまでであり、前記CTが約75.0から約94.8MPaまでであることを特徴とする請求項1記載の強化ガラス物品。
【請求項10】
前記強化ガラス物品が、2未満の脆弱性インデックスを有することを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の強化ガラス物品。
【請求項11】
前記強化ガラス物品が点衝突により破壊される場合に、該強化ガラス物品が、断片サイズn(%≦1mm)が0%≦n≦5%、亀裂拡張nが0≦n≦5、またはこれらの組合せの少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項4記載の強化ガラス物品。
【請求項12】
前記強化ガラス物品が点衝突により破壊される場合に、該強化ガラス物品がさらに、断片密度n(断片/cm)が0断片/cm≦n≦3断片/cm、放出n(%≧5cm)が0%≦n≦2%、またはこれらの組合せの少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項4記載の強化ガラス物品。
【請求項13】
前記強化ガラス物品が、断片サイズn(%≦1mm)が0%、断片密度n(断片/cm)がn≦1断片/cm、亀裂拡張nがn≦2、放出n(%≧5cm)が0%、またはこれらの組合せの少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項4記載の強化ガラス物品。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−107823(P2013−107823A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−24230(P2013−24230)
【出願日】平成25年2月12日(2013.2.12)
【分割の表示】特願2011−522066(P2011−522066)の分割
【原出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】