説明

弾性ローラ、画像形成装置用定着装置及び画像形成装置

【課題】画像形成装置に使用することができ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する弾性ローラ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する画像形成装置用定着装置、及び、高品質の画像を形成することができる、耐久性に優れた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】アスカーC硬度と密度とが以下の関係式を満たす発泡弾性層3を有する弾性ローラ1、この弾性ローラ1を備えた画像形成装置用定着装置、及び、この弾性ローラ1又はこの画像形成装置用定着装置を備えた画像形成装置。
Y=0.0086X+b (ただし、前記関係式において、bは0.003〜0.135であり、Yは発泡弾性層の密度(単位:g/cm)であり、Xは発泡弾性層のアスカーC硬度であって27〜45である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性ローラ、画像形成装置用定着装置及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、例えば、画像形成装置に使用することができ、画像の高精細化及び画像形成装置の耐久性向上に貢献する弾性ローラ、このような弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置、及び、このような弾性ローラ及び/又は画像形成装置用定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタ、複写機、ビデオプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種ローラを備えている。
【0003】
これらのローラの中でも、例えば、クリーニングローラ、紙送り搬送ローラ及び定着ローラ等は、弾性層の硬度を低下させて、各ローラの機能を向上させるため、例えば、定着ローラの場合には、長期間にわたって所望のように現像剤を定着させることにより、高精細化の画像を形成すると共にその耐久性を向上させるため、弾性層にセルを形成することがある。セルが形成された弾性層(発泡弾性層と称することがある。)を備えたローラが要求される機能及び特性を発揮するか否かを評価するための1つの指標として、アスカーC硬度が挙げられる。例えば、特定のアスカーC硬度を有する発泡弾性層を備えた弾性ローラとして、特許文献1には、「円筒状芯金の外周にシリコーンのゴム状弾性体を設けた定着用加圧ローラにおいて、該ゴム状弾性体のシリコーンゴムからなり、吸水率が全体の40%以上で、更に90%以上の連続気泡率が90%以上であるような連続気泡(以下連泡と呼ぶ)構造を有する持つことによって特徴づけられるゴム状発泡弾性体定着用加圧ローラ」の「該ゴム状発泡弾性体の硬度が30°〜60°(アスカーC)である」ことが記載されている(特許文献1の請求項1及び請求項3等参照。)。また、特許文献2には、「加熱ロールと、この加熱ロールを加圧する加圧ロールとを有し、この加圧ロールは、弾性体層を有し、この弾性体層は、厚みが6mm以上であり、硬度がアスカーCにて45°以下であり、且つ前記加熱ロールへの加圧力が9N/cm以下に設定されたことを特徴とする定着装置」における「前記弾性体層は、発泡体からなること」が記載されている(特許文献2の請求項1及び請求項4等参照。)。
【0004】
このアスカーC硬度は、発泡弾性層における表面近傍、例えば、表面から深さ5mm程度の硬度を表す指標であり、従来の画像形成装置に配設される各種ローラにおいては、発泡弾性層における表面近傍のアスカーC硬度を特定の値に調整すれば、その発泡弾性層が、要求される機能又は特性を発揮することができることが多かった。
【0005】
しかし、高精細化及び高速化された近年の画像形成装置においては、発泡弾性層における表面近傍のアスカーC硬度を特定の値に調整しても、発泡弾性層が要求される機能又は特性を十分に発揮することができなくなってきている。換言すると、近年の画像形成装置に配設された各種ローラが所望の機能又は特性を発揮するためには、発泡弾性層における表面近傍の特性に加えて、発泡弾性層全体の特性も重要になってきている。例えば、定着ローラの場合には、発泡弾性層が所望のアスカーC硬度を有していても、長期間にわたって所望のように現像剤を定着させることができずに、画像の高精細化及び画像形成装置の耐久性向上に貢献することができないことがあった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−070159号公報
【特許文献2】特開2004−287275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、画像形成装置等に使用することができ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する弾性ローラ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する画像形成装置用定着装置、及び、高品質の画像を形成することができる、耐久性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、アスカーC硬度と密度とが以下の関係式を満たす発泡弾性層を有する弾性ローラであり、
Y=0.0086X+b (27≦X≦45)
ただし、前記関係式において、bは0.003〜0.135であり、Yは発泡弾性層の密度(単位:g/cm)であり、Xは発泡弾性層のアスカーC硬度である。
請求項2は、請求項1に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置であり、
請求項3は、請求項1に記載の弾性ローラ、又は、請求項2に記載の画像形成装置用定着装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る弾性ローラにおける発泡弾性層は、そのアスカーC硬度と密度とが前記関係を満足する。すなわち、この弾性ローラの発泡弾性層は、アスカーC硬度に応じて所定の密度を有するから、発泡弾性層の長手方向においても、また、発泡弾性層の厚さ方向においても、硬度及び密度の高い均一性を有する。ここで、発泡弾性層は通常一定の体積を有するから、密度の均一性は質量の均一性に換言することができる。それ故、この発泡弾性層を有する弾性ローラは、高精細化及び高速化された近年の画像形成装置に組み込まれて高速でかつ長期間にわたって回転及び停止が繰り返されても、偏心することもなく、被当接体に均一に作用することができから、弾性ローラ自身及び被当接体が劣化することもなく、長期間にわたって高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
【0010】
したがって、この発明によれば、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する弾性ローラ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する画像形成装置用定着装置、及び、高品質の画像を形成することができる、耐久性に優れた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明に係る弾性ローラは、図1に示されるように、軸体2と、その外周面に形成された弾性層3とを備え、例えば、図5に示される画像形成装置30等に配設される。
【0012】
前記軸体2は、良好な導電特性を有していればよく、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体とされる。また、軸体2は、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよく、さらには、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等に導電性付与剤としてカーボンブラック又は金属粉体等を配合した導電性樹脂で形成された軸体であってもよい。
【0013】
前記弾性層3は、後述するゴム組成物によって、軸体2の外周面に形成されている。この弾性層3は、図4に示されるように、その内部及び/又は外表面にセル4を有する発泡弾性層とされる(図1及び図4において、弾性層3の外周面に開口したセルは図示しない。)。弾性層3が発泡弾性層であると、弾性層3の硬度が低下して、弾性ローラ1の機能が向上するから、高品質の画像を形成することができる。ここで、弾性層3に有するセルは、ゴム組成物に含有される発泡剤の発泡又は分解等によって生じる中空領域、及び、ゴム組成物に含有される中空充填材等に由来する中空領域をいう。弾性層3に有する複数のセル4は、他のセルに接することのない、又は連通することのない状態(独立セル状態と称する。図4参照。)、他のセルに接し、又は連通している状態(連通セル状態と称する。)、又は、前記独立セル状態と前記連通セル状態とが共存する状態の何れの状態にあってもよい。弾性層3は、画像形成装置に用いられる各種ローラに応じて、セルの大きさ、存在率等が決定される。
【0014】
この弾性層3は、その密度(Y、単位:g/cm)とそのアスカーC硬度(X)とにつき、図2に示されるように、以下の関係式を満たすという特性を有している。
【0015】
Y=0.0086X+b (27≦X≦45)
(ただし、前記関係式において、bは0.003〜0.135である。)
【0016】
前記関係式を満たす領域は、図2に示されるように、Xが27以上45以下の領域であって、Y≦0.0086X+0.135で示される領域であり、かつ、Y≧0.0086X+0.003で示される領域である。すなわち、前記関係式を満たす領域は、X=27、X=45、Y=0.0086X+0.135及びY=0.0086X+0.003で示される各直線上の領域、及び、これら直線で囲まれた領域である。
【0017】
アスカーC硬度(X)は、弾性層における表面近傍の硬度を表す指標であるから、このアスカーC硬度は、弾性層全体の特性を十分に代表することができない場合がある。つまり、弾性層において、アスカーC硬度の値が一定であっても、弾性層の表面近傍部分と、弾性層の深さ方向における軸体2近傍部分とが、同じ硬度等を有しているとは限らないことがあるから、アスカーC硬度のみでは弾性層全体の特性を十分に代表することができない場合がある。例えば、図3に示されるように、弾性層5のアスカーC硬度を特定の値に調整しても、その深さ方向において、セルの大きさ、単位体積当りの存在率等が不均一であれば、弾性層5の深さ方向における硬度及び密度も不均一になり、弾性層5全体の特性を調整することはできない。したがって、弾性層5は、所望の機能又は特性を発揮することはできなかった。
【0018】
このような状況の下、本出願人によって、弾性層3がアスカーC硬度に応じて特定範囲の密度を有している場合には、換言すると、密度は単位体積当りの質量(g/cm)であり、また、弾性層3は通常一定の体積に調整されるから、一定の体積を有する弾性層3がアスカーC硬度に応じて特定範囲の質量を有している場合には、弾性層3の長手方向においても、また、弾性層3の厚さ方向においても、セルの大きさ、単位体積当りの存在率等が均一になることが見出され、さらに、この知見に基づいて、例えば、画像形成装置に装着されたときに、画像の高品質化と耐久性向上とを達成するには、弾性ローラにおける弾性層3の密度と、その表面近傍の特性を表すアスカーC硬度とが前記関係を満足すればよいことが見出された。すなわち、この発明に係る弾性ローラ1における弾性層3の断面の一例が図4に示されるように、前記関係式を満足する弾性層3は、弾性層3の深さ方向において、セルの大きさ、単位体積当りの存在率等がほぼ均一になるから、弾性層3の深さ方向における硬度及び密度(すなわち、質量)もほぼ均一になり、また、図示しないが、弾性層3の長手方向における硬度及び密度(すなわち、質量)も同様にほぼ均一になり、その結果、弾性層3の全体にわたって硬度及び密度(すなわち、質量)が均一になる。したがって、前記関係式によって弾性層3全体の特性を規定することができるから、この関係式を満足すれば、弾性層3全体の特性を所望のように調整することができ、弾性層3は所望の機能又は特性を発揮することができる。
【0019】
したがって、弾性層3の密度(Y)とアスカーC硬度(X)との関係が前記領域内にあると、弾性層3の長手方向及び深さ方向における硬度及び密度(すなわち、質量)を所望のように均一に調整することができ、その結果、長期間にわたって高品質の画像を形成することができる。
【0020】
前記領域について詳細に説明すると、前記領域におけるアスカーC硬度(X)は27〜45である。アスカーC硬度が27〜45であると、被当接体に対する所望の当接状態又は圧接状態を保持することができるから、主として、高品質の画像を形成することに貢献することができる。例えば、弾性ローラを定着ローラとして画像形成装置に装着する場合には、加圧ローラに対して所望の圧接状態を保持して、加圧ローラと定着ローラとで形成されるニップ幅を大きくすることができるから、記録体に転写された現像剤を所望のように定着させることができ、その結果、主として、高品質の画像を形成することに貢献することができる。アスカーC硬度は、JIS K6253に準拠して、弾性層3の複数箇所を測定し、測定値を算術平均した値とすることができる。
【0021】
弾性層3のアスカーC硬度は、例えば、弾性層3を形成するゴム組成物に含有されるゴム及び/若しくは添加剤の種類を選択し、並びに/又は、それらの配合量等を変更することにより、また、弾性層3の成形条件等により、調整することができる。
【0022】
前記領域における弾性層3の密度(Y)は、Y=0.0086X+0.135以下であり、かつY=0.0086X+0.003以上の領域である。密度(Y)が前記領域内にあると、弾性ローラ1を高精細化及び高速化された近年の画像形成装置に組み込んで、弾性ローラ1の回転及び停止が高速でかつ長期間にわたって繰り返されても、弾性ローラ1の弾性層3が偏心することも、弾性層3及び被当接体が劣化することも防止することができるから、主として、長期間にわたる画像の形成、すなわち、画像形成装置の耐久性向上に貢献することができる。例えば、弾性ローラを定着ローラとして画像形成装置に装着する場合には、加圧ローラに対して所望の圧接状態を長期間にわたって保持することができるから、主として、長期間にわたる画像の形成、すなわち、画像形成装置の耐久性向上に貢献することができる。前記領域は、長期間にわたる画像の形成に大きく貢献することができる点で、その上限は、Y=0.0086X+0.110であるのが好ましく、Y=0.0086X+0.085であるのがさらに好ましく、その下限は、Y=0.0086X+0.028であるのが好ましく、Y=0.0086X+0.053であるのがさらに好ましい。なお、この発明においては、発泡弾性層の長手方向においても厚さ方向においてもその硬度及び密度の高い均一性を達成することができる点で、関係式における傾きは0.0086に調整されているが、前記関係式における傾きは0.0086±0.0005に調節されても、発泡弾性層における硬度及び密度の均一性を達成することができる。
【0023】
弾性層3の密度は、弾性層3の体積及び質量を常法により測定して、求めることができる。弾性層3の密度は、例えば、弾性層3を形成するゴム組成物に含有されるゴム及び/若しくは各種添加剤の種類を選択し、並びに/又は、それらの配合量等を変更することにより、また、弾性層3の成形条件、例えば、弾性層3を形成するゴム組成物の加熱条件等により、調整することができる。
【0024】
このように、弾性層3における密度(Y)とアスカーC硬度(X)とが前記関係式を満足すると、長期間にわたって高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
【0025】
弾性層3は、その厚さは特に限定されないが、画像形成装置に配設される各種ローラに応じて、所定の厚さに調整され、通常、2〜20mmの厚さに調整されるのが好ましく、3〜12mmの厚さに調整されるのがさらに好ましい。
【0026】
弾性層3は、その長さは特に限定されないが、弾性ローラ1が配設された画像形成装置で印刷される記録体に応じて、所定の厚さに調整される。弾性層3の長さは、通常、記録体としてA4サイズ(JIS、210mm×297mm)の用紙を縦長に用いる場合には約230mm程度に調整され、また、記録体としてA3サイズ(JIS、297mm×420mm)の用紙を縦長に用いる場合には約310mm程度に調整される。
【0027】
弾性層3は、密度(Y)とアスカーC硬度(X)とが前記関係式を満足すれば、強度等の性質、及び、その材料等に関しては特に制限されない。
【0028】
弾性層3を備えた弾性ローラ1は、ゴム組成物を、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、加熱成形し、軸体2の外周面に弾性層3を形成する方法によって、製造される。
【0029】
弾性層3を形成するゴム組成物は、ゴムと、発泡剤又は中空充填材と、所望により各種添加剤等とを含有する組成物であればよく、例えば、独立セル状態のセルを形成することのできる発泡シリコーンゴム系組成物及び発泡ウレタンゴム系組成物等が好ましく挙げられる。特に、独立セル状態のセルを形成することのできる発泡シリコーンゴム系組成物は、耐熱性、耐久性及び耐残留歪み特性等に優れ、画像形成装置の高速運転にも耐えられる好適なゴム組成物である。このような発泡シリコーンゴム系組成物として、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物が特に好ましい。中空充填材としては、例えば、ゴム組成物を硬化した後に、セルを形成することのできる充填材であればよく、例えば、ポリオルガノシロキサン系球状粉末が挙げられる。ポリオルガノシロキサン系球状粉末は、ポリオルガノシロキサンからなる球状の粉末であればよく、例えば、シリコーンパウダ等が挙げられる。より具体的には、直鎖状のジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末、シロキサン結合が(CHSiO3/2で表される三次元網目状に架橋した構造を持つ、いわゆるポリメチルシルセスキオキサン等のシリコーンレジンの粉末、及び、前記シリコーンゴムの表面をシリコーンレジン等で被覆した被覆シリコーンゴムの粉末等が挙げられる。
【0030】
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、ビニル基含有シリコーン生ゴムと、シリカ系充填材と、発泡剤と、付加反応架橋剤と、付加反応触媒と、反応制御剤とを含有し、所望により、さらに、有機過酸化物架橋剤と耐熱性向上剤と各種添加剤とを含有してもよい。
【0031】
前記ビニル基含有シリコーン生ゴムは、例えば、ミラブル型シリコーンゴム、熱架橋シリコーンゴム(HTV:High Temperature Vulcanizing)等が挙げられる。これらのビニル基含有シリコーン生ゴムは、後工程で、発泡剤及び付加反応架橋剤等をロールミル等で容易に混練りすることができるという特性を有し、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0032】
前記シリカ系充填材は、補強性を有する煙霧質シリカ又は沈降性シリカ等が挙げられ、一般式がRSi(OR’)で示されるシランカップリング剤で表面処理された、補強効果の高い表面処理シリカ系充填材が好ましい。ここで、前記一般式におけるRは、グリシジル基、ビニル基、アミノプロピル基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基又はメルカプト基等であり、前記一般式におけるR’はメチル基又はエチル基である。前記一般式で示されるシランカップリング剤は、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KBM1003」及び「KBE402」等として、容易に入手することができる。このようなシランカップリング剤で表面処理されたシリカ系充填材は、定法に従って、シリカ系充填材の表面を処理することにより、得られる。シリカ系充填材の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、5〜100質量部であるのがよい。シリカ系充填材は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0033】
前記発泡剤としては、従来、発泡ゴムに用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。通常、ゴムに連続セルを形成する場合には無機系発泡剤が用いられ、独立セルを形成する場合には有機系発泡剤が用いられる。弾性ローラ1においては、発泡剤は、独立セル状態のセルを形成することができる点で、有機系発泡剤であるのがよく、具体的には、例えば、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス−イソブチロニトリル等のアゾ化合物が好適に使用される。特に、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)が好適に使用できる。発泡剤の配合量は、発泡剤の種類によって相違するが、弾性層3のアスカーC硬度が27〜45となるように調整するのがよい。具体的には、例えば、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に0.5〜10質量部であるのがよい。発泡剤の配合量が、0.1質量部未満であると、形成される弾性層3に十分なセルを形成することができないことがあり、一方、10質量部を超えると、発泡シリコーンゴムとしての形態を維持することができなくなり、弾性層3の機械的強度が低下することがある。発泡剤として、ジメチル−1,1’−アゾ−ビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)を選択する場合には、その配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.5〜5質量部であるのが特によい。発泡剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0034】
前記付加反応架橋剤は、例えば、一分子中に2個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、環又は分枝状のいずれであってもよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのがよい。付加反応架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0035】
前記付加反応触媒は、例えば、周期律表第9属又は第10属の金属単体及びその化合物が挙げられ、より具体的には、シリカ、アルミナ又はシリカゲル等の担体上に吸着された微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸六水塩とオレフィン又はジビニルジメチルポリシロキサンとの錯体、塩化白金酸六水塩のアルコール溶液等の白金系触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられる。これら付加反応触媒の配合量は、触媒量で十分であり、通常、周期律表第9属又は第10属の金属量に換算して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物全体に対して、1〜1,000ppmであるのがよく、10〜500ppmであるのが特によい。付加反応触媒の配合量が、周期律表第9属又は第10属の金属量に換算して、1ppmより少ないと、ビニル基含有シリコーン生ゴムの架橋反応が十分に進行せず、ビニル基含有シリコーン生ゴムの硬化が不十分となることがあり、一方、1,000ppmを超えると、ビニル基含有シリコーン生ゴムの架橋反応を促進する能力が向上せず、かえって、経済性が低下することがある。付加反応触媒は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0036】
前記反応制御剤は、公知の反応制御剤を制限されることなく使用することができ、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。反応制御剤の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.1〜2質量部であるのがよい。反応制御剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0037】
前記有機過酸化物架橋剤は、単独でビニル基含有シリコーン生ゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すれば、シリコーンゴムの強度、歪み等の物性がより向上する。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物架橋剤の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.3〜10質量部であるのがよい。有機過酸化物架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0038】
耐熱性向上剤は、弾性層3の耐熱性を向上させる化合物であればよく、例えば、カーボンブラック、酸化鉄(ベンガラとも称する。)、酸化セリウム及び水酸化セリウム等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0039】
前記カーボンブラックは、通常、その製造方法によって、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等に類別され得るが、硫黄、アミン等の含有量が多いと、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物の付加反応を阻害することがあるので、硫黄、アミン等の含有量が少ないカーボンブラック、例えば、アセチレンブラックが好適に使用される。前記酸化鉄は、黒色ベンガラ(Fe)及び赤色ベンガラ(Fe)が好ましく挙げられる。前記酸化セリウム及び前記水酸化セリウムは、単独で使用されてもよいが、前記カーボンブラック及び/又は前記酸化鉄と共に使用されるのが、弾性層3の硬度変化を抑えることができる点で、好ましい。
【0040】
前記耐熱性向上剤の総配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜35質量部であるのがよく、1〜10質量部であるのが特によい。耐熱性向上剤の総配合量が前記範囲であれば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化セリウム及び水酸化セリウムの配合量は、特に限定されない。例えば、カーボンブラックの配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0〜15質量部であるのがよく、0.2〜15質量部であるのがさらによく、2〜10質量部であるのが特によい。ベンガラの配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0〜30質量部であるのがよく、0.2〜30質量部であるのがさらによく、2〜20質量部であるのが特によい。酸化セリウム及び水酸化セリウムの配合量はそれぞれ、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのがよく、0.2〜2質量部であるのが特によい。
【0041】
前記各種添加剤は、例えば、炭酸カルシウム等の充填材、着色剤、難燃性向上剤、熱伝導性向上剤等の添加剤、離型剤、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサン等の分散剤、及び、得られるゴムの硬度を調整することのできる粉砕石英、珪藻土等の非補強性シリカ等が挙げられる。これらの各種添加剤は、所望の配合量で配合される。
【0042】
前記ビニル基含有シリコーン生ゴム、前記シリカ系充填材及び前記各種添加剤を含有するシリコーンゴム組成物として、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KEシリーズ」及び「KEGシリーズ」等を容易に入手することができる。
【0043】
ゴム組成物は、その比重は特に限定されないが、ゴム組成物の比重は弾性層3の密度にもある程度影響を与えるから、画像形成装置に配設される各種ローラに応じて、所定の比重に調整される。ゴム組成物の比重は、通常、1.00〜2.00であるのが好ましく、1.05〜1.50であるのがさらに好ましい。
【0044】
ゴム組成物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練り機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって、常温又は加熱下で混練して、得られる。
【0045】
弾性ローラ1の製造方法を以下に説明する。弾性ローラ1を製造するには、まず、軸体2に、必要に応じて予め、その外周面に接着剤又はプライマーを、スプレー法、浸漬法等によって、塗布し、その外周面に接着層又はプライマー層を形成しておくのがよい。プライマーとしては、特に限定されず、例えば、シランカップリング系プライマー等が挙げられる。また、接着剤としては、特に制限されないが、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、アミノ基及び/又は水酸基を有する接着剤が好適である。また、これらの樹脂を硬化させるための架橋剤として、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物等が用いられる。
【0046】
次いで、接着層又はプライマー層が形成された軸体2の外周面に弾性層3を形成するゴム組成物を配置する。軸体2の外周面にゴム組成物を配置する方法としては、例えば、押出機等により軸体2とゴム組成物とを一体に分出して、軸体2の外周面にゴム組成物を配置する方法、また、軸体2を収納する金型にゴム組成物を注入して、軸体2の外周面にゴム組成物を配置する方法等が挙げられる。これらの中でも、押出機等により軸体2とゴム組成物とを一体に分出しする方法が、作業が容易で、作業を連続して行うことができる点で、好ましい。
【0047】
このようにして軸体2の外周面にゴム組成物を配置した後、この状態を維持しつつ、軸体2ごとゴム組成物を加熱する。ゴム組成物の加熱は、ゴム組成物に含まれるゴム、例えば、ビニル基含有シリコーン生ゴムが架橋し、かつ、発泡剤が分解又は発泡するのに十分な条件で行われればよい。例えば、ゴム組成物は、通常、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等により、170〜500℃程度、特に200〜400℃に加熱され、数分以上1時間以下、特に5〜30分間、加熱される。
【0048】
前記関係式を満足する弾性層3を形成する方法の1つとして、軸体2の外周面に配置されたゴム組成物を加熱するときの昇温速度を調整する方法が挙げられる。その一例を挙げると、例えば、軸体2の外周面に配置されたゴム組成物を、常温(例えば、20〜30℃)から90℃まで加熱するときの昇温時間を80秒以内に調整し、好ましくは、90℃から200℃まで加熱するときの昇温時間を240秒以内に調整し、次いで、発泡剤が分解又は発泡するのに十分な温度に所定時間加熱する加熱条件が挙げられる。90℃まで加熱するときの昇温時間が80秒を超えると、発泡剤の発泡が不十分となり、前記関係式を満足する弾性層3を形成することができないことがある。また、90℃から200℃まで加熱するときの昇温時間が240秒を超えると、発泡剤の発泡と架橋のバランスが崩れ、特に軸体2近傍の発泡度が不足して、やはり、前記関係式を満足する弾性層3を形成することができないことがある。この加熱条件において、90℃まで加熱するときの昇温時間は、きわめて短時間でもよいが、5秒程度が現実的であり、また、90℃から200℃まで加熱するときの昇温時間は、きわめて短時間でもよいが、60秒程度が現実的である。この加熱条件において、90℃まで加熱するときの昇温時間は、60秒以内であるのが好ましく、40秒以内であるのがさらに好ましい。また、200℃まで加熱するときの昇温時間は、200秒以内であるのが好ましく、180秒以内であるのがさらに好ましい。このような加熱時間の調整は、公知の手段により行うことができる。
【0049】
ゴム組成物は、所望により、さらに、二次加熱が行われてもよい。二次加熱は、前記条件で架橋されたゴム組成物をより確実に架橋させる工程であり、二次加熱によって、弾性層3の物性が安定するという効果が得られる。二次加熱は、例えば、前記の条件で架橋されたゴム組成物を、さらに、押出成形された状態のままで、例えば、180〜250℃、好ましくは190〜230℃で、1〜24時間、好ましくは3〜10時間にわたって、又は、金型を用いて、例えば、130〜200℃、好ましくは150〜180℃で、5分以上24時間以下、好ましくは10分以上10時間以下にわたって、再度加熱されることによって、行われる。
【0050】
このようにして成形された弾性層3は、所望により、仕上げ工程として、所望の大きさ及び形状等に調整する研削工程、研磨工程及び/又は切削工程等が施される。研削工程、研磨工程及び/又は切削工程は、従来から利用されている研削盤、円筒研削盤、やすり等により、定法に従って行うことができる。また、研削工程、研磨工程及び/又は切削工程後に、研削カス、研磨カス、異物等を除去するため、所望により、弾性層3を洗浄してもよい。洗浄は、例えば、水等を用いた湿式洗浄及び/又はウエス等を用いたふき取り洗浄、送風洗浄等が挙げられる。
【0051】
このようにして、弾性ローラ1が製造され、この弾性ローラ1は、前記関係式を満足する弾性層3を備えているから、画像形成装置の各種ローラ、例えば、転写ローラ、現像ローラ、帯電ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、紙送りローラ等に、特に定着ローラに、好適に使用される。
【0052】
特に、弾性ローラ1が画像形成装置に配設された場合には、弾性ローラ1は、偏心することもなく、被当接体に均一に作用することができから、弾性ローラ1自身及び被当接体が劣化することもなく、長期間にわたって高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
【0053】
弾性ローラ1は、軸体2の外周面に弾性層3を備えているが、この発明においては、弾性層3の外周面に、所望により、コート層、表面層及び/又は保護層等が形成されてもよい。コート層、表面層及び保護層は、弾性層3の外周面に定法に従って、通常、1〜100μmの厚さに、形成される。コート層、表面層及び保護層を形成する材料は、特に制限されるものではないが、弾性ローラ1は被当接体に当接又は圧接されるから、永久変形しにくい材料であるのが好ましく、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドイミド系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0054】
弾性ローラ1は、用途に応じて、軸体2内、弾性層3内及び/又は軸体2と弾性層3との間に、加熱体、例えば、電熱器、発熱コイル等を備えていてもよい。例えば、弾性ローラ1が熱ローラ定着器の定着ローラとして使用される場合には、軸体2内に加熱体を備えている。
【0055】
この発明においては、前記関係式は、弾性層3のアスカーC硬度と密度とを測定することによって、弾性ローラ1を評価する指標の1つとして、利用することもでき、例えば、この発明は、前記関係式を用いた弾性ローラ1の評価方法をも提供することができる。すなわち、この評価方法は、弾性ローラ1のアスカーC硬度と密度とを前記測定方法により測定し、これらの測定値が前記関係式を満足するか否かによって、弾性ローラ1が所望の特性又は機能を有するか否かを評価することができる。この方法によれば、弾性層3を切断等の破壊法によらずに評価することができるから、測定した弾性ローラ1を製品とすることもでき、かつ、所望の弾性ローラ1のみを個別に測定することもでき、その結果、弾性ローラ1の評価を確実に行うことができる。
【0056】
次に、この発明に係る弾性ローラ1を備えた定着装置(以下、この発明に係る定着装置と称することがある。)及び画像形成装置(以下、この発明に係る画像形成装置と称することがある。)の一例を、図5を参照して、説明する。
【0057】
この発明に係る画像形成装置30は、図5に示されるように、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31例えば感光体と、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31を帯電させる帯電手段32例えば帯電ローラと、像担持体31の上方に設けられ、像担持体31に静電潜像を形成する露光手段33と、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に一定の層厚で現像剤42を供給し、静電潜像を現像する現像手段40と、像担持体31の下方に圧接するように設けられ、現像された静電潜像を像担持体31から記録体36例えば記録紙上に転写する転写手段34例えば転写ローラと、記録体36の搬送方向の下流に設けられ、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させる定着手段35例えば定着装置と、記録体36に転写されず像担持体31に残留した現像剤42及び/又は像担持体31に付着したゴミ等を除去するクリーニング手段37とを備えている。画像形成装置30は、像担持体31の表面に残留している静電潜像を除去する除電手段(図示しない。)を、クリーニング手段37と帯電手段32との間又は転写手段34とクリーニング手段37との間に、備えていてもよい。
【0058】
画像形成装置30における現像手段40は、従来の画像形成装置に備えられた現像手段と基本的に同様に形成され、同様に配置されている。例えば、現像手段40は、図5に示されるように、像担持体31に対向する位置に開口部を有し、現像剤42を収納する現像剤収納部41と、現像剤収納部41の開口部に、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に現像剤42を一定の層厚で供給する回転可能な現像剤担持体44と、現像剤担持体44に当接して設けられ、現像剤担持体44に現像剤42を供給する回転可能な現像剤供給手段43と、現像剤担持体44の上方に設けられ、現像剤担持体44に当接して現像剤42の層厚を規制すると共に、摩擦帯電により現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
【0059】
前記現像剤収納部41に収納される現像剤42としては、摩擦により帯電可能で、記録体36に定着可能な一成分系の現像剤であれば、乾式現像剤であっても湿式現像剤であってもよく、また、非磁性現像剤であっても磁性現像剤であってもよい。
【0060】
前記定着手段35は、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができればよく、例えば、発熱可能な定着ローラを備えた熱ローラ定着装置、オーブン定着器等の加熱定着装置、加圧可能な定着ローラを備えた圧力定着装置等を用いることができる。これらの定着装置は無端ベルトを備えた定着装置であってもよい。図5において、無端ベルトを備えた定着手段35はこの発明に係る定着装置とされている。この定着装置35は、図5にその断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻き掛けられた無端ベルト55と、定着ローラ53と対向配置された加圧ローラ56とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが、互いに当接又は圧接するように、回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜定着手段35に適合するように調整することができる。定着ローラ53、無端ベルト支持ローラ54及び加圧ローラ56はそれぞれ、加熱体(図示しない。)が内蔵され、加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない。)によって、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
【0061】
この発明に係る画像形成装置30は、帯電手段32の帯電ローラ、現像手段40の現像ローラ、転写手段34の転写ローラ、定着手段35の定着ローラ、加圧ローラ又は無端ベルト支持ローラ、クリーニング手段のクリーニングローラ、紙送り搬送ローラ等の各種ローラを備え、これら各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用されている。好ましくは、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ及び加圧ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用されている。
【0062】
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、像担持体31が、図5の矢印に示されるように、時計方向に回転しつつ、クリーニング手段37により、その表面の現像剤42及び/又はゴミ等が除去された後、帯電手段32により、一様に帯電される。次いで、露光手段33により画像が露光され、像担持体31の表面に静電潜像が形成される。
【0063】
一方、現像手段40において、現像剤42が現像剤供給手段43によって現像剤担持体44に供給され、現像剤担持体44が図5に示される矢印方向に回転することにより、現像剤担持体44の表面に付着した現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤担持体44に当接した現像剤規制部材45との間を通過する。このとき、現像剤42は、所望の層厚に規制されると共に、現像剤42を所望のように帯電させることができる。つまり、現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤規制部材45との間を通過することによって、現像剤担持体44の表面上における現像剤42の層厚が規制されると共に、現像剤規制部材45と現像剤担持体44及び/又は現像剤42との摩擦帯電等により、現像剤担持体44上の現像剤42が所望のように帯電される。
【0064】
次いで、このようにして現像手段40から所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42が像担持体31に供給され、像担持体31に形成された静電潜像が現像されて、この静電潜像が現像剤像として可視化される。このようにして、現像手段40は、像担持体31に所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42を供給し、静電潜像を現像することができる。次いで、像担持体31上に現像された現像剤像は、搬送手段により、像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に、像担持体31及び/又は転写手段34によって転写される。次いで、現像剤像が転写された記録体36は、搬送手段により定着手段35に搬送され、定着手段35により加熱及び/又は加圧されて、転写された現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。
【0065】
この発明に係る画像形成装置30は、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、無端ベルト支持ローラ、クリーニングローラ、紙送り搬送ローラ等の各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用され、この発明に係る弾性ローラ1が使用されたローラは、その長手方向においても、また、発泡弾性層の厚さ方向においても、硬度及び密度(すなわち、質量)における高い均一性を有し、偏心することもなく、被当接体に均一に作用することができから、弾性ローラ自身及び被当接体が劣化することもなく、長期間にわたって高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。例えば、定着ローラ53として、この発明の係る弾性ローラ1が使用される場合には、高精細化及び高速化された近年の画像形成装置に組み込まれて高速でかつ長期間にわたって回転及び停止が繰り返されても、偏心することもなく、被当接体である無端ベルト55及び加圧ローラ56に均一に作用することができから、弾性ローラ1自身、並びに、無端ベルト55及び加圧ローラ56が劣化することもなく、記録体36に転写された現像剤を所望のように定着させることができ、その結果、長期間にわたって高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
【0066】
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色毎の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置とされる。
【0067】
また、画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。
【実施例】
【0068】
(実施例1)
まず、無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(直径12mm×長さ350mm、SUM22)をトルエンで洗浄し、プライマー「No.101A/B」(信越化学工業株式会社製:商品名)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギアーオーブンを用いて、180℃の温度にて30分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、プライマー層を形成した。
【0069】
次いで、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材とを含むシリコーンゴム組成物「KE−904FU」(信越化学工業株式会社製:商品名)100質量部と、付加反応架橋剤「C−153A」(信越化学工業株式会社製:商品名)2.0質量部と、発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」(信越化学工業株式会社製:商品名)2.5質量部と、付加反応触媒としての白金触媒適量と、反応制御剤「R−153A」(信越化学工業株式会社製:商品名)0.5質量部と、有機過酸化物架橋剤「C−3」(信越化学工業株式会社製:商品名)適量と、耐熱性向上剤「KEP−12」(信越化学工業株式会社製:商品名)1.0質量部とを、二本ロールで十分に混練して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを調整した。
【0070】
次いで、プライマー層を形成した軸体と、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物とを、押出成形機にて一体分出し、次いで、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を30秒で90℃に加熱し、引き続き、180秒で90℃から200℃に加熱して、さらに230℃に加熱して同温度に12分間保持(以下、「加熱条件A」と称する。)し、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを発泡架橋させた。その後、さらに、ギアーオーブンを用いて、200℃で7時間にわたって、発泡架橋後の付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を二次加熱し、常温にて1時間放置した。次いで、形成された弾性層を、円筒研削盤にて弾性層の外径を29mmに調整した。このようにして、発泡弾性層を備えた弾性ローラAを作製した。
【0071】
(実施例2)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を0.8質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラBを作製した。
(実施例3)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを80秒で90℃に加熱し、引き続き、215秒で90℃から200℃に加熱して、さらに230℃に加熱して同温度に11分30秒間保持(以下、「加熱条件B」と称する。)して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラCを作製した。
【0072】
(実施例4)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を3.0質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラDを作製した。
(実施例5)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を3.0質量部に変更し、かつ、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を0.8質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラEを作製した。
(実施例6)
前記付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Cを、前記加熱条件Bにより、発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラFを作製した。
(実施例7)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を1.5質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Eを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラGを作製した。
(実施例8)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を1.5質量部に変更し、かつ、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を0.8質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラHを作製した。
(実施例9)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Eを、前記加熱条件Bにより、発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラIを作製した。
【0073】
(比較例1)
前記付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを105秒で90℃に加熱し、引き続き、285秒で90℃から200℃に加熱して、さらに230℃に加熱し同温度に9分間保持(以下、「加熱条件C」と称する。)して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aを発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラJを作製した。
(比較例2)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を2.5質量部に変更し、かつ、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を1.0質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Gを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラKを作製した。
(比較例3)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Cを、前記加熱条件Cにより、発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラLを作製した。
(比較例4)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を3.0質量部に変更し、かつ、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を1.0質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Hを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラMを作製した。
(比較例5)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Eを、前記加熱条件Cにより、発泡架橋させた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラNを作製した。
(比較例6)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Aにおいて、前記発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル「KEP−13」の配合量を1.5質量部に変更し、かつ、前記反応制御剤「R−153A」の配合量を1.0質量部に変更した付加反応型発泡シリコーンゴム組成物Iを用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性ローラOを作製した。
【0074】
このようにして作製した弾性ローラA〜Oにおける各弾性層の表面の6個所(中央部近傍2箇所及び両端部近傍4箇所)のアスカーC硬度を前記方法によって測定し、これらの算術平均値を各弾性層の平均硬度(アスカーC)とした。その結果を表1に示す。
【0075】
一方、弾性層の質量として、弾性ローラA〜Oの質量を測定し、プライマー層を形成した軸体の質量(238.0g)との差を求めた。また、弾性層の外径を、弾性層の全長を均等に4等分した5点(円周)を測定位置として、レーザー測長機で測定したところいずれの弾性ローラにおいても外径(平均)は2.90cmであり、測定された外径及び弾性層の長さ等から弾性層の体積を求めたところ、いずれの弾性ローラにおいても151.8cmであった。測定された弾性層の質量と体積とから、各弾性層の密度(g/cm)を算出した。これらの結果を表1に示す。
【0076】
なお、実施例1〜9において、弾性ローラA〜Iの弾性層におけるアスカーC硬度(X)と密度(Y)との関係は、Y≦0.0086X+0.135の領域、及び、Y≧0.0086X+0.003の領域に含まれていた。これに対して、比較例1〜6において、弾性ローラJ〜Oの弾性層におけるアスカーC硬度(X)と密度(Y)との関係は、Y>0.0086X+0.135の領域、又は、Y<0.0086X+0.003の領域に存在していた。
【0077】
実施例1〜9及び比較例1〜6で作製した弾性ローラA〜Oの耐久性を、以下の方法で、図6に示される耐久性試験装置70を用いて、試験した。この耐久性試験装置70は、筐体内部の下面に固定され、内部ヒータ72を備えた加熱ローラ71と、この加熱ローラ71の軸方向に沿って、その両側に設けられた外部ヒータ73と、加熱ローラ71と対向するように、筐体内部の上面に上下動可能に設けられた試験ローラ装着部74と、試験ローラ装着部74を上下に移動可能な押圧力調整手段75、例えば、押圧調整用マイクロメータとを備えている。なお、加熱ローラ71として、直径20mmの金属(ステンレス鋼、SUS304)製ローラを用いた。
【0078】
実施例1〜9及び比較例1〜6で作製した弾性ローラA〜Oをそれぞれ、試験ローラ装着部74のベアリングに装着し、図6に示されるように、押圧力調整手段75を操作して、装着した弾性ローラ76を加熱ローラ71に圧接し、加熱ローラ71と弾性ローラ76との圧接部において、弾性ローラ76における弾性層が内部に3mm凹陥するように、弾性ローラ76を固定した(すなわち、弾性ローラ76の外径と加熱ローラ71との外径の和よりも3mm短くなるように、弾性ローラ76の中心軸と加熱ローラ71の中心軸との距離dを調節した。)。
【0079】
次いで、外部ヒータ73及び内部ヒータ72を起動し、加熱ローラ71の表面温度を180℃に調節した。その後、試験ローラ装着部74に装備された駆動手段(図示しない。)により、回転速度130rpmで8時間連続稼動し、弾性ローラ76における弾性層の凹陥状態を解除後、弾性ローラ76を常温で24時間放置した。
【0080】
評価は、試験後に、弾性層の軸方向の変形ムラがなく、弾性層の偏磨耗等も確認できなかった場合を「○」、弾性層の軸方向のわずかな変形ムラ又は弾性層のわずかな偏磨耗が確認できた場合を「△」、弾性層の変形ムラ及び偏磨耗等が確認できた場合を「×」とした。その結果を表1に示す。
【0081】
また、この耐久性試験が終了後の弾性ローラを画像形成装置から取り出し、弾性ローラの弾性層を長手方向に垂直な面で切断した弾性層におけるセルの大きさ、単位体積当りの存在率等の均一性を目視で評価した。セルの均一性が高い方から順に、5、4、3、2及び1の5段階評価で評価し、その結果を表1に示す。
【0082】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、この発明に係る弾性ローラの一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明における弾性層におけるアスカーC硬度と密度との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、従来の弾性ローラにおける断面を示す斜視図である。
【図4】図4は、この発明に係る弾性ローラにおける断面を示す斜視図である。
【図5】図5は、この発明に係る画像形成装置の一例を示す要部概略図である。
【図6】図6は、耐久性試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
1 弾性ローラ
2 軸体
3、5 弾性層
4 セル
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 被転写体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
70 耐久性試験装置
71 加熱ローラ
72 内部ヒータ
73 外部ヒータ
74 試験ローラ装着部
75 押圧力調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスカーC硬度と密度とが以下の関係式を満たす発泡弾性層を有する弾性ローラ。
Y=0.0086X+b (27≦X≦45)
ただし、前記関係式において、bは0.003〜0.135であり、Yは発泡弾性層の密度(単位:g/cm)であり、Xは発泡弾性層のアスカーC硬度である。
【請求項2】
請求項1に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置。
【請求項3】
請求項1に記載の弾性ローラ、又は、請求項2に記載の画像形成装置用定着装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−76751(P2008−76751A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255939(P2006−255939)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【復代理人】
【識別番号】100118809
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 育男
【Fターム(参考)】