説明

弾性ローラの製造方法

【課題】トナーを安定して供給したり現像ローラ表面のトナーを良好に掻き落としたりすることのできる弾性ローラを容易に製造する。
【解決手段】シャフト11の外周に円筒状弾性発泡体21を設けた成形用円筒状ローラ10Bを、シャフト11と無端帯状の刃物32が平行となり、かつ刃物の刃先の延長線36がシャフトの中心12から外れて円筒状弾性発泡体21の表面と交差する位置に配置し、刃先の延長線36とシャフトの中心12の間隔を一定にして、円筒状弾性発泡体21の全周に第1切り込み23を一定間隔で形成し、その後に刃先の延長線36に対して反対側へ成形用円筒状ローラ10Bを移動させて、第1の切り込み時と同様にして第1切り込み23と交差する第2切り込みを入れることにより、第1切り込みと第2切り込みからなるV字形溝を円筒状弾性発泡体21の全周に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性ローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写装置、画像記録装置、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体上に形成した静電潜像を、現像装置の現像ローラに供給されたトナー(現像剤)で現像して、トナー像として可視化することが行われている。そのような現像装置においては、ホッパー内に収容された10μm以下程度のトナーを現像ローラに適量供給したり、余分のトナーを現像ローラから掻き取ったりするためにトナー供給ローラが内蔵されている。
【0003】
前記トナー供給ローラとして、シャフトの外周にポリウレタンフォームまたはシリコーンフォーム等の弾性発泡体を設けた弾性ローラが多用されている。また、前記弾性ローラの製造方法としては、(1)スラブ若しくはモールド発泡の弾性発泡体から所要サイズの弾性発泡体を切り出し、それにシャフトを通して成形用ローラを形成した後、前記弾性発泡体の表面を研削や研磨して円筒状のローラ形状に仕上げる方法、(2)シャフトと一体に弾性発泡体を形成して成形用ローラを形成した後、前記弾性発泡体の不要部分を研削や研磨して円筒状のローラ形状に仕上げる方法、(3)前記成形用ローラの弾性発泡体の表面に刃物の刃先を当て、前記成形用ローラを回転させることによって前記弾性発泡体の表面を切削して所要サイズの円筒状とするピーリング加工による方法等がある。
【0004】
しかし、従来の製造方法によって弾性発泡体を円筒状としたトナー供給ローラは、弾性発泡体の表面の凹凸度が比較的小さいため、現像ローラへのトナー供給量が少なくなったり、現像ローラ表面のトナーを掻き落としたりする作用が劣る傾向にある。特に、前記ピーリング加工された弾性発泡体の表面は、研磨加工に比べ凹凸が均一になりやすく、前記不具合を生じ易い。しかも近年では、レーザーカラープリンターの普及によりトナーの微粒化が進み、前記ピーリング加工品では前記トナーの供給や掻き落としなどで不具合を生じるようになってきた。
【特許文献1】特開平10−104937号公報
【特許文献2】特開2001−121472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、トナー供給ローラに使用する場合にトナーを安定して供給したり現像ローラ表面のトナーを良好に掻き落としたりすることのできる弾性ローラを容易に製造することができ、特にピーリング加工から一連に作業を行う場合により好都合な弾性ローラの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラにおける前記円筒状弾性発泡体の外周に、回転又は直線往復運動する刃物によって一定間隔で複数の第1切り込みを前記シャフトと平行に形成し、その後、前記第1切り込みと交差する第2切り込みを前記弾性発泡体の外周に一定間隔で前記シャフトと平行に形成することにより、前記第1切り込みと第2切り込みからなるV字形溝を前記弾性発泡体の外周に一定間隔で形成することを特徴とする弾性ローラの製造方法に係る。
【0007】
請求項2の発明は、
イ.シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラを、回転又は直線往復運動する刃物と前記シャフトが平行となり、かつ前記刃物の刃先の延長線が前記シャフトの中心から外れて前記円筒状弾性発泡体の表面と交差するように配置する配置工程と、
ロ.前記シャフトの中心と前記刃先の延長線との間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラと前記刃物を接近させて前記円筒状弾性発泡体の表面に前記刃物で前記シャフトと平行な第1切り込みを入れる第1切り込み工程と、
ハ.前記間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラを前記刃物から離し、次いで前記シャフトを中心として前記成形用円筒状ローラを一方向へ一定角度回転させる第1回転工程と、
ニ.再度前記第1切り込み工程を行った後、前記第1回転工程と前記第1切り込み工程を順番に繰り返し、前記円筒状弾性発泡体の全周に一定間隔で前記第1切り込みを形成する第1繰り返し工程と、
ホ.前記成形用円筒状ローラを前記刃先の延長線に対して前記イ〜ニの工程時における前記成形用円筒状ローラの位置とは反対側へ移動させると共に、前記シャフトと前記刃物が平行であって、かつ前記刃物の刃先の延長線が前記シャフトの中心から外れて前記第1切り込みと交差するように配置する移動配置工程と、
ヘ.前記シャフトの中心と前記刃先の延長線との間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラと前記刃物を接近させて前記円筒状弾性発泡体の表面に前記刃物で前記シャフトと平行な第2切り込みを前記第1切り込みと交わるように形成し、前記第1切り込みと前記第2切り込みによりV字形溝を形成する第2切り込み工程と、
ト.前記間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラを前記刃物から離し、次いで前記シャフトを中心として前記成形用円筒状ローラを一方向へ前記一定角度回転させる第2回転工程と、
チ.再度前記第2切り込み工程を行った後、前記第2回転工程と前記第2切り込み工程を順番に繰り返し、前記円筒状弾性発泡体の全周に一定間隔で前記V字形溝を形成する第2繰り返し工程と、
よりなる弾性ローラの製造方法に係る。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2において、前記配置工程に先立ち、前記シャフトの外周に筒状弾性発泡体が設けられた成形用ローラを、前記シャフトと前記刃物が平行となるように配置し、前記成形用ローラの筒状弾性発泡体の表面に前記刃物の刃先を当て、前記成形用ローラを回転させて前記筒状弾性発泡体の表面を切削し前記筒状弾性発泡体を円筒状弾性発泡体にすることにより、前記シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラを形成するピーリング工程を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び2の発明によれば、回転又は直線往復運動する刃物を用い、円筒状成形用ローラの回転と移動により容易に円筒状弾性発泡体の全周にV字形溝を一定間隔で形成することができる。しかも製造された弾性ローラは、前記V字形溝によって円筒状弾性発泡体の表面が凹凸になっているため、トナー供給ローラとして使用した場合にトナーを安定して供給したり現像ローラ表面のトナーを良好に掻き落としたりすることができる。さらに本発明は、従来からピーリング加工に使用されている刃物を使用することもできるため、ピーリング加工に続いてV字形溝を形成するのに好都合である。
【0010】
請求項3の発明によれば、ピーリング加工からV字形溝の形成まで連続して行うことができ、効率良く弾性ローラを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の製造方法によって製造された弾性ローラの斜視図、図2は製造装置の一例を示す図、図3はピーリング工程時の成形用ローラの側面図、図4は第1切り込み工程時の成形用円筒状ローラの概略側面図、図5は第2切り込み工程時の成形用円筒状ローラの概略側面図である。
【0012】
図1に示す弾性ローラ10は、本発明の製造方法によって製造されたもので、シャフト11とその外周に設けられた円筒状弾性発泡体21からなり、複写装置、画像記録装置、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置等におけるトナー供給ローラとして用いられる。
【0013】
前記シャフト11は、前記弾性ローラ10の中心軸となるもので、金属等、所要の剛性を有する材質で構成され、中空、中実の何れでもよく、前記弾性ローラ10に応じたサイズとされる。
【0014】
前記円筒状弾性発泡体21は、ウレタンフォーム、シリコーンフォーム等からなり、中心に前記シャフト11が貫通している。前記円筒状弾性発泡体21の外周面には、長さ方向Lに沿うV字形溝22が周方向Cに一定間隔で全周に並設されている。前記V字形溝22によって前記筒状弾性発泡体21の外周面に凹凸が形成されている。
【0015】
前記弾性ローラ10の製造装置の例を図2示す。図示の製造装置は、図示しないモータ等の回転装置と接続されて回転する回転ローラ31,31と、前記回転ローラ31,31間に張設されて回転する無端帯状の刃物32と、前記無端帯状の刃物32と平行に設けられ、前記刃物32の幅方向Wに沿ってシリンダ装置等の駆動装置により前進後退可能とされると共に上下方向Uに昇降可能とされた作業台37を備える。
【0016】
前記無端帯状の刃物32は、バンドナイフと称される公知のもので、幅方向の側部に刃部33が形成されており、前記回転ローラ31,31間に張設されることにより前記回転ローラ31,31間に直線部分35が形成されている。前記刃部33は、刃物32の厚み方向の両側に刃が形成された両刃、あるいは片側に刃の形成された片刃の何れでもよく、図示の例では両刃からなる。なお、前記刃物32の刃先の傾斜角度は適宜とされるが、通常は4〜6°程度とされている。
【0017】
前記作業台37は、上面にシャフト受け部38,38が前記刃物32の長さ方向に沿って所定間隔離して立設されている。前記シャフト受け部38,38の上端には凹状のシャフト受け部が形成され、後述の成形用ローラ10Aあるいは成形用円筒状ローラ10Bのシャフト11を前記シャフト受け部38,38に嵌着することにより、前記シャフト11が前記刃物32と平行に配置される。また、前記作業台37の上面には駆動モータMが設けられている。前記駆動モータMは、前記成形用ローラ10Aあるいは成形用円筒状ローラ10Bのシャフト11との間に回転ベルト39が張設され、前記駆動モータMによる前記シャフト11の一方向への回転により前記成形用ローラ10Aあるいは成形用円筒状ローラ10Bが一方向へ回転するようになっている。
【0018】
次に、前記製造装置を用いる弾性ローラの一実施形態を示す。ここで説明する弾性ローラの製造方法は、ピーリング工程、配置工程、第1切り込み工程、第1回転工程、第1繰り返し工程、移動配置工程、第2切り込み工程、第2回転工程、第2繰り返し工程からなる。
【0019】
ピーリング工程では、まず、前記シャフト11の外周に筒状弾性発泡体21Aが設けられた成形用ローラ10Aを用意し、筒状弾性発泡体21Aの両端から突出しているシャフト11の両端部を前記作業台37のシャフト受け部38,38に嵌着し、それによって前記シャフト11と前記刃物32が平行となるように配置する。前記筒状弾性発泡体21Aは、ウレタンフォームやシリコーンフォーム等の弾性発泡体を打ち抜き等によって円筒状あるいは角筒状とし、また中心にシャフト挿通孔を打ち抜き等により形成したものである。図示の例の筒状弾性発泡体21Aは、目的とする弾性ローラ10の円筒状弾性発泡体21より大径の円筒状とされ、前記シャフト挿通孔に、予め外周面に接着剤を設けたシャフト11を挿入して前記シャフト11と一体化することにより前記成形用ローラ10Aが形成される。
【0020】
前記シャフト受け部38,38に支持された成形用ローラ10Aのシャフト11と前記駆動モータM間に回転ベルト39が張設され、前記刃物32の刃部33における刃先へ向けて前記成形用ローラ10Aの回転が行われる。次いで、前記作業台37を前記刃物32側へ前進させることにより前記成形用ローラ10Aを刃物32に接近させ、図3のように刃部33の刃先34を筒状弾性発泡体21Aの表面に当てて前記筒状弾性発泡体21Aの表面を切削し、前記筒状弾性発泡体21Aを、図4の4−1に示すように所定径の円筒状弾性発泡体21とする。これにより、前記シャフト11の外周に円筒状弾性発泡体21が設けられた成形用円筒状ローラ10Bを得る。
【0021】
配置工程では、前記作業台37を昇降させて高さを調整することにより、図4の4−1に示すように、前記刃物32の刃先の延長線36が、前記シャフト受け部38,38に支持されている成形用円筒状ローラ10Bにおけるシャフトの中心12から外れて前記円筒状弾性発泡体21の表面と交差するように、前記成形用円筒状ローラ10Bが配置される。その際、前記シャフトの中心12と前記刃先の延長線36との間隔d1は、前記円筒状弾性発泡体21の半径より小さい適宜の値(>0)とされる。
【0022】
第1切り込み工程では、図4の4−2に示すように、前記シャフトの中心12と前記刃先の延長線36との間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラ10Bと前記刃物32を接近させて前記円筒状弾性発泡体21の表面に前記刃物32で前記シャフト11と平行な第1切り込み23を入れる。なお、前記成形用円筒状ローラ10Bと前記刃物32の接近は、前記作業台37を前記刃物32の方向へ前進させることにより行われる。また、前記第1切り込み23の深さは適宜の値とされる。この第1切り込み工程で形成される第1切り込み23は、図では切り口が開いているように誇張して示されているが、実際は前記刃物32の刃先の角度(通常は4〜6°程度)が小さいことから、切り口が閉じた直線状となっている。
【0023】
第1回転工程では、図4の4−3に示すように、前記間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラ10Bを前記刃物32から離し、次いで図4の4−4に示すように、前記シャフト11を中心として前記成形用円筒状ローラ10Bを一方向へ一定角度回転させる。前記成形用円筒状ローラ10Bを前記刃物32から離す方法は、前記作業台37を後退させることにより行われ、また前記成形用円筒状ローラ10Bの回転は、前記作業台37の駆動モータMの駆動により行われる。前記回転時における回転角度は適宜決定され、前記V字形溝22の間隔を狭くする場合には回転角度が小とされ、それに対して前記V字形溝22の間隔を大にする場合には回転角度が大とされる。
【0024】
第1繰り返し工程では、図4の4−5に示すように、再度前記第1切り込み工程を行った後、図4の4−6に示すように前記第1回転工程を行い、続いて前記第1切り込み工程を行い、このように前記第1回転工程と前記第1切り込み工程を順番に繰り返す。これにより、図5の5−1に示すように、前記円筒状弾性発泡体21の全周に一定間隔で前記第1切り込み23を形成する。
【0025】
移動配置工程では、図5の5−1及び5−2に示すように前記刃先の延長線36に対して、前記配置工程から前記第1繰り返し工程における前記成形用円筒状ローラ10Bの位置(図5の5−1)とは反対側へ前記成形用円筒状ローラ10Bを移動させると共に、前記シャフト11と前記刃物32が平行であって、かつ前記刃物32の刃先の延長線36が前記シャフトの中心12から外れて前記第1切り込み23と交差するように配置する(図5の5−2)。前記移動は、前記作業台37を昇降(図示の場合は下降)させることによって行われる。なお、前記移動後における刃先の延長線36と前記シャフトの中心12間の間隔d2は、適宜とされるが、前記d1と略等しくすれば、前記V字形溝22において対向する傾斜面を略等しい傾斜角度にできる。また、前記移動配置工程時、前記作業台の昇降に加えて、前記成形用円筒状ローラ10Bを適宜回転させて、前記刃先の延長線36が、前記シャフトの中心12から外れた位置を通って所望の第1切り込み23と交差するようにしてもよい。
【0026】
第2切り込み工程では、図5の5−3に示すように、前記シャフトの中心12と前記刃先の延長線36との間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラ10Bと前記刃物32を接近させて前記円筒状弾性発泡体21の表面に前記刃物32で前記シャフト11と平行な第2切り込み24を前記第1切り込み23と交わるように形成し、前記第1切り込み23と前記第2切り込み24により前記V字形溝22を形成する。
【0027】
第2回転工程では、図5の5−4に示すように、前記間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラ10Bを前記刃物32から離し、次いで図5の5−5に示すように、前記シャフト11を中心として前記成形用円筒状ローラ10Bを一方向へ前記一定角度回転させ、前記V字形溝22の隣に位置する前記第1切り込み23と前記刃先の延長線36を交差させる。
【0028】
第2繰り返し工程では、図5の5−6に示すように再度前記第2切り込み工程を行った後、前記第2回転工程を行い、続いて前記第2切り込み工程を行い、このように前記第2回転工程と前記第2切り込み工程を順番に繰り返す。これにより、図1に示すように、前記円筒状弾性発泡体21の全周に一定間隔で前記V字形溝22を形成し、前記弾性ローラ10を得る。前記弾性ローラ10は、最後に前記作業台37のシャフト受け部38,38から外される。
【0029】
なお、前記の例では、ピーリング工程から第2繰り返し工程まで一連の作業で行っているが、ピーリング工程を別に行っても良い。また、ピーリング工程を省略し、ピーリング加工以外の他の加工方法による研磨や研削によって得られた成形用円筒状ローラを用いて、前記配置工程以下の工程を本発明に従って行うようにしてもよい。さらにまた、前記の例では成形用ローラや成形用円筒状ローラを刃物に対して移動させているが、逆に刃物を移動させるようにしてもよい。また、刃物は、電動糸鋸のように直線的に往復運運動する刃物を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の製造方法によって製造された弾性ローラの斜視図である。
【図2】製造装置の一例を示す図である。
【図3】ピーリング工程時の成形用ローラの概略側面図である。
【図4】第1切り込み工程時の成形用円筒状ローラの概略側面図である。
【図5】第2切り込み工程時の成形用円筒状ローラの概略側面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 弾性ローラ
10A 成形用ローラ
10B 成形用円筒状ローラ
11 シャフト
12 シャフトの中心
21 円筒状弾性発泡体
21A 筒状弾性発泡体
22 V字形溝
23 第1切り込み
24 第2切り込み
32 刃物
33 刃部
34 刃先
36 刃先の延長線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラにおける前記円筒状弾性発泡体の外周に、回転又は直線往復運動する刃物によって一定間隔で複数の第1切り込みを前記シャフトと平行に形成し、
その後、前記第1切り込みと交差する第2切り込みを前記弾性発泡体の外周に一定間隔で前記シャフトと平行に形成することにより、前記第1切り込みと第2切り込みからなるV字形溝を前記弾性発泡体の外周に一定間隔で形成することを特徴とする弾性ローラの製造方法。
【請求項2】
イ.シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラを、回転又は直線往復運動する刃物と前記シャフトが平行となり、かつ前記刃物の刃先の延長線が前記シャフトの中心から外れて前記円筒状弾性発泡体の表面と交差するように配置する配置工程と、
ロ.前記シャフトの中心と前記刃先の延長線との間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラと前記刃物を接近させて前記円筒状弾性発泡体の表面に前記刃物で前記シャフトと平行な第1切り込みを入れる第1切り込み工程と、
ハ.前記間隔d1を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラを前記刃物から離し、次いで前記シャフトを中心として前記成形用円筒状ローラを一方向へ一定角度回転させる第1回転工程と、
ニ.再度前記第1切り込み工程を行った後、前記第1回転工程と前記第1切り込み工程を順番に繰り返し、前記円筒状弾性発泡体の全周に一定間隔で前記第1切り込みを形成する第1繰り返し工程と、
ホ.前記成形用円筒状ローラを前記刃先の延長線に対して前記イ〜ニの工程時における前記成形用円筒状ローラの位置とは反対側へ移動させると共に、前記シャフトと前記刃物が平行であって、かつ前記刃物の刃先の延長線が前記シャフトの中心から外れて前記第1切り込みと交差するように配置する移動配置工程と、
ヘ.前記シャフトの中心と前記刃先の延長線との間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラと前記刃物を接近させて前記円筒状弾性発泡体の表面に前記刃物で前記シャフトと平行な第2切り込みを前記第1切り込みと交わるように形成し、前記第1切り込みと前記第2切り込みによりV字形溝を形成する第2切り込み工程と、
ト.前記間隔d2を一定に維持しながら前記成形用円筒状ローラを前記刃物から離し、次いで前記シャフトを中心として前記成形用円筒状ローラを一方向へ前記一定角度回転させる第2回転工程と、
チ.再度前記第2切り込み工程を行った後、前記第2回転工程と前記第2切り込み工程を順番に繰り返し、前記円筒状弾性発泡体の全周に一定間隔で前記V字形溝を形成する第2繰り返し工程と、
よりなる請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項3】
前記配置工程に先立ち、前記シャフトの外周に筒状弾性発泡体が設けられた成形用ローラを、前記シャフトと前記刃物が平行となるように配置し、前記成形用ローラの筒状弾性発泡体の表面に前記刃物の刃先を当て、前記成形用ローラを回転させて前記筒状弾性発泡体の表面を切削し前記筒状弾性発泡体を円筒状弾性発泡体にすることにより、前記シャフトの外周に円筒状弾性発泡体が設けられた成形用円筒状ローラを形成するピーリング工程を行うことを特徴とする請求項2に記載の弾性ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−17262(P2006−17262A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197516(P2004−197516)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】