説明

後発泡歯科用ムース及びその利用方法

【課題】美的、嗅覚の及び味覚の利益を提供すると同時に、従来の歯磨き剤と同様のまたはより良好な治療上の利益を有する口腔用ケアムースの提供。
【解決手段】(a)界面活性剤及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含む後発泡口腔用ケアムースにおいて、(a)の前記組成物は粘度約30,000センチポアズ未満を有し、前記ムースは、約5秒未満で少なくとも約100体積%膨張するゲルとして吐出される、前記後発泡口腔用ケアムース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2004年11月3日に出願され、内容を本明細書において参考のために引用する米国仮出願第60/624,608号に対する優先権の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
う蝕の低減並びに様々な口腔疾患及び状態を治療すること、予防することまたは改善することのような治療上の利益を消費者に提供する目的で、多数の口腔用ケア組成物が開発されてきた。口腔用ケア製品の非治療態様における改良、例えば改良されたテクスチャーの開発、香味料を含めること及び美的魅力における改良が考案されてきた。こうした配合物の利点は、消費者が歯の清浄化計画により良く従うことを含み、これは、改良された口腔の及び全体的な健康をもたらすかもしれない。治療並びに非治療態様を送達する口腔用ケア製品に対する好みを消費者が絶え間なく発展させる口腔ケアを考慮して、当分野において、治療上の利益を消費者に同時に提供する美的及び味覚の魅力を有する歯磨き剤に対する必要が、依然として存在する。
【発明の開示】
【0003】
本明細書において説明する本発明は、類のない美的、嗅覚の及び味覚の利益を提供し、同時に、また所望により従来の歯磨き剤と同様のまたはより良好な治療上の利益を消費者に提供する口腔用ケアムースに関する。特に、本発明は、後発泡口腔用ケアムースを提供する。ムースは、(a)少なくとも界面活性剤及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含む。歯磨き剤組成物は、粘度約30,000センチポアズ未満を有する。推進剤の取り入れの後、ムースは、約5秒未満で少なくとも約100体積%膨張するゲルとして吐出される。ムース及び/または歯磨き剤組成物は、治療上の及び/または美容上の活性成分を含む様々な他の成分を含んでよい。
【0004】
本発明はまた、上記に説明したような、及びムースを使用者の口腔に60秒間適用した時に、同じ香味料を含む対照組成物の香味料放出ピーク高さ(P)を超える香味料放出ピーク(P)を有するか、または、香味料放出の平均速度は、口腔に適用した後の最初の60秒で4000単位/sec〜20,000単位/secであることを示す口腔用ケアムースを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は、使用中に類のない視覚的及び香味経験を提供し、また治療上の利益を使用者に送達するのに役立つ口腔用ケアムースを含む。本発明の口腔用ケアムースは後発泡である、すなわち、実質的にゼラチン状の形態で容器から吐出され、短い時間遅延、例えば0.1と1秒との間の後に発泡し始める歯磨き剤組成物である。例えば、本発明の特定の組成物は、吐出され、大気圧にさらされた場合、放出直後に最小のまたはわずかな量の発泡を示すかもしれないが、約0.1〜約1秒以上の最初の時間の後に泡を発達させるだろう。吐出弁から出る時に泡を発達させる他のエアロゾルタイプ容器及びディスペンサーと比較した場合に、発泡の時間遅延は、吐出した後に、発泡の開始の感知しうる遅延をもたらすことになる。有利に、この遅延は、吐出される箇所、例えば、吐出弁での発泡を低減するかまたは無くす。
【0006】
本発明の口腔用ケアムースは、歯磨き剤組成物を含む。歯磨き剤組成物は、少なくとも1つ以上の界面活性剤及び1つ以上の湿潤剤を含む。本発明において使用するべき界面活性剤は、当分野において任意の周知の若しくは開発されるべきものまたはその混合物を含
み、陰イオン、陽イオン、非イオン性、及び両性界面活性剤を含む。適切な陰イオン界面活性剤は、C8−20アルキルサルフェートの水溶性塩、C8−20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシネート、及びタウレートを含む。より具体的な実例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムココナットモノグリセリドスルホネート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウリルイソチオネート、ナトリウムラウレスカルボキシラート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪族アルコールエトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、第三級アミンオキシド、第三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド、陰イオン基を有するC8−20脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体、例えばカルボキシラート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートまたはホスホネートを含む。適切な例は、コカミドプロピルベタインである。
【0007】
単数または複数の界面活性剤は、歯磨き剤配合物中に任意の量で存在してよい;しかしながら、1つ以上の界面活性剤が、歯磨き剤組成物の約0.01%〜約10%、約0.05%〜約5%または約0.1〜約2重量%の量で存在することが好ましいかもしれない。希望するなら、歯磨き剤組成物は、陰イオン及び両性界面活性剤の二重界面活性剤系、例えばラウリル硫酸ナトリウム粉末及びコカミドプロピルベタインを含んでよい。このような状況下では、二重界面活性剤系は、約0.5〜約2重量%のラウリル硫酸ナトリウム及び約0.5〜約2.5重量%のコカミドプロピルベタイン(30%溶液)としてよく、または、より好ましくは、約1〜約1.65重量%のラウリル硫酸ナトリウム及び約1.25〜約2.5重量%のコカミドプロピルベタイン(30%溶液)である。
【0008】
本発明の歯磨き剤組成物はまた、少なくとも湿潤剤を含む。当分野において周知のまたは開発されるべき任意の湿潤剤が含まれてよい。本発明の歯磨き剤組成物において有用な具体的な湿潤剤は、多価アルコールの例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトールまたは低分子量PEGを含む。1つ以上の湿潤剤が、総歯磨き剤組成物の最高約80%まで、より好ましくは約10%〜約70%または約5〜約60重量%の量で存在してよい。
【0009】
歯磨き剤組成物は、天然または合成香味料、例えば着香油、着香アルデヒド、エステル、アルコール、同様の材料、及びこれらの組合せを含む香味料または香味料の混合物を含んでよい。揮発性香味料が好ましいかもしれない。香味料は、バニリン、スペアミント油、ケイ皮油、ウインターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ハッカ油、丁字油、アニス油、ユーカリ油、柑橘油、果実油及びエッセンスを含んでよい。特に好ましいものは、リモネン、メントン、カルボン、メントール、アネトール、ユーカリ油、ユーカリプトール、アネトール、オイゲノール、ケイヒ、オキサノン、α−イリソン、プロペニルグアイエトール、チモール、リナロオール、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミン、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミド、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(CGA)、メトングリセロールアセタール(MGA)及びシネオールのような香味料としてよい。
【0010】
本発明の歯磨き剤組成物は、結合剤を含んでよい;任意の従来の単数または複数の結合剤を利用してよい。適切な試剤は、海水コロイド(marine colloid)、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、デンプン、セルロース系ポリマーの例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(カルメロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びこの塩(例えば、カルメロースナトリウム)、天然ガムの例えばカラヤ、キサンタン、アラビアゴム及びトラガカント、キトサン、コロイドマグネシウムアルミニウムシリケート、及びコロイドシリカを含む。
【0011】
歯磨き剤組成物内部に、様々な口腔または全身性疾患または状態に関連した症状を予防
する、治療する及び/または低減する1つ以上の治療剤を含むことが望ましいかもしれない。有用な治療剤は、ステロイド、NSAID、フッ化物イオン源、ポリカルボキシラートポリマー、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー、アルギニンエステル、亜鉛イオン源、第一スズイオン源、デルモピノール、歯石制御剤、抗菌剤、トリクロサン及びこの塩、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、サングイナリン、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、ドミフェンブロミド、塩化セチルピリジニウム(CPC)、テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC)、オクテニジン、オクタピノール、ニシン、亜鉛イオン源、銅イオン源、精油、フラノン、抗炎症剤、抗歯垢剤、抗酸化剤、及びバクテリオシン、及びこの塩、ホノキオール、ビタミン、抗付着剤、タンパク質性剤(proteinaceous agent)、ペプチドを含む当分野において周知のまたは開発さ
れた全てのものを含む。有用な抗菌剤のさらなる例示的な一覧は、米国特許第5,776,435
号において提供されており、この内容を本明細書において参考のために引用する。
【0012】
希望するなら、研磨材を歯磨き剤配合物に加えてよい。任意の適切な口腔用ケア研磨材また研磨剤を使用してよい。好ましいものは、シリカ研磨材の例えば沈降シリカ、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、二水和リン酸二カルシウム、ケイ酸アルミニウム、か焼したアルミナ、ベントナイトまたは他のシリカ質材料、粒子状熱硬化性樹脂、例えばメラミン、フェノール樹脂、及び尿素−ホルムアルデヒド、及び架橋済みポリエポキシド及びポリエステルとしてよい。
【0013】
希望に応じて、例えば、製造、安定性、審美性、治療効果、消費者に対する魅力等の理由で、任意の他の添加剤を歯磨き剤組成物中に含めてよい。模範的な添加剤は、全ての他の従来の歯磨き剤添加剤、粘度調整剤、希釈剤、発泡調節剤、唾液刺激剤、減感剤、増白剤、酵素、pH調整剤、口腔感触剤、甘味料、着色剤、乳白剤、及び息新鮮化剤を含む。
【0014】
上記に説明したように、本発明の歯磨き剤組成物は、推進剤を加える前に、ブルックフィールド粘度計、モデルRVTDV−II、スピンドルE、5rpmによって決定して、粘
度約30,000センチポアズ未満を有する。他に、粘度は、約18,000〜約23,000センチポアズまたは約5,000〜約15,000センチポアズとしてよい。
【0015】
後発泡口腔用ケアムースはまた、推進剤または推進剤の混合物を含む。選択された単数または複数の推進剤は、当分野における任意のものとしてよく、様々なファクターの例えば所望の泡膨張の速度、環境規制、及び/または消費者の安全に対する関心に依存して変化しよう。推進剤または推進剤の混合物が、沸点約−15℃未満、他に、約−10℃未満を有する少なくとも1つの推進剤の混合物を含むことは好ましい。1具体例においては、推進剤は2つの推進剤の混合物であり;1つは歯磨き剤組成物が容器の外に出ることを促進し、第2のものは、歯磨き剤を膨張させるかまたは“後発泡”させてムースにするのに役立つ。
【0016】
希望に応じて、推進剤は、他の試剤、例えば発泡剤、空気、亜酸化窒素、及び二酸化炭素、より典型的に、揮発性炭化水素または約20℃で蒸気圧15〜80psig、好ましくは30〜70psigを有する揮発性炭化水素(典型的に3〜6個の炭素原子を有する)の混合物を含んでよい。
【0017】
好ましい推進剤は、工業用名称A−46を有し、約20℃で蒸気圧46psigを有するイソブタン及びプロパンの混合物である。推進剤は、例えば、約75〜約85重量%のイソブタン及び約15〜約25重量%のプロパンを含んでよい。一旦歯磨き剤組成物及び単数または複数の推進剤を一緒に混合すると、得られるエマルションは、約1〜約6重量%の圧縮液体推進剤、より好ましくは約2〜約3重量%の推進剤を含んでよい。
【0018】
一旦吐出すると、本発明の口腔用ケアムースは、最初はゲルまたは半液体形態である。それに続いて、しかし吐出後約5秒未満で、最初の吐出した量は、最初の体積の少なくとも100%、好ましくは最初の体積の約200%膨張する。好ましくは、この100%の体積増大及び/または200%の体積増大は、約5秒未満または約3秒未満で起きる。
【0019】
後発泡歯科用ムースは、使用者がムースを口腔中に挿入する前に、完全にまたは実質的に完全に形成され、膨張することが好ましいかもしれない。このようにして、いかなる遅延したガス放出も最小にし、使用者は、口腔内部にある間に推進剤の揮発から生じるかもしれないいかなる望ましくない香味も経験しない。
【0020】
本発明と共に使用するのに適した圧力差動ディスペンサー(pressure differential dispenser)は、推進剤流体を含む剛性の容器内部に配置された圧潰性製品含有袋を含むも
のを含む。このような吐出容器の使用に関して当分野において周知のように、手動操作吐出弁の操作はゲル歯磨き剤製品のみの放出を許し、推進剤流体は流体非浸透性袋によって製品から分離する。流体非浸透性袋系は一般に、化学的に不活性のポリマーで製造された袋並びに各々の内容を本明細書において参考のために引用する米国特許第6,622,943号及
び同第6,789,702号において説明されているものを含む。
【0021】
様々な他の具体例は、例えば、内容を本明細書において参考のために引用する米国特許第4,171,757号において説明されているバリアピストン容器として一般に周知の別のタイ
プのディスペンサーを使用してよい。このような容器は、弁、製品含有区画室及び含有された製品から推進剤流体を分離する事実上流体を通さないバリアピストンを含む。
【0022】
充填を従来の技術によって達成してよい。例えば、機械操作ディスペンサーを使用する場合、予め定められた量の圧縮液体推進剤を予め定められた量の歯磨き剤、またはムースとブレンドし、エマルションとして一緒に混合する。混合物またはエマルションを、ノズルを通して押出して、底部が開口しており、中央ロッドを含むディスペンサーに充填する。ディスペンサーの内径に対応する直径及び中央ロッドの中への挿入を可能にする中央穴を有するピストンは、適切な場所の中に滑る。ディスペンサーを次に、底部円板を用いて密閉する。
【0023】
内部の袋を有するかまたは有しない多数の手動操作ディスペンサー、ポンピング装置及び推進構造が市販されており、本発明と共に使用することに関して予測されていることは理解されるはずである。
【0024】
本発明はまた、上記の様々な具体例において説明したような、大気圧化学イオン化質量分析法、例えば、内容を本明細書において参考のために引用するTaylor, A.J. et al. (2000) Food Chem. 71: 327-338; Taylor et al. Front. Flv. Sci. 255-260において説明
されている方法(下文で“テイラーの技術”)によって測定して特定の香味料放出を提供した口腔用ケアムースを含む。方法は、質量分析計と連結した大気圧入口系を使用する。考察の対象となっている被検体を表すイオンを監視する。
【0025】
例えば、本発明は、上記の様々な具体例において上記に説明したような、及びムースを使用者の口腔に適用した時に、60秒後に、同じ単数または複数の香味料を含む対照組成物の香味料放出ピーク高さ(P)を超える香味料放出ピークを示す、香味料その他を含む後発泡ムースを含む。他に、口腔用ケアムースは、使用者の口腔に適用した時に、60秒後に香味料放出ピークを提供し、その結果、PとPとの間の差は約25%〜約40%であるかまたはPとPとの間の差は約30%を超える。
【0026】
他に、後発泡口腔用ケアムースは、テイラーの技術によって測定して、香味料放出の平均速度は、口腔に適用した後の最初の60秒で4000単位/sec〜20,000単位/secであるものである。
【実施例】
【0027】
実施例1
口腔用ケアムースの製造
口腔用ケアムースを製造した。まず、ムースの歯磨き剤組成物を、下記の表1の各列の下に示す成分を合わせることによって製造した。それに続いて、推進剤混合物を、75%のイソブテン及び25%のプロパンの混合物の3重量%の量でこれに加えて、エマルションを形成した。モリス、イリノイ、米国のテクニカル・プロペランツ、Inc.(Technical Propellants, Inc., of Morris Illinois, United States)によってドリボソル(登録商標)35A(DRIVOSOL(登録商標) 35A)という名称で販売されている推進剤を使用した。
【0028】
本発明の吐出系を製造するために、先に説明したように、ムースを従来の二重推進剤タイプディスペンサー中に装填した。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例2
ムースの香味料放出プロファイルの測定
本発明の口腔用ケアムース(“A”)及び比較対照非ムース組成物(“B”)を製造した。Aを製造するために、歯磨き剤組成物を、上記の表1に示す成分を合わせることによって製造した。上記の実施例1において指定した推進剤混合物を加えた。エマルションをバッグ−オン−バルブディスペンサー中に装填した。
【0031】
Bを製造するために、組成物を、表1に示す成分を合わせることによって形成した。推進剤を配合物に加えなかった。
ムースA及び対照組成物Bの両方において使用された香味料は、4つの香味料(特に):リモネン、メントン、カルボン、及びメントールを含む。
【0032】
テイラーの技術を使用して、各試料の香味料プロファイルを定量化した。1グラムの試
料を用いた刷掃の最中に口腔から空気を採取することによって、口腔試料を個人の口腔から引いた。空気を分析装置に直接採取した。このような採取プロセスは、最初の採取時刻から装置がデータを記録する時刻まで最小の時間遅延を加えた。これは図1〜4に見ることができる。従って、任意の時点で得られたデータは、約30秒より早い時点での口腔における状態を表す。口腔中の上部空間の直接測定を実行して、試料の各々につき刷掃時間にわたって最初の香味料放出を分析的に決定した。
【0033】
ムース/対照組成物の比較の各香味料につき生成した放出曲線を図1〜4に示す。下記の表4は、時間が経過した後の香味料プロファイルのピークを要約する。Pはムース配合物のピークを表し、Pは対照組成物のピークを表す。
【0034】
【表2】

【0035】
図及び上記の要約した図表から了解されるように、各場合に、より早い時点で、PはPよりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】大気圧化学イオン化質量分析法によって測定した、使用者の口腔中での時間につれての本発明のムース及び比較対照組成物からのメントン香味料の放出を示す香味料放出プロファイルである。
【図2】大気圧化学イオン化質量分析法によって測定した、使用者の口腔中での時間につれての本発明のムース及び比較対照組成物からのカルボン香味料の放出を示す香味料放出プロファイルである。
【図3】大気圧化学イオン化質量分析法によって測定した、使用者の口腔中での時間につれての本発明のムース及び比較対照組成物からのメントール香味料の放出を示す香味料放出プロファイルである。
【図4】大気圧化学イオン化質量分析法によって測定した、使用者の口腔中での時間につれての本発明のムース及び比較対照組成物からのリモネン香味料の放出を示す香味料放出プロファイルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)界面活性剤及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;
(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含む後発泡口腔用ケアムースにおいて、(a)の前記組成物は粘度約30,000センチポアズ未満を有し、前記ムースは、約5秒未満で少なくとも約100体積%膨張するゲルとして吐出される、前記後発泡口腔用ケアムース。
【請求項2】
(a)の前記組成物は粘度約18,000〜約23,000センチポアズを有する、請求項1に記載のムース。
【請求項3】
前記ムースは約3秒未満で少なくとも約100体積%膨張する、請求項1に記載のムース。
【請求項4】
前記ムースは5秒未満で少なくとも約200体積%膨張する、請求項1に記載のムース。
【請求項5】
前記ムースは約3秒未満で少なくとも約200体積%膨張する、請求項4に記載のムース。
【請求項6】
前記推進剤はプロパン及びイソブタンの混合物を含む、請求項1に記載のムース。
【請求項7】
前記推進剤は、約75〜約85重量%のイソブタン及び約15〜約25重量%のプロパンを含む、請求項1に記載のムース。
【請求項8】
前記推進剤は前記ムース中に約1〜約6重量%の量で存在する、請求項1に記載のムース。
【請求項9】
前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ベタイン界面活性剤、及びコカミドプロピルベタインから選択される、請求項1に記載のムース。
【請求項10】
前記界面活性剤は、約0.5〜約2重量%のラウリル硫酸ナトリウム及び約0.5〜約2.5重量%のコカミドプロピルベタインを含む、請求項1に記載のムース。
【請求項11】
(a)の前記組成物は結合剤をさらに含む、請求項1に記載のムース。
【請求項12】
前記結合剤は、カラギーナン、キトサン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、デンプン、セルロース系ポリマー、及び海水コロイドから選択される、請求項11に記載のムース。
【請求項13】
前記組成物は、フッ化物イオン源、アルギニンエステル、亜鉛イオン源、第一スズイオン源、デルモピノール、抗菌剤及びトリクロサン、並びにこの塩から選択される試剤をさらに含む、請求項1に記載のムース。
【請求項14】
前記組成物は、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、サングイナリン、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、ドミフェンブロミド、塩化セチルピリジニウム(CPC)、テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC)、オクテニジン、オクタピノール、ニシン、亜鉛イオン源、銅イオン源、精油、フラノン、酵素、ペプチド、タンパク質、バクテリオシン及びこの塩並びにホノキオールから選択される試剤をさらに含む、請求項1に記載のム
ース。
【請求項15】
研磨材をさらに含む、請求項1に記載のムース。
【請求項16】
歯磨き剤及びディスペンサーを含む、口腔用ケアムースを吐出するための系において、前記歯磨き剤は、(a)界面活性剤及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含み、前記推進剤を加える前に、(a)の前記組成物は粘度約30,000センチポアズ未満を有し、前記ムースは、約5秒未満で少なくとも約100体積%膨張するゲルとして容器から吐出されるように適合され、
前記ディスペンサーは二重推進剤アセンブリを含む、系。
【請求項17】
前記ディスペンサーはピストンアセンブリを含む、請求項16に記載の系。
【請求項18】
前記ディスペンサーはバッグ−イン−缶アセンブリを含む、請求項16に記載の系。
【請求項19】
(a)界面活性剤、香味料、及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;
(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含む後発泡口腔用ケアムースにおいて、前記推進剤を加える前に及び前記ムースを使用者の口腔に適用した時に、(a)の前記組成物は粘度約30,000センチポアズ未満を有し、60秒での前記ムースの香味料放出ピーク高さ(P)は、同じ香味料を含む対照組成物の香味料放出ピーク高さ(P)を超える、前記後発泡口腔用ケアムース。
【請求項20】
とPとの間の差は約25%〜約40%である、請求項19に記載のムース。
【請求項21】
とPとの間の差は約30%を超える、請求項19に記載のムース。
【請求項22】
(a)界面活性剤、香味料、及び湿潤剤を含む歯磨き剤組成物と;
(b)沸点約−10℃未満を有する圧縮液体推進剤と;を含む後発泡口腔用ケアムースにおいて、前記推進剤を加える前に及び前記ムースを使用者の口腔に適用した時に、(a)の前記組成物は粘度約30,000センチポアズ未満を有し、香味料放出の平均速度は、前記口腔に適用した後の最初の60秒で4000単位/sec〜20,000単位/secである、前記後発泡口腔用ケアムース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−35857(P2013−35857A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209879(P2012−209879)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2007−539169(P2007−539169)の分割
【原出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】