説明

徐放性微粒子及び徐放性微粒子含有製剤

【課題】 被担持物質を担持する微粒子において、被担持物質の放出を十分にコントロールすることができ、さらに、被担持物質を水中等の媒体中でも十分に拡散させることができ、また、水溶解度が異なる2種類以上の被担持物質を各々所望する量で徐放させることができる、優れた特性を有する徐放性微粒子及び該徐放性微粒子を含有する製剤を提供すること。
【解決手段】 被担持物質、微細粒状体及び被覆剤を含有する徐放性微粒子であって、微細粒状体が20〜300μmの範囲内の平均粒径を有する徐放性微粒子及び該徐放性微粒子を含有する製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被担持物質の外部放出速度が抑制された徐放性微粒子及び徐放性微粒子含有製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、徐放性製剤の分野においては、色素、香料、農薬、医薬、肥料、酵素、生理活性物質、発熱物質、吸熱物質、帯電防止剤、防錆剤等の被担持物質を各種の基材に担持させて徐放性を付与することが行われている。
【0003】
例えば、多孔質微粒子に色素、香料、農薬等を内包させ、その表面を特定の化合物で被覆した多孔質微粒子(特許文献1、特許文献2)、炭酸カルシウムを核材とした、花弁状多孔質構造を有し且つ特定の物理性を有する花弁状多孔質基材(特許文献3)、多孔質かつ中空構造を有する金属酸化物中空微粒子内に液状物質を含有する徐放性金属酸化物中空微粒子(特許文献4)、機能性物質が無機多孔質微粒子に包接された無機多孔質微粒子(特許文献5)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記の如き従来の担持微粒子では、基材や微粒子に担持させた被担持物質の放出性を十分にコントロールすることが困難である。しかも、これら従来の徐放性を有する基材や微粒子は、水中等の媒体中で被担持物質が徐放されても、周辺に留まり十分に拡散しないことがあり、また、水溶解度が異なる2種類以上の被担持物質を各々所望する速度で徐放させることが困難である等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−286196号公報
【特許文献2】特開2009−12996号公報
【特許文献3】特開平10−182492号公報
【特許文献4】特開平6−285358号公報
【特許文献5】特開平7−173452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、被担持物質を担持する微粒子において、被担持物質の放出を十分にコントロールすることができ、さらに、被担持物質を水中等の媒体中でも十分に拡散させることができ、また、水溶解度が異なる2種類以上の被担持物質を各々所望する速度で徐放させることができる、優れた特性を有する徐放性微粒子及び該徐放性微粒子を含有する製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の如き課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、今回、被担持物質を担持するための担体として、平均粒径が20〜300μmの微細粒状体を使用すると、被担持物質の放出が十分にコントロールされた徐放性微粒子が得られ、そして、この徐放性微粒子を含有する製剤は、被担持物質が徐放された周辺に留まることなく水中等の媒体中に十分に拡散し、さらに、水溶解度が異なる2種類以上の被担持物質を各々所望する速度で徐放させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明は、被担持物質、微細粒状体及び被覆剤を含有する徐放性微粒子であ
って、微細粒状体が20〜300μmの範囲内の平均粒径を有することを特徴とする徐放性微粒子を提供するものである。
【0009】
本発明は、また、少なくとも1種の上記の徐放性微粒子を含有する徐放性微粒子含有製剤を提供するものである。
【0010】
以下、本発明の徐放性微粒子及び徐放性微粒子含有製剤につき、さらに詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
被担持物質
本発明の徐放性微粒子に用いることができる被担持物質としては、例えば、農薬活性成分、色素、香料、機能性物質、医薬、肥料成分、酵素、生理活性物質等が挙げられる。
【0012】
農薬活性成分としては、農園芸用の有害生物を防除するための物質及び植物の成長を調節するための物質、例えば、除草剤、植物成長調節剤、殺虫・殺ダニ剤、殺菌・殺カビ剤等一般に農薬の活性成分として使用されるすべての活性成分が包含される。
【0013】
除草剤としては、例えば、ピラクロニル、プロピリスルフロン、ベンゾビシクロン、ピラゾレート、テフリルトリオン、メソトリオン、トプラメゾン、スルコトリオン、オキサジクロメホン、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、ブタミホス、メフェナセット、ベンスルフロンメチル、アニロホス、ブタクロール、プレチラクロール、チオベンカルブ、クロルニトロフェン、クロメトキシフェン、ダイムロン、ビフェノックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ベンタゾン、モリネート、ピペロホス、ジメピペレート、エスプロカルブ、ジチオピル、ベンフレセート、キノクラミン、シンメチリン、MCPA又はそのナトリウム塩、カリウム塩等の塩類もしくはエステル類、2,4−Dもしくはそのナトリウム塩、カリウム塩等の塩類又はエステル類、MCPB又はそのナトリウム塩、カリウム塩等の塩類もしくはエステル類、キンクロラック、ピラゾスルフロンエチル、ペントキサゾン、テニルクロール、インダノファン、クミルロン、クロメプロップ、シノスルフロン、シメトリン、ジメタメトリン、シハロホップブチル、エトベンザニド、カフェンストロール、エトキシスルフロン、アジムスルフロン、シクロスルファムロン、イマゾスルフロン、フルセトスルフロン、オルソスルファムロン、ハロスルフロンメチル、ビスピリバック、ビスピリバックナトリウム塩、ピリミノバックメチル、ピリフタリド、フェントラザミド、イプフェンカルバゾン、メタゾスルホン、ピリミスルファン、ペノキススラム、フェノキサスルホン等が挙げられる。
【0014】
植物生長調節剤としては、例えば、イナベンフィド、メピコートクロリド、クロルメコート、フルルプリミドール、ビスピリバックナトリウム塩、パクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム塩、トリネキサパックエチル、ダミノジット、ウニコナゾールP、トリアペンテノール等が挙げられる。
【0015】
殺虫・殺ダニ剤としては、例えば、イソキサチオン、ダイアジノン、ダイスルフォトン、マラソン、プロパホス、トリクロルフォン、ホルモチオン、ジメトエート、モノクロトフォス、アセフェート、カルボフラン、カルボスルファン、チオシクラム、カルタップ、ベンスルタップ、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、ブプロフェジン、フェノブカルブ、メトールカルブ、プロポクシュア、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、クロルピリホスメチル、ジメチルビンホス、ピリダフェンチオン、チオジカルブ、ジノテフラン、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム、クロマフェノジド、ハロフェノジド、テブフェノジド、メトキシフェノジド、フィプロニル、エチプロール、硫酸ニコチン、スピノサド、ピメトロジン、フロニカミド、クロラントラニリプロール、シアン
トラニリプロール、スピネトラム、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、フルベンジアミド、ピリフルキナゾン等が挙げられる。
【0016】
殺菌・殺カビ剤としては、例えば、プロベナゾール、イソプロチオラン、イプロベンフォス、トリシクラゾール、ピロキロン、カルプロパミド、アゾキシストロビン、フルトラニル、メプロニル、チフルザミド、フラメトピル、テクロフタラム、ベノミル、ジクロシメット、フェノキサニル、フサライ ド、メトミノストロビン、オリサストロビン、カスガマイシン、バリダマイシン、オキシテトラサイクリン、ストレプト マイシン、フェリムゾン、シメコナゾール、銅、チオファネートメチル、EDDP、IBP、メタラキシル、イプロジオン、ヒドロキシイソキサ ゾール、オキソリニック酸、ペンチオピラド、ジクロメジン、チアジニル、プロベナゾール、アシベンゾラルSメチル、イソチアニル等が挙げられる。
【0017】
色素としては、例えば、各種染料、顔料、合成色素等;香料としては、例えば、植物から抽出される精油、合成香料等;機能性物質としては、例えば、反応を制御するための触媒、染料と組み合わせて使用する発色剤、消色剤、難燃剤、消泡剤、帯電防止剤等;医薬としては、例えば、抗菌剤、消毒剤等;肥料成分としては、例えば、窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、炭酸カルシウム等;酵素としては、例えば、ジアスターゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等;そして生理活性物質としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC等の水溶性ビタミン類、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE等の脂溶性ビタミン類、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類等が挙げられる。
【0018】
これらの被担持物質はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、徐放性微粒子におけるこれらの被担持物質の含有割合は、徐放性微粒子の重量を基準にして、一般に0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%、さらに好ましくは1〜80重量%の範囲内であることができる。
【0019】
微細粒状体
本発明の徐放性微粒子に用いることができる微細粒状体は、中空構造又は非中空構造を有することができる。
【0020】
中空の微細粒状体としては、独立した1個または複数個の気泡を有する微細粒状体を利用することができ、例えば、火山性ガラス質粉体を焼成加工することにより得られる、シラスよりなる微細中空ガラス球状体(発泡シラス又はシラスバルーンとも呼ばれる);真珠岩や黒曜石よりなる発泡パーライト;ガラス粉末に発泡剤を加えて溶融・発泡・焼成することにより得られる発泡ガラス;石炭を燃料として得られるフライアッシュ;アクリロニトリル又はメタクリル酸エステルを単量体成分とする共重合体やフェノール樹脂からなる中空マイクロバルーン等が挙げられる。
【0021】
非中空な微細粒状体としては、開放多孔質構造を有することができる微細粒状体を利用することができ、例えば、活性炭、シリカゲル、アルミナゲル、金属酸化物やハイドロオキシアパタイトなどを焼成することにより得られるセラミック粉末、珪藻土、ゼオライト、ホワイトカーボン、砂等が挙げられる。
【0022】
本発明の徐放性微粒子に用いることができる微細粒状体の中では、特に中空の微細粒状体、なかでも微細中空ガラス球状体が好適である。
【0023】
微細中空ガラス球状体は、発泡シラス(シラスバルーン)とも呼ばれるものであって、例えば、火山性ガラス質粉体を原料として、それを加熱して粉体表面の水分を0.3%以
下にした後、直ちに、例えば気流及び燃料と共に内燃式媒体流動床炉に供給し、約900〜約1200℃の温度で加熱、発泡させることにより得られる中空で微細な球状発泡体であり、発泡させる際、火山性ガラス質粉体の粉体内水分含有量を4.0〜6.0%、特に4.1〜5.8%の範囲内に調整することにより、さらに安定した粒径の揃った微細中空ガラス球状体を得ることができる。
【0024】
ここで、火山性ガラス質粉体の表面の水分は、火山性ガラス質粉体を130℃で10分間加熱した直後と、加熱する前との重量差を求めることにより得ることができ、また、火山性ガラス質粉体の粉体内水分含有量は、火山性ガラス質粉体を250℃で10分間加熱した直後と、130℃で10分間加熱した直後との重量差を求めることにより得ることができる。
【0025】
本発明において使用することができる微細粒状体としては、一般に20〜300μm、好ましくは20〜150μm、特に20〜80μmの範囲内の平均粒径、一般に20〜95%、特に30〜80%の範囲内の浮水率及び一般に10〜170%、特に20〜130%の範囲内の吸水率を有するものが好適である。
【0026】
本発明において、「平均粒径」は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した値であり、「浮水率」は、水に浮遊する試料の全試料に対する割合であり、具体的には、分液ロートに水100ml、試料5gを入れた後、さらに水150mlを入れてよく攪拌し、1時間静止した後、沈降物、水を排出し、再度、水250mlを分液ロートに入れよく攪拌し、1時間静止した後、沈降物、水を排出し、残った内容物を取り出し乾燥後、計量し、試料5gに対する割合算出することにより求めることができる。
【0027】
「吸水率」は、濾紙を敷いたロートをフラスコに取り付け、吸引しながら濾紙を水で十分に湿らせ、落下する水滴の間隔が3秒になったときに風袋重量(ロート+吸水濾紙)を量り、また、精製水200mlと試料20gとが入ったビーカーを十分攪拌し、5分間静止した後、ビーカー内の精製水混合液をロートに注ぎ、落下する水滴の間隔が3秒になったときの吸水後総重量(ロート+吸水濾紙+試料)を量り、以下の式で算出することができる。
【数1】

【0028】
上記微細中空ガラス球状体としては、具体的には、例えば、マールライト713D、マールライト722B、マールライト732C、マールライト735C、マールライトBA−15(以上、商品名、丸中白土(株)製)、トワナライトSYB−5000、トワナライトSYB−2000、トワナライトSYB−1000H、トワナライトSYB−1000S、トワナライトSYB−0005(以上、商品名、豊和直(株)製)、ダイセツバルーンB(商品名、美瑛白土工業(株)製)、シラスバルーン(商品名、ネオライト興産(株)製)等が挙げられる。上記発泡パーライトとしては、例えば、ハードライトB−03、ハードライトB−04、ハードライトB−05(以上、商品名、昭和化学工業(株)製)等が挙げられる。上記発泡ガラスとしては、例えば、ライテックGL−F(商品名、啓和炉材(株)製)等が挙げられる。上記フライアッシュとしては、例えば、カイノスフィアーズ150、カイノスフィアーズ300、カイノスフィアーズ600(以上、商品名、太平洋セメント(株)製)等が挙げられる。上記中空マイクロバルーンとしては、例えば、マイクロスフェアーF−30E、マイクロスフェアーF−80E(以上、商品名、松本油脂製薬(株)製)、BJO−0930CB(商品名、巴工業(株)製)等が挙げられる

【0029】
これらの微細粒状体はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
徐放性微粒子における微細粒状体の含有割合は、徐放性微粒子の重量を基準にして、一般に0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%、さらに好ましくは2〜70重量%の範囲内であることができる。
【0031】
被覆剤
本発明の徐放性微粒子において用いることができる被覆剤は、微細粒状体に被担持物質を被覆するために役立つ物質であり、一般に被担持物質が透過し難い被膜を形成し得る物質であれば特に制限なく使用することができ、例えば、高級飽和脂肪酸、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0032】
高級飽和脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられ、ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、カーボンワックス、ヘキストロ、脂肪酸エステル等の合成ワックス;カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウ等の天然ワックス;パラフィンワックス、ペトロラクタム等の石油ワックス等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、ポリスチレン等のポリオレフィン;ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のビニル系重合物;ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物、MMA−ブタジエン共重合物、アクロニトリル−ブタジエン共重合物等のジエン系重合物;エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、スチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合物等のポリオレフィン共重合物;塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物等の塩化ビニル共重合物等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。なかでも、熱可塑性アクリル酸エステル樹脂、ブタジエン−スチレン共重合物樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。そのなかでも特に、熱硬化性ポリウレタン樹脂が好適である。
【0033】
これらの被覆剤はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
徐放性微粒子における被覆剤の含有割合は、徐放性微粒子の重量を基準にして、一般に0.1〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは3〜40重量%の範囲内であることができる。
【0035】
他の添加剤
本発明の徐放性微粒子には、前述した被担持物質、微細粒状体及び被覆剤の他に、界面活性剤、担体等の添加剤を含有せしめることができ、さらに被担持物質が不安定な場合等には、必要に応じて、例えば、pH調整剤、酸化防止剤、光安定剤、乾燥剤等の安定剤を含有せしめることもできる。
【0036】
徐放性微粒子の製造
本発明の徐放性微粒子は、例えば、以下に記載する方法によって製造することができ、必要に応じて、他の添加剤も含有することができる:
(1) 被担持物質、微細粒状体及び被覆剤を一緒に混合し乾燥する方法。
(2) 被担持物質及び微細粒状体を混合し、さらに被覆剤を加えて混合し乾燥するか、微細粒状体及び被覆剤を混合し、さらに被担持物質を加えて混合し乾燥するか、或いは被担持物質及び被覆剤を混合し、さらに微細粒状体を加えて混合し乾燥する方法。
(3) 被担持物質を有機溶剤に溶解し、その溶液を微細粒状体と混合し、有機溶剤を留去した後、さらに被覆剤を混合し乾燥するか、或いは被担持物質を有機溶剤に溶解し、その溶液を微細粒状体及び被覆剤と混合し、有機溶剤を留去した後、さらに被覆剤を乾燥する方法。
(4) 被担持物質を水及び水溶性媒体に溶解又は分散した溶液を微細粒状体と混合し乾燥した後、さらに被覆剤を混合し乾燥するか、或いは被担持物質を水及び水溶性媒体に溶解又は分散した溶液を微細粒状体及び被覆剤と混合し乾燥する方法。
【0037】
ここで、原材料の混合は通常の方法に従って行うことができ、例えば、1つの容器内で液体物質と固体物質を混合する;1つの容器内で固体物質と固体物質とを混合する;1つの容器内で液体物質を固体物質に噴霧し、混合する等の方法を挙げることができる。
【0038】
また、乾燥は通常の方法に従い、例えば、常温乾燥又は加熱乾燥により行うことができ、加熱乾燥の際の温度としては、被担持物質が変性したり分解したりすることのない温度、例えば、約40〜120℃の範囲内の温度を用いることが好ましい。
【0039】
さらに、有機溶媒の留去は通常の方法によって行うことができ、例えば、減圧留去、加熱留去、減圧加熱留去等を挙げることができる。
【0040】
被担持物質を溶解するために使用される有機溶媒としては、その留去に際して安定に存在するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類;大豆油、綿実油等の植物油等を挙げることができ、これらの中でも、特に、ジクロロメタン、アセトン、メタノール等が好適である。
【0041】
被担持物質を溶解又は分散する際に使用される水溶性媒体としては、水に溶解又は分散するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロ−ス又はその塩、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、ゼラチン、カゼイン、ポリエチレングリコ−ル、ポリビニルピロリドン、グリセリン等が挙げられる。これらの水溶性媒体は、水100重量部に対して、通常0.1〜70重量部、好ましくは0.1〜60重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部の範囲内で使用することができる。
【0042】
徐放性微粒子含有製剤
本発明の徐放性微粒子は、各種の剤型に製剤化することができ、得られる徐放性微粒子
含有製剤は、徐放性微粒子に含まれる被担持物質の種類に応じて、例えば、農薬(有害生物防除剤を含む)、肥料、塗装剤、洗浄剤、芳香剤、触媒、制御剤、抗菌剤等として使用することができる。
【0043】
製剤は少なくとも1種の徐放性微粒子を含有することができ、例えば、所期の被担持物質を担持させた複数の徐放性微粒子を製剤成分として製剤中に含有させることにより、各々の被担持物質の効力を1つの製剤を用いて同時に発揮させるようにすることができる。
【0044】
ここで本発明の徐放性微粒子を少なくとも1種含有する製剤を徐放性微粒子含有製剤といい、使用目的に応じて各種の剤型とすることができ、例えば、粒剤、顆粒粒剤、固形剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、乳濁剤、液剤、乳剤、油剤等が挙げられる。その中で、粒剤及び固形剤が好適である。なお、本明細書において、粒剤の形態の徐放性微粒子含有製剤を徐放性微粒子含有粒剤という。
【0045】
本発明の徐放性微粒子含有製剤は、成分として、本発明の徐放性微粒子を少なくとも2種含有することにより、複数の被担持物質の効力を1つの製剤で発揮させるようにすることができ、例えば、それぞれ所望の溶出速度で放出されるように溶出制御された、水溶解度が互いに異なる複数の被担持物質を含有させることにより、複数の被担持物質がそれぞれ所望の溶出速度で溶出する徐放性微粒子含有製剤を得ることができる。
【0046】
本発明の徐放性微粒子含有製剤には、徐放性微粒子の他に、界面活性剤、粘結剤、担体等の各種製剤用添加剤を含有せしめることにより、徐放性微粒子から放出される被担持物質を周辺に留めることなく、水中での拡散を促進することができ、さらに、被担持物質が不安定な場合等には、必要に応じて、例えば、pH調整剤、酸化防止剤、光安定剤、乾燥剤等の安定剤を含有せしめることもできる。
【0047】
本発明の徐放性微粒子含有製剤における徐放性微粒子の含有割合は、徐放性微粒子中の被担持物質の種類等により大きく異なるが、徐放性微粒子含有製剤の重量を基準にして、一般に0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜40重量%の範囲内であることができる。
【0048】
本発明の徐放性微粒子含有製剤に用いることができる界面活性剤としては、粒に湿潤性や崩壊性を付与し、あるいは被担持物質の水中への懸濁・分散・拡散を促し、さらに粉末原料の造粒性を向上させる等の目的に使用できるものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホサクシネ−ト、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩、リグニンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルカンジオール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホスフェート塩、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルホスフェート塩、脂肪酸塩、ポリカルボン酸金属塩、ジイソブチレン−マレイン酸共重合体塩、イソブチレン−マレイン酸共重合体塩、スチレン−マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンスチルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンスチルフェニルエ−テルポリマー、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックホリマー、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン界面活性;ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルサル
フェートアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩等のノニオニックアニオン型界面活性剤;シリコ−ン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0049】
これらの界面活性剤はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合割合は、徐放性微粒子含有製剤の重量を基準にして、一般に0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%の範囲内とすることができる。
【0050】
本発明の徐放性微粒子含有製剤に用いることができる粘結剤としては、各種の粉末原料をその製剤に調製する際、その製剤に十分な結合力を与えると同時に、被担持物質を微細粒状体に適度に結合させる能力を有するものであればよく、一般に各種製剤用粘結剤を制限なく使用することができる。
【0051】
粘結剤としては、具体的には、例えば、澱粉、デキストリン、セルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス又はその塩、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコ−ルエステル、グァ−ガム、ロ−カストビ−ンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコ−ル、エチレン・プロピレンブロックポリマ−、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0052】
これらの粘結剤はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合割合は、徐放性微粒子含有製剤の重量を基準にして、一般に0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜10重量%の範囲内であることができる。
【0053】
本発明の徐放性微粒子含有製剤において用いることができる担体としては、一般に製剤のキャリヤーとして用いられるものであれば特に制限されることなく使用することができ、具体的には、例えば、無機担体として、クレ−、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ジ−クライト、セリサイト、酸性白土、珪石、珪藻土、軽石、ゼオライト、バ−ミキュライト、ホワイトカ−ボン、パ−ライト、アタパルジャイト等;有機担体として、オクテニルコハク酸デンプンエステル、グルコ−ス、マルト−ス、シュ−クロ−ス、ラクト−ス等が挙げられる。水溶性担体としては、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、塩化カリウム、尿素、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖等が挙げられ、また、水浮遊性担体として、例えば、発泡パーライト、発泡軽石、焼成バーミキュライト等の鉱物性物質;コルク、木粉、セルロース、ケナフ等の植物性物質;発泡ポリスチロール粉粒体、塩化ビニル樹脂粉末等の合成樹脂粉粒体;マイクロスフェアー等のプラスチック中空体等を使用することもできる。
【0054】
これらの担体はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合割合は、徐放性微粒子含有製剤の重量を基準にして、一般に0.1〜95重量%、好ましくは1〜90重量%、さらに好ましくは10〜90重量%の範囲内であることができる。
【0055】
被担持物質として農薬活性成分を用いた本発明の徐放性微粒子含有製剤は、樹木、花卉、庭、畑地、果樹園、水田等に生息する有害生物を防除するために使用することができ、
特に、水田に生息する有害生物を防除するために及び植物の成長を調節するために使用することができる。ここで有害生物としては、望ましくない有害生物及び迷惑をかける有害生物、例えば、雑草、植物、昆虫、ダニ、節足動物、線虫、細菌、糸状菌(カビ)、ウイルス等が挙げられる。
【0056】
粒剤の形態の本発明の徐放性微粒子含有製剤、すなわち徐放性微粒子含有粒剤は、上記で述べた各成分を薬剤の製剤化において通常用いられる造粒法に従って加工することにより製造することができ、造粒法としては、例えば、押し出し造粒法、転動造粒法、転動流動造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法、攪拌混合造粒法、被覆造粒法、打錠法等を挙げられるが、一般には、押し出し造粒法が好ましく、具体的には、例えば、次のようにして造粒することができる。
【0057】
徐放性微粒子、界面活性剤、粘結剤、担体及び安定剤を混合し、その混合物を加水混練し、押し出し穴径(スクリーン径)0.5mm〜10mmの範囲内に調整された押し出し造粒機にて造粒する。得られる粒をマルメライザー等で整粒後、乾燥させ、篩い分けすることにより徐放性微粒子含有粒剤を得ることができる。
【0058】
上記造粒法で得られる本発明の徐放性微粒子含有粒剤は、通常0.5〜10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mmの範囲内の平均粒径を有することができる。
【0059】
本発明の徐放性微粒子含有粒剤は、また、必要に応じ、水溶性フィルムに分包することにより直接水田に施用することができる水田投げ込み用分包とすることもできる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、実施例においては、微細粒状体として、発泡シラスであるマールライト732C(商品名、丸中白土株式会社製、平均粒径45μm、浮水率73%及び吸水率112%)を用いた。
【0061】
実施例1
ピラクロニル16重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)64.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子11.3重量%に、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:新耕商事株式会社製)75.9重量%を混合容器に秤り込み、万能混合機で5分間混合し、この混合物100重量%に対して水22重量%を添加した後、更に5分間混練する。この混練物を1.0mm径のスクリ−ンを付けた押し出し造粒機(ドーム型:ダルトン社製)で造粒し、整粒後の粒を乾燥し、得られた粒を篩い分け(2.38〜0.21mm)して徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0062】
実施例2
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:
商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0063】
実施例3
ピラクロニル12重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)48.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)40重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子15.0重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)72.2重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0064】
実施例4
ピラクロニル16重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)64.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−40N:商品名、DIC株式会社製)20重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子11.3重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)75.9重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0065】
実施例5
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−40N:商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0066】
実施例6
ピラクロニル12重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(
マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)48.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−40N:商品名、DIC株式会社製)40重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子15.0重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)72.2重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0067】
実施例7
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にアクリル酸エステル樹脂(ボンコートAB−901:商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0068】
実施例8
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にアクリル酸エステル樹脂(ボンコートAB−886:商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0069】
実施例9
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にブタジエン−スチレン共重合物樹脂(ラックスター7310−K:商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0070】
実施例10
ピラクロニル14重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)56.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にエポキシ樹脂(ディックファインEN0274:商品名、DIC株式会社製)30重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子12.9重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)74.3重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0071】
実施例11
ピラクロニル40重量%、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルサルホスフェートアミン塩5.0重量%、シリコーンエマルジョン0.3重量%、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン0.2重量%及び水34.5重量%をスリーワンモータ(新東科学社製)で混合し、この混合溶液を粉砕用メディアとして直径1.0〜1.41mmのガラスビーズを用い、ダイノーミル(商品名、シンマルエンタープライゼス社製)にて湿式粉砕する。この粉砕物にキサンタンガムの2%水溶液15.0重量%及びプロピレングリコール5重量%を加えて、スリーワンモータ(新東科学社製)で均一混合し、ピラクロニルの懸濁液を得る。得られた懸濁液35重量%を微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)45.0重量%を添加混合した後、70℃で乾燥し、さらに、得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%を添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子10.7重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)76.5重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0072】
実施例12
モリネート(25℃、液体)30重量%に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)50.0重量%を添加混合する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%添加混合後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られたモリネートを含む徐放性微粒子26.7重量%、実施例1に記載のピラクロニルを含む徐放性微粒子11.3重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)49.2重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0073】
実施例13
ピラクロニル16重量%、微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)64.0重量%、ポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%を添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子11.3重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレック
スNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:新耕商事株式会社製)75.9重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0074】
実施例14
ピラクロニル16重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)64.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子11.3重量%、ポリビニルアルコールに替えてカルボキシメチルセルロ−スナトリウム塩(セロゲン7A:商品名、第一工業製薬株式会社製)2.5重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)75.9重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0075】
実施例15
ピラクロニル59.5重量%に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)25.5重量%を添加混合した後、混合物にポリウレタン樹脂(スーパフレックス420:商品名、第一工業製薬株式会社製)15重量%を添加混合し、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子3.36重量%、ポリカルボン酸ナトリウム(シャロールAN103P:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.8重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩(ネオコールYSK:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.35重量%、ベントナイト(クニゲルV1:商品名、クニミネ工業株式会社製)30重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)65.49重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0076】
実施例16
ピラクロニル51.0重量%に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)34.0重量%を添加混合した後、混合物にポリウレタン樹脂(スーパフレックス420:商品名、第一工業製薬株式会社製)15重量%を添加混合し、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子3.92重量%、ポリカルボン酸ナトリウム(シャロールAN103P:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.8重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩(ネオコールYSK:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.35重量%、ベントナイト(クニゲルV1:商品名、クニミネ工業株式会社製)30重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)64.93重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0077】
実施例17
ピラクロニル42.5重量%に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)42.5重量%を添加混合した後、混合物にポリウレタン樹脂(スーパフレックス420:商品名、第一工業製薬株式会社製)15重量%添加混合し、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子4.71重量%、ポリカルボン酸ナトリウム(シャロールAN103P:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.8重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩(ネオコールYSK:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.35重量%、ベントナイト(クニゲルV1:商品名、クニミネ工業株式会社製)30重量%及び炭
酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)64.14重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0078】
実施例18
ピラクロニル59.5重量%に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)25.5重量%を添加混合した後、混合物にポリウレタン樹脂(スーパフレックス650:商品名、第一工業製薬株式会社製)15重量%添加混合し、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子3.36重量%、ポリカルボン酸ナトリウム(シャロールAN103P:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.8重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩(ネオコールYSK:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.35重量%、ベントナイト(クニゲルV1:商品名、クニミネ工業株式会社製)30重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)65.49重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0079】
実施例19
ピラクロニル47.6重量%と炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)11.9重量%を均一に混合し、その混合物に微細中空球状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)25.5重量%を添加混合する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(スーパフレックス420:商品名、第一工業製薬株式会社製)15重量%を添加混合した後、70℃で乾燥し、徐放性微粒子を得る。
得られた徐放性微粒子4.20重量%、ポリカルボン酸ナトリウム(シャロールAN103P:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.8重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩(ネオコールYSK:商品名、第一工業製薬株式会社製)0.35重量%、ベントナイト(クニゲルV1:商品名、クニミネ工業株式会社製)30重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)64.65重量%を用い、実施例1と同様の方法で徐放性微粒子含有粒剤を得る。
【0080】
比較例1
ピラクロニル16重量%にメタノール200重量%を添加溶解する。次に微細粒状体(マールライト732C:商品名、丸中白土株式会社製)84.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去し、比較微粒子を得る。
得られた比較微粒子11.3重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)75.9重量%を用い、実施例1と同様の方法で比較粒剤を得る。
【0081】
比較例2
ピラクロニル16重量%にメタノール280重量%を添加溶解する。次に平均粒径8.1μm、浮水率0%及び吸水率250%の多孔質シリカ(カープレックス#80:商品名、EVONIK社製)64.0重量%を添加混合した後、メタノールを減圧留去する。得られた混合物にポリウレタン樹脂(ハイドランAP−70:商品名、DIC株式会社製)20重量%添加混合後、70℃で乾燥し、比較微粒子を得る。
得られた比較微粒子11.3重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)75.9重量%を用い、実施例1と同様
の方法で比較粒剤を得る。
【0082】
比較例3
ピラクロニル1.8重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)85.4重量%を混合容器に秤り込み、万能混合機で5分間混合し、この混合物100重量%に対して水15重量%を添加した後、更に5分間混練する。この混練物を1.0mm径のスクリ−ンを付けた押し出し造粒機(ドーム型:ダルトン社製)で造粒し、整粒後の粒を乾燥し、得られた粒を篩い分け(2.38〜0.21mm)して比較粒剤を得る。
【0083】
比較例4
アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6F:商品名、花王株式会社製)0.3重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセーノールGL−05S:商品名、日本合成化学工業株式会社製)2.5重量%、ベントナイト(クニゲルV2:商品名、クニミネ工業株式会社製)10.0重量%及び炭酸カルシウム(O−430:商品名、新耕商事株式会社製)79.2重量%を混合容器に秤り込み、万能混合機で5分間混合し、この混合物92重量%に対して水15重量%を添加した後、更に5分間混練する。この混練物を1.0mm径のスクリ−ンを付けた押し出し造粒機(ドーム型:ダルトン社製)で造粒し、整粒後の粒を乾燥し、得られた粒を篩い分け(2.38〜0.21mm)して得られた粒剤92重量%に対してモリネート原体8重量%を添加吸油することによって、比較粒剤を得る。
【0084】
試験例1
実施例1、4、11、13及び15〜18の徐放性微粒子並びに比較例1及び2の比較微粒子について、以下の試験を行った。
【0085】
[徐放性微粒子の水中溶出性試験]
500mlビーカーに20℃3度硬水250mlを入れ、上記で調製した徐放性微粒子又は比較微粒子20mgを処理する。24時間後にビーカー中央部から1ml採水する。また、同ビーカーを超音波発生器で農薬活性成分を十分に分散させ1ml採水する。これらの試料中の農薬活性成分濃度を液体クロマトグラフィーで測定し、得られた測定値から下記の式に従って水中溶出率を算出する。その結果を表1に示す。

水中溶出率(%)=(Ct/Cx)×100

Ct:散布24時間後の農薬活性成分濃度。
Cx:ビーカーごと超音波発生器(アイワ医科工業株式会社製、発振出力220W
)で十分に分散させた農薬活性成分濃度。
【0086】
なお、この超音波発生器を用いて、各微粒子を強制的に3分間分散させたところ、すべて水中溶出率は100%であった。
【0087】
【表1】

【0088】
上記表1に示すとおり、実施例1、4、11、13及び15〜18で調製した本発明の徐放性微粒子は、比較例1及び2の比較微粒子に比べて、農薬活性成分の水中への溶出量を制御する能力が高いことが認められた。
【0089】
試験例2
実施例1〜19の徐放性微粒子含有粒剤ならびに比較例1〜4の比較粒剤について以下の試験を行った。
【0090】
[徐放性微粒子含有粒剤の水中溶出性試験]
徐放性微粒子含有粒剤の水中溶出率は、試験例1と同様の方法で求めたが、採水は24時間及び72時間後に行い、また、超音波発生器を用いて十分に分散させた時間は72時間後で行った。その結果を下記表2に示す。
【0091】
なお、この超音波発生器を用いて、各微粒子含有粒剤を強制的に3分間分散させたところ、すべて水中溶出率は100%であった。
【0092】
【表2】

【0093】
上記表2に示すとおり、実施例1〜19で調製した本発明の徐放性微粒子含有粒剤は、比較例1〜4の比較粒剤に比べて、農薬活性成分の水中への溶出量を制御する能力が高いことが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被担持物質、微細粒状体及び被覆剤を含有する徐放性微粒子であって、微細粒状体が20〜300μmの範囲内の平均粒径を有することを特徴とする徐放性微粒子。
【請求項2】
徐放性微粒子の重量を基準に対して、被担持物質 0.1〜95重量%、微細粒状体 0.1〜90重量%、及び被覆剤 0.1〜60重量%を含有する請求項1に記載の徐放性微粒子。
【請求項3】
微細粒状体が20〜95%の浮水率及び10〜170%の吸水率を有する請求項1又は2に記載の徐放性微粒子。
【請求項4】
微細粒状体が中空構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の徐放性微粒子。
【請求項5】
微細粒状体が微細中空ガラス球状体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放性微粒子。
【請求項6】
微細粒状体が発泡パーライト、発泡ガラス、フライアッシュ及び中空マイクロバルーンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放性微粒子。
【請求項7】
微細粒状体が20〜150μmの範囲内の平均粒径を有する請求項1に記載の徐放性微粒子。
【請求項8】
微細粒状体が20〜80μmの範囲内の平均粒径を有する請求項1に記載の徐放性微粒子。
【請求項9】
被担持物質が農薬活性成分、色素、香料、機能性物質、医薬、肥料成分、酵素及び生理活性物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載の徐放性微粒子。
【請求項10】
被担持物質が農薬活性成分である請求項9に記載の徐放性微粒子。
【請求項11】
被覆剤が高級飽和脂肪酸、ワックス、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれか1項に記載の徐放性微粒子。
【請求項12】
被覆剤が熱硬化性ポリウレタン樹脂である請求項11に記載の徐放性微粒子。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種の徐放性微粒子を含有する徐放性微粒子含有製剤。
【請求項14】
粒剤、顆粒粒剤、固形剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、乳濁剤、液剤、乳剤又は油剤のいずれかの形態である請求項13に記載の徐放性微粒子含有製剤。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の徐放性微粒子含有製剤を農薬、肥料、塗装剤、洗浄剤、芳香剤、触媒、制御剤及び抗菌剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種として使用する徐放性微粒子含有製剤。
【請求項16】
粒径が0.5mm〜10mmの粒剤である請求項14に記載の徐放性微粒子含有製剤。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の徐放性微粒子、界面活性剤、粘結剤及び担体を含有する請求項16に記載の粒剤。
【請求項18】
被担持物質、微細粒状体及び被覆剤を混合し乾燥することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の徐放性微粒子の製造方法。
【請求項19】
被担持物質及び微細粒状体を混合し、さらに被覆剤を加えて混合し乾燥するか、微細粒状体及び被覆剤を混合し、さらに被担持物質を加えて混合し乾燥するか、或いは被担持物質及び被覆剤を混合し、さらに微細粒状体を加えて混合し乾燥することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の徐放性微粒子の製造方法。
【請求項20】
被担持物質を有機溶剤に溶解し、その溶液を微細粒状体と混合し、有機溶剤を留去した後、さらに被覆剤を混合し乾燥するか、或いは被担持物質を有機溶剤に溶解し、その溶液を微細粒状体及び被覆剤と混合し、有機溶剤を留去した後、さらに被覆剤を乾燥することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の徐放性微粒子の製造方法。
【請求項21】
被担持物質を水及び水溶性媒体に溶解又は分散した溶液を微細粒状体と混合し乾燥した後、さらに被覆剤を混合し乾燥するか、或いは、被担持物質を水及び水溶性媒体に溶解又は分散した溶液を微細粒状体及び被覆剤と混合し乾燥することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の徐放性微粒子の製造方法。

【公開番号】特開2012−36182(P2012−36182A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155835(P2011−155835)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000234890)協友アグリ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】