説明

微生物防除剤

【課題】従来の微生物防除剤に対して薬剤耐性を有する微生物を含む、種々の微生物に対して優れた防除効果を有する微生物防除剤を提供すること。
【解決手段】微生物防除剤は、一般式(1)で示されるイミダゾリウム塩誘導体を含有する。


(式中、R1、R2およびR3は、各々独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基等を示し、R4は、炭素数1から28のアルキル基等を示し、R5およびR6は、各々独立に炭素数1から12のアルキル基等を示す。また、R5およびR6は、結合する窒素原子と一体となって複素環を形成してもよい。X−は、ハロゲン化物イオン、PF6−等を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物防除剤、詳しくは、各種産業に用いられる微生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などで用いられる種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、木材、建材、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地材、消臭剤、繊維、皮革製品、フィルターなどの種々の産業製品には、細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌、藻類などの有害な微生物が繁殖しやすく、また、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因ともなっている。
【0003】
そして、このような微生物の繁殖を防除するために、微生物防除効果を発現する微生物防除剤を種々の産業用水や産業製品に配合することが知られている。
【0004】
例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート(ベンズイミダゾール化合物)が知られている。(例えば、下記非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】The Pesticide Manual Twelfth Edition (British Crop Protection Council),p135-136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1を含む微生物防除剤には、耐性を示す微生物が多種存在し、十分な微生物防除性能を発揮できないことがある。従って、より広範囲の微生物に対して防除性能を有する微生物防除剤の開発が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、従来の微生物防除剤に対する耐性菌を含む、種々の微生物に対して優れた防除効果を有する微生物防除剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討したところ、特定のイミダゾリウム塩誘導体が優れた微生物防除効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1)で示されるイミダゾリウム塩誘導体を含有することを特徴とする、微生物防除剤、
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、炭素数1から6のアルキルチオ基、フェニル基、または、ピリジル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、フェニル基、ピリジル基、シアノ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、または、ホルミル基を示し、これらの基(シアノ基およびホルミル基を除く)は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。Rは、炭素数1から28のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から28のアルケニル基、炭素数3から28のアルキニル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。また、RおよびRは、結合する窒素原子と一体となって複素環を形成してもよい。Xは、ハロゲン化物イオン、PF、BF、NO、CHCO、CFCO、CCO、CHSO、CSO、CFSO、CSO、4−CF−CSO、4−NO−CSO、CBFまたは(CN)を示す。)
(2)一般式(1)中、Rは、炭素数10から15のアルキル基であることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
(3)さらに、イソチアゾリン化合物、ベンゾイソチアゾリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、ハロアセチレン化合物、テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物およびピリチオン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の微生物防除剤
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の微生物防除剤は、特定のイミダゾリウム塩誘導体を含有するので、従来の微生物防除剤に対する耐性菌を含む細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌、藻類などの微生物に対して優れた防除効果を発現することができる。
【0013】
そのため、本発明の微生物防除剤を種々の産業用水や産業製品に配合すれば、それらに優れた微生物防除効果を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の微生物防除剤は、下記一般式(1)で示されるイミダゾリウム塩誘導体を有効成分として含有するものである。
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、炭素数1から6のアルキルチオ基、フェニル基、または、ピリジル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、フェニル基、ピリジル基、シアノ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、または、ホルミル基を示し、これらの基(シアノ基およびホルミル基を除く)は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。Rは、炭素数1から28のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から28のアルケニル基、炭素数3から28のアルキニル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。また、RおよびRは、結合する窒素原子と一体となって複素環を形成してもよい。Xは、ハロゲン化物イオン、PF、BF、NO、CHCO、CFCO、CCO、CHSO、CSO、CFSO、CSO、4−CF−CSO、4−NO−CSO、CBFまたは(CN)を示す。)
、R、R、RおよびRで示される炭素数1から12のアルキル基は、直鎖状,分枝状または環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
【0017】
また、Rで示される炭素数1から12のアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示される炭素数1から12のアルキル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよく、RまたはRである場合、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0018】
、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換された炭素数1から12のアルキル基としては、例えば、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パ−フルオロブチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、12−ヒドロキシドデシル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、5−クロロペンチル基、6−クロロヘキシル基、12−クロロドデシル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−プロモプロピル基、4−ブロモブチル基、5−ブロモペンチル基、6−ブロモヘキシル基、フルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロブチル基、4−フルオロペンチル基、4−フルオロヘキシル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、5−ヨードペンチル基、6−ヨードヘキシル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、5−シアノペンチル基、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル基、tert−ブトキシカルボニルアミノメチル基、2−(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)エチル基などが挙げられる。
【0019】
一般式(1)におけるR、R、R、RおよびRで示される炭素数1から12のアルキル基としては、好ましくは、それぞれ炭素数1から6のアルキル基が挙げられる。
【0020】
、R、R、R、RおよびRで示される炭素数7から13のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェネチル基、2−メチルベンジル基、2−(3−メチルフェニル)エチル基、4−フェニルベンジル基などが挙げられる。
【0021】
また、Rで示される炭素数7から13のアラルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示される炭素数7から13のアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよく、RおよびRで示される炭素数7から13のアラルキル基は、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0022】
、R、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換された炭素数7から13のアラルキル基としては、例えば、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2−(2−クロロフェニル)エチル基、2−(3−クロロフェニル)エチル基、1−(4−クロロフェニル)エチル基、2−ブロモベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、1−(2−ブロモフェニル)エチル基、1−(3−ブロモフェニル)エチル基、2−(4−ブロモフェニル)エチル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、1−(2−フルオロフェニル)エチル基、1−(3−フルオロフェニル)エチル基、2−(4−フルオロフェニル)エチル基などが挙げられる。
【0023】
、RおよびRで示される炭素数3から12のアルケニル基としては、例えば、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ドデセニル基、3−ドデセニル基、4−ドデセニル基、5−ドデセニル基、6−ドデセニル基、7−ドデセニル基、8−ドデセニル基、9−ドデセニル基、10−ドデセニル基、2−ウンデセニル基、3−ウンデセニル基、4−ウンデセニル基、5−ウンデセニル基、6−ウンデセニル基、7−ウンデセニル基、8−ウンデセニル基、9−ウンデセニル基、10−ウンデセニル基などが挙げられる。
【0024】
また、これらのRで示される炭素数3から12のアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示される炭素数7から13のアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。
【0025】
、RおよびRで示される、置換基で置換された炭素数3から12のアルケニル基としては、例えば、5−クロロ−3−ヘキセニル基、8−クロロ−4−オクテニル基、4−ブロモ−2−ブテニル基、3−フルオロ−2−ブテニル基、6−フルオロ−2−ヘキセニル基、8−フルオロ−4−オクテニル基、3−ブロモ−2−ブテニル基、1−ヒドロキシ−3−ブテニル基、1−ヒドロキシ−3−ヘキセニル基、1−ヒドロキシ−3−ドデセニル基、3,3−ジクロロアリル基、3,3−ジブロモアリル基などが挙げられる。
【0026】
、RおよびRで示される炭素数3から12のアルキニル基としては、例えば、2−プロピニル基、3−へキシニル基、5−デシニル基、11−ドデシニル基などが挙げられる。
【0027】
また、Rで示される炭素数3から12のアルキニル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示される炭素数7から13のアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。
【0028】
、RおよびRで示される、置換基で置換された炭素数3から12のアルキニル基としては、例えば、1−フルオロー3−ブチニル基、1−ヒドロキシ−3−ブチニル基、1−ヒドロキシ−5−へキシニル基、1−ヒドロキシ−2−オクチニル基、1−ヒドロキシ−9−ドデシニル基などが挙げられる。
【0029】
で示されるフェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示されるフェニル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよく、Rで示されるフェニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよく、RまたはRで示されるフェニル基は、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0030】
、R、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−(tert−ブチル)フェニル基、3−(tert−ブチル)フェニル基、4−(tert−ブチル)フェニル基、2−ドデカノイルアミノフェニル基、3−ドデカノイルアミノフェニル基、4−ドデカノイルアミノフェニル基、2−プロピオニルアミノフェニル基、3−プロピオニルアミノフェニル基、4−プロピオニルアミノフェニル基、2−トリデカノイルアミノフェニル基、3−トリデカノイルアミノフェニル基、4−トリデカノイルアミノフェニル基、2−テトラデカノイルアミノフェニル基、3−テトラデカノイルアミノフェニル基、4−テトラデカノイルアミノフェニル基、2−(11−フルオロデカノイルアミノ)フェニル基、3−(11−フルオロデカノイルアミノ)フェニル基、4−(11−フルオロデカノイルアミノ)フェニル基、2−(3−フルオロプロピオニルアミノ)フェニル基、3−(3−フルオロプロピオニルアミノ)フェニル基、4−(3−フルオロプロピオニルアミノ)フェニル基、2−(10−フルオロドデカノイルアミノ)フェニル基、3−(10−フルオロドデカノイルアミノ)フェニル基、4−(10−フルオロドデカノイルアミノ)フェニル基などが挙げられる。
【0031】
また、R、R、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−(11−クロロウンデカノイルアミノ)フェニル基、3−(11−クロロウンデカノイルアミノ)フェニル基、4−(11−クロロウンデカノイルアミノ)フェニル基、2(3−クロロプロピオニルアミノ)フェニル基、3−(3−クロロプロピオニルアミノ)フェニル基、4−(3−クロロプロピオニルアミノ)フェニル基、2−(10−クロロドデカノイルアミノ)フェニル基、3−(10−クロロドデカノイルアミノ)フェニル基、4−(10−クロロドデカノイルアミノ)フェニル基、2−(11−ブロモウンデカノイルアミノ)フェニル基、3−(11−ブロモウンデカノイルアミノ)フェニル基、4−(11−ブロモウンデカノイルアミノ)フェニル基、2−(3−ブロモプロピオニルアミノ)フェニル基、3−(3−ブロモプロピオニルアミノ)フェニル基、4−(3−ブロモプロピオニルアミノ)フェニル基、2−(10−ブロモドデカノイルアミノ)フェニル基、3−(10−ブロモドデカノイルアミノ)フェニル基、4−(10−ブロモドデカノイルアミノ)フェニル基、2−(11−ヨードウンデカノイルアミノ)フェニル基、3−(11−ヨードウンデカノイルアミノ)フェニル基、4−(11−ヨードウンデカノイルアミノ)フェニル基、2−(3−ヨードプロピオニルアミノ)フェニル基、3−(3−ヨードプロピオニルアミノ)フェニル基、4−(3−ヨードプロピオニルアミノ)フェニル基、2−(10−ヨードドデカノイルアミノ)フェニル基、3−(10−ヨードドデカノイルアミノ)フェニル基、4−(10−ヨードドデカノイルアミノ)フェニル基などが挙げられる。
【0032】
また、R、R、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、4−(3−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(2−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(4−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(3−メチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、4−(2−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、4−(3−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、4−(4−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(4−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−メチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−メチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(4−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(4−メチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−メチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(4−メチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基などが挙げられる。
【0033】
また、R、R、R、R、RおよびRで示される、置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、3−(2−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(4−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(3−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、3−(4−エチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(4−エチルシクロへキシルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−エチルシクロペンタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−エチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(3−エチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、2−(4−エチルシクロへプタンカルボニルアミノ)フェニル基、4−(1−アダマンチルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(1−アダマンチルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(1−アダマンチルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(2−ピリジルカルボニルアミノ)フェニル基、3−(2−ピリジルカルボニルアミノ)フェニル基、2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(3−ピリジルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(4−ピリジルカルボニルアミノ)フェニル基などが挙げられる。
【0034】
、RおよびRで示される置換されていてもよいピリジル基としては、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、4−メトキシピリジン−2−イル基、2−クロロピリジン−5−イル基などが挙げられる。
【0035】
、RおよびXで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0036】
およびRで示される炭素数1から6のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0037】
、RおよびRで示される炭素数1から6のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基などが挙げられる。Rで示される炭素数1から6のアルキルチオ基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよく、RまたはRで示される炭素数1から12のアルキル基は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。
【0038】
、RおよびRで示される、置換基で置換された炭素数1から6のアルキルチオ基としては、例えば、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ基、2−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)エチルチオ基、tert−ブトキシカルボニルアミノメチルチオ基、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。
【0039】
で示される炭素数1から28のアルキル基は、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などの炭素数1から28の直鎖状のアルキル基、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、2−へキシル基、3−へキシル基、3−ペンチルドデシル基、4−ペンチルドデシル基、5−ペンチルドデシル基、6−ペンチルドデシル基、7−ペンチルドデシル基,3−ブチルドデシル基、4−ブチルドデシル基、5−ブチルドデシル基、6−ブチルドデシル基、3−ブチルへキシル基、4−ブチルへキシル基、5−ブチルへキシル基、6−ブチルヘキシル基などの炭素数3から28の分岐状のアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロへプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基などの炭素数3から28の環状のアルキル基などが挙げられる。
【0040】
で示される炭素数1から28のアルキル基としては、好ましくは、直鎖状のアルキル基が挙げられ、また、好ましくは、炭素数8から15のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、炭素数10から14のアルキル基が挙げられる。
【0041】
また、これらの炭素数1から28のアルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。
【0042】
で示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)プロピル基、2−(2−エトキシエトキシ)ブチル基、2−(2−エトキシエトキシ)ドデシル基、2−エトキシ−2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル基、2−{2−[2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ基、2−[2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ基、2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ基、2−ベンジルオキシエトキシ基、3−(オクタノイルアミノ)エチル基、3−(オクタノイルアミノ)プロピル基、3−(オクタノイルアミノ)ブチル基、3−(オクタノイルアミノ)ペンチル基、3−(4−シアノベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(3−シアノべンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2−シアノベンゾイルアミノ)プロピル基、(4−シアノベンゾイルアミノ)メチル基、(3−シアノベンゾイルアミノ)メチル基、(2−シアノベンゾイルアミノ)メチル基、2−(4−シアノベンゾイルアミノ)エチル基、2−(3−シアノベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2−シアノベンゾイルアミノ)エチル基、4−(4−シアノベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(3−シアノベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2−シアノベンゾイルアミノ)ブチル基、5−(4−シアノベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(3−シアノベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2−シアノベンゾイルアミノ)ペンチル基、3−(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,4−ジブロモベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,3−ジブロモベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,5−ジブロモベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,6−ジブロモベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,3−ジフルオロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,5−ジフルオロベンゾイルアミノ)プロピル基、3−(2,6−ジフルオロベンゾイルアミノ)プロピル基などが挙げられる。
【0043】
また、Rで示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,4−ジブロモベンゾイルアミノ)メチル基、(2,3−ジブロモベンゾイルアミノ)メチル基、(2,5−ジブロモベンゾイルアミノ)メチル基、(2,6−ジブロモベンゾイルアミノ)メチル基、(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,3−ジフルオロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,5−ジフルオロベンゾイルアミノ)メチル基、(2,6−ジフルオロベンゾイルアミノ)メチル基、2−(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,4−ジブロモベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,3−ジブロモベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,5−ジブロモベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,6−ジブロモベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,3−ジフルオロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,5−ジフルオロベンゾイルアミノ)エチル基、2−(2,6−ジフルオロベンゾイルアミノ)エチル基、4−(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,4−ジブロモベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,3−ジブロモベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,5−ジブロモベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,6−ジブロモベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,3−ジフルオロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,5−ジフルオロベンゾイルアミノ)ブチル基、4−(2,6−ジフルオロベンゾイルアミノ)ブチル基などが挙げられる。
【0044】
また、Rで示される、置換基で置換されたこれらの炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、5−(2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,4−ジブロモベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,3−ジブロモベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,5−ジブロモベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,6−ジブロモベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,3−ジフルオロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,5−ジフルオロベンゾイルアミノ)ペンチル基、5−(2,6−ジフルオロベンゾイルアミノ)ペンチル基、1−シアノドデシル基、2−シアノドデシル基、3−シアノドデシル基、4−シアノドデシル基、5−シアノドデシル基、6−シアノドデシル基、7−シアノドデシル基、8−シアノドデシル基、9−シアノドデシル基、10−シアノドデシル基、2−シアノウンデシル基、3−シアノウンデシル基、4−シアノウンデシル基、5−シアノウンデシル基、6−シアノウンデシル基、7−シアノウンデシル基、8−シアノウンデシル基、9−シアノウンデシル基、10−シアノウンデシル基、11−シアノウンデシル基、2−シアノトリデシル基、3−シアノトリデシル基、4−シアノトリデシル基、5−シアノトリデシル基、6−シアノトリデシル基、7−シアノトリデシル基、8−シアノトリデシル基、9−シアノトリデシル基、10−シアノトリデシル基、11−シアノトリデシル基、12−シアノトリデシル基、13−シアノトリデシル基などが挙げられる。
【0045】
また、Rで示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、ジメトキシホスホリルメチル基、2−(ジメトキシホスホリル)エチル、3−(ジメトキシホスホリル)プロピル基、4−(ジメトキシホスホリル)ブチル基、5−(ジメトキシホスホリル)ペンチル基、6−(ジメトキシホスホリル)へキシル基、7−(ジメトキシホスホリル)へプチル基、8−(ジメトキシホスホリル)オクチル基、9−(ジメトキシホスホリル)ノニル基、10−(ジメトキシホスホリル)デシル基、11−(ジメトキシホスホリル)ウンデシル基、12−(ジメトキシホスホリル)ドデシル基、13−(ジメトキシホスホリル)トリデシル基、14−(ジメトキシホスホリル)テトラデシル基、15−(ジメトキシホスホリル)ペンタデシル基、16−(ジメトキシホスホリル)ヘキサデシル基、(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)メチル基、2−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)エチル基、3−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)プロピル基、4−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ブチル基、5−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ペンチル基、6−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)へキシル基、7−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)へプチル基、8−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)オクチル基、9−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ノニル基、10−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)デシル基、11−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ウンデシル基、12−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ドデシル基、13−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)トリデシル基、14−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)テトラデシル基、15−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ペンタデシル基、16−(3−フェノキシベンジルオキシカルボニル)ヘキサデシル基などが挙げられる。
【0046】
また、Rで示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロドデシル基、7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロウンデシル基、10,10,11,11,12,12,13,13,13−ノナフルオロトリデシル基,11,11,12,12,12,13,13,14,14,14−ノナフルオロテトラデシル基,12,12,13,13,14,14,15,15,15−ノナフルオロペンタデシル基、13,13,14,14,15,15,16,16,16−ノナフルオロヘキサデシル基、14,14,15,15,16,16,17,17,17−ノナフルオロヘプタデシル基、15,15,16,16,17,17,18,18,18−ノナフルオロオクタデシル基、3−(4−トルエンスルホニルアミノ)プロピル基、3−(3−トルエンスルホニルアミノ)プロピル基、3−(2−トルエンスルホニルアミノ)プロピル基、3−(4−トルエンスルホニルアミノ)エチル基、3−(3−トルエンスルホニルアミノ)エチル基、2−(2−トルエンスルホニルアミノ)エチル基、3−(4−トルエンスルホニルアミノ)ブチル基、2−(3−トルエンスルホニルアミノ)ブチル基、3−(2−トルエンスルホニルアミノ)ブチル基、3−(4−トルエンスルホニルアミノ)ペンチル基、3−(3−トルエンスルホニルアミノ)ペンチル基、3−(2−トルエンスルホニルアミノ)ペンチル基、3−(4−トルエンスルホニルアミノ)へキシル基、3−(3−トルエンスルホニルアミノ)へキシル基、3−(2−トルエンスルホニルアミノ)へキシル基などが挙げられる。
【0047】
また、Rで示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシドデシル基、3−ヒドロキシドデシル基、4−ヒドロキシドデシル基、5−ヒドロキシドデシル基、6−ヒドロキシドデシル基、7−ヒドロキシドデシル基、8−ヒドロキシドデシル基、9−ヒドロキシドデシル基,10−ヒドロキシドデシル基、11−ヒドロキシドデシル基、12−ヒドロキシドデシル基、2−ヒドロキシウンデシル基、3−ヒドロキシウンデシル基、4−ヒドロキシウンデシル基、5−ヒドロキシウンデシル基、6−ヒドロキシウンデシル基、7−ヒドロキシウンデシル基、8−ヒドロキシウンデシル基、9−ヒドロキシウンデシル基、10−ヒドロキシウンデシル基、11−ヒドロキシウンデシル基、2−ヒドロキシトリデシル基、3−ヒドロキシトリデシル基、4−ヒドロキシトリデシル基、5−ヒドロキシトリデシル基、6−ヒドロキシトリデシル基、7−ヒドロキシトリデシル基、8−ヒドロキシトリデシル基、9−ヒドロキシトリデシル基、10−ヒドロキシトリデシル基、11−ヒドロキシトリデシル基、12−ヒドロキシトリデシル基、13−ヒドロキシトリデシル基などが挙げられる。
【0048】
また、Rで示される、置換基で置換されたこれらの炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、2−フルオロドデシル基、3−フルオロドデシル基、4−フルオロドデシル基、5−フルオロドデシル基、6−フルオロドデシル基、7−フルオロドデシル基、8−フルオロドデシル基、9−フルオロドデシル基、10−フルオロドデシル基、11−フルオロドデシル基、12−フルオロドデシル基、2−クロロドデシル基、3−クロロドデシル基、4−クロロドデシル基、5−クロロドデシル基、6−クロロドデシル基、7−クロロドデシル基、8−クロロドデシル基、9−クロロドデシル基、10−クロロドデシル基、11−クロロドデシル基、12−クロロドデシル基、2−ブロモドデシル基、3−ブロモドデシル基、4−ブロモドデシル基、5−ブロモドデシル基、6−ブロモドデシル基、7−ブロモドデシル基、8−ブロモドデシル基、9−ブロモドデシル基、10−ブロモドデシル基、11−ブロモドデシル基、12−ブロモドデシル基、2−ヨードドデシル基、3−ヨードドデシル基、4−ヨードドデシル基、5−ヨードドデシル基、6−ヨードドデシル基、7−ヨードドデシル基、8−ヨードドデシル基、9−ヨードドデシル基、10−ヨードドデシル基、11−ヨードドデシル基、12−ヨードドデシル基、2−フルオロウンデシル基、3−フルオロウンデシル基、4−フルオロウンデシル基、5−フルオロウンデシル基、6−フルオロウンデシル基、7−フルオロウンデシル基、8−フルオロウンデシル基、9−フルオロウンデシル基、10−フルオロウンデシル基、11−フルオロウンデシル基などが挙げられる。
【0049】
また、Rで示される、置換基で置換された炭素数1から28のアルキル基としては、例えば、2−クロロウンデシル基、3−クロロウンデシル基、4−クロロウンデシル基、5−クロロウンデシル基、6−クロロウンデシル基、7−クロロウンデシル基、8−クロロウンデシル基、9−クロロウンデシル基、10−クロロウンデシル基、11−クロロウンデシル基、2−ブロモウンデシル基、3−ブロモウンデシル基、4−ブロモウンデシル基、5−ブロモウンデシル基、6−ブロモウンデシル基、7−ブロモウンデシル基、8−ブロモウンデシル基、9−ブロモウンデシル基、10−ブロモウンデシル基、11−ブロモウンデシル基、2−ヨードウンデシル基、3−ヨードウンデシル基、4−ヨードウンデシル基、5−ヨードウンデシル基、6−ヨードウンデシル基、7−ヨードウンデシル基、8−ヨードウンデシル基、9−ヨードウンデシル基、10−ヨードウンデシル基、11−ヨードウンデシル基、2−フルオロトリデシル基、3−フルオロトリデシル基、4−フルオロトリデシル基,5−フルオロトリデシル基、6−フルオロトリデシル基、7−フルオロトリデシル基、8−フルオロトリデシル基、9−フルオロトリデシル基、10−フルオロトリデシル基、11−フルオロトリデシル基、12−フルオロトリデシル基、2−クロロトリデシル基、3−クロロトリデシル基、4−クロロトリデシル基、5−クロロトリデシル基、6−クロロトリデシル基、7−クロロトリデシル基、8−クロロトリデシル基、9−クロロトリデシル基、10−クロロトリデシル基、11−クロロトリデシル基、12−クロロトリデシル基、2−ブロモトリデシル基、3−ブロモトリデシル基、4−ブロモトリデシル基、5−ブロモトリデシル基、6−ブロモトリデシル基、7−ブロモトリデシル基、8−ブロモトリデシル基、9−ブロモトリデシル基、10−ブロモトリデシル基、11−ブロモトリデシル基、12−ブロモトリデシル基、2−ヨードトリデシル基、3−ヨードトリデシル基、4−ヨードトリデシル基、5−ヨードトリデシル基、6−ヨードトリデシル基、7−ヨードトリデシル基、8−ヨードトリデシル基,9−ヨードトリデシル基、10−ヨードトリデシル基、11−ヨードトリデシル基、12−ヨードトリデシル基などが挙げられる。
【0050】
で示される炭素数3から28のアルケニル基は、直鎖状または分枝状のいずれであってもよく、例えば、アリル基、2−ドデセニル基、3−ドデセニル基、4−ドデセニル基、5−ドデセニル基、6−ドデセニル基、2−へキセニル基、3−へキセニル基、4−へキセニル基、5−へキセニル基、2−オクタデセニル基、3−オクタデセニル基、4−オクタデセニル基、5−オクタデセニル基、6−オクタデセニル基、12−オクタデセニル基、15−オクタデセニル基などが挙げられる。また、これらの炭素数3から28のアルケニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。
【0051】
で示される、置換基で置換された炭素数3から28のアルケニル基としては、例えば、3−クロロアリル基、3−ブロモアリル基、3−フルオロアリル基、3−ヨードアリル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−5−ウンデセニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−4−ウンデセニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−3−ウンデセニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−4−ドデセニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−3−ドデセニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナクロロ−5−ウンデセニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナクロロ−4−ウンデセニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナクロロ−3−ウンデセニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナクロロ−4−ドデセニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナクロロ−3−ドデセニルなどが挙げられる。
【0052】
で示される炭素数3から28のアルキニル基は、直鎖状または分枝状のいずれであってもよく、例えば、2−ドデシニル基、3−ドデシニル基、5−ドデシニル基、7−ドデシニル基,9−ドデシニル基、11−ドデシニル基、2−へプチニル基、3−へプチニル基、4−へプチニル基、5−へプチニル基、6−へプチニル基,2−プロピニル基、6−へキシニル基などが挙げられる。
【0053】
また、これらの炭素数3から28のアルキニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。
【0054】
で示される、置換基で置換された炭素数3から28のアルキニル基としては、例えば、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−5−ウンデシニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−4−ウンデシニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−3−ウンデシニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−2−ウンデシニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−5−ウンデシニル基、8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナフルオロ−6−ウンデシニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−5−ドデシニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−4−ドデシニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−3−ドデシニル基、9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナフルオロ−2−ドデシニルなどが挙げられる。
【0055】
およびRは、結合する窒素原子と一体となって複素環を形成していてもよく、この複素環としては、例えば、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アゼチジノ基などが挙げられる。
【0056】
で示されるハロゲン化物イオンとしては、例えば、Cl、Br、F、Iが挙げられる。
【0057】
また、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体は、好ましくは、RおよびRが、各々独立に水素原子、炭素数1から12のアルキル基または炭素数1から12のアルキル基で置換されてもよいフェニル基であり、Rが、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルチオ基であり、Rが、ハロゲン原子もしくはアシルアミノ基で置換されていてもよい炭素数1から28のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3から28のアルケニル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3から28のアルキニル基であり、RおよびRが、各々独立に炭素数1から12のアルキル基もしくはRおよびRが結合する窒素原子と一体となってピロリジン環を形成しており、Xが、Cl、Br、I、PF、BFまたはCFSOである。
【0058】
また、さらに好ましくは、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体は、R、RおよびRが、水素原子であり、Rが、炭素数8から15のアルキル基であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基またはエチル基であり、Xが、Cl、Br、I、PF、BFまたはCFSOである。
【0059】
次に、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体の製造方法について詳しく説明する。
【0060】
一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体は、例えば、下記反応式(4)で示される製造方法1によって製造することができる。
【0061】
製造方法1
【0062】
【化3】

【0063】
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記と同じ意味を示す。Xaは、ハロゲン原子を示し、上記Xと同じ意味を示す。Xaは、ハロゲン化物イオンを示し、上記Xと同じ意味を示す。)
反応式(4)で示される製造方法1は、イミダゾール誘導体(2)をハロゲン化スルファモイル誘導体(3)と反応させて、イミダゾリウム塩誘導体(Z1)を製造する方法である。
反応式(4)で示される反応は、溶媒中で実施することができる。溶媒としては、反応に害を及ぼさない溶媒であれば用いることができ、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコ−ル類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒、例えば、水またはこれらの混合溶媒が挙げられる。収率がよい点で、好ましくは、ケトン類が挙げられる。
【0064】
反応温度については、特に制限はないが、0℃から200℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることによりイミダゾリウム塩誘導体(Z1)を得ることができ、収率がよい点で、好ましくは、20℃から120℃の範囲で反応させる。
【0065】
ハロゲン化スルファモイル誘導体(3)の使用量は、特に制限はないが、イミダゾール誘導体(2)に対して等量用いて反応を実施することにより、収率よくイミダゾリウム塩誘導体(Z1)を得ることができる。
【0066】
また、反応式(4)で得られたイミダゾリウム塩誘導体(Z1)を形成するアニオンXaを、反応式(6)に示すアニオン交換反応によって、Xbと交換することもできる。
【0067】
【化4】

【0068】
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記と同じ意味を示す。Xaは、上記Xと同じ意味を示す。Xbは、対イオンを示し、上記Xと同じ意味を示す。Mは、プロトンまたは金属イオンを示す。)
反応式(6)で示されるアニオン交換反応は、イミダゾリウム塩誘導体(Z1)を、無機酸、有機酸またはそれらの金属塩(5)と反応させ、対イオンを変換し、イミダゾリウム塩誘導体(Z2)を製造する方法である。
【0069】
無機酸としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、硝酸などが挙げられる。好ましくは、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸が挙げられる。
【0070】
有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、酢酸、ギ酸などが挙げられる。
【0071】
反応式(6)中、Mで示される金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、銀イオンなどが挙げられる。金属イオンとして、好ましくは、ナトリウムイオンが挙げられる。
【0072】
反応式(6)で示される反応は、溶媒中で実施することができる。溶媒としては、反応式(4)で示される反応で用いた溶媒と同様の溶媒が挙げられる。収率がよい点で、好ましくは、水、アルコールが挙げられる。
【0073】
反応温度については、特に制限はないが、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることによりイミダゾリウム塩誘導体(Z2)を得ることができ、収率がよい点で、好ましくは、20℃から100℃の範囲で反応させる。
【0074】
無機酸、有機酸またはそれらの金属塩(5)の使用量は、特に制限はないが、イミダゾリウム塩誘導体(Z1)に対して等量用いて反応を実施することにより、収率よくイミダゾリウム塩誘導体(Z2)を得ることができる。
【0075】
また、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体は、例えば、下記反応式(9)で示される製造方法2によっても製造することができる。
【0076】
製造方法2
【0077】
【化5】

【0078】
(式中、R、R、R、RおよびRは、上記と同じ意味を示す。R4aは、上記Rと同じ意味を示す。Yは、置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示す。)
Yで示される炭素数1から12のアルキル基としては、上記R、R、R、RおよびRで示される炭素数1から12のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。
【0079】
Yで示されるアルキル基またはフェニル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基が挙げられる。
【0080】
Yとして、好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パ−フルオロブチル基などの炭素数1から12のフルオロアルキル基が挙げられる。
【0081】
反応式(9)で示される製造方法2は、スルファモイルイミダゾール誘導体(7)を、スルホネート誘導体(8)と反応させて、イミダゾリウム塩誘導体(Z3)を製造する方法である。
【0082】
反応式(9)で示される反応は、溶媒の存在下または不存在下で実施することができる。好ましくは、溶媒の不存在下で実施する。
【0083】
また、反応温度については、特に制限はないが、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることによりイミダゾリウム塩誘導体(Z3)を得ることができ、収率がよい点で、好ましくは、0℃から50℃の範囲で反応させる。
【0084】
反応式(4)、(6)および(9)の各反応の終了後には、溶媒留去や濾過などの操作により、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体を得ることができ、必要であればカラムクロマトグラフィーにより精製することもできる。
【0085】
このようにして得られる一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体は、単独種類用いることができ、あるいは、複数種類を併用することもできる。
【0086】
また、本発明の微生物防除剤には、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体を除く他の有効成分を、単独または複数種類含有させることもできる。他の有効成分を一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体と併用することで、相乗的な微生物の防除効果を発現させることができる。
【0087】
他の有効成分としては、例えば、イソチアゾリン化合物、オキサチアジン化合物、シアノアセトアミド化合物、ベンゾイソチアゾリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、ニトロアルコール化合物、ジチオール化合物、チオカーバメート化合物、チオシアネート化合物、チオフェン化合物、ハロアセチレン化合物、フタルイミド化合物、ハロアルキルチオ化合物、ピリチオン化合物、フェニルウレア化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、トリアゾール化合物、テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物、四級アンモニウム塩化合物などが挙げられる。
【0088】
イソチアゾリン化合物としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)が挙げられる。これらのイソチアゾリン化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0089】
イソチアゾリン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、イソチアゾリン化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0090】
ベンゾイソチアゾリン化合物としては、例えば、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)、2−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、N−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)が挙げられる。これらのベンゾイソチアゾリン化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0091】
ベンゾイソチアゾリン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、ベンゾイソチアゾリン化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0092】
ベンズイミダゾール化合物としては、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート塩酸塩、エチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート塩酸塩が挙げられる。これらのベンズイミダゾール化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0093】
ベンズイミダゾール化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、ベンズイミダゾール化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0094】
ハロアセチレン化合物としては、例えば、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)が挙げられる。これらのハロアセチレン化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0095】
ハロアセチレン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、ハロアセチレン化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0096】
ピリチオン化合物としては、例えば、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ナトリウムピリチオンが挙げられる。これらのピリチオン化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0097】
ピリチオン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、ピリチオン化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0098】
テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物としては、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(TeCS)、3,3,4,4−テトラブロモテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,4−ジクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4−トリブロモテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(TeCS)が挙げられる。これらのテトラヒドロチオフェンジオキシド化合物は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0099】
テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。また、テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物の配合割合は、一般式(1)のイミダゾリウム塩誘導体100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、20〜500質量部である。
【0100】
そして、本発明の微生物防除剤は、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの種々の剤型に製剤化して調製することができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製することもできる。
【0101】
好ましくは、微生物防除剤を液剤に製剤化する。その場合には、イミダゾリウム塩誘導体の溶解を向上させる観点より、溶剤を配合する。
【0102】
溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、例えば、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルビフェニル、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどの芳香族化合物類などが挙げられる。これら溶剤は、単独種類を用いることができ、あるいは、複数種類を併用することもできる。好ましくは、グリコール類が挙げられる。
【0103】
溶剤の配合割合は、微生物防除剤において、有効成分の配合割合を除いた残部として調節される。
【0104】
なお、本発明の微生物防除剤には、その目的、用途などに応じて、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などの添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
【0105】
そして、本発明の微生物防除剤は、耐性菌を含む細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌、藻類などの微生物(防除対象)に対して優れた防除効果を発現することができる。
【0106】
細菌としては、特に限定されず、例えば、バチルス(Bacillus)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属などのグラム陽性菌、例えば、エシュリアヒア(Escheriachia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属などのグラム陰性菌が挙げられる。
【0107】
カビとしては、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、ペトリエラ(Petriella)属、トリチュラス(Trichurus)属、フミコウラ(Humicola)などの子のう菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アウレオバシヂウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、グリオクラディウム(Gliocladium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、トリコフィートン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが挙げられる。
【0108】
酵母としては、例えば、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、プロトミセス(Protomyces)属、タフリナ(Taphrina)属などの原生子のう菌類、例えば、エンドミセス(Endomyces)属などの真正子のう菌類、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの半子のう菌類、例えば、カンジダ(Candida)属などの子のう菌酵母の不完全型、例えば、フィロバシディエラ(Filobasidiella)属などの異型担子菌類、例えば、ドトルラ(Rhodotorula)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属などの担子菌酵母の不完全型、例えば、ドスポリディウム(Rhodosporidium)属、スポリディオボルス(Sporidiobolus)属、キサントフィロミセス(Xanthophyllomyces)属などの担子菌酵母などが挙げられる。
【0109】
木材腐朽菌としては、例えば、コニオフォラ(Coniophora)属、トラメテス(Trametes)属、ポスティア(Postia)属、ポリア(Poria)属、グロエオフィリウム(Gloeophylium)属、レンティナス(Lentinus)属、パキシラス(Paxillus)属、ホミトプシス(Fomitopsis)属、プレウロタス(Pleurotus)属、ドンキオポリア(Donkioporia)属、セルプウラ(Serpula)属、グレノスポラ(Glenospora)属、ホミトプシス(Fomitopsis)属、ペレニポリア(Perenniporia)属、アントロディア(Antrodia)属などの担子菌類などが挙げられる。
【0110】
また、藻類としては、水中や陸上に生息し、同化色素を持ち独立して栄養生活をする植物であって、例えば、藍藻類、灰青藻類、紅藻類、黄色鞭毛藻類、黄緑色藻類、緑藻類、珪藻類、褐色鞭毛藻類、渦鞭毛藻類、緑色鞭毛藻類、褐藻類、緑虫藻類、車軸藻類などが含まれる、微生物防除剤は、とりわけ、藍藻類、緑藻類の防除に優れた防藻効果を発現する。
【0111】
藍藻類としては、例えば、オスシラトリア(Oscillatoria)属、フォルミジウム(Phormidium)属などが挙げられる。
【0112】
緑藻類としては、例えば、クラミドモナス(Chlamydomonas)属、クロロコックム(Chlorococcum)属、クロレラ(Chlorella)属、デスモデスムス属(Desmodesmus)属、クレボソルミディウム(Klebosormidium)属、トレボキシア(Trebouxiophyceae)属、ウロスリックス(Ulothrix)属などが挙げられる。
【0113】
そして、本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などで用いられる種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、木材、建材、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地材、消臭剤、繊維、皮革製品、フィルターなどの種々の産業製品において、有効に使用することができる。
【0114】
なお、本発明の微生物防除剤は、防除対象となる微生物の種類(細菌、カビ類、酵母、木材腐朽菌、藻類など)や防除期間に応じて、使用量を適宜選択すればよいが、例えば、スライムコントロール剤として用いる場合には、0.1〜500mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、0.5〜100mg(有効成分)/kg(製品)、防腐剤として用いる場合には、1〜5000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、10〜1000mg(有効成分)/kg(製品)、防カビまたは防藻剤として用いる場合には、10〜50000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、100〜10000mg(有効成分)/kg(製品)となるように添加すればよい。
【実施例】
【0115】
以下に、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら合成例、実施例および比較例により限定されるものではない。
1.イミダゾリウム塩誘導体の合成
合成例1
【0116】
【化6】

【0117】
反応式(11)が参照されるように、1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)のアセトン(10ml)溶液にN,N−ジメチルスルファモイルクロリド(1.44g、10mmol)を加え、12時間加熱還流して、それらを反応させた。反応終了後、アセトンを減圧留去することによって、1−ブチル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの褐色の液体(収率:92%)を得た。
【0118】
得られた1−ブチル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.95(t,J=7.5Hz,3H),1.32〜1.41(m,2H),1.85〜1.91(m,2H),2.82(s,6H),4.32(t,J=7.5Hz,2H),7.29(s,1H),7.45(s,1H),9.42(s,1H)
合成例2
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−ヘプチルイミダゾール(1.66g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−ヘプチル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黄色の液体(収率:定量的)を得た。
【0119】
合成例3
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−オクチルイミダゾール(1.80g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−オクチル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黄色の液体(収率:定量的)を得た。
【0120】
合成例4
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−ノニルイミダゾール(1.94g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−ノニル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黄色の液体(収率:定量的)を得た。
【0121】
合成例5
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−デシルイミダゾール(2.10g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−デシル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黄淡色の液体(収率:99%)を得た。
【0122】
得られた1−デシル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.87(t,J=7.5Hz,3H),1.28〜1.32(m,14H),1.88〜1.91(m,2H),3.00(s,6H),4.28(t,J=7.5Hz,2H),7.21(s,1H),7.48(s,1H),9.30(s,1H)
合成例6
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−ドデシルイミダゾール(2.22g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリドの無色の液体(収率:99%)を得た。
【0123】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.86(t,J=7.5Hz,3H),1.34〜1.39(m,18H),1.83〜1.85(m,2H),2.89(s,6H),4.25(t,J=7.2Hz,2H),7.20(s,1H),7.48(s,1H),9.32(s,1H)
合成例7
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−ヘキサデシルイミダゾール(2.93g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ヘキサデシルイミダゾリウムクロリドの白色の粘性固体(収率:定量的)を得た。
【0124】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ヘキサデシルイミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.88(t,J=7.5Hz,3H),1.30〜1.34(m,26H),1.88〜1.89(m,2H),3.00(s,6H),4.21(t,J=7.1Hz,2H),7.18(s,1H),7.47(s,1H),9.59(s,1H)
合成例8
【0125】
【化7】

【0126】
反応式(12)が参照されるように、合成例6の1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリド(1.75g、10mmol)のメタノール溶液(10ml)にヨウ化ナトリウム(1.50g、10mmol)を加え、12時間室温で攪拌して、それらを反応させた。得られた反応混合物をろ過し、分離した固体を減圧乾燥することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムヨージドの黒褐色の粘性固体(収率:定量的)を得た。
【0127】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムヨージドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.87(t,J=7.5Hz,3H),1.33〜1.39(m,18H),1.83〜1.85(m,2H),2.89(s,6H),4.23(t,J=7.2Hz,2H),7.21(s,1H),7.46(s,1H),9.56(s,1H)
合成例9
ヨウ化ナトリウム(1.50g、10mmol)に代えて臭化ナトリウム(1.03g、10mmol)を加えた以外は、合成例8と同様に処理することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムブロミドの黄色の粘性固体(収率:定量的)を得た。
【0128】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムブロミドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.86(t,J=7.5Hz,3H),1.34〜1.39(m,18H),1.83〜1.85(m,2H),2.89(s,6H),4.25(t,J=7.2Hz,2H),7.21(s,1H),7.46(s,1H),9.22(s,1H)
合成例10
合成例6の1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリド(1.75g、10mmol)のメタノール溶液(10ml)に代えて1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリド(1.75g、10mmol)の水溶液(5ml)を用い、ヨウ化ナトリウム(1.50g、10mmol)に代えてヘキサフルオロリン酸の60%水溶液10m1を加えた以外は、合成例8と同様に処理することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファートの白色の粘性固体(収率:80%)を得た。
【0129】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファートは、下記の通り同定された。
H−NMR(DMSO−d,TMS,ppm):δ0.87(t,J=7.5Hz,3H),1.30〜1.34(m,18H),1.77〜1.81(m,2H),2.98(s,6H),4.32(t,J=7.2Hz,2H),7.28(s,1H),7.88(s,1H),9.22(s,1H)
合成例11
【0130】
【化8】

【0131】
反応式(13)が参照されるように、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾ−ル(1.75g、10mmol)にトリフルオロメタンスルホン酸ドデシル(3.18g、10mmol)を加え、12時間室温で攪拌することによって、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネ−トの無色の液体(収率:定量的)を得た。
【0132】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネ−トは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.86(t,J=7.5Hz,3H),1.34〜1.39(m,18H),1.83〜1.85(m,2H),3.00(s,6H),4.24(t,J=7.2Hz,2H),7.22(s,1H),7.55(s,1H),9.46(s,1H)
合成例12
ヨウ化ナトリウム(1.50g、10mmol)に代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム(1.10g、10mmol)を用いた以外は、合成例8と同様に処理することにより、1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムテトラフルオロボレートの白色の粘性固体(収率:定量的)を得た。
【0133】
得られた1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムテトラフルオロボレートは、下記の通り同定された。
H−NMR(DMSO−d,TMS,ppm):δ0.87(t,J=7.5Hz,3H),1.30〜1.34(m,18H),1.77〜1.81(m,2H),2.99(s,6H),4.32(t,J=7.2Hz,2H),7.18(s,1H),7.56(s,1H),9.88(s,1H)
合成例13
1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−(12−ブロモドデシル)イミダゾール(3.15g、10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−(12−ブロモドデシル)−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黒褐色の粘性固体(収率:定量的)を得た。
【0134】
得られた1−(12−ブロモドデシル)−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ1.26〜1.75(m,20H),3.10(s,6H),3.43(t,J=7.0Hz,2H),3.92(t,J=7.5Hz,2H),7.10(s,1H),7.81(s,1H),8.87(s,1H)
合成例14
【0135】
【化9】

【0136】
反応式(14)が参照されるように、1−ブチルイミダゾール(1.24g、10mmol)に代えて1−ドデシルイミダゾール(2.36g、10mmol)を用い、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(1.44g、10mmol)に代えてN−メチル−N−エチルスルファモイルクロリド(1.57g、10mmol)を加えた以外は、合成例1と同様に処理することにより、1−ドデシル−3−(N−エチル−N−メチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドの黄色の液体(収率:定量的)を得た。
【0137】
得られた1−ドデシル−3−(N−エチル−N−メチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドは、下記の通り同定された。
H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ0.85(t,J=7.5Hz,3H),1.01(t,J=7.5Hz,3H),1.38〜1.41(m,18H),1.83〜1.90(m,2H),2.60(q,J=7.5Hz,2H),3.03(s,3H),4.32(t,J=7.2Hz,2H),7.18(s,1H),7.84(s,1H),9.71(s,1H)
合成例1〜14で合成したイミダゾリウム塩誘導体を下記表1にまとめて示す。
【0138】
【表1】

【0139】
2.微生物防除剤の調製
実施例1
合成例1で合成した1−ブチル−3−(N,N−ジメチルスルファモイル)イミダゾリウムクロリドを微生物防除剤として使用した。
【0140】
実施例2〜14
実施例1と同様に、合成例2〜14で合成したイミダゾリウム塩誘導体を実施例2〜14の微生物防除剤としてそれぞれ使用した。
【0141】
比較例1
メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート(和光純薬社製、含量98%以上)を微生物防除剤として使用した。
【0142】
実施例15
合成例6で合成した1−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−ドデシルイミダゾリウムクロリド5.0質量部、および、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)95.0質量部を常温(25℃)で配合し、撹拌混合することにより、微生物防除剤を調製した。
【0143】
実施例16〜23
表2の配合処方に基づいて、実施例15と同様に処理して、実施例16〜23の微生物防除剤をそれぞれ調製した。
【0144】
【表2】

【0145】
表2中、微生物防除剤に配合される化合物の詳細を以下で説明する。
ケーソンLX1400:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)および5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物14質量%、ロームアンドハース社製
ケーソン893T:2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)98質量%含有、ロームアンドハーズ社製
BIT:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン80質量%含有、リバソン社製
コートサイド:メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート塩酸塩10質量%含有、日本エンバイロケミカルズ社製
IPBC:3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート97.0質量%含有、商品名「MP−100」、バイエル社製
スラオフ28:ナトリウムピリチオン40質量%、日本エンバイロケミカルズ社製
スラカーブ:3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(TeCS)20質量%含有ジチレングリコールモノメチルエーテル溶液、日本エンバイロケミカルズ社製
3.微生物防除剤の評価
(1)抗菌性(防細菌性)の評価
実施例1〜23および比較例1の微生物防除剤をグルコースブイヨン寒天地(pH6.0)にそれぞれ添加し、その後、ミクロプランター(佐久間製作所社製)を用いて、表3〜表5に記載の細菌を含有する細菌懸濁液を接種して、33℃で18時間培養した。
【0146】
その後、培養後の細菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
【0147】
その結果を表3〜表5に示す。
(2)抗真菌性(防カビ性および防酵母性)の評価
実施例1〜23および比較例1の微生物防除剤を、それぞれグルコースブイヨン寒天地(pH6.0)に添加し、その後、ミクロプランター(佐久間製作所社製)を用いて、表3〜表5に記載のカビを含有するカビ懸濁液および酵母を接種して、28℃で3日間培養した。
【0148】
その後、培養後のカビ菌糸の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
【0149】
その結果を表3〜表5に示す。
【0150】
【表3】

【0151】
【表4】

【0152】
【表5】

【0153】
表3〜表5中、最小発育阻止濃度試験で用いた細菌、カビおよび酵母の詳細を以下で説明する。
<細菌>
バチルス・ズブチリス: Bacillus subtillis
スタフィロコッカス・アウレウス:Staphylococcus aureus
エシュリアヒア・コリー:Escheriachia coli
シュードモナス・エルギノーサ:Pseudomonas aeruginosa
セラチア・マルセッセンス:Serratia marcescens
<カビ>
アスペルギルス・ニガー:Aspergillus niger
ペニシリウム・シトリナム:Penicillium citrinum
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス:Cladosporium cladosporioides
アウレオバシヂウム・プルランス:Aureobasidium pullulans
アルタナリア・スピーシーズ:Alternaria sp.
ムコール・スピネッセンス:Mucor spinescens
グリオクラヂウム・ヴィレンス:Gliocladium virens
<酵母>
ロドトルラ・ルブラ:Rhodotorula rubra
サッカロマイセス・セレビシアエ:Saccharomyces cerevisiae
(3)防木材腐朽菌性の評価
実施例6および8〜12の微生物防除剤をポテトデキストローズ寒天培地(pH5.1)に添加して、微生物防除剤含有培地を調製した。その後、表6に記載の木材腐朽菌を微生物防除剤含有培地に接種して、26℃で7日間培養した。 その後、木材腐朽菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
【0154】
その結果を表6に示す。
【0155】
【表6】

【0156】
表6中、最小発育阻止濃度試験で用いた木材腐朽菌の詳細を以下で説明する。
<木材腐朽菌>
トラメテス・ベルシコラー:Trametes versicolor
(4)防藻性の評価
実施例1〜14および比較例1の微生物防除剤を、それぞれMDM寒天地(pH8.0)に添加し、その後、ミクロプランター(佐久間製作所社製)を用いて、表7および表8に記載の藻類を含有する藻類懸濁液を接種して、照度2500Lxで、1日当たり16時間の照射条件下、23℃で4週間培養した。
【0157】
その後、培養後の藻類の生育を観察して、下記の評価基準で、防藻性を評価した。
【0158】
その結果を表7および表8に示す。
【0159】
なお、表7および表8中、評価基準は、以下の通りである。
【0160】
(評価基準)
◎:微生物防除剤1ppmで防藻効果が認められた。
【0161】
○:微生物防除剤10ppmで防藻効果が認められた。
【0162】
△:微生物防除剤100ppmで防藻効果が認められた。
【0163】
×:微生物防除剤100ppmで防藻効果が認められなかった。
【0164】
【表7】

【0165】
【表8】

【0166】
表7および表8中、防藻性の評価で用いた藻類の詳細を以下で説明する。
<藍藻類>
オスシラトリア・ネグレクタ:Oscillatoria neglecta
フォルミジウム・ラモスム:Phormidium ramosum
<緑藻類>
クラミドモナス・レインハルドティー:Chlamydomonas reinhardtii
クロロコックム・エチノジゴツム:Chlorococcum echinozygotum
クロレラ・ヴルガリス:Chlorella vulgalis
デスモデスモス・スピーシーズ:Desmodesmus sp.
レボソルミディウム・フラシズム:Klebosormidium flaccidum
【産業上の利用可能性】
【0167】
微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などで用いられる種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、木材、建材、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地材、消臭剤、繊維、皮革製品、フィルターなどの種々の産業製品などに用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示されるイミダゾリウム塩誘導体を含有することを特徴とする、微生物防除剤。
【化1】

(式中、Rは、水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、炭素数1から6のアルキルチオ基、フェニル基、または、ピリジル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシイミノ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から12のアルケニル基、炭素数3から12のアルキニル基、フェニル基、ピリジル基、シアノ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、または、ホルミル基を示し、これらの基(シアノ基およびホルミル基を除く)は、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシイミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されていてもよい。Rは、炭素数1から28のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数3から28のアルケニル基、炭素数3から28のアルキニル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、水酸基、シアノ基、ホスホリル基、アルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に炭素数1から12のアルキル基、炭素数7から13のアラルキル基、または、フェニル基を示し、これらの基は、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよい。また、RおよびRは、結合する窒素原子と一体となって複素環を形成してもよい。Xは、ハロゲン化物イオン、PF、BF、NO、CHCO、CFCO、CCO、CHSO、CSO、CFSO、CSO、4−CF−CSO、4−NO−CSO、CBFまたは(CN)を示す。)
【請求項2】
一般式(1)中、Rは、炭素数10から15のアルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
【請求項3】
さらに、イソチアゾリン化合物、ベンゾイソチアゾリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、ハロアセチレン化合物、テトラヒドロチオフェンジオキシド化合物およびピリチオン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物防除剤。

【公開番号】特開2013−67573(P2013−67573A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206063(P2011−206063)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(503140056)日本エンバイロケミカルズ株式会社 (95)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(000124269)科研製薬株式会社 (18)
【Fターム(参考)】