説明

患者の換気/吸引システム

【課題】吸引組立体の着脱時の捩りおよび引っ張りが生じることを防止し、患者が受ける不快感を軽減できる患者の換気/吸引システムを提供することにある。
【解決手段】吸引チューブ(9)と、シールされる通路(15)を備えたカテーテルマウントに連結するコネクタ(6)とを備えた患者の換気/吸引システム(8)。カテーテルマウントの通路(15)は、孔またはスリット(17)を備えたエラストマーシール(16)によりシールされる。貫通部材を備えたコネクタ(12)が吸引チューブ(9)と組み合わされる。コネクタがカテーテルマウントに取付けられると、貫通部材(20)は、吸引チューブ(9)がコネクタ(6)およびカテーテルマウントを通ることができるように、シール(16)を貫通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルチューブコネクタに関し、より詳しくは、気管切開(tracheostomy)患者または気管内(endotracheal)患者の換気システムに使用される吸引システムのカテーテルチューブコネクタに関するが、これのみに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
肺内に空気を直接供給するために気管内に気管切開チューブまたは気管内チューブを入れることを必要とする多くの医療処置がある。この方法で換気される患者は、彼らの肺および気道内に集まる分泌物を排出することはできない。この問題を解決するため、殺菌された可撓性吸引チューブが、気管切開チューブまたは気管内チューブを介して患者内に挿入される。吸引チューブは、吸引力を発生する外部真空源と組み合わされて使用され、分泌物の排出を補助する。開吸引システムとして知られている分泌物除去方法では、吸引チューブは、患者の気道内に存在する病原体およびバクテリアにより汚染されるので、使用直後に廃棄される。ひとたび吸引チューブが患者の気道から取出されると、チューブは大気に曝され、看護人を汚染する危険がある。開吸引システムとは別に、閉吸引システムも知られており、この閉吸引システムでは、吸引チューブは患者の体外にあるときは密封された可撓性プラスチック包囲体内に密封されるため、吸引チューブを数回使用でき、次に、必要なときまたは一定時間(通常は24時間)経過後に交換される。閉吸引システムは、看護人のような患者と接する人を汚染から、ある程度、保護し、同様に、看護人等から患者を保護する。閉吸引システムは最初に導入されたものであるため、該システムは、その有効性を向上させるべく多くの点が改善されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許第4,351,328号明細書には、気管切開換気チューブと、開形式の患者吸引システムとを組合せたものが開示されている。ここに開示された装置は、吸引カテーテルチューブが気管切開チューブを介して気管内に押し込まれる前に大気に曝されるという欠点を有している。また、カテーテルチューブは、これがシールに挿通されるときにシールの外側部分と接触するため、カテーテルチューブが患者の肺内に入れられる前に、換気装置の外面に存在する微生物を拾ってしまう虞れがある。このシステムの他の欠点は、シールに通されるチューブの抵抗が大きく、この抵抗に打勝つために気管切開チューブおよび他のフィッティングが不意に動きかつ捩られるため、患者に或る不快感を与えてしまうことである。
【0004】
米国特許第4,569,344号明細書には、気管切開換気装置と、閉形式の患者吸引システムとを組合せたものが開示されている。ここに開示された装置は、経路の洗浄およびメインテナンスを行うためまたは吸引システムの交換を行うためにコネクタを分離するとき、換気チューブがシールされなくなるため、外部から空気で運ばれた微生物が換気チューブを通って気管に侵入する虞れがあるという欠点を有している。また、コネクタを分離するときのようにシステムがシールされなくなった場合、システム内にPEEP(正の最終呼気圧力:Positive end-expiratory pressure)を維持することが困難である。システムの全体に亘ってPEEPが維持されない場合には、患者の換気に影響を与えるだけでなく、気管切開チューブレイアウトの殆どの一般的形態において、気管切開チューブの換気/吸引カニューレを所定位置に保持しかつシールするための膨張型カフが使用される。PEEPが失われると、このカフが収縮して、カフ上にプールされた声門下流体(subglottic fluids)が患者の肺内に漏洩してしまう。また、この米国特許第4,569,344号明細書に開示された装置は、カテーテルチューブの端部が連結前に完全に露出され、カテーテルチューブが気管内に押し込まれるときに換気装置の外表面の露出部分と接触するため、患者を感染する機会が大きいという欠点を有する。
【0005】
米国特許第5,060,646号明細書には、換気および吸引を行うための同様な閉システムが開示されている。このシステムは、交換またはメインテナンスのために、カテーテルチューブを含む吸引組立体を、換気システムのシールを破壊することなく取外すことができず、PEEPを維持することが困難でかつ空気により運ばれる微生物がシステムに侵入できるという欠点を有している。この場合、カテーテルチューブは、外表面に接触しないようにして換気装置内に挿入できるが、これは、換気装置がシールされていない場合にのみ可能であり、前述の欠点を有している。また、吸引組立体の着脱は抵抗フィッティングを介して行われるため、捩りおよび引っ張りが大きくなる傾向があり、患者は前述のような不快感を受ける。
【0006】
本発明の目的は、1つ以上の上記問題または欠点を解消できる換気/吸引装置或いは少なくとも有効な代替品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様は、
患者の換気/吸引システムであって、
ガスの加圧源と、
使用時にガスを患者へと運ぶことができるガス搬送手段と、
前記ガスを、気管切開チューブフィッティングまたは気管内チューブフィッティングを通して患者に供給できる患者コネクタであって、使用時に、ガス搬送手段と流体連通できるように構成されている患者コネクタと、
略管状であり、かつ使用時に患者コネクタとガス搬送手段との間に取付けられるるように構成されたカテーテルマウントであって、吸引システムを受入れる付加通路を備え、該通路は再シーリング機構を備えたシールにより覆われているカテーテルマウントと、
遠位端および近位端を備え、かつ収縮可能な包囲体により包囲された吸引チューブであって、前記遠位端には遠位側コネクタが設けられ、前記近位端は包囲体に取付けられた近位側コネクタを通して移動でき、遠位側コネクタは、使用時に、吸引チューブの遠位端を吸引手段に連結することができ、近位側コネクタは前記カテーテルマウントに解放可能に連結され、近位側コネクタは、該近位側コネクタとカテーテルマウントとが連結されたとき前記シールを貫通する貫通部材を備え、前記吸引チューブは貫通部材を貫通し前記シールとは接触しない、吸引チューブとを備えている、
ことを特徴とする患者の換気/吸引システムからなる。
【0008】
第2態様では、本発明は、
シールされる通路を備えたカテーテルマウントに連結するための吸引チューブおよびコネクタであって、
遠位端および近位端を備えたチューブと、
該チューブを包囲する収縮可能な包囲体と、
前記遠位端に取付けられかつ使用時に前記吸引チューブの遠位端を吸引手段に連結することを可能にする遠位側コネクタと、
前記包囲体に取付けられた近位側コネクタとを有し、該近位側コネクタを通って前記チューブの近位端が移動でき、
前記近位側コネクタは前記カテーテルマウントに着脱可能に連結でき、
前記シールを貫通できる貫通部材を更に有し、前記吸引チューブは貫通部材を通ることができかつ前記シールには接触しない、
ことを特徴とする吸引チューブおよびコネクタからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい形態を説明する。
本発明は、患者3の換気および吸引を行うシステムを形成するために一体に連結される幾つかの別々の部品からなる。本発明のシステムは気管切開コネクタまたは気管内コネクタ1(以下、「患者コネクタ1」と呼ぶ)を有し、該患者コネクタ1は、使用時に、患者3の頸または喉に配置される気管切開フィッティングまたは気管内フィッティング2に取付けられる。図面では、気管内フィッティングおよびチューブではなく気管切開フィッティングおよびチューブが使用されている場合にのみ患者が示されている。エルボコネクタ6およびカテーテルチューブ4が一体に連結され、カテーテルマウントを形成している。エルボコネクタ6は患者コネクタ1に取付けられる。エルボコネクタ6に取付けられる吸引組立体8も設けられる。カテーテルチューブ4は、ガスを患者の気道に供給する換気システムにエルボコネクタ6を連結する有効なチューブピースである。
【0010】
好ましい実施形態では、患者は手術を受けており、換気および吸引ができるように、彼(または彼女)の気管切開内には気管切開フィッティングまたは気管内フィッティング2が挿入されている。
【0011】
図1および図2を参照すると、本発明の吸引カテーテルチューブコネクタに使用できる換気/加湿システムが示されている。患者は、気管切開フィッティングまたは気管内フィッティング(以下、「患者フィッティング2」と呼ぶ)を通して、加湿および加圧されたガスを受入れる。カテーテルチューブ4は加湿ガス搬送路または吸気導管7に連結され、該吸気導管7は、換気装置23からガスが供給される加湿器25に連結される。呼気導管24は、患者からのガスを換気装置23に戻し、患者3の呼吸を補助する。換気/加湿システムを形成する換気装置23、加湿器25および導管24は従来技術に開示されており、Fisher and Paykel Limited社の米国特許第5,640,951号明細書に開示された形式にすることができる。
【0012】
吸引組立体8は、吸引チューブ9と、収縮可能な可撓性プラスチック包囲体10と、両端部での少なくとも2つのフィッティング、より詳しくは、患者3から最も遠い遠位側フィッティング11と、患者3に最も近い近位側コネクタ12とからなる。吸引チューブ9は、使用時に、包囲体10が吸引チューブ9の移動と一緒に長さ方向に収縮および膨張するように、近位側コネクタ12を通って後方および前方に摺動できる。近位側コネクタ12は、エルボコネクタ6、そしてカテーテルチューブ4への取付けを可能にする解放可能なコネクタ機構を有している。プラスチック包囲体10は、吸引チューブ9の外面に付着する可能性がある、患者3の肺からの全ての危険な生物学的廃棄物を収容する。遠位側フィッティング11は吸引ポンプ13に連結される。ポンプ13からの吸引力は、患者3の肺および気道から吸引チューブ9を通して流体を吸引するのに使用される。
【0013】
吸引チューブ9を患者3の肺および気道にアクセスさせるため、吸引チューブ9の一部が、近位側コネクタ12、エルボコネクタ6、患者コネクタ1および患者フィッティング2を通り、患者3の肺内に押出される。患者の気道の閉塞を防止するため、非使用時に吸引チューブ9が患者3の体内に残されることはない。このように、非使用時には、吸引チューブ9は近位側コネクタ12を通して、プラスチック包囲体10内へと後方にほぼ引出される。通気を可能にし、従って空気による包囲体の収縮および充填を可能にする小さい孔31(図3参照)が設けられているため、プラスチック包囲体10は吸引チューブ9の回りで収縮できる。
【0014】
近位側コネクタ12は、吸引組立体8をエルボコネクタ6に解放可能に連結されている。図3および図4に示す好ましい実施形態では、エルボコネクタ6およびカテーテルチューブ4は、断面が実質的にT型である。Tセクションの直立部は、換気チューブ4を形成するか、または換気チューブ4に連結される。Tセクションのアームの一端は患者コネクタ1を形成するか、または患者コネクタ1に連結され、他端は、吸引組立体8の近位側コネクタ12を受入れる通路15を形成している。通路15の最外端部にはシール16が配置されており、通路15をシールする。好ましい実施形態では、シール16はシリコーンゴムのようなエラストマー材料であり、シール16の中央にはスリット17が形成されている。スリット17は、例えば、中央突出部20(後述)または吸引カテーテルチューブ9の貫通を可能にするが、シールを貫通する物体が除去されると再シールする。
【0015】
エルボコネクタおよびカテーテルチューブの他の形態としてL型にでき、この場合には、エラストマーシールが配置される孔がL型のコーナ内に設けられる。この構造では、通路15の長さは短くなる。
【0016】
ここで図5を参照すると、近位側コネクタ12は、中央突出部20の回りに延びている二重カップ状フィッティング、すなわち内側カップフィッティング18および外側カップフィッティング19を有している。中央突出部20は外側カップフィッティング19のリム28を越えて突出するのが好ましいが、これは厳格に求められることではない。外側カップフィッティング19のリム28は、内側カップフィッティング18のリム27を越えて突出している。内側カップフィッティング18の直径は、エルボコネクタ6のクロスピースの外径より僅かに小さい。近位側コネクタ12およびエルボコネクタ6は、中央突出部20がエラストマーシール16のスリット17を貫通して通路15内に突出するようにして、互いに一体化されかつ連結される。内側カップフィッティング18のリムは、通路15の端部に当接する。シール16の外面と、内側カップフィッティング18の内面と、突出部20の外面との間には、デッドスペース21が形成される。シーリングがシール16と内側カップフィッティング18の端部27との間に形成されため、シール16を気密にして、エルボコネクタ6と吸引組立体8とがこのように連結されたとき、ガスが大気中に逃散することを防止する構成は必要性ではない。いずれにせよ、漏洩が生じても、これは、連結時に形成されるデッドスペース21内に収容される。エルボコネクタ6と吸引組立体8とが一体化されると、デッドスペース21は、シール16および大気を通って流れるガス間の直接経路を遮断する。内側カップフィッティング18のリム27が通路15の端部でシール16に対してひとたび押付けられると、内側カップフィッティング18のリム27およびシール16は、大気へのいかなる漏洩も防止するシールを形成する。
【0017】
内側カップフィッティング18がシール16に当接すると、外側カップフィッティング19の一部が、通路15の外端部29の周囲にオーバーラップしかつこれを包囲する。通路15および外側カップフィッティング19には、従来技術で良く知られている形式の解放可能にロックできるバヨネットフィッティング22が設けられている。バヨネットフィッティング22は、近位側コネクタ12がエルボコネクタ6から不意に外れてしまうことを防止する。
【0018】
好ましい実施形態では、中央突出部20は、近位側コネクタ12から突出している中空チューブである。カテーテルチューブ9は、中央突出部20内にぴったり嵌合されかつこの中で容易に摺動できる。このぴったり嵌合は、カテーテルチューブ9と中央突出部20との間を通ってガスを殆どまたは全く逃散させないという長所を有している。ガスが逃散したような場合には、近位側コネクタ12内に設けられた付加シールすなわちワッシャ30が、包囲体10内へのガスの流入を防止する。シールすなわちワッシャ30はまた、吸引チューブ9の周囲を拭う機能を有し、余剰の粘液、汚染物質等が包囲体10内に流入することを防止する。
【0019】
本発明の幾つかの形態では、包囲体10は、例えばSYMPATEXTMのような呼吸性材料で形成できる。
【0020】
使用について説明すると、近位側コネクタ12とエルボコネクタ6とが結合されると、突出部20がシール16のスリット17を通って押し込まれ、近位側コネクタ12がバヨネットフィッティング22を用いてエルボコネクタ6にロックされる。次に、吸引チューブ9の端部が中央突出部20の中空部を通ってエルボコネクタ6内に押し込まれ、更に、患者コネクタ1および患者フィッティング2を通って患者3の肺内に押し込まれる。吸引作業が完了したならば、吸引チューブ9が近位側コネクタ12を通って後方に引出され、吸引カテーテルチューブ9の外面上に付着するあらゆる汚染物質は、プラスチック包囲体10内に安全に収容される。
【0021】
吸引組立体8とエルボコネクタ6とがひとたび結合されると、吸引カテーテルチューブ9をシール16を通して押し込むときに、エルボコネクタ6およびカテーテルチューブ4に不意に力が加えられまたはこれらが捩られることは殆どないか、全くない。吸引カテーテルチューブ9は、中央突出部20により形成されたチューブ内を容易に移動する。従って、本発明のシステムにより患者が受ける外傷の度合いは低減される。また、上記シール16および近位側コネクタ12は、シール16を通るいかなるガス漏洩によってもPEEPの過大損失が引起こされないことを確保する。
【0022】
図面に示しかつ説明した本発明の好ましい実施形態では、患者コネクタ1はエルボコネクタ6に連結される構成でもよいし、エルボコネクタ6の一体部分とすることもできる。これは、この形式の換気回路に共通の実施形態であるが、エルボコネクタ6およびカテーテルチューブ4が別途連結される、図6に示す形式のy型分枝気管切開フィッティング5は知られていないものである。
【0023】
同様な他のシステムが図7に示されており、このシステムでは、吸引組立体8が十字型またはx型カテーテルチューブ26に取付けられる。カテーテルチューブ26の1つの分枝が通路15を形成し、対向する分枝が患者コネクタ2を形成している。この実施形態では、一方の側方分枝が吸気導管7を形成し、対向する分枝が、換気装置23に導かれる吐出呼気導管すなわち呼気導管24を形成している(呼吸補助形態で使用される場合)。
【0024】
好ましい実施形態において上述した両形式のシステムおよびy型分枝気管切開フィッティング5またはx型カテーテルチューブ26を備えた他の形態は、これらがモジュラでありかつエルボコネクタ6または吸引組立体8のような別体部品が必要に応じてシステムから容易に取外されかつ交換できるという長所を有している。吸引組立体8は、他の部品よりも一層頻繁に取外されかつ交換する必要があるため、このことは特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】特に本発明の吸引組立体に使用できる換気回路であって、エルボコネクタ、カテーテルチューブおよび気管切開または気管内コネクタを用いて患者により使用されている換気回路を示すものである。
【図2】図1の吸引組立体、カテーテルチューブおよびエルボコネクタの詳細図であり、患者および吸引組立体を吸引ポンプに連結する換気チューブを示すものである。
【図3】吸引組立体の詳細図であり、吸引組立体から分離されたカテーテルチューブおよびエルボコネクタを示すものである。
【図4】カテーテルチューブおよびエルボコネクタの更なる詳細図であり、エルボコネクタが、孔を備えたエラストマーシールと、カテーテルチューブおよびエルボコネクタの両者を連結するバヨネットフィッティングとを有しているところを示すものである。
【図5】カテーテルチューブに取付けられた近位端コネクタの詳細断面図であり、吸引組立体がカテーテルチューブに取付けられたときに生じるデッドスペース、および中央突出部およびシールを通ってカテーテルチューブ内に挿通されたカテーテルチューブを示すものである。
【図6】カテーテルチューブおよび気管切開コネクタの代わりにy型分枝気管切開コネクタが使用されている、本発明の他の実施形態によるカテーテルチューブを示す図面である。
【図7】好ましい実施形態のT型フィッティングの代わりに使用される十字型またはx型フィッティングを備えた本発明のカテーテルチューブの更に別の実施形態を示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の換気/吸引システムであって、
ガスの加圧源と、
使用時にガスを患者へと運ぶことができるガス搬送手段と、
前記ガスを、気管切開チューブフィッティングまたは気管内チューブフィッティングを通して患者に供給できる患者コネクタであって、使用時に、ガス搬送手段と流体連通できるように構成されている患者コネクタと、
略管状であり、かつ使用時に患者コネクタとガス搬送手段との間に取付けられるるように構成されたカテーテルマウントであって、吸引システムを受入れる付加通路を備え、該通路は再シーリング機構を備えたシールにより覆われているカテーテルマウントと、
遠位端および近位端を備え、かつ収縮可能な包囲体により包囲された吸引チューブであって、前記遠位端には遠位側コネクタが設けられ、前記近位端は包囲体に取付けられた近位側コネクタを通して移動でき、遠位側コネクタは、使用時に、吸引チューブの遠位端を吸引手段に連結することができ、近位側コネクタは前記カテーテルマウントに解放可能に連結され、近位側コネクタは、該近位側コネクタとカテーテルマウントとが連結されたとき前記シールを貫通する貫通部材を備え、前記吸引チューブは貫通部材を貫通し前記シールとは接触しない、吸引チューブとを備えている、
ことを特徴とする患者の換気/吸引システム。
【請求項2】
前記近位側コネクタは、カテーテルマウントに連結されたときにチャンバを形成でき、該チャンバは前記シーリング手段を包囲しかつチャンバ内にデッドスペースを形成する、
請求項1に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項3】
前記近位側コネクタおよびカテーテルマウントは、連結されたときに、近位側コネクタおよびカテーテルマウントの隣接面が当接してシールを形成しかつ前記シールを通ってチャンバ内に漏洩するガスが大気中に流出することを防止する、
請求項2に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項4】
前記カテーテルマウントと近位側コネクタとの間の前記連結はバヨネット嵌合により行われる、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項5】
前記シールはエラストマー材料で作られ、かつ通常の作動圧力で実質的に気密なシールを形成する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項6】
前記シールは孔を備え、該孔は前記貫通部材による前記シールの貫通を可能にし、前記エラストマー材料は、前記近位側コネクタがカテーテルマウントから取外されると前記通路を再シールする、
請求項5に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項7】
前記チャンバおよびデッドスペースは、貫通されたシールを通って漏洩することがある前記ガス搬送導管内のガスがデッドスペース内に包囲されかつ収容されるように形成されている、
請求項2に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項8】
前記カテーテルマウントを通る前記通路は、前記吸引チューブが該通路を通りかつカテーテルマウントの内壁に接触することなく気管切開フィッティングまたは気管内フィッティング内に入ることを可能にする、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項9】
前記近位側コネクタは、吸引チューブをカテーテルマウントから取出すときに吸引チューブを拭うワッシャを有している、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の患者の換気/吸引システム。
【請求項10】
シールされる通路を備えたカテーテルマウントに連結するための吸引チューブおよびコネクタであって、
遠位端および近位端を備えたチューブと、
該チューブを包囲する収縮可能な包囲体と、
前記遠位端に取付けられかつ使用時に前記吸引チューブの遠位端を吸引手段に連結することを可能にする遠位側コネクタと、
前記包囲体に取付けられた近位側コネクタとを有し、該近位側コネクタを通って前記チューブの近位端が移動でき、
前記近位側コネクタは前記カテーテルマウントに着脱可能に連結でき、
前記シールを貫通できる貫通部材を更に有し、前記吸引チューブは貫通部材を通ることができかつ前記シールには接触しない、
ことを特徴とする吸引チューブおよびコネクタ。
【請求項11】
前記近位側コネクタは前記カテーテルマウントに連結されたときにチャンバを形成でき、該チャンバは前記シーリング手段を包囲しかつチャンバ内にデッドスペースを形成する、
請求項10記載の患者の換気/吸引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−530210(P2007−530210A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506098(P2007−506098)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/NZ2005/000057
【国際公開番号】WO2005/094925
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)