説明

患者界面材とヘッドギアとを連結する連結装置

本発明は、マスク(10)とヘッドギア(11)とを接続する連結装置、連結装置を組み込む患者気体流供給装置。連結装置では、2つの独立して分離する各ヘッドギア連結装置を回転できる。気体供給マスクは、マスク殻(14,14',14",62)と、マスク殻に取付けられた第1の連結装置(28,28',28",60)と、ヘッドギアに接続されかつ第1の連結装置に着脱可能かつ回転可能に接続される第2の連結装置(42,42',74)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
米国特許法第119条(e)の規定に従い、本願は、2003年8月9日に出願された米国特許仮出願番号第60/402,335号及び2003年7月29日に出願された出願番号が未だ付与されていない米国特許出願の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、約言すればマスク等の患者界面材装置とヘッドギアとを接続する患者界面材組立装置及び気体流を患者に供給しかつ前記患者界面材組立装置を組み込む装置に関する。
【背景技術】
【0003】
患者に挿管せず又は外科的に気管チューブを患者の食道内に挿入せずに、患者の気道に呼吸用気体を非侵襲的に供給することが必要かつ望ましい状況は多く存在する。例えば、非侵襲的換気法として知られた技術を使用して患者に気体を供給する方法は公知である。また、持続気道陽圧(CPAP)又は患者の呼吸周期若しくは状態と共に変化する可変気道圧力を付与して、睡眠無呼吸症候群、特に閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)、チェーンストーク呼吸症又は鬱血性心不全等の医療疾患を治療することは公知である。
【0004】
非侵襲的換気法及び圧力支援治療法では、典型的には鼻又は鼻/口マスクである患者界面材装置を患者の顔面上に配置し、人工呼吸器又は圧力支援装置を患者の気道に連結して、呼吸気体流を圧力/流れ発生装置から患者の気道に供給できる。患者の頭部に装着するヘッドギアにより、患者の顔面にマスクを保持することは公知である。典型的なヘッドギア組立体は、上部ストラップ及び下部ストラップを含み、上部ストラップ及び下部ストラップの各々は、マスクの両側に設けられる接続要素に挿通される両端を有する。典型的には、患者の顔面に対して十分に気密な密封構造を形成して不快感なくヘッドギアによりマスクを維持してマスクを長時間着用できることが重要である。
【0005】
特許文献1には前記ヘッドギアが開示される。ヘッドギアは、患者頭部の頂部及び後部を嵌入する帽子に似た頭部装着体を備えている。複数の下部ストラップは、気体供給マスクに接続される2連結点を有する。また、一対の上部ストラップを使用し、必要に応じて気体供給マスクに4点で接続できる。マスク上の細長い開口部に各ストラップを通した後、開口部から折り返して、ストラップをフック及び環状材料により適所に保持して、患者頭部の適当な位置にマスクを固定できる。患者は、開口部を通過するストラップ材の長さを調整してマスクの良好な装着を確保できる。しかしながら、マスクを一度取り外せば、長さを調整する過程を再び繰り返さなければならない。
【0006】
他のマスク及びヘッドギア接続装置は、特許文献2(「383出願」)に開示される。この装置では、呼吸マスクは、一体成形された第1及び第2の雌型連結装置を有する剛性枠体を備える。雌型連結装置は、ヘッドギアストラップに接続される雄型連結装置を収容する。係合時に、雌型連結装置は、単一の分離した位置に係止される。連結装置は、独立して回転しないため、連結装置を係合するとき、使用者は、各ストラップが捩れないように注意しなければならない。ストラップが捩れると、使用者は、雄型連結装置を外し、ストラップを真直ぐにしてから雄型連結装置を再接続しなければならず、そうしなければ、ストラップの捩れにより使用者がマスクを除去し若しくは使用者の顔面にストラップが不快に当接し又はこれら両方の可能性がある。
【0007】
特許文献3は、383出願に開示される作用に類似するマスク及びヘッドギア接続組立体を開示する。前記特許文献3では、ヘッドギアストラップの端部に環状体を設けて、対応するフックをマスク殻上に設ける。この構造は、フックから環状体を取り外すことにより、使用者がマスクからヘッドギアストラップを容易に分離できる。しかしながら、このフック及び環状体構造は、383出願と同一の欠点を有する。即ち、連結装置を独立して回転できないため、ヘッドギアストラップの捩れにより、マスクの実用性が低下する。
【特許文献1】米国特許第5,517,986号
【特許文献2】国際特許出願公開WO00/78383A1号
【特許文献3】欧州特許出願公開EP0958841A2号(出願番号第99108650.5号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、従来のマスク/ヘッドギア連結装置の欠点を解消して、患者界面材装置とヘッドギアとを連結する接続組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な実施の形態では、2つの独立して分離する各ヘッドギア連結装置を独立して回転できる。ヘッドギア連結装置をマスクに一度接続すれば、使用者は、マスクに接続された連結装置によって、ヘッドギアストラップを引張り真直ぐに伸ばすことができる。保持装置の周囲でヘッドギアストラップのあらゆる操作が要求されず、ヘッドギアストラップのフックと環状体の締結具を分離して、ヘッドギアストラップを真直ぐに伸ばす必要がない。従って、使用者は、適切な位置に既にマスクを保持する状態でヘッドギアストラップの捩れを解除できる利点がある。使用者は、顔面にマスクを保持しながらストラップの捩れを解除する必要はない。
【0010】
また、本発明の例示的な実施の形態では、ストラップの引張り方向に連結装置を整合させて、個々の最も自然な角度でヘッドギアストラップをマスクに装着できる。ストラップを容易に取外しかつ接続できる。また、マスクとヘッドギアとを分離して洗浄することもできる。
【0011】
更に、本発明の例示的な実施の形態は、ヘッドギアと、患者に対し気体流を供給する気体供給マスクと、マスクとヘッドギアとを連結する連結装置とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の前記及び他の目的、特徴及び特性、構造を構成する関連要素の操作法及び機能並びに製造の経済性は、全て本明細書の一部となり、種々の図面で対応する部品を同一の符号で示す添付図面に関する下記の記載及び特許請求の範囲の記載から明らかとなろう。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的に過ぎず、本発明の限界を決定する定義を意味しないことは明白に理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図4は、本発明の原理による気体供給マスク10及びヘッドギア組立体11を含む患者界面材組立体8の例示的な実施の形態を示す。図1〜図4は、特に、患者の気道と圧力発生装置12との間で呼吸用気体流を連絡するように機能する患者界面材装置として気体供給マスク10を示す。圧力発生装置の例は、人工呼吸器、持続気道陽圧装置又は可変圧力装置、即ち患者に供給する圧力が患者の呼吸周期と共に変化し、呼気よりも吸気の際に高圧力を供給するアメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ所在のレスピロニクス社が製造及び販売するオートタイトレーティング持続気道陽圧装置若しくはBiPAP(登録商標)装置等の可変圧力装置を含む。
【0014】
図1〜図3は、必須ではないが、弾力性を有しかつ比較的柔らかい密封材18又はクッションを取り付けた環状部16を形成する開口側を有する全体的に剛性構造の殻部であることが好ましいマスク殻14又はマスク本体を含む気体供給マスク10を示す。図示の例示的な実施の形態では、マスク殻14は、1つの丸い上部頂角部20と2つの丸い下部角部22とを有するほぼ三角形状である。マスク殻14は、気体供給導管26を収容する入口開口24を含む。密封材18は、患者の鼻等の一部を収容する形状を有する。別法として、マスク10は、患者の鼻及び口を包囲する鼻/口マスク又は患者の口のみを包囲する口マスクでもよい。密封材18は、使用者に接触するマスクの当接部分を形成する。
【0015】
図示の例示的な実施の形態では、一対の第1の連結装置28は、マスク殻14の下部角部22に取り付けられる。第1の連結装置28の各々は、図2に明示する通り、マスク殻14の下部角部22から環状部16を越えて突出する比較的薄い一対の並行な壁30を備えている。各並行な壁30の末端32で、切欠付壁34は、並行な壁30に支持され、マスク殻14の下部角部22で環状部16に向けて下方に湾曲する。これを図3に明示する。切欠付壁34は、切欠付壁34の全長さにわたり延伸する切欠部36又は溝を有し、切欠部36は、実質的に並行な壁37及び並行な壁37の上縁付近の幅が減少する小幅領域38を有する。
【0016】
ヘッドギア組立体11のヘッドギアストラップ40は、第2の連結装置42により選択的に、即ち着脱自在にマスク10に接続される。図示の実施の形態では、ストラップ連結装置とも指称される一対の第2の連結装置42は、ヘッドギアストラップ40の末端部に着脱自在に接続できかつマスク殻14の各側の第1の連結装置28にも着脱自在に接続できる。本発明では、ヘッドギア組立体11は、患者界面材分野に使用する従来のヘッドギア等あらゆる適切なヘッドギアを使用できることを企図する。例えば、典型的なヘッドギア組立体は、患者の頭蓋の一部を覆う頭部装着体(図示せず)と、頭部装着体から延伸し、ヘッドギアをマスクに調節可能に接続するヘッドギアストラップ42とを備える。
【0017】
図4に明示する各ストラップ連結装置42は、長孔50を有する長枠48を含む。好適な実施の形態では、長枠48は剛体である。しかしながら、本発明では、柔軟性材料又は可撓性材料により長枠48を形成できることも企図する。図示の実施の形態では、ヘッドギアストラップ40の端部41を長孔50内に挿通した後、ヘッドギアストラップ40自体を折り返して、ヘッドギアストラップ連結装置42上にフック要素及び環状要素が固着される。しかしながら、本発明は、ヘッドギアストラップ40の端部41をヘッドギアストラップ40に固定するスナップ、バックル又は固定鉤止装置等の従来の固定手段を使用することも企図する。また、本発明は、ヘッドギアストラップ40の端部41をストラップ連結装置42に固定連結することを企図する。例えば、患者/使用者がヘッドギアストラップ40を所望の長さに一度設定し、開口部50内に挿通すれば、互いに重なるストラップを接着、縫合又は鋲着することにより、ストラップの自由端をストラップ上に折り返して常時固定できる。
【0018】
ヘッドギアストラップ40の端部41をストラップ40の残部に取り付ける固定鉤止装置100及び120の2つの実施の形態を図5及び図6に示す。図5の固定鉤止装置100は、ストラップ40の残部にストラップ40の自由端104を取り付ける周知の機構に相当し、矢印102に示す通り、ストラップ40に対して固定鉤止装置100の位置を移動できる。具体的には、ストラップ端部41の自由端104は、クランプ100の中央柱部106に固定される。例えば、破線の縫合線108に示すように、自由端104をストラップ端部41に縫合することは周知である。ストラップ連結装置42内にストラップ端部41を挿通した後に、クランプ100の柱部110及び112内に通す。このように、頭部装着体からストラップ連結装置42までのヘッドギアストラップ40の長さを調節して、クランプ100の柱部106,110及び112とヘッドギアストラップ40との結合作用によりヘッドギアストラップ40を所望の長さに設定し維持できる。
【0019】
図6に示す固定鉤止装置120は、貫通孔124が形成された本体122を備え、ヘッドギアストラップ40及び41は、貫通孔124内を通過できる。一体ヒンジ構造等の蝶番部128により締付部材126を本体122に回転可能に取り付けて、矢印130に示すように、本体122に係合させる閉鎖状態に締付部材126を閉鎖できる。閉鎖位置(図示せず)では、締付部材126は、ストラップ40の残部に端部41を挟み、適所にストラップ40を固定する。ストラップ40の余分な長さの自由端部41aを切除できる。また、クランプ部材126に係止歯132を設けることができる。図示しないが、本発明は、本体122に係合させてクランプ部材126を閉鎖位置に固定するあらゆる従来技術を企図する。
【0020】
更に、図1〜図4に示すように、ストラップ連結装置42は、剛性長枠48の中心点から延伸する軸部52を備える。好適な実施の形態では、軸部52は剛体である。しかしながら、本発明は、柔軟性又は可撓性材料により軸部52を形成できることも企図する。長枠48に対向する軸部52の末端54には、例えば軸部52の2倍大きい直径を有する膨出部56が設けられる。本発明は、図示の球状以外の形状を膨出部56に付与することも企図する。
【0021】
ヘッドギアストラップ40をマスク10に接続するため、第1の連結装置28の各切欠部36内に軸部52がそれぞれ配置される。幅が減少する小幅領域38は、切欠部36と軸部52との接触領域となり、切欠部36の適所に軸部52がスナップ嵌合される。切欠部36の幅より大きい直径を有する膨出部56は、第1の連結装置28内にストラップ連結装置42を保持する。第1の連結装置28内にストラップ連結装置42を嵌合すれば、軸52の中心軸周りにストラップ連結装置42を360度自由に回転できると共に、他の2軸の各周囲にほぼ角度90度にわたり揺動運動させることができる。ストラップ連結装置42を第1の連結装置28に一度係合すると、使用者は、ヘッドギアストラップ40を自由に調整し真直ぐにして、前記のように所望の設定長さによりストラップを固定できる。その後、第1の連結装置28からストラップ連結装置部56の係合を解除することにより、マスクからヘッドギアを容易に分離できる。
【0022】
患者界面材組立体8の図示の例示的な実施の形態では、マスク10は、額当部材53に接続される額支持アーム51を備える。額当部材53は、同様に従来の額組立体と同様に機能する。換言すると、ヘッドギア組立体11のヘッドギアストラップ40を額当部材53に連結できる付加的な連結装置が形成される。例えば、図1に示す実施の形態では、ヘッドギアストラップ40は、あらゆる従来の方法で額当部材53に着脱自在に選択的に係合されるスナップ部材55に連結される。しかしながら、第1の連結装置28とストラップ連結装置42とを備えた球体−ソケット構造を額当部材53に設け、ヘッドギアストラップ40を額当部材53に着脱自在に選択的かつ回転可能に取り付けることもできる。勿論、スナップ部材55を除去して、ヘッドギアストラップ42を額当部材53に常時固定することもできる。
【0023】
本発明による患者界面材組立体の他の例示的な実施の形態を図7〜図14に示す。本実施の形態の特徴の多くは、図1〜図4に類似する。本発明のマスク及びヘッドギア連結装置の関連する特徴及び代替構造は、マスク殻上に示す連結装置から得られるため、本実施の形態では額組立体を図示しないことに留意すべきである。しかしながら、額当部材又は他の類似の額組立体にヘッドギアを取り付ける際にも同様に、図7〜図14に図示し後述するマスク殻にヘッドギアを連結する構造を適用できる。
【0024】
図7及び図8は、図1〜図3のマスク殻14にほぼ類似するマスク殻の他の実施の形態を示す。しかしながら、図7のマスク殻14'は、シェル14の下部角部22'からほぼ直角に又は真直ぐに延伸する第1の連結装置28'を含む。図8に示す実施の形態では、第1の連結装置28"は、前記実施の形態のようにマスク殻14'から突出せずに、マスク殻14"内に形成される。図9は、ストラップ連結装置42'の他の実施の形態を示し、図10は、第1の連結装置28"によって、図8のマスク殻14"に如何に図9のストラップ連結装置42'を接続するかを図示する。本発明の基本原理に依然固執しながら、第1の連結装置28,28',28"及びストラップ連結装置42,42'に対し可能な種々の異なる構造を当業者が理解できるように、前記他の実施の形態が設けられる。本発明の基本原理では、ストラップ連結装置は、1)マスク殻に選択的に取り付けられ、2)図10の矢印Aに示すように360度の角度回転でき、3)マスク殻14"の面にほぼ平行な矢印Bに示す第1の面内の角度範囲にわたり揺動でき、4)マスク殻14"の面にほぼ直角な図10の矢印Cに示す第2の面内の角度範囲にわたり揺動できることである。
【0025】
本発明の原理によるマスク57とヘッドギアとの連結構造の更に他の例示的な実施の形態を図11〜図14に示す。本実施の形態では、マスク殻62に接続する各第1の連結装置60は、マスク殻62の各下部角部66から延伸する第1の軸部64を含む。第1の軸部64の末端の第2の軸部70から円錐状部材68が延伸する。第1の軸部64及び第2の軸部70の中心からほぼ直角に延伸する径を有する保持部72は、第1の軸部64と第2の軸部70とを分離する。保持部72は、円錐状部材68の基部と保持部72との間に環状凹部を形成する。
【0026】
本発明の例示的な実施の形態では、第1の軸部64は、実質的に平坦に形成されるが、マスク殻62に適合する平面に対して直角方向に撓み、マスク殻62に適合する平面に対して平行には撓まない。しかしながら、第1の軸部64は、剛性構造及び固定構造を含む種々の構造の何れか1つとすることができる。また、本発明は、第1の軸部64を完全に省略することも企図する。
【0027】
各ストラップ連結装置74は、長孔78を有する剛性の長枠76を含む。更に、ストラップ連結装置74は、長枠76の中央から延伸する第3の軸部80を含む。第3の軸部80は、2つの対向する剛性壁82,84と、第1の連結装置60の円錐部材68の基部に形成される凹部が係合する内部半円形のラッチ歯90を有する2つの対向する可撓壁86,88とを含む。可撓壁86及び88の外側の突起92を押圧することにより、ラッチ歯90を解放できる。
【0028】
第1の連結装置60上の凹部にラッチ歯90を一度係合すれば、第1の連結装置60に対しストラップ連結装置74を角度360度回転可能に確実に連結できる。また、比較的細い軸部70の可撓性により、2軸、即ち第1の面Bと第2の面Cに沿ってストラップ連結装置74を揺動できるため、ストラップ連結装置74をヘッドギアストラップ40に接続して、使用者の顔の輪郭にヘッドギアストラップ40をより密着して装着でき、使用者の顔からヘッドギアストラップ40が不規則に突出しない。本発明は、所望の1又は2以上の方向の所望範囲に屈曲する種々の形状及び大きさの何れか1つを有する第2の軸部70を企図することに留意すべきである。
【0029】
図示の実施の形態では、マスク殻の下側に設けた第1の連結装置を示す。しかしながら、本発明は、マスク上の他の位置に連結部材を設けて、所望の方向に連結部材を方向付けることを企図する。例えば、第1の連結装置を額組立体に設けることができる。また、本発明は、第1の連結装置及びストラップ連結装置の雄型及び雌型を逆向きにできることも企図する。換言すれば、図1に示すストラップ連結装置42のボール部材をマスク10に設け、図1に示す第1の連結装置のソケット部材をストラップ連結装置42に設けることができる。
【0030】
現在最も実用的かつ好適と思われる実施の形態を図示して詳述したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に特許請求の範囲と同趣旨の変更態様及び同等の装置を包含すること意図する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】気体流発生装置に(概略的に)連結された本発明の例示的な実施の形態の原理による患者界面材組立体を示す正面図
【図2】図1の患者界面材組立体のマスク殻を示す正面図
【図3】図1の患者界面材組立体のマスク殻を示す斜視図
【図4】本発明の例示的な実施の形態の原理による図1の患者界面材組立体のストラップ連結装置を示す斜視図
【図5】本発明のヘッドギア組立体の使用に適するヘッドギアストラップ固定締付装置の他の構成を示す斜視図
【図6】本発明のヘッドギア組立体の使用に適するヘッドギアストラップ固定締付装置の他の構成を示す斜視図
【図7】本発明の原理によるマスク殻の第2の実施の形態を示す斜視図
【図8】本発明の原理によるマスク殻の第3の実施の形態を示す斜視図
【図9】本発明の原理によるストラップ連結装置の第2の実施の形態を示す斜視図
【図10】図8に示すマスク殻と図9に示すストラップ連結装置との係合関係を示す斜視図
【図11】本発明の第4の実施の形態による患者界面材組立体の他の実施の形態を示す部分分解正面図
【図12】図11に示す線12−12に沿うストラップ連結装置の断面図
【図13】図11のマスク組立体のストラップ連結装置に接続される第1の連結装置を示す部分断面図
【図14】ストラップ連結装置と第1の連結装置とを示す図11の線14−14に沿う断面図
【符号の説明】
【0032】
(10,57)・・気体供給マスク、 (11)・・ヘッドギア、 (12)・・気体流発生装置、 (14,14',14",62)・・マスク殻、 (26)・・導管、 (28,28',28",60)・・第1の連結装置(雌型連結装置)、 (30)・・並行な壁、 (32)・・湾曲切欠付壁、 (40)・・ストラップ、 (42,42',74)・・第2の連結装置(雄型連結装置)、 (48)・・長枠、 (50)・・長孔(開口部)、 (52)・・軸部、 (56)・・膨出部、 (68)・・円錐軸、 (70)・・軸部、 (76)・・長枠、 (78)・・開口部、 (82)・・支軸、 (86)・・対向壁、 (120)・・固定鉤止装置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク殻(14,14',14",62)と、
マスク殻に取付けられた第1の連結装置(28,28',28",60)と、
使用者にマスクを固定する少なくとも1つのストラップ(40)を有するヘッドギア(11)に接続可能な第2の連結装置(42,42',74)と、
第1の連結装置と第2の連結装置とを着脱可能かつ回転可能に接続する手段とを備えることを特徴とする気体供給マスク(10,57)。
【請求項2】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雌型連結装置(28,28',28")であり、第2の連結装置は、雌型連結装置(28,28',28")に対応する雄型連結装置(42,42')である請求項1に記載の気体供給マスク。
【請求項3】
第1の連結装置は、一対の並行な壁(30)と、並行な壁(30)に支持された湾曲する切欠付壁(32)とを備える請求項2に記載の気体供給マスク。
【請求項4】
第2の連結装置は、ヘッドギアストラップを収容する長孔(50)を有する長枠(48)を備えた請求項3に記載の気体供給マスク。
【請求項5】
第2の連結装置は、
回転軸を有しかつ長枠から延伸する軸部(52)と、軸部の末端に接続された膨出部(56)とを備え、
第1の連結装置の切欠付壁内に挿入した膨出部を軸部の回転軸の周囲に角度360度回転できる請求項4に記載の気体供給マスク。
【請求項6】
第1の連結装置は、マスク殻に凹部として形成され、第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雄型連結装置である請求項1に記載の気体供給マスク。
【請求項7】
第2の連結装置は、雄型連結装置に対応する雌型連結装置である請求項6に記載の気体供給マスク。
【請求項8】
第1の連結装置(60)は、可撓性を有する軸部(70)と、可撓性を有する軸部の端部に取付けられる円錐軸(68)とを備える請求項7に記載の気体供給マスク。
【請求項9】
第2の連結装置(74)は、ヘッドギアストラップを収容する開口部(78)を有する長枠(76)を備えた請求項8に記載の気体供給マスク。
【請求項10】
第2の連結装置は、長枠から延伸しかつ円錐軸を回転可能に収容する対向壁(86)を有する支軸(82)を備える請求項9に記載の気体供給マスク。
【請求項11】
マスク殻(14,14',14",62)と、
マスク殻に取付けられた第1の連結装置(28,28',28",60)と、
着脱可能かつ回転可能に第1の連結装置に接続する第1の部分と使用者にマスクを固定する少なくとも1つのストラップ(40)を有するヘッドギア(11)に接続される第2の部分とを有する第2の連結装置(42,42',74)とを備えることを特徴とする気体供給マスク(10,57)。
【請求項12】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雌型連結装置(28,28',28")であり、第2の連結装置は、雌型連結装置(28,28',28")に対応する雄型連結装置(42,42')である請求項11に記載の気体供給マスク。
【請求項13】
第1の連結装置は、一対の並行な壁(30)と、並行な壁(30)に支持される切欠付壁(32)とを備える請求項12に記載の気体供給マスク。
【請求項14】
第2の連結装置は、ストラップを収容する開口部(50)を有する長枠(48)を備えた請求項13に記載の気体供給マスク。
【請求項15】
第2の連結装置は、
回転軸を有しかつ長枠から延伸する軸部(52)と、軸部の末端に接続された膨出部(56)とを備え、
第1の連結装置の切欠付壁内に挿入した膨出部を軸部の回転軸の周囲に角度360度回転できる請求項14に記載の気体供給マスク。
【請求項16】
第1の連結装置は、マスク殻に凹部として形成される請求項11に記載の気体供給マスク。
【請求項17】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雄型連結装置であり、第2の連結装置は、雄型連結装置に対応する雌型連結装置である請求項11に記載の気体供給マスク。
【請求項18】
第1の連結装置(60)は、可撓性を有する軸部(70)と、可撓性を有する軸部の端部に取付けられる円錐軸(68)とを備える請求項17に記載の気体供給マスク。
【請求項19】
第2の連結装置(74)は、ストラップを収容する開口部(78)を有する長枠(76)を備えた請求項18に記載の気体供給マスク。
【請求項20】
第2の連結装置は、長枠から延伸しかつ円錐軸を回転可能に収容する対向壁(86)を有する支軸(82)を備える請求項19に記載の気体供給マスク。
【請求項21】
(a)(1)マスク殻(14,14',14",62)と、
(2)マスク殻に取付けられた第1の連結装置(28,28',28",60)と、
(3)第1の連結装置に着脱可能かつ回転可能に接続された第2の連結装置(42,42',74)とを備えた気体供給マスク(10,57)と、
(b)(1)ヘッドギアを第2の連結装置に接続する連結ストラップ(40)を有し、使用者にマスクを固定するヘッドギア(11)とを備えることを特徴とする患者界面材組立体。
【請求項22】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雌型連結装置(28,28',28")であり、第2の連結装置は、雌型連結装置(28,28',28")に対応する雄型連結装置(42,42')である請求項21に記載の患者界面材組立体。
【請求項23】
第1の連結装置は、一対の並行な壁(30)と、並行な壁に支持される切欠付壁(32)とを備える請求項22に記載の患者界面材組立体。
【請求項24】
第2の連結装置は、ストラップを収容する開口部(50)を有する長枠(48)を備えた請求項23に記載の患者界面材組立体。
【請求項25】
第2の連結装置は、
回転軸を有しかつ長枠から延伸する軸部(52)と、軸部の端部に接続された膨出部(56)とを備え、
第1の連結装置の切欠付壁内に挿入した膨出部を軸部の回転軸の周囲に角度360度回転できる請求項24に記載の患者界面材組立体。
【請求項26】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雄型連結装置であり、第2の連結装置は、雄型連結装置に対応する雌型連結装置である請求項21に記載の患者界面材組立体。
【請求項27】
第1の連結装置(60)は、可撓性を有する軸部(70)と、軸部の端部に取付けられる円錐軸(68)とを備える請求項26に記載の患者界面材組立体。
【請求項28】
第2の連結装置(74)は、ストラップを収容する開口部(78)を有する長枠(76)を備えた請求項27に記載の患者界面材組立体。
【請求項29】
第2の連結装置は、長枠から延伸しかつ円錐軸を回転可能に収容する対向壁(86)を有する支軸(82)を備える請求項28に記載の患者界面材組立体。
【請求項30】
連結ストラップに連結された固定鉤止装置(120)を備える請求項21に記載の患者界面材組立体。
【請求項31】
(a)気体流を発生する気体流発生装置(12)と、
(b)気体流発生装置に作動接続される第1の端部と第2の端部とを有し、患者呼吸用気体供給装置の作動の間に気体流発生装置からの気体流を搬送する導管(26)と、
(c)(1)マスク殻(14,14',14",62)と、
(2)マスク殻に取付けられた第1の連結装置(28,28',28",60)と、
(3)第1の連結装置に着脱可能かつ回転可能に接続される第2の連結装置(42,42',74)とを有する気体供給マスク(10、57)と、
(d)ヘッドギアを気体供給マスクの第2の連結装置に接続する連結ストラップ(40)を有し、使用者にマスクを固定するヘッドギア(11)とを備えることを特徴とする患者呼吸用気体供給装置。
【請求項32】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雌型連結装置(28,28',28")であり、第2の連結装置は、雌型連結装置(28,28',28")に対応する雄型連結装置(42,42')である請求項31に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項33】
第1の連結装置は、一対の並行な壁(30)と、並行な壁の端部に支持される切欠付壁(32)とを備える請求項32に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項34】
第2の連結装置は、ストラップを収容する開口部(50)を有する長枠(48)を備えた請求項33に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項35】
第2の連結装置は、
長枠から延伸する軸部(52)と、軸部の端部に接続された膨出部(56)とを備え、
膨出部は、第1の連結装置の切欠付壁内に挿入される請求項34に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項36】
第1の連結装置は、マスク殻に一体に形成された雄型連結装置であり、第2の連結装置は、雄型連結装置に対応する雌型連結装置である請求項31に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項37】
第1の連結装置(60)は、可撓性を有する軸部(70)と、可撓性を有する軸部の端部に取付けられる円錐軸(68)とを備える請求項36に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項38】
第2の連結装置(74)は、ストラップを収容する開口部(78)を有する長枠(76)を備えた請求項37に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項39】
第2の連結装置は、長枠から延伸しかつ円錐軸を回転可能に収容する対向壁(86)を有する支軸(82)を備える請求項38に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項40】
更に、連結ストラップに連結される固定鉤止装置(120)を備える請求項31に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項41】
気体供給マスクは、鼻マスク又は鼻及び口用フェイスマスクである請求項31に記載の患者呼吸用気体供給装置。
【請求項42】
気体供給マスクのヘッドギアストラップを収容する開口部(78)を有する長枠(76)と、
長枠から延伸しかつ気体供給マスク殻に接続する連結装置を回転可能に収容する対向壁(86)を有する支軸(82)とを備えることを特徴とするヘッドギア連結装置(74)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−507858(P2006−507858A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−527698(P2004−527698)
【出願日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2003/024030
【国際公開番号】WO2004/014454
【国際公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(503084303)アールアイシー・インベストメンツ・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】