説明

情報処理装置用制御装置

【課題】配線等が複雑になると、外部接続機器用接続部を情報処理装置用制御装置に取り付け、取り外しが困難になり、保守も容易ではない状況にある。
【解決手段】複数の外部接続コネクタと、該複数の外部接続コネクタを支持すると共に、結合用接続端子を端部に有する外部接続機器用I/Oボードと備えた外部接
続機器用接続部を備え、外部接続機器用接続部はレバー部材及びガイド溝を有することにより、情報処理装置用制御装置に対して、ネジ無しで取り付け、取り外しができるような構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、この種の情報処理装置用制御装置には、ディスプレイ、プリンタ、マウス、キーボード等の周辺機器が接続されている。また、情報処理装置用制御装置のうち、POS装置用制御装置には、上記した周辺機器に加えて、バーコードリーダ、カードリーダ等の周辺機器も接続されている。このため、情報処理装置用制御装置には、これら周辺機器を接続するための各種周辺機器用コネクタが設置されている。また、コネクタの種類は、標準的に備えられているコネクタの外に、拡張用コネクタが設けられる場合も多い。
【0003】
ここで、情報処理装置用制御装置として、POS装置用制御装置を例にとって説明すると、当該POS装置用制御装置には、CPU等を搭載したマザーボードの外、電源部、及び、各種のデータを格納するハードディスクドライブ(HDD)等がシャーシ内に設けられている。これらマザーボード、電源部、及びHDDは、通常、ワイヤ、ケーブルによって、周辺機器用コネクタと電気的に接続されている。即ち、マザーボード、電源部、及びHDDと、周辺機器用コネクタとの間には、配線部が設けられているのが普通である。
【0004】
一方、特許文献1には、小型機器を収納するために使用できるネジ止め不要な筐体が開示されている。具体的に説明すると、特許文献1に示された筐体は、アッパーカバーとロアカバーに2分割された筐体部を、ネジを用いないで、爪、爪受け、及び係止部材によって組み立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−110253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周辺機器の数が多くなり、周辺機器用コネクタの数が多くなると、配線部における配線量は膨大な量となり、配線が複雑になるだけでなく、保守も難しくなってしまう。
【0007】
また、マザーボード、電源部、及びHDDは、相互に関連して電源電圧の送受及びデータの送受を行うため、マザーボード、電源部、及びHDDの配線部は、情報処理装置用制御装置内で複雑に絡み合った状態で配線されている。マザーボード、電源部、及びHDDは、配線を切り離さない限り、分離して取り外せない構成となっている場合が多い。このことは、周辺機器用コネクタとの配線部についても同様である。
【0008】
更に、マザーボード、電源部、及びHDDは、シャーシ内に設けられた支持プレート等に、ネジによって固定されているのが普通である。このように、ネジによって固定した場合、組立、保守、修理等の際に、配線部と共に、ネジも外す必要があり、組立、保守、修理等に非常に時間が掛かってしまう。
【0009】
また、特許文献1は、2分割できる筐体をネジ無しで固定することを開示しているが、配線部を内部に内蔵した筐体については何ら示唆していない。
【0010】
本発明の課題は、周辺機器接続用コネクタを搭載した外部接続用接続部を簡単に取り付け、及び、取り外しができる情報処理装置用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、複数の外部接続コネクタと、該複数の外部接続コネクタを固定されると共に、結合用接続端子を端部に有する外部接続機器用I/Oボードを備えた外部接続機器用接続部を含み、前記外部接続機器用I/Oボードは、前記外部接続機器用接続部を外部機器に着脱するレバー部材及び着脱用ガイド溝を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記外部接続機器用接続部は、前記複数の外部接続コネクタの配置及び前記外部接続コネクタの種類が互いに異なる複数種類の外部接続機器用I/Oボードによって構成されていることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様において、前記レバー部材は、前記外部接続機器用I/Oボードの上部に設けられたブラケットに取り付けられ、前記着脱用ガイド溝は、前記外部接続機器用I/Oボードの底部に設けられ、前記着脱用ガイド溝は略L字状の形状を有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様において、前記外部接続機器用接続部を搭載する取付用挿入口を有するシャーシ部を更に有することを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0015】
本発明の第5の態様によれば、第4の態様において、前記シャーシ部は、前記取付用挿入口の上辺から下方向に突出し、前記レバー部材と連結される第1の突起部と、前記取付用挿入口の底辺から上方向に突出して、前記外部機器着脱用ガイド溝内に挿入される第2の突起部と、前記複数種類の外部接続機器用I/Oボードに対して共通に使用され、前記結合用接続端子と連結されるシャーシ側コネクタを備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0016】
本発明の第6の態様によれば、第5の態様において、前記シャーシ部は、更に、マザーボートを含み、前記シャーシ側コネクタに連結されたマザーボード装着用コネクタと、当該マザーボード装着用コネクタに着脱されるマザーボード側コネクタとを含んでいることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0017】
本発明の第7の態様によれば、第6の態様において、前記シャーシ部は、前記マザーボードを支持する支持プレートを備え、前記マザーボードは、前記支持プレートに対してネジなしで取り付けるための取付用絶縁性スペーサを有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0018】
本発明の第8の態様によれば、第7の態様において、前記シャーシ部は、更に、前記支持プレートに設けられた嵌合部によって支持される電源部を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0019】
本発明の第9の態様によれば、第8の態様において、前記電源部及び前記マザーボードを押圧固定するカバー部材を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0020】
本発明の第10の態様によれば、第9の態様において、前記シャーシ部は、更に、ハードディスク装着部(HDD)を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【0021】
本発明の第11の態様によれば、第10の態様において、前記ハードディクス装着部に装着されるハードディスクは、互いに間隔を置いて配置された2つの挿抜用舌片を有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置が得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外部接続機器用接続部を容易に取り付け、取り外しができ、保守等も容易な情報処理装置用制御装置が得られる。更に、本発明では、互いに異なる配列形式で複数種類のコネクタを配列した複数種類の外部接続用接続部を用意しておくことにより、情報処理装置用制御装置に対してワンタッチで交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置用制御装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示された情報処理装置用制御装置のリアカバーを説明する斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は図1に示されたフロントカバーを具体的に説明する斜視図である。
【図4】(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)は、図1に示された情報処理装置用制御装置のシャーシカバーを取り除いた状態を示す斜視図であり、(A)はフロントカバーが取り付けられた状態、(B)はフロントカバーを取り除いた状態を示し、(C)、(D)、及び(E)は、フロントカバー取付動作を説明する拡大図である。
【図5】(A)〜(C)は、フロントカバーを取り除いた状態における支持プレートをより具体的に説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は支持プレートの平面図、及び、(C)は使用される部品を拡大して示す図である。
【図6】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれマザーボードを取り付けた状態、電源部を取り付けた状態、電源部に押圧カバーを取り付けた状態、及び、押圧カバーを示す斜視図であり、(E)は押圧カバーの一部を拡大して示す図である。
【図7】(A)、(B)、及び(C)は、それぞれマザーボードの斜視図、正面図、及び裏面図であり、(D)はマザーボードに使用される部品を拡大して示す図である。
【図8】(A)、(B)、及び(C)は、それぞれHDDの取り付け位置を示す斜視図、HDD部の外観を示す斜視図、HDDのガイド部を示す斜視図、(D)はシャーシ側の抑え構造を説明する拡大図であり、(E)はHDD部の一部を拡大して示す図である。
【図9】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、外部接続機器用接続部の取り付け位置、外部接続機器用接続部の概略構成、取り付け後の状態、及び、ライザボードを示す斜視図である。
【図10】(A)、(B)、(C)、及び(D)は外部接続機器用接続部を示す斜視図、上面図、底面図、及びレバー部材を示す拡大図である。
【図11】(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)は外部接続機器用接続部をシャーシに取り付ける構造を説明する図であり、(C)、(D)、及び(E)は図11(A)及び(B)の一部を拡大して示す拡大図である。
【図12】(A)、(B)、及び(C)は外部接続機器用接続部を構成する3種類のパネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る情報処理装置用制御装置100の全体構成が示されている。ここでは、情報処理装置用制御装置100として、POS制御装置が示されている。図示された情報処理装置用制御装置100はシャーシ(即ち、筐体フレーム)102、シャーシ102の前面側に設けられたフロントカバー104、及びシャーシ102の背面側に設けられたリアカバー106によって構成されている。ここで、フロントカバー104及びリアカバー106といずれもネジ無しでシャーシ102に固定されている。また、シャーシ102は、図の下側に設けられたシャーシ本体1021とシャーシカバー(トップカバー)105とによって構成されており、シャーシ102とシャーシカバー(トップカバー)105もネジ無しで互いに嵌合する形で組み立てられている。トップカバー105の取り付け構造については後述する。
【0025】
図2を参照すると、リアカバー106の内側の構成が示されており、リアカバー106の内側上部には、4つの係合爪1061が設けられており、リアカバー106の内側下部には、3つの係合部1062が設けられている。この構成では、シャーシ102の背面側の上下に設けられた開口部に、係合爪1061及び係合部1062を挿入し、図1の右側方向にスライドさせることにより、シャーシ102にリアカバー106を装着することができ、左側にスライドさせることにより、リアカバー106を取り外すことができる。図示されたリアカバー106は非導電性の樹脂によって形成されている。このように、リアカバー106は横方向にスライドすることによって取り外すことができるため、リアカバー106を掴んで持ち上げても、リアカバー106が外れるおそれはない。
【0026】
図3(A)及び(B)を参照すると、フロントカバー104は、その内側上部に3つの上部爪1041、また、内側下部に3つの下部爪1042を備えている。図示されたリアカバー106と同様に非導電性の樹脂によって形成されており、フロントカバー104の上部爪1041、下部爪1042をシャーシ102の背面側に設けられた開口部に嵌合スライドさせることにより、フロントカバー104を着脱することができる。また、図3(A)及び(B)に示すように、フロントカバー104の内側には、静電気防止用金属板1043が貼り付けられており、当該静電気防止用金属板1043には、シャーシ102と電気的に接触を取るための舌片1044が複数個設けられている。静電気防止用金属板1043を設けることにより、フロントカバー104からの静電気は、フレームグランドに放電されるため、フロントカバー104の内側に搭載される部品等が静電気によって破壊されるのを防止できる。
【0027】
いずれにしても、フロントカバー104及びリアカバー106はネジ無しでシャーシ102に固定することができる。
【0028】
図4(A)を参照すると、フロントカバー104をシャーシ102に取り付けた状態が示されている。図示されたフロントカバー104の前面には、保守用のUSBポート1041が設けられているため、保守用の機器を情報処理装置用制御装置100の前面に接続して保守を行うことができる。よって、保守用機器を情報処理装置用制御装置100の裏面や側面に接続できない場合に極めて有効である。
【0029】
一方、図4(B)に示されているように、シャーシ102の下部シャーシを構成するシャーシ本体1021は、矩形形状の内部空間(挿入口)を規定すると共に、前面側に前面プレート1022が固定されている。この例では、シャーシ本体1021と前面プレート1022は板金加工により一体成形されていても良い。
【0030】
前面プレート1022の上部には、フロントカバー104の上部爪1041を受ける3つの穴1023が設けられ、また、下部にはフロントカバー104の下部爪1042を受け、下部爪1042を固定するスライド型固定部1024及びスライド爪1026が設けられている。図4(B)に示すように、前面プレート1022によって、シャーシ本体1021の空間は、2つの導入口に分けられている。
【0031】
図4(C)、(D)、(E)は、シャーシ本体1021に設けられるスライド固定部1024及びスライド爪1025の動作を拡大して説明するものであり、シャーシ本体1021の底部には、図4(C)に示すように、スライドボタン1025が設けられており、当該スライドボタン1025をスライドさせると、スライドボタン1025に連動して、シャーシ本体1021の空間側に設けられたスライド固定部1024及びスライド爪1026は図4(D)及び(E)に示すように、右に移動し、更に、シャーシ本体1021側に設けられた係止板1027が図4(D)から(E)に示すように、上方向に持ち上がる。この結果、フロントカバー104に設けられ、且つ、係止板1027によって押圧されていた下部爪1042の押圧状態が、解除され、フロントカバー104の下辺のロック状態は解除される。この例では、スライドボタン1025をスライドさせ、フロントカバー104の下部爪1042の係合を解除しても、上部爪1041の係合は解除されないため、フロントカバー104の落下を防止した状態で、取り外しができる。
【0032】
図4(B)に戻ると、シャーシ本体1021の上部には、導電性の金属によって形成された支持プレート110がシャーシ本体1021に嵌め込まれている。このため、図示されたシャーシ102内部の空間は、支持プレー110によって、上下2つの空間に分けられている。この例では、支持プレート110及びシャーシ102は同一の金属材料、例えば、亜鉛メッキ鋼板を板金加工することによって構成されている。
【0033】
図5(A)及び(B)を参照すると、支持プレート110の上面部は、電源部取付部分1101とマザーボード取付部分1102とに区分されており、電源部取付部分1101には、電源支持用バネ1105が設けられ、他方、マザーボード取付部分1102には、マザーボードとの電気的な接続をとるための舌片1107が複数個配置されている。図5(C)には、舌片1107が拡大して示されている。また、支持プレート110のマザーボード取付部分1102には、図5(B)に示すように、漏斗状の孔1103が複数個設けられている。支持プレート110上の孔1103は、左側に直径の大きい円形形状孔と、当該円形形状孔の右側に連続した略楕円形形状孔とによって形成されている。当該漏斗状の孔1103には、図7を参照して説明するマザーボード122のスペーサ140が嵌入され、マザーボード122を図5の右方向にスライドさせて固定するために使用される。
【0034】
図5(A)に示すように、支持プレート110の背面側(リアカバー側)には、電源固定用支持部1108が設置されており、他方、マザーボード取付部分1102の側面には、コネクタ取付部1109が設けられている。更に、シャーシ102の背面側は支持プレート110によって、単一の下部空間が規定され、他方、支持プレート110の上部には、標準コネクタ群を取り付けることができるコネクタ取付部が規定されている。
【0035】
図6(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)を参照して、シャーシ102の上部に配置された支持プレート110に、マザーボード、電源部を固定する動作について説明する。尚、図6では、支持プレート110の下部に設けられた空間に、拡張用コネクタパネルが既に取り付けられている場合が示されている。
【0036】
図6(A)では、支持プレート110のマザーボード取付部分1102上に、マザーボード122がネジ無しで取り付けられている。ここで、図7(A)、(B)、(C)、及び(D)をも参照すると、マザーボード122上には、DRAM1221、ヒートシンク1223、CPU1225、マザーボードコネクタ1227、RTCバッテリ1229等が配置されている。マザーボードコネクタ1227は、支持プレート110の側面に設けられた後述するライザボードと電気的に接続される。更に、図示されたマザーボード122には、ハンドル130が取り付けられると共に、標準コネクタを配列した標準コネクタ群120も配置されている。
【0037】
図7(C)に示すように、マザーボード122の裏面には、絶縁材料によって形成されたスペーサ140が複数個所(この例では6箇所)設けられると共に、マザーボード122上のデバイスを接地端子に電気的に接続された電極144が複数個所(ここでは、7箇所)に配置されている。
【0038】
スペーサ140は図7(D)に示すように、台座1401、円形台部1402、当該円形台部1402上に搭載された支持部1403、及び、支持部1403上に取り付けられた傘型部材1404によって構成されている。当該スペーサ140を用いることによって支持プレート110と、マザーボード122とを連結することができる。即ち、図7(D)の右側に示しているように、マザーボード122は、スペーサ140の傘型部材1404と支持部1403の間に嵌入され、他方、支持プレート110は台座1401と円形台部1402との間に嵌入されている。マザーボード122を支持プレート110に固定する場合、支持プレート110上に形成されている漏斗状の孔1103の円形形状の孔部分にスペーサ140の台座1401を挿入した後、漏斗状の孔1103の略楕円形形状の孔部分をスライドさせることによって、台座1401と円形台座1402との間に、支持プレート110を噛み込ませることにより、マザーボード122と支持プレート110を固定することができる。
【0039】
マザーボード122を固定する場合、マザーボード122のハンドル130を使用して、図6(A)の左から右方向に支持プレート110上をスライドさせ、マザーボードコネクタ1227を他のデバイスに接続されるライザコネクタと電気的に接続固定することができる。前述したように、支持プレート110に設けられた漏斗状の孔1103に、マザーボード122のスペーサ140を差し込んでマザーボード122をスライドさせて固定することができる。
【0040】
この結果、マザーボード122のマザーボードコネクタ1227がライザプレートのコネクタに接続され固定されると、マザーボード122の裏面の電極144は支持プレート110上の舌片1107と電気的に接続された状態となるように構成されている。
【0041】
前述したように、図6及び図7に示されたマザーボード122は、スライドさせることにより、マザーボードコネクタ1227を他の回路に接続することによって固定でき、ネジ無しでシャーシ102上に固定される。
【0042】
図6(B)を参照すると、支持プレート110上には、電源部(電源ユニット)132が装着されている。電源部132の装着の際、まず、電源支持用バネ1105及び電源固定用支持部材1108(図5(B))に電源部132を接触させた状態で仮固定を行う。
【0043】
次に、図6(C)に示すような押圧プレート134で電源部132を覆い、マザーボード122との分離と電源部132の固定を行う。この場合、押圧プレート134の2つの脚部1341は、支持プレート110に設けられた開口に挿入され、図6(D)に示すように、固定される。このため、電源部132もネジ無しで支持プレート110上に固定される。具体的に説明すると、押圧プレート134の脚部1341は、図6(E)に示すように、電源部132側に曲げられた2つの舌片によって構成されており、これら舌片を支持プレート110に設けられた孔に係合させることにより、押圧プレート134を支持プレート110上に固定し、この結果、電源部132も固定される。この場合、押圧プレート134の脚部1341は、バネ性を有しており、マザーボード122の横方向への移動を規制する機能を有している。
【0044】
図8(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)を参照して、情報格納記録媒体としてのハードディスクドライブ(HDD)部150を情報処理装置用制御装置100に取り付ける構造について説明する。この例に示されたHDD部150は、シャーシ本体102のフロントカバー104を取り外し、シャーシ102の支持プレート110の下部に形成される空間に、挿入される。具体的に説明すると、図示されたHDD部150はHDD本体1501と、当該HDD本体1501をガイドするガイド部1503とによって構成されている。ガイド部1503は、図8(B)に示すように、HDD本体1501を両側面から支持する2本のガイドバー152と、両ガイドバーを連結する連結部154とによって構成されている。2本のガイドバー152の先端部1521は、HDD本体1501側に曲げられてツマミを構成しており、ガイドバー152の先端部は互いに離隔している。このように、ガイドバー152の先端が互いに離隔している構成のHDD部150では、HDD本体1501の前面に記載された表示を直視することができる。また、ガイドバー152の先端部1521の近傍には、図8(E)に示すような爪1523が設けられており、この爪1523が支持プレート110に設けられた支持部と係合して固定される。
【0045】
シャーシ本体1021の支持プレート110の下部に形成された空間(開口部)の両側には、図5(D)に示すように、HDD部150の飛び出しを抑える押さえ1505が設けられている。開口部にHDD部150を装着する場合、ガイド部1503のガイドバー152をシャーシ102内のレールと嵌合させることにより、HDD部150はシャーシ102内に装着される。他方、HDD部150をシャーシ102から取り外す場合、ガイドバー152の先端部の間隔が狭くなるように力を加えることにより、シャーシ102からHDD部150を取り外すことができる。
【0046】
上記したことからも明らかな通り、本発明に係る情報処理装置用制御装置は、マザーボード122、電源部132、及びHDD部150をネジ無しで支持プレート110或いはシャーシ本体1021に固定することができる。
【0047】
図9(A)、(B)、(C)、及び(D)を参照して、拡張用コネクタを複数配列した外部接続機器用I/Oボード160を、シャーシ102のシャーシ本体1021の背面に設けられた挿入口162に挿入する場合について説明する。ここでは、図9(A)に示されたシャーシ本体1021の挿入口162に、図9(B)に示された外部接続機器用I/Oボード160を図9(C)に示すように、挿入する例が示される。この場合にも、外部接続機器用I/Oボード160は、ネジ無しでシャーシ本体1021の挿入口162に挿入され、固定される。シャーシ本体1021の側面(右側面)には、図9(D)に拡大して示すライザボード164が設けられており、当該ライザボード164は、外部接続機器用I/Oボード160と電気的に接続される第1のコネクタ166と、支持プレート110上に取り付けられるマザーボード122のマザーボードコネクタ1227と接続される第2のコネクタ167とを備えている。図示されたライザボード164はスタッド168によって支持プレート110に固定されている。
【0048】
図10(A)及び(B)は、それぞれ、図9(B)に示された外部接続機器用I/Oボード160の斜視図及び上面図である。図示された外部接続機器用I/Oボード160は、外部接続機器用接続部としての機能を有し、水平方向に延びるプレート部172と当該プレート部に対して垂直なボード部174と、ブラケット175と、外部接続用端子183と複数種類のコネクタ176を有するインターフェース基板とで構成されている。
【0049】
外部接続機器用I/Oボード160に配置されるコネクタ176の具体例については後述する。
【0050】
図10(A)及び(B)に示されているように、ブラケット175のボード部174上部には、回動可能なレバー部材180、引出用ハンドル182、及び外部接続用端子183が設けられている。この例では、外部接続用端子183は、図の右端部に形成されている。他方、ブラケット175の底面には、図10(C)に示すような略L字状の2本の開口185が設けられている。
【0051】
図10(D)に示すように、レバー部材180は、ブラケット175の上部に結合された回転軸1801を有し、回転軸1801を中心として回転することができる。また、レバー部材180は、先端部に間隔を置いて配置された2本のアーム1803、1805と、他端に設けられたレバー1807とを有している。図示されたレバー部材180では、2本のアーム1803、1805との間に、後述するシャーシ本体1201側に設けられた円柱状突起192と連結される。
【0052】
シャーシ本体1021の挿入口162内の下辺部には、図11(D)及び(E)に拡大して示すように、釘状の突起190が設けられており、当該釘状の突起190に、外部接続機器用I/Oボード160のプレート部に設けられた略L字状の2本の開口185内に位置付けられる。
【0053】
また、シャーシ本体1021の挿入口162内の上辺部には、図11(C)に拡大して示すように、下方向に延びる円柱状突起192が、レバー部材180のアーム1803、1805間の溝内に位置付けられる。
【0054】
装着する場合、外部接続機器用I/Oボード160のレバー部材180の溝の位置を挿入口内の突起192の位置に合わせ、且つ、プレート部の略L字状の開口185を挿入口内下辺の釘状突起190の位置に合わせた状態で、挿入口に挿入して突き当てた後、レバー部材180を反時計方向に90度回転すると、外部接続機器用I/Oボード160は略L字状の開口185に沿って移動した後、右方向にスライドして最終的に固定された状態になる。この時、外部接続用端子183が、ライザボード164の第1のコネクタ166に挿入され、固定された状態で、外部接続用端子183は、ライザボード164(図9(D))の第1のコネクタ166に電気的に接触する。
【0055】
この構成により、拡張用コネクタ群を配置した外部接続機器用I/Oボード160をもネジ無しで、シャーシ102に固定することができる。
【0056】
ここで、外部接続機器用I/Oボード160に配置される拡張用コネクタは、ユーザ毎に異なっている。ユーザ毎に異なる拡張用コネクタに対する要望に対応できることが望ましい。そこで、ユーザのニーズに対応して異なる拡張用コネクタ配列を有する外部接続機器用I/Oボード160を用意しておき、ユーザ毎に簡単に取り替え可能にしておくことが望ましい。
【0057】
図12(A)、(B)、及び(C)を参照すると、本発明に係る外部接続機器用I/Oボード160の具体例が示されている。図12(A)に示された外部接続機器用I/Oボード160は、2個のキャッシュドロアー用ポート、2個のUSBポート、2個のシリアルポート、及び、一個のパラレルポートを備えた標準的な拡張コネクタ用パネルAであり、図12(B)に示された外部接続機器用I/Oボード160は、2個のキャッシュドロアー用ポート、5個のUSBポート、及び一個のパラレルポートを備えたパネルBである。更に、図12(C)に示された外部接続機器用I/Oボード160は、2個のキャッシュドロアー用ポート、1個のUSBポート、2個の電源ポート、2個のシリアルポート、及び1個のパラレルポートを備えたパネルCである。これらパネルA、B、及びCは、当該パネルに搭載されるコネクタと共に、外部接続機器用接続部を構成している。なお、ライザボード164の第1のコネクタは、共通である。従って、ライザボード164の第1のコネクタの端子数は、各外部接続機器用I/Oボード160に共通するインターフェースの端子数と、他の外部接続機器用I/Oボード160と共通ではないインターフェースの端子数を合わせた端子数以上の端子数となっている。
【0058】
上記した実施形態では、外部接続コネクタの一部をマザーボードに設け、他を外部接続機器用接続部に設けているが、マザーボードには外部接続コネクタを設けず、全ての外部接続コネクタを外部接続機器用接続部に設けるようにしてもよい。
【0059】
以上述べた本発明によれば、情報処理装置用制御装置への外部接続機器用接続部の取り付けと取り外しを容易に行うことができる。取り付けと取り外しの時間を短縮することができる。また、専門の保守員ではないユーザでも取り付けと取り外しが可能となる。更に、複数種類の外部接続機器用接続部を用意することで、仕向け先(顧客)に最適な外部接続機器用接続部(周辺機器インターフェース)を選択し、情報処理装置用制御装置に取り付けることができる。
【0060】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0061】
(付記1) 複数の外部接続コネクタと、該複数の外部接続コネクタを固定されると共に、結合用接続端子を端部に有する外部接続機器用I/Oボードを備えた外部接続機器用接続部を含み、前記外部接続機器用I/Oボードは、前記外部接続機器用接続部を外部機器に着脱するレバー部材及び着脱用ガイド溝を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0062】
(付記2) 付記1において、前記外部接続機器用接続部は、前記複数の外部接続コネクタの配置及び前記外部接続コネクタの種類が互いに異なる複数種類の外部接続機器用I/Oボードによって構成されていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0063】
(付記3) 付記1又は2において、前記レバー部材は、前記外部接続機器用I/Oボード上部に設けられたブラケットに取り付けられ、前記着脱用ガイド溝は、前記外部接続機器用I/Oボードの底部に設けられ、前記着脱用ガイド溝は略L字状の形状を有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0064】
(付記4) 付記3において、前記外部接続機器用接続部を搭載する取付用挿入口を有するシャーシ部を更に有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0065】
(付記5) 付記4において、前記シャーシ部は、前記取付用挿入口の上辺から下方向に突出し、前記レバー部材と連結される第1の突起部と、前記取付用挿入口の底辺から上方向に突出して、前記外部機器着脱用ガイド溝内に挿入される第2の突起部と、前記複数種類の外部接続機器用I/Oボードに対して共通に使用され、前記結合用接続端子と連結されるシャーシ側コネクタを備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0066】
(付記6) 付記5において、前記シャーシ部は、更に、マザーボードを含み、前記シャーシ側コネクタに連結されたマザーボード装着用コネクタと、当該マザーボード装着用コネクタに着脱されるマザーボード側コネクタとを含んでいることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0067】
(付記7) 付記6において、前記シャーシ部は、前記マザーボードを支持する支持プレートを備え、前記マザーボードは、前記支持プレートに対してネジなしで取り付けるための取付用絶縁性スペーサを有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0068】
(付記8) 付記7において、前記シャーシ部は、更に、前記支持プレートに設けられた嵌合部によって支持される電源部を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0069】
(付記9) 付記8において、前記電源部及び前記マザーボードを押圧固定するカバー部材を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0070】
(付記10) 付記9において、前記シャーシ部は、更に、ハードディスク装着部を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【0071】
(付記11) 付記10において、前記ハードディクス装着部に装着されるハードディスクは、互いに間隔を置いて配置された2つの挿抜用舌片を有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【符号の説明】
【0072】
100 情報処理装置用制御装置
102 シャーシ(筐体フレーム)
1021 シャーシ本体
1022 前面プレート
1023 長穴
1024 スライド固定部
1026 スライド爪
1027 係止板
104 フロントカバー
105 トップカバー
1041 上部爪
1042 下部爪
1043 静電気防止用金属板
1044 舌片
106 リアカバー
1061、1062 係合爪
110 支持プレート
1101 電源取付部分
1102 マザーボード取付部分
1103 漏斗状の孔
1105 電源支持用バネ
1107 舌片
1108 電源固定用支持部
1109 コネクタ取付部
120 標準コネクタ群
122 マザーボード(メインボード)
1221 DRAM
1223 ヒートシンク
1225 CPU
1227 マザーボードコネクタ
1229 RTCバッテリ
130 ハンドル
132 電源部
134 押圧プレート
1341 脚部
140 スペーサ
1401 台座
1402 円形台部
1403 支持部
1404 傘型部材
144 電極
150 HDD
1501 HDD本体
1503 ガイド部
1505 押さえ
152 ガイドバー
1521 先端部
1523 爪
160 外部接続機器用I/Oボード(外部接続機器用接続部)
162 挿入口
164 ライザボード
166 第1のコネクタ
167 第2のコネクタ
168 スタッド
172 プレート部
174 ボード部
175 ブラケット
176 複数種類のコネクタ
180 レバー部材
1801 回転軸
1803、1805 アーム
182 引出用ハンドル
183 外部接続用端子
185 略L字状開口
190 釘状突起
192 円柱状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部接続コネクタと、該複数の外部接続コネクタを固定されると共に、結合用接続端子を端部に有する外部接続機器用I/Oボードを備えた外部接続機器用接続部を含み、前記外部接続機器用I/Oボードは、前記外部接続機器用接続部を外部機器に着脱するレバー部材及び着脱用ガイド溝を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記外部接続機器用接続部は、前記複数の外部接続コネクタの配置及び前記外部接続コネクタの種類が互いに異なる複数種類の外部接続機器用I/Oボードによって構成されていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記レバー部材は、前記外部接続機器用I/Oボード上部に設けられたブラケットに取り付けられ、前記着脱用ガイド溝は、前記外部接続機器用I/Oボードの底部に設けられ、前記着脱用ガイド溝は略L字状の形状を有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項4】
請求項3において、前記外部接続機器用接続部を搭載する取付用挿入口を有するシャーシ部を更に有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項5】
請求項4において、前記シャーシ部は、前記取付用挿入口の上辺から下方向に突出し、前記レバー部材と連結される第1の突起部と、前記取付用挿入口の底辺から上方向に突出して、前記外部機器着脱用ガイド溝内に挿入される第2の突起部と、前記複数種類の外部接続機器用I/Oボードに対して共通に使用され、前記結合用接続端子と連結されるシャーシ側コネクタを備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項6】
請求項5において、前記シャーシ部は、更に、マザーボードを含み、前記シャーシ側コネクタに連結されたマザーボード装着用コネクタと、当該マザーボード装着用コネクタに着脱されるマザーボード側コネクタとを含んでいることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項7】
請求項6において、前記シャーシ部は、前記マザーボードを支持する支持プレートを備え、前記マザーボードは、前記支持プレートに対してネジなしで取り付けるための取付用絶縁性スペーサを有していることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項8】
請求項7において、前記シャーシ部は、更に、前記支持プレートに設けられた嵌合部によって支持される電源部を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項9】
請求項8において、前記電源部及び前記マザーボードを押圧固定するカバー部材を有することを特徴とする情報処理装置用制御装置。
【請求項10】
請求項9において、前記シャーシ部は、更に、ハードディスク装着部を備えていることを特徴とする情報処理装置用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−8339(P2013−8339A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142335(P2011−142335)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【特許番号】特許第5093541号(P5093541)
【特許公報発行日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】