説明

情報提供装置及び情報提供プログラム

【課題】ネットワーク上の情報提供装置からあるエリアの気象情報を取得したときにそのエリアに関連する検索を行うための手間を軽減する。
【解決手段】ユーザがPC等の端末装置3を用いてネットワーク1上の情報提供装置2に対し、エリア及び日を指定して気象情報の提供を要求する。情報提供装置2は、指定エリアかつ指定日の気象情報を気象情報DB231から読み出して提供するとともに、気象情報/関連情報テーブル234を参照して、端末装置3と指定エリアとの間の距離及び指定日に関連する情報を特定し、関連情報DB232から読み出して、端末装置3へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などの端末装置に対して情報を提供する装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のポータルサイト等により提供されている情報提供サービスとして気象情報提供サービスがある。このサービスでは、端末装置のディスプレイに表示されているトップページ中の各種メニューの中からユーザが「天気」を選択すると、気象情報提供ページが表示される。この気象情報提供ページでは、ユーザは、画面上の選択操作により、日本全国の任意のエリアについて、今日の天気、明日の天気、週間天気などを知ることができる。なお、このような、端末装置を用いて、インターネット上のサーバから、任意のエリア及び日の気象情報を任意の時間に任意の場所で取得可能なシステムとして、特許文献1に開示された「天気予報システム」がある。
【0003】
しかしながら、上記の気象情報提供サービスは気象情報を提供するだけであるから、ユーザは、あるエリアの気象情報を取得した後に、そのエリアについて取得した気象情報に関連して何かを検索する場合、別途、端末装置を操作する手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−342502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、あるエリアの気象情報を取得したときに、取得した気象情報に関連してそのエリアについて検索するための手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の情報提供装置は、端末装置からの要求に応じて気象情報及び関連情報を前記端末装置へ送信する情報提供装置であって、前記関連情報を記憶する関連情報データベースと、前記端末装置の現在位置情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記端末装置へ送信する気象情報のエリアと、前記端末装置の現在位置との間の距離で区分された複数の項目からなる検索項目リストと、前記端末装置の現在位置と、前記端末装置から要求された気象情報のエリアとの間の距離を求める距離情報取得手段と、前記算出された距離に基づき前記検索項目リストから検索項目を選択するとともに、その選択された項目に従って関連情報を前記関連情報データベースから取得する関連情報取得手段と、を有することを特徴とする情報提供装置である。
本発明の第2の情報提供装置は、本発明の第1の情報提供装置において、検索項目リストは、端末装置から気象情報及び関連情報を要求された日又は時間帯に対応付けられていることを特徴とする情報提供装置である。
本発明の第3の情報提供装置は、本発明の第1又は第2の情報提供装置において、気象情報/関連情報テーブルに記憶されている関連情報は気象情報の内容に応じたものであることを特徴とする情報提供装置である。
本発明の情報提供プログラムは、コンピュータを、本発明の第1〜第3のいずれかの情報提供装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
【0007】
[作用]
本発明では、端末装置から情報提供装置に対し、任意のエリアにおける気象情報の送信を要求すると、情報提供装置は、要求されたエリアの気象情報を送信するとともに、端末装置の現在位置と要求された気象情報のエリアとの間の距離に応じて、検索項目リストを参照し、その距離に応じて区分された位置に対応する関連情報を関連情報データベースから取得し、端末装置へ送信する。
また、端末装置から情報提供装置に対し、任意のエリアにおける所定の日又は時間帯の気象情報の提供を要求すると、情報提供装置は、要求されたエリア及び日又は時間帯の気象情報を送信するとともに、端末装置の現在位置と要求された気象情報のエリアとの間の距離、及び要求された気象情報の日又は時間帯に応じて、検索項目リストを参照し、その距離に応じて区分された位置及び要求された日に対応する関連情報を関連情報データベースから取得し、端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、あるエリアの気象情報を取得したときに、取得した気象情報に関連してそのエリアについて検索するための手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の情報提供システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態の情報提供システムにおける情報提供装置及び端末装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の情報提供システムにおける情報提供装置に内蔵されたデータベースを示す図である。
【図4】本発明の実施形態の情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
〈情報提供システムの構成〉
本発明の実施形態の情報検索提供システムは、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク1と、ネットワーク1に接続される情報提供装置2、端末装置3、及び気象情報配信サーバ4を含む。
【0011】
情報提供装置2は情報検索サービスを運営する企業等に設置されているコンピュータ等であって、ネットワーク1を介して気象情報配信サーバ4から定期的に気象情報を取得し、内蔵する気象情報DB(データベース)に保存するとともに、ネットワーク1を介してWebページを用いた情報提供サービスを実行する。
【0012】
端末装置3は携帯電話機3a、PDA3b、PC3c等からなり、内蔵するROMに格納されているアプリケーション(以下、アプリと言う)により情報提供装置2のWebページを表示したり、情報提供要求を行ったりすることができる。また、GPS(Global Positioning System)受信機を内蔵しており、それを用いて測定した自身の現在位置情報を情報提供装置2へ送信する機能を持っている。
【0013】
気象情報配信サーバ4は、例えば気象庁や民間の気象情報関連企業が有するコンピュータであって、ネットワーク1を介して全国各地の当日、翌日、翌々日、1週間の気象情報を定期的に配信する。
【0014】
〈情報提供装置2及び端末装置3の構成〉
情報提供装置2は図2Aに示すように、制御部21と、それぞれが制御部21に接続された通信部22及び記憶部23を備えている。
【0015】
制御部21はCPU、ROM、RAM及び時計(図示せず)を含み、この情報提供装置2全体の制御などを行う。通信部22はネットワーク1を介して端末装置3や気象情報提供サーバ4と通信を行う。記憶部23は、HDD(ハードディスク装置)からなり、気象情報DB231、関連情報DB232、地図情報DB233、及び気象情報/関連情報テーブル234を保存している。また、図示されていないが、記憶部23は、Webのトップページ、及び各種サービスページ(気象情報提供ページ、路線検索サービス提供ページ等)に関する情報を保存している。
【0016】
端末装置3は図2Bに示すように、制御部31と、それぞれが制御部31に接続された通信部32、入力部33、表示部34、記憶部35、及びGPS受信部36を備えている。
【0017】
制御部31はCPU、ROM、RAMを含み、この端末装置3全体の制御等を行う。通信部32はネットワーク1を介して情報提供装置2と通信を行う。入力部33は、ユーザがこの端末装置3を操作するためのキーボードやマウス等からなる。表示部34は、端末装置3の動作状態や入力部33から入力された情報などを表示するためのLCD等からなる。記憶部35はフラッシュメモリやHDDからなる。GPS受信部36は、GPS衛星からの電波を受信し、現在位置情報を生成する機能を持っている。
【0018】
〈記憶部23に記憶されている情報〉
気象情報DB231には、気象情報配信サーバ4から定期的に取得した当日、翌日、翌々日、週間などの日本全国各地域の気象情報が保存されている。関連情報DB232には、端末装置3へ送信する関連情報が保存されている。この関連情報の内、特定のエリアに存在する施設(ホテル、レストラン、テーマパーク等)については、地図情報DB233の位置情報と対応付けられている。地図情報DB233には、日本全国の地図の画像データと、位置情報(経度情報、緯度情報)とが関連付けられて保存されている。気象情報/関連情報テーブル234には、端末装置3からの要求に応じて送信する気象情報の属性(エリア、当日、翌日、週間)と、その端末装置3へ送信する関連情報(検索項目リスト)との対応関係が保存されている。
【0019】
図3に気象情報/関連情報テーブル234の一例を示す。このテーブルの縦方向は、情報提供装置2が端末装置3に提供している気象情報がいつのものであるか(今日、明日、週間)、及び今日の気象情報については提供している時間帯(ユーザが見ている時間帯)が朝、昼、夕方、夜のどれなのかを示している。また、このテーブルの横方向は、端末装置3の現在位置(ここでは自宅とした)と、端末装置3に提供している気象情報のエリアとの距離を3段階(現在位置=距離0、100km未満、100km以上)に区分した位置を示している。なお、関連情報の上の( )内に記載されているのはユーザが気象情報の提供を要求する理由(天気予報を見る動機)である。つまり、現在位置と気象情報のエリアの区分は、上記のように所定の距離毎に区分され、項目が設定され、項目毎に関連情報が提供されるのである。この気象情報/関連情報テーブル234により提供される関連情報は、天気(晴れ、曇り、雨、雪等)、季節、気温、見ている天気の場所等によって異なる場合がある。例えば沖縄と北海道では、季節が同じでも、必要な情報が異なるためである。
【0020】
〈情報提供システムの動作〉
以上の構成を有する情報提供システムの動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。このフローチャートにおいて、端末装置、情報提供装置の処理は、それぞれの制御部31、21内のCPUがROMに格納されているプログラムを実行することにより行われる。
【0021】
まず端末装置3のユーザは、情報提供装置2を利用するためのアプリを起動するための操作を行う。この操作に応じて、端末装置3は情報提供装置2へ接続要求信号を送信する(ステップS1)。この接続要求信号には、端末装置3のGPS受信部36で生成された現在位置情報が含まれている。
【0022】
情報提供装置2では、通信部22が接続要求信号を受信し、制御部21へ送る。制御部21は、接続要求信号の受信に応じて処理を開始し、接続要求信号中の現在位置情報を取得してRAMに記憶する(ステップS11)。次いで情報提供装置2は記憶部23からトップページを読み出し、端末装置3へ送信する(ステップS12)。
【0023】
端末装置3はトップページを受信し、表示部34に表示する(ステップS2)。このトップページには、各種メニューが配置されている。ユーザが各種メニューの中から「天気」を選択すると、端末装置3は情報提供装置2へ気象情報提供ページの送信を要求する(ステップS3)。
【0024】
情報提供装置2は気象情報提供ページの送信要求に応じて、記憶部23から気象情報提供ページを読み出し、端末装置3へ送信する(ステップS13)。
【0025】
端末装置3は気象情報提供ページを受信し、表示部34に表示する(ステップS4)。この気象情報提供ページでは、ユーザは提供を受けたい気象情報のエリア及び日を指定(選択)することが可能である。ここで、エリアとして地方(関東、関西、九州等)、都道府県、都道府県内の一部(東部、西部等)、郡、市区町村等の指定が可能であり、日として当日、翌日、翌々日、週間の指定が可能である。ユーザが、エリア及び日を指定すると、端末装置3は、その指定エリアかつ指定日の気象情報の送信要求を情報提供装置2へ送信する(ステップS5)。
【0026】
情報提供装置2は、指定エリアかつ指定日の気象情報の送信要求に応じて、指定エリア情報及び指定日情報並びに現在時刻情報をRAMに記憶するとともに、気象情報DB231から、指定エリアかつ指定日の気象情報を読み出し、端末装置3へ送信する(ステップS14)。端末装置3は指定エリアかつ指定日の気象情報を受信し、表示部34に表示する(ステップS6)。
【0027】
次いで情報提供装置2は、ステップS11で保持した端末装置3の現在位置情報と、ステップS14で保持した指定エリア情報とから、端末装置3の現在位置と指定エリアとの距離を算出する(ステップS15)。そして、算出した距離情報と、保持している指定日情報とを基に、気象情報/関連情報テーブル234を参照し、該当する位置かつ日の関連情報を特定し、関連情報DB232から読み出して取得する(ステップS16)。
【0028】
ここで、ステップS16及び気象情報/関連情報テーブル234の詳細について説明する。例えば指定日が「今日」、指定エリアが「現在位置(ここでは自宅)」、現在時刻の時間帯が「朝」の場合は、自宅付近の「クリーニング店情報」を読み出す。これは、朝、自宅で洗濯が出来るかどうか調べるために当日の天気予報を見たところ、雨のため、洗濯物が乾かない状況を想定しての情報提供である。
【0029】
指定日が「今日」、指定エリアが「現在位置」、現在時刻の時間帯が「昼」の場合は、自宅付近の店舗の「特売情報」を読み出す。これは買い物に行くことを想定しての情報提供である。
【0030】
指定日が「今日」、指定エリアとの距離が「100km未満」、現在時刻の時間帯が「朝」の場合は、出勤前にコートや傘が必要かどうかを調べるために天気予報を見る状況を想定して、コーディネート情報を提供する。
【0031】
指定日が「今日」、指定エリアとの距離が「100km以上」、現在時刻の時間帯が「朝」又は「昼」の場合は、出張先の気温や天気を調べるために天気予報を見る状況を想定して、グルメ情報、宿泊施設情報、交通情報等を提供する。
【0032】
その他の指定日、指定エリア、現在時刻(今日の天気の場合のみ)についても、図3の関連情報の上の( )内の状況を想定して、それに対応する情報を提供する。
【0033】
情報提供装置2は、指定日、かつ指定エリアと現在位置との間の算出距離、かつ現在時刻の時間帯に対する関連情報を端末装置3へ送信し(ステップS16)、端末装置3は関連情報を受信して、気象情報とともに表示部34に表示する(ステップS7)。表示部34における表示形態としては、例えば気象情報を画面中央部及び左部に表示し、関連情報を右部に表示することが考えられる。端末装置3のユーザが画面上で関連情報を選択すると、その関連情報のリンク先のWebページが表示される。
【0034】
なお、図4では、気象情報と関連情報を異なるステップで送信している(気象情報をS14、関連情報をS16)が、それらを同一のステップで送信してもよい。また、天気予報を見ているエリアの地図情報も送信して、地図、天気、及び関連情報を同時に表示することもできる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の情報提供システムによれば、端末装置3のユーザが情報提供装置2に対し、エリア及び日を指定して気象情報の提供を要求したとき、情報提供装置2は、その気象情報を提供するとともに、予め記憶しておいた、指定エリアと端末装置3との間の距離、かつ指定日、かつ現在時刻の時間帯(指定日が当日の場合)に対する関連情報を端末装置3へ送信するので、気象情報に関連する情報を調べるためのユーザの手間を軽減することができる。
【0036】
なお、本発明はポータルサイトだけでなく天気情報提供サイトにも適用できる。また、本発明は下記(1)〜(5)のような変形が可能である。
(1)端末装置3がGPS受信部36を備えていない携帯端末装置の場合、無線基地局(図示せず)が携帯端末装置の位置登録情報を情報提供装置2へ送ることで、情報提供装置2が携帯端末装置の現在位置情報を取得する。
【0037】
(2)端末装置3がGPS受信部36を備えていないPCの場合、PCに接続されている有線又は無線のルータ(図示せず)にIPアドレスを割り当てるISP(インターネット・サービス・プロバイダ)が情報提供装置2へルータの位置情報を送ることで、情報提供装置2がPCの現在位置情報(自宅位置情報)を取得する。
【0038】
(3)端末装置3がGPS受信部36を備えていない携帯端末装置やPCの場合、情報提供サービスを受ける時に現在位置を入力させることで、情報提供装置2が端末装置3の現在位置情報を取得する。
【0039】
(4)会員制サービスの場合、GPS受信部36を備えていない端末装置3のユーザに対して、会員登録を行う時に現在位置情報(自宅位置等)を入力させることで、情報提供装置2が端末装置3の現在位置情報を取得する。
【0040】
(5)気象情報/関連情報テーブル234を下記a〜bの手順で作成する。
a:情報提供装置2を利用するための会員登録を行う。このとき、会員の属性情報として、年齢、性別、職業などを登録する。
b:各会員による気象情報の提供要求、及びその直後の情報提供要求の結果を情報提供履歴データとして蓄積し、統計処理することで、気象情報の提供を受けたときに検索する可能性の高い情報を抽出し、関連情報とする。
この場合、会員登録しないユーザに対しても、情報提供サービスを行うが、会員登録したユーザに対しては、そのユーザの属性を考慮することで、そのユーザが検索する可能性の高い関連情報を送信することが期待できる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・ネットワーク、2・・・情報提供装置、3・・・端末装置、21・・・制御部、231・・・気象情報データベース、232・・・関連情報データベース、234・・・気象情報/関連情報テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からの要求に応じて気象情報及び関連情報を前記端末装置へ送信する情報提供装置であって、
前記関連情報を記憶する関連情報データベースと、
前記端末装置の現在位置情報を取得する端末位置情報取得手段と、
前記端末装置へ送信する気象情報のエリアと、前記端末装置の現在位置との間の距離で区分された複数の項目からなる検索項目リストと、
前記端末装置の現在位置と、前記端末装置から要求された気象情報のエリアとの間の距離を求める距離情報取得手段と、
前記算出された距離に基づき前記検索項目リストから検索項目を選択するとともに、その選択された項目に従って関連情報を前記関連情報データベースから取得する関連情報取得手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載された情報提供装置において、
検索項目リストは、端末装置から気象情報及び関連情報を要求された日又は時間帯に対応付けられていることを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された情報提供装置において、
気象情報/関連情報テーブルに記憶されている関連情報は気象情報の内容に応じたものであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1〜3のいずれかに記載された情報提供装置の各手段として機能させるための情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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