情報表示装置
【課題】接続不良や短絡などの接続不具合をより回避する情報表示装置を提供する。
【解決手段】情報表示装置は、ディスプレイ部と駆動回路部とを備える。ディスプレイ部は、複数のディスプレイ側電極部と、ディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板とを有し、駆動回路部は、ディスプレイ側電極部に接続される複数の駆動側電極部と、駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板と、制御信号をディスプレイ側電極部に出力するコントローラとを有する。ディスプレイ側電極部は、所定ピッチで周期的に配置される。駆動側電極部は、n個のグループに分類され、所定ピッチの略1/nのピッチ(1/n)で周期的に配置される。一のグループの駆動側電極部は、他のグループの駆動側電極部と隣接するように配置される。ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とのいずれか一方は磁石を含んで構成され、他方は磁性体又は磁石を含んで構成される。
【解決手段】情報表示装置は、ディスプレイ部と駆動回路部とを備える。ディスプレイ部は、複数のディスプレイ側電極部と、ディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板とを有し、駆動回路部は、ディスプレイ側電極部に接続される複数の駆動側電極部と、駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板と、制御信号をディスプレイ側電極部に出力するコントローラとを有する。ディスプレイ側電極部は、所定ピッチで周期的に配置される。駆動側電極部は、n個のグループに分類され、所定ピッチの略1/nのピッチ(1/n)で周期的に配置される。一のグループの駆動側電極部は、他のグループの駆動側電極部と隣接するように配置される。ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とのいずれか一方は磁石を含んで構成され、他方は磁性体又は磁石を含んで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示するディスプレイ部と、ディスプレイ部を駆動する駆動回路部とが着脱可能に構成された情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置(LCD)に変わる情報表示装置として、帯電粒子気体中移動方式(電子粉流体(登録商標)方式)、帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた情報表示装置が提案されている。これらの情報表示装置のなかでも帯電粒子気体中移動方式や帯電粒子液体中移動方式や2色粒子回転方式を用いた情報表示装置では、給電を断ってもディスプレイ部の表示領域に表示させた情報が保持される表示メモリー性を有しているため、ディスプレイ部に情報を一旦表示させた後、ディスプレイ部のみを電源や駆動装置などの周辺構造から切り離して単独で取り扱うことができる。
【0003】
特許文献1には、ディスプレイ部と駆動回路部とを着脱可能にし、ディスプレイ部を駆動するための半導体部品であるドライバICをディスプレイ部ではなく、駆動回路部に設けた情報表示装置が開示されている。特許文献1に記載された情報表示装置では、ドライバICを駆動回路部に設けているため、ディスプレイ部に劣化、不良などの不具合が起きても、ディスプレイ部とともに高価なドライバICを交換する必要がなく、低コスト化が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開番号WO/2008/156175 図12など
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した情報表示装置では、次のような問題点がある。すなわち、ディスプレイ部の表示領域を構成する画素電極から引き出された引き出し電極をそれぞれ駆動回路部側の接続用電極に接続するため、ディスプレイ部側の接続用電極と駆動回路部側の接続用電極との接続箇所が増大する。これらの接続箇所の全てにおいて、電気的に確実に接続することが求められる。例えば、A4サイズ(210mm×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できる情報表示装置では、引き出し電極を短辺側に纏めて配置する場合、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、電極中心の間隔は、210mm/(1024+768)本=117μmになる。
【0006】
従来の情報表示装置において、基板に配置された電極中心の間隔は、上述のように微細である上に、接続するピン(接続用電極)の数が多くなり、電極同士の位置合わせが極めて困難になり、接続不良や短絡などの接続不具合を回避する施策が必要になる。
【0007】
本発明は上述した状況を鑑みて成されたものであり、接続不良や短絡などの接続不具合をより回避することが可能な情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る情報表示装置(情報表示装置1)は、情報を表示するディスプレイ部(ディスプレイ部100)と、前記ディスプレイ部を駆動する駆動回路部(駆動回路部200)とを備える。前記ディスプレイ部と前記駆動回路部とが着脱可能に構成される。前記ディスプレイ部は、少なくとも一部が前記ディスプレイ部の表示領域(表示領域110)に配置された画素電極に連結された複数のディスプレイ側電極部(ディスプレイ側電極部130)と、前記複数のディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板(ディスプレイ側接続基板141)とを有する。前記駆動回路部は、複数の前記ディスプレイ側電極部の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部(駆動側電極部230)と、前記複数の駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板(駆動回路側接続基板281)と、前記ディスプレイ部の前記表示領域に所定の情報を表示させる制御信号を前記ディスプレイ側電極部に出力するコントローラ(コントローラ240)とを有する。前記複数のディスプレイ側電極部は、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置される。前記複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類される。前記複数の駆動側電極部は、所定方向に沿って前記ディスプレイ側電極部における所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置される。一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置される。前記ディスプレイ側接続基板と前記駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。
【0009】
かかる情報表示装置では、複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類されるとともに、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されている。一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置されている。つまり、駆動側電極部のピッチは、ディスプレイ側電極部のピッチよりも狭く、かつ、ディスプレイ側電極部の1ピッチあたりに、駆動側電極部がn個配置される。
【0010】
このような情報表示装置によれば、ディスプレイ部を駆動回路部200に装着する際に、駆動側電極部の位置とディスプレイ側電極部の位置とがずれても、n個のグループのいずれかの駆動側電極部に接触するので、各グループの駆動側電極部から順番に制御信号を出力すれば、いずれかのグループの駆動側電極部から出力された制御信号をディスプレイ側電極部に確実に入力させることが可能になる。すなわち、情報表示装置によれば、ディスプレイ部と駆動回路部とにおいて、接続不良や短絡などの接続不具合を回避することができる。
【0011】
また、情報表示装置では、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。よって、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とを磁気吸着させて、ディスプレイ側電極部と駆動側電極部とを容易に電気的に接続できるとともに、ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接触圧の均一化を図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続不良や短絡などの接続不具合をより回避する情報表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置の構成を説明する構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2におけるA−A線の断面図である。図3(b)は、図2におけるB−B線の断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部と駆動回路側接続基板の駆動側電極部との接続態様を説明する模式図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置を制御する情報表示装置の制御方法を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置を制御する情報表示装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係る情報表示装置の構成を説明する構成図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態の変形例に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る情報表示装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)第3実施形態、(4)変形例、(5)その他の実施形態について説明する。
【0015】
なお、以下の図面の記載において、同一部分には、同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0016】
(1)第1実施形態
ここでは、(1−1)情報表示装置の構成、(1−2)接続部の構成、(1−3)駆動側電極部の構成、(1−4)ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接続態様の説明、(1−5)情報表示装置の制御方法、(1−6)作用・効果について説明する。
【0017】
(1−1)情報表示装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置1の構成を説明する構成図である。図1に示すように情報表示装置1は、所定の情報を表示するディスプレイ部100と、ディスプレイ部100を駆動する駆動回路部200とを備え、ディスプレイ部100と駆動回路部200とが着脱可能に構成される。
【0018】
ディスプレイ部100は、所定の情報が表示される表示領域110と、表示領域110に配置された画素電極(不図示)から引き出された配線120と、配線の端部に連結されたディスプレイ側電極部130と、ディスプレイ側電極部130を有するディスプレイ側接続部140とを有する。
【0019】
図1に示す情報表示装置1では、ディスプレイ部100は、少なくとも一方が透明な2枚の電極付き基板間の気体中空間(真空中を含む)に、光学的反射率を有する帯電性粒子を含む粒子群として構成した表示媒体を少なくとも1種類以上配置、より好ましくは表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像などの情報を表示する気体中粒子移動方式ディスプレイパネルである。後述するが、表示媒体および駆動方式は上記に限定されない。
【0020】
ディスプレイ部100の表示領域110には、画素電極を形成する互いに直交する行方向のライン電極(不図示)と、列方向のライン電極(不図示)とが設けられており、表示領域110の端部まで引き出されて配線120に接続されている。
【0021】
配線120は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されており、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に連結されている。すなわち、ディスプレイ側電極部130は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されている。ディスプレイ側電極部130は、所定の領域に集められて配置されている。ディスプレイ側接続部140は、ディスプレイ側電極部130を備えており、駆動回路部200との接続部分を構成する。なお、ディスプレイ側接続部140の詳細な構成については、後述する。
【0022】
駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部230と、ディスプレイ部100の表示領域110に所定の情報を表示させる制御信号をディスプレイ側電極部130に出力するコントローラ240と、駆動回路側接続部280とを備える。コントローラ240は、CPU、ROM、RAM、タイミング信号発生回路などを備える。CPUは、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するドライバIC210A,210Bなどを制御する。
【0023】
図1に示す駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130にディスプレイ部100を駆動する制御信号を出力するドライバIC210A,210Bを有する。ドライバIC210A,210Bは、記憶部250から読み出したデータに基づいて、ディスプレイ側電極部130に所定の電圧を印加するか、または、ハイインピーダンスの状態にする。図1に示す駆動回路部200では、ディスプレイ側電極部130を制御する制御信号は、コントローラ240から直接送信されず、ドライバIC210A,210Bから送信される。ディスプレイ部100では、この制御信号に基づいた情報が表示される。
【0024】
また、駆動回路部200は、ディスプレイ部100に表示する所定の情報などのデータが格納された記憶部250と、コントローラ240の電源回路260とを有する。記憶部250は、半導体メモリー、ハードディスク等により構成されている。記憶部250は、書き換え可能なUSBメモリー等の記録媒体であってもよい。電源回路260は、情報の表示或いは消去に応じた所定の電圧を発生させる。
【0025】
図1に示す実施形態では、駆動側電極部230は、複数のグループに分けられている。複数の駆動側電極部230には、第1グループに属する第1駆動側電極部231と、第2グループに属する第2駆動側電極部232とが含まれる。図1に示す実施形態では、異なるグループに属する駆動側電極部230が基板面に順に配置されている。すなわち、第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232とが交互に配置されている。配線220は、駆動側電極部230に含まれる。
【0026】
ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。抜き挿し方式の接続部CNを構成する場合には、曲げや擦過に対する強度に優れている材料を電極部材料として用いることが好ましい。このような材料は、例えば、上述した金属、貴金属又は合金である。このうち、安価な良導電性材料である銅を好ましく用いることができる。
【0027】
図1に示す実施形態では、第1駆動側電極部231は、ドライバIC210Aに接続される。ドライバIC210Aは、第1グループに属する第1駆動側電極部231にディスプレイ側電極部130を駆動する制御信号を出力する。第2駆動側電極部232は、ドライバIC210Bに接続される。ドライバIC210Bは、第2グループに属する第2駆動側電極部232にディスプレイ側電極部130を駆動する制御信号を出力する。
【0028】
コントローラ240は、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが電気的に接続された状態で、異なるグループに属する第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232に対して、異なるタイミングで制御信号を出力する。
【0029】
なお、第1実施形態では、複数の駆動側電極部230が2つのグループに分類されるケースについて例示しているに過ぎない。複数の駆動側電極部230は、n個のグループに分類されてもよい(但し、nは整数)。
【0030】
駆動回路側接続部280は、ディスプレイ側接続部140と磁気吸着力によって接触する。駆動回路側接続部280とディスプレイ側接続部140とが、接触又は離間することによって、ディスプレイ部100と駆動回路部200とが着脱される。駆動回路側接続部280は、複数の駆動側電極部230を有する。駆動回路側接続280は、ディスプレイ側接続140と接触することによって、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とを電気的に接続する。駆動回路側接続280は、ディスプレイ側接続部140と離間することによって、駆動回路部200の複数の駆動側電極部230と複数のディスプレイ側電極部130との電気的接続が解除される。なお、駆動回路側接続部280の詳細については後述する。
【0031】
また、図1に示す情報表示装置1において、ディスプレイ側接続部140と、駆動回路側接続部280とは、ディスプレイ部100と駆動回路部200とを電気的及び機械的に接続する接続部CNを構成する。
【0032】
(1−2)接続部の構成
図2は、接続部CNの構成を説明する斜視図である。図3(a)は、図2におけるA−A線の断面図であり、図3(b)は、図2におけるB−B線の断面図である。本実施形態に係る接続部CNは、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とによって構成される。
【0033】
ディスプレイ側接続部140は、複数のディスプレイ側電極部130と、複数のディスプレイ側電極部130を配置したディスプレイ側接続基板141とを有する。具体的に、ディスプレイ側接続基板141は、表面基板141aと背面基板141bとを有する。表面基板141aの一方の面には、複数のディスプレイ側電極部130が配置され、表面基板141aの他方の面には、背面基板141bが配置される。
【0034】
駆動回路側接続部280は、複数の駆動側電極部230と、複数の駆動側電極部230を配置した駆動回路側接続基板281とを有する。具体的に、駆動回路側接続基板281は、表面基板281aと背面基板281bとを有する。表面基板281aの一方の面には、複数の駆動側電極部230が配置され、表面基板281aの他方の面には、背面基板281bが配置されている。
【0035】
ここで、ディスプレイ側接続基板141と駆動回路側接続基板281とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。本実施形態では、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁石を含んで構成されることとする。
【0036】
具体的に、本実施形態では、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁性体であり、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁石こととする。
【0037】
このように、磁石および磁性体はそれぞれ複数のディスプレイ側電極部130および複数の駆動側電極部230が形成されている面とは反対の面側に形成され、好ましくは、それぞれ複数のディスプレイ側電極部130および複数の駆動側電極部230のすべてを覆う領域に形成される。
【0038】
なお、ディスプレイ側接続基板141が、磁石を含んで構成され、駆動回路側接続基板281が、磁性体を含んで構成されるようにしてもよい。つまり、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁石であり、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁性体であるようにしてもよい。更には、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bと、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bとが、互いに対極する磁石であるようにしてもよい。
【0039】
また、ディスプレイ側接続部140は、可撓性を有することが好ましいため、背面基板141bは、磁性体として、鉄などの金属部材を含む部材で構成され、可撓性を有することが好ましい。一方、駆動回路側接続部280も、可撓性を有することが好ましいため、背面基板281bは、磁石をゴム部材に含めたゴム製マグネットシート部材で構成され、駆動回路側接続基板281が、可撓性を有することが好ましい。
【0040】
また、上述の例では、ディスプレイ側接続基板141が、表面基板141aと背面基板141bとの2層構造である場合を例に挙げたが、一層構造としてもよい。この場合、ディスプレイ側接続基板141自身が、鉄などの金属部材を含む磁性体部材であって、ディスプレイ側接続基板141は可撓性を有することが好ましい。また、ディスプレイ側接続部140を可撓性のあるプラスチック基板と、可撓性のある磁性体シート、例えば、鉄シート、ステンレスシート、ニッケルシートなどとを積層した基板とすることも好ましい。
【0041】
また、上述の例では、駆動回路側接続基板281が、表面基板281aと背面基板281bとの2層構造である場合を例に挙げたが、一層構造としてもよい。この場合、駆動回路側接続基板281は、磁石をゴム部材に含めたゴム製マグネットシート部材で構成したり、可撓性のあるプラスチック基板と、可撓性のある上記ゴム製マグネットシート部材との積層基板として構成したりして、可撓性を有するようにすることが好ましい。
【0042】
磁石部材である基板に、あるいは、磁性体部材である基板に表示側電極部130や駆動側電極部230を形成する場合、両者の間に絶縁膜を配置して、互いに導通しないようにすることが好ましい。
【0043】
このような構成によって、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とは、磁気吸着によって接触又は離間することができる。なお、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とが、接触又は離間することによって、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが電気的に接続又は切離される。
【0044】
また、駆動回路側接続基板281は、ディスプレイ側接続部140が載置される載置部284を有する。載置部284の端部285は、載置部284からせり上がる段差状に形成されている。本実施形態では、載置部284の端部285は、ディスプレイ側接続部140の挿抜方向(図2の例では、X方向)に対して直角方向(図2の例では、Y方向)に直線状に延びるように形成されている。
【0045】
本実施形態では、ディスプレイ側接続部140の端部145も、直線状に延びるように形成されている。ディスプレイ側接続部140が載置部284に載置される際、ディスプレイ側接続部140の端部145が、載置部284の端部285に突き当てられることで、挿抜方向において、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とを容易に合わせることができる。
【0046】
また、図2に示すように、所定方向に配置される複数の駆動側電極部230の両端の幅W1は、所定方向に配置される複数のディスプレイ側電極部130の両端の幅W2よりも狭くなるように配置されていてもよい。なお、かかる所定方向は、図2の例では、駆動回路側接続部280の幅方向(図2に示すY方向)及びディスプレイ部100のディスプレイ側接続部140の幅方向(図2に示すY方向)を示す。
【0047】
この場合、ディスプレイ側接続部140の両端をガイドする構造として溝やリブ、レール、段差などを載置部284に形成しておけば、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図2の例では、Y方向)においても、ディスプレイ部側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とをより容易に合わせることができる。ディスプレイ側接続部140の端部145が、載置部284の端部285に突き当てられることで、挿抜方向(図2の例ではX方向)のアライメントが行え、ディスプレイ側接続基板141の両端をガイドする構造を載置部284に形成しておくことで、挿抜方向の直角方向(図2の例では、Y方向)のアライメントが行える。
【0048】
このような構成によれば、利用者は、駆動回路側接続部280に設けられる複数の駆動側電極部230を複数のディスプレイ側電極部130の両端の範囲内に取り付け易くなるとともに、ディスプレイ部100の表示領域110内に所定の情報を確実に表示させることができる。
【0049】
(1−3)駆動側電極部の構成
図4は、情報表示装置1のディスプレイ側接続部140におけるディスプレイ側電極部130および駆動回路部200における駆動側電極部230を拡大した拡大図である。第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232は、所属するグループが異なることを分かり易くするために符号により区別しているが、同じ構成を有する。ここでは、駆動側電極部230について説明する。
【0050】
各駆動側電極部230は、ドライバIC210A,210Bに連結される配線220の端部に連結されており、配線220の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド230Aを有する。なお、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド130Aを有する。
【0051】
ここで、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)のピッチは、“Pdp”で表される。ピッチPdpは、互いに隣接するディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)の中心の間隔である。電極パッド130Aの幅は、“Wdp”で表される。ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)間のギャップは、“Wdg”で表される。ギャップWdgは、互いに隣接する電極パッド130A間に設けられる間隙である。なお、“Pdp”は、“Pdp”=“Wdp”+“Wdg”の関係で表される。
【0052】
また、駆動側電極部230(電極パッド230A)のピッチは、“Pp”で表される。ピッチPpは、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)の中心の間隔である。電極パッド230Aの幅は、“Wp”で表される。駆動側電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wg”で表される。ギャップWgは、互いに隣接する電極パッド230A間に設けられる間隙である。なお、“Pp”は、“Pp”=“Wp”+“Wg”の関係で表される。
【0053】
さらに、同一グループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wng”で表される。なお、図4に示すように、駆動側電極部230が2つのグループに分類される場合には、“Wng”は、“Wp”+2דWg”で表される。
【0054】
第1に、ピッチPdpは、Ppの略n倍(nは、グループ数)である。言い換えると、Ppは、ピッチPdpの略1/nである。なお、“略”とは、ピッチ“Pdp”及び電極パッド130Aの数によって定まるずれ幅を含むことを意味する。
【0055】
第2に、幅Wp及びギャップWgは、Wp>Wgの関係(以下、条件A)を満たすことが好ましい。また、幅Wdp及びギャップWgは、Wdp>Wgの関係(以下、条件B)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ部100と駆動回路部200との位置関係がずれたとしても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、いずれかのグループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)に必ず接続される。
【0056】
第3に、幅Wdp及びギャップWngは、Wdp<Wngの関係(以下、条件C)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、同一グループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)に接続されることがない。
【0057】
なお、条件A〜条件Cが満たされなくても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)がいずれかのグループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)に接続されることもあることに留意すべきである。
【0058】
(1−4)ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接続態様の説明
駆動側電極部230と、ディスプレイ側電極部130との接続状態について説明する。図5(a)〜(c)は、情報表示装置1のディスプレイ部100と駆動回路部200との接続態様を説明する模式図である。
【0059】
駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態は、図5(a)〜(c)に示すケースで説明することができる。情報表示装置1では、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とが磁気吸着力によって接触し、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130のうち何れか一方が他方に重ね合わされて互いに電気的に接続されているが、説明のため、両者の接続状態が分かるようにディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とを透視した状態で表している。すなわち、図5に示す状態は、紙面の垂直方向下側に駆動回路部200の駆動側電極部230が配置されており、駆動回路部200に対して紙面の垂直方向上側にディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130が重ね合わされた状態である。
【0060】
なお、図5(a)〜(c)では、説明のため、ディスプレイ側電極部130及びディスプレイ側電極部130に連結される配線120を電極11,12と表し、駆動側電極部230の電極パッド230Aと配線220とをグループAに属する電極A1,A2と表し、グループBに属する電極B1,B2と表す。
【0061】
図5(a)は、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが正常に接続された場合を示した図である。すなわち、この場合のずれd0は、0≦d0<Wgであり、電極11,2と電極A1,B1とが合致している。図5(b)は、図5に示すD方向に駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが距離d1(Wg≦d1<Wp)ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極A1と電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極A2と電極B2に接続される。図5(c)は、図5に示すD方向に駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130が距離d2(Wp≦d2<(Pp+Wg))ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極B2に接続される。
【0062】
駆動側電極部230は、上述の構成を備えるため、駆動回路部200とディスプレイ部100とを接続する際に、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが接続されて電気的に導通する。
【0063】
(1−5)情報表示装置の制御方法
図6は、情報表示装置1のディスプレイ部100に所定の情報を表示するときの制御方法を説明する図である。図6には、制御方法を説明するフローチャートの各ステップと、表示領域110に表示されている情報とが紐付けて表されている。
【0064】
駆動回路部200のコントローラ240は、以下の手順に基づいて、所定の情報を表示領域110に表示するようにドライバIC210A,210Bを制御する。
【0065】
ステップS1において、コントローラ240は、何れかのグループを選択し、選択されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定する。ステップS2において、コントローラ240は、選択されたグループの駆動側電極部230に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0066】
すなわち、実施形態の情報表示装置1では、コントローラ240は、グループAを選択し、グループBに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)をハイインピーダンスに設定する。続いて、情報表示装置1は、選択されたグループの駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)に情報を表示するための制御信号を出力する。なお、書き換え処理に先立ってリセット処理(消去処理)が行われる。
【0067】
ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接続状態が、例えば、図5(a)または図5(b)のケースであれば、ステップS2を終えたとき、表示領域110に新たな情報が表示される。
【0068】
ステップS3において、コントローラ240は、ステップS1で選択されたグループ以外のグループから何れかのグループを選択し、選択されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定する。ステップS4において、コントローラ240は、選択されたグループの駆動側電極部230に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0069】
すなわち、実施形態の情報表示装置1では、コントローラ240は、グループBを選択し、グループAに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)をハイインピーダンスに設定する。続いて、情報表示装置1は、選択されたグループの駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0070】
ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接続状態が、例えば、図5(c)のケースであれば、ステップS4を終えたとき、表示領域110に新たな情報が表示される。図5(b)のケースでは、グループAの駆動側電極部230とグループBの駆動側電極部230の両方に接続されているため、ステップS4を終えると、ステップS3で選択されたグループの駆動側電極部230からの制御信号によって表示領域110に情報が再び表示される。
【0071】
図6に示したフローチャートに従って、コントローラ240に制御されることにより、図5(a)〜図5(b)のいずれの接続状態になっていても、ディスプレイ部100には所定の情報が表示される。
【0072】
(1−6)作用・効果
以上説明したように、情報表示装置1は、情報を表示するディスプレイ部100と、ディスプレイ部100を駆動する駆動回路部200とが着脱可能に構成されており、ディスプレイ部100は、表示領域110に配置された画素電極(表示用電極)に連結された複数のディスプレイ側電極部130を有し、駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部230と、表示領域110に情報を表示させる制御信号をディスプレイ側電極部130に出力するコントローラ240とを有する。駆動側電極部230は、n個のグループに分類されるとともに、所定方向に沿って所定ピッチPdpの略1/nのピッチPpで周期的に配置されている。一のグループに属する駆動側電極部230は、他のグループに属する駆動側電極部230と隣接するように周期的に配置されている。つまり、駆動側電極部230のピッチPpは、ディスプレイ側電極部のピッチよりも狭く、かつ、ディスプレイ側電極部130の1ピッチあたりに、駆動側電極部230が2個以上配置される。
【0073】
コントローラ240は、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが接続された状態で、異なるグループに属する駆動側電極部230に対して、異なるタイミングで制御信号を出力する。
【0074】
このため、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とがずれても、ディスプレイ側電極部130が、n個のグループのいずれかの駆動側電極部230に接続していれば、コントローラ240から各グループの駆動側電極部230に対して異なるタイミングで送られる制御信号に基づいて、表示領域110の情報を書き換えることができる。すなわち、情報表示装置1によれば、ディスプレイ部100と駆動回路部200とにおいて、接続不良や短絡などの接続不具合を回避して、ディスプレイ部100に所定の情報を表示させることができる。更には、情報表示器100と駆動回路部200との接続時のアライメント(位置合わせ)が容易になる。
【0075】
また、情報表示装置1では、ディスプレイ側接続基板141は、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281は、磁石を含んで構成される。よって、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とを磁気吸着力によって接触又は離間させて、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との電気的な接続又は切離を容易にできる。更に、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接触圧のばらつきを抑制して均一な接触圧で互いを電気的に接続することができる。
【0076】
ここで、ディスプレイ部100は、取り扱い易くするため、可撓性を有する部材によって構成される場合がある。可撓性を有するディスプレイ部100は、たわみ易く、かつ、そのたわみが保持され易くなる。このような場合、ディスプレイ部100に配置されるディスプレイ側電極部130と、駆動回路部200に配置される駆動側電極部230とを電気的に接続する際に、ディスプレイ部100のたわみによって、電極の位置がずれやすい。なお、従来技術では、このような場合、平面板上にディスプレイ部100を配置することによって、ディスプレイ部100のたわみを除いてから、電極同士の位置合わせを行っていた。
【0077】
本実施形態に係る情報表示装置1によれば、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とがずれても、ディスプレイ側電極部130が、いずれかのグループに属する駆動側電極部230に接続していれば、表示領域110の情報を書き換えることができる。更には、ディスプレイ側接続基板141は、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281は、磁石を含んで構成されるため、平面板などを準備することなく、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とを合わせて、電極同士を容易に接続できる。
【0078】
また、情報表示装置1では、複数の駆動側電極部230の両端の幅W1が、複数のディスプレイ側電極部130の両端の幅W2よりも狭くなるように配置されていることが好ましい。言い換えると、ディスプレイ側電極部130を駆動側電極部230の両端よりも外側に余分に形成する(例えば、1ライン以上多く形成する)ことが好ましい。このような構成によって、利用者は、駆動回路側接続部280に設けられる複数の駆動側電極部230を、複数のディスプレイ側電極部130の両端の範囲内に取り付け易くなるとともに、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とに位置ずれが起きたとしても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、ディスプレイ部100の表示領域110内に所定の情報を確実に表示させることができる。
【0079】
図1に示す実施形態では、第1グループに属する第1駆動側電極部231と、第2グループに属する第2駆動側電極部232とが基板面に交互に配置されている。また、各駆動側電極部230(第1駆動側電極部231及び第2駆動側電極部232)は、電極パッド230Aの幅Wpと、隣接する電極パッド230A間のギャップWgは、Wp>Wgを満たす。図1に示す構成では、ディスプレイ側電極部130の間隔Pdpは、Pdp=2Ppである。
【0080】
例えば、A4サイズ(210×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できるように構成し、A4サイズの短辺部分に縦横ライン電極から引き出されたディスプレイ側電極部130を配置する場合、210mmの範囲に、(1024+768=1792)本のディスプレイ側電極部130が配置される。従って、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、配線220の間隔Ppは、数百μm〜百数十μmになる。
【0081】
情報表示装置1では、駆動回路部200側の駆動側電極部230を少なくとも2つのグループに分け、上記関係を満たすように構成することにより、例えば、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態が図5(a)〜(c)に示す何れかのケースになり、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが接続されて電気的に導通し得る。すなわち、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが正常に接続しない場合が無くなる。従って、ディスプレイ部100と駆動回路部200とを表示の不具合がおこらないように確実に接続することができる。
【0082】
実施形態では、図5に示したように、位置ずれがd0,d1,d2の範囲であれば、ディスプレイ部100に正しく表示される。また、電極11が電極A2,B2に接触するような位置ずれが起きた場合には、電極11から順に配列される電極のうち最後の電極Nに通電されないことになるが、表示領域110の全域に表示の不具合が発生することはない。
【0083】
また、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、上述したように、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。
【0084】
導電性材料から電極パットとしての導電膜を形成する方法としては、次の方法が挙げられる。例えば、上述した導電性材料を基板面にスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法などにより薄膜状に形成することができる。また、金属材料については、金属箔(例えば、圧延銅箔)を形成し、基板面にラミネートする方法を用いてもよい。更に、導電性材料を含む導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合し、基板面に塗布する方法などを用いることができる。導電性材料は、パターン形成が可能であるため、成形性もよく、好適に使用できる。
【0085】
導電膜を金属材料で形成する場合には、上述した形成方法のなかでも、金属材料を圧延した薄膜が好ましい。圧延した薄膜は、蒸着により形成された薄膜やスパッタリングにより形成された薄膜に比べて、曲げや擦過に対する強度を高めることができる。導電膜を配置する基板と、導電膜との密着性を高めるために、アンカー材を設けてもよい。
【0086】
電極パッドとしての導電膜の厚さは、導電性が確保できればよく、一例として、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。
【0087】
第1実施形態に示す情報表示装置1では、駆動側電極部230の電極パッド230Aの幅Wpと、隣接する電極パッド230A間のギャップWgがWp>Wgを満たし、ディスプレイ側電極部130のピッチ(間隔)PdpがPdp=2Ppを満たす構成と合わせて、コントローラ240は、図6に示したフローチャートに従う処理を実行する。
【0088】
すなわち、コントローラ240は、選択したグループ以外のグループに属する駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定し、選択されたグループの駆動側電極部230にのみ制御信号を出力する処理を、全グループに行うため、ディスプレイ側電極部130は、必ず何れかのグループに属する駆動側電極部230と接続されて制御信号を受け取ることができる。従って、一連の処理が終了したときには、図5(a)〜図5(b)のいずれの接続状態になっていても、ショートなどの不良を引き起こすことなく、ディスプレイ部100の表示領域110に新たな情報を必ず表示することができる。
【0089】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。ここでは、(2−1)駆動回路部の駆動側電極部、(2−2)情報表示装置の制御方法、(2−3)作用・効果について説明する。
【0090】
(2−1)駆動回路部の駆動側電極部
図7は、駆動回路部400の駆動回路側接続部480における駆動側電極部430(電極パッド430A)およびディスプレイ側接続部140におけるディスプレイ側電極部を拡大した拡大図である。第2実施形態として示す情報表示装置2は、ディスプレイ部300と、駆動回路部400とを備える。
【0091】
情報表示装置2のディスプレイ部300及び駆動回路部400には、第1実施形態のディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230に加えて、ディスプレイ側電極部130に接続された駆動側電極部230のグループを検出する検出部を有する。
【0092】
情報表示装置2は、短絡されたショート配線321と、ショート配線321の端部に連結されたディスプレイ側電極部330とを有する。また、ディスプレイ側電極部330の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部430を備える。駆動側電極部430は、複数のグループに分けられている。複数の駆動側電極部430には、第1グループに属する第1駆動側電極部431と、第2グループに属する第2駆動側電極部432とが含まれる。第1駆動側電極部431と第2駆動側電極部432とは、配線421に連結されている。配線421は、グループを検出する検出回路270に接続されている。ディスプレイ側電極部330、ショート配線321、配線421、配線421に連結された第1駆動側電極部431、第2駆動側電極部432、及び検出回路270は、検出部を構成する。
【0093】
検出回路270に接続されるディスプレイ側電極部330のピッチ(間隔)は、駆動側電極部230に接続されるディスプレイ側電極部130のピッチ(間隔)と同じPdpである。また、駆動側電極部430(第1駆動側電極部431、第2駆動側電極部432)は、矩形状の電極パッド430Aを有し、電極パッド430Aの幅Wpと、隣接する電極パッド430A間のギャップWgと、配線420のピッチ(間隔)Ppとの間には、Pp=Wp+WgかつWp>Wgの関係が成り立つ。駆動側電極部430が図7に示す構成となっている場合には、駆動側電極部430に対応するディスプレイ側電極部330の間隔Pdpは、Pdp=2Pp(但し、Pp=Wp+Wg)である。
【0094】
図7では、説明のため、ディスプレイ側電極部330に連結されるショート配線321を配線Sと表し、グループAに属する第1駆動側電極部431を電極DA1、DA2、グループBに属する第2駆動側電極部432を電極DB1,DB2と表す。検出回路270は、配線Sによりショートしている電極を検出することにより、グループA,Bどちらの駆動側電極部230がディスプレイ側電極部130に接続されているかを検出する。
【0095】
(2−2)情報表示装置の制御方法
図8は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置2を制御する情報表示装置の制御方法を説明するフローチャートである。図示しないコントローラ240は、検出部によって接続されていることが検出されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部をハイインピーダンスに設定し、検出されたグループの駆動側電極部に制御信号を出力する。
【0096】
すなわち、ステップS10において、コントローラ240は、検出部により、電極DA1,DA2に導通しているか検出する。導通している場合には、ステップS11において、グループBに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)をハイインピーダンスに設定する。
【0097】
続いて、ステップS12において、コントローラ240は、グループAの駆動側電極部230によって、表示領域110を書き換える。図8に示す処理では、コントローラ240は、第1駆動側電極部231に情報を表示するための制御信号を出力する。なお、書き換え処理に先立ってリセット処理(消去処理)が行われる。
【0098】
一方、ステップS10において、電極DA1,DA2に導通していないことが検出された場合には、ステップS13において、さらに、電極DB1,DB2に導通しているか検出する。導通している場合には、ステップS14において、グループAに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)をハイインピーダンスに設定する。
【0099】
続いて、ステップS15において、コントローラ240は、グループBの駆動側電極部230によって、表示領域110を書き換える。
【0100】
(2−3)作用・効果
以上説明したように、情報処理装置2は、検出部によって、ディスプレイ側電極部130がどのグループに属する駆動側電極部230(第1駆動側電極部231又は第2駆動側電極部232)に接続されているか検出することができるため、駆動回路部400は、検出された一方の駆動側電極部230に対して制御信号を1回出力することで、表示領域110に表示される情報を確実に書き換えることができる。
【0101】
(3)第3実施形態
図9は、第3実施形態に係る情報表示装置3の構成を示す図である。図9に示すように、駆動回路部200は、複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを有している。また、図9に示すように、ディスプレイ部100Aでは、ディスプレイ側電極部130が、2つの端部(2辺)に、カラム電極部130aとロウ電極部130bとを有する。
【0102】
本実施形態では、駆動回路側接続部280aの駆動側電極部230aが、カラム電極部130aに接続され、駆動回路側接続部280bの駆動側電極部230bが、ロウ電極部130bに接続される。
【0103】
また、駆動回路側接続部280aでは、駆動回路側接続部280aの幅方向(図9に示すWX方向)に沿って配置される複数の駆動側電極部230aの両端の幅W1aは、ディスプレイ部100Aの一方の端部に沿った方向(図9に示すWX方向)に配置される複数のカラム電極部130aの両端の幅W2aよりも狭い。また、駆動回路側接続部280bにおいても、駆動回路側接続部280bの幅方向(図9に示すWY方向)に沿って配置される複数の駆動側電極部230bの両端の幅W1bは、ディスプレイ部100Aの他方の端部に沿った方向(図9に示すWY方向)配置される複数のロウ電極部130bの両端の幅W2bよりも狭い。
【0104】
なお、電極の幅W1aは、表示領域110内の特定領域111に配置される画素電極に連結された複数のカラム電極部130aの幅に対応し、電極の幅W1bは、特定領域111に配置される画素電極に連結された複数のロウ電極部130bの幅に対応する。
【0105】
このような情報表示装置3によれば、ディスプレイ部100Aの表示領域110内の特定領域111に限定して、所定の情報を表示させることができる。すなわち、特定領域111にのみに所定の情報を書き込むことができる。
【0106】
このような情報表示装置3は、例えば、ディスプレイ部100Aをチケットとして利用する際に有用である。具体的には、ディスプレイ部100Aの表示領域110にチケットとしての情報を表示させるとともに、駆動回路部200から、例えば、「検印」などの所定の情報に対応する制御信号を、複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを介して、ディスプレイ部100Aに出力する。情報表示装置3では、「検印」などの所定の情報を特定領域111のみに書き込むことができる。すなわち、予めチケット情報が表示された表示領域110の前記特定領域111を自由に選択して「検印」などの所定の情報を追記して表示できる。この自由に選択された特定領域111は、ディスプレイ部100Aから複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを一旦取り外してしまうと、全く同じ特定領域を選択してディスプレイ部100Aに取り付けない限り、言い換えれば、厳密にアライメントを取った接続を行わない限り、追記表示された「検印」などの情報を完全に消去したり、元の痕跡を残さないで書き換えたりすることができないので、偽造や改竄などの不正を防止でき、セキュリティの面での利用も可能な情報表示装置を提供できる。
【0107】
このような情報表示装置では、着脱部を後述するクリップ方式に構成すると駆動回路部側とディスプレイ部100A側との着脱が簡単にできるので好ましい。
【0108】
(4)変形例
(4−1)変形例1
図10は、変形例に係る情報表示装置3の駆動回路部600において、駆動回路側接続部680が有する駆動側電極部630(電極パッド630A)を拡大した拡大図である。変形例として示す情報表示装置3では、ディスプレイ側電極部530(電極パッド530A)のピッチ(間隔)Pdpの1/nと、駆動側電極部630のピッチ(間隔)Ppとが異なっている。すなわち、Pdp/n≠Ppである。
【0109】
図10では、駆動側電極部630は、矩形状の電極パッド630Aを有し、電極パッド630Aの幅Wpと、隣接する電極パッド630A間のギャップWgとは、Wp>Wgの関係が成り立つ。更に、図10に示す構成では、ディスプレイ側電極部530のピッチ(間隔)Pdpは、Pdp/n<Pp (n=2)の関係にあるので、Pdp<2Ppである。また、ディスプレイ側電極部530がピッチPdpでm本配置された幅WDp、同じグループに属する駆動側電極部630がm本ずつ配置されたとき、同じグループに属する駆動側電極部の最も離れた位置にある駆動側電極部間の距離WDrとするとき、WDp−WDr<Pp+wgである。
【0110】
この場合、ディスプレイ側電極部530と駆動側電極部630との接続状態は、図5(a)〜(c)の全てが繰り返し含まれるパターンになるため、ディスプレイ部100に所定の情報を表示することができる。
【0111】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0112】
実施形態では、ディスプレイ側接続部140の端部145と、駆動回路側接続部280における載置部284の端部285とは、直線状に形成されていたが、図11に示すように、ディスプレイ側接続部140の端部145aと、載置部284の端部285aとが、挿抜方向(図11に示すX方向)に凹凸する形状に形成されていてもよい。図11に示す山部と谷部とに直線部分を有するジグザグ形状や、山部と谷部とに直線部分を有さない鋭角的なジグザグ形状などが例示される。また、図12に示すように、ディスプレイ側接続部140の端部145bと、載置部284の端部285bとが、曲線的な波型形状に形成されていてもよい。
【0113】
この場合、ディスプレイ側接続部140の端部145a乃至145bが、駆動回路側接続部280の載置部284の端部285a乃至285bに突き当てられることで、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図11乃至12の例では、Y方向)においても、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とを容易に合わせることができる。図11や図12に示された構成においても、既に述べたようなディスプレイ側接続部140の両端をガイドする構造を載置部284に形成しておけば、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図11乃至12の例では、Y方向)においても、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とをより容易に合わせることができる。
【0114】
実施形態では、ディスプレイ部100(ディスプレイ部100A,300,500も同様)は、気体中粒子移動方式ディスプレイパネルであると説明した。しかし、ディスプレイ部100は、例えば、電気泳動方式(液体中粒子移動方式)ディスプレイパネル、コレステリック液晶方式ディスプレイパネル、エレクトロクロミック方式ディスプレイパネルとすることができる。また、給電を断った状態で表示された情報を所定期間保持できる表示メモリー性、いわゆるバイステイブル性を有するMEMS方式ディスプレイパネル、銀の電解による析出を用いる方式のディスプレイパネル、溶解反応を利用したディスプレイパネルとすることができる。ディスプレイ部100は、これら表示メモリー性を有するものが好ましいが、表示メモリー性の無い、従来の液晶ディスプレイ(LCD)にも適用できる。
【0115】
実施形態において、情報表示装置1には、ドライバIC210A,210Bが設けられていると説明した。しかし、ドライバICは、必ずしも必要でない。コントローラ240がディスプレイ部100の制御信号を、駆動側電極部230を介してディスプレイ側電極部130に直接出力する構成であってもよい。ドライバIC210A,210Bを使用すると、コントローラ240の負荷軽減、配線220の本数を減らすなどの利点がある。
【0116】
実施形態では、情報表示装置1は、記憶部250を備えると説明した。この他に、例えば、無線通信及び/又は有線通信を可能とする通信デバイスを備え、ディスプレイ部100の表示領域110に表示する情報に関するデータを、ネットワークを介して取得することもできる。
【0117】
実施形態では、駆動側電極部230には、グループAに属する第1駆動側電極部231(電極A1,A2)と、グループBに属する第2駆動側電極部232(電極B1,B2)とが含まれると説明した。しかし、2つのグループに限定されない。3つであってもよい。
【0118】
また、実施形態では、駆動側電極部がピッチ(間隔)Ppで配置されており、ディスプレイ側電極部がピッチ(間隔)Pdpで配置されており、Pdp=2Ppである場合について説明した。しかし、ディスプレイ側電極部のピッチ(間隔)は、駆動側電極部の間隔の整数倍であればよく、2倍に限定されない。すなわち、例えば、Pdp=3Pp、Pdp=4Ppという関係になるような配置になっていてもよい。
【0119】
また、上述した実施形態及び変形例は組み合わせることが可能である。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0120】
1〜3…情報表示装置、A1,A2…電極、B1,B2…電極、2…情報処理装置、11,12…電極、100,100A,300,500…ディスプレイ部、110…表示領域、111…特定領域、120…配線、130…ディスプレイ側電極部、130A…電極パッド、130a…カラム電極部、130b…ロウ電極部、140…ディスプレイ側接続部、141…ディスプレイ側接続基板、145,145a,145b…端部、200…駆動回路部、210A,210B…ICドライバ、220…配線、230,230a,230b…駆動側電極部、230A…電極パッド、231…第1駆動側電極部、232…第2駆動側電極部、240…コントローラ、250…記憶部、260…電源回路、270…検出回路、280,280a,280b…駆動回路側接続部、281…駆動回路側接続基板、284…載置部、285,285a,285b…端部、300…ディスプレイ部、321…ショート配線、330…ディスプレイ側電極部、400…駆動回路部、420…配線、421…配線、430…駆動側電極部、430A…電極パッド、431…第1駆動側電極部、432…第2駆動側電極部、480…駆動回路側接続部、530…ディスプレイ側電極部、530A…電極パッド、600…駆動回路部、630…駆動側電極部、630A…電極パッド、680…駆動回路側接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示するディスプレイ部と、ディスプレイ部を駆動する駆動回路部とが着脱可能に構成された情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置(LCD)に変わる情報表示装置として、帯電粒子気体中移動方式(電子粉流体(登録商標)方式)、帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた情報表示装置が提案されている。これらの情報表示装置のなかでも帯電粒子気体中移動方式や帯電粒子液体中移動方式や2色粒子回転方式を用いた情報表示装置では、給電を断ってもディスプレイ部の表示領域に表示させた情報が保持される表示メモリー性を有しているため、ディスプレイ部に情報を一旦表示させた後、ディスプレイ部のみを電源や駆動装置などの周辺構造から切り離して単独で取り扱うことができる。
【0003】
特許文献1には、ディスプレイ部と駆動回路部とを着脱可能にし、ディスプレイ部を駆動するための半導体部品であるドライバICをディスプレイ部ではなく、駆動回路部に設けた情報表示装置が開示されている。特許文献1に記載された情報表示装置では、ドライバICを駆動回路部に設けているため、ディスプレイ部に劣化、不良などの不具合が起きても、ディスプレイ部とともに高価なドライバICを交換する必要がなく、低コスト化が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開番号WO/2008/156175 図12など
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した情報表示装置では、次のような問題点がある。すなわち、ディスプレイ部の表示領域を構成する画素電極から引き出された引き出し電極をそれぞれ駆動回路部側の接続用電極に接続するため、ディスプレイ部側の接続用電極と駆動回路部側の接続用電極との接続箇所が増大する。これらの接続箇所の全てにおいて、電気的に確実に接続することが求められる。例えば、A4サイズ(210mm×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できる情報表示装置では、引き出し電極を短辺側に纏めて配置する場合、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、電極中心の間隔は、210mm/(1024+768)本=117μmになる。
【0006】
従来の情報表示装置において、基板に配置された電極中心の間隔は、上述のように微細である上に、接続するピン(接続用電極)の数が多くなり、電極同士の位置合わせが極めて困難になり、接続不良や短絡などの接続不具合を回避する施策が必要になる。
【0007】
本発明は上述した状況を鑑みて成されたものであり、接続不良や短絡などの接続不具合をより回避することが可能な情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る情報表示装置(情報表示装置1)は、情報を表示するディスプレイ部(ディスプレイ部100)と、前記ディスプレイ部を駆動する駆動回路部(駆動回路部200)とを備える。前記ディスプレイ部と前記駆動回路部とが着脱可能に構成される。前記ディスプレイ部は、少なくとも一部が前記ディスプレイ部の表示領域(表示領域110)に配置された画素電極に連結された複数のディスプレイ側電極部(ディスプレイ側電極部130)と、前記複数のディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板(ディスプレイ側接続基板141)とを有する。前記駆動回路部は、複数の前記ディスプレイ側電極部の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部(駆動側電極部230)と、前記複数の駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板(駆動回路側接続基板281)と、前記ディスプレイ部の前記表示領域に所定の情報を表示させる制御信号を前記ディスプレイ側電極部に出力するコントローラ(コントローラ240)とを有する。前記複数のディスプレイ側電極部は、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置される。前記複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類される。前記複数の駆動側電極部は、所定方向に沿って前記ディスプレイ側電極部における所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置される。一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置される。前記ディスプレイ側接続基板と前記駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。
【0009】
かかる情報表示装置では、複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類されるとともに、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されている。一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置されている。つまり、駆動側電極部のピッチは、ディスプレイ側電極部のピッチよりも狭く、かつ、ディスプレイ側電極部の1ピッチあたりに、駆動側電極部がn個配置される。
【0010】
このような情報表示装置によれば、ディスプレイ部を駆動回路部200に装着する際に、駆動側電極部の位置とディスプレイ側電極部の位置とがずれても、n個のグループのいずれかの駆動側電極部に接触するので、各グループの駆動側電極部から順番に制御信号を出力すれば、いずれかのグループの駆動側電極部から出力された制御信号をディスプレイ側電極部に確実に入力させることが可能になる。すなわち、情報表示装置によれば、ディスプレイ部と駆動回路部とにおいて、接続不良や短絡などの接続不具合を回避することができる。
【0011】
また、情報表示装置では、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。よって、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とを磁気吸着させて、ディスプレイ側電極部と駆動側電極部とを容易に電気的に接続できるとともに、ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接触圧の均一化を図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続不良や短絡などの接続不具合をより回避する情報表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置の構成を説明する構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2におけるA−A線の断面図である。図3(b)は、図2におけるB−B線の断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部と駆動回路側接続基板の駆動側電極部との接続態様を説明する模式図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置を制御する情報表示装置の制御方法を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置を制御する情報表示装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係る情報表示装置の構成を説明する構成図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態の変形例に係る情報表示装置のディスプレイ側接続基板のディスプレイ側電極部および駆動回路側接続基板の駆動側電極部を拡大した拡大図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施形態に係る接続部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る情報表示装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)第3実施形態、(4)変形例、(5)その他の実施形態について説明する。
【0015】
なお、以下の図面の記載において、同一部分には、同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0016】
(1)第1実施形態
ここでは、(1−1)情報表示装置の構成、(1−2)接続部の構成、(1−3)駆動側電極部の構成、(1−4)ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接続態様の説明、(1−5)情報表示装置の制御方法、(1−6)作用・効果について説明する。
【0017】
(1−1)情報表示装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置1の構成を説明する構成図である。図1に示すように情報表示装置1は、所定の情報を表示するディスプレイ部100と、ディスプレイ部100を駆動する駆動回路部200とを備え、ディスプレイ部100と駆動回路部200とが着脱可能に構成される。
【0018】
ディスプレイ部100は、所定の情報が表示される表示領域110と、表示領域110に配置された画素電極(不図示)から引き出された配線120と、配線の端部に連結されたディスプレイ側電極部130と、ディスプレイ側電極部130を有するディスプレイ側接続部140とを有する。
【0019】
図1に示す情報表示装置1では、ディスプレイ部100は、少なくとも一方が透明な2枚の電極付き基板間の気体中空間(真空中を含む)に、光学的反射率を有する帯電性粒子を含む粒子群として構成した表示媒体を少なくとも1種類以上配置、より好ましくは表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像などの情報を表示する気体中粒子移動方式ディスプレイパネルである。後述するが、表示媒体および駆動方式は上記に限定されない。
【0020】
ディスプレイ部100の表示領域110には、画素電極を形成する互いに直交する行方向のライン電極(不図示)と、列方向のライン電極(不図示)とが設けられており、表示領域110の端部まで引き出されて配線120に接続されている。
【0021】
配線120は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されており、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に連結されている。すなわち、ディスプレイ側電極部130は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されている。ディスプレイ側電極部130は、所定の領域に集められて配置されている。ディスプレイ側接続部140は、ディスプレイ側電極部130を備えており、駆動回路部200との接続部分を構成する。なお、ディスプレイ側接続部140の詳細な構成については、後述する。
【0022】
駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部230と、ディスプレイ部100の表示領域110に所定の情報を表示させる制御信号をディスプレイ側電極部130に出力するコントローラ240と、駆動回路側接続部280とを備える。コントローラ240は、CPU、ROM、RAM、タイミング信号発生回路などを備える。CPUは、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するドライバIC210A,210Bなどを制御する。
【0023】
図1に示す駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130にディスプレイ部100を駆動する制御信号を出力するドライバIC210A,210Bを有する。ドライバIC210A,210Bは、記憶部250から読み出したデータに基づいて、ディスプレイ側電極部130に所定の電圧を印加するか、または、ハイインピーダンスの状態にする。図1に示す駆動回路部200では、ディスプレイ側電極部130を制御する制御信号は、コントローラ240から直接送信されず、ドライバIC210A,210Bから送信される。ディスプレイ部100では、この制御信号に基づいた情報が表示される。
【0024】
また、駆動回路部200は、ディスプレイ部100に表示する所定の情報などのデータが格納された記憶部250と、コントローラ240の電源回路260とを有する。記憶部250は、半導体メモリー、ハードディスク等により構成されている。記憶部250は、書き換え可能なUSBメモリー等の記録媒体であってもよい。電源回路260は、情報の表示或いは消去に応じた所定の電圧を発生させる。
【0025】
図1に示す実施形態では、駆動側電極部230は、複数のグループに分けられている。複数の駆動側電極部230には、第1グループに属する第1駆動側電極部231と、第2グループに属する第2駆動側電極部232とが含まれる。図1に示す実施形態では、異なるグループに属する駆動側電極部230が基板面に順に配置されている。すなわち、第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232とが交互に配置されている。配線220は、駆動側電極部230に含まれる。
【0026】
ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。抜き挿し方式の接続部CNを構成する場合には、曲げや擦過に対する強度に優れている材料を電極部材料として用いることが好ましい。このような材料は、例えば、上述した金属、貴金属又は合金である。このうち、安価な良導電性材料である銅を好ましく用いることができる。
【0027】
図1に示す実施形態では、第1駆動側電極部231は、ドライバIC210Aに接続される。ドライバIC210Aは、第1グループに属する第1駆動側電極部231にディスプレイ側電極部130を駆動する制御信号を出力する。第2駆動側電極部232は、ドライバIC210Bに接続される。ドライバIC210Bは、第2グループに属する第2駆動側電極部232にディスプレイ側電極部130を駆動する制御信号を出力する。
【0028】
コントローラ240は、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが電気的に接続された状態で、異なるグループに属する第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232に対して、異なるタイミングで制御信号を出力する。
【0029】
なお、第1実施形態では、複数の駆動側電極部230が2つのグループに分類されるケースについて例示しているに過ぎない。複数の駆動側電極部230は、n個のグループに分類されてもよい(但し、nは整数)。
【0030】
駆動回路側接続部280は、ディスプレイ側接続部140と磁気吸着力によって接触する。駆動回路側接続部280とディスプレイ側接続部140とが、接触又は離間することによって、ディスプレイ部100と駆動回路部200とが着脱される。駆動回路側接続部280は、複数の駆動側電極部230を有する。駆動回路側接続280は、ディスプレイ側接続140と接触することによって、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とを電気的に接続する。駆動回路側接続280は、ディスプレイ側接続部140と離間することによって、駆動回路部200の複数の駆動側電極部230と複数のディスプレイ側電極部130との電気的接続が解除される。なお、駆動回路側接続部280の詳細については後述する。
【0031】
また、図1に示す情報表示装置1において、ディスプレイ側接続部140と、駆動回路側接続部280とは、ディスプレイ部100と駆動回路部200とを電気的及び機械的に接続する接続部CNを構成する。
【0032】
(1−2)接続部の構成
図2は、接続部CNの構成を説明する斜視図である。図3(a)は、図2におけるA−A線の断面図であり、図3(b)は、図2におけるB−B線の断面図である。本実施形態に係る接続部CNは、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とによって構成される。
【0033】
ディスプレイ側接続部140は、複数のディスプレイ側電極部130と、複数のディスプレイ側電極部130を配置したディスプレイ側接続基板141とを有する。具体的に、ディスプレイ側接続基板141は、表面基板141aと背面基板141bとを有する。表面基板141aの一方の面には、複数のディスプレイ側電極部130が配置され、表面基板141aの他方の面には、背面基板141bが配置される。
【0034】
駆動回路側接続部280は、複数の駆動側電極部230と、複数の駆動側電極部230を配置した駆動回路側接続基板281とを有する。具体的に、駆動回路側接続基板281は、表面基板281aと背面基板281bとを有する。表面基板281aの一方の面には、複数の駆動側電極部230が配置され、表面基板281aの他方の面には、背面基板281bが配置されている。
【0035】
ここで、ディスプレイ側接続基板141と駆動回路側接続基板281とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される。本実施形態では、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁石を含んで構成されることとする。
【0036】
具体的に、本実施形態では、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁性体であり、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁石こととする。
【0037】
このように、磁石および磁性体はそれぞれ複数のディスプレイ側電極部130および複数の駆動側電極部230が形成されている面とは反対の面側に形成され、好ましくは、それぞれ複数のディスプレイ側電極部130および複数の駆動側電極部230のすべてを覆う領域に形成される。
【0038】
なお、ディスプレイ側接続基板141が、磁石を含んで構成され、駆動回路側接続基板281が、磁性体を含んで構成されるようにしてもよい。つまり、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bが、磁石であり、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bが、磁性体であるようにしてもよい。更には、ディスプレイ側接続基板141が有する背面基板141bと、駆動回路側接続基板281が有する背面基板281bとが、互いに対極する磁石であるようにしてもよい。
【0039】
また、ディスプレイ側接続部140は、可撓性を有することが好ましいため、背面基板141bは、磁性体として、鉄などの金属部材を含む部材で構成され、可撓性を有することが好ましい。一方、駆動回路側接続部280も、可撓性を有することが好ましいため、背面基板281bは、磁石をゴム部材に含めたゴム製マグネットシート部材で構成され、駆動回路側接続基板281が、可撓性を有することが好ましい。
【0040】
また、上述の例では、ディスプレイ側接続基板141が、表面基板141aと背面基板141bとの2層構造である場合を例に挙げたが、一層構造としてもよい。この場合、ディスプレイ側接続基板141自身が、鉄などの金属部材を含む磁性体部材であって、ディスプレイ側接続基板141は可撓性を有することが好ましい。また、ディスプレイ側接続部140を可撓性のあるプラスチック基板と、可撓性のある磁性体シート、例えば、鉄シート、ステンレスシート、ニッケルシートなどとを積層した基板とすることも好ましい。
【0041】
また、上述の例では、駆動回路側接続基板281が、表面基板281aと背面基板281bとの2層構造である場合を例に挙げたが、一層構造としてもよい。この場合、駆動回路側接続基板281は、磁石をゴム部材に含めたゴム製マグネットシート部材で構成したり、可撓性のあるプラスチック基板と、可撓性のある上記ゴム製マグネットシート部材との積層基板として構成したりして、可撓性を有するようにすることが好ましい。
【0042】
磁石部材である基板に、あるいは、磁性体部材である基板に表示側電極部130や駆動側電極部230を形成する場合、両者の間に絶縁膜を配置して、互いに導通しないようにすることが好ましい。
【0043】
このような構成によって、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とは、磁気吸着によって接触又は離間することができる。なお、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とが、接触又は離間することによって、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが電気的に接続又は切離される。
【0044】
また、駆動回路側接続基板281は、ディスプレイ側接続部140が載置される載置部284を有する。載置部284の端部285は、載置部284からせり上がる段差状に形成されている。本実施形態では、載置部284の端部285は、ディスプレイ側接続部140の挿抜方向(図2の例では、X方向)に対して直角方向(図2の例では、Y方向)に直線状に延びるように形成されている。
【0045】
本実施形態では、ディスプレイ側接続部140の端部145も、直線状に延びるように形成されている。ディスプレイ側接続部140が載置部284に載置される際、ディスプレイ側接続部140の端部145が、載置部284の端部285に突き当てられることで、挿抜方向において、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とを容易に合わせることができる。
【0046】
また、図2に示すように、所定方向に配置される複数の駆動側電極部230の両端の幅W1は、所定方向に配置される複数のディスプレイ側電極部130の両端の幅W2よりも狭くなるように配置されていてもよい。なお、かかる所定方向は、図2の例では、駆動回路側接続部280の幅方向(図2に示すY方向)及びディスプレイ部100のディスプレイ側接続部140の幅方向(図2に示すY方向)を示す。
【0047】
この場合、ディスプレイ側接続部140の両端をガイドする構造として溝やリブ、レール、段差などを載置部284に形成しておけば、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図2の例では、Y方向)においても、ディスプレイ部側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とをより容易に合わせることができる。ディスプレイ側接続部140の端部145が、載置部284の端部285に突き当てられることで、挿抜方向(図2の例ではX方向)のアライメントが行え、ディスプレイ側接続基板141の両端をガイドする構造を載置部284に形成しておくことで、挿抜方向の直角方向(図2の例では、Y方向)のアライメントが行える。
【0048】
このような構成によれば、利用者は、駆動回路側接続部280に設けられる複数の駆動側電極部230を複数のディスプレイ側電極部130の両端の範囲内に取り付け易くなるとともに、ディスプレイ部100の表示領域110内に所定の情報を確実に表示させることができる。
【0049】
(1−3)駆動側電極部の構成
図4は、情報表示装置1のディスプレイ側接続部140におけるディスプレイ側電極部130および駆動回路部200における駆動側電極部230を拡大した拡大図である。第1駆動側電極部231と第2駆動側電極部232は、所属するグループが異なることを分かり易くするために符号により区別しているが、同じ構成を有する。ここでは、駆動側電極部230について説明する。
【0050】
各駆動側電極部230は、ドライバIC210A,210Bに連結される配線220の端部に連結されており、配線220の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド230Aを有する。なお、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド130Aを有する。
【0051】
ここで、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)のピッチは、“Pdp”で表される。ピッチPdpは、互いに隣接するディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)の中心の間隔である。電極パッド130Aの幅は、“Wdp”で表される。ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)間のギャップは、“Wdg”で表される。ギャップWdgは、互いに隣接する電極パッド130A間に設けられる間隙である。なお、“Pdp”は、“Pdp”=“Wdp”+“Wdg”の関係で表される。
【0052】
また、駆動側電極部230(電極パッド230A)のピッチは、“Pp”で表される。ピッチPpは、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)の中心の間隔である。電極パッド230Aの幅は、“Wp”で表される。駆動側電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wg”で表される。ギャップWgは、互いに隣接する電極パッド230A間に設けられる間隙である。なお、“Pp”は、“Pp”=“Wp”+“Wg”の関係で表される。
【0053】
さらに、同一グループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wng”で表される。なお、図4に示すように、駆動側電極部230が2つのグループに分類される場合には、“Wng”は、“Wp”+2דWg”で表される。
【0054】
第1に、ピッチPdpは、Ppの略n倍(nは、グループ数)である。言い換えると、Ppは、ピッチPdpの略1/nである。なお、“略”とは、ピッチ“Pdp”及び電極パッド130Aの数によって定まるずれ幅を含むことを意味する。
【0055】
第2に、幅Wp及びギャップWgは、Wp>Wgの関係(以下、条件A)を満たすことが好ましい。また、幅Wdp及びギャップWgは、Wdp>Wgの関係(以下、条件B)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ部100と駆動回路部200との位置関係がずれたとしても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、いずれかのグループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)に必ず接続される。
【0056】
第3に、幅Wdp及びギャップWngは、Wdp<Wngの関係(以下、条件C)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、同一グループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する駆動側電極部230(電極パッド230A)に接続されることがない。
【0057】
なお、条件A〜条件Cが満たされなくても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)がいずれかのグループに属する駆動側電極部230(電極パッド230A)に接続されることもあることに留意すべきである。
【0058】
(1−4)ディスプレイ側電極部と駆動側電極部との接続態様の説明
駆動側電極部230と、ディスプレイ側電極部130との接続状態について説明する。図5(a)〜(c)は、情報表示装置1のディスプレイ部100と駆動回路部200との接続態様を説明する模式図である。
【0059】
駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態は、図5(a)〜(c)に示すケースで説明することができる。情報表示装置1では、ディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とが磁気吸着力によって接触し、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130のうち何れか一方が他方に重ね合わされて互いに電気的に接続されているが、説明のため、両者の接続状態が分かるようにディスプレイ側接続部140と駆動回路側接続部280とを透視した状態で表している。すなわち、図5に示す状態は、紙面の垂直方向下側に駆動回路部200の駆動側電極部230が配置されており、駆動回路部200に対して紙面の垂直方向上側にディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130が重ね合わされた状態である。
【0060】
なお、図5(a)〜(c)では、説明のため、ディスプレイ側電極部130及びディスプレイ側電極部130に連結される配線120を電極11,12と表し、駆動側電極部230の電極パッド230Aと配線220とをグループAに属する電極A1,A2と表し、グループBに属する電極B1,B2と表す。
【0061】
図5(a)は、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが正常に接続された場合を示した図である。すなわち、この場合のずれd0は、0≦d0<Wgであり、電極11,2と電極A1,B1とが合致している。図5(b)は、図5に示すD方向に駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが距離d1(Wg≦d1<Wp)ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極A1と電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極A2と電極B2に接続される。図5(c)は、図5に示すD方向に駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130が距離d2(Wp≦d2<(Pp+Wg))ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極B2に接続される。
【0062】
駆動側電極部230は、上述の構成を備えるため、駆動回路部200とディスプレイ部100とを接続する際に、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが接続されて電気的に導通する。
【0063】
(1−5)情報表示装置の制御方法
図6は、情報表示装置1のディスプレイ部100に所定の情報を表示するときの制御方法を説明する図である。図6には、制御方法を説明するフローチャートの各ステップと、表示領域110に表示されている情報とが紐付けて表されている。
【0064】
駆動回路部200のコントローラ240は、以下の手順に基づいて、所定の情報を表示領域110に表示するようにドライバIC210A,210Bを制御する。
【0065】
ステップS1において、コントローラ240は、何れかのグループを選択し、選択されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定する。ステップS2において、コントローラ240は、選択されたグループの駆動側電極部230に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0066】
すなわち、実施形態の情報表示装置1では、コントローラ240は、グループAを選択し、グループBに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)をハイインピーダンスに設定する。続いて、情報表示装置1は、選択されたグループの駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)に情報を表示するための制御信号を出力する。なお、書き換え処理に先立ってリセット処理(消去処理)が行われる。
【0067】
ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接続状態が、例えば、図5(a)または図5(b)のケースであれば、ステップS2を終えたとき、表示領域110に新たな情報が表示される。
【0068】
ステップS3において、コントローラ240は、ステップS1で選択されたグループ以外のグループから何れかのグループを選択し、選択されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定する。ステップS4において、コントローラ240は、選択されたグループの駆動側電極部230に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0069】
すなわち、実施形態の情報表示装置1では、コントローラ240は、グループBを選択し、グループAに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)をハイインピーダンスに設定する。続いて、情報表示装置1は、選択されたグループの駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)に情報を表示するための制御信号を出力する。
【0070】
ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接続状態が、例えば、図5(c)のケースであれば、ステップS4を終えたとき、表示領域110に新たな情報が表示される。図5(b)のケースでは、グループAの駆動側電極部230とグループBの駆動側電極部230の両方に接続されているため、ステップS4を終えると、ステップS3で選択されたグループの駆動側電極部230からの制御信号によって表示領域110に情報が再び表示される。
【0071】
図6に示したフローチャートに従って、コントローラ240に制御されることにより、図5(a)〜図5(b)のいずれの接続状態になっていても、ディスプレイ部100には所定の情報が表示される。
【0072】
(1−6)作用・効果
以上説明したように、情報表示装置1は、情報を表示するディスプレイ部100と、ディスプレイ部100を駆動する駆動回路部200とが着脱可能に構成されており、ディスプレイ部100は、表示領域110に配置された画素電極(表示用電極)に連結された複数のディスプレイ側電極部130を有し、駆動回路部200は、ディスプレイ側電極部130の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部230と、表示領域110に情報を表示させる制御信号をディスプレイ側電極部130に出力するコントローラ240とを有する。駆動側電極部230は、n個のグループに分類されるとともに、所定方向に沿って所定ピッチPdpの略1/nのピッチPpで周期的に配置されている。一のグループに属する駆動側電極部230は、他のグループに属する駆動側電極部230と隣接するように周期的に配置されている。つまり、駆動側電極部230のピッチPpは、ディスプレイ側電極部のピッチよりも狭く、かつ、ディスプレイ側電極部130の1ピッチあたりに、駆動側電極部230が2個以上配置される。
【0073】
コントローラ240は、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが接続された状態で、異なるグループに属する駆動側電極部230に対して、異なるタイミングで制御信号を出力する。
【0074】
このため、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とがずれても、ディスプレイ側電極部130が、n個のグループのいずれかの駆動側電極部230に接続していれば、コントローラ240から各グループの駆動側電極部230に対して異なるタイミングで送られる制御信号に基づいて、表示領域110の情報を書き換えることができる。すなわち、情報表示装置1によれば、ディスプレイ部100と駆動回路部200とにおいて、接続不良や短絡などの接続不具合を回避して、ディスプレイ部100に所定の情報を表示させることができる。更には、情報表示器100と駆動回路部200との接続時のアライメント(位置合わせ)が容易になる。
【0075】
また、情報表示装置1では、ディスプレイ側接続基板141は、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281は、磁石を含んで構成される。よって、ディスプレイ側接続基板と駆動回路側接続基板とを磁気吸着力によって接触又は離間させて、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との電気的な接続又は切離を容易にできる。更に、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230との接触圧のばらつきを抑制して均一な接触圧で互いを電気的に接続することができる。
【0076】
ここで、ディスプレイ部100は、取り扱い易くするため、可撓性を有する部材によって構成される場合がある。可撓性を有するディスプレイ部100は、たわみ易く、かつ、そのたわみが保持され易くなる。このような場合、ディスプレイ部100に配置されるディスプレイ側電極部130と、駆動回路部200に配置される駆動側電極部230とを電気的に接続する際に、ディスプレイ部100のたわみによって、電極の位置がずれやすい。なお、従来技術では、このような場合、平面板上にディスプレイ部100を配置することによって、ディスプレイ部100のたわみを除いてから、電極同士の位置合わせを行っていた。
【0077】
本実施形態に係る情報表示装置1によれば、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とがずれても、ディスプレイ側電極部130が、いずれかのグループに属する駆動側電極部230に接続していれば、表示領域110の情報を書き換えることができる。更には、ディスプレイ側接続基板141は、磁性体を含んで構成され、駆動回路側接続基板281は、磁石を含んで構成されるため、平面板などを準備することなく、ディスプレイ側電極部130の位置と駆動側電極部230の位置とを合わせて、電極同士を容易に接続できる。
【0078】
また、情報表示装置1では、複数の駆動側電極部230の両端の幅W1が、複数のディスプレイ側電極部130の両端の幅W2よりも狭くなるように配置されていることが好ましい。言い換えると、ディスプレイ側電極部130を駆動側電極部230の両端よりも外側に余分に形成する(例えば、1ライン以上多く形成する)ことが好ましい。このような構成によって、利用者は、駆動回路側接続部280に設けられる複数の駆動側電極部230を、複数のディスプレイ側電極部130の両端の範囲内に取り付け易くなるとともに、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とに位置ずれが起きたとしても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、ディスプレイ部100の表示領域110内に所定の情報を確実に表示させることができる。
【0079】
図1に示す実施形態では、第1グループに属する第1駆動側電極部231と、第2グループに属する第2駆動側電極部232とが基板面に交互に配置されている。また、各駆動側電極部230(第1駆動側電極部231及び第2駆動側電極部232)は、電極パッド230Aの幅Wpと、隣接する電極パッド230A間のギャップWgは、Wp>Wgを満たす。図1に示す構成では、ディスプレイ側電極部130の間隔Pdpは、Pdp=2Ppである。
【0080】
例えば、A4サイズ(210×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できるように構成し、A4サイズの短辺部分に縦横ライン電極から引き出されたディスプレイ側電極部130を配置する場合、210mmの範囲に、(1024+768=1792)本のディスプレイ側電極部130が配置される。従って、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、配線220の間隔Ppは、数百μm〜百数十μmになる。
【0081】
情報表示装置1では、駆動回路部200側の駆動側電極部230を少なくとも2つのグループに分け、上記関係を満たすように構成することにより、例えば、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態が図5(a)〜(c)に示す何れかのケースになり、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが接続されて電気的に導通し得る。すなわち、駆動側電極部230とディスプレイ側電極部130とが正常に接続しない場合が無くなる。従って、ディスプレイ部100と駆動回路部200とを表示の不具合がおこらないように確実に接続することができる。
【0082】
実施形態では、図5に示したように、位置ずれがd0,d1,d2の範囲であれば、ディスプレイ部100に正しく表示される。また、電極11が電極A2,B2に接触するような位置ずれが起きた場合には、電極11から順に配列される電極のうち最後の電極Nに通電されないことになるが、表示領域110の全域に表示の不具合が発生することはない。
【0083】
また、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、上述したように、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、ディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。
【0084】
導電性材料から電極パットとしての導電膜を形成する方法としては、次の方法が挙げられる。例えば、上述した導電性材料を基板面にスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法などにより薄膜状に形成することができる。また、金属材料については、金属箔(例えば、圧延銅箔)を形成し、基板面にラミネートする方法を用いてもよい。更に、導電性材料を含む導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合し、基板面に塗布する方法などを用いることができる。導電性材料は、パターン形成が可能であるため、成形性もよく、好適に使用できる。
【0085】
導電膜を金属材料で形成する場合には、上述した形成方法のなかでも、金属材料を圧延した薄膜が好ましい。圧延した薄膜は、蒸着により形成された薄膜やスパッタリングにより形成された薄膜に比べて、曲げや擦過に対する強度を高めることができる。導電膜を配置する基板と、導電膜との密着性を高めるために、アンカー材を設けてもよい。
【0086】
電極パッドとしての導電膜の厚さは、導電性が確保できればよく、一例として、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。
【0087】
第1実施形態に示す情報表示装置1では、駆動側電極部230の電極パッド230Aの幅Wpと、隣接する電極パッド230A間のギャップWgがWp>Wgを満たし、ディスプレイ側電極部130のピッチ(間隔)PdpがPdp=2Ppを満たす構成と合わせて、コントローラ240は、図6に示したフローチャートに従う処理を実行する。
【0088】
すなわち、コントローラ240は、選択したグループ以外のグループに属する駆動側電極部230をハイインピーダンスに設定し、選択されたグループの駆動側電極部230にのみ制御信号を出力する処理を、全グループに行うため、ディスプレイ側電極部130は、必ず何れかのグループに属する駆動側電極部230と接続されて制御信号を受け取ることができる。従って、一連の処理が終了したときには、図5(a)〜図5(b)のいずれの接続状態になっていても、ショートなどの不良を引き起こすことなく、ディスプレイ部100の表示領域110に新たな情報を必ず表示することができる。
【0089】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。ここでは、(2−1)駆動回路部の駆動側電極部、(2−2)情報表示装置の制御方法、(2−3)作用・効果について説明する。
【0090】
(2−1)駆動回路部の駆動側電極部
図7は、駆動回路部400の駆動回路側接続部480における駆動側電極部430(電極パッド430A)およびディスプレイ側接続部140におけるディスプレイ側電極部を拡大した拡大図である。第2実施形態として示す情報表示装置2は、ディスプレイ部300と、駆動回路部400とを備える。
【0091】
情報表示装置2のディスプレイ部300及び駆動回路部400には、第1実施形態のディスプレイ側電極部130及び駆動側電極部230に加えて、ディスプレイ側電極部130に接続された駆動側電極部230のグループを検出する検出部を有する。
【0092】
情報表示装置2は、短絡されたショート配線321と、ショート配線321の端部に連結されたディスプレイ側電極部330とを有する。また、ディスプレイ側電極部330の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部430を備える。駆動側電極部430は、複数のグループに分けられている。複数の駆動側電極部430には、第1グループに属する第1駆動側電極部431と、第2グループに属する第2駆動側電極部432とが含まれる。第1駆動側電極部431と第2駆動側電極部432とは、配線421に連結されている。配線421は、グループを検出する検出回路270に接続されている。ディスプレイ側電極部330、ショート配線321、配線421、配線421に連結された第1駆動側電極部431、第2駆動側電極部432、及び検出回路270は、検出部を構成する。
【0093】
検出回路270に接続されるディスプレイ側電極部330のピッチ(間隔)は、駆動側電極部230に接続されるディスプレイ側電極部130のピッチ(間隔)と同じPdpである。また、駆動側電極部430(第1駆動側電極部431、第2駆動側電極部432)は、矩形状の電極パッド430Aを有し、電極パッド430Aの幅Wpと、隣接する電極パッド430A間のギャップWgと、配線420のピッチ(間隔)Ppとの間には、Pp=Wp+WgかつWp>Wgの関係が成り立つ。駆動側電極部430が図7に示す構成となっている場合には、駆動側電極部430に対応するディスプレイ側電極部330の間隔Pdpは、Pdp=2Pp(但し、Pp=Wp+Wg)である。
【0094】
図7では、説明のため、ディスプレイ側電極部330に連結されるショート配線321を配線Sと表し、グループAに属する第1駆動側電極部431を電極DA1、DA2、グループBに属する第2駆動側電極部432を電極DB1,DB2と表す。検出回路270は、配線Sによりショートしている電極を検出することにより、グループA,Bどちらの駆動側電極部230がディスプレイ側電極部130に接続されているかを検出する。
【0095】
(2−2)情報表示装置の制御方法
図8は、本発明の第2実施形態に係る情報表示装置2を制御する情報表示装置の制御方法を説明するフローチャートである。図示しないコントローラ240は、検出部によって接続されていることが検出されたグループ以外のグループに属する複数の駆動側電極部をハイインピーダンスに設定し、検出されたグループの駆動側電極部に制御信号を出力する。
【0096】
すなわち、ステップS10において、コントローラ240は、検出部により、電極DA1,DA2に導通しているか検出する。導通している場合には、ステップS11において、グループBに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第2駆動側電極部232)をハイインピーダンスに設定する。
【0097】
続いて、ステップS12において、コントローラ240は、グループAの駆動側電極部230によって、表示領域110を書き換える。図8に示す処理では、コントローラ240は、第1駆動側電極部231に情報を表示するための制御信号を出力する。なお、書き換え処理に先立ってリセット処理(消去処理)が行われる。
【0098】
一方、ステップS10において、電極DA1,DA2に導通していないことが検出された場合には、ステップS13において、さらに、電極DB1,DB2に導通しているか検出する。導通している場合には、ステップS14において、グループAに属する複数の駆動側電極部230(この場合、第1駆動側電極部231)をハイインピーダンスに設定する。
【0099】
続いて、ステップS15において、コントローラ240は、グループBの駆動側電極部230によって、表示領域110を書き換える。
【0100】
(2−3)作用・効果
以上説明したように、情報処理装置2は、検出部によって、ディスプレイ側電極部130がどのグループに属する駆動側電極部230(第1駆動側電極部231又は第2駆動側電極部232)に接続されているか検出することができるため、駆動回路部400は、検出された一方の駆動側電極部230に対して制御信号を1回出力することで、表示領域110に表示される情報を確実に書き換えることができる。
【0101】
(3)第3実施形態
図9は、第3実施形態に係る情報表示装置3の構成を示す図である。図9に示すように、駆動回路部200は、複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを有している。また、図9に示すように、ディスプレイ部100Aでは、ディスプレイ側電極部130が、2つの端部(2辺)に、カラム電極部130aとロウ電極部130bとを有する。
【0102】
本実施形態では、駆動回路側接続部280aの駆動側電極部230aが、カラム電極部130aに接続され、駆動回路側接続部280bの駆動側電極部230bが、ロウ電極部130bに接続される。
【0103】
また、駆動回路側接続部280aでは、駆動回路側接続部280aの幅方向(図9に示すWX方向)に沿って配置される複数の駆動側電極部230aの両端の幅W1aは、ディスプレイ部100Aの一方の端部に沿った方向(図9に示すWX方向)に配置される複数のカラム電極部130aの両端の幅W2aよりも狭い。また、駆動回路側接続部280bにおいても、駆動回路側接続部280bの幅方向(図9に示すWY方向)に沿って配置される複数の駆動側電極部230bの両端の幅W1bは、ディスプレイ部100Aの他方の端部に沿った方向(図9に示すWY方向)配置される複数のロウ電極部130bの両端の幅W2bよりも狭い。
【0104】
なお、電極の幅W1aは、表示領域110内の特定領域111に配置される画素電極に連結された複数のカラム電極部130aの幅に対応し、電極の幅W1bは、特定領域111に配置される画素電極に連結された複数のロウ電極部130bの幅に対応する。
【0105】
このような情報表示装置3によれば、ディスプレイ部100Aの表示領域110内の特定領域111に限定して、所定の情報を表示させることができる。すなわち、特定領域111にのみに所定の情報を書き込むことができる。
【0106】
このような情報表示装置3は、例えば、ディスプレイ部100Aをチケットとして利用する際に有用である。具体的には、ディスプレイ部100Aの表示領域110にチケットとしての情報を表示させるとともに、駆動回路部200から、例えば、「検印」などの所定の情報に対応する制御信号を、複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを介して、ディスプレイ部100Aに出力する。情報表示装置3では、「検印」などの所定の情報を特定領域111のみに書き込むことができる。すなわち、予めチケット情報が表示された表示領域110の前記特定領域111を自由に選択して「検印」などの所定の情報を追記して表示できる。この自由に選択された特定領域111は、ディスプレイ部100Aから複数の駆動回路側接続部280a乃至280bを一旦取り外してしまうと、全く同じ特定領域を選択してディスプレイ部100Aに取り付けない限り、言い換えれば、厳密にアライメントを取った接続を行わない限り、追記表示された「検印」などの情報を完全に消去したり、元の痕跡を残さないで書き換えたりすることができないので、偽造や改竄などの不正を防止でき、セキュリティの面での利用も可能な情報表示装置を提供できる。
【0107】
このような情報表示装置では、着脱部を後述するクリップ方式に構成すると駆動回路部側とディスプレイ部100A側との着脱が簡単にできるので好ましい。
【0108】
(4)変形例
(4−1)変形例1
図10は、変形例に係る情報表示装置3の駆動回路部600において、駆動回路側接続部680が有する駆動側電極部630(電極パッド630A)を拡大した拡大図である。変形例として示す情報表示装置3では、ディスプレイ側電極部530(電極パッド530A)のピッチ(間隔)Pdpの1/nと、駆動側電極部630のピッチ(間隔)Ppとが異なっている。すなわち、Pdp/n≠Ppである。
【0109】
図10では、駆動側電極部630は、矩形状の電極パッド630Aを有し、電極パッド630Aの幅Wpと、隣接する電極パッド630A間のギャップWgとは、Wp>Wgの関係が成り立つ。更に、図10に示す構成では、ディスプレイ側電極部530のピッチ(間隔)Pdpは、Pdp/n<Pp (n=2)の関係にあるので、Pdp<2Ppである。また、ディスプレイ側電極部530がピッチPdpでm本配置された幅WDp、同じグループに属する駆動側電極部630がm本ずつ配置されたとき、同じグループに属する駆動側電極部の最も離れた位置にある駆動側電極部間の距離WDrとするとき、WDp−WDr<Pp+wgである。
【0110】
この場合、ディスプレイ側電極部530と駆動側電極部630との接続状態は、図5(a)〜(c)の全てが繰り返し含まれるパターンになるため、ディスプレイ部100に所定の情報を表示することができる。
【0111】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0112】
実施形態では、ディスプレイ側接続部140の端部145と、駆動回路側接続部280における載置部284の端部285とは、直線状に形成されていたが、図11に示すように、ディスプレイ側接続部140の端部145aと、載置部284の端部285aとが、挿抜方向(図11に示すX方向)に凹凸する形状に形成されていてもよい。図11に示す山部と谷部とに直線部分を有するジグザグ形状や、山部と谷部とに直線部分を有さない鋭角的なジグザグ形状などが例示される。また、図12に示すように、ディスプレイ側接続部140の端部145bと、載置部284の端部285bとが、曲線的な波型形状に形成されていてもよい。
【0113】
この場合、ディスプレイ側接続部140の端部145a乃至145bが、駆動回路側接続部280の載置部284の端部285a乃至285bに突き当てられることで、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図11乃至12の例では、Y方向)においても、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とを容易に合わせることができる。図11や図12に示された構成においても、既に述べたようなディスプレイ側接続部140の両端をガイドする構造を載置部284に形成しておけば、挿抜方向だけでなく、挿抜方向の直角方向(図11乃至12の例では、Y方向)においても、ディスプレイ側電極部130の位置と、駆動側電極部230の位置とをより容易に合わせることができる。
【0114】
実施形態では、ディスプレイ部100(ディスプレイ部100A,300,500も同様)は、気体中粒子移動方式ディスプレイパネルであると説明した。しかし、ディスプレイ部100は、例えば、電気泳動方式(液体中粒子移動方式)ディスプレイパネル、コレステリック液晶方式ディスプレイパネル、エレクトロクロミック方式ディスプレイパネルとすることができる。また、給電を断った状態で表示された情報を所定期間保持できる表示メモリー性、いわゆるバイステイブル性を有するMEMS方式ディスプレイパネル、銀の電解による析出を用いる方式のディスプレイパネル、溶解反応を利用したディスプレイパネルとすることができる。ディスプレイ部100は、これら表示メモリー性を有するものが好ましいが、表示メモリー性の無い、従来の液晶ディスプレイ(LCD)にも適用できる。
【0115】
実施形態において、情報表示装置1には、ドライバIC210A,210Bが設けられていると説明した。しかし、ドライバICは、必ずしも必要でない。コントローラ240がディスプレイ部100の制御信号を、駆動側電極部230を介してディスプレイ側電極部130に直接出力する構成であってもよい。ドライバIC210A,210Bを使用すると、コントローラ240の負荷軽減、配線220の本数を減らすなどの利点がある。
【0116】
実施形態では、情報表示装置1は、記憶部250を備えると説明した。この他に、例えば、無線通信及び/又は有線通信を可能とする通信デバイスを備え、ディスプレイ部100の表示領域110に表示する情報に関するデータを、ネットワークを介して取得することもできる。
【0117】
実施形態では、駆動側電極部230には、グループAに属する第1駆動側電極部231(電極A1,A2)と、グループBに属する第2駆動側電極部232(電極B1,B2)とが含まれると説明した。しかし、2つのグループに限定されない。3つであってもよい。
【0118】
また、実施形態では、駆動側電極部がピッチ(間隔)Ppで配置されており、ディスプレイ側電極部がピッチ(間隔)Pdpで配置されており、Pdp=2Ppである場合について説明した。しかし、ディスプレイ側電極部のピッチ(間隔)は、駆動側電極部の間隔の整数倍であればよく、2倍に限定されない。すなわち、例えば、Pdp=3Pp、Pdp=4Ppという関係になるような配置になっていてもよい。
【0119】
また、上述した実施形態及び変形例は組み合わせることが可能である。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0120】
1〜3…情報表示装置、A1,A2…電極、B1,B2…電極、2…情報処理装置、11,12…電極、100,100A,300,500…ディスプレイ部、110…表示領域、111…特定領域、120…配線、130…ディスプレイ側電極部、130A…電極パッド、130a…カラム電極部、130b…ロウ電極部、140…ディスプレイ側接続部、141…ディスプレイ側接続基板、145,145a,145b…端部、200…駆動回路部、210A,210B…ICドライバ、220…配線、230,230a,230b…駆動側電極部、230A…電極パッド、231…第1駆動側電極部、232…第2駆動側電極部、240…コントローラ、250…記憶部、260…電源回路、270…検出回路、280,280a,280b…駆動回路側接続部、281…駆動回路側接続基板、284…載置部、285,285a,285b…端部、300…ディスプレイ部、321…ショート配線、330…ディスプレイ側電極部、400…駆動回路部、420…配線、421…配線、430…駆動側電極部、430A…電極パッド、431…第1駆動側電極部、432…第2駆動側電極部、480…駆動回路側接続部、530…ディスプレイ側電極部、530A…電極パッド、600…駆動回路部、630…駆動側電極部、630A…電極パッド、680…駆動回路側接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示するディスプレイ部と、前記ディスプレイ部を駆動する駆動回路部とを備え、前記ディスプレイ部と前記駆動回路部とが着脱可能に構成された情報表示装置であって、
前記ディスプレイ部は、
前記ディスプレイ部の表示領域に配置された画素電極に連結された複数のディスプレイ側電極部と、
前記複数のディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板とを有し、
前記駆動回路部は、
複数の前記ディスプレイ側電極部の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部と、
前記複数の駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板と、
前記ディスプレイ部の前記表示領域に所定の情報を表示させる制御信号を前記ディスプレイ側電極部に出力するコントローラとを有し、
前記複数のディスプレイ側電極部は、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置されており、
前記複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類されており、
前記複数の駆動側電極部は、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されており、
一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置されており、
前記ディスプレイ側接続基板と前記駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項1】
情報を表示するディスプレイ部と、前記ディスプレイ部を駆動する駆動回路部とを備え、前記ディスプレイ部と前記駆動回路部とが着脱可能に構成された情報表示装置であって、
前記ディスプレイ部は、
前記ディスプレイ部の表示領域に配置された画素電極に連結された複数のディスプレイ側電極部と、
前記複数のディスプレイ側電極部を配置したディスプレイ側接続基板とを有し、
前記駆動回路部は、
複数の前記ディスプレイ側電極部の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部と、
前記複数の駆動側電極部を配置した駆動回路側接続基板と、
前記ディスプレイ部の前記表示領域に所定の情報を表示させる制御信号を前記ディスプレイ側電極部に出力するコントローラとを有し、
前記複数のディスプレイ側電極部は、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置されており、
前記複数の駆動側電極部は、n個のグループに分類されており、
前記複数の駆動側電極部は、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されており、
一のグループに属する駆動側電極部は、他のグループに属する駆動側電極部と隣接するように周期的に配置されており、
前記ディスプレイ側接続基板と前記駆動回路側接続基板とのいずれか一方は、磁石を含んで構成され、他方は、磁性体または磁石を含んで構成される
ことを特徴とする情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−88646(P2013−88646A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229623(P2011−229623)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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