説明

情報通信システムおよび車両用携帯機

【課題】車両用携帯機の消費電力を抑制しつつ、簡単な操作で車両情報を確認する。
【解決手段】車両用携帯機112は、車両111との間で無線通信を行い、携帯端末112との間で近接無線通信を行う。車両用携帯機112と携帯端末113との間の近接無線通信が確立したとき、車両用携帯機112において、車両情報取得部233が、車両用通信部221を介して車両111から車両情報を取得し、送信制御部234が、車両111から取得した車両情報を、近接無線通信部225を介して携帯端末113に送信する。また、携帯端末113において、実行制御部252は、所定のアプリケーションプログラムを起動し、近接無線通信部251を介して車両情報を取得し、表示操作部131に表示させる。本発明は、例えば、車両用の情報通信システムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システムおよび車両用携帯機に関し、特に、車両に関する情報をユーザに通知するための情報通信システムおよび車両用携帯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドアの施解錠を行うための車両用携帯機に表示画面を設け、車両用携帯機が、車両の状態等の車両情報を無線通信により車両から取得し、表示画面に表示させることが検討されている。例えば、車両のドアの施錠および解錠を非接触で行う車両キーが、施錠の操作をトリガとして、車両の駆動エネルギーのエネルギー残量情報(ガソリン残量やバッテリ残量)を取得し、車両キーの表示手段にエネルギー残量を表示するようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、車両用携帯機に車両情報を表示させるようにすると、表示画面を駆動するための消費電力が増大する。また、特許文献1に記載の発明ではエネルギー残量しか表示することができないが、さらに多くの車両情報を表示させようとすると、表示画面を大きくする必要があり、さらに消費電力が増大する。
【0004】
一方、車両用携帯機には、一般的にボタン電池などの充電不可能な使い切りの電池が用いられる。そのため、消費電力が増大すると、頻繁に電池交換をしなければならなくなる。
【0005】
また、従来、車両用携帯機(携帯用FOB)が、車載通信装置との間で中距離無線通信を行い、携帯通信端末との間で近距離無線通信を行い、車載無線通信装置から携帯通信端末へのメニューの送信、および、携帯通信端末から車載通信装置へのメニューの選択結果の送信を中継することにより、携帯通信端末から車両の操作を行えるようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、従来、車両に搭載されている親機と、車両用携帯機(子機)とが無線通信することにより車両の鍵制御を行うとともに、携帯通信端末を子機に有線接続し、携帯通信端末に表示される設定変更画面をユーザが操作すると、設定変更の情報が子機を介して親機に送信され、車載機器の設定変更を行えるようにすることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、従来、携帯通信端末が無線ICタグから個体識別コードを読み取ると、携帯通信端末において個体識別コードに関連付けられているアプリケーションソフトウェアを自動的に起動させるようにすることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
さらに、従来、車両のバッテリの充電が行われる際に、バッテリの充電特性データを車載機から携帯機へ送信することが提案されている(例えば、特許文献5参照)。そして、携帯機において、携帯機の充電照会ボタンが押されたときに車載機から充電情報を受信できない場合、先に取得した充電特性データを用いて、バッテリの予測残量や充電完了までの予測時間を算出し、これらの情報を表示部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−126966号公報
【特許文献2】米国特許7821383号明細書
【特許文献3】特開2007−46395号公報
【特許文献4】国際公開2006/090460号
【特許文献5】特開2011−112617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、車両用携帯機の消費電力を抑制しつつ、簡単な操作で車両情報を確認できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面の情報通信システムは、車両と無線通信を行う車両用携帯機、および、表示部を備え、車両用携帯機と近接無線通信を行う携帯端末を含む情報通信システムであって、車両用携帯機は、無線通信により車両から送信されてくる車両に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、近接無線通信による携帯端末への車両情報の送信を制御する送信制御部とを備え、携帯端末は、車両用携帯機から送信されてくる車両情報を取得し、表示部に表示させるための所定のプログラムの実行を制御する実行制御部を備え、車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、車両情報取得部は、車両から車両情報を取得し、送信制御部は、車両から取得した車両情報を携帯端末に送信し、実行制御部はプログラムを起動し、車両用携帯機から送信されてくる車両情報を取得し、表示部に表示させる。
【0012】
本発明の第1の側面の情報処理システムにおいては、車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、車両用携帯機により、車両から車両情報が取得され、車両から取得した車両情報が携帯端末に送信され、携帯端末により、所定のプログラムが起動され、車両用携帯機から送信されてくる車両情報が取得され、表示部に表示される。
【0013】
従って、車両用携帯機と携帯端末を近接させるだけの簡単な操作で車両情報を確認することができる。また、車両用携帯機に車両情報を表示させないので、車両用携帯機の消費電力を抑制することができる。
【0014】
この車両用携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯用音楽プレーヤ、携帯用ゲーム機等により構成される。この車両情報取得部、送信制御部、実行制御部は、例えば、CPUのような演算処理装置により構成される。
【0015】
この車両用携帯機は、無線通信による車両のドアの施解錠に用いられるようにするとともに、車両情報を記憶する記憶部をさらに設けることができ、車両のドアが施錠されたとき、車両情報取得部には、車両から車両情報を取得させ、取得させた車両情報を記憶部に記憶させ、車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両と車両用携帯機との間の無線通信が可能であるとき、車両情報取得部には、車両から車両情報を取得させ、記憶部に記憶されている車両情報を更新させ、送信制御部には、車両から取得した車両情報を携帯端末に送信させ、車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両と車両用携帯機との間の無線通信が不可能であるとき、送信制御部には、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0016】
これにより、車両と車両用携帯機との間の無線通信が可能なときには、最新の車両情報を確認することができ、車両と車両用携帯機との間の無線通信が不可能なときにも、車両情報を確認することができる。
【0017】
この車両情報取得部には、車両情報の取得時刻を示す取得時刻情報を当該車両情報とともに記憶部に記憶させ、送信制御部には、車両情報ととともに取得時刻情報を携帯端末に送信させることができる。
【0018】
これにより、車両情報が取得された(更新された)時刻を確認することができる。
【0019】
車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両と車両用携帯機との間の無線通信が可能であるとき、車両情報取得部には、記憶部に記憶されている車両情報を更新する必要があるか否かを判定させ、更新が必要であると判定した車両情報を車両から取得させ、記憶部に記憶されている車両情報を更新させ、送信制御部には、更新が必要であると判定された車両情報について、車両情報取得部により車両から取得された車両情報を携帯端末に送信させ、更新が必要でないと判定された車両情報について、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0020】
これにより、ユーザが常に最新の車両情報を確認できる一方で、車両と車両用携帯機との間の通信量を削減し、車両用携帯機の消費電力を抑えるとともに、携帯端末に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【0021】
この車両情報取得部には、車両のドアを施錠してから所定の期間、車両からの車両情報の取得を停止させ、車両のドアを施錠してから所定の期間内に、車両用携帯機と携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、送信制御部には、車両と車両用携帯機との間の無線通信が可能であるか否かに関わらず、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0022】
これにより、車両と車両用携帯機との間の通信量を削減し、車両用携帯機の消費電力を抑えるとともに、携帯端末に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【0023】
本発明の第2の側面の車両用携帯機は、車両と無線通信を行う無線通信部と、車両に関する車両情報を表示するための携帯端末と近接無線通信を行う近接無線通信部と、無線通信により車両から送信されてくる車両情報を取得する車両情報取得部と、近接無線通信による携帯端末への車両情報の送信を制御する送信制御部とを備え、車両用携帯機との間の近接無線通信が確立したとき、車両情報取得部は、車両から車両情報を取得し、送信制御部は、車両から取得した車両情報を携帯端末に送信する。
【0024】
本発明の第2の側面の車両用携帯機においては、携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、車両から車両情報が取得され、車両から取得した車両情報が携帯端末に送信される。
【0025】
従って、車両用携帯機と携帯端末を近接させるだけの簡単な操作で車両情報を確認することができる。また、車両用携帯機に車両情報を表示させないので、車両用携帯機の消費電力を抑制することができる。
【0026】
この車両用携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯用音楽プレーヤ、携帯用ゲーム機等により構成される。この無線通信部は、例えば、アンテナ、通信装置(通信チップ等を含む)により構成される。この近接無線通信部は、例えば、アンテナ、通信装置(通信チップ等を含む)により構成される。この車両情報取得部、送信制御部は、例えば、CPUのような演算処理装置により構成される。
【0027】
この車両用携帯機は、無線通信による車両のドアの施解錠に用いられ、車両情報を記憶する記憶部をさらに設け、車両のドアが施錠されたとき、車両情報取得部には、車両から車両情報を取得させ、取得させた車両情報を記憶部に記憶させ、携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両との間の無線通信が可能であるとき、車両情報取得部には、車両から車両情報を取得させ、記憶部に記憶されている車両情報を更新させ、送信制御部には、車両から取得した車両情報を携帯端末に送信させ、携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両との間の無線通信が不可能であるとき、送信制御部には、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0028】
これにより、車両と車両用携帯機との間の無線通信が可能なときには、最新の車両情報を確認することができ、車両と車両用携帯機との間の無線通信が不可能なときにも、車両情報を確認することができる。
【0029】
この車両情報取得部には、車両情報の取得時刻を示す取得時刻情報を当該車両情報とともに記憶部に記憶させ、送信制御部には、車両情報ととともに取得時刻情報を携帯端末に送信させることができる。
【0030】
これにより、車両情報が取得された(更新された)時刻を確認することができる。
【0031】
携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、車両との間の無線通信が可能であるとき、車両情報取得部には、記憶部に記憶されている車両情報を更新する必要があるか否かを判定させ、更新が必要であると判定した車両情報を車両から取得させ、記憶部に記憶されている車両情報を更新させ、送信制御部には、更新が必要であると判定された車両情報について、車両情報取得部により車両から取得された車両情報を携帯端末に送信させ、更新が必要でないと判定された車両情報について、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0032】
これにより、ユーザが常に最新の車両情報を確認できる一方で、車両と車両用携帯機との間の通信量を削減し、車両用携帯機の消費電力を抑えるとともに、携帯端末に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【0033】
この車両情報取得部には、車両のドアを施錠してから所定の期間、車両からの車両情報の取得を停止させ、車両のドアを施錠してから所定の期間内に、携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、送信制御部には、車両との間の無線通信が可能であるか否かに関わらず、記憶部に記憶されている車両情報を携帯端末に送信させることができる。
【0034】
これにより、車両と車両用携帯機との間の通信量を削減し、車両用携帯機の消費電力を抑えるとともに、携帯端末に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の第1の側面または第2の側面によれば、車両用携帯機の消費電力を抑制しつつ、簡単な操作で車両情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用した情報通信システムの一実施の形態を示す概念図である。
【図2】情報通信システムの各部の機能の構成例を示すブロック図である。
【図3】車両による車両情報送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】ドア施錠時に車両情報が送信されてきたときの車両用携帯機の処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】携帯端末が車両から車両情報を取得し、表示する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】車両用携帯機と携帯端末のアンテナの位置の例を示す図である。
【図7】車両用携帯機と携帯端末を近接させた状態を示す図である。
【図8】車両用携帯機により実行される車両情報中継処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】携帯端末により実行される車両情報受信表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】携帯端末の表示操作部における車両情報の第1の表示例を示す図である。
【図11】携帯端末の表示操作部における車両情報の第2の表示例を示す図である。
【図12】携帯端末の表示操作部における車両情報の第3の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0038】
<1.実施の形態>
[1−1.情報通信システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した車両用の情報通信システム101の一実施の形態を示す概念図である。
【0039】
情報通信システム101は、車両111、車両用携帯機112、および、携帯端末113を含むように構成される。
【0040】
車両111と車両用携帯機112とは、例えばLF(Low Frequency)帯またはUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いた無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。車両111と車両用携帯機112との間の通信方式には、例えば、セキュリティに優れた独自の通信方式が採用される。
【0041】
なお、例えば、車両用携帯機112から車両111に所定の指令信号(例えば、車両111のドアの施解錠等のエントリ系の指令信号)を送信する場合には、LF帯の電波を用いた無線通信が行われ、それ以外の場合には、UHF帯の電波を用いた無線通信が行われる。
【0042】
車両用携帯機112と携帯端末113とは、最大通信距離が数10cm程度の近接無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。車両用携帯機112と携帯端末113との間の通信方式には、例えば、NFC(Near Field Communication)などの一般的な通信規格に基づいた通信方式が採用される。
【0043】
車両用携帯機112は、例えば、車両111用のキーフォブとして用いられ、いわゆるスマートエントリシステムまたはキーレスエントリシステムにおけるエントリキーの機能を有している。すなわち、例えば、車両用携帯機112のスイッチ(不図示)が操作されたとき、車両111のドア付近のスイッチ(不図示)が操作されたとき、または、車両111と車両用携帯機112が通信可能な状態になったとき等のトリガにより、車両111と車両用携帯機112との間で無線通信による認証処理が行われ、認証処理が成功した場合、車両111のドアが施錠または解錠される。
【0044】
また、車両用携帯機112は、車両111と携帯端末113との間の通信を中継する機能を有している。すなわち、車両用携帯機112は、車両111から送信されてくる指令や情報等を受信し、携帯端末113に転送したり、携帯端末113から送信されてくる指令や情報等を受信し、車両111に転送したりすることができる。
【0045】
さらに、車両用携帯機112は、表示部121およびボタン122を備えている。そして、ボタン122が操作されると、車両111から取得した車両111に関する車両情報の一部が表示部121に表示される。
【0046】
携帯端末113は、車両用携帯機112と近接無線通信可能で、かつ、車両情報の取得および表示を行うための所定のアプリケーションプログラム(以下、車両情報表示プログラムと称する)を実行可能で、かつ、車両情報を表示するための表示部を備える携帯用の機器であれば、特定の種類に限定されるものではない。例えば、携帯端末113は、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯用音楽プレーヤ、携帯用ゲーム機等により構成される。
【0047】
なお、以下、携帯端末113が、図1に示されるように、タッチパネル等により構成される表示操作部131を備えるスマートフォンにより構成される場合の例について説明する。
【0048】
[1−2.情報通信システム101の各部の機能の構成例]
図2は、車両111、車両用携帯機112、および、携帯端末113の機能の構成例を示すブロック図である。
【0049】
車両111は、車両情報取得部201、車両制御部202、および、無線通信部203を含む機能を有している。
【0050】
車両情報取得部201は、車両111の状態等、車両111に関する各種の情報(車両情報)を車両111の各部から取得し、取得した車両情報を無線通信部203に供給する。
【0051】
なお、車両情報取得部201が取得する車両情報は、特定の種類に限定されるものではなく任意である。例えば、バッテリの充電量、ガソリン等の燃料の残量、ドアロックの状態、各種ランプ、ライト(ヘッドライト、ルームライト、ハザードランプ、フォグランプ等)の点消灯状態、窓の開閉状態、走行距離、車室内の気温、駐車時刻、駐車位置等が想定される。
【0052】
車両制御部202は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のような演算処理装置やECU(Electronic Control Unit)のような制御ユニット等により構成され、車両111の各部の制御を行う。例えば、車両制御部202は、車両111のドアの施錠または解錠の制御を行う。また、車両制御部202は、車両用携帯機112に送信する指令や情報等を無線通信部203に供給する。さらに、車両制御部202は、ドアの施解錠等の車両111の状態等を示す情報を車両情報取得部201に供給する。
【0053】
無線通信部203は、アンテナや通信装置(通信チップ等を含む)等により構成され、車両用携帯機112の車両用通信部221との間で、所定の通信方式による無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。無線通信部203は、車両用携帯機112から受信した指令や情報等を、車両情報取得部201や車両制御部202に供給する。
【0054】
車両用携帯機112は、図1の表示部121の他に、車両用通信部221、操作部222、制御部223、記憶部224、および、近接無線通信部225を含む機能を有している。
【0055】
車両用通信部221は、アンテナや通信装置(通信チップ等を含む)等により構成され、車両111の無線通信部203との間で、所定の通信方式による無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。車両用通信部221は、車両111から受信した車両情報を制御部223の車両情報取得部233に供給する。
【0056】
操作部222は、図1のボタン122等により構成され、ドアの施解錠等の車両111に対する指令や、表示部121への車両情報の表示等の車両用携帯機112に対する指令が入力される。操作部222は、入力された指令を、必要に応じて制御部223の指令部231または表示制御部232に供給する。
【0057】
制御部223は、例えば、CPUのような演算処理装置等により構成され、指令部231、表示制御部232、車両情報取得部233、および、送信制御部234を含む機能を有する。
【0058】
指令部231は、操作部222を用いて入力された車両111に対する指令を、車両用通信部221を介して、車両111に送信する。
【0059】
表示制御部232は、操作部222を用いて車両情報の一部の表示の指令が入力された場合、記憶部224から車両情報を読み出し、表示部121に表示させる。例えば、表示部121には、車両111のバッテリの充電状態が表示される。
【0060】
車両情報取得部233は、車両用通信部221から供給される車両情報を送信制御部234に供給したり、取得時刻を示す取得時刻情報とともに記憶部224に記憶したりする。また、車両情報取得部233は、各車両情報の取得時刻情報、および、各車両の更新期限を示す更新期限情報を記憶部224から読み出し、各車両情報の更新の要否を判定する。さらに、車両情報取得部233は、携帯端末113に送信する車両情報を記憶部224から読み出し、送信制御部234に供給する。
【0061】
送信制御部234は、近接無線通信部225を制御して、近接無線通信による携帯端末113への車両情報の送信を制御する。
【0062】
記憶部224は、車両111から取得した車両情報を取得時刻情報とともに記憶する。また、記憶部224は、更新期限情報を記憶する。
【0063】
近接無線通信部225は、アンテナや通信装置(通信チップ等を含む)等により構成され、携帯端末113の近接無線通信部251との間で、所定の通信方式による近接無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。近接無線通信部225は、携帯端末113から受信した指令や情報等を車両情報取得部233に供給したり、携帯端末113との間で近接無線通信が確立したことを車両情報取得部233に通知したりする。
【0064】
携帯端末113は、図1の表示操作部131の他に、近接無線通信部251、および、実行制御部252を含む機能を有する。
【0065】
近接無線通信部251は、アンテナや通信装置(通信チップ等を含む)等により構成され、携帯端末113の近接無線通信部225との間で、所定の通信方式による近接無線通信を行い、各種の指令や情報等の送受信を行う。近接無線通信部251は、車両用携帯機112から受信した指令や情報等を実行制御部252に供給したり、車両用携帯機112との間で近接無線通信が確立したことを実行制御部252に通知したりする。
【0066】
実行制御部252は、例えば、CPUのような演算処理装置等により構成され、車両情報表示プログラムを実行することにより、車両用携帯機112を介して車両111から取得した車両情報を表示操作部131に表示させる。また、実行制御部252は、車両111または車両用携帯機112に送信する指令や情報等を近接無線通信部251に供給する。
【0067】
表示操作部131は、車両情報を含む各種の情報の表示や、操作画面等の表示を行う。また、表示操作部131は、車両111または携帯端末113に対する指令の入力に用いられ、入力された指令を実行制御部252に供給する。
【0068】
[1−3.情報通信システム101の処理]
次に、図3乃至図12を参照して、情報通信システム101の処理について説明する。
【0069】
(車両111による車両情報送信処理)
まず、図3のフローチャートを参照して、車両111による車両情報送信処理について説明する。
【0070】
ステップS1において、車両情報取得部201は、車両制御部202からの情報に基づいて、ドアの施錠が行われたか否かを判定する。ドアの施錠が行われていないと判定された場合、処理はステップS2に進む。
【0071】
ステップS2において、車両情報取得部201は、車両用携帯機112から車両情報の送信が要求されたか否かを判定する。車両情報の送信が要求されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻る。
【0072】
その後、ステップS1において、ドアの施錠が行われたと判定されるか、ステップS2において、車両情報の送信が要求されたと判定されるまで、ステップS1およびステップS2の処理が繰り返し実行される。
【0073】
一方、ステップS1において、ドアの施錠が行われたと判定された場合、処理はステップS3に進む。
【0074】
ステップS3において、車両情報取得部201は、車両111の各部から所定の車両情報を取得する。ここで、所定の車両情報とは、例えば、携帯端末113において表示可能な全ての車両情報のことである。
【0075】
その後、処理はステップS5に進む。
【0076】
一方、ステップS2において、車両情報取得部201は、車両情報の送信を要求する要求信号を無線通信部203を介して車両用携帯機112から受信した場合、車両用携帯機112から車両情報の送信を要求されたと判定し、処理はステップS4に進む。
【0077】
ステップS4において、車両情報取得部201は、車両用携帯機112から要求された車両情報を車両111の各部から取得する。
【0078】
その後、処理はステップS5に進む。
【0079】
ステップS5において、車両情報取得部201は、取得した車両情報を含む送信信号を、無線通信部203を介して車両用携帯機112に送信する。
【0080】
なお、このとき、ドアの施錠を行ったり、あるいは、要求信号を受信したりするために、すでに車両用携帯機112との間で認証処理が行われているため、必ずしも認証処理を行う必要はない。
【0081】
その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0082】
(ドア施錠時に車両情報が送信されてきたときの車両用携帯機112の処理)
次に、図4のフローチャートを参照して、車両111のドア施錠時に車両情報が送信されてきたときの車両用携帯機112の処理について説明する。
【0083】
ステップS21において、車両情報取得部233は、図4のステップS5において車両111から送信された車両情報を、車両用通信部221を介して受信する。
【0084】
ステップS22において、車両情報取得部233は、記憶部224の車両情報を更新する。具体的には、車両情報取得部233は、車両111から新たに受信した車両情報を、記憶部224に記憶されている古い車両情報と置き換えるとともに、車両情報を取得した時刻を示す取得時刻情報を更新する。なお、記憶部224にまだ記憶されていない車両情報については、取得時刻情報とともにそのまま記憶部224に記憶される。
【0085】
その後、処理は終了する。
【0086】
(携帯端末113が車両111から車両情報を取得し、表示する場合の処理)
次に、図5のフローチャートを参照して、携帯端末113が車両111から車両情報を取得し、表示する場合の処理について説明する。
【0087】
ステップS101において、携帯端末113の近接無線通信部251は、例えば所定の間隔でポーリング信号等を送信することにより、定期的に車両用携帯機112の存在を問い合わせる。
【0088】
ステップS102において、車両用携帯機112は、携帯端末113からの問い合わせ(起動電力)を受信する。例えば、図6に示されるように、車両用携帯機112のオモテ面の点線で囲まれた領域A1付近、および、携帯端末113のウラ面の点線で囲まれた領域A2付近にそれぞれ近接無線通信用のアンテナが設けられている場合、図7に示されるように、領域A1と領域A2が重なるように車両用携帯機112のオモテ面と携帯端末113のウラ面を近接または接触させると、両者のアンテナ間の電磁誘導により、携帯端末113から車両用携帯機112に起動電力が供給される。
【0089】
ステップS103において、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、携帯端末113からの起動電力により起動する。
【0090】
ステップS104において、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、携帯端末113にIDを送信する。具体的には、近接無線通信部225は、携帯端末113から送信されてきたポーリング信号を受信し、それに対して車両用携帯機112のIDを含む認証要求信号を携帯端末113に送信する。
【0091】
ステップS105において、携帯端末113の近接無線通信部251は、受信したIDを用いて車両用携帯機112に問い合わせ信号を送信する。具体的には、近接無線通信部251は、車両用携帯機112から送信されてきた認証要求信号を受信し、受信した認証要求信号から車両用携帯機112のIDを読み出す。そして、近接無線通信部251は、読み出したIDが有効なIDであると判定した場合、そのIDを用いた問い合わせ信号を生成し、車両用携帯機112に送信する。
【0092】
ステップS106において、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、携帯端末113から送信されてきた問い合わせ信号を受信し、それに対する応答信号を携帯端末113に送信する。
【0093】
ステップS107において、携帯端末113の近接無線通信部251は、車両用携帯機112に認証コードを送信する。具体的には、近接無線通信部251は、車両用携帯機112から送信されてきた応答信号を受信し、それに対して携帯端末113の認証コードを含む認証信号を送信する。
【0094】
ステップS108において、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、暗号演算コードを送信する。具体的には、近接無線通信部225は、携帯端末113から送信されてきた認証信号を受信し、認証信号から携帯端末113の認証コードを読み出す。さらに、近接無線通信部225は、読み出した認証信号を所定の方式により暗号化することにより、暗号演算コードを生成する。そして、近接無線通信部225は、生成した暗号演算コードを含む応答信号を携帯端末113に送信する。
【0095】
ステップS109において、車両用携帯機112と携帯端末113は、近接無線通信が確立したと判断する。具体的には、携帯端末113の近接無線通信部251は、車両用携帯機112から送信されてきた応答信号を受信し、応答信号に含まれる暗号演算コードを読み出す。さらに、近接無線通信部251は、携帯端末113の認証コードと受信した暗号演算コードを用いて、車両用携帯機112の認証を行う。そして、近接無線通信部251は、認証に成功した場合に、車両用携帯機112の近接無線通信部225との近接無線通信が確立したと判断する。
【0096】
また、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、暗号演算コードの送信(ステップS108)を行うと、それをもって携帯端末113との近接無線通信が確立したと判断する。
【0097】
そして、車両用携帯機112の近接無線通信部225は、携帯端末113との間で近接無線通信が確立したことを車両情報取得部233に通知する。また、携帯端末113の近接無線通信部251は、車両用携帯機112との間で近接無線通信が確立したことを実行制御部252に通知する。
【0098】
なお、ステップS104乃至S109の間で1つでも処理が成功しなかった場合、両者の間の通信は確立せずに、処理は終了する。
【0099】
その後、ステップS110において、車両用携帯機112は、車両情報中継処理を実行し、ステップS111において、携帯端末113は、車両情報受信表示処理を実行する。
【0100】
ここで、まず、図8のフローチャートを参照して、ステップS110の車両用携帯機112による車両情報中継処理の詳細について説明する。
【0101】
ステップS131において、車両情報取得部233は、車両111のドアが施錠されてから所定の期間が経過しているか否かを判定する。車両111のドアが施錠されてから(より厳密には、図4の処理でドア施錠時に車両111から車両情報を受信してから)所定の期間が経過していると判定された場合、処理はステップS132に進む。
【0102】
なお、この期間の長さは、例えば、車両111のドアが施錠されてから設定された期間が経過するまでの間に、車両情報のいずれもが変化する可能性が低いと想定される時間に設定される。
【0103】
ステップS132において、車両情報取得部233は、図示せぬタイマから現在の時刻情報を取得する。
【0104】
ステップS133において、車両情報取得部233は、各車両情報の取得してからの経過時間を確認する。具体的には、車両情報取得部233は、記憶部224に記憶されている各車両情報の取得時刻情報を記憶部224から読み出す。そして、車両情報取得部233は、各車両情報について、取得した時刻から現在の時刻までの経過時間を算出する。
【0105】
ステップS134において、車両情報取得部233は、各車両情報の経過時間を更新期限と比較する。具体的には、車両情報取得部233は、各車両情報の更新期限を示す更新期限情報を記憶部224から読み出す。そして、車両情報取得部233は、車両情報毎に経過時間と更新期限とを比較する。
【0106】
なお、各車両情報の更新期限は、例えば、情報の重要度や性質等に基づいて車両情報毎に予め設定されている。例えば、車両111の周囲の天候等、時々刻々と変化する車両情報の更新期限は短く設定される。一方、例えば、車両111のバッテリの残量等、変化が緩やかな車両情報の更新期限は長く設定される。また、例えば、車両111のドアの施錠状態等、車両111に搭乗したり、運転したりしないと変化しないと想定される車両情報の更新期限は無期限に設定される。あるいは、例えば、正確性の要求される重要な車両情報の更新期限は短く設定され、あまり正確性の要求されない車両情報の更新期限は長く設定される。
【0107】
ステップS135において、車両情報取得部233は、ステップS134の処理の結果に基づいて、更新が必要な車両情報があるか否かを判定する。更新が必要な車両情報があると判定された場合、処理はステップS136に進む。
【0108】
なお、更新が必要な車両情報には、経過時間が更新期限を過ぎている車両情報に加えて、記憶部224に記憶されていない車両情報も含まれる。
【0109】
ステップS136において、車両用携帯機112は、更新が必要な車両情報の送信を車両111に要求する。具体的には、車両情報取得部233は、更新が必要な車両情報の送信を要求する要求信号の送信を車両用通信部221に指令する。
【0110】
車両用通信部221は、車両111の無線通信部203との間で無線通信の確立を試みる。そして、無線通信部203と車両用通信部221との間で、所定のプロトコルに従って認証処理等が行われ、全ての処理が成功した場合、両者の間の無線通信が確立する。両者の間の無線通信が確立すると、車両用通信部221は、車両111の無線通信部203に要求信号を送信する。
【0111】
ステップS137において、車両情報取得部233は、所定の時間内に車両情報を受信したか否かを判定する。具体的には、車両111は、車両用通信部221から要求信号を受信した場合、上述した図3のステップS5において、要求された車両情報を含む送信信号を車両用携帯機112に送信する。そして、車両情報取得部233は、更新が必要な車両情報の送信を要求してから所定の時間内に、車両111から送信された送信信号を車両用通信部221を介して受信した場合、所定の時間内に車両情報を受信したと判定し、処理はステップS138に進む。
【0112】
ステップS138において、図4のステップS22の処理と同様に、記憶部224の車両情報が更新される。
【0113】
その後、処理はステップS139に進む。
【0114】
一方、ステップS137において、所定の時間内に車両111から車両情報を受信しなかったと判定された場合、ステップS138の処理はスキップされ、処理はステップS139に進む。これは、例えば、車両用携帯機112の通信範囲内に車両111が存在しなかったり、認証エラーが発生する等により車両111と車両用携帯機112との間の通信が確立しなかったり、途中で通信エラーが発生した場合などである。
【0115】
また、ステップS135において、更新が必要な車両情報がないと判定された場合、ステップS136乃至S138の処理はスキップされ、処理はステップS139に進む。
【0116】
さらに、ステップS131において、車両111のドアが施錠されてから所定の期間が経過していないと判定された場合、ステップS132乃至S138の処理はスキップされ、処理はステップS139に進む。
【0117】
ステップS139において、車両用携帯機112は、車両情報と取得時刻を携帯端末113に送信する。具体的には、車両情報取得部233は、記憶部224に記憶されている全ての車両情報を、取得時刻情報とともに記憶部224から読み出し、送信制御部234に供給する。送信制御部234は、車両情報および取得時刻情報を含む送信信号を生成し、生成した送信信号を、近接無線通信部225を介して携帯端末113に送信する。
【0118】
その後、車両情報中継処理は終了する。
【0119】
次に、図9のフローチャートを参照して、図5のステップS111の携帯端末113による車両情報受信表示処理の詳細について説明する。
【0120】
ステップS151において、実行制御部252は、所定のアプリケーションプログラム(すなわち、車両情報表示プログラム)を起動する。これにより、車両用携帯機112と携帯端末113との間の近接無線通信が確立すると、携帯端末113において自動的に車両情報表示プログラムが起動される。
【0121】
ステップS152において、実行制御部252は、上述した図8のステップS139において車両用携帯機112から送信された車両情報を、近接無線通信部251を介して受信する。
【0122】
ステップS153において、表示操作部131は、実行制御部252の制御の下に、受信した車両情報を表示し、処理は終了する。
【0123】
図10乃至図12は、携帯端末113の表示操作部131における車両情報の表示例を示している。これらの例では、バッテリ充電量、ドアロックの開閉状態、ヘッドライト、ルームライト、ハザードランプの点消灯状態、窓の開閉状態、走行距離が表示されている。例えば、図10の例では、バッテリの充電量が80%であり、ドアロックが全部閉まっており、ヘッドライト、ルームライト、ハザードランプが全て消灯されており、後部の左座席の窓が半開であること、および、走行距離の具体的な数値が示されている。
【0124】
なお、更新される可能性がある車両情報については、取得時刻が合わせて示される。例えば、バッテリ充電量の情報について、図10の例では、たった今取得したことが示されており、図11の例では、現時刻から10分前に取得したことが示されており、図12の例では、具体的な日時として1月1日の17時30分に取得したことが示されている。
【0125】
以上のようにして、ユーザは、携帯端末113を車両用携帯機112に近接または接触させるという簡単な操作のみで、携帯端末113を用いて車両111に関する車両情報を確認することができる。また、このとき、車両用携帯機112には、車両情報が表示されないため、車両用携帯機112の消費電力を抑えることができる。
【0126】
さらに、車両111のドアを施錠してから所定の期間は、車両111から車両情報を取得せずに、車両用携帯機112が記憶している車両情報が携帯端末113に送信されるので、車両111と車両用携帯機112との間の通信量を削減し、車両用携帯機112の消費電力を抑えるとともに、携帯端末113に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【0127】
また、更新が必要な車両情報のみ車両111から取得して、それ以外は車両用携帯機112が記憶している車両情報が携帯端末113に送信されるので、ユーザが常に最新の車両情報を確認できる一方で、車両111と車両用携帯機112との間の通信量を削減し、車両用携帯機112の消費電力を抑えるとともに、携帯端末113に車両情報が表示されるまでの応答時間を短縮することができる。
【0128】
さらに、車両用携帯機112は、車両111との間の無線通信が不可能で、所定の時間内に車両111から車両情報を取得できなかった場合には、リトライせずに、自身に記憶している車両情報を携帯端末113に送信するので、車両用携帯機112の消費電力を抑えることができる。
【0129】
<2.変形例>
以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0130】
車両111と車両用携帯機112との間、および、車両用携帯機112と携帯端末113との間の認証方法は、上述した例に限定されるものではなく、任意の方法を採用することができる。
【0131】
また、例えば、車両情報とともに更新期限に関する情報を車両111から車両用携帯機112に送信するようにしてもよい。
【0132】
さらに、車両用携帯機112には、必ずしも表示部121およびボタン122を設ける必要はない。
【0133】
また、車両111の種類は特に限定されるものではなく、任意の種類のものを採用することができる。
【0134】
さらに、車両111、車両用携帯機112、および、携帯端末113が上記の処理を実現するために実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0135】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0136】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0137】
101 情報通信システム
111 車両
112 車両用携帯機
113 携帯端末
131 表示操作部
201 車両情報取得部
202 車両制御部
203 無線通信部
221 車両用通信部
222 操作部
223 制御部
224 記憶部
225 近接無線通信部
231 指令部
232 表示制御部
233 車両情報取得部
234 送信制御部
251 近接無線通信部
252 実行制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と無線通信を行う車両用携帯機、および、表示部を備え、前記車両用携帯機と近接無線通信を行う携帯端末を含む情報通信システムにおいて、
前記車両用携帯機は、
無線通信により前記車両から送信されてくる前記車両に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
近接無線通信による前記携帯端末への前記車両情報の送信を制御する送信制御部と
を備え、
前記携帯端末は、
前記車両用携帯機から送信されてくる前記車両情報を取得し、前記表示部に表示させるための所定のプログラムの実行を制御する実行制御部を
備え、
前記車両用携帯機と前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、
前記送信制御部は、前記車両から取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信し、
前記実行制御部は前記プログラムを起動し、前記車両用携帯機から送信されてくる前記車両情報を取得し、前記表示部に表示させる
ことを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記車両用携帯機は、無線通信による前記車両のドアの施解錠に用いられるとともに、前記車両情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記車両のドアが施錠されたとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、取得した前記車両情報を前記記憶部に記憶させ、
前記車両用携帯機と前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両と前記車両用携帯機との間の無線通信が可能であるとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新し、
前記送信制御部は、前記車両から取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信し、
前記車両用携帯機と前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両と前記車両用携帯機との間の無線通信が不可能であるとき、
前記送信制御部は、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記車両情報の取得時刻を示す取得時刻情報を当該車両情報とともに前記記憶部に記憶させ、
前記送信制御部は、前記車両情報ととともに前記取得時刻情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
【請求項4】
前記車両用携帯機と前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両と前記車両用携帯機との間の無線通信が可能であるとき、
前記車両情報取得部は、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新する必要があるか否かを判定し、更新が必要であると判定した前記車両情報を前記車両から取得し、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新し、
前記送信制御部は、更新が必要であると判定された前記車両情報について、前記車両情報取得部により前記車両から取得された前記車両情報を前記携帯端末に送信し、更新が必要でないと判定された前記車両情報について、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両制御システム。
【請求項5】
前記車両情報取得部は、前記車両のドアを施錠してから所定の期間、前記車両からの前記車両情報の取得を停止し、
前記車両のドアを施錠してから前記所定の期間内に、前記車両用携帯機と前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、
前記送信制御部は、前記車両と前記車両用携帯機との間の無線通信が可能であるか否かに関わらず、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車両制御システム。
【請求項6】
車両と無線通信を行う無線通信部と、
前記車両に関する車両情報を表示するための表示部を備える携帯端末と近接無線通信を行う近接無線通信部と、
無線通信により前記車両から送信されてくる前記車両情報を取得する車両情報取得部と、
近接無線通信による前記携帯端末への前記車両情報の送信を制御する送信制御部と
を備え、
前記車両用携帯機との間の近接無線通信が確立したとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、
前記送信制御部は、前記車両から取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする車両用携帯機。
【請求項7】
無線通信による前記車両のドアの施解錠に用いられ、
前記車両情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記車両のドアが施錠されたとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、取得した前記車両情報を前記記憶部に記憶させ、
前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両との間の無線通信が可能であるとき、
前記車両情報取得部は、前記車両から前記車両情報を取得し、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新し、
前記送信制御部は、前記車両から取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両との間の無線通信が不可能であるとき、
前記送信制御部は、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用携帯機。
【請求項8】
前記車両情報取得部は、前記車両情報の取得時刻を示す取得時刻情報を当該車両情報とともに前記記憶部に記憶させ、
前記送信制御部は、前記車両情報ととともに前記取得時刻情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用携帯機。
【請求項9】
前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したときに、前記車両との間の無線通信が可能であるとき、
前記車両情報取得部は、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新する必要があるか否かを判定し、更新が必要であると判定した前記車両情報を前記車両から取得し、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を更新し、
前記送信制御部は、更新が必要であると判定された前記車両情報について、前記車両情報取得部により前記車両から取得された前記車両情報を前記携帯端末に送信し、更新が必要でないと判定された前記車両情報について、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用携帯機。
【請求項10】
前記車両情報取得部は、前記車両のドアを施錠してから所定の期間、前記車両からの前記車両情報の取得を停止し、
前記車両のドアを施錠してから前記所定の期間内に、前記携帯端末との間の近接無線通信が確立したとき、
前記送信制御部は、前記車両との間の無線通信が可能であるか否かに関わらず、前記記憶部に記憶されている前記車両情報を前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の車両用携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−108327(P2013−108327A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256210(P2011−256210)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】