説明

情報配信システムおよび情報配信方法

【課題】多言語に簡単に対応でき、ユーザにおける利便性を向上し得る、情報配信システムおよび情報配信方法を提供する。
【解決手段】
通信端末21に対して、情報を配信するための、情報配信システム10を用いる。無線タグ41は、当該無線タグを識別するための無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDとを保持する。無線タグ読取装置201は、無線タグ41が読取範囲内に位置した場合に、無線タグIDおよび言語IDを読み取り、読み取った無線タグIDおよび言語IDを、無線タグ読取装置201を識別する識別情報と共に、情報配信サーバ401に送信する。情報配信サーバ401は、送信されてきた、言語ID、および識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定し、特定した情報を、送信されてきた無線タグIDに関連付けられた通信端末21に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システムおよび情報配信方法に関し、特に、多言語に対応した、情報配信システム、および情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、国内における博物館または美術館といった展示施設において展示されている、展示物についての説明を記載した説明プレートは、主に日本語で記述されており、中には英語によって記述された説明を併記している場合もある。今後、中国をはじめとした外国から日本に観光目的で来日する外国人の増加も予想されるので、日本語および英語以外で記述された説明を、説明プレートに追記する必要があると考えられる。
【0003】
しかしながら、説明プレートに記載できる文章量は説明プレートの面積により制限されるので、日本語および英語以外の言語により記述された説明を追記することは、ある程度の困難が伴う。また、文章による説明だけでなく、博物館および美術館に所属する専門職員が口頭により展示物の内容を説明することも考えられるが、複数の外国語を習得することは、専門職員にとって負担となる。
【0004】
上記の問題を解決するため、特許文献1は、展示物に関する情報を携帯型の端末に送信するためのシステムを提案している。特許文献1に開示されたシステムは、展示物の近傍に配置された無線タグと、無線タグの読取装置を備えた携帯型の端末と、情報配信サーバとで構成される。
【0005】
特許文献1に開示されたシステムでは、まず、閲覧者が、展示物の近傍における無線タグの読取範囲内まで近づくと、端末に備えられた読取装置によって、無線タグに記録されている位置情報が読み取られる。これにより、端末は、読み取った位置情報により、自己の位置を特定する。
【0006】
そして、端末は、無線ネットワーク基地局を介して情報配信サーバにより繰り返し配信されるパケットの中から、自己の位置に対応する展示物の説明が記録されたパケットを選択的に受信し、これを表示画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−143028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、特許文献1に開示されたシステムでは、展示物の説明は、端末の表示画面に表示されるため、説明プレートを用いる場合と異なり、文章量の制限を受けることはない。よって、多数の言語に容易に対応できると考えられ、専門職員の負担が大きくなることもない。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、端末に、無線タグの情報を読み取るための読取装置を搭載する必要がある。このため、端末装置が大型化したり、電力消費が大きくなったりしてしまう。加えて、端末が供給できる電力には制限があるため、読取範囲は極めて狭くなる。よって、閲覧者は、情報を得るためには、無線タグを見つけて端末を接近させる必要があり、利便性は低くなってしまう。
【0010】
加えて、特許文献1に開示されたシステムにおいて、一つの端末で多言語に対応するためには、端末に使用言語を選択する機能を実装するか、または、単一言語専用端末を用意する必要がある。前者の場合、閲覧者が、使用言語を選択する機能を実装した端末を使用する際には、端末を操作して使用言語を設定する必要がある。また、後者の場合、言語毎に単一言語専用端末を用意することは、展示施設の管理者にとって負担である。これらの点でも、利便性は低いものになってしまう。
【0011】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、多言語に簡単に対応でき、ユーザにおける利便性を向上し得る、情報配信システムおよび情報配信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における情報配信システムは、通信端末に対して、情報を配信するための、情報配信システムであって、
無線タグと、無線タグ読取装置と、情報配信サーバとを備え、
前記無線タグは、当該無線タグを識別するための無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDとを保持し、
前記無線タグ読取装置は、前記無線タグが読取範囲内に位置した場合に、前記無線タグIDおよび前記言語IDを読み取り、読み取った前記無線タグIDおよび前記言語IDを、当該無線タグ読取装置を識別する識別情報と共に、前記情報配信サーバに送信し、
前記情報配信サーバは、送信されてきた、前記言語ID、および前記識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定し、特定した情報を、送信されてきた前記無線タグIDに関連付けられた通信端末に送信する、ことを特徴とする。
【0013】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面における情報配信方法は、通信端末に対して、情報を配信するための、方法であって、
(a)無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDとを保持する、無線タグが、無線タグ読取装置の読取範囲内に位置した場合に、
前記無線タグ読み取り装置によって、前記無線タグIDおよび前記言語IDを読み取り、読み取った前記無線タグIDおよび前記言語IDを、当該無線タグ読取装置を識別する識別情報と共に、情報配信サーバに送信する、ステップと、
(b)前記情報配信サーバによって、前記(a)のステップで送信されてきた、前記言語ID、および前記識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定し、特定した情報を、前記(a)のステップで送信されてきた前記無線タグIDに予め関連付けられた通信端末に送信する、ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明における情報配信システムおよび情報配信方法によれば、多言語に簡単に対応でき、ユーザにおける利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1における無線タグの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1におけるデータベースの一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1における通信端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1における無線タグ書込装置の構成を示すブロックである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1における無線タグ読取装置の構成を示すブロックである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1における情報配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1における無線タグ書込装置での書込み時の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1における情報配信システムでの情報配信時の動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2におけるデータベースの一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2における情報配信システムでの特定のグループへの配信処理時の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の実施の形態3における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態3における無線タグの構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態3におけるデータベースの一例を示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態3における無線タグ書込装置での書込み時の動作を示すフローチャートである。
【図17】図17は、本発明の実施の形態3における情報配信システムでの情報配信時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、情報配信システムおよび情報配信方法について、図1から図9を参照しながら説明する。
【0017】
[システム構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態1における情報配信システム10の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態1における情報配信システム10は、無線タグ41と、無線タグ読取装置201と、情報配信サーバ401と、を備えている。無線タグ41は、当該無線タグを識別するための無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDと、を保持している。
【0019】
無線タグ読取装置201は、無線タグ41が読取範囲内に位置した場合に、無線通信により無線タグ41が保持する無線タグIDおよび言語IDを読み取る。そして、無線タグ読取装置201は、読み取った無線タグIDおよび言語IDを、無線タグ読取装置201を識別する識別情報と共に、情報配信サーバ401に送信する。本実施の形態1では、識別情報としては、無線タグ読取装置201のIP(Internet Protocol)アドレスである、読取装置IPアドレスが用いられる。
【0020】
情報配信サーバ401は、送信されてきた、言語IDおよび識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定する。そして、情報配信サーバ401は、特定した情報を、送信されてきた無線タグID41に関連付けられた通信端末21に送信する。
【0021】
このように、本実施の形態1では、無線タグ読取装置201によって、無線タグ41が無線タグ読取装置201の読取範囲内に位置した場合に、無線通信により無線タグ41が保持する無線タグIDおよび言語IDを読み取る。これにより、通信端末において読取装置を搭載する必要がないので、通信端末の小型化、および、低消費電力化を行うことができる。また、無線タグ読取装置201の読取範囲内に、無線タグ41が位置することで無線通信が行われるので、通信端末の使用者は、無線タグを見つけて通信端末を近づける必要がない。結果、ユーザにおける利便性が向上することになる。
【0022】
また、通信端末21は、言語IDにより設定される言語で記述された情報を受信することができる。このため、閲覧者は、端末を操作して使用言語を設定する必要がない。また、管理者は、言語毎に単一言語専用通信端末を用意する必要がない。本実施の形態1によれば、通信端末21を用意するだけで、多言語化に対応できる。
【0023】
ここで、本実施の形態1における情報配信システム10の構成について、図2から図7を用いて、さらに具体的に説明する。本実施の形態1における情報配信システム10は、さらに、言語データベース451と、配信情報データベース452と、端末情報データベース453と、通信端末21と、無線タグ書込装置61と、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント501と、を備える。
【0024】
まず、図2は、本発明の実施の形態1における無線タグの構成を示すブロック図である。本実施の形態1における無線タグ41は、無線タグIDを格納する無線タグID格納部42と、言語IDを格納する言語ID格納部43と、未使用領域44とを備える。無線タグID格納部42、言語ID格納部43および未使用領域44は、無線タグに備えられた記憶領域に構築されている。無線タグIDは、無線タグ41をユニークに識別するための情報であるので、重複して割り当てられることはない。未使用領域44は、無線タグ41における記憶領域の未使用部分であり、無線タグ41の記憶容量によりサイズが変化する。
【0025】
本実施の形態1における無線タグ41は、たとえばICタグであり、外部から供給される電波を、図示しないアンテナにおいて受信し、受信した電波を電力に変換する。無線タグ41は、当該電力を利用することにより、無線通信により受信したデータの書き込み、および読み出したデータの無線通信による送信を行う。具体的には、無線タグ41は、無線タグ書込装置61から言語ID書込命令と言語IDとを受信すると、受信した言語IDを言語ID格納部43へ書込む。また、無線タグ41は、無線タグ読取装置201からID送信命令を受信すると、無線タグID格納部42および言語ID格納部43からそれぞれ読み出した、無線タグIDおよび言語IDを、無線タグ読取装置201へ送信する。
【0026】
また、無線タグ41は、後述するように、無線タグ読取装置201と無線通信することによって、当該無線タグ41が無線タグ読取装置201の読取範囲内に位置することが特定される、そして、特定された位置に応じた情報が情報配信サーバ401から通信端末21へ送信されるので、無線タグ41は、通信端末21の近傍に配置されることが望ましい。本実施の形態1では、無線タグ41は、通信端末21に付随する。この際、無線タグ41は、通信端末21と電気信号の授受を行わないので、動作不良になった際には、交換が容易である。また、本実施の形態1における無線タグ41は、たとえば重量が数グラム程度のカード型であるので、通信端末21に付随させても、使用者の負担となるほど通信端末21は大型化しない。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態1におけるデータベースの一例を示す図である。図3(a)は、言語データベース451を示し、図3(b)は、配信情報データベース452を示し、図3(c)は、端末情報データベース453を示す。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施の形態1における言語データベース451は、言語IDと通信端末21の使用者が設定する言語とを関連付けて格納している。また、後述するように、言語データベース451は、無線タグ書込装置61に備えられている。
【0029】
また、図3(b)に示すように、本実施の形態1では、配信情報データベース452は、展示物に関する情報を、無線タグ読取装置201を識別する識別情報(読取装置IPアドレス)、および言語IDに関連付けて格納している。具体的には、展示物に関する情報としては、展示物についての説明が挙げられる。また、展示物に関する情報は、言語IDで設定された言語毎に用意される。
【0030】
また、図3(c)に示すように、本実施の形態1における端末情報データベース453は、通信端末21を特定するための端末IPアドレスと無線タグIDとを関連付けて格納している。後述するように、言語データベース451は、無線タグ書込装置61による書込み処理に用いられ、また、配信情報データベース452および端末情報データベース453は、情報配信サーバ401による検索に用いられる。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態1における通信端末の構成を示すブロック図である。本実施の形態1における通信端末21は、CPU(Central Processing Unit)22と、メモリ23と、制御部25と、表示部26と、音声出力部27と、入力部28と、無線通信インターフェイス29と、を備える。
【0032】
CPU22は、図示しない、たとえばフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体記憶装置などに予め格納された、実行プログラム24(コード)をメモリ23に展開し、これらを所定の順序で実行することにより、各種の演算を実行する。
【0033】
メモリ23は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。メモリ23は、本実施の形態1における情報配信サーバ401により配信される、文字、画像、動画、および音声などのデータを、一旦格納する。メモリ23に格納されたデータは、実行プログラム24により行われる処理に応じて、たとえば表示部26または音声出力部27へ送信される。
【0034】
制御部25は、表示部26、音声出力部27、入力部28および無線通信インターフェイス29と、CPU22およびメモリ23と、の間におけるデータ、命令および応答の転送制御を行う。
【0035】
表示部26は、本実施の形態1における情報配信サーバ401により配信される、文字、画像および動画情報を表示する。具体的には、表示部26は、グラフィックコントローラと表示装置とで構成される。グラフィックコントローラは、メモリ23において格納された文字、画像および動画のデータを、制御部25経由で受信すると、映像信号を生成し、生成した映像信号を表示装置へ送信する。表示装置は、本実施の形態1では、たとえば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの薄型ディスプレイであり、受信した映像信号をディスプレイ上で表示する。
【0036】
音声出力部27は、本実施の形態1における情報配信サーバ401により配信される音声情報を再生する。具体的には、音声出力部27は、メモリ23において格納された音声のデータを、制御部25経由で受信すると、音声信号を生成し、生成した音声信号をスピーカまたはイヤホンにおいて再生する。
【0037】
本実施の形態1における入力部28は、具体的にはキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、などの入力機器であり、通信端末21の使用者による操作を受け付ける。無線通信インターフェイス29は、無線LANアクセスポイント501との間で、無線通信によりIP(Internet Protocol)パケットの送受信を行う。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態1における無線タグ書込装置の構成を示すブロックである。本実施の形態1における無線タグ書込装置61は、CPU62と、メモリ63と、制御部65と、入力部66と、無線タグ書込部67と、言語データベース451とを備える。
【0039】
CPU62は、図示しない、たとえばフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体記憶装置などに予め格納された、実行プログラム64をメモリ63に展開し、これらを所定の順序で実行することにより、各種の演算を実行する。
【0040】
メモリ63は、典型的には、DRAMなどの揮発性の記憶装置である。制御部65は、入力部66および無線タグ書込部67と、CPU62およびメモリ63と、の間におけるデータ、命令および応答の転送制御を行う。
【0041】
本実施の形態1における入力部66は、具体的にはキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、などの入力機器であり、無線タグ書込装置61の使用者による操作を受け付ける。当該操作としては、たとえば、本実施の形態1における情報配信サーバから配信される情報の記述に用いられる言語の選択、および当該言語の無線タグ41への書込みの開始指示などが挙げられる。
【0042】
無線タグ書込部67は、本実施の形態1では、入力部66において選択された言語に関連付けられた言語IDを、無線通信により無線タグ41における言語ID格納部43に書き込む。具体的には、無線タグ書込部67は、入力部66において選択された言語の無線タグ41への書込みの開始指示操作を受け付けると、当該言語を検索キーとして言語データベース451を検索し、当該言語に関連付けられた言語IDを抽出する。そして、無線タグ書込部67は、無線タグ41に電力を供給するために、図示しないアンテナから電波を送信する。この際、無線タグ41は、データの書込みができる程度の電力を無線タグ書込部67から受信できる領域に予め配置されている。そして、無線タグ書込部67は、言語ID書込命令および言語IDを無線通信により送信し、無線タグ41における言語ID格納部43に当該言語IDを書き込む。
【0043】
図6は、本発明の実施の形態1における無線タグ読取装置の構成を示すブロックである。本実施の形態1における無線タグ読取装置201は、CPU202と、メモリ203と、制御部205と、無線タグ読取部206と、通信インターフェイス207と、を備える。本実施の形態1では、無線タグ読取装置201は、展示物毎に配置されている。また、各無線タグ読取装置201の構成は同一であるが、それぞれが、異なる読取装置IPアドレスを保持する。
【0044】
CPU202は、図示しない、たとえばフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体記憶装置などに予め格納された、実行プログラム204をメモリ203に展開し、これらを所定の順序で実行することにより、各種の演算を実行する。実行プログラム204は、無線タグ読取部206に対して、無線タグ41に書込まれた無線タグIDおよび言語IDを読取らせる。次に、実行プログラム204は、取得した無線タグIDおよび言語IDを、自己の無線タグ読取装置201を識別する識別情報である読取装置IPアドレスと共に情報配信サーバ401へ送信する。
【0045】
メモリ203は、典型的には、DRAMなどの揮発性の記憶装置である。制御部205は、無線タグ読取部206および通信インターフェイス207と、CPU202およびメモリ203と、の間におけるデータ、命令および応答の転送制御を行う。
【0046】
無線タグ読取部206は、たとえば図1に示すようにゲート型の部分を備え、当該ゲートの間を通過する無線タグ41と無線通信を行い、無線タグIDおよび言語IDを読取る。具体的には、無線タグ読取部206は、ゲート型の部分に配置された図示しない一対のアンテナを備え、アンテナ間に一定時間間隔で電波を送信する。この際、無線タグ読取部206は、ID送信命令を送信する。
【0047】
無線タグ41は、ゲートの間を通過する際に、無線タグ読取部206から送信された電波を受信し、受信した電波を電力に変換する。この際、無線タグ41は、当該電力を用いることにより、無線タグ読取装置201から受信したID送信命令の応答として、無線タグIDおよび言語IDを無線通信により送信する。無線タグ読取部206は、無線タグ41から送信された無線タグIDおよび言語IDを受信すると、制御部経由でCPU202またはメモリ203へ送信する。そして、CPU202は、受信した無線タグIDおよび言語IDを、通信インターフェイス207を経由して、情報配信サーバ401に送信する。
【0048】
図7は、本発明の実施の形態1における情報配信サーバの構成を示すブロック図である。本実施の形態1における情報配信サーバ401は、具体的には、サーバコンピュータであり、CPU402と、メモリ403と、制御部405と、記憶装置406と、通信インターフェイス407と、を備える。
【0049】
CPU402は、たとえばHDD(Hard Disk drive)などの不揮発性の記憶装置などに予め格納された、実行プログラム404をメモリ403に展開し、これらを所定の順序で実行することにより、各種の演算を実行する。実行プログラム404の実行により、CPU402は、無線タグ読取装置201から無線タグID、言語IDおよび読取装置IPアドレスを受信すると、受信した言語IDおよび読取装置IPアドレスを検索キーとして配信情報データベース452から配信情報を特定する。
【0050】
また、実行プログラム404の実行により、CPU402は、受信した無線タグIDを検索キーとして端末情報データベース453から通信端末21の端末IPアドレスを特定する。そして、実行プログラム404の実行により、CPU402は、端末IPアドレスを送信先に指定して、特定した配信情報を送信する。この特定した配信情報の送信は、当該通信端末21に対するプッシュ型情報配信によって行われても良い。
【0051】
メモリ403は、典型的には、DRAMなどの揮発性の記憶装置である。制御部405は、記憶装置406および通信インターフェイス407と、CPU402およびメモリ403と、の間におけるデータ、命令および応答の転送制御を行う。
【0052】
本実施の形態1における記憶装置406は、具体的には、HDDである。また、本実施の形態1において、配信情報データベース452および端末情報データベース453は、記憶装置406の記憶領域に構築されていても良い。通信インターフェイス407は、ネットワーク301経由で本実施の形態1における無線タグ書込装置61、無線タグ読取装置201および通信端末21との間で、IPパケットの送受信を行う。
【0053】
[システム動作]
次に、本発明の実施の形態1における情報配信システム10の動作について、図8および図9を用いて説明する。また、本実施の形態1では、情報配信システム10を動作させることによって、情報配信方法が実施される。よって、本実施の形態1における情報配信方法の説明は、以下の情報配信システム10の動作説明に代える。
【0054】
最初に、本実施の形態1における無線タグ書込装置61の動作について図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態1における無線タグ書込装置での書込み時の動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、適宜図1〜図3および図5を参酌する。
【0055】
本実施の形態1では、通信端末21の使用者は、まず、無線タグ書込装置61において、無線タグ41に情報を書込むことができる領域に、無線タグ41を配置する。この際、無線タグ41は、通信端末21に付随する状態で配置しても構わない。
【0056】
次に、図8に示すように通信端末21の使用者が、情報配信サーバ401から配信される情報の記述に用いられる言語を、入力部66を介して選択すると、言語の選択を受付ける(ステップA1)。
【0057】
通信端末21の使用者が、入力部66において、当該言語の無線タグ41への書込みの開始指示操作を行うと、無線タグ書込装置61は、ステップA1において選択された言語を検索キーとして、言語データベース451を検索し、当該言語に関連付けられた言語IDを抽出する(ステップA2)。
【0058】
次に、無線タグ書込装置61において無線タグ書込部67が、ステップA2において抽出した言語IDを、無線通信により無線タグ41における言語ID格納部43へ書込む(ステップA3)。以上により、無線タグ書込装置61が、通信端末21の使用者により選択された言語に関連付けられた言語IDを、無線タグ41に書込む動作が終了する。
【0059】
本実施の形態1では、無線タグ書込装置61における具体的な実行例として、通信端末21の使用者が、たとえば、展示施設の入場時において、無線タグ書込装置61における入力部66を操作して、使用する言語として「英語」を選択したとする。次に、無線タグ書込装置61は、使用者により選択された「英語」を検索キーとして、言語データベース451を検索し、「英語」に関連付けられた言語IDである「2」を抽出する。そして、無線タグ書込装置61は、抽出した言語IDである「2」を、無線通信により無線タグ41における言語ID格納部43へ書込む。
【0060】
次に、本実施の形態1における情報配信システム10の動作について図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態1における情報配信システムでの情報配信時の動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、適宜図1〜図4、図6および図7を参酌する。
【0061】
図9に示すように、まず、ユーザが、無線タグ41を通信端末21と共に携行して、無線タグ読取装置201のゲート間を通過すると、無線タグ読取装置201は、無線タグ41から無線通信により無線タグIDおよび言語IDを読み取る(ステップB1)。
【0062】
次に、無線タグ読取装置201は、読取った無線タグIDおよび言語IDを、自己のIPアドレスである読取装置IPアドレスと共に、情報配信サーバ401へ送信する(ステップB2)。
【0063】
次に、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグID、言語IDおよび読取装置IPアドレスを受信する(ステップB3)。次に、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語IDおよび読取装置IPアドレスを検索キーとして、配信情報データベース452を検索する。そして、情報配信サーバ401は、言語IDにより特定される言語で記述され、また、読取装置IPアドレスにより特定される位置に応じた、配信情報を特定する(ステップB4)。
【0064】
また、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグIDを検索キーとして、端末情報データベース453を検索することにより、無線タグ21が付随している通信端末21の端末IPアドレスを特定する(ステップB5)。なお、これらステップB4およびステップB5は、順番が入れ替わっても構わない。すなわち、ステップB5を実行した後、ステップB4を実行しても良い。
【0065】
次に、情報配信サーバ401は、ステップB4において特定した配信情報を、ステップB5において特定した通信端末21の端末IPアドレスを送信先に指定して送信する(ステップB6)。この特定した配信情報の送信は、当該通信端末21に対するプッシュ型情報配信によって行われても良い。
【0066】
次に、ステップB6が実行されると、通信端末21は、受信した配信情報を、表示部26において表示、または音声出力部27において再生する(ステップB7)。この際、通信端末21が情報配信サーバ401からプッシュ型情報配信を受けると、受信した配信情報は、自動的に、通信端末21における表示部26において表示、または音声出力部27において再生される。以上により、情報配信システム10において、言語IDにより特定された言語で記述され、無線タグ読取装置201の位置、すなわち無線タグ41の位置、に応じた情報を配信する動作が終了する。
【0067】
具体的には、無線タグ41を付随する通信端末21が、無線タグ読取装置201のゲートの間を通過すると、無線タグ読取装置201は、無線タグIDと言語IDとを読み取る。この際、無線タグ読取装置201は、無線タグIDである「13215453」と、言語IDである「4」と、を読み取る。
【0068】
無線タグ読取装置201は、読取った無線タグIDおよび言語IDを、読取装置IPアドレス「192.168.1.11」と共に、情報配信サーバ401へ送信する。
【0069】
上記の場合、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語IDである「4」と、読取装置IPアドレスである「192.168.1.11」と、を検索キーとして、配信情報データベース452を検索する。そして、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語IDおよび読取装置IPアドレスに関連付けられた配信情報である、「INFO2−4.MPG」(図3(b)参照)を特定する。
【0070】
また、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグIDである「13215453」を検索キーとして、端末情報データベース453を検索することにより、無線タグ21が付随している通信端末21の端末IPアドレスである「192.168.2.3」を特定する。
【0071】
次に、情報配信サーバ401は、特定した配信情報である「INFO2−4.MPG」を、通信端末21の端末IPアドレスである「192.168.2.3」を送信先に指定して、無線LANアクセスポイント501経由で送信する。
【0072】
[実施の形態1における効果]
以上のように、本実施の形態1では、無線タグ読取装置201が通信端末21に付随する無線タグ41に書込まれた情報を読み取るので、通信端末21を小型かつ低消費電力にすることができる。また、通信端末21の使用者は、無線タグ41を付随する通信端末21を保持しながら、無線タグ読取装置201のゲートの間を通過するだけでよく、一々無線タグを探す必要がないので利便性が高くなる。また、通信端末21の使用者が希望する言語は、無線タグ書込装置61によって予め無線タグ41に書込まれるので、通信端末21において、使用する言語を選択する機能を実装する必要はない。また、本実施の形態1では、単一言語専用端末を用意する必要はない。
【0073】
たとえば、展示施設を訪問した閲覧者が、入館時に貸し出される無線タグに希望の言語を設定する。そして、閲覧者は、当該無線タグを保持したまま展示施設内に配置された無線タグ読取装置のゲートの間を通過するだけで、希望の言語により記述され、閲覧者が位置する周辺の展示物に関する情報を取得することができる。また、使用される通信端末は、小型で、低消費電力にできるので、持ち運びによる閲覧者の疲労を低減でき、また、閲覧途中における電池切れの発生は抑制される。
【0074】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における情報配信システムおよび情報配信方法について、図10〜図12を参照しながら説明する。
【0075】
[システム構成]
最初に、図10および図11を用いて、本実施の形態2における情報配信システム11の構成について説明する。図10は、本発明の実施の形態2における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【0076】
図10に示すように、本実施の形態2における情報配信システム11は、実施の形態1において図1に示した情報配信システム10に加えて、グルーピングデータベース454と、管理者が使用する管理者用通信端末20と、グルーピング用の無線タグ読取装置208とを備えている。以下、実施の形態1との相違点を中心に、本実施の形態2における情報配信システムのシステム構成について説明する。
【0077】
図11は、本発明の実施の形態2におけるデータベースの一例を示す図である。図11に示すように、本実施の形態2では、グルーピングデータベース454は、無線タグIDとグループとを関連付けて格納している。また、グループとしては、たとえば、ツアーなどの団体が挙げられる。
【0078】
次に、本実施の形態2において用いられる管理者用通信端末20について説明する。管理者用通信端末20は、通信端末21と同様の構成を備えている。また、本実施の形態2において、管理者用通信端末20および情報配信サーバ401は、以下のように動作する。
【0079】
まず、管理者は、無線タグ読取装置208を用いて、グルーピングの対象となる無線タグ41の無線タグIDを取得する。そして、管理者は、管理者用通信端末20に、無線タグ毎に、その無線タグIDと、当該無線タグが所属するグループのグループ名とを入力する。管理者用通信端末20は、入力された情報を、情報配信サーバ401に送信する。
【0080】
また、管理者用通信端末20は、管理者から、配信対象となるメッセージ等の情報と配信先となるグループ名とが入力されると、それを受け付ける。そして、管理者用通信端末20は、管理者から、情報の配信が指示されると、受け付けた情報とグループ名とを情報配信サーバ401に送信する。
【0081】
情報配信サーバ401は、管理者用通信端末20から送信されてきた、無線タグIDと、グループ名とを、図11に示すグルーピングデータベース454に登録する。また、情報配信サーバ401は、管理者用通信端末20から、配信対象となる情報とグループ名とが送信されてくると、グループ名を検索キーとして、グルーピングデータベース451を検索し、当該グループに所属する無線タグIDを特定する。その後、情報配信サーバ401は、特定した無線タグIDに関連付けられた通信端末21の端末IPアドレスに、配信対象となるメッセージを配信する。
【0082】
[システム動作]
次に、本実施の形態2における情報配信システム11の動作について図12を用いて説明する。図12は、本発明の実施の形態2における情報配信システムでの特定のグループへの配信処理時の動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、適宜図3、図10および図11を参酌する。
【0083】
図12に示すように、まず、特定のグループを管理する管理者は、特定のグループに所属する無線タグ41に関連付けられた通信端末21に対して、特定の情報であるメッセージの配信が必要であると認識する。この際、管理者は、管理者用通信端末20において、配信対象である特定のグループ名と、配信するメッセージとを入力すると、管理者用通信端末20は、これらの入力を受け付ける(ステップD1)。
【0084】
次に、管理者用通信端末20は、入力されたグループ名とメッセージとを、情報配信サーバ401に送信する(ステップD2)。
【0085】
次に、情報配信サーバ401は、グループ名とメッセージとを受信すると、グループ名を検索キーとして、グルーピングデータベース454を検索し、当該グループに所属する各無線タグ41の無線タグIDを特定する(ステップD3)。
【0086】
次に、情報配信サーバ401は、特定した無線タグIDを検索キーとして、端末情報データベース453を検索することにより、特定した無線タグIDに関連付けられた通信端末21の端末IPアドレスを特定する(ステップD4)。
【0087】
次に、情報配信サーバ401は、特定した端末IPアドレスを送信先に指定して、メッセージを配信する(ステップD5)。以上により、特定のグループに対してメッセージを配信する動作が終了する。
【0088】
具体的には、たとえば、ツアー団体Aを管理するツアーガイドが、ツアー団体Aに所属する閲覧者に対して、集合のメッセージを配信したいと認識する。ツアー団体Aに所属する閲覧者は、無線タグIDが「13215452」または「13215453」である無線タグ41を付随する通信端末21を保持している。また、「13215452」および「13215453」である無線タグIDは、グループ2に関連付けられて、グルーピングデータベース454において予め保持されている(図11参照)。
【0089】
ツアーガイドは、管理者用通信端末20において、「グループ2」をグループに指定し、「出口に集合」というメッセージを入力した後、メッセージ配信命令を入力する。管理者用通信端末20は、「グループ2」というグループと「出口に集合」というメッセージとを、情報配信サーバ401へ送信する。
【0090】
情報配信サーバ401は、管理者用通信端末20から「グループ2」というグループと「出口に集合」というメッセージとを受信する。そして、情報配信サーバ401は、「グループ2」を検索キーとして、グルーピングデータベース454を検索し、「グループ2」に所属する無線タグ41の無線タグIDである、「13215452」および「13215453」を特定する。
【0091】
次に、情報配信サーバ401は、特定した無線タグIDである「13215452」および「13215453」を検索キーとして、端末情報データベース453を検索する。そして、情報配信サーバ401は、特定した無線タグIDに関連付けられた通信端末21の端末IPアドレスである、「192.168.2.2」および「192.168.2.3」を特定する。
【0092】
次に、情報配信サーバ401は、特定した端末IPアドレスである、「192.168.2.2」および「192.168.2.3」を送信先に指定して、「出口に集合」というメッセージの配信、すなわちアナウンスを行う。
【0093】
[実施の形態2における効果]
以上のように、本実施の形態2では、ツアーなどの団体で展示施設を訪問した場合に、団体のメンバーが使用する各無線タグ41をグルーピングして、団体の各メンバーが使用する通信端末21に情報を一斉に送信することができる。このため、団体の管理者は、団体のメンバーに一斉に、共通のメッセージをアナウンスすることができる。
【0094】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における情報配信システムおよび情報配信方法について、図13〜図17を参照しながら説明する。
【0095】
[システム構成]
図13は、本発明の実施の形態3における情報配信システムの構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実施の形態3における情報配信システム12は、実施の形態1において図1に示した情報配信システム10と異なり、性別データベース455と、年齢層データベース456とを更に備えている。また、性別データベース455と、年齢層データベース456とは、無線タグ書込装置68に備えられている。
【0096】
なお、これ以外の点については、本実施の形態3における情報配信システム12は、図1に示した実施の形態1における情報配信システム10と同様に構成されている。以下、実施の形態1との相違点を中心に、本実施の形態3における情報配信システムのシステム構成について説明する。
【0097】
図14は、本発明の実施の形態3における無線タグ51の構成を示すブロック図である。図14に示すように、本実施の形態3における無線タグ51は、図2において示した無線タグ41の構成に加え、性別IDを格納する性別ID格納部52と、年齢層IDを格納する年齢層ID格納部53と、を備えている。性別ID格納部52および年齢層ID格納部53は、無線タグに備えられた記憶領域に構築されている。
【0098】
図15は、本発明の実施の形態3におけるデータベースの一例を示す図である。図15(a)は、性別データベース455を示し、図15(b)は、年齢層データベース456を示し、図15(c)は、配信情報データベース457を示す。図15(a)に示すように、本実施の形態3における性別データベース455は、性別IDと性別とを関連付けて格納している。また、図15(b)に示すように、年齢層データベース456は、年齢層IDと年齢層とを関連付けて格納している。
【0099】
本実施の形態3においては、配信情報データベース457は、デパートなどの商業施設におけるサービス情報を配信情報として格納している。また、図15(c)に示すように、本実施の形態3における配信情報データベース457は、サービス情報を、読取装置IPアドレス、言語ID、性別IDおよび年齢層IDに関連付けて格納している。
【0100】
具体的には、サービス情報としては、商品についての説明が挙げられる。また、当該説明は、言語IDで設定された言語毎、性別毎、年齢層毎に用意される。
【0101】
後述するように、性別データベース455および年齢層データベース456は、無線タグ書込装置68による書込みに用いられ、また、配信情報データベース457は、情報配信サーバ401による検索に用いられる。また、本実施の形態3における言語データベースおよび端末情報データベースは、図3に示した実施の形態1における言語データベース451および端末情報データベース453と同じ構成を持つので、説明を省略する。
【0102】
[システム動作]
次に、本発明の実施の形態3における情報配信システム12の動作について図16および図17を用いて説明する。また、本実施の形態3では、情報配信システム12を動作させることによって、情報配信方法が実施される。よって、本実施の形態3における情報配信方法の説明は、以下の情報配信システム12の動作説明に代える。
【0103】
最初に、本実施の形態3における情報配信システム12の無線タグ書込装置68の動作について図16を用いて説明する。図16は、本発明の実施の形態3における無線タグ書込装置での書込み時の動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、適宜図3、図5、および図13から図15を参酌する。
【0104】
本実施の形態3では、通信端末21の使用者は、まず、無線タグ書込装置68において無線タグ51に情報を書込むことができる領域に、無線タグ51を配置する。この際、無線タグ51は、通信端末21に付随する状態で配置しても構わない。
【0105】
次に、図16に示すように通信端末21の使用者が、情報配信サーバ401から配信される情報の記述に用いられる言語、自己の性別、および自己の年齢に適合した年齢層を、入力部66を介して選択すると、言語、性別、及び年齢の選択を受付ける(ステップE1)。
【0106】
通信端末21の使用者が、入力部66において、言語、性別および年齢層の無線タグ51への書込みの開始指示操作を行うと、無線タグ書込装置68は、ステップE1において選択された言語を検索キーとして、言語データベース451を検索し、当該言語に関連付けられた言語IDを抽出する(ステップE2)。
【0107】
また、無線タグ書込装置68は、ステップE1において選択された性別を検索キーとして、性別データベース455を検索し、当該性別に関連付けられた性別IDを抽出する(ステップE3)。
【0108】
また、無線タグ書込装置68は、ステップE1において選択された年齢層を検索キーとして、年齢層データベース456を検索し、当該年齢層に関連付けられた年齢層IDを抽出する(ステップE4)。なお、これらステップE2〜ステップE4は、順番が入れ替わっても構わない。
【0109】
次に、無線タグ書込装置68は、ステップE2〜ステップE4において抽出した言語ID、性別IDおよび年齢層IDを、無線通信により無線タグ51に書込む(ステップE5)。この際、無線タグ51において、言語IDは言語ID格納部43に、性別IDは性別ID格納部52に、また、年齢層IDは年齢層ID格納部53に、格納される。以上により、無線タグ書込装置68が、通信端末21の使用者により選択された言語ID、性別IDおよび年齢層IDを、無線タグ51に書込む動作が終了する。
【0110】
本実施の形態3では、無線タグ書込装置68は、具体的には、デパートのインフォメーションカウンターに設置される。そして、例えば、使用者が、無線タグ書込装置68を操作して、無線タグに、使用する言語として「英語」、性別として「男性」、また、年齢層として「10代」、を入力したとする。
【0111】
次に、無線タグ書込装置68は、使用者により選択された「英語」を検索キーとして、言語データベース451を検索し、「英語」に関連付けられた言語IDである「2」を抽出する。
【0112】
また、無線タグ書込装置68は、使用者により選択された「男性」を検索キーとして、性別データベース455を検索し、「男性」に関連付けられた性別IDである「1」を抽出する。
【0113】
また、無線タグ書込装置68は、使用者により選択された「10代」を検索キーとして、年齢層データベース456を検索し、「10代」に関連付けられた年齢層IDである「2」を抽出する。
【0114】
次に、無線タグ書込装置68は、抽出した言語IDである「2」、性別IDである「1」および年齢層IDである「2」を、無線通信により言語ID格納部43、性別ID格納部52および年齢層ID格納部53へそれぞれ書込む。
【0115】
次に、本実施の形態3における情報配信システム12の動作について図17を用いて説明する。図17は、本発明の実施の形態3における情報配信システムでの情報配信時の動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、適宜図1、図3〜図4、図6〜図7、および図14〜図15を参酌する。
【0116】
図17に示すように、まず、ユーザが、無線タグ51を通信端末21と共に携行して、無線タグ読取装置201のゲート間を通過すると、無線タグ読取装置201は、無線タグ51から無線通信により無線タグID、言語ID、性別IDおよび年齢層IDを読み取る(ステップF1)。
【0117】
次に、無線タグ読取装置201は、読取った無線タグID、言語ID、性別ID、および年齢層IDを、自己のIPアドレスである読取装置IPアドレスと共に、情報配信サーバ401へ送信する(ステップF2)。
【0118】
次に、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグID、言語ID、性別ID、年齢層ID、および読取装置IPアドレスを受信する(ステップF3)。次に、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語ID、性別ID、年齢層IDおよび読取装置IPアドレスを検索キーとして、配信情報データベース457を検索する。そして、情報配信サーバ401は、言語IDにより特定される言語で記述され、性別IDにより特定される性別に合致し、年齢層IDにより特定される年齢層に応じ、また、読取装置IPアドレスにより特定される位置に応じた、配信情報を特定する(ステップF4)。
【0119】
また、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグIDを検索キーとして、端末情報データベース453を検索することにより、無線タグ51が付随している通信端末21の端末IPアドレスを特定する(ステップF5)。なお、これらステップF4およびステップF5は、順番が入れ替わっても構わない。すなわち、ステップF5を実行した後、ステップF4を実行しても良い。
【0120】
次に、情報配信サーバ401は、ステップF4において特定した配信情報を、ステップF5において特定した通信端末21の端末IPアドレスを送信先に指定して送信する(ステップF6)。この特定した配信情報の送信は、当該通信端末21に対するプッシュ型情報配信によって行われても良い。
【0121】
次に、ステップF6が実行されると、通信端末21は、受信した配信情報を、表示部26において表示、または音声出力部27において再生する(ステップF7)。この際、通信端末21が情報配信サーバ401からプッシュ型情報配信を受けると、受信した配信情報は、自動的に、通信端末21における表示部26において表示、または音声出力部27において再生される。以上により、情報配信システム12において、言語IDにより特定された言語で記述され、性別IDにより特定される性別に合致し、年齢層IDにより特定される年齢層に応じ、また、無線タグ読取装置201の位置、すなわち無線タグ51の位置に応じた情報を配信する動作が終了する。
【0122】
具体的には、無線タグ51を付随する通信端末21が、たとえば、デパートのエスカレータまたはエレベータの乗降口に設置された無線タグ読取装置201のゲートの間を通過する。この際、無線タグ読取装置201は、当該無線タグ40の無線タグIDである「13215453」、言語IDである「4」、性別IDである「2」、および年齢層IDである「1」、を読み取る。
【0123】
無線タグ読取装置201は、読取った無線タグID、言語ID、性別IDおよび年齢層IDを、読取装置IPアドレス「192.168.1.10」と共に、情報配信サーバ401へ送信する。
【0124】
上記の場合、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語IDである「4」、性別IDである「2」、年齢層IDである「1」、および読取装置IPアドレスである「192.168.1.10」、を検索キーとして、配信情報データベース457を検索する。そして、情報配信サーバ401は、送信されてきた言語ID、性別ID、年齢層IDおよび読取装置IPアドレスに関連付けられた配信情報である、「info214−10」(図15(c)参照)を特定する。
【0125】
また、情報配信サーバ401は、送信されてきた無線タグIDである「13215453」を検索キーとして、端末情報データベース453を検索することにより、無線タグ51が付随している通信端末21の端末IPアドレスである「192.168.2.3」を特定する。
【0126】
次に、情報配信サーバ401は、特定した配信情報である「info214−10」を、通信端末21の端末IPアドレスである「192.168.2.3」を送信先に指定して、無線LANアクセスポイント501経由で送信する。
【0127】
[実施の形態3における効果]
以上のように、本実施の形態3では、無線タグ51が付随する通信端末21の使用者は、無線タグ読取装置201のゲートの間を通過すると、予め設定した言語、性別および年齢層と、使用者の現在位置と、に応じたサービス情報の配信を受けることができる。
【0128】
たとえば、デパートを訪問した買い物客が、インフォメーションカウンターにおいて、入店時に貸し出される無線タグに、希望の言語、自己の性別および自己の年齢層を設定する。そして、買い物客が、当該無線タグを保持したままデパート内のエスカレータまたはエレベータの乗降口に配置された、無線タグ読取装置のゲートの間を通過する。この際、買い物客は、ゲートの間を通過するだけで、希望の言語により記述され、性別に合致し、年齢層に応じ、また、買い物客が位置する周辺の商品に関するサービス情報の配信を受けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上のように、本発明によれば、通信端末を保持する使用者が使用する言語および使用者の現在位置に応じた情報を提供することができる。よって、本発明は、エレクトロニクス、または自動車などの国際ショーにおける情報配信に対して有用となる。
【符号の説明】
【0130】
10 情報配信システム
11 情報配信システム
12 情報配信システム
20 管理者用通信端末
21 通信端末
61 無線タグ書込装置
68 無線タグ書込装置
201 無線タグ読取装置
208 無線タグ読取装置
301 ネットワーク
401 情報配信サーバ
451 言語データベース
452 配信情報データベース
453 端末情報データベース
454 グルーピングデータベース
455 性別データベース
456 年齢層データベース
457 配信情報データベース
501 無線LANアクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末に対して、情報を配信するための、情報配信システムであって、
無線タグと、無線タグ読取装置と、情報配信サーバとを備え、
前記無線タグは、当該無線タグを識別するための無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDとを保持し、
前記無線タグ読取装置は、前記無線タグが読取範囲内に位置した場合に、前記無線タグIDおよび前記言語IDを読み取り、読み取った前記無線タグIDおよび前記言語IDを、当該無線タグ読取装置を識別する識別情報と共に、前記情報配信サーバに送信し、
前記情報配信サーバは、送信されてきた、前記言語ID、および前記識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定し、特定した情報を、送信されてきた前記無線タグIDに関連付けられた通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
無線タグID毎に、当該無線タグIDに関連付けられた通信端末のIPアドレスを保持する、端末情報データベースを、更に備え、
前記情報配信サーバが、送信されてきた前記無線タグIDを検索キーとして、前記端末情報データベースを検索し、検索によって特定されたIPアドレスに、特定した情報を送信する、
請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記識別情報毎に、複数の言語で作成された、配信対象となる情報を保持する、配信情報データベースを、更に備え、
前記情報配信サーバが、送信されてきた前記言語IDおよび前記識別情報を検索キーとして、前記配信情報データベースを検索することによって、配信すべき情報を特定する、
請求項1または2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記配信情報データベースが、ユーザの年齢層および性別に基づいて、配信対象となる情報を分類しており、
前記無線タグが、更に、ユーザの年齢層を特定する年齢層IDと、前記ユーザの性別を特定する性別IDとを保持し、
無線タグ読取装置が、前記無線タグが読取範囲内に位置した場合に、更に、前記年齢層IDおよび前記性別IDを読み取り、読み取った前記年齢層IDおよび前記性別IDを、前記情報配信サーバに送信し、
前記情報配信サーバが、送信されてきた、前記言語IDおよび前記識別情報に、前記年齢層IDおよび前記性別IDを加えた検索キーを用いて、前記配信情報データを検索することによって、配信すべき情報を特定する、
請求項3に記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記情報配信サーバが、
選択された2以上の無線タグに対して、グループを設定し、特定のグループに対する、特定の情報の配信が求められた場合に、
前記特定のグループに所属する各無線タグの無線タグIDを特定し、特定した前記無線タグIDに関連付けられた通信端末に、配信が求められた前記特定の情報を配信する、
請求項1〜4のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項6】
通信端末に対して、情報を配信するための、方法であって、
(a)無線タグIDと、設定された言語を特定するための言語IDとを保持する、無線タグが、無線タグ読取装置の読取範囲内に位置した場合に、
前記無線タグ読み取り装置によって、前記無線タグIDおよび前記言語IDを読み取り、読み取った前記無線タグIDおよび前記言語IDを、当該無線タグ読取装置を識別する識別情報と共に、情報配信サーバに送信する、ステップと、
(b)前記情報配信サーバによって、前記(a)のステップで送信されてきた、前記言語ID、および前記識別情報に基づいて、配信すべき情報を特定し、特定した情報を、前記(a)のステップで送信されてきた前記無線タグIDに予め関連付けられた通信端末に送信する、ステップと、
を有することを特徴とする情報配信方法。
【請求項7】
前記(b)のステップで、無線タグID毎に、当該無線タグIDに関連付けられた通信端末のIPアドレスを保持する、端末情報データベースを、前記情報配信サーバによって送信されてきた前記無線タグIDを検索キーとして検索し、検索によって特定されたIPアドレスに、特定した情報を送信する、
請求項6に記載の情報配信方法。
【請求項8】
前記(b)のステップで、前記識別情報毎に、複数の言語で作成された、配信対象となる情報を保持する、配信情報データベースを、前記情報配信サーバによって送信されてきた前記言語IDおよび前記識別情報を検索キーとして検索することによって、配信すべき情報を特定する、
請求項6または7に記載の情報配信方法。
【請求項9】
前記配信情報データベースが、ユーザの年齢層および性別に基づいて、配信対象となる情報を分類しており、
前記(a)のステップで、前記無線タグが読取範囲内に位置した場合に、前記無線タグ読み取り装置によって、更に、ユーザの年齢層を特定する年齢層IDおよびユーザの性別を特定する性別IDを読み取り、読み取った前記年齢層IDおよび前記性別IDを、前記情報配信サーバに送信し、
前記(b)のステップで、前記情報配信サーバによって、前記言語IDおよび前記識別情報に、前記(a)のステップで送信されてきた、前記年齢層IDおよび前記性別IDを加えた検索キーを用いて、前記配信情報データを検索することによって、配信すべき情報を特定する、
請求項8に記載の情報配信方法。
【請求項10】
前記(b)のステップで、前記情報配信サーバによって、選択された2以上の無線タグに対して、グループが設定され、特定のグループに対する、特定の情報の配信が求められた場合に、前記特定のグループに所属する各無線タグの無線タグIDを特定し、特定した前記無線タグIDに関連付けられた通信端末に、配信が求められた前記特定の情報を配信する、
請求項6〜9のいずれかに記載の情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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