抗HER2抗体および組成物
本発明は、HER2(ErbB2)に対して向けられた新規な治療用の抗体、同様に少なくとも2つの前記組換え型抗HER2抗体を含む組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物、並びに癌の処置用の抗体および抗体組成物の使用に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および前記第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じる、組成物。
【請求項2】
請求項1の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が細胞表面上のHER2と結合することにより細胞表面上において架橋結合した抗体受容体格子を生成し、かつ、前記第3の抗体がHER2と結合することによりHER2およびHER3の間のヘテロ二量体化を遮断する、組成物。
【請求項3】
請求項1または2の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)、または
抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78);
(b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)、
抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)、または
抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92);かつ、
(c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)、
抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)、または
抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)。
【請求項4】
請求項1または2の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3;かつ、
(c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2およびCDR3。
【請求項5】
請求項1または2の抗体組成物であって、前記第3の抗HER2抗体が、抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む組成物。
【請求項6】
請求項5の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
前記第2の抗HER2抗体が、抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むか; または
(b)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
前記第2の抗HER2抗体が、抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む、組成物。
【請求項7】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じるものであり、ここで、前記第1、第2および第3の抗HER2抗体の各々が、請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、該請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項8】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
(a)抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)を含む抗体;
(b)抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)を含む抗体;
(c)抗体4384の重鎖CDR3配列(配列番号62)および軽鎖CDR3配列(配列番号86)を含む抗体;
(d)抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)を含む抗体;
(e)抗体4386の重鎖CDR3配列(配列番号68)および軽鎖CDR3配列(配列番号90)を含む抗体;
(f)抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92)を含む抗体;
(g)抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)を含む抗体;
(h)抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78)を含む抗体;
(i)抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)を含む抗体;並びに
(j)抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)を含む抗体。
【請求項9】
請求項8の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(a)〜(j)から選択される組成物。
【請求項10】
請求項9の抗体組成物であって、抗体(a)〜(j)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
【請求項11】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項12】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
(A)抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(B)抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(C)抗体4384の重鎖可変領域(配列番号22)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号24)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(D)抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(E)抗体4386の重鎖可変領域(配列番号30)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号32)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(F)抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(G)抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(H)抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(I)抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;並びに
(J)抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体。
【請求項13】
請求項12の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(A)〜(J)から選択される組成物。
【請求項14】
請求項13の抗体組成物であって、抗体(A)〜(J)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
【請求項15】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項16】
2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの抗HER2抗体を含む、請求項8〜15のいずれかの組換え型抗体組成物。
【請求項17】
2つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
【請求項18】
第1および第2の組換え型抗体を含む請求項17の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3配列を含むものである、組成物:
・4380および4382、
・4380および4384、
・4380および4518、
・4382および4385、
・4382および4518、
・4383および4518、
・4384および4385、
・4384および4517、または
・4385および4518。
【請求項19】
請求項18の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むものである、組成物:
・4380および4382、
・4380および4384、
・4380および4518、
・4382および4385、
・4382および4518、
・4383および4518、
・4384および4385、
・4384および4517、または
・4385および4518。
【請求項20】
3つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
【請求項21】
第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項20の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382および4385、
・4380、4382および4517、
・4380、4382および4518、
・4380、4383および4384、
・4380、4384および4517、
・4380、4384および4518、
・4380、4384および4519、
・4382、4385および4518、または
・4382、4387および4517。
【請求項22】
第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項21の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382および4385、
・4380、4382および4517、
・4380、4382および4518、
・4380、4383および4384、
・4380、4384および4517、
・4380、4384および4518、
・4380、4384および4519、
・4382、4385および4518、または
・4382、4387および4517。
【請求項23】
4つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組み換え型抗体組成物。
【請求項24】
第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項23の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382、4385および4518、または
・4380、4384、4385および4518。
【請求項25】
第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項24の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382、4385および4518、または
・4380、4384、4385および4518。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかの組換え型抗体組成物であって、前記組成物中の少なくとも1つの抗HER2抗体が、抗ガン剤と複合化した組換え型抗HER2抗体を含む免疫複合体である、組成物。
【請求項27】
請求項26の組換え型抗体組成物であって、前記抗ガン剤が、細胞毒性薬、サイトカイン、毒素および放射性核種から成る群より選択される、組成物。
【請求項28】
請求項1〜25のいずれかにおいて定義される2つの抗体の結合特異性を有する二重特異性結合分子。
【請求項29】
前記2つの抗体の重鎖および軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3の配列を含む、請求項28の二重特異性結合分子。
【請求項30】
請求項1〜25のいずれかにおいて定義される抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項31】
請求項30の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項32】
請求項30の核酸分子または請求項31の発現ベクターを含む宿主細胞であって、前記核酸分子によってコードされる抗HER2抗体を発現することができる細胞。
【請求項33】
抗HER2抗体を産生する方法であって、請求項32の宿主細胞を提供すること、前記抗体の発現に適している条件の下で前記宿主細胞を培養すること、および結果として生じる抗体を分離することを含む方法。
【請求項34】
少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗HER2抗体組成物を産生する方法であって、少なくとも第1および第2の宿主細胞を提供すること、前記第1および前記第2の抗体の発現に適している条件の下で前記第1および前記第2の宿主細胞を培養すること、並びに結果として生じる少なくとも第1および第2の抗体を分離することを含み、前記第1および前記第2の宿主細胞の各々が請求項1〜25のいずれかにおいて定義される組換え型抗HER2抗体を発現することができるものである、方法。
【請求項35】
前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が別々のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
【請求項36】
前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が単一のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
【請求項37】
ヒトまたは他の哺乳動物における癌を処置する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項38】
HER2の過剰発現を特徴とする疾患を持つ患者を治療する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記患者に投与することを含む方法。
【請求項39】
HER2を過剰発現する細胞内のHER2および他のErbBファミリーの受容体間のヘテロ二量体形成を減少させる方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項40】
HER2を過剰発現する細胞の表面上のHER2のインターナリゼーションを誘発する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項41】
抗HER2抗体を用いる処置に抵抗性があるか、または部分的に抵抗性を有する腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、請求項1〜7のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項42】
前記腫瘍細胞が以前にトラスツズマブで処理されていたものである、請求項41の方法。
【請求項1】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および前記第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じる、組成物。
【請求項2】
請求項1の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が細胞表面上のHER2と結合することにより細胞表面上において架橋結合した抗体受容体格子を生成し、かつ、前記第3の抗体がHER2と結合することによりHER2およびHER3の間のヘテロ二量体化を遮断する、組成物。
【請求項3】
請求項1または2の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)、または
抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78);
(b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)、
抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)、または
抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92);かつ、
(c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)、
抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)、または
抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)。
【請求項4】
請求項1または2の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3;かつ、
(c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2およびCDR3。
【請求項5】
請求項1または2の抗体組成物であって、前記第3の抗HER2抗体が、抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む組成物。
【請求項6】
請求項5の抗体組成物であって、
(a)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
前記第2の抗HER2抗体が、抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むか; または
(b)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
前記第2の抗HER2抗体が、抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む、組成物。
【請求項7】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じるものであり、ここで、前記第1、第2および第3の抗HER2抗体の各々が、請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、該請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項8】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
(a)抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)を含む抗体;
(b)抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)を含む抗体;
(c)抗体4384の重鎖CDR3配列(配列番号62)および軽鎖CDR3配列(配列番号86)を含む抗体;
(d)抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)を含む抗体;
(e)抗体4386の重鎖CDR3配列(配列番号68)および軽鎖CDR3配列(配列番号90)を含む抗体;
(f)抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92)を含む抗体;
(g)抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)を含む抗体;
(h)抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78)を含む抗体;
(i)抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)を含む抗体;並びに
(j)抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)を含む抗体。
【請求項9】
請求項8の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(a)〜(j)から選択される組成物。
【請求項10】
請求項9の抗体組成物であって、抗体(a)〜(j)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
【請求項11】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項12】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
(A)抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(B)抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(C)抗体4384の重鎖可変領域(配列番号22)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号24)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(D)抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(E)抗体4386の重鎖可変領域(配列番号30)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号32)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(F)抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(G)抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(H)抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
(I)抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;並びに
(J)抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体。
【請求項13】
請求項12の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(A)〜(J)から選択される組成物。
【請求項14】
請求項13の抗体組成物であって、抗体(A)〜(J)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
【請求項15】
HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
【請求項16】
2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの抗HER2抗体を含む、請求項8〜15のいずれかの組換え型抗体組成物。
【請求項17】
2つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
【請求項18】
第1および第2の組換え型抗体を含む請求項17の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3配列を含むものである、組成物:
・4380および4382、
・4380および4384、
・4380および4518、
・4382および4385、
・4382および4518、
・4383および4518、
・4384および4385、
・4384および4517、または
・4385および4518。
【請求項19】
請求項18の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むものである、組成物:
・4380および4382、
・4380および4384、
・4380および4518、
・4382および4385、
・4382および4518、
・4383および4518、
・4384および4385、
・4384および4517、または
・4385および4518。
【請求項20】
3つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
【請求項21】
第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項20の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382および4385、
・4380、4382および4517、
・4380、4382および4518、
・4380、4383および4384、
・4380、4384および4517、
・4380、4384および4518、
・4380、4384および4519、
・4382、4385および4518、または
・4382、4387および4517。
【請求項22】
第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項21の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382および4385、
・4380、4382および4517、
・4380、4382および4518、
・4380、4383および4384、
・4380、4384および4517、
・4380、4384および4518、
・4380、4384および4519、
・4382、4385および4518、または
・4382、4387および4517。
【請求項23】
4つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組み換え型抗体組成物。
【請求項24】
第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項23の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382、4385および4518、または
・4380、4384、4385および4518。
【請求項25】
第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項24の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
・4380、4382、4385および4518、または
・4380、4384、4385および4518。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかの組換え型抗体組成物であって、前記組成物中の少なくとも1つの抗HER2抗体が、抗ガン剤と複合化した組換え型抗HER2抗体を含む免疫複合体である、組成物。
【請求項27】
請求項26の組換え型抗体組成物であって、前記抗ガン剤が、細胞毒性薬、サイトカイン、毒素および放射性核種から成る群より選択される、組成物。
【請求項28】
請求項1〜25のいずれかにおいて定義される2つの抗体の結合特異性を有する二重特異性結合分子。
【請求項29】
前記2つの抗体の重鎖および軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3の配列を含む、請求項28の二重特異性結合分子。
【請求項30】
請求項1〜25のいずれかにおいて定義される抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項31】
請求項30の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項32】
請求項30の核酸分子または請求項31の発現ベクターを含む宿主細胞であって、前記核酸分子によってコードされる抗HER2抗体を発現することができる細胞。
【請求項33】
抗HER2抗体を産生する方法であって、請求項32の宿主細胞を提供すること、前記抗体の発現に適している条件の下で前記宿主細胞を培養すること、および結果として生じる抗体を分離することを含む方法。
【請求項34】
少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗HER2抗体組成物を産生する方法であって、少なくとも第1および第2の宿主細胞を提供すること、前記第1および前記第2の抗体の発現に適している条件の下で前記第1および前記第2の宿主細胞を培養すること、並びに結果として生じる少なくとも第1および第2の抗体を分離することを含み、前記第1および前記第2の宿主細胞の各々が請求項1〜25のいずれかにおいて定義される組換え型抗HER2抗体を発現することができるものである、方法。
【請求項35】
前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が別々のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
【請求項36】
前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が単一のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
【請求項37】
ヒトまたは他の哺乳動物における癌を処置する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項38】
HER2の過剰発現を特徴とする疾患を持つ患者を治療する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記患者に投与することを含む方法。
【請求項39】
HER2を過剰発現する細胞内のHER2および他のErbBファミリーの受容体間のヘテロ二量体形成を減少させる方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項40】
HER2を過剰発現する細胞の表面上のHER2のインターナリゼーションを誘発する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項41】
抗HER2抗体を用いる処置に抵抗性があるか、または部分的に抵抗性を有する腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、請求項1〜7のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
【請求項42】
前記腫瘍細胞が以前にトラスツズマブで処理されていたものである、請求項41の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2013−520984(P2013−520984A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555532(P2012−555532)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050903
【国際公開番号】WO2011/107957
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(505257682)シムフォゲン・アクティーゼルスカブ (24)
【氏名又は名称原語表記】SYMPHOGEN A/S
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050903
【国際公開番号】WO2011/107957
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(505257682)シムフォゲン・アクティーゼルスカブ (24)
【氏名又は名称原語表記】SYMPHOGEN A/S
【Fターム(参考)】
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