押釦スイッチ用部材
【課題】
キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作をしやすくする。
【解決手段】
複数のキートップ2と、その裏側に配置される発光部材4とを備える押釦スイッチ用部材1であって、複数のキートップ2同士の境界に、キートップ2の天面から裏側に向う方向に窪む凹部7と、その凹部7の底部に形成され、当該凹部7の開口幅より狭い幅を有すると共にキートップ2同士の境界を貫通するスリット8とを備える押釦スイッチ用部材1とする。
キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作をしやすくする。
【解決手段】
複数のキートップ2と、その裏側に配置される発光部材4とを備える押釦スイッチ用部材1であって、複数のキートップ2同士の境界に、キートップ2の天面から裏側に向う方向に窪む凹部7と、その凹部7の底部に形成され、当該凹部7の開口幅より狭い幅を有すると共にキートップ2同士の境界を貫通するスリット8とを備える押釦スイッチ用部材1とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦スイッチ用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話等の電子機器の小型化の要求により、当該電子機器に用いられる押釦スイッチ用部材における各キートップの間隔が徐々に狭くなってきている。各キートップの間隔が狭くなると、特に暗所において各キートップ同士を識別することが難しくなる。このような問題を解決するために、各キートップを完全に分離するスリットを設けると共に、そのスリットの下方にエレクトロ・ルミネッセンス・シート(以後、「ELシート」という。)を配置し、スリットを照光する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。各キートップを隔てるスリットをそのスリットの下方から照光することによって、各キートップを暗所でも視認しやすくすることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−286232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、各キートップの間隔が狭くなると、各キートップを個別に配置することが難しくなるという問題もある。各キートップのわずかな位置ズレが、複数のキートップを同時に操作してしまうといった誤動作の原因になるからである。この問題を解決する方法として、各キートップを作製するための一枚の成形板(ここでは、「キートップ成形体」と称する。)を用意し、そのキートップ成形体にスリットを形成して、スリットで隔てられた各キートップの配置形態を維持したまま、キーシートに貼り付ける方法が考えられる。
【0005】
しかし、キートップ成形体が厚い場合には、スリットを形成することが難しくなる。また、スリットの形成の際に、スリットの周囲がキートップの表側にバリとして突出する可能性がある。スリットの周囲がキートップの表側に突出すると、キートップの操作時に、操作者がキー操作しにくくなる。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作しやすい押釦スイッチ用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のキートップと、その裏側に配置される発光部材とを備える押釦スイッチ用部材であって、複数のキートップ同士の境界に、キートップの天面から裏側に向う方向に窪む凹部と、その凹部の底部に形成され、当該凹部の開口幅より狭い幅を有すると共にキートップ同士の境界を貫通するスリットとを備える押釦スイッチ用部材としている。このため、発光部材からの光がスリットから表に出射されるので、スリットにて隔てられた各キートップの視認性が高くなる。また、凹部の底部は薄肉であるため、スリットの形成が容易となる。さらに、キートップ成形体の裏側からスリットを形成した場合、スリットの縁がキートップの表面側に突出しても、その突出した部分は凹部の内部に収まる。したがって、キートップの操作がしやすい。
【0008】
また、別の本発明は、先の発明におけるスリットを、レーザ加工によって形成した押釦スイッチ用部材としている。このため、隣接する複数のキートップの間隔を確実に確保できる。工具を用いてキートップ間をカットすると、所定幅のスリットを確保することができず、単に、隣接するキートップを押し分けることになる。このため、隣接するキートップが押し分ける前の状態へと回復し、隣接するキートップが接触する可能性がある。これに対して、レーザを用いてスリットを形成した場合には、所定幅の領域が除去されているので、隣接するキートップが接触する危険性はほとんどない。したがって、キーの誤動作を起こす危険性は低い。また、レーザを用いてスリットを形成する場合、レーザの集光径を調節することにより、0.1mm程度のスリットも容易に形成可能である。したがって、隣接するキートップの間隔をより狭くすることができる。
【0009】
また、別の本発明は、先の各発明における発光部材を、ELシートとした押釦スイッチ用部材としている。このため、電力が小さくても、スリットの輝度を高くすることができる。さらに、ELシートを採用することによって、押釦スイッチ用部材の薄型化にも寄与できる。
【0010】
本発明において、キートップ成形体は、操作対象となるキートップを連接した状態の成形体であり、樹脂製のフィルムを成形した後、その裏側にコア材を形成した形態を有するものであっても、一種類の樹脂で構成されるものであっても良い。
【0011】
樹脂製のフィルムの裏側にコア材を形成したキートップ成形体を作製する場合、予め成形された樹脂製のフィルムの凹部にコア材として光硬化性樹脂を注入して硬化させる方法、樹脂製のフィルムを射出成形用の金型に配置して、そこにコア材となる溶融樹脂を射出する方法等を採用できる。光硬化性樹脂をコア材として用いる場合には、EB硬化性樹脂、UV硬化性樹脂または嫌気性併用UV硬化性樹脂を用いるのが好ましい。EB硬化性樹脂は、電子線の照射により硬化する樹脂である。UV硬化性樹脂は、紫外線の照射により硬化する樹脂である。嫌気性併用UV硬化性樹脂は、UV硬化性に嫌気性を付与した樹脂であり、空気を遮断して紫外線を照射することにより硬化する樹脂である。これらの内、特に、UV硬化性樹脂が好ましい。コストが低く、かつ硬化速度が大きく、生産性に有利だからである。
【0012】
これらの光硬化性樹脂は、主剤と光開始剤とを含んでいる。主剤には、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、シリコーン系、ポリブタジエン系のアクリレート系樹脂が挙げられる。また、光開始剤には、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤等が挙げられる。さらに、嫌気性併用UV硬化性樹脂の場合には、有機過酸化物、芳香族スルフィミドおよび各種のアミン類を加える。ここで、有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル類が挙げられる。
【0013】
また、溶融樹脂を射出してコア材を形成する場合には、コア材として、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。特に、コア材として用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート/ABS共重合樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0014】
コア材の表面を覆う樹脂製のフィルムとしては、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。特に、樹脂製のフィルムとして用いられる熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂が好ましい。
【0015】
発光部材としてELシートを採用する場合、無機ELシートが好適である。代表的な無機ELシートの構造は、発光体層(例えば、ZnS+Cuを含む層)と誘電体層(例えば、BaTiO3の層)を隣接させ、これらの両側を電極層で挟み、さらに、発光面側(発光体層側の電極の外側)に透明樹脂フィルムを貼付した構造である。このように、キートップの下方にELシートを配置することにより、隣接するキートップ間のスリットの部分を、高輝度に照光することができる。このため、暗所における使用を可能にするのみならず、機能性およびデザイン性に富む押釦スイッチ用部材を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作しやすい押釦スイッチ用部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明に係る押釦スイッチ用部材の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0018】
(第一の実施の形態)
図1は、押釦スイッチ用部材1の平面図である。図2は、図1のA−A線にて押釦スイッチ用部材1を切断した際の断面図である。
【0019】
押釦スイッチ用部材1は、図1に示すように、それぞれ個別に操作可能とするように、所定の間隔をあけて配置される複数のキートップ2を有する。隣接するキートップ2の間には、裏側に向かって窪む凹部7が形成されており、その凹部7の底部には、裏側に貫通するスリット8が形成されている。また、図2に示すように、各キートップ2は、接着層3を挟んでELシート4上に貼付されている。各キートップ2の下方にあたるELシート4の裏面には、キートップ2の押し込み時にスイッチをオン・オフ可能なように、下方に突出する押圧子6が配置されている。押圧子6は、接着層5を挟んでELシート4に貼付されている。ELシート4を発光させると、キートップ2よりも高い輝度にてスリット8を照光できる。このため、各キートップ2の視認性を高めることができる。
【0020】
図3は、押釦スイッチ用部材1の製造工程の主な流れを示すフローチャートである。図4から図13は、押釦スイッチ用部材1の製造工程を説明するための図である。
【0021】
まず、図4(A)に示すように、樹脂製のフィルム10に加飾層11を形成する(ステップS101)。ELシート4の発光により、各キートップ2の照光を実現できるように、フィルム10は、透光性に優れた樹脂から成る。この実施の形態では、フィルム10として、厚さが約0.2mmのアクリル樹脂製のフィルムを採用している。加飾層11は、スクリーン印刷、オフセット印刷あるいはグラビア印刷等を用いて形成される。また、より複雑で意匠性豊かな印刷を簡易に施すために、電子式印刷機である溶融型熱転写プリンター、昇華型熱転写プリンター、インクジェット方式プリンター、トナー転写型プリンターなどを用いても良い。
【0022】
次に、加飾層11を形成したフィルム10(以後、「加飾フィルム12」という。)を、キートップ2の配置にあわせて凹凸の有る形状に成形する(ステップS102)。成形方法として、図4(B)に示すように、金型15の内側に、加熱により柔らかくなった加飾フィルム12をセットし、金型15と反対側から所定圧の空気をあてて、金型15の内側の形状を加飾フィルム12に転写する圧空成形を採用している。ステップS102の成形後、金型15から、加飾フィルム12の成形体(以後、「フィルム成形体」13という。)を分離する。
【0023】
なお、圧空成形以外に、金型15側から真空に引き、金型15の内側の形状を加飾フィルム12に転写する真空成形、当該真空成形に上述の圧空成形を組み合わせた圧空真空成形を採用することもできる。また、凹型の金型と凸型の金型とで加飾フィルム12を挟み、所定の形状に成形する金型成形を採用しても良い。
【0024】
図5に示すフィルム成形体13の点線で囲まれた部分を拡大して、以後の製造工程を説明する。
【0025】
図6に示すように、フィルム成形体13の裏側に形成された凹部20に、紫外線硬化型のアクリル系樹脂を配置して、紫外線照射手段30を用いて紫外線を当該紫外線硬化型のアクリル系樹脂に照射し、トップコア21を形成する(ステップS103)。ステップS103にて形成されるトップコア21は、硬めのアクリル系樹脂から成る。使用者の操作時に、指の圧力を受けても変形しないようにするためである。
【0026】
次に、図7に示すように、キートップ2の裏板になるキートップ裏板40に加飾層41を形成する(ステップS104)。加飾層41は、キートップ裏板40のいずれの面に形成しても良い。この実施の形態では、キートップ裏板40として、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いている。PET製のキートップ裏板40には、好適には、コロナ放電、イオンエッチング等の表面処理(易接着処理)が施される。ただし、PETに代えて、アクリル樹脂を採用しても良い。ステップS104における加飾層41の形成方法は、ステップS101の工程と同様の方法である。ただし、ステップS104を省略し、加飾層41の無いキートップ裏板40を用いても良い。
【0027】
次に、紫外線硬化型のアクリル樹脂系接着剤を、アンダーコア31の形成用に、トップコア21の上に注入し、その上から、加飾層41を形成したキートップ裏板40(以後、「加飾板42」という。)を貼付する(ステップS105)。
【0028】
次に、図8に示すように、紫外線照射手段30を用いて、当該紫外線硬化型のアクリル系樹脂接着剤に紫外線を照射し、キートップ成形体50を作製する(ステップS106)。
【0029】
次に、図9に示すように、キートップ成形体50におけるキートップ2の天面(すなわち、加飾フィルム12の凸面)に、樹脂フィルムの一形態であるポリエチレンフィルム61を貼る(ステップS107)。ポリエチレンフィルム61の片面には、粘着材62が付いている。粘着材62としては、アクリル系、エチレンビニルアセテート(EVA)系あるいはゴム系の粘着剤を好適に使用できる。また、粘着材62として、薄い両面テープを用いても良い。なお、粘着材62をポリエチレンフィルム61に付けずに、静電気によってポリエチレンフィルム61を貼り付けるようにしても良い。この実施の形態で用いられるポリエチレンフィルム61は、厚さ60〜70ミクロンのフィルムであるが、70ミクロンを超える厚さを有するポリエチレンフィルム61を用いても良い。キートップ成形体50の表側の面には、キートップ2の天面となる凸部と、キートップ2同士の隙間となる凹部7とが形成されている。この実施の形態では、凹部7の開口幅(W1)は、1.3mm〜1.5mm、凹部7の底部の幅(W2)は、0.3mm〜0.4mmである。ポリエチレンフィルム61は、キートップ成形体50の凸部にのみ密着し、凹部7の空間を残すように貼り付けられる。ポリエチレンフィルム61を貼ったキートップ成形体50は、そのポリエチレンフィルム61側を冶具60に接触させるように冶具60上に置かれる。冶具60は、キートップ成形体50の凹部7をレーザカットする際に、冶具60の下方にカット痕をつけないようにするためのものである。
【0030】
次に、図10に示すように、加飾板42における凹部7の反対側の位置52にレーザ70を集光させて、レーザ70を走査しながら、キートップ成形体50をキートップ2ごとにカットする(ステップS108)。この実施の形態において、凹部7の位置におけるキートップ成形体50の厚さ(X)は、0.4mmである。また、キートップ2の天面の位置におけるキートップ成形体50の厚さ(Y)は、0.8mmである。レーザカットの際に、ポリエチレンフィルム61を貼付した位置とレーザ70を集光した位置とは、0.4mm〜0.8mmの差がある。このため、ポリエチレンフィルム61上では、レーザ70の焦点が合わない。したがって、ポリエチレンフィルム61を完全にカットすることなく、キートップ成形体50の凹部7の位置のみをカットできる。この実施の形態では、凹部7の深さを0.4mmとしているが、凹部7の深さが大きい程、ポリエチレンフィルム61をカットすることなく、キートップ成形体50のみをカットできる。凹部7の深さは、0.4mmより小さくしてもポリエチレンフィルム61を残したままキートップ成形体50をカットできるが、下記範囲の集光径にてレーザカットする場合には、凹部7の深さを0.2mm以上の深さとするのがより好ましい。また、スリット8の周囲の樹脂がキートップ2の表面側に突出してもキートップ2の天面より突出させないためにも、凹部7の深さは、0.2mm以上とするのが好ましい。
【0031】
この実施の形態では、レーザ70の集光径は、φ0.05mm〜φ0.2mmである。また、レーザの走査速度は、約200mm/secである。レーザ70は、通常、同じ経路を1〜3回走査される。凹部7の部分の厚さ(X)は、キートップ2の天面位置の厚さ(Y)よりも薄いので、レーザカットしやすい。この実施の形態では、レーザ加工機として、最大出力30Wの炭酸ガスレーザ発生装置が用いられている。また、レーザの出力は、最大出力の70%としている。ただし、レーザ加工機は、炭酸レーザ以外のレーザ(例えば、YAGレーザ)を使用できる加工機であっても良い。
【0032】
上記条件にてキートップ成形体50をレーザカットした結果、図11に示すように、キートップ成形体50の凹部7の位置に、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8が形成される。すなわち、複数のキートップ2が、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8を隔てて、ポリエチレンフィルム61上に分散配置される。レーザ70の熱により、凹部7の開口側にバリが発生する可能性があるが、凹部7の深さを超えて突出しない。したがって、キー操作がしづらくなるといった不都合は生じない。ポリエチレンフィルム61の一部は、レーザ70の出力が大きい場合には、カットされる場合がある。しかし、ポリエチレンフィルム61におけるレーザ70の走査経路の大部分がカットされずに残っている。
【0033】
ステップS108の工程において、レーザ70の熱によって溶融・気化あるいは昇華した樹脂の微粉は、外部の吸引機を用いて吸引される。ただし、当該微粉の中には、ポリエチレンフィルム61の粘着材62にて捕獲されるものもある。ポリエチレンフィルム61がキートップ2の天面に密着されているので、切り代における樹脂の微粉はキートップ2の天面に付着せず、キートップ2の天面を清浄に保つことができる。また、キートップ2の天面は冶具60と直接的に接触していないので、キートップ2の天面に傷が付くのを効果的に防止できる。さらに、レーザ70によるカット後に、ポリエチレンフィルム61に各キートップ2がそのまま貼付されているので、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2をELシート4上に貼付する際のキャリア(運搬媒体)として利用できる。したがって、キートップ2を個別にELシート4上に貼付する必要がない。
【0034】
次に、図12に示すように、接着層3を介して、キートップ2をELシート4に貼り付ける(ステップS109)。ステップS109の工程において、複数のキートップ2は、その天面をポリエチレンフィルム61に貼り付けた状態で、ELシート4に貼り付けられる。
【0035】
次に、ELシート4の裏側における各キートップ2の押込位置に、各キートップ2より小さい面積を持つ押圧子6が接着層5を介して貼り付けられる(ステップS110)。最後に、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2の天面から除去する(ステップS111)。なお、ステップS110とステップS111とを逆順にしても良い。こうして、図13に示す押釦スイッチ用部材1が完成する。
【0036】
(第二の実施の形態)
次に、第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材について、説明する。なお、先に示す図1および図2に示す形態は、第二の実施の形態においても共通する。
【0037】
図14は、第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造工程の主な流れを示すフローチャートである。図15から図19は、押釦スイッチ用部材1の製造工程を説明するための図である。
【0038】
まず、樹脂製のフィルム10に加飾層11を形成する(ステップS201)。この実施の形態においても、フィルム10として、厚さが約0.2mmのアクリル樹脂製のフィルムを採用している。次に、加飾層11を形成したフィルム10(これを、「加飾フィルム12」という。)を、加熱した状態にて、射出成形用の金型内に配置する(ステップS202)。加飾フィルム12は、加飾層11が金型の内側になるように配置される。次に、射出成形用の金型内に溶融樹脂を射出し、コア75を形成する(ステップS203)。この結果。図15に示すような各キートップ2を連接した状態のキートップ成形体80ができる。この実施の形態では、コア75の形成用の樹脂には、ポリカーボネート/ABS共重合樹脂あるいはABS樹脂が用いられる。ただし、コア75の形成用の樹脂に、アクリル樹脂を採用しても良い。
【0039】
次に、図16に示すように、キートップ成形体80におけるキートップ2の天面(すなわち、加飾フィルム12の凸面)に、樹脂フィルムの一形態であるポリエチレンフィルム61を貼る(ステップS204)。この実施の形態で用いられるポリエチレンフィルム61は、第一の実施の形態で用いたものと同じフィルムであり、粘着材62を片面に付けた厚さ60〜70ミクロンのフィルムである。キートップ成形体80の表側の面には、キートップ2の天面となる凸部と、キートップ2同士の隙間となる凹部7とが形成されている。この実施の形態においても、前述の実施の形態と同様、凹部7の開口幅(W1)は、1.3mm〜1.5mm、凹部7の底部の幅(W2)は、0.3mm〜0.4mmである。ポリエチレンフィルム61は、キートップ成形体80の凸部にのみ密着し、凹部7の空間を残すように貼り付けられる。ポリエチレンフィルム61を貼ったキートップ成形体80は、そのポリエチレンフィルム61側を冶具60に接触させるように冶具60上に置かれる。
【0040】
次に、キートップ成形体80における凹部7の反対側の位置82にレーザ70を集光させて、レーザ70を走査しながら、キートップ成形体80をキートップ2ごとにカットする(ステップS205)。この実施の形態では、凹部7の位置におけるキートップ成形体80の厚さは、0.4mmである。また、キートップ2の天面の位置におけるキートップ成形体80の厚さは、0.8mmである。レーザカットの際に、ポリエチレンフィルム61を貼付した位置とレーザ70を集光した位置とは、0.4mm〜0.8mmの差がある。このため、ポリエチレンフィルム61上では、レーザ70の焦点が合わない。したがって、ポリエチレンフィルム61を完全にカットすることなく、キートップ成形体80の凹部7の位置のみをカットできる。この実施の形態において、凹部7の深さを0.4mmより小さくしても、ポリエチレンフィルム61を残したままキートップ成形体80をカットできるが、下記範囲の集光径にてレーザカットする場合には、凹部7の深さを0.2mm以上の深さとするのがより好ましい。また、スリット8の周囲の樹脂がキートップ2の表面側に突出してもキートップ2の天面より突出させないためにも、凹部7の深さは、0.2mm以上とするのが好ましい。
【0041】
この実施の形態では、レーザ70の集光径は、φ0.05mm〜φ0.2mmである。また、レーザの走査速度は、約200mm/secである。レーザ70は、同じ経路を1〜3回走査される。凹部7の部分の厚さ(X)は、キートップ2の天面位置の厚さ(Y)よりも薄いので、レーザカットしやすい。この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様、レーザ加工機として、最大出力30Wの炭酸ガスレーザ発生装置を用いている。レーザの走査速度は、200mm/secである。また、レーザの出力は、最大出力の70%としている。
【0042】
上記条件にてキートップ成形体80をレーザカットした結果、図17に示すように、キートップ成形体80の凹部7の底部に、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8が形成される。すなわち、複数のキートップ2が、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8を隔てて、ポリエチレンフィルム61上の所定位置に分散配置される。レーザ70の熱により、凹部7の開口側にバリが発生する可能性があるが、凹部7の深さを超えて突出しない。したがって、キー操作がしづらくなるといった不都合は生じない。
【0043】
ステップS205の工程において、レーザ70の熱によって溶融・気化あるいは昇華した樹脂の微粉は、外部の吸引機を用いて吸引される。ただし、当該微粉の中には、ポリエチレンフィルム61の粘着材62にて捕獲されるものもある。ポリエチレンフィルム61がキートップ2の天面に密着されているので、切り代における樹脂の微粉はキートップ2の天面に付着せず、キートップ2の天面を清浄に保つことができる。また、キートップ2の天面は冶具60と直接的に接触していないので、キートップ2の天面に傷が付くのを効果的に防止できる。さらに、レーザ70を用いたカット後に、ポリエチレンフィルム61に各キートップ2がそのまま貼付されているので、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2をELシート4上に貼付する際のキャリア(運搬媒体)として利用できる。したがって、キートップ2を個別にELシート4上に貼付する必要がない。
【0044】
次に、図18に示すように、接着層3を介して、キートップ2をELシート4に貼り付ける(ステップS206)。ステップS206の工程において、複数のキートップ2は、その天面をポリエチレンフィルム61に貼り付けた状態で、ELシート4に貼り付けられる。
【0045】
次に、ELシート4の裏側における各キートップ2の押込位置に、各キートップ2より小さい面積を持つ押圧子6が接着層5を介して貼り付けられる(ステップS207)。最後に、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2の天面から除去する(ステップS208)。なお、ステップS207とステップS208とを逆順にしても良い。こうして、図19に示すような押釦スイッチ用部材1が完成する。
【0046】
以上、本発明の押釦スイッチ用部材の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の各実施の形態に何ら限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0047】
例えば、第一の実施の形態において、フィルム10への加飾工程(ステップS101)を、フィルム10の成形工程(ステップS102)の後に行うようにしても良い。また、トップコア21の形成工程(ステップS103)は、紫外線硬化型の樹脂以外の樹脂を用いた工程であっても良い。また、トップコア21の形成工程(ステップS103)を行わずに、紫外線硬化型の樹脂からなる接着剤をフィルム成形体13の凹部20に注入する工程のみを行っても良い。また、押圧子6の貼付工程(ステップS110)は、必ずしも行わなくて良い。かかる場合には、ステップS109を、予め押圧子6の形状を付与したキーシートを貼付する工程とするのが好ましい。
【0048】
第二の実施の形態において、加飾フィルム12を金型内に配置する工程(ステップS202)を行わず、加飾フィルム12の成形工程(ステップS102と同様の工程)を行い、その結果得られたフィルム成形体13の凹部20に、コア形状の成形体を接着し、その後、ステップS204以降の工程を行うようにしても良い。また、押圧子6の貼付工程(ステップS207)は、必ずしも行わなくて良い。かかる場合には、ステップS206を、予め押圧子6の形状を付与したキーシートを貼付する工程とするのが好ましい。さらに、その場合、押圧子6の下方に配置される皿バネに、ELシート4を固定しても良い。すなわち、ELシート4は、キートップ2の直下に配置しなくても良い。
【0049】
ELシート4以外の発光部材として、例えば、LEDを採用しても良い。また、スリット8を形成するために、レーザ以外の手段(例えば、カッターに代表される切断工具)を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、押釦スイッチ用部材を搭載した携帯電子端末を製造あるいは使用する産業において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の平面図である。
【図2】図1のA−A線にて、図1に示す押釦スイッチ用部材を切断した際の断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法の主な工程の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図5】図4に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図6】図5に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図7】図6に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図8】図7に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図9】図8に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図10】図9に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図11】図10に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図12】図11に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図13】図12に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法の主な工程の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図16】図15に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図17】図16に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図18】図17に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図19】図18に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0052】
1 押釦スイッチ用部材
2 キートップ
4 ELシート(発光部材)
7 凹部
8 スリット
70 レーザ
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦スイッチ用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話等の電子機器の小型化の要求により、当該電子機器に用いられる押釦スイッチ用部材における各キートップの間隔が徐々に狭くなってきている。各キートップの間隔が狭くなると、特に暗所において各キートップ同士を識別することが難しくなる。このような問題を解決するために、各キートップを完全に分離するスリットを設けると共に、そのスリットの下方にエレクトロ・ルミネッセンス・シート(以後、「ELシート」という。)を配置し、スリットを照光する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。各キートップを隔てるスリットをそのスリットの下方から照光することによって、各キートップを暗所でも視認しやすくすることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−286232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、各キートップの間隔が狭くなると、各キートップを個別に配置することが難しくなるという問題もある。各キートップのわずかな位置ズレが、複数のキートップを同時に操作してしまうといった誤動作の原因になるからである。この問題を解決する方法として、各キートップを作製するための一枚の成形板(ここでは、「キートップ成形体」と称する。)を用意し、そのキートップ成形体にスリットを形成して、スリットで隔てられた各キートップの配置形態を維持したまま、キーシートに貼り付ける方法が考えられる。
【0005】
しかし、キートップ成形体が厚い場合には、スリットを形成することが難しくなる。また、スリットの形成の際に、スリットの周囲がキートップの表側にバリとして突出する可能性がある。スリットの周囲がキートップの表側に突出すると、キートップの操作時に、操作者がキー操作しにくくなる。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作しやすい押釦スイッチ用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のキートップと、その裏側に配置される発光部材とを備える押釦スイッチ用部材であって、複数のキートップ同士の境界に、キートップの天面から裏側に向う方向に窪む凹部と、その凹部の底部に形成され、当該凹部の開口幅より狭い幅を有すると共にキートップ同士の境界を貫通するスリットとを備える押釦スイッチ用部材としている。このため、発光部材からの光がスリットから表に出射されるので、スリットにて隔てられた各キートップの視認性が高くなる。また、凹部の底部は薄肉であるため、スリットの形成が容易となる。さらに、キートップ成形体の裏側からスリットを形成した場合、スリットの縁がキートップの表面側に突出しても、その突出した部分は凹部の内部に収まる。したがって、キートップの操作がしやすい。
【0008】
また、別の本発明は、先の発明におけるスリットを、レーザ加工によって形成した押釦スイッチ用部材としている。このため、隣接する複数のキートップの間隔を確実に確保できる。工具を用いてキートップ間をカットすると、所定幅のスリットを確保することができず、単に、隣接するキートップを押し分けることになる。このため、隣接するキートップが押し分ける前の状態へと回復し、隣接するキートップが接触する可能性がある。これに対して、レーザを用いてスリットを形成した場合には、所定幅の領域が除去されているので、隣接するキートップが接触する危険性はほとんどない。したがって、キーの誤動作を起こす危険性は低い。また、レーザを用いてスリットを形成する場合、レーザの集光径を調節することにより、0.1mm程度のスリットも容易に形成可能である。したがって、隣接するキートップの間隔をより狭くすることができる。
【0009】
また、別の本発明は、先の各発明における発光部材を、ELシートとした押釦スイッチ用部材としている。このため、電力が小さくても、スリットの輝度を高くすることができる。さらに、ELシートを採用することによって、押釦スイッチ用部材の薄型化にも寄与できる。
【0010】
本発明において、キートップ成形体は、操作対象となるキートップを連接した状態の成形体であり、樹脂製のフィルムを成形した後、その裏側にコア材を形成した形態を有するものであっても、一種類の樹脂で構成されるものであっても良い。
【0011】
樹脂製のフィルムの裏側にコア材を形成したキートップ成形体を作製する場合、予め成形された樹脂製のフィルムの凹部にコア材として光硬化性樹脂を注入して硬化させる方法、樹脂製のフィルムを射出成形用の金型に配置して、そこにコア材となる溶融樹脂を射出する方法等を採用できる。光硬化性樹脂をコア材として用いる場合には、EB硬化性樹脂、UV硬化性樹脂または嫌気性併用UV硬化性樹脂を用いるのが好ましい。EB硬化性樹脂は、電子線の照射により硬化する樹脂である。UV硬化性樹脂は、紫外線の照射により硬化する樹脂である。嫌気性併用UV硬化性樹脂は、UV硬化性に嫌気性を付与した樹脂であり、空気を遮断して紫外線を照射することにより硬化する樹脂である。これらの内、特に、UV硬化性樹脂が好ましい。コストが低く、かつ硬化速度が大きく、生産性に有利だからである。
【0012】
これらの光硬化性樹脂は、主剤と光開始剤とを含んでいる。主剤には、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、シリコーン系、ポリブタジエン系のアクリレート系樹脂が挙げられる。また、光開始剤には、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤等が挙げられる。さらに、嫌気性併用UV硬化性樹脂の場合には、有機過酸化物、芳香族スルフィミドおよび各種のアミン類を加える。ここで、有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル類が挙げられる。
【0013】
また、溶融樹脂を射出してコア材を形成する場合には、コア材として、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。特に、コア材として用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート/ABS共重合樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0014】
コア材の表面を覆う樹脂製のフィルムとしては、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。特に、樹脂製のフィルムとして用いられる熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂が好ましい。
【0015】
発光部材としてELシートを採用する場合、無機ELシートが好適である。代表的な無機ELシートの構造は、発光体層(例えば、ZnS+Cuを含む層)と誘電体層(例えば、BaTiO3の層)を隣接させ、これらの両側を電極層で挟み、さらに、発光面側(発光体層側の電極の外側)に透明樹脂フィルムを貼付した構造である。このように、キートップの下方にELシートを配置することにより、隣接するキートップ間のスリットの部分を、高輝度に照光することができる。このため、暗所における使用を可能にするのみならず、機能性およびデザイン性に富む押釦スイッチ用部材を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キートップの視認性が高く、キートップ間のスリットの形成が容易で、かつキー操作しやすい押釦スイッチ用部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明に係る押釦スイッチ用部材の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0018】
(第一の実施の形態)
図1は、押釦スイッチ用部材1の平面図である。図2は、図1のA−A線にて押釦スイッチ用部材1を切断した際の断面図である。
【0019】
押釦スイッチ用部材1は、図1に示すように、それぞれ個別に操作可能とするように、所定の間隔をあけて配置される複数のキートップ2を有する。隣接するキートップ2の間には、裏側に向かって窪む凹部7が形成されており、その凹部7の底部には、裏側に貫通するスリット8が形成されている。また、図2に示すように、各キートップ2は、接着層3を挟んでELシート4上に貼付されている。各キートップ2の下方にあたるELシート4の裏面には、キートップ2の押し込み時にスイッチをオン・オフ可能なように、下方に突出する押圧子6が配置されている。押圧子6は、接着層5を挟んでELシート4に貼付されている。ELシート4を発光させると、キートップ2よりも高い輝度にてスリット8を照光できる。このため、各キートップ2の視認性を高めることができる。
【0020】
図3は、押釦スイッチ用部材1の製造工程の主な流れを示すフローチャートである。図4から図13は、押釦スイッチ用部材1の製造工程を説明するための図である。
【0021】
まず、図4(A)に示すように、樹脂製のフィルム10に加飾層11を形成する(ステップS101)。ELシート4の発光により、各キートップ2の照光を実現できるように、フィルム10は、透光性に優れた樹脂から成る。この実施の形態では、フィルム10として、厚さが約0.2mmのアクリル樹脂製のフィルムを採用している。加飾層11は、スクリーン印刷、オフセット印刷あるいはグラビア印刷等を用いて形成される。また、より複雑で意匠性豊かな印刷を簡易に施すために、電子式印刷機である溶融型熱転写プリンター、昇華型熱転写プリンター、インクジェット方式プリンター、トナー転写型プリンターなどを用いても良い。
【0022】
次に、加飾層11を形成したフィルム10(以後、「加飾フィルム12」という。)を、キートップ2の配置にあわせて凹凸の有る形状に成形する(ステップS102)。成形方法として、図4(B)に示すように、金型15の内側に、加熱により柔らかくなった加飾フィルム12をセットし、金型15と反対側から所定圧の空気をあてて、金型15の内側の形状を加飾フィルム12に転写する圧空成形を採用している。ステップS102の成形後、金型15から、加飾フィルム12の成形体(以後、「フィルム成形体」13という。)を分離する。
【0023】
なお、圧空成形以外に、金型15側から真空に引き、金型15の内側の形状を加飾フィルム12に転写する真空成形、当該真空成形に上述の圧空成形を組み合わせた圧空真空成形を採用することもできる。また、凹型の金型と凸型の金型とで加飾フィルム12を挟み、所定の形状に成形する金型成形を採用しても良い。
【0024】
図5に示すフィルム成形体13の点線で囲まれた部分を拡大して、以後の製造工程を説明する。
【0025】
図6に示すように、フィルム成形体13の裏側に形成された凹部20に、紫外線硬化型のアクリル系樹脂を配置して、紫外線照射手段30を用いて紫外線を当該紫外線硬化型のアクリル系樹脂に照射し、トップコア21を形成する(ステップS103)。ステップS103にて形成されるトップコア21は、硬めのアクリル系樹脂から成る。使用者の操作時に、指の圧力を受けても変形しないようにするためである。
【0026】
次に、図7に示すように、キートップ2の裏板になるキートップ裏板40に加飾層41を形成する(ステップS104)。加飾層41は、キートップ裏板40のいずれの面に形成しても良い。この実施の形態では、キートップ裏板40として、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いている。PET製のキートップ裏板40には、好適には、コロナ放電、イオンエッチング等の表面処理(易接着処理)が施される。ただし、PETに代えて、アクリル樹脂を採用しても良い。ステップS104における加飾層41の形成方法は、ステップS101の工程と同様の方法である。ただし、ステップS104を省略し、加飾層41の無いキートップ裏板40を用いても良い。
【0027】
次に、紫外線硬化型のアクリル樹脂系接着剤を、アンダーコア31の形成用に、トップコア21の上に注入し、その上から、加飾層41を形成したキートップ裏板40(以後、「加飾板42」という。)を貼付する(ステップS105)。
【0028】
次に、図8に示すように、紫外線照射手段30を用いて、当該紫外線硬化型のアクリル系樹脂接着剤に紫外線を照射し、キートップ成形体50を作製する(ステップS106)。
【0029】
次に、図9に示すように、キートップ成形体50におけるキートップ2の天面(すなわち、加飾フィルム12の凸面)に、樹脂フィルムの一形態であるポリエチレンフィルム61を貼る(ステップS107)。ポリエチレンフィルム61の片面には、粘着材62が付いている。粘着材62としては、アクリル系、エチレンビニルアセテート(EVA)系あるいはゴム系の粘着剤を好適に使用できる。また、粘着材62として、薄い両面テープを用いても良い。なお、粘着材62をポリエチレンフィルム61に付けずに、静電気によってポリエチレンフィルム61を貼り付けるようにしても良い。この実施の形態で用いられるポリエチレンフィルム61は、厚さ60〜70ミクロンのフィルムであるが、70ミクロンを超える厚さを有するポリエチレンフィルム61を用いても良い。キートップ成形体50の表側の面には、キートップ2の天面となる凸部と、キートップ2同士の隙間となる凹部7とが形成されている。この実施の形態では、凹部7の開口幅(W1)は、1.3mm〜1.5mm、凹部7の底部の幅(W2)は、0.3mm〜0.4mmである。ポリエチレンフィルム61は、キートップ成形体50の凸部にのみ密着し、凹部7の空間を残すように貼り付けられる。ポリエチレンフィルム61を貼ったキートップ成形体50は、そのポリエチレンフィルム61側を冶具60に接触させるように冶具60上に置かれる。冶具60は、キートップ成形体50の凹部7をレーザカットする際に、冶具60の下方にカット痕をつけないようにするためのものである。
【0030】
次に、図10に示すように、加飾板42における凹部7の反対側の位置52にレーザ70を集光させて、レーザ70を走査しながら、キートップ成形体50をキートップ2ごとにカットする(ステップS108)。この実施の形態において、凹部7の位置におけるキートップ成形体50の厚さ(X)は、0.4mmである。また、キートップ2の天面の位置におけるキートップ成形体50の厚さ(Y)は、0.8mmである。レーザカットの際に、ポリエチレンフィルム61を貼付した位置とレーザ70を集光した位置とは、0.4mm〜0.8mmの差がある。このため、ポリエチレンフィルム61上では、レーザ70の焦点が合わない。したがって、ポリエチレンフィルム61を完全にカットすることなく、キートップ成形体50の凹部7の位置のみをカットできる。この実施の形態では、凹部7の深さを0.4mmとしているが、凹部7の深さが大きい程、ポリエチレンフィルム61をカットすることなく、キートップ成形体50のみをカットできる。凹部7の深さは、0.4mmより小さくしてもポリエチレンフィルム61を残したままキートップ成形体50をカットできるが、下記範囲の集光径にてレーザカットする場合には、凹部7の深さを0.2mm以上の深さとするのがより好ましい。また、スリット8の周囲の樹脂がキートップ2の表面側に突出してもキートップ2の天面より突出させないためにも、凹部7の深さは、0.2mm以上とするのが好ましい。
【0031】
この実施の形態では、レーザ70の集光径は、φ0.05mm〜φ0.2mmである。また、レーザの走査速度は、約200mm/secである。レーザ70は、通常、同じ経路を1〜3回走査される。凹部7の部分の厚さ(X)は、キートップ2の天面位置の厚さ(Y)よりも薄いので、レーザカットしやすい。この実施の形態では、レーザ加工機として、最大出力30Wの炭酸ガスレーザ発生装置が用いられている。また、レーザの出力は、最大出力の70%としている。ただし、レーザ加工機は、炭酸レーザ以外のレーザ(例えば、YAGレーザ)を使用できる加工機であっても良い。
【0032】
上記条件にてキートップ成形体50をレーザカットした結果、図11に示すように、キートップ成形体50の凹部7の位置に、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8が形成される。すなわち、複数のキートップ2が、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8を隔てて、ポリエチレンフィルム61上に分散配置される。レーザ70の熱により、凹部7の開口側にバリが発生する可能性があるが、凹部7の深さを超えて突出しない。したがって、キー操作がしづらくなるといった不都合は生じない。ポリエチレンフィルム61の一部は、レーザ70の出力が大きい場合には、カットされる場合がある。しかし、ポリエチレンフィルム61におけるレーザ70の走査経路の大部分がカットされずに残っている。
【0033】
ステップS108の工程において、レーザ70の熱によって溶融・気化あるいは昇華した樹脂の微粉は、外部の吸引機を用いて吸引される。ただし、当該微粉の中には、ポリエチレンフィルム61の粘着材62にて捕獲されるものもある。ポリエチレンフィルム61がキートップ2の天面に密着されているので、切り代における樹脂の微粉はキートップ2の天面に付着せず、キートップ2の天面を清浄に保つことができる。また、キートップ2の天面は冶具60と直接的に接触していないので、キートップ2の天面に傷が付くのを効果的に防止できる。さらに、レーザ70によるカット後に、ポリエチレンフィルム61に各キートップ2がそのまま貼付されているので、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2をELシート4上に貼付する際のキャリア(運搬媒体)として利用できる。したがって、キートップ2を個別にELシート4上に貼付する必要がない。
【0034】
次に、図12に示すように、接着層3を介して、キートップ2をELシート4に貼り付ける(ステップS109)。ステップS109の工程において、複数のキートップ2は、その天面をポリエチレンフィルム61に貼り付けた状態で、ELシート4に貼り付けられる。
【0035】
次に、ELシート4の裏側における各キートップ2の押込位置に、各キートップ2より小さい面積を持つ押圧子6が接着層5を介して貼り付けられる(ステップS110)。最後に、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2の天面から除去する(ステップS111)。なお、ステップS110とステップS111とを逆順にしても良い。こうして、図13に示す押釦スイッチ用部材1が完成する。
【0036】
(第二の実施の形態)
次に、第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材について、説明する。なお、先に示す図1および図2に示す形態は、第二の実施の形態においても共通する。
【0037】
図14は、第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造工程の主な流れを示すフローチャートである。図15から図19は、押釦スイッチ用部材1の製造工程を説明するための図である。
【0038】
まず、樹脂製のフィルム10に加飾層11を形成する(ステップS201)。この実施の形態においても、フィルム10として、厚さが約0.2mmのアクリル樹脂製のフィルムを採用している。次に、加飾層11を形成したフィルム10(これを、「加飾フィルム12」という。)を、加熱した状態にて、射出成形用の金型内に配置する(ステップS202)。加飾フィルム12は、加飾層11が金型の内側になるように配置される。次に、射出成形用の金型内に溶融樹脂を射出し、コア75を形成する(ステップS203)。この結果。図15に示すような各キートップ2を連接した状態のキートップ成形体80ができる。この実施の形態では、コア75の形成用の樹脂には、ポリカーボネート/ABS共重合樹脂あるいはABS樹脂が用いられる。ただし、コア75の形成用の樹脂に、アクリル樹脂を採用しても良い。
【0039】
次に、図16に示すように、キートップ成形体80におけるキートップ2の天面(すなわち、加飾フィルム12の凸面)に、樹脂フィルムの一形態であるポリエチレンフィルム61を貼る(ステップS204)。この実施の形態で用いられるポリエチレンフィルム61は、第一の実施の形態で用いたものと同じフィルムであり、粘着材62を片面に付けた厚さ60〜70ミクロンのフィルムである。キートップ成形体80の表側の面には、キートップ2の天面となる凸部と、キートップ2同士の隙間となる凹部7とが形成されている。この実施の形態においても、前述の実施の形態と同様、凹部7の開口幅(W1)は、1.3mm〜1.5mm、凹部7の底部の幅(W2)は、0.3mm〜0.4mmである。ポリエチレンフィルム61は、キートップ成形体80の凸部にのみ密着し、凹部7の空間を残すように貼り付けられる。ポリエチレンフィルム61を貼ったキートップ成形体80は、そのポリエチレンフィルム61側を冶具60に接触させるように冶具60上に置かれる。
【0040】
次に、キートップ成形体80における凹部7の反対側の位置82にレーザ70を集光させて、レーザ70を走査しながら、キートップ成形体80をキートップ2ごとにカットする(ステップS205)。この実施の形態では、凹部7の位置におけるキートップ成形体80の厚さは、0.4mmである。また、キートップ2の天面の位置におけるキートップ成形体80の厚さは、0.8mmである。レーザカットの際に、ポリエチレンフィルム61を貼付した位置とレーザ70を集光した位置とは、0.4mm〜0.8mmの差がある。このため、ポリエチレンフィルム61上では、レーザ70の焦点が合わない。したがって、ポリエチレンフィルム61を完全にカットすることなく、キートップ成形体80の凹部7の位置のみをカットできる。この実施の形態において、凹部7の深さを0.4mmより小さくしても、ポリエチレンフィルム61を残したままキートップ成形体80をカットできるが、下記範囲の集光径にてレーザカットする場合には、凹部7の深さを0.2mm以上の深さとするのがより好ましい。また、スリット8の周囲の樹脂がキートップ2の表面側に突出してもキートップ2の天面より突出させないためにも、凹部7の深さは、0.2mm以上とするのが好ましい。
【0041】
この実施の形態では、レーザ70の集光径は、φ0.05mm〜φ0.2mmである。また、レーザの走査速度は、約200mm/secである。レーザ70は、同じ経路を1〜3回走査される。凹部7の部分の厚さ(X)は、キートップ2の天面位置の厚さ(Y)よりも薄いので、レーザカットしやすい。この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様、レーザ加工機として、最大出力30Wの炭酸ガスレーザ発生装置を用いている。レーザの走査速度は、200mm/secである。また、レーザの出力は、最大出力の70%としている。
【0042】
上記条件にてキートップ成形体80をレーザカットした結果、図17に示すように、キートップ成形体80の凹部7の底部に、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8が形成される。すなわち、複数のキートップ2が、幅0.2mm〜0.3mmのスリット8を隔てて、ポリエチレンフィルム61上の所定位置に分散配置される。レーザ70の熱により、凹部7の開口側にバリが発生する可能性があるが、凹部7の深さを超えて突出しない。したがって、キー操作がしづらくなるといった不都合は生じない。
【0043】
ステップS205の工程において、レーザ70の熱によって溶融・気化あるいは昇華した樹脂の微粉は、外部の吸引機を用いて吸引される。ただし、当該微粉の中には、ポリエチレンフィルム61の粘着材62にて捕獲されるものもある。ポリエチレンフィルム61がキートップ2の天面に密着されているので、切り代における樹脂の微粉はキートップ2の天面に付着せず、キートップ2の天面を清浄に保つことができる。また、キートップ2の天面は冶具60と直接的に接触していないので、キートップ2の天面に傷が付くのを効果的に防止できる。さらに、レーザ70を用いたカット後に、ポリエチレンフィルム61に各キートップ2がそのまま貼付されているので、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2をELシート4上に貼付する際のキャリア(運搬媒体)として利用できる。したがって、キートップ2を個別にELシート4上に貼付する必要がない。
【0044】
次に、図18に示すように、接着層3を介して、キートップ2をELシート4に貼り付ける(ステップS206)。ステップS206の工程において、複数のキートップ2は、その天面をポリエチレンフィルム61に貼り付けた状態で、ELシート4に貼り付けられる。
【0045】
次に、ELシート4の裏側における各キートップ2の押込位置に、各キートップ2より小さい面積を持つ押圧子6が接着層5を介して貼り付けられる(ステップS207)。最後に、ポリエチレンフィルム61を、各キートップ2の天面から除去する(ステップS208)。なお、ステップS207とステップS208とを逆順にしても良い。こうして、図19に示すような押釦スイッチ用部材1が完成する。
【0046】
以上、本発明の押釦スイッチ用部材の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の各実施の形態に何ら限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0047】
例えば、第一の実施の形態において、フィルム10への加飾工程(ステップS101)を、フィルム10の成形工程(ステップS102)の後に行うようにしても良い。また、トップコア21の形成工程(ステップS103)は、紫外線硬化型の樹脂以外の樹脂を用いた工程であっても良い。また、トップコア21の形成工程(ステップS103)を行わずに、紫外線硬化型の樹脂からなる接着剤をフィルム成形体13の凹部20に注入する工程のみを行っても良い。また、押圧子6の貼付工程(ステップS110)は、必ずしも行わなくて良い。かかる場合には、ステップS109を、予め押圧子6の形状を付与したキーシートを貼付する工程とするのが好ましい。
【0048】
第二の実施の形態において、加飾フィルム12を金型内に配置する工程(ステップS202)を行わず、加飾フィルム12の成形工程(ステップS102と同様の工程)を行い、その結果得られたフィルム成形体13の凹部20に、コア形状の成形体を接着し、その後、ステップS204以降の工程を行うようにしても良い。また、押圧子6の貼付工程(ステップS207)は、必ずしも行わなくて良い。かかる場合には、ステップS206を、予め押圧子6の形状を付与したキーシートを貼付する工程とするのが好ましい。さらに、その場合、押圧子6の下方に配置される皿バネに、ELシート4を固定しても良い。すなわち、ELシート4は、キートップ2の直下に配置しなくても良い。
【0049】
ELシート4以外の発光部材として、例えば、LEDを採用しても良い。また、スリット8を形成するために、レーザ以外の手段(例えば、カッターに代表される切断工具)を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、押釦スイッチ用部材を搭載した携帯電子端末を製造あるいは使用する産業において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の平面図である。
【図2】図1のA−A線にて、図1に示す押釦スイッチ用部材を切断した際の断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法の主な工程の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図5】図4に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図6】図5に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図7】図6に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図8】図7に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図9】図8に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図10】図9に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図11】図10に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図12】図11に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図13】図12に続いて、図3に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第二の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法の主な工程の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図16】図15に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図17】図16に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図18】図17に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【図19】図18に続いて、図14に示す押釦スイッチ用部材の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0052】
1 押釦スイッチ用部材
2 キートップ
4 ELシート(発光部材)
7 凹部
8 スリット
70 レーザ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキートップと、その裏側に配置される発光部材とを備える押釦スイッチ用部材であって、
上記複数のキートップ同士の境界に、
上記キートップの天面から裏側に向う方向に窪む凹部と、
その凹部の底部に形成され、当該凹部の開口幅より狭い幅を有すると共に上記キートップ同士の境界を貫通するスリットと、
を備えることを特徴とする押釦スイッチ用部材。
【請求項2】
前記スリットは、レーザ加工によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用部材。
【請求項3】
前記発光部材は、エレクトロ・ルミネッセンス・シートであることを特徴とする請求項1または2に記載の押釦スイッチ用部材。
【請求項1】
複数のキートップと、その裏側に配置される発光部材とを備える押釦スイッチ用部材であって、
上記複数のキートップ同士の境界に、
上記キートップの天面から裏側に向う方向に窪む凹部と、
その凹部の底部に形成され、当該凹部の開口幅より狭い幅を有すると共に上記キートップ同士の境界を貫通するスリットと、
を備えることを特徴とする押釦スイッチ用部材。
【請求項2】
前記スリットは、レーザ加工によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用部材。
【請求項3】
前記発光部材は、エレクトロ・ルミネッセンス・シートであることを特徴とする請求項1または2に記載の押釦スイッチ用部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−117660(P2008−117660A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300205(P2006−300205)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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