説明

振り子弁組立体

弁座により画成された開口部を有するハウジングと、弁座から非係合状態となった完全に開放した位置と弁座と係合する完全に閉塞した位置との間にてハウジング内で可動の弁胴と、長手方向軸線に沿って長手方向に動き且つ、長手方向軸線の周りにて回転可能なスリーブとを有する弁組立体である。スリーブは弁胴に接続され、弁胴はスリーブと共に回転し且つ、スリーブに対し長手方向に動くことができる。ハウジング及びスリーブの一方はカム面を有し、また、ハウジング及びスリーブの他方はカム面に受け入れられるカム従動子を有している。回転可能な軸はスリーブと螺着係合し、軸の回転によりスリーブはカム従動子に対し回転動作及び長手方向への動きの少なくとも一方を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、ペンジュラム(pendulum)すなわち振り子又は仕切弁組立体、より具体的には、振り子弁組立体のフラッパに対し回転動作及び軸方向動作の双方を提供する新規且つ、改良された構成を含む振り子弁組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
振り子弁組立体は、全体として、振り子弁を収容し且つ、内部空間と、気体状流体が内部空間に入り且つ内部空間から出るときに通る1対の開口部とを有するハウジングを備えている。振り子弁組立体は、半導体の製造過程又はその他の薄膜被覆過程にて使用されるもののような、高純度気体の供給システムにて特に有用である。その名称が意味するように、振り子弁は、開放位置と閉塞位置との間にて枢動し、また、枢動アームにより回転可能な軸に接続された、ディスク又はフラッパとして通常、提供される弁胴を有している。完全に開放した位置において、振り子弁のディスクは、開口部により画成された流路外に動き、このため、流体は、ハウジングの内部空間に入り且つ、内部空間外に出ることができる一方、完全に閉塞した位置において、ディスクは、開口部の1つを取り囲む弁座と密封係合するように動き、このため、流体は内部空間に入ることはできない。
【0003】
ディスクが動くためには、通常、完全に開放した位置と中間位置との間にて回転(すなわち、枢動又は横方向)動作を必要とし、次に、中間位置からディスクが弁座と密封接触する完全に閉塞した位置まで少なくとも多少の長手方向(すなわち、平行移動、直線状又は軸方向)動作を必要とする。この回転動作と平行移動動作との組み合わせを実現するためには、幾つかの従来の振り子弁は、典型的に、多数のアクチュエータ要素を使用している。
【0004】
更に、「標準」型の仕切弁又は振り子弁において、ゲートが弁ハウジングの開口部から分離し始めると、気体の流れは急激に増大する。また、一般に、ゲートと開口部との間に重なり部分がある(すなわち、ゲートの直径が開口部よりも大きい)ため、ゲートが最初に動く結果、流れの変化は多少、あるにしても、殆どない。このため、全体的なコンダクタンスは、流れの非常に小さい変化、その後の、流れの極めて急激な変化(ゲートが閉じられるときは、その逆となる)を含み、その結果、弁のこの作動範囲において流れ(コンダクタンス)の制御は不良となる。
【特許文献1】米国特許第6,089,537号明細書
【特許文献2】米国特許第6,161,576号明細書
【特許文献3】米国特許第6,328,051号明細書
【特許文献4】米国特許第6,409,149号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の譲渡人に譲渡され且つ、引用して本明細書に含めた、オルムステッド(Olmsted)に対する米国特許第6,089,537号明細書には、完全に開放した位置と完全に閉塞した位置との間にて弁胴の回転動作及び長手方向への動作を正確に制御する簡単な回転カム機構を使用する改良された振り子弁組立体が開示されている。全て本発明の譲渡人に譲渡され且つ、参考として引用し本明細書に含めた、米国特許第6,161,576号明細書、米国特許第6,328,051号明細書、米国特許第6,409,149号明細書には、改良された振り子弁組立体及びシステムも開示されている。
【0006】
しかし、閉塞位置と開放位置との間にて弁組立体のディスクの回転動作及び長手方向動作の双方を提供する新規且つ、改良された構成を含む新規且つ、改良された振り子弁組立体が更に望まれる。好ましくは、該構成体の長手方向への動きのレゾリューション(resolution)すなわち分解能は、回転動作のレゾリューションすなわち分解能と独立的に選ぶことができる。弁が開放し且つ、閉塞する間、弁組立体を通じてコンダクタンスのより制御可能で且つ、一定の変化を提供する新規且つ、改良された振り子弁組立体も望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内部空間と、流体が該内部空間に入り且つ、該内部空間から出るときに通ることのできる開口部とを有するハウジングと、流体が開口部を通って流れるのを許容する完全に開放した位置と、流体が開口部を通って流れるのを阻止する完全に閉塞した位置との間にて内部空間内で可動である弁胴と、長手方向軸線に沿って長手方向に動き且つ、長手方向軸線の周りにて回転可能であるスリーブとを備える、新規且つ、改良された弁組立体を提供する。該スリーブは、弁胴に接続され、弁胴がスリーブと共に、長手方向軸線の周りにて、完全に開放した位置と弁胴が開口部と実質的に整合されるが、該開口部から長手方向に隔てられた中間位置との間にて回転することができ、また、弁胴は、中間位置と完全に閉塞した位置との間にてスリーブと共に長手方向に動くことができる。
【0008】
ハウジング及びスリーブの一方は、カム面を有し、ハウジング及びスリーブの他方は、カム面により受け入れられるカム従動子を有している。該組立体は、スリーブの長手方向軸線に沿って伸び且つ、該長手方向軸線の周りにて回転可能な軸も有しており、該軸は、スリーブと螺着係合し、軸の回転によりスリーブはカム従動子と共に回転動作及び長手方向への動作の一方を行う。
【0009】
本発明のその他の特徴及び有利な効果の内、弁組立体の弁胴には、閉塞位置と開放位置との間にて回転動作及び長手方向への動きの双方が付与される。本発明の弁組立体は、また、弁胴の回転動作のレゾリューションと独立的に選ぶことのできる長手方向動作のレゾリューションを提供する。更に、本発明は、弁が開放し且つ、閉塞する間、弁組立体を通じてのコンダクタンスのより制御可能で且つ、均一な変化を提供する新規且つ、改良された振り子弁組立体を提供する。
【0010】
本発明の追加的な特徴及び有利な効果は、本発明を実施するために考えられる最良の形態を単に一例として、本発明の一例としての実施の形態と示す以下の詳細な説明から当該技術分野の当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、その他の且つ、異なる実施の形態が可能であり、その幾つかの詳細は、全て本発明から逸脱せずに、色々な明らかな点にて形態変更を為すことが可能である。従って、図面及び明細書は、性質上、説明のためであり、限定的なものではないとみなすべきである。
【0011】
全体を通じて同様の要素を同様の参照番号にて表示する添付図面に関して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明に従った構造とされた振り子弁組立体10の一例としての実施の形態は、全体として、振り子弁16を収容する内部空間14を画成し且つ、1対の対向する開口部18、20を有するハウジング12を備えており、気体は該1対の開口部18、20を通って内部空間に入り且つ、該内部空間から出ることができる。弁座22、24は、開口部18、20の端縁の周りにてハウジング12の内部14に設けられている。図示するように、振り子弁16は、破線で示すように、流体が開口部18を通って流れるのを許容する完全に開放した位置と、実線で示すように、流体が開口部18を通って流れるのを阻止する完全に閉塞した位置との間を動く弁胴26を有している。
【0013】
同様に図示するように、振り子弁組立体10の第一の開口部18は、例えば、プロセスチャンバに接続し、第二の開口部20は真空ポンプに接続し、半導体製造過程又は例えば、133.23Pa(1トル)以下程度の圧力のような極めて低圧力(高真空圧)にて行われるその他の薄膜被覆過程にて使用されるもののような、高純度気体の供給システムの一部分を形成することができる。全体として、半導体ウェハのような加工物がチャンバ内に配置される一方、プロセス気体はチャンバ内に導入され、所定の仕方にて加工物と化学的に反応する。化学的反応は、図示するように残留物を発生させることになる。
【0014】
振り子弁組立体10は、ディスク26の位置を完全に開放した位置と完全に閉塞した位置との間にて制御することにより、プロセスチャンバと真空ポンプとの間の気体の流れを制御するのを助ける。閉塞した位置において、ディスク26は、第一の開口部18の端縁の周りにて内部空間14内に設けられた弁座22と密封接触する。
【0015】
同様に図2ないし図5を参照すると、本発明は、完全に開放した位置と完全に閉塞した位置との間にて、弁胴26の回転動作及び長手方向への動きを正確に制御する構成を提供する。特に、図3ないし図5を参照すると、該構成は、長手方向軸線32に沿って長手方向に動き且つ長手方向軸線32の周りにて回転可能なスリーブ28を有している。スリーブ28は弁胴26に接続され、このため、弁胴は完全に開放した位置と中間位置との間にて長手方向軸線32の周りにてスリーブと共に回転することができ、この中間位置では、弁胴26は開口部18と実質的に整合されるが、図3に示すように、開口部から長手方向に隔てられる。また、弁胴26は、中間位置と完全に閉塞した位置との間にてスリーブ28と共に長手方向に動くことができる。スリーブ28は、軸線32に対し実質的に直角に伸びる枢動アーム30を介して弁胴26に接続される。
【0016】
ハウジング12及びスリーブ28の一方はカム面34を有し、ハウジング及びスリーブの他方はカム面によって受け入れられるカム従動子36を有している。組立体10はまた、スリーブ28の長手方向軸線32に沿って伸び且つ、該長手方向軸線32の周りにて回転可能な軸38も有しており、軸はスリーブと螺着係合し、このため、軸の回転により、スリーブはカム従動子36と共に回転動作及び長手方向への動きの一方を行う。
【0017】
ディスク26の位置を制御するため、組立体10には、図3に示すように、モータ48と、ハウジング12に取り付けられた歯車機構とが設けられている。モータ48は、可逆ステッピングモータであり、また、歯車機構の第一の回転歯車52に固定され又はその他の方法で該第一の回転歯車が設けられたモータ軸を有することが好ましい。歯車機構はまた、モータ48が歯車を回転方向に駆動するとき、第一の回転歯車52の回転動作と反対方向に回転する第二の回転歯車54も有している。第二の回転歯車54は、振り子弁16の長手方向軸38の一端に固定されている。
【0018】
軸38はスリーブ28に対して長手方向に固定されている。図5に最も良く示すように、カムスリーブ28には軸38の外ねじ42と係合する内ねじ40が設けられている。図示した一例としての実施の形態において、外ねじ42は内ねじ40と直接、接触している。しかし、これと代替的に、外ねじと内ねじとの間に玉軸受が設けられるようにする、すなわちボールースクリューの構成としてもよい。何れの場合でも、軸38が回転したとき、カムスリーブ28は通常、軸線32に沿って長手方向に動く。しかし、カムスリーブ28は、カム面34及びカム従動子36により長手方向に動くのが阻止されるならば、その後、カムスリーブ28は軸38と共に回転する。
【0019】
図3ないし図5に示した一例としての実施の形態において、カム従動子36は、可動スリーブ28に対し固定された位置にてハウジング12に固定され、また、カム面34はスリーブ28の外側面に設けられている。図4及び図5に最も良く示すように、カム面34は、側方向に伸びる第一の部分60と、長手方向に伸びる第二の部分62と、第一及び第二の部分を接続する中間部分又は遷移部分64とを有している。このため、全体として、カム面34は「L字形」である。
【0020】
側方向に伸びる第一の部分60により、スリーブ28及びディスク26は第一の開口部18に対し平行な面内にて回転し、完全に開放した位置(図1に破線で図示)から図3に示すように、ディスク26が第一の開口部18と実質的に整合する中間位置まで回転する。カム面34の第一の部分60は軸38が回転するとき、完全に回転動作にてカム従動子36に従動するため、ディスク26は平行な面内にて移動する。スリーブ28は、第一の部分60がカム従動子36の上を動くとき、カム従動子36により長手方向に動くのが阻止される。
【0021】
しかし、カム面34の長手方向へ伸びる第二の部分62により、スリーブ28及びディスク26は、ディスク26が弁座22と係合する迄(図1に実線で図示)、スリーブ28及びディスク26は、スリーブの軸線32に対し平行に第一の開口部18に向けて動く。第二の部分62がカム従動子36の上を動くとき、スリーブ28の回転はカム従動子36によって阻止される。
【0022】
カム面34の遷移部分64は、長手方向及び側方向の双方に伸びており、このため、該部分によりスリーブ28及びディスク26の回転動作及び長手方向へ動きの双方の組み合わせが生じる。図示した一例としての実施の形態において、カム面34の遷移部分64には湾曲形状が付与されているが、所望であるならば、直線状の形状を付与してもよい。このようにねじ軸38、カムスリーブ28、カム面34及びカム従動子36は、振り子弁16の回転動作及び長手方向への動きを提供する新規且つ、改良され、しかも簡単で且つ、効果的な構成を提供する。本発明の弁組立体10はまた、カム面34の第一の部分60の長さ、カム面の第二の部分60の長さ、カム面の遷移部分60の長さ及び曲率又はねじ40、42のピッチを変更するだけで、弁胴26の回転動作におけるレゾリューションすなわち分解能とは独立的に設計するこのできる、弁胴26の長手方向への動きのレゾリューションすなわち分解能を提供することができる。
【0023】
図3に示すように、組立体10は、弁胴が完全に閉塞した位置まで実質的に動いたとき、弁胴26を第一の開口部18の弁座22に対して偏倚させるよう配置されたばね負荷式ピストン70を更に有することができる。ディスクと弁座22との間にシールを提供するためOリング72がディスク26に設けられている。
【0024】
図示しないが、組立体10は、流体が第二の開口部20を通るのを許容する完全に開放した位置と、流体が第二の開口部20を通ることのできない完全に閉塞した位置との間にてハウジング12内で動くことのできる第二の弁胴を有することができる。かかる構成の一例は、その双方が本発明の譲受人に譲渡され且つ、参考として引用し本明細書に含めた米国特許明細書6,328,051号及び米国特許明細書6,409,149号に示されている。組立体10には、また、環状カバーを設けることもでき、該環状カバーは、該カバーが第二の開口部20の弁座24を保護する覆った位置と該カバーが第二の開口部から隔てられ、第二の弁胴が第二の開口部20の弁座24と係合することのできる覆わない位置との間にて可動である。かかる構成の一例は、米国特許明細書6,409,149号に記載されている。
【0025】
本発明の範囲から逸脱せずに、色々な変更を為すことが可能であることを理解すべきである。例えば、カム面34がカムスリーブ28に提供され且つ、カム従動子36がハウジング12に固定されるが、この構成は逆にすることができる。
【0026】
図6は、弁組立体を通じてのコンダクタンスと弁組立体が200mm弁に対して開放している百分率とのグラフであり、線「II」で示した既存の弁組立体と図1ないし図5に示した弁組立体10のような、線「I」で示した本発明に従った構造とされた弁組立体との比較を示す。既存の弁組立体の一例は、スイス国、ハーグのヴァットヴァキュームヴェンタイル・エージー(VAT Vakuumventile AG(www.vatvalve.com))からのシリーズ65振り子弁である。図6のグラフの線「II」で示すように、シリーズ65の振り子弁が最初に開放したとき、弁を通る流れは殆んど変化せず、その後、相対的に僅かな角度の変化(4ないし6%の開放)に亙って流れは相対的に急速に変化する状態に遷移する。コンダクタンス曲線の勾配のこの急速な変化の結果、コンダクタンスの制御は不良となる(従って、プロセスチャンバ内の圧力の制御は不良となる)。
【0027】
図6のグラフにて線「I」で示すように、本発明に従った構造とされた弁組立体10の弁胴26が最初に、完全に閉塞した位置から離れると、流れは、最初に、弁胴26とハウジング12の弁座22との間の空隙を増すことにより、対数線形関係(例えば、最初の3.5ないし4%の弁開放中、約7L/S)を考慮して、比較的一定の勾配(コンダクタンス対開放%)にて増大することが許容される。これと同時に、弁胴26は、回転し、主流れへの遷移(これは、ゲートがハウジングの開口部から分離し始めるときに生ずると考えられる)は滑らかであり且つ、この遷移中、この一定の勾配を維持する。本発明に従った構造とされた弁組立体は、弁胴26の回転動作のレゾリューションと独立的に設計することのできる弁胴26の長手方向への動きの精密なレゾリューションを提供するため、振り子弁の流れ特性は、弁の特定の用途による必要条件に合うよう特別に設定することができる。例えば、弁を半導体工業に適用する場合、図6のグラフの線Iで示すように、閉塞位置付近にて精密に制御するが、完全に開放した位置にて高コンダクタンス(流れ)を有するようにすることが必要条件とされる。このため、その他の利点及び特徴の内、本発明は、極めて広い制御範囲を有し、また、弁が完全に閉塞した位置から離れ始めるとき、滑らかなコンダクタンス(流れ)曲線を有する弁組立体を提供する。
【0028】
このように、本発明に従った構造とされた新規且つ、改良された振り子弁組立体10について説明した。特に、本発明は、振り子弁組立体10のディスク26が少なくとも2方向に動く動作を提供する新規且つ、改良され、しかも簡単且つ、効果的な構成を提供する。本明細書に記載した一例としての実施の形態は、限定的ではなく、単に一例として記載したものであり、本発明のそのかなり広い面に亙り且つ特許請求の範囲に記載した本発明の精神又は範囲から逸脱せずに、当該技術分野の当業者によって色々な形態変更、結合及び置換を為すことができる。本明細書に開示した本発明の弁組立体及びその全ての要素は、特許請求の範囲の少なくとも1つの範囲に含まれる。本明細書に開示した弁組立体の何れの要素も権利不要求とするものはない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に従った構造とされ且つ、図示するように閉塞位置と開放位置との間にて回転可能であり、また、長手方向に可動である弁胴を有する、振り子弁組立体の一例としての実施の形態を含む、高純度気体の供給システムの一部分を示す概略図である。
【図2】図1の振り子弁組立体の斜視図である。
【図3】図示した弁胴が中間位置にある、図1及び図2の振り子弁組立体の断面図である。
【図4】図1ないし図3の振り子弁組立体のカム従動子、カムスリーブ、ねじ軸の側面図である。
【図5】カムスリーブの一部分を切欠いた、図1ないし図3の振り子弁組立体のカム従動子、カムスリーブ、ねじ軸の分解斜視図である。
【図6】既存の弁組立体と本発明に従った構造とされた弁組立体との比較を示す、弁組立体を通ずるコンダクタンスと弁組立体の開放率とのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁組立体において、
内部空間と、流体が該内部空間に入り且つ該内部空間から出るときに通ることのできる開口部とを有するハウジングと、
流体が開口部を通って流れるのを許容する完全に開放した位置と、流体が開口部を通って流れるのを阻止する完全に閉塞した位置との間にてハウジングの内部空間内で可動である弁胴と、
長手方向軸線に沿って長手方向に動き且つ、長手方向軸線の周りにて回転可能であるスリーブとを備え、該スリーブは、弁胴に接続され、弁胴がスリーブと共に、長手方向軸線の周りにて、完全に開放した位置と弁胴が開口部と実質的に整合されるが、該開口部から長手方向に隔てられた中間位置との間にて回転することができ、また、弁胴は、中間位置と完全に閉塞した位置との間にてスリーブと共に長手方向に動くことができ、
ハウジング及びスリーブの一方は、カム面を有し、ハウジング及びスリーブの他方は、カム面に沿って動き且つ、カム面により案内されるようカム面により受け入れられるカム従動子を有し、
スリーブの長手方向軸線に沿って伸び且つ、該長手方向軸線の周りにて回転可能な軸を有し、該軸は、スリーブと螺着係合し、軸の回転によりスリーブはカム従動子に対し回転動作及び長手方向への動作の少なくとも一方を行うようにした、弁組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の弁組立体において、カムスリーブには内ねじが設けられ、軸には外ねじが設けられる、弁組立体。
【請求項3】
請求項1に記載の弁組立体において、カム従動子は、可動のスリーブに対して固定された位置にてハウジングに固定され、カム面は、スリーブの外側面に提供される、弁組立体。
【請求項4】
請求項3に記載の弁組立体において、カム面は、第一の部分と、第二の部分と、該第一の部分及び第二の部分を接続する遷移部分とを有する、弁組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の弁組立体において、カム面の第一の部分は、長手方向軸線に対し側方向に伸びる、弁組立体。
【請求項6】
請求項4に記載の弁組立体において、カム面の第二の部分は、長手方向軸線に対し長手方向に伸びる、弁組立体。
【請求項7】
請求項1に記載の弁組立体において、軸を回転させ得るよう軸に連結されたモータを更に有する、弁組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の弁組立体において、モータは、歯車機構を介して軸に連結される、弁組立体。
【請求項9】
請求項8に記載の弁組立体において、モータは、駆動軸を有し、歯車機構は、モータの駆動軸に固定された歯車と、軸に固定された歯車とを有する、弁組立体。
【請求項10】
請求項1に記載の弁組立体において、弁胴は、ディスクを備える、弁組立体。
【請求項11】
請求項10に記載の弁組立体において、ディスクは、開口部の周りにてハウジングの内部と密封係合するOリングを有する、弁組立体。
【請求項12】
請求項1に記載の弁組立体において、ハウジングは、完全に閉塞した位置にて弁胴を受け入れるため開口部の端縁の周りにてハウジングの内部空間内に配置された弁座を更に有する、弁組立体。
【請求項13】
請求項1に記載の弁組立体において、弁胴が完全に閉塞した位置まで実質的に動いたとき、弁胴を第一の開口部に対して長手方向に偏倚させるよう配置されたばね負荷式ピストンを更に備える、弁組立体。
【請求項14】
請求項1に記載の弁組立体において、ハウジングにおける開口部と、流体が第二の開口部を通って流れるのを許容する完全に開放した位置と流体が第二の開口部を通ることのできない完全に閉塞した位置との間にてハウジング内で可動の第二の弁胴とを更に備える、弁組立体。
【請求項15】
請求項14に記載の弁組立体において、環状のカバーを更に備え、該カバーは、該カバーが第二の開口部の弁座を保護する覆った位置と、カバーが第二の開口部から隔てられ、第二の弁胴が第二の開口部の弁座と係合することのできる覆わない位置との間にて可動である、弁組立体。
【請求項16】
請求項1の弁組立体を有する、薄膜被覆過程を実施するために使用されるシステムにおいて、該弁組立体を介してプロセスチャンバに接続された真空ポンプを更に備える、システム。
【請求項17】
請求項1に記載の弁組立体において、カムスリーブは枢動アームを介して弁胴に接続される、弁組立体。
【請求項18】
請求項17に記載の弁組立体において、枢動アームはスリーブの軸線に対し直角に伸びる、弁組立体。
【請求項19】
請求項1に記載の弁組立体において、開口部は、開口部の軸線がカムスリーブの軸線に対し平行に伸びるように方位決めされる、弁組立体。
【請求項20】
請求項1に記載の弁組立体において、カムスリーブには内ねじが設けられ、軸には外ねじが設けられ、外ねじは内ねじと直接接触している、弁組立体。
【請求項21】
請求項1に記載の弁組立体において、軸は長手方向に固定される、弁組立体。
【請求項22】
請求項1に記載の弁組立体において、カム面は全体としてL字形である、弁組立体。
【請求項23】
請求項4に記載の弁組立体において、カム面の遷移部分は、スリーブの長手方向軸線に対し長手方向に且つ側方向に伸びる、弁組立体。
【請求項24】
請求項4に記載の弁組立体において、カム面の遷移部分は湾曲している、弁組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512548(P2006−512548A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565142(P2004−565142)
【出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/038003
【国際公開番号】WO2004/061341
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】