説明

携帯端末システム、クレードル装置および携帯端末装置

【課題】十分な明るさを確保して携帯端末装置のハンドミラー機能を利用できるようにする。
【解決手段】携帯端末装置1は、撮像部16及び表示部14と、携帯端末装置1がクレードル装置2に装着されたことを検出する磁気センサ21及びマグネット22を有する。クレードル装置2は、照明機器54と、クレードル装置2に携帯端末装置1が装着されたことを検出する磁気センサ51及びマグネット52とを有する。撮像部16が上方に来る方向で携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1のバッテリが充電状態となり、撮像部16が下方に来る方向で携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、撮像部16及び表示部14が起動され、撮像部16で撮像された像が鏡像画面となり表示部14に表示されると共に、クレードル装置2の照明機器54が点灯される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末システム、クレードル装置および携帯端末装置に関するもので、特に、ハンドミラー機能を備えたものに係わる。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置には、撮像部の撮像方向と表示部の表示方向とが同一の方向に向けて配置され、撮像画像を左右反転させて表示部に鏡像表示させる、ハンドミラー機能と呼ばれる機能を備えるものがある。
このようなハンドミラー機能を用いて、携帯端末装置のユーザは、自分撮りを行ったときに、違和感無く自分自身を撮像できる。また、携帯端末装置を手鏡のように扱えるので、ユーザが自身の髪型や化粧をチェックする際などに当該ハンドミラー機能を利用できる。
【0003】
また、ユーザが、ハンドミラー機能を備えた携帯端末装置を使って髪型や化粧をチェックする際に、携帯端末装置を充電器に載置した状態で使用すると、携帯端末装置が固定され、利便性が向上する。このように、携帯端末装置を充電器に載置した状態で使用することについては、例えば特許文献1に記載されている。すなわち、特許文献1には、監視カメラとして機能するデジタルカメラにおいて、デジタルカメラが充電台に接続されたことを制御部が検知すると、撮像部等の電源をオンし、充電台から離脱されたことを検知すると、撮像部等の電源をオフすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−120067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハンドミラー機能を備えた携帯端末装置は、一般に、照明となるライトの実装スペースの制約により、あるいは、携帯端末装置のバッテリ切れを防ぐため、ハンドミラー機能を実行する際に照明を行わないか、あるいは、照明となるライトの数や、照明に用いる電力を制限している。このため、ユーザがハンドミラー機能を利用する際に十分な明るさを得られないおそれがある。例えば、ユーザが、自身の髪型や化粧のチェックをするためにハンドミラー機能を利用する際、十分な明るさを得られずに、髪型や化粧を適切にチェックできないおそれがある。一方、ハンドミラー機能を備えた携帯端末装置において、十分な明るさを得るために照明となるライトの数を増やすと、消費電力が増加し、携帯端末装置がバッテリ切れとなるおそれがある。
【0006】
また、特許文献1に示される技術は、電子カメラを監視カメラとして利用できるようにするために、電子カメラが充電台に載置して使用するものであり、特許文献1には、反動ミラー機能実行時における照明に関する記載はない。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決することのできる携帯端末システム、クレードル装置および携帯端末装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による携帯端末システムは、撮像部と、撮像部の撮像レンズと同一面に配置されて撮像部による撮像画像を表示可能な表示部と、を具備する携帯端末装置と、携帯端末装置を載置可能なクレードル装置と、照明機器と、携帯端末装置がクレードル装置に載置されたことを検出する検出部と、を具備し、照明機器は、携帯端末装置がクレードル装置に載置されたことを検出部が検出すると発光することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様によるクレードル装置は、照明機器と、携帯端末装置が載置されたことを検出する検出部と、を具備し、携帯端末装置が載置されたことを検出部が検出すると、照明機器を発光することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様による携帯端末装置は、照明機器と、クレードル装置に載置されたことを検出する検出部と、を具備し、クレードル装置に載置されたことを検出部が検出すると、照明機器を発光することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様による携帯端末装置は、撮像部と、撮像部の撮像レンズと同一面に配置されて撮像部による撮像画像を表示可能な表示部と、クレードル装置に載置されたことを検出する検出部と、を具備し、クレードル装置に載置されたことを検出部が検出すると、撮像部で撮像された像の鏡像画面を表示部に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ハンドミラー機能を備えた携帯端末装置において、携帯端末装置がクレードル装置に載置されると、携帯端末装置の撮像部及び表示部を起動され、ハンドミラー機能により、撮像部で撮像された画像の鏡像画面が表示部に表示されると共に、発光機器を点灯させている。これにより、十分な明るさで、ハンドミラー機能を利用して、髪型や化粧のチェックを行える。また、照明機器への電力は商用電源から供給されるため、電力消費を気にせずにハンドミラー機能を使用することができる。更に、携帯端末装置を充電器へ固定するため、女性が両手を使って化粧をする場合に、利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態における携帯端末装置の外観構成の概略を示す平面図である。
【図2】同実施形態における携帯端末装置の機能ブロック構成の概略を示すブロック図である。
【図3】同実施形態におけるクレードル装置の外観構成の概略を示す斜視図である。
【図4】同実施形態におけるクレードル装置の機能ブロック構成の概略を示すブロック図である。
【図5】同実施形態における携帯端末システムの、携帯端末装置をクレードル装置に装着した状態の説明図である。
【図6】同実施形態における携帯端末システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態における携帯端末システムの、携帯端末装置をクレードル装置に装着した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態における携帯端末装置について説明する。図1(A)及び図1(B)は、本発明の第1の実施形態における携帯端末装置1の表側及び裏側の外観構成の概略を示す平面図である。
【0016】
図1(A)に示すように、携帯端末装置1の表側筐体11には、その略々全面に渡って、表示部14が配設される。表示部14は例えば液晶ディスプレイからなる。また、表示部14上には、タッチパネル操作部13が積層されて配置されている。
【0017】
また、図1(A)において、携帯端末装置1の表側筐体11の上方には、撮像部16が配設される。撮像部16は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のイメージセンサからなる。撮像部16のレンズは表示部14と同一面に配置されており、(すなわち、撮像部16のレンズと表示部14とが、共に表側筐体11に配置されており、)撮像部16の撮像方向と表示部14の表示方向は同一となっている。また、携帯端末装置1の表側筐体11の下方には、照明機器15が設けられる。
なお、携帯端末装置1は、撮像部16と表示部14とを、筐体の同じ側に具備する装置であればよい。例えば、携帯端末装置1は、カメラ付き携帯電話機であってもよいし、カメラ付きPDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。
【0018】
図1(B)に示すように、携帯端末装置1の裏側筐体12の下方には、充電用端子25が配設される。充電用端子25は、携帯端末装置1の内蔵バッテリを、後述するクレードル装置2に装着して充電するのに用いられる。また、裏側筐体12には、磁気センサ21及びマグネット22が配設される。磁気センサ21及びマグネット22は、後に説明するように、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着したときの装着方向を検出するのに用いられる。
【0019】
このように、携帯端末装置1は、表側筐体11の略々全面に渡って表示部14を配設し、表示部14上にタッチパネル操作部が積層されて配置されている。表示部14には、インターネット利用時のウェブページや、アプリケーション画面等、各種の画像が表示される。タッチパネル操作部により、表示部14上に映し出される画面をユーザが直接触れることで、各種の入力操作を行える。
【0020】
また、携帯端末装置1は、ハンドミラー機能により、撮像部16が撮像した像を、鏡像画面として表示部14に表示させることができる。ハンドミラー機能は、例えば、撮像部16の撮像画像をメモリに一時保存し、メモリから左右反転して画像を読み出すことにより実現される。携帯端末装置1は、ハンドミラー機能を実行するように設定されると、撮像部16が撮像する像を左右反転させて鏡像画面とし、表示部14に表示させる。これにより、携帯端末装置1のユーザは、携帯端末装置1を手鏡のように扱え、ユーザ自身の髪型や化粧をチェックする際などに携帯端末装置1を利用できる。
【0021】
図2は、携帯端末装置1の機能ブロック構成の概略を示すブロック図である。同図において、携帯端末装置1は、タッチパネル操作部13と、表示部14と、照明機器15と、撮像部16と、磁気センサ21と、マグネット22と、充電用端子25と、主制御部(検出部)31と、ROM(Read Only Memory)32と、フラッシュメモリ33と、RAM(Random Access Memory)34と、無線通信部36と、バッテリ38と、充電制御部39とを具備する。
【0022】
主制御部31は、例えば、携帯端末装置1の具備するCPU(Central Processing Unit)が、ROM32からプログラムを読み出して実行することにより実現され、携帯端末装置1の全体の動作を制御する。なお、主制御部31の実現方法は、CPUを用いる方法に限らない。例えば、主制御部31が、専用の論理回路にて構成されるようにしてもよい。
ROM32は、ブートプログラムや、基本プログラムや、各種のアプリケーションプログラムを記憶する。フラッシュメモリ33は、各種のプリセットデータや写真情報など、各種のデータを記憶する。RAM34は、データ処理用のメモリである。
タッチパネル操作部13は、ユーザの画面タッチによる入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を主制御部31に出力する。また、表示部14は、主制御部31の制御に従って、画像やテキストなど各種データを表示する。
【0023】
無線通信部36は、電波の送受信により、データ通信を行う。無線通信部36がデータ通信に用いる通信方式としては様々なものを用いることができる。例えば、無線通信部36が、IEEE802.11b/gによって通信を行うようにしてもよいし、IEEE802.11n、Bluetooth(登録商標)、またはWiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)など、他の通信方式によって通信を行うようにしてもよい。特に、携帯端末装置1が携帯電話機の場合、無線通信部36は、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、またはWCDMA(Wideband CDMA)など、携帯電話におけるデータ通信方式によって通信を行う。
【0024】
バッテリ38は、携帯端末装置1の各部に電力を供給する。バッテリ38は、充電制御部39から供給される電力により充電される。充電制御部39は、充電用端子25に接続されており、充電制御部39は、携帯端末装置1が、充電用端子25を下側にしてクレードル装置2に設置された際に、充電用端子25を介してクレードル装置2から電力の供給を受け、当該電力をバッテリ38に供給する。
【0025】
また、図1(B)に示されるように、裏側筐体12には、磁気センサ21及びマグネット22が配設されている。磁気センサ21は、磁気を測定し、測定結果のセンサ値(磁気測定値)を主制御部31に出力する。後に説明するように、磁気センサ21のセンサ値により、携帯端末装置1がクレードル装置2に装着されたか否かや、携帯端末装置1がクレードル装置2に装着された際の装着方向を判定できる。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態におけるクレードル装置について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態におけるクレードル装置2の外観構成の概略を示す斜視図である。
【0027】
図3に示すように、クレードル装置2は、携帯端末装置1を保持するための機器保持部50を有する。機器保持部50の下方には、充電用端子55が配設される。充電用端子55の位置は、携帯端末装置1側の充電用端子25の位置と対応しており、携帯端末装置1が、充電用端子25を下側にしてクレードル装置2に設置された際に、充電用端子25に接触し、電力を供給する。
また、機器保持部50には、磁気センサ51及びマグネット52が配設される。後述するように、磁気センサ51の位置は、携帯端末装置1側のマグネット22の位置と対応し、マグネット52の位置は、携帯端末装置1側の磁気センサ21の位置と対応している。また、クレードル装置2には、照明機器54が設けられる。クレードル装置2本体には、コネクタ57を介して、AC/DCアダプタ60が接続される。
なお、クレードル装置2と、携帯端末装置1とで、携帯端末システム100を構成する。
【0028】
図4は、クレードル装置2の機能ブロック構成の概略を示すブロック図である。同図において、クレードル装置2は、磁気センサ51と、マグネット52と、照明機器54と、充電用端子55と、コネクタ57と、AC/DCアダプタ60と、スイッチ回路62と、スイッチ制御部(検出部)63とを具備する。
【0029】
AC/DCアダプタ60は、その具備するプラグを商用電源コンセントに挿入されて、商用電源からの交流電力(商用電力)の供給を受ける。そして、AC/DCアダプタ60は、供給される交流電力を、所定電圧の直流電力に変換する。そして、AC/DCアダプタ60は、変換により得られる直流電力を、コネクタ57を介して充電用端子55に供給し、また、スイッチ回路62を介して照明機器54に供給する。
【0030】
磁気センサ51は、磁気を測定し、測定結果のセンサ値(磁気測定値)をスイッチ制御部63に出力する。磁気センサ51のセンサ値により、後に説明するように、携帯端末装置1がクレードル装置2に装着されたか否かや、携帯端末装置1がクレードル装置2に装着された際の装着方向を判定できる。
【0031】
スイッチ制御部63は、磁気センサ51から出力されるセンサ値に応じて、スイッチ回路62の開閉を制御する。
なお、スイッチ制御部63は、例えば、クレードル装置2の具備するCPUが、クレードル装置2の具備するメモリからプログラムを読み出して実行することにより実現される。あるいは、スイッチ制御部63が、専用の論理回路にて構成されるようにしても良い。
【0032】
スイッチ回路62は、その開閉状態に応じて、照明機器54への電力を導通または遮断する。具体的には、スイッチ回路62がON状態(閉状態)のときは、AC/DCアダプタ60から供給される直流電力が、スイッチ回路62を介して照明機器54に供給される。これにより、照明機器54は点灯状態となる。一方、スイッチ回路62がOFF状態(開状態)のときは、AC/DCアダプタ60から供給される直流電力が、スイッチ回路62において遮断され、照明機器54には供給されない。これにより、照明機器54は消灯状態となる。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態において、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着したときの動作について説明する。
【0034】
図1(B)に示されるように、携帯端末装置1には、充電用端子25が配設されると共に、磁気センサ21及びマグネット22が配設される。また、図3に示されるように、クレードル装置2には、充電用端子55が配設されると共に、磁気センサ51及びマグネット52が配設される。そして、携帯端末装置1側の磁気センサ21及びマグネット22の位置と、クレードル装置2側の磁気センサ51及びマグネット52の位置とは対応している。
【0035】
図5は、本発明の第1の実施形態における携帯端末システム100の、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した状態の説明図である。
【0036】
ユーザは、図5(A)に示すように、携帯端末装置1を、クレードル装置2の機器保持部50に装着する。
ここで、図5(B)に示すように、充電用端子25を下側にして(すなわち、撮像部16が上側に位置するように)、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1側の充電用端子25と、クレードル装置2側の充電用端子55とが接続される。これにより、AC/DCアダプタ60からの充電電流(直流電力)が、充電用端子55及び25を介して携帯端末装置1内のバッテリ38に供給され、バッテリ38が充電される。
【0037】
また、充電用端子25を下側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した状態では、図5(B)に示すように、携帯端末装置1側の磁気センサ21とクレードル装置2側のマグネット52とは離れている。このため、携帯端末装置1の磁気センサ21は、小さい値のセンサ値を出力する。このように、磁気センサ21が小さい値のセンサ値を出力する場合(センサ値が、後述する判定閾値未満の場合)、携帯端末装置1は、ハンドミラー機能を実行しない。具体的には、携帯端末装置1の主制御部31は、撮像部16及び表示部14を動作させない。
【0038】
また、充電用端子25を下側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した状態では、クレードル装置2側の磁気センサ51とクレードル装置2側のマグネット22とは離れている。このため、クレードル装置2の磁気センサ51は、小さい値のセンサ値を出力する。このように、磁気センサ21が小さい値のセンサ値を出力する場合、クレードル装置2は、ハンドミラー機能に対応した照明を行わない。具体的には、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、スイッチ回路62をOFF状態とする。これにより、照明機器54は消灯状態となる。
【0039】
これに対して、図5(C)に示すように、充電用端子25を上側にして(すなわち、撮像部16が下側に位置するように)、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1側の充電用端子25とクレードル装置2側の充電用端子55とは接続されず、バッテリ38への充電は行われない。
また、充電用端子25を上側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した状態では、図5(C)に示すように、携帯端末装置1側の磁気センサ21とクレードル装置2側のマグネット52とが対向する。このため、磁気センサ21は、マグネット52からの磁気を検知し、大きい値のセンサ値を出力する。このように、磁気センサ21が大きい値のセンサ値を出力する場合(センサ値が、後述する判定閾値以上の場合)、携帯端末装置1は、ハンドミラー機能を実行する。具体的には、携帯端末装置1の主制御部31は、撮像部16及び表示部14を起動し、撮像部16の撮像画像に対する鏡像画面を表示部14に表示させる。
【0040】
また、充電用端子25を上側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した状態では、クレードル装置2側の磁気センサ51と携帯端末装置1側のマグネット22とが対向する。このため、磁気センサ51は、マグネット22からの磁気を検知し、大きい値のセンサ値を出力する。このように、磁気センサ51が大きい値のセンサ値を出力する場合、クレードル装置2は、ハンドミラー機能に対応した照明を行う。具体的には、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、スイッチ回路62をON状態とする。これにより、照明機器54は点灯状態となる。
【0041】
このように、本実施形態では、図5(B)に示すように、充電用端子25を下側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1のバッテリ38の充電状態となり、図5(C)に示すように、充電用端子25を上側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、撮像部16及び表示部14が起動され、ハンドミラー機能により、撮像部16で撮像された像が鏡像画面となり表示部14に表示されると共に、クレードル装置2の照明機器54が点灯される。
【0042】
なお、充電用端子25を上側にして、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着した場合に、クレードル装置2の照明機器54だけでなく、携帯端末装置1の照明機器15も点灯させるようにしても良い。
【0043】
図6は、携帯端末システム100の動作を説明するためのフローチャートである。携帯端末システム100は、起動すると(携帯端末装置1が電源スイッチONにより起動し、かつ、クレードル装置2が商用電源からの受電により起動すると)、同図の処理を開始する。
【0044】
まず、携帯端末装置1の主制御部31は、磁気センサ21から出力されるセンサ値が、主制御部31の予め記憶する判定閾値以上か否を判定する。また、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、磁気センサ51から出力されるセンサ値が、スイッチ制御部63の予め記憶する判定閾値以上か否を判定する(ステップS101)。
【0045】
ここで、判定閾値は、携帯端末装置1が、充電用端子25を下側にしてクレードル装置2に装着されている状態(図5(B)の状態)における磁気センサ21や磁気センサ51のセンサ値よりも大きい値、かつ、携帯端末装置1が、充電用端子25を上側にしてクレードル装置2に装着されている状態(図5(C)の状態)における磁気センサ21や磁気センサ51のセンサ値よりも小さい値の閾値であり、主制御部31およびスイッチ制御部63は、この判定閾値を予め記憶している。
【0046】
センサ値が判定閾値以上であると判定した場合(ステップS101:YES)、携帯端末装置1が、充電用端子25を上側にしてクレードル装置2に装着されていることになる。
そこで、携帯端末装置1の主制御部31は、撮像部16に撮像画像を出力させ、当該撮像画像を左右対称にした鏡像画像を生成し、表示部14に鏡像画面として表示させる(ステップS111)。これにより、携帯端末装置1は、ハンドミラー機能を実行する。
また、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、スイッチ回路62をON状態にすることにより、照明機器54を点灯状態にする(ステップS112)。
【0047】
次に、携帯端末装置1の主制御部31は、磁気センサ21から出力されるセンサ値が、主制御部31の予め記憶する判定閾値未満か否を判定する。また、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、磁気センサ51から出力されるセンサ値が、スイッチ制御部63の予め記憶する判定閾値未満か否を判定する(ステップS113)。
【0048】
センサ値が判定閾値未満ではない(判定閾値以上である)と判定した場合(ステップS113:NO)、携帯端末装置1は、充電用端子25を上側にしてクレードル装置2に装着された状態を維持していることになる。そこで、ステップS111に戻り、携帯端末装置1がハンドミラー機能の実行を継続し、クレードル装置2が照明点灯状態を継続する。
【0049】
一方、センサ値が判定閾値未満であると判定した場合(ステップS113:YES)、携帯端末装置1は、充電用端子25を上側にしてクレードル装置2に装着された状態ではなくなったことになる。
そこで、携帯端末装置1の主制御部31は、撮像部16の撮像画像出力を終了させ、また、表示部14の鏡像画面表示を終了させる(ステップS121)。これにより、携帯端末装置1は、ハンドミラー機能を終了する。
また、クレードル装置2のスイッチ制御部63は、スイッチ回路62をOFF状態にすることにより、照明機器54を消灯状態にする(ステップS122)。
その後、ステップS101に戻る。
【0050】
一方、ステップS101において、センサ値が判定閾値以上ではない(判定閾値未満である)と判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS101に戻る。
なお、センサ値が判定閾値未満の状態(ステップS101:NO)において、携帯端末装置1が、充電用端子25を下側にしてクレードル装置2に装着されると(図5(B)の状態)、携帯端末装置1側の充電用端子25が、クレードル装置2側の充電用端子55に接触する。これにより、クレードル装置2は携帯端末装置1に電力を供給し、携帯端末装置1は、当該電力を用いてバッテリ38を充電する。
【0051】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、充電用端子25を下側にして携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、撮像部16の撮像する画像の鏡像画面を表示部14が表示し、また、クレードル装置2の照明機器54が点灯状態となる。これにより、ユーザは、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着するだけで、すなわち、携帯端末装置1にハンドミラー機能を実行させるための特別な操作を行う必要無しに、ユーザ自身の鏡像画像を見ることができる。そして、ユーザは、鏡像画像により、例えば自身の髪型や化粧のチェックを行うことができる。
【0052】
このとき、クレードル装置2の照明機器54が点灯されるため、十分な明るさの下で、自身の顔の状態をモニタできる。特に、クレードル装置2の照明機器54への電力は、商用電源から供給されるので(より具体的には、商用電源から供給される交流電力が、直流電力に変換されて照明装置54に供給されるので)、十分な明るさを確保できる。また、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着することにより、携帯端末装置1がクレードル装置2に固定される。これにより、ユーザは携帯端末装置1を支持する必要がない。この点で、ユーザの利便性を得られる。例えば女性のユーザが、両手を使って化粧をすることができる。
【0053】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態における携帯端末システム100の、携帯端末装置をクレードル装置に装着した状態の説明図である。
【0054】
上述した第1の実施形態では、充電用端子25を下側にして携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1のバッテリ38が充電状態となり、充電用端子を上側にして携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1がハンドミラー機能を実行し、また、クレードル装置2の照明機器54が点灯状態となる。
【0055】
これに対して、第2の実施形態では、図7(A)及び図7(B)に示すように、充電用端子25を下側にして(すなわち、撮像部16が上方に来る方向で)携帯端末装置1をクレードル装置2に装着すると、携帯端末装置1のバッテリ38が充電状態となると共に、携帯端末装置1がハンドミラー機能を実行し、さらに、クレードル装置2の照明機器54が点灯状態となる。このような動作を実現するために、携帯端末装置1側の磁気センサ21及びマグネット22の位置と、クレードル装置2側の磁気センサ51及びマグネット52の位置との関係が、第1の実施形態とは反対となっている。
【0056】
この第2の実施形態における携帯端末システム100は、バッテリ38の充電とハンドミラー機能の実行とが同時に行われる点で第1の実施形態における携帯端末システム100と異なる。他の構成および動作については、前述の第1の実施形態における携帯端末システム100の構成および動作と同様であり、その説明を省略する。
【0057】
本実施形態における携帯端末システム100でも、第1の実施形態における携帯端末システム100と同様の効果を得られる。具体的には、ユーザは、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着するだけで、すなわち、携帯端末装置1にハンドミラー機能を実行させるための特別な操作を行う必要無しに、ユーザ自身の鏡像画像を見ることができる。そして、ユーザは、鏡像画像により、例えば自身の髪型や化粧のチェックを行うことができる。また、クレードル装置2の照明機器54が点灯されるため、十分な明るさの下で、自身の顔の状態をモニタできる。特に、クレードル装置2の照明機器54への電力は、商用電源から供給されるので、十分な明るさを確保できる。また、携帯端末装置1をクレードル装置2に装着することにより、携帯端末装置1がクレードル装置2に固定される。これにより、ユーザは携帯端末装置1を支持する必要がない。この点で、ユーザの利便性を得られる。例えば女性のユーザが、両手を使って化粧をすることができる。
【0058】
加えて、携帯端末装置1がハンドミラー機能を実行する際に、携帯端末装置1は、商用電力の供給を受けられる。従って、携帯端末装置1がハンドミラー機能の実行を長時間継続しても、携帯端末装置1(バッテリ38)がバッテリ切れとならない。また、携帯端末装置1がハンドミラー機能を実行する際に、商用電力を用いて照明機器15を点灯状態とすることができるので、ユーザは、さらに十分な明るさでハンドミラー機能を利用でき、かつ、携帯端末装置1(バッテリ38)がバッテリ切れとならない。
【0059】
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、携帯端末装置1とクレードル装置2との双方に、磁気センサ21及磁気センサ51を設けているが、携帯端末装置1又はクレードル装置2のどちらか一方に、センサを設ける構成としてもよい。
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、磁気センサを用いて携帯端末装置の装着状態を検出しているが、他の方法を用いるようにしてもよい。例えば、第1の実施形態において、携帯端末装置1が、充電用端子25の反対側(撮像部16のある側)にも端子を具備し、主制御部31が、当該端子に充電用端子55から供給される電力を検出することによって、充電用端子25を上側にしてクレードル装置2に装着されたことを検出するようにしてもよい。
また、クレードル装置は、上記のように充電器であってもよいし、専用の照明台など充電器以外のものであってもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 携帯端末装置
2 クレードル装置
13 タッチパネル操作部
14 表示部
15、54 照明機器
16 撮像部
21、51 磁気センサ
22、52 マグネット
25、55 充電用端子
31 主制御部
32 ROM
33 フラッシュメモリ
34 RAM
36 無線通信部
38 バッテリ
39 充電制御部
50 機器保持部
57 コネクタ
60 AC/DCアダプタ
62 スイッチ回路
63 スイッチ制御部
100 携帯端末システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、前記撮像部の撮像レンズと同一面に配置されて前記撮像部による撮像画像を表示可能な表示部と、を具備する携帯端末装置と、
前記携帯端末装置を載置可能なクレードル装置と、
照明機器と、
前記携帯端末装置が前記クレードル装置に載置されたことを検出する検出部と
を具備し、
前記照明機器は、前記携帯端末装置が前記クレードル装置に載置されたことを前記検出部が検出すると発光することを特徴とする携帯端末システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、前記携帯端末装置が前記クレードル装置に載置されたことを前記検出部が検出すると、前記撮像部で撮像された像の鏡像画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項3】
前記検出部は、更に、前記携帯端末装置を前記クレードル装置に装着したときの装着方向を検出することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、前記検出部で検出された装着方向に応じて、前記撮像部で撮像された像の鏡像画面を前記表示部に表示させる動作を行うか否かを決定することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末システム。
【請求項5】
前記クレードル装置は、前記検出部で検出された装着方向に応じて、前記照明機器を点灯させるか否かを決定することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末システム。
【請求項6】
前記検出部は、前記携帯端末装置側に具備されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項7】
前記検出部は、前記クレードル装置側に具備されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項8】
照明機器と、携帯端末装置が載置されたことを検出する検出部と、を具備し、
前記携帯端末装置が載置されたことを前記検出部が検出すると、前記照明機器を発光することを特徴とするクレードル装置。
【請求項9】
照明機器と、クレードル装置に載置されたことを検出する検出部と、を具備し、
前記クレードル装置に載置されたことを前記検出部が検出すると、前記照明機器を発光することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
撮像部と、前記撮像部の撮像レンズと同一面に配置されて前記撮像部による撮像画像を表示可能な表示部と、クレードル装置に載置されたことを検出する検出部と、を具備し、
前記クレードル装置に載置されたことを前記検出部が検出すると、前記撮像部で撮像された像の鏡像画面を前記表示部に表示させることを特徴とする携帯端末装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−151715(P2012−151715A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9514(P2011−9514)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】