説明

携帯端末収納袋

【課題】収納するだけで、携帯端末のタッチパネルに付いた指紋などの汚れを取り除くことができる携帯端末収納袋を提供する。
【解決手段】この発明の携帯端末収納袋は、一端に開口部を有する袋状に生地を形成してなる携帯端末収納袋であって、生地の少なくとも携帯端末と接する面が割繊糸を起毛状に形成してなる起毛面からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチパネルを有する携帯端末を収納する携帯端末収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、操作と機能拡張の容易さから、キーボードと液晶画面を備えた携帯電話よりも、タッチパネルを有する携帯端末(スマートフォン)の使用が増えてきている。また、携帯端末の多くは、液晶画面や外装ケースの汚れを防いだり、個人の趣味性などのため、収納ケースやに入れて保管・使用されている。
【0003】
このような収納ケースとしては、例えば、シリコーンゴムなどの弾性を有する素材からなり、携帯端末の外装ケースに密着するもの、皮革、合成皮革、シリコーン樹脂からなり、携帯端末を内部に収納するものなど様々なものが、従来から製造・販売されている(非特許文献1を参照。)。また、タッチパネルの汚れを防ぐための液晶保護シート(非特許文献2を参照。)や、超極細繊維の不織布からなる払拭面を備え、この払拭面で液晶画面を払拭する携帯液晶クリーナー(非特許文献3を参照。)も製造・販売されている
【0004】
しかし、従来からある収納ケースは、携帯端末を収納はできても、タッチパネルの汚れを払拭することはできず、別途携帯液晶クリーナーなどで払拭しなければならなかった。また、液晶保護シートをタッチパネルの表面に貼り付ければ、タッチパネルそのものの汚れは防げるものの、液晶保護シートの表面は汚れてしまうため、タッチパネル部分には余り清潔感を感じられなかった。さらに、携帯液晶クリーナーを使用して、タッチパネルの清潔感を保つためには、携帯端末を使用するたびにタッチパネルを払拭しなければならなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"携帯ケース・携帯ホルダー"、[online]、[平成23年4月25日検索]、インターネット<URL:http://www.strapya.com/categories/12_34.html>
【非特許文献2】"画面保護覗き見防止 液晶保護シート"、[online]、[平成23年4月25日検索]、インターネット<http://www.strapya.com/categories/12_41.html>
【非特許文献3】"携帯液晶クリーナー"、[online]、[平成23年4月25日検索]、インターネット<http://www.strapya.com/categories/12_646_1654.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、収納するだけで簡単に携帯端末のタッチパネルに付いた指紋などの汚れを払拭することができる携帯端末収納袋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、携帯端末収納袋の携帯端末と接する面が、割繊糸が起毛している起毛面かならなることを、最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の携帯端末収納袋は、携帯端末を出し入れする際に起毛面とタッチパネル等が擦れあうため、タッチパネルの表面に付いた指紋などの汚れを拭い去ることができ、携帯端末の使用者に清潔感を与えることができる。また、携帯端末収納袋の両面に起毛面を設ければ、携帯端末の入った携帯端末収納袋が、ポケットなどから滑り落ちることを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、携帯端末収納袋の概観図である。
【図2】図2は、割繊糸の製造途中を模式的に示す図である。
【図3】図3は、他の割繊糸の製造途中を模式的に示す図である。
【図4】図4は、携帯端末収納袋の使用状態を示す概観図である。
【図5】図5は、携帯端末収納袋の他の使用状態を示す概観図である。
【図6】図6は、他の携帯端末収納袋を構成する生地の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の携帯端末収納袋は、一端に開口部を有する袋状に生地を形成してなり、前記生地の少なくとも携帯端末と接する面は割繊糸を起毛状に形成してなる起毛面である。そこで、以下にその詳細について図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、この発明にかかる携帯端末収納袋1の概観図である。この図に示すように、携帯端末1は、表面1aと裏面1bを有する筒状編地2からなり、その一端には外部に対して開口するとともに拡縮自在な開口部1cが設けてあり、他端には閉塞している閉塞部1dが設けてある。
【0012】
筒状編地2は、後述する割繊糸やゴム糸などの弾性糸等からなる微細糸を、少なくとも裏面1bがループパイル状に起毛するように、横編機で筒状に編成したものである。なお、開口部1cは、筒状編地2の編成時に、微細糸を割繊糸から弾性糸に代えて編成することによって形成する。また、閉塞部1dは筒状編地2の端部をリンキングによって閉塞することによって形成する。
【0013】
ここで、割繊糸とは、特定の溶媒に溶解しない合成樹脂と溶解する合成樹脂とを溶融状態で複数のノズルから吐出して複合させつつ混合紡糸を行ったのち、溶媒で溶解する構成樹脂を溶解・除去してなる糸のことである。なお、混合紡糸の一部を溶媒するため、割繊糸は角を有する糸である。
【0014】
溶媒に溶解しない合成樹脂と溶解する合成樹脂の組み合わせとしては、例えば、ナイロン(登録商標)とアルカリ易溶ポリエステルとが挙げられるが、これに限定されるものではなく、同様の効果が得られるのであれば公知の合成樹脂を組み合わせて使用すればよい。
【0015】
割繊糸としては、例えば、図2に示すように、アルカリ易溶ポリマーを分割部32に介在させた状態でナイロン製中空繊維3を紡出したのち、アルカリ減量加工により分割部32を分割開繊することによって得られる、角部31aを有する繊維31が挙げられる。
【0016】
また、他の割繊糸としては、例えば、図3に示すように、中心から放射状に伸びるナイロン核51と隙間に楔型に配置されるポリエステル52とを混合紡糸し、この混合糸5を特殊化学処理により分割開繊することによって得られる、角52aを有するポリエステル製の割繊糸52が挙げられる。
【0017】
このようにして得られた携帯端末収納袋1の少なくとも裏面1bは、ループパイル状に割繊糸31、52が起毛している起毛面である。そのため、図4に示すように、携帯端末収納袋1から携帯端末Sを手Hで取り出す際には、携帯端末Sのタッチパネル(図示せず。)と裏面1bとが擦れあい、携帯端末Sのタッチパネルに付着した指紋などの汚れを除去することができる。
【0018】
なお、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる範囲で様々な変更を加えてもよい。
【0019】
例えば、携帯端末Sと裏面1bとが擦れあうのであれば、携帯端末収納袋1は、使用者の好みに応じて、特定のキャラクターの形状していてもよく、表面1aにラインストーンなどを貼り付けてもよい。
【0020】
また、開口部1cは、弾性糸で編成するほか、開口部1cの端部に沿って通穴を形成し、この通穴にゴム紐や紐を通すことによっても、拡縮自在にすることができる。閉鎖部1dについても、リンキングによって閉鎖するのではなく、靴下などの無縫製ニットと同じような方法で閉鎖してもよい。
【0021】
さらに、表面1a及び裏面1bの両方が起毛面であってもよい。これによって、図5に示すように、携帯端末Sを携帯端末収納袋1に収納し、この携帯端末収納袋1をポケットPに入れても、携帯端末収納袋1の表面1aとポケットPの内面との間に摩擦が生じ、携帯電話端末Sと携帯端末収納袋1がポケットPから滑り落ち難くなる。
【0022】
加えて、編地ではなく、図6に示すように、割繊糸がループ状の起毛7を生じるように織布を織成し、この織布を少なくとも裏面1bになるように袋状に縫製して、携帯端末収納袋1を形成してもよい。なお、ループの先端を切断して起毛状にしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1 携帯端末収納袋
1a 表面
1b 裏面
1c 開口部
1d 閉鎖部
2 筒状編地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有する袋状に生地を形成してなる携帯端末収納袋であって、
生地の少なくとも携帯端末と接する面が割繊糸を起毛状に形成してなる起毛面からなる携帯端末収納袋。
【請求項2】
生地の両面が、起毛面である請求項1に記載の携帯端末収納袋。
【請求項3】
生地が、編地である請求項1に記載の携帯端末収納袋。
【請求項4】
開口部が拡縮自在である請求項1に記載の携帯端末収納袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−243078(P2012−243078A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112360(P2011−112360)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(593225518)三ツ星靴下株式会社 (7)
【Fターム(参考)】