携帯端末用置台
【課題】携帯端末の形状に応じて形成されるホルダと各携帯端末にて共用されるベースユニットとを着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上し得る携帯端末用置台を提供する。
【解決手段】携帯端末10を保持可能に形成されるホルダ30には、弾性変形可能なスナップフィット35a〜35dが4つ形成され、充電手段として回路基板50を有するベースユニット40には、各スナップフィット35a〜35dの先端部36がそれぞれ弾性的に係合する係合端面44a〜44dが同数形成されている。そして、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dにそれぞれ係合した状態で、2つのねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられる。
【解決手段】携帯端末10を保持可能に形成されるホルダ30には、弾性変形可能なスナップフィット35a〜35dが4つ形成され、充電手段として回路基板50を有するベースユニット40には、各スナップフィット35a〜35dの先端部36がそれぞれ弾性的に係合する係合端面44a〜44dが同数形成されている。そして、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dにそれぞれ係合した状態で、2つのねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を載置する携帯端末用置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を載置する置台が各種提供されている。例えば、下記特許文献1に開示される充電用卓上ホルダユニット構造では、互いに独立した部材であって着脱可能な卓上ユニットと、充電対象の携帯端末に対応するホルダカバーとが用意される。卓上ユニットの上面には携帯端末の充電端子と当接して充電電流を供給する給電端子が設けられており、また、ホルダカバーの保持部には、給電端子を露出させるための開口部が設けられている。そして、ホルダカバーの嵌合爪を卓上ユニットの嵌合用凹部に嵌合させるようにホルダカバーを卓上ユニットに覆い被せることで、給電端子が開口部から露出するように両部材が組み付けられる。
【0003】
このように組み付けられたホルダカバーの保持部に対して携帯端末が保持されると、充電端子と給電端子とが当接して、当該携帯端末に対して充電が開始される。そして、異なる形状の携帯端末を充電する場合には、卓上ユニットからホルダカバーを外し、その携帯端末用に形成されたホルダカバーを卓上ユニットに覆い被せることで、異なる形状の携帯端末であっても充電が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−212726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されるような携帯端末用置台では、携帯端末の形状に応じてそれぞれ形成されるホルダと、各携帯端末にて共用されるベースユニットとの組付けが、嵌合爪と嵌合用凹部との嵌合を用いてなされている。このため、落下などの衝撃が携帯端末用置台に作用すると、上記嵌合箇所が破損等してしまう場合があり、堅牢性が不十分であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、携帯端末の形状に応じて形成されるホルダと各携帯端末にて共用されるベースユニットとを着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上し得る携帯端末用置台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の携帯端末用置台は、携帯端末(10)を保持可能に形成されるホルダ(30)と、前記ホルダに対して着脱可能に形成されて、当該ホルダに保持される前記携帯端末の端子に電気的に接続した接続端子(51)を介して当該携帯端末を充電する充電手段(50)を有するベースユニット(40)と、を備える携帯端末用置台(20)であって、前記ホルダには、弾性変形可能な係合部(35a〜35d)が複数形成され、前記ベースユニットには、前記複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部(44a〜44d)が同数形成され、前記ホルダおよび前記ベースユニットは、前記複数の係合部が前記被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材(46)により1または2箇所以上締結されて組み付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットは、前記接続端子を介して前記ホルダに保持される前記携帯端末と通信可能な通信手段(50)を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニット内には、前記接続端子が実装される基板(50)が収容され、前記基板には、前記締結部材が締結する締結部(55)が設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットは、外郭を構成する筐体(41)が、前記ホルダが組み付けられる一側ケース(41a)と他側ケース(41b)とを組み付けて構成され、前記他側ケースには、前記係合部と前記被係合部との係合箇所を露出可能な露出口(49a〜49d)が係合箇所ごとに形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記複数の被係合部は、前記ベースユニット内の四隅にて対応する前記係合部に係合するように、それぞれ配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットには、前記充電手段による通電及び充電池の充電状態を表示する表示部(52)が設けられ、前記ホルダには、前記ベースユニットとの組み付け時に、前記表示部の周囲を覆い当該表示部を開口(38)を介して露出させるカバー部(37)が設けられることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、携帯端末を保持可能に形成されるホルダには、弾性変形可能な係合部が複数形成され、充電手段を有するベースユニットには、複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部が同数形成されている。そして、ホルダおよびベースユニットは、複数の係合部が被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられる。
【0014】
このように、ホルダおよびベースユニットは、係合部と被係合部とにより複数箇所係合されるので、携帯端末の形状に応じて形成されるホルダと各携帯端末にて共用されるベースユニットとを着脱可能であって、さらに、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられることで、組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明では、ベースユニットは、接続端子を介してホルダに保持される携帯端末と通信可能な通信手段を備えるため、充電機能だけでなく通信機能をも兼ね備えるベースユニットであっても、ホルダと着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0016】
請求項3の発明では、ベースユニット内には、接続端子が実装される基板が収容されており、この基板には、締結部材が締結する締結部が設けられるため、当該締結部材による締結により、ホルダと接続端子との位置ずれが抑制される。これにより、ホルダに保持される携帯端末の端子とベースユニットの接続端子とを確実に電気的に接続することができる。
【0017】
請求項4の発明では、ベースユニットの外郭を構成する筐体が、一側ケースおよび他側ケースを組み付けて構成され、他側ケースには、係合部と被係合部との係合箇所を露出可能な露出口が係合箇所ごとに形成される。これにより、ホルダを取り替える場合には、他側ケースの露出口を利用して各係合部と被係合部との係合を解除すればよく、一側ケースと他側ケースとを分離する必要もないので、共用されるベースユニットに対してホルダを取り替える取替作業を容易に実施することができる。
【0018】
請求項5の発明では、複数の被係合部は、ベースユニット内の四隅にて対応する係合部に係合するように、それぞれ配置されるため、衝撃などの外力が作用する場合でも、この外力が四方に分散されて各係合箇所に伝達されることとなる。これにより、上記外力が作用することによる係合部および被係合部の破損等を抑制することができる。
【0019】
請求項6の発明では、ホルダには、ベースユニットとの組み付け時に、通電及び充電池の充電状態を表示する表示部の周囲を覆い当該表示部を開口を介して露出させるカバー部が設けられている。これにより、通電及び充電池の充電状態を表示部を用いて表示しつつ、その表示部をカバー部により保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る携帯端末用置台に携帯端末を保持した状態を示す説明図であり、図1(A)は、正面図を示し、図1(B)は、側面図を示す。
【図2】携帯端末用置台の詳細構成を説明する説明図であり、図2(A)は、上面図を示し、図2(B)は側面図を示す。
【図3】図2に示す携帯端末用置台の背面図である。
【図4】図2に示す携帯端末用置台の下面図である。
【図5】ホルダの詳細構成を説明する説明図であり、図5(A)は、上面図を示し、図5(B)は側面図を示す。
【図6】図5に示すホルダの背面図である。
【図7】図5に示すホルダの下面図である。
【図8】上ケースの詳細構成を説明する説明図であり、図8(A)は、上面図を示し、図8(B)は側面図を示す。
【図9】図8に示す上ケースの正面図である。
【図10】図8に示す上ケースの背面図である。
【図11】図8に示す上ケースの下面図である。
【図12】図2(A)のA−A線相当の切断面による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る携帯端末用置台を具現化した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る携帯端末用置台20に携帯端末10を保持した状態を示す説明図であり、図1(A)は、正面図を示し、図1(B)は、側面図を示す。
図1に示す携帯端末用置台20は、ホルダ30の収容部31の収容された携帯端末10のコネクタが底部33に設けられるコネクタ51に電気的に接続されることで、携帯端末10を、充電可能な状態であって当該携帯端末用置台20を介して外部装置と通信可能な状態で保持するための置台である。
【0022】
携帯端末用置台20の充電・通信対象となる携帯端末10は、例えば、バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取るコードリーダとして機能するもので、筐体11内にコードリーダを構成するための回路基板や光源、レンズ、受光センサ、記憶装置等の各種電気部品と、これら各種電気部品の電源として機能する充電可能な充電池13とが収容されるように構成されている。この筐体11内の電気的構成は、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)と同様の構成とすることができる。また、携帯端末10の下端部には、外部接続用のコネクタが設けられており、このコネクタは、特許請求の範囲に記載の「携帯端末の端子」の一例に相当する。
【0023】
次に、本発明に係る携帯端末用置台20の詳細構成について、図2〜図11を用いて説明する。図2は、携帯端末用置台20の詳細構成を説明する説明図であり、図2(A)は、上面図を示し、図2(B)は側面図を示す。図3は、図2に示す携帯端末用置台20の背面図である。図4は、図2に示す携帯端末用置台20の下面図である。図5は、ホルダ30の詳細構成を説明する説明図であり、図5(A)は、上面図を示し、図5(B)は側面図を示す。図6は、図5に示すホルダ30の背面図である。図7は、図5に示すホルダ30の下面図である。図8は、上ケース41aの詳細構成を説明する説明図であり、図8(A)は、上面図を示し、図8(B)は側面図を示す。図9は、図8に示す上ケース41aの正面図である。図10は、図8に示す上ケース41aの背面図である。図11は、図8に示す上ケース41aの下面図である。
【0024】
図2〜図4に示すように、携帯端末用置台20は、携帯端末10の下端部を保持する樹脂製のホルダ30と、このホルダ30に対して着脱可能に形成されるベースユニット40とを備えている。ホルダ30は、充電・通信対象となる携帯端末10の形状に応じて各種用意されるものであり、ベースユニット40は、各種のホルダ30にて共用されるものである。すなわち、携帯端末用置台20は、共通のベースユニット40に対して、充電・通信対象となる携帯端末10の形状に応じたホルダ30を組み付けることで構成される標準化が図られた置台である。
【0025】
図5〜図7に示すように、ホルダ30の上面には、携帯端末10の下端部を収容して保持する収容部31が設けられており、この収容部31は、携帯端末10の下端部の両側面を挟持する2つの案内部32と、携帯端末10を下方から支持する底部33とから構成されている。両案内部32は、挟持すべき携帯端末10の下端部の両側面を下方に案内して、この下端部が底部33に接触するときに当該下端部を挟持するようにそれぞれ形成されている。
【0026】
底部33には、ベースユニット40との組み付け時に、後述するコネクタ51を露出させるための矩形状の開口33aが形成されるとともに、この開口33aの近傍に2つの締結用の締結穴33bが形成されている。
【0027】
図6および図7に示すように、ホルダ30の内面34には、ベースユニット40との組み付け時に、後述する係合端面44a〜44dにそれぞれ係合する弾性変形可能な係合部として4つのスナップフィット35a〜35dが設けられている。これら各スナップフィット35a〜35dは、内面34の四隅近傍から下方に伸びて、その先端部36がそれぞれ爪状に形成されている。特に、各スナップフィット35a〜35dは、後述する下ケース41bの露出口49a〜49dの近傍にて係合端面44a〜44dに係合するため、上下方向に伸びるように形成されている。また、ホルダ30の前側(図5の左側)の側壁37には、後述する表示部52を露出させる開口38が形成されている。
【0028】
図2〜図4に示すように、ベースユニット40は、その外郭を構成する樹脂製の筐体41が、ホルダ30が組み付けられる上ケース41aと、下ケース41bとを組み付けて形成される。図8〜図11に示すように、上ケース41aは、下方が略矩形状に開口する箱状に形成されており、その上壁42には、各スナップフィット35a〜35dがそれぞれ挿通する4つの貫通穴43a〜43dが設けられている。
【0029】
図11に示すように、これら各貫通穴43a〜43dのうち前側(図8の左側)に配置される貫通穴43a,43bには、スナップフィット35a,35bが挿通し、その先端部36が貫通穴43a,43bの下方周縁を構成する係合端面44a,44bにそれぞれ弾性的に係合する。また、各貫通穴43a〜43dのうち後側に配置される貫通穴43c,43dは、スナップフィット35c,35dが挿通し、その先端部36が貫通穴43c,43dの下方周縁を構成する円環状の係合端面44c,44dにそれぞれ弾性的に係合する。なお、各スナップフィット35a〜35dおよび各係合端面44a〜44dは、特許請求の範囲に記載の「係合部」および「被係合部」の一例に相当し得る。
【0030】
また、上ケース41aは、各貫通穴43a〜43dを挿通したスナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dに対してそれぞれ係合するとき、その前側の側壁45の外面にてホルダ30の側壁37の内面に面接触するように形成されている。なお、ベースユニット40は、各種のホルダ30にて共用されることから、上述した各スナップフィット35a〜35dや側壁37の内面は、各種のホルダ30において共通の形状に形成されている。
【0031】
上ケース41aの上壁42の下面側には、充電手段および通信手段を有する基板として、充電機能および通信機能を実現するために各種電子部品が実装された回路基板50が取り付けられている(図2(B)参照)。この回路基板50には、携帯端末10のコネクタに接続するコネクタ51が実装されており、このコネクタ51は、回路基板50が上壁42に取り付けられる時に、当該上壁42に形成される矩形状の開口42aを介して上方に露出するように配置されている。
【0032】
上記回路基板50には、携帯端末10の通電及び充電池の充電状態を表示する表示部52が実装されている。この表示部52は、通電状態は緑色、充電池の充電状態は緑色及び赤色に発光するLED等から構成されており、通電状態は緑色、充電池の充電中は赤色に点灯し、充電が終了すると緑色に発光するように制御される。これにより、この表示部52の表示状態を見ることで、充電池13単体の充電状態を容易に確認することができる。また、回路基板50には、電源供給用の電源ポート53と、外部通信用の通信ポート54と、が実装されている。
【0033】
また、上ケース41aの上壁42には、組み付けられたホルダ30の両締結穴33bに連通する貫通穴42bが2つ形成されている。そして、回路基板50には、ホルダ30とコネクタ51との位置ずれを抑制するため、締結穴33bおよび貫通穴42bを挿通するねじ部材46が締結するためのねじ穴55が2つ設けられている。なお、ねじ部材46およびねじ穴55は、特許請求の範囲に記載の「締結部材」および「締結部」の一例に相当し得る。また、図2(A)では、説明の便宜上、ねじ部材46を破線にて図示している。
【0034】
上ケース41aの側壁45には、上壁42に組み付けられた回路基板50の表示部52が露出する開口45aが形成されている。また、上ケース41aの後壁47には、上壁42に組み付けられた回路基板50の電源ポート53および通信ポート54が露出する電源用開口47aおよび通信用開口47bが形成されている。
【0035】
上ケース41aの上壁42の後側には、携帯端末10から取り外された充電池13単体を充電するための充電池収容部48が設けられている。この充電池収容部48内には、収容された充電池13の端子に接触する充電端子56の一部が開口48aを介して露出しており、この充電端子56は、充電池13を充電可能に回路基板50に実装されている。これにより、ベースユニット40は、ホルダ30を取り付けることなく、単独で充電池13を充電可能な装置としても構成される。
【0036】
図4に示すように、下ケース41bは、略平板状に形成されており、上ケース41aに対してその下方の開口を閉塞するように組み付けられる。この下ケース41bには、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合時に、各係合箇所を露出可能な矩形状の露出口49a〜49dが係合箇所ごとに形成されている。なお、上ケース41aおよび下ケース41bは、特許請求の範囲に記載の「一側ケース」および「他側ケース」の一例に相当し得る。
【0037】
次に、ベースユニット40の組み付けについて、図12を用いて説明する。図12は、図2(A)のA−A線相当の切断面による断面図である。
上述のように構成される回路基板50を、コネクタ51、電源ポート53、通信ポート54、ねじ穴55および充電端子56が、開口42a、電源用開口47a、通信用開口47b、貫通穴42bおよび開口47aを介して露出するように、上ケース41aに組み付けた後、この上ケース41aに対してその下方の開口を閉塞するように下ケース41bを組み付けて締結等することで、ベースユニット40の組み付けが完成する。
【0038】
このように構成されるベースユニット40に対して、各スナップフィット35a〜35dを対応する貫通穴43a〜43dに挿入させるとともに、開口33aにコネクタ51を挿入させ、かつ、両締結穴33bからねじ穴55が露出するように、ホルダ30を組み付ける。そして、図12に示すように、スナップフィット35a〜35dの先端部36を対応する係合端面44a〜44dにそれぞれ係合させた状態で、連通する締結穴33bおよび貫通穴42bを介してねじ穴55にねじ部材46を締結することで、図2に示す携帯端末用置台20の組み付けが完成する。
【0039】
このとき、側壁37は、表示部52の周囲を覆い当該表示部52を開口38を介して露出させるカバー部として機能する。これにより、ベースユニット40aによる充電状態を表示部52を用いて表示しつつ、その表示部52をカバー部として機能する側壁37により保護することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末用置台20では、携帯端末10を保持可能に形成されるホルダ30には、弾性変形可能なスナップフィット35a〜35dが4つ形成され、充電手段として回路基板50を有するベースユニット40には、各スナップフィット35a〜35dの先端部36がそれぞれ弾性的に係合する係合端面44a〜44dが同数形成されている。そして、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dにそれぞれ係合した状態で、2つのねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられる。
【0041】
このように、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの複数箇所の係合に加えて、両ねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられるので、携帯端末10の形状に応じて形成されるホルダ30と各携帯端末10にて共用されるベースユニット40とを着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0042】
このように携帯端末用置台20の堅牢性が高められるので、当該携帯端末用置台20の落下に起因する衝撃などの外力が作用する場合でも、上ケース41aと下ケース41bとの分離や上記係合箇所の破損を防止することができる。
なお、各スナップフィット(35a〜35d)の先端部36と係合端面(44a〜44d)との係合箇所は4つに限らず、組み付け状態に応じて、2つまたは3つでもよいし、5つ以上であってもよい。また、ねじ部材46によるホルダ30とベースユニット40との締結箇所は、2箇所に限らず、組み付け状態に応じて、1箇所でもよいし、3箇所以上でもよい。
【0043】
また、ベースユニット40は、コネクタ51を介してホルダ30に保持される携帯端末10と通信可能な通信手段として回路基板50を備えるため、充電機能だけでなく通信機能をも兼ね備えるベースユニット40であっても、ホルダ30と着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0044】
さらに、ベースユニット40内には、コネクタ51が実装される回路基板50が収容されており、この回路基板50には、両ねじ部材46が締結するねじ穴55が2つ設けられるため、当該両ねじ部材46による締結により、ホルダ30とコネクタ51との位置ずれが抑制される。これにより、ホルダ30に保持される携帯端末10のコネクタとベースユニット40のコネクタ51とを確実に電気的に接続することができる。
【0045】
さらにまた、ベースユニット40の外郭を構成する筐体41が、上ケース41aおよび下ケース41bを組み付けて構成され、下ケース41bには、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合箇所を露出可能な露出口49a〜49dが係合箇所ごとに形成される。これにより、ホルダ30を他のホルダと取り替える場合には、下ケース41bの露出口49a〜49dを利用して各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合を解除すればよく、上ケース41aと下ケース41bとを分離する必要もないので、共用されるベースユニット40に対してホルダ30を取り替える取替作業を容易に実施することができる。
【0046】
特に、各スナップフィット35a〜35dは、下ケース41bの露出口49a〜49dの近傍にて係合端面44a〜44dに係合するため、露出口49a〜49dから離れた位置にて係合する場合と比較して、露出口49a〜49dを介した先端部36と係合端面44a〜44dとの係合の解除作業を容易に実施することができる。
【0047】
また、各係合端面44a〜44dは、上ケース41a内の四隅にて対応する各スナップフィット35a〜35dの先端部36に係合するように、それぞれ配置されるため、衝撃などの外力が作用する場合でも、この外力が四方に分散されて各係合箇所に伝達されることとなる。これにより、上記外力が作用することによる各スナップフィット35a〜35dや係合端面44a〜44dの破損等を抑制することができる。
【0048】
さらにまた、ベースユニット40には、回路基板50による携帯端末10の充電状態または充電池13単体の充電状態を表示する表示部52が側壁45に設けられているため、この表示部52の表示状態を見ることで、携帯端末10の充電状態または充電池13単体の充電状態を容易に確認することができる。
【0049】
そして、ホルダ30の側壁37は、ベースユニット40との組み付け時に、表示部52の周囲を覆い当該表示部52を開口38を介して露出させるカバー部として機能する。これにより、ベースユニット40による充電状態を表示部52を用いて表示しつつ、その表示部52をカバー部として機能する側壁37により保護することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る携帯端末用置台20は、情報コードを光学的に読み取るコードリーダとして機能する携帯端末を充電・通信対象とすることに限らず、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末を充電・通信対象としてもよい。
【0051】
(2)本発明に係る携帯端末用置台20は、保持する携帯端末10に対して充電機能および通信機能の双方を有することに限らず、充電機能および通信機能のいずれか一方のみを有してもよいし、両機能の少なくとも一方に加えて他の機能を有してもよい。
【0052】
(3)ホルダ30は、ベースユニット40の係合端面44a〜44dに対して、各スナップフィット35a〜35dの先端部36にて係合するように形成されることに限らず、例えば、爪状突起などの弾性的に変形する係合部にて係合するように形成されてもよい。
【0053】
(4)ベースユニット40は、ホルダ30の各スナップフィット35a〜35dの先端部36が、各係合端面44a〜44dに係合するように形成されることに限らず、例えば、凹部などの被係合部に係合するように形成されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…携帯端末
13…充電池
20…携帯端末用置台
30…ホルダ
31…収容部
35a〜35d…スナップフィット(係合部)
36…先端部
37…側壁(カバー部)
38…開口
40…ベースユニット
41…筐体
41a…上ケース(一側ケース)
41b…下ケース(他側ケース)
43a〜43d…貫通穴
44a〜44d…係合端面(被係合部)
46…ねじ部材(締結部材)
49a〜49d…露出口
50…回路基板(基板,充電手段,通信手段)
51…コネクタ(接続端子)
52…表示部
55…ねじ穴(締結部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を載置する携帯端末用置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を載置する置台が各種提供されている。例えば、下記特許文献1に開示される充電用卓上ホルダユニット構造では、互いに独立した部材であって着脱可能な卓上ユニットと、充電対象の携帯端末に対応するホルダカバーとが用意される。卓上ユニットの上面には携帯端末の充電端子と当接して充電電流を供給する給電端子が設けられており、また、ホルダカバーの保持部には、給電端子を露出させるための開口部が設けられている。そして、ホルダカバーの嵌合爪を卓上ユニットの嵌合用凹部に嵌合させるようにホルダカバーを卓上ユニットに覆い被せることで、給電端子が開口部から露出するように両部材が組み付けられる。
【0003】
このように組み付けられたホルダカバーの保持部に対して携帯端末が保持されると、充電端子と給電端子とが当接して、当該携帯端末に対して充電が開始される。そして、異なる形状の携帯端末を充電する場合には、卓上ユニットからホルダカバーを外し、その携帯端末用に形成されたホルダカバーを卓上ユニットに覆い被せることで、異なる形状の携帯端末であっても充電が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−212726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されるような携帯端末用置台では、携帯端末の形状に応じてそれぞれ形成されるホルダと、各携帯端末にて共用されるベースユニットとの組付けが、嵌合爪と嵌合用凹部との嵌合を用いてなされている。このため、落下などの衝撃が携帯端末用置台に作用すると、上記嵌合箇所が破損等してしまう場合があり、堅牢性が不十分であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、携帯端末の形状に応じて形成されるホルダと各携帯端末にて共用されるベースユニットとを着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上し得る携帯端末用置台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の携帯端末用置台は、携帯端末(10)を保持可能に形成されるホルダ(30)と、前記ホルダに対して着脱可能に形成されて、当該ホルダに保持される前記携帯端末の端子に電気的に接続した接続端子(51)を介して当該携帯端末を充電する充電手段(50)を有するベースユニット(40)と、を備える携帯端末用置台(20)であって、前記ホルダには、弾性変形可能な係合部(35a〜35d)が複数形成され、前記ベースユニットには、前記複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部(44a〜44d)が同数形成され、前記ホルダおよび前記ベースユニットは、前記複数の係合部が前記被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材(46)により1または2箇所以上締結されて組み付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットは、前記接続端子を介して前記ホルダに保持される前記携帯端末と通信可能な通信手段(50)を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニット内には、前記接続端子が実装される基板(50)が収容され、前記基板には、前記締結部材が締結する締結部(55)が設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットは、外郭を構成する筐体(41)が、前記ホルダが組み付けられる一側ケース(41a)と他側ケース(41b)とを組み付けて構成され、前記他側ケースには、前記係合部と前記被係合部との係合箇所を露出可能な露出口(49a〜49d)が係合箇所ごとに形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記複数の被係合部は、前記ベースユニット内の四隅にて対応する前記係合部に係合するように、それぞれ配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末用置台において、前記ベースユニットには、前記充電手段による通電及び充電池の充電状態を表示する表示部(52)が設けられ、前記ホルダには、前記ベースユニットとの組み付け時に、前記表示部の周囲を覆い当該表示部を開口(38)を介して露出させるカバー部(37)が設けられることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、携帯端末を保持可能に形成されるホルダには、弾性変形可能な係合部が複数形成され、充電手段を有するベースユニットには、複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部が同数形成されている。そして、ホルダおよびベースユニットは、複数の係合部が被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられる。
【0014】
このように、ホルダおよびベースユニットは、係合部と被係合部とにより複数箇所係合されるので、携帯端末の形状に応じて形成されるホルダと各携帯端末にて共用されるベースユニットとを着脱可能であって、さらに、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられることで、組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明では、ベースユニットは、接続端子を介してホルダに保持される携帯端末と通信可能な通信手段を備えるため、充電機能だけでなく通信機能をも兼ね備えるベースユニットであっても、ホルダと着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0016】
請求項3の発明では、ベースユニット内には、接続端子が実装される基板が収容されており、この基板には、締結部材が締結する締結部が設けられるため、当該締結部材による締結により、ホルダと接続端子との位置ずれが抑制される。これにより、ホルダに保持される携帯端末の端子とベースユニットの接続端子とを確実に電気的に接続することができる。
【0017】
請求項4の発明では、ベースユニットの外郭を構成する筐体が、一側ケースおよび他側ケースを組み付けて構成され、他側ケースには、係合部と被係合部との係合箇所を露出可能な露出口が係合箇所ごとに形成される。これにより、ホルダを取り替える場合には、他側ケースの露出口を利用して各係合部と被係合部との係合を解除すればよく、一側ケースと他側ケースとを分離する必要もないので、共用されるベースユニットに対してホルダを取り替える取替作業を容易に実施することができる。
【0018】
請求項5の発明では、複数の被係合部は、ベースユニット内の四隅にて対応する係合部に係合するように、それぞれ配置されるため、衝撃などの外力が作用する場合でも、この外力が四方に分散されて各係合箇所に伝達されることとなる。これにより、上記外力が作用することによる係合部および被係合部の破損等を抑制することができる。
【0019】
請求項6の発明では、ホルダには、ベースユニットとの組み付け時に、通電及び充電池の充電状態を表示する表示部の周囲を覆い当該表示部を開口を介して露出させるカバー部が設けられている。これにより、通電及び充電池の充電状態を表示部を用いて表示しつつ、その表示部をカバー部により保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る携帯端末用置台に携帯端末を保持した状態を示す説明図であり、図1(A)は、正面図を示し、図1(B)は、側面図を示す。
【図2】携帯端末用置台の詳細構成を説明する説明図であり、図2(A)は、上面図を示し、図2(B)は側面図を示す。
【図3】図2に示す携帯端末用置台の背面図である。
【図4】図2に示す携帯端末用置台の下面図である。
【図5】ホルダの詳細構成を説明する説明図であり、図5(A)は、上面図を示し、図5(B)は側面図を示す。
【図6】図5に示すホルダの背面図である。
【図7】図5に示すホルダの下面図である。
【図8】上ケースの詳細構成を説明する説明図であり、図8(A)は、上面図を示し、図8(B)は側面図を示す。
【図9】図8に示す上ケースの正面図である。
【図10】図8に示す上ケースの背面図である。
【図11】図8に示す上ケースの下面図である。
【図12】図2(A)のA−A線相当の切断面による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る携帯端末用置台を具現化した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る携帯端末用置台20に携帯端末10を保持した状態を示す説明図であり、図1(A)は、正面図を示し、図1(B)は、側面図を示す。
図1に示す携帯端末用置台20は、ホルダ30の収容部31の収容された携帯端末10のコネクタが底部33に設けられるコネクタ51に電気的に接続されることで、携帯端末10を、充電可能な状態であって当該携帯端末用置台20を介して外部装置と通信可能な状態で保持するための置台である。
【0022】
携帯端末用置台20の充電・通信対象となる携帯端末10は、例えば、バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取るコードリーダとして機能するもので、筐体11内にコードリーダを構成するための回路基板や光源、レンズ、受光センサ、記憶装置等の各種電気部品と、これら各種電気部品の電源として機能する充電可能な充電池13とが収容されるように構成されている。この筐体11内の電気的構成は、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)と同様の構成とすることができる。また、携帯端末10の下端部には、外部接続用のコネクタが設けられており、このコネクタは、特許請求の範囲に記載の「携帯端末の端子」の一例に相当する。
【0023】
次に、本発明に係る携帯端末用置台20の詳細構成について、図2〜図11を用いて説明する。図2は、携帯端末用置台20の詳細構成を説明する説明図であり、図2(A)は、上面図を示し、図2(B)は側面図を示す。図3は、図2に示す携帯端末用置台20の背面図である。図4は、図2に示す携帯端末用置台20の下面図である。図5は、ホルダ30の詳細構成を説明する説明図であり、図5(A)は、上面図を示し、図5(B)は側面図を示す。図6は、図5に示すホルダ30の背面図である。図7は、図5に示すホルダ30の下面図である。図8は、上ケース41aの詳細構成を説明する説明図であり、図8(A)は、上面図を示し、図8(B)は側面図を示す。図9は、図8に示す上ケース41aの正面図である。図10は、図8に示す上ケース41aの背面図である。図11は、図8に示す上ケース41aの下面図である。
【0024】
図2〜図4に示すように、携帯端末用置台20は、携帯端末10の下端部を保持する樹脂製のホルダ30と、このホルダ30に対して着脱可能に形成されるベースユニット40とを備えている。ホルダ30は、充電・通信対象となる携帯端末10の形状に応じて各種用意されるものであり、ベースユニット40は、各種のホルダ30にて共用されるものである。すなわち、携帯端末用置台20は、共通のベースユニット40に対して、充電・通信対象となる携帯端末10の形状に応じたホルダ30を組み付けることで構成される標準化が図られた置台である。
【0025】
図5〜図7に示すように、ホルダ30の上面には、携帯端末10の下端部を収容して保持する収容部31が設けられており、この収容部31は、携帯端末10の下端部の両側面を挟持する2つの案内部32と、携帯端末10を下方から支持する底部33とから構成されている。両案内部32は、挟持すべき携帯端末10の下端部の両側面を下方に案内して、この下端部が底部33に接触するときに当該下端部を挟持するようにそれぞれ形成されている。
【0026】
底部33には、ベースユニット40との組み付け時に、後述するコネクタ51を露出させるための矩形状の開口33aが形成されるとともに、この開口33aの近傍に2つの締結用の締結穴33bが形成されている。
【0027】
図6および図7に示すように、ホルダ30の内面34には、ベースユニット40との組み付け時に、後述する係合端面44a〜44dにそれぞれ係合する弾性変形可能な係合部として4つのスナップフィット35a〜35dが設けられている。これら各スナップフィット35a〜35dは、内面34の四隅近傍から下方に伸びて、その先端部36がそれぞれ爪状に形成されている。特に、各スナップフィット35a〜35dは、後述する下ケース41bの露出口49a〜49dの近傍にて係合端面44a〜44dに係合するため、上下方向に伸びるように形成されている。また、ホルダ30の前側(図5の左側)の側壁37には、後述する表示部52を露出させる開口38が形成されている。
【0028】
図2〜図4に示すように、ベースユニット40は、その外郭を構成する樹脂製の筐体41が、ホルダ30が組み付けられる上ケース41aと、下ケース41bとを組み付けて形成される。図8〜図11に示すように、上ケース41aは、下方が略矩形状に開口する箱状に形成されており、その上壁42には、各スナップフィット35a〜35dがそれぞれ挿通する4つの貫通穴43a〜43dが設けられている。
【0029】
図11に示すように、これら各貫通穴43a〜43dのうち前側(図8の左側)に配置される貫通穴43a,43bには、スナップフィット35a,35bが挿通し、その先端部36が貫通穴43a,43bの下方周縁を構成する係合端面44a,44bにそれぞれ弾性的に係合する。また、各貫通穴43a〜43dのうち後側に配置される貫通穴43c,43dは、スナップフィット35c,35dが挿通し、その先端部36が貫通穴43c,43dの下方周縁を構成する円環状の係合端面44c,44dにそれぞれ弾性的に係合する。なお、各スナップフィット35a〜35dおよび各係合端面44a〜44dは、特許請求の範囲に記載の「係合部」および「被係合部」の一例に相当し得る。
【0030】
また、上ケース41aは、各貫通穴43a〜43dを挿通したスナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dに対してそれぞれ係合するとき、その前側の側壁45の外面にてホルダ30の側壁37の内面に面接触するように形成されている。なお、ベースユニット40は、各種のホルダ30にて共用されることから、上述した各スナップフィット35a〜35dや側壁37の内面は、各種のホルダ30において共通の形状に形成されている。
【0031】
上ケース41aの上壁42の下面側には、充電手段および通信手段を有する基板として、充電機能および通信機能を実現するために各種電子部品が実装された回路基板50が取り付けられている(図2(B)参照)。この回路基板50には、携帯端末10のコネクタに接続するコネクタ51が実装されており、このコネクタ51は、回路基板50が上壁42に取り付けられる時に、当該上壁42に形成される矩形状の開口42aを介して上方に露出するように配置されている。
【0032】
上記回路基板50には、携帯端末10の通電及び充電池の充電状態を表示する表示部52が実装されている。この表示部52は、通電状態は緑色、充電池の充電状態は緑色及び赤色に発光するLED等から構成されており、通電状態は緑色、充電池の充電中は赤色に点灯し、充電が終了すると緑色に発光するように制御される。これにより、この表示部52の表示状態を見ることで、充電池13単体の充電状態を容易に確認することができる。また、回路基板50には、電源供給用の電源ポート53と、外部通信用の通信ポート54と、が実装されている。
【0033】
また、上ケース41aの上壁42には、組み付けられたホルダ30の両締結穴33bに連通する貫通穴42bが2つ形成されている。そして、回路基板50には、ホルダ30とコネクタ51との位置ずれを抑制するため、締結穴33bおよび貫通穴42bを挿通するねじ部材46が締結するためのねじ穴55が2つ設けられている。なお、ねじ部材46およびねじ穴55は、特許請求の範囲に記載の「締結部材」および「締結部」の一例に相当し得る。また、図2(A)では、説明の便宜上、ねじ部材46を破線にて図示している。
【0034】
上ケース41aの側壁45には、上壁42に組み付けられた回路基板50の表示部52が露出する開口45aが形成されている。また、上ケース41aの後壁47には、上壁42に組み付けられた回路基板50の電源ポート53および通信ポート54が露出する電源用開口47aおよび通信用開口47bが形成されている。
【0035】
上ケース41aの上壁42の後側には、携帯端末10から取り外された充電池13単体を充電するための充電池収容部48が設けられている。この充電池収容部48内には、収容された充電池13の端子に接触する充電端子56の一部が開口48aを介して露出しており、この充電端子56は、充電池13を充電可能に回路基板50に実装されている。これにより、ベースユニット40は、ホルダ30を取り付けることなく、単独で充電池13を充電可能な装置としても構成される。
【0036】
図4に示すように、下ケース41bは、略平板状に形成されており、上ケース41aに対してその下方の開口を閉塞するように組み付けられる。この下ケース41bには、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合時に、各係合箇所を露出可能な矩形状の露出口49a〜49dが係合箇所ごとに形成されている。なお、上ケース41aおよび下ケース41bは、特許請求の範囲に記載の「一側ケース」および「他側ケース」の一例に相当し得る。
【0037】
次に、ベースユニット40の組み付けについて、図12を用いて説明する。図12は、図2(A)のA−A線相当の切断面による断面図である。
上述のように構成される回路基板50を、コネクタ51、電源ポート53、通信ポート54、ねじ穴55および充電端子56が、開口42a、電源用開口47a、通信用開口47b、貫通穴42bおよび開口47aを介して露出するように、上ケース41aに組み付けた後、この上ケース41aに対してその下方の開口を閉塞するように下ケース41bを組み付けて締結等することで、ベースユニット40の組み付けが完成する。
【0038】
このように構成されるベースユニット40に対して、各スナップフィット35a〜35dを対応する貫通穴43a〜43dに挿入させるとともに、開口33aにコネクタ51を挿入させ、かつ、両締結穴33bからねじ穴55が露出するように、ホルダ30を組み付ける。そして、図12に示すように、スナップフィット35a〜35dの先端部36を対応する係合端面44a〜44dにそれぞれ係合させた状態で、連通する締結穴33bおよび貫通穴42bを介してねじ穴55にねじ部材46を締結することで、図2に示す携帯端末用置台20の組み付けが完成する。
【0039】
このとき、側壁37は、表示部52の周囲を覆い当該表示部52を開口38を介して露出させるカバー部として機能する。これにより、ベースユニット40aによる充電状態を表示部52を用いて表示しつつ、その表示部52をカバー部として機能する側壁37により保護することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末用置台20では、携帯端末10を保持可能に形成されるホルダ30には、弾性変形可能なスナップフィット35a〜35dが4つ形成され、充電手段として回路基板50を有するベースユニット40には、各スナップフィット35a〜35dの先端部36がそれぞれ弾性的に係合する係合端面44a〜44dが同数形成されている。そして、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36が係合端面44a〜44dにそれぞれ係合した状態で、2つのねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられる。
【0041】
このように、ホルダ30およびベースユニット40は、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの複数箇所の係合に加えて、両ねじ部材46により2箇所締結されて組み付けられるので、携帯端末10の形状に応じて形成されるホルダ30と各携帯端末10にて共用されるベースユニット40とを着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0042】
このように携帯端末用置台20の堅牢性が高められるので、当該携帯端末用置台20の落下に起因する衝撃などの外力が作用する場合でも、上ケース41aと下ケース41bとの分離や上記係合箇所の破損を防止することができる。
なお、各スナップフィット(35a〜35d)の先端部36と係合端面(44a〜44d)との係合箇所は4つに限らず、組み付け状態に応じて、2つまたは3つでもよいし、5つ以上であってもよい。また、ねじ部材46によるホルダ30とベースユニット40との締結箇所は、2箇所に限らず、組み付け状態に応じて、1箇所でもよいし、3箇所以上でもよい。
【0043】
また、ベースユニット40は、コネクタ51を介してホルダ30に保持される携帯端末10と通信可能な通信手段として回路基板50を備えるため、充電機能だけでなく通信機能をも兼ね備えるベースユニット40であっても、ホルダ30と着脱可能であって組み付け時の堅牢性を向上させることができる。
【0044】
さらに、ベースユニット40内には、コネクタ51が実装される回路基板50が収容されており、この回路基板50には、両ねじ部材46が締結するねじ穴55が2つ設けられるため、当該両ねじ部材46による締結により、ホルダ30とコネクタ51との位置ずれが抑制される。これにより、ホルダ30に保持される携帯端末10のコネクタとベースユニット40のコネクタ51とを確実に電気的に接続することができる。
【0045】
さらにまた、ベースユニット40の外郭を構成する筐体41が、上ケース41aおよび下ケース41bを組み付けて構成され、下ケース41bには、各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合箇所を露出可能な露出口49a〜49dが係合箇所ごとに形成される。これにより、ホルダ30を他のホルダと取り替える場合には、下ケース41bの露出口49a〜49dを利用して各スナップフィット35a〜35dの先端部36と係合端面44a〜44dとの係合を解除すればよく、上ケース41aと下ケース41bとを分離する必要もないので、共用されるベースユニット40に対してホルダ30を取り替える取替作業を容易に実施することができる。
【0046】
特に、各スナップフィット35a〜35dは、下ケース41bの露出口49a〜49dの近傍にて係合端面44a〜44dに係合するため、露出口49a〜49dから離れた位置にて係合する場合と比較して、露出口49a〜49dを介した先端部36と係合端面44a〜44dとの係合の解除作業を容易に実施することができる。
【0047】
また、各係合端面44a〜44dは、上ケース41a内の四隅にて対応する各スナップフィット35a〜35dの先端部36に係合するように、それぞれ配置されるため、衝撃などの外力が作用する場合でも、この外力が四方に分散されて各係合箇所に伝達されることとなる。これにより、上記外力が作用することによる各スナップフィット35a〜35dや係合端面44a〜44dの破損等を抑制することができる。
【0048】
さらにまた、ベースユニット40には、回路基板50による携帯端末10の充電状態または充電池13単体の充電状態を表示する表示部52が側壁45に設けられているため、この表示部52の表示状態を見ることで、携帯端末10の充電状態または充電池13単体の充電状態を容易に確認することができる。
【0049】
そして、ホルダ30の側壁37は、ベースユニット40との組み付け時に、表示部52の周囲を覆い当該表示部52を開口38を介して露出させるカバー部として機能する。これにより、ベースユニット40による充電状態を表示部52を用いて表示しつつ、その表示部52をカバー部として機能する側壁37により保護することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る携帯端末用置台20は、情報コードを光学的に読み取るコードリーダとして機能する携帯端末を充電・通信対象とすることに限らず、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末を充電・通信対象としてもよい。
【0051】
(2)本発明に係る携帯端末用置台20は、保持する携帯端末10に対して充電機能および通信機能の双方を有することに限らず、充電機能および通信機能のいずれか一方のみを有してもよいし、両機能の少なくとも一方に加えて他の機能を有してもよい。
【0052】
(3)ホルダ30は、ベースユニット40の係合端面44a〜44dに対して、各スナップフィット35a〜35dの先端部36にて係合するように形成されることに限らず、例えば、爪状突起などの弾性的に変形する係合部にて係合するように形成されてもよい。
【0053】
(4)ベースユニット40は、ホルダ30の各スナップフィット35a〜35dの先端部36が、各係合端面44a〜44dに係合するように形成されることに限らず、例えば、凹部などの被係合部に係合するように形成されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…携帯端末
13…充電池
20…携帯端末用置台
30…ホルダ
31…収容部
35a〜35d…スナップフィット(係合部)
36…先端部
37…側壁(カバー部)
38…開口
40…ベースユニット
41…筐体
41a…上ケース(一側ケース)
41b…下ケース(他側ケース)
43a〜43d…貫通穴
44a〜44d…係合端面(被係合部)
46…ねじ部材(締結部材)
49a〜49d…露出口
50…回路基板(基板,充電手段,通信手段)
51…コネクタ(接続端子)
52…表示部
55…ねじ穴(締結部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を保持可能に形成されるホルダと、
前記ホルダに対して着脱可能に形成されて、当該ホルダに保持される前記携帯端末の端子に電気的に接続した接続端子を介して当該携帯端末を充電する充電手段を有するベースユニットと、
を備える携帯端末用置台であって、
前記ホルダには、弾性変形可能な係合部が複数形成され、
前記ベースユニットには、前記複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部が同数形成され、
前記ホルダおよび前記ベースユニットは、前記複数の係合部が前記被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられることを特徴とする携帯端末用置台。
【請求項2】
前記ベースユニットは、前記接続端子を介して前記ホルダに保持される前記携帯端末と通信可能な通信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用置台。
【請求項3】
前記ベースユニット内には、前記接続端子が実装される基板が収容され、
前記基板には、前記締結部材が締結する締結部が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末用置台。
【請求項4】
前記ベースユニットは、外郭を構成する筐体が、前記ホルダが組み付けられる一側ケースと他側ケースとを組み付けて構成され、
前記他側ケースには、前記係合部と前記被係合部との係合箇所を露出可能な露出口が係合箇所ごとに形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【請求項5】
前記複数の被係合部は、前記ベースユニット内の四隅にて対応する前記係合部に係合するように、それぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【請求項6】
前記ベースユニットには、前記充電手段による通電及び充電池の充電状態を表示する表示部が設けられ、
前記ホルダには、前記ベースユニットとの組み付け時に、前記表示部の周囲を覆い当該表示部を開口を介して露出させるカバー部が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【請求項1】
携帯端末を保持可能に形成されるホルダと、
前記ホルダに対して着脱可能に形成されて、当該ホルダに保持される前記携帯端末の端子に電気的に接続した接続端子を介して当該携帯端末を充電する充電手段を有するベースユニットと、
を備える携帯端末用置台であって、
前記ホルダには、弾性変形可能な係合部が複数形成され、
前記ベースユニットには、前記複数の係合部がそれぞれ弾性的に係合する被係合部が同数形成され、
前記ホルダおよび前記ベースユニットは、前記複数の係合部が前記被係合部にそれぞれ係合した状態で、締結部材により1または2箇所以上締結されて組み付けられることを特徴とする携帯端末用置台。
【請求項2】
前記ベースユニットは、前記接続端子を介して前記ホルダに保持される前記携帯端末と通信可能な通信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用置台。
【請求項3】
前記ベースユニット内には、前記接続端子が実装される基板が収容され、
前記基板には、前記締結部材が締結する締結部が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末用置台。
【請求項4】
前記ベースユニットは、外郭を構成する筐体が、前記ホルダが組み付けられる一側ケースと他側ケースとを組み付けて構成され、
前記他側ケースには、前記係合部と前記被係合部との係合箇所を露出可能な露出口が係合箇所ごとに形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【請求項5】
前記複数の被係合部は、前記ベースユニット内の四隅にて対応する前記係合部に係合するように、それぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【請求項6】
前記ベースユニットには、前記充電手段による通電及び充電池の充電状態を表示する表示部が設けられ、
前記ホルダには、前記ベースユニットとの組み付け時に、前記表示部の周囲を覆い当該表示部を開口を介して露出させるカバー部が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末用置台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−62586(P2013−62586A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198285(P2011−198285)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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