説明

携帯端末装置およびプログラム

【課題】電子マネーを利用した地点の現在位置を電子マネーの利用位置として記憶管理しておき、過去に電子マネーを利用した利用位置を地図上に案内できるようにする。
【解決手段】電子マネーを利用した地点の現在位置を電子マネーの利用位置としてGPS受信部33から受信取得して利用履歴データベースに記憶管理している状態において、CPU21は、インターネット接続を行って地図提供サイトから地図情報を受信取得してメイン表示部2に地図を表示出力させると共に、この地図画面上に利用履歴データベースDBから読み出した利用位置を識別表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子マネー支払い機能を構成する非接触ICカード処理部を備えた携帯端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話装置および非接触ICカードの技術進歩に伴い、現金、クレジットカードに代わって電子マネーによる支払いを可能とした非接触ICカードが実用化されている。この場合、電子マネーの利用履歴に関する技術としては、たとえば、顧客の電子マネー利用履歴をプロバイダ側の利用専用履歴フォルダに保存しておき、インターネット対応の携帯電話により、電子マネー利用履歴の照会通知を行うようにした電子マネー利用履歴管理システムが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−178245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1にあっては、インターネット対応の携帯電話によって電子マネーの利用履歴を確認することができるだけであった。
また、従来においては、非接触ICカード機能を備えた携帯電話装置も実用化されており、電子マネーの利用履歴を記憶管理するようにしているが、この種の携帯電話装置においては、電子マネーを利用した利用日時、取引金額、利用店舗を知り得る程度であった。
【0004】
ところで、電子マネー支払いを日頃から頻繁に利用している店以外では、その所在位置を失念したり、思い出せないと、以前に買った商品を再び購入したくてもその店に出向くことさえできなくなる。このような場合、電子マネーの利用履歴を呼び出して一覧表示させると共に、この一覧画面の中から所望する店舗名を捜し出した後に、インターネット接続機能を使用して店舗名からその所在位置、電話番号などを調べることができるが、その都度、店舗名を捜し出したり、インターネットに接続することはユーザに大きな負担をかけると共に、調べ間違いなどの危険性もあった。
【0005】
この発明の課題は、電子マネーを利用した地点の現在位置を電子マネーの利用位置として記憶管理しておき、過去に電子マネーを利用した利用位置を地図上に案内できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、電子マネー支払い機能を構成する非接触ICカード処理部を備えた携帯端末装置であって、現在位置を取得する位置取得手段と、電子マネーを利用した地点で前記位置取得手段によって得られた位置情報を電子マネーの利用位置として記憶管理する利用履歴記憶手段と、地図情報を取得する地図取得手段と、この地図取得手段によって得られた地図情報を表示出力すると共に、前記利用履歴記憶手段から読み出した電子マネーの利用位置を当該地図画面上に識別表示する表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項10記載の発明)。
【0007】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた電子マネーの利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、前記地図画面上に利用位置が識別表示されている状態において、任意の利用位置が指定された際に、前記表示制御手段は、この指定位置に対応する利用情報を読み出して表示出力する(請求項2記載の発明)。なお、電子マネーを利用した取引に関する利用情報とは、たとえば、その取引日時、取引金額、取引商品、取引店舗などである。
【0008】
前記利用履歴記憶手段に記憶されている複数の利用位置の中から前記位置取得手段によって得られた現在位置近傍の利用位置を特定する特定手段を設け、前記地図取得手段は、この特定手段によって特定された利用位置と前記位置取得手段によって得られた現在位置とを含む周辺地図を取得し、前記表示制御手段は、前記地図取得手段によって得られた地図を表示出力すると共に、前記特定手段によって特定された利用位置を地図画面上に識別表示する(請求項3記載の発明)。
【0009】
前記表示制御手段は、前記位置取得手段によって得られた現在位置と前記特定手段によって特定された現在位置近傍の利用位置とを地図画面上に識別表示する(請求項4記載の発明)。
【0010】
前記現在位置近傍の利用位置として地図画面上に識別表示されている複数の利用位置のうち、任意の利用位置が指定された際に、この指定位置と現在位置との間の実距離を算出する算出手段を設け、前記表示制御手段は、この算出手段によって算出された実距離を表示出力する(請求項5記載の発明)。
【0011】
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、
前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた電子マネーの利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、この利用履歴記憶手段内の利用情報をキーとして検索する検索範囲が任意に指定された際に、前記表示制御手段は、指定された検索範囲に該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示する(請求項6記載の発明)。
【0012】
前記利用履歴記憶手段は、電子マネーを利用した取引日時、取引金額、取引店舗、取引商品のうち、少なくともその何れかを利用情報として記憶管理し、前記検索範囲として利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルのうち、少なくともその何れかが指定された際に、前記表示制御手段は、指定された利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルに基づいて前記利用履歴記憶手段を検索することによって該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示する(請求項7記載の発明)。
【0013】
前記利用情報取得手段は、電子マネーを利用した取引店舗を含む利用情報を取得し、前記表示制御手段は、地図画面上に利用位置を識別表示する際に、この利用位置対応の利用情報に含まれている取引店舗を当該利用位置に配置表示する(請求項8記載の発明)。
【0014】
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、前記表示制御手段は、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容を判別し、この判別結果に基づいてその表示形態を変更する(請求項9記載の発明)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、電子マネーを利用した地点の現在位置を電子マネーの利用位置として記憶管理しておき、地図情報を取得して表示出力すると共に、過去に電子マネーを利用した利用位置を当該地図画面上に識別表示するようにしたから、電子マネーを何処で利用したかを容易に把握することができる。したがって、過去に電子マネーを利用したことがある店舗の所在位置を失念したり、思い出せないような場合でも、その都度、電子マネー利用履歴の一覧表示画面から所望する店舗名を捜し出したり、インターネットに接続する必要はなく、地図上で店舗の所在位置を直接的に把握することが可能となるほか、電子マネーの利用履歴、買い物などの行動履歴を地図画面上で把握することも可能となる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有するほか、電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得すると共に、この利用情報と利用位置とを対応付けて記憶管理しておき、過去に電子マネーを利用した利用位置が地図画面上に識別表示されている状態において、任意の利用位置が指定された際に、この指定位置に対応する利用情報を読み出して表示出力するようにしたから、利用位置のほかに利用情報も合わせて確認することができ、過去の利用状況を詳細に知ることができる。
なお、この場合、利用情報を地図画面上に挿入表示したり、別ウインドウを開いて表示するようにしてもよい。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有するほか、現在位置近傍の利用位置を特定し、この特定位置と現在位置とを含む周辺地図を表示出力すると共に、この地図画面上に特定位置を識別表示するようにしたから、表示対象(案内対象)となるのは過去に利用した全ての利用位置ではなく、現在位置周辺で過去に利用したことがある利用位置に限ることができ、近辺利用による便利さから再度の利用に役立てることができる。
【0018】
この場合、特定された現在位置近傍の利用位置と現在位置とを地図画面上に識別表示するようにしたから(請求項4記載の発明)、現在位置とその近傍の利用位置とを即座に確認することができる。
また、前記現在位置近傍の利用位置として地図画面上に識別表示されている複数の利用位置のうち、任意の利用位置が指定された際に、この指定位置と現在位置との間の実距離を算出して表示出力するようにしたから(請求項5記載の発明)、現在位置からその近傍の利用位置に出向く際の目安(案内情報)を得ることができ、さらに利便性を高めることが可能となる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有するほか、電子マネーを利用した取引に関する利用情報とその利用位置とを対応付けて記憶管理する利用履歴記憶手段内の利用情報をキーとして検索する検索範囲が任意に指定された際に、指定された検索範囲に該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示するようにしたから、検索範囲の任意指定によって所望する利用位置を地図上に案内することができる。
【0020】
すなわち、電子マネーを利用した取引日時、取引金額、取引店舗、取引商品のうち、少なくともその何れかを利用情報として記憶管理する利用履歴記憶手段を検索する検索範囲として、利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルのうち、少なくともその何れかが指定された際に、指定された利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルに基づいて利用履歴記憶手段を検索することによって該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示するようにしたから(請求項7記載の発明)、たとえば、検索範囲が利用日時範囲であれば、先月分の利用、昨年度分の利用などを取引日時をキーとして検索することができ、また、利用金額範囲であれば、1取引で1万円〜3万円の利用などを取引金額をキーとして、利用店舗ジャンルであれば、飲食店での利用などを取引店舗をキーとして、利用商品ジャンルであれば、衣料品購入時の利用などを取引商品をキーとして検索することができ、検索範囲の任意指定によって所望する利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンル別に地図上にその利用位置を案内することができる。
【0021】
この場合、地図画面上に利用位置を識別表示する際に、この利用位置対応の利用情報に含まれている取引店舗を当該利用位置に配置表示するようにしたから(請求項8記載の発明)、たとえば、店舗名、店舗ジャンルのシンボルマークなどを利用位置に配置表示することができ、利用店舗を容易に想起することが可能となる。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有するほか、利用位置と利用情報とを対応付けて記憶管理している状態において、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容を判別し、この判別結果に基づいてその表示形態を変更するようにしたから、何処でどのような利用をしたかを一目で分かるようになる。たとえば、「商品ジャンル(1)」、「商品ジャンル(2)」のように商品の種類に基づいてその利用位置の表示色を変更するようにすれば、この表示形態から商品の種類を確認することが可能となる。
なお、利用位置の表示形態を利用情報の内容に基づいて変更する場合、地図上の利用位置に配置表示されるマークの形状、種類を変更するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施例1)
以下、図1〜図6を参照して本発明の第1実施例を説明する。
この実施例は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、携帯電話装置の外観図であり、(A)は、折り畳み型の装置本体を開いた状態での正面図、(B)は、その状態での背面図である。
この携帯電話装置は、二次電池(図示せず)を主電源として動作するもので、電話機能、メール機能、カメラ撮影機能、インターネット接続機能以外の付加機能として、非接触ICカード機能などが装備されている。この携帯電話装置の正面側には、図1(A)に示すように、キー操作部1、メイン表示部2のほか、電話機能を構成する音声スピーカ3およびマイクロホン4などが設けられている。また、携帯電話装置の背面側には、図1(B)に示すように、サブ表示部5、カメラ撮影機能を構成する撮影レンズ6およびフラッシュ用LED7、着信報知機能を構成する報知用LED8および報知用スピーカ9のほか、アンテナ10、録音用のマイクロホン(録音マイク)11などが設けられている。
【0024】
キー操作部1は、押しボタン式の各種のキーを備え、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、キー操作部1には、たとえば、動作モード(メールモード、カメラモードなど)に切り換えるモードキーと、電源をON/OFFしたり、通話を切るオンフック操作時に使用される電源キーと、通話を開始するオフフック操作時に使用される開始キー、電話番号を入力するほかに電話帳登録時あるいはメール作成時に文字データを入力するダイヤルキーと、4方向に対応してメニュー項目などを選択する方向キーと、方向キーで選択された項目を決定するときなどに使用される決定キーを有している。なお、決定キーは、撮影モードでは、シャッターボタン/録画ボタンとして機能する。メイン表示部2は、折り畳み式の装置本体を開いた状態において、文字情報、画像情報などを高精細に表示可能な主画面であり、サブ表示部5は、折り畳み式の装置本体を折り畳んだ状態において、現在時刻、メッセージなどを案内表示する背面側の画面である。
【0025】
図2は、このカメラ付き携帯電話装置の基本的構成要素を示したブロック図である。
CPU21は、記憶部22内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部22は、不揮発性メモリ(内部メモリ)であり、たとえば、ROM(フラッシュメモリなど)によって構成され、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図5および図6に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。メモリ(たとえば、RAM)23は、ワーク領域を有する内部メモリであり、また、メモリカード24は、着脱自在な記録メディアであり、たとえば、スマートメディア、ICカードなどによって構成され、メモリ23との間において画像データなどの授受が行われる。
【0026】
CPU21には、通信データ処理部25、オーディオインターフェイス26が接続されており、アンテナ10からの受信電波が無線部27によって検波、復調されると共にデジタル変換されて通信データ処理部25に与えられると、通信データ処理部25は、電話呼出、メール受信、インターネット受信かを判別し、電話呼出あるいはメール受信であれば、CPU21は、音源IC部28に設定されている着信音を読み出してアンプ(AMP)29に与え、報知用スピーカ9から着信音を発生出力させると共に、表示制御部30を介して報知用LED8を点滅駆動させる。
【0027】
また、CPU21は、電話呼び出しであれば、オフフック操作に応じて電話相手先との接続が確立されると、通信データ処理部25からの音声データをオーディオインターフェイス26を介して音声スピーカ3から発生出力させる。この場合、マイクロホン4からの入力音声は、オーディオインターフェイス26、通信データ処理部25を介して無線部27に与えられてアナログ変換されると共に変調された後にアンテナ10から発信出力される。また、CPU21は、メール受信であれば、受信メールを通信データ処理部25から取り込んでメールボックス(図示せず)に格納する。また、CPU21には、その入出力周辺デバイスであるキー操作部1が接続されていると共に、表示制御部30を介してメイン表示部2、サブ表示部5、報知用LED8が接続され、さらに、カメラ撮像部31、非接触ICカード処理部32、GPS(Global Positioning System)受信部33が接続されている。
【0028】
非接触ICカード処理部32は、電子マネー支払い機能として利用されるもので、専用CPU32A、メモリ部32B、コイルアンテナ部32Cを有し、外部端末装置としてのICカードリーダライタ40付き取引端末装置との間で微弱電波によって近距離通信が行われる。メモリ部32Bは、たとえば、フラッシュメモリなどによって構成され、電子マネー残高メモリなどを有している。なお、コイルアンテナ部32Cは、電波を送受信するもので、ICカードリーダライタ40からの受信電波によって電磁誘導される起電力を非接触ICカード処理部32の動作電力として利用するようにしているが、携帯電話側の電源部から非接触ICカード処理部32の動作電力を得るようにしてもよい。そして、この非接触ICカード処理部32は、電子マネー支払い機能として利用される場合に、ICカードリーダーライタ40付き取引端末装置との間で電子マネー支払い処理を実行し、電子マネー残高を更新すると共に、今回取引分の利用情報を受信取得する。
【0029】
GPS受信部33は、衛星と地上の制御局を利用し、複数の衛星からの電波の到着時間の差から厳密に測定された現在位置(経緯度)を受信するもので、CPU21は、たとえば、1分間隔毎にGPS受信部33をアクセスしてGPS測定位置を受信取得しながら現在のユーザ位置(携帯電話端末装置の位置)を監視するようにしている。なお、この実施例においては、GPS受信部33を使用したが、地上系の複数局に対する電波の到着時間の差あるいは位置関係などからユーザの現在位置を測定するようにしてもよい。
【0030】
図3は、電子マネー利用履歴データベースDBのレコード構造を示した図である。
この利用履歴データベースDBは、携帯電話側のメモリ23内に記憶管理されており、非接触ICカード処理部32と外部端末装置であるICカードリーダーライタ40付きの取引端末装置との間で電子マネー支払い処理が実行される毎に、CPU21は、今回取引分の利用情報と利用位置とを対応付けた利用レコードを生成し、この生成レコードを利用履歴データベースDBに追加登録するようにしている。この利用レコードは、「日時」、「金額」、「商品名」、「商品ジャンル」、「店舗名」、「店舗ジャンル」、「位置」の各項目を有する構成となっている。
【0031】
この場合、電子マネー支払い処理の実行時において「日時」、「金額」、「商品名」、「商品ジャンル」、「店舗名」、「店舗ジャンル」は、ICカードリーダーライタ40付き取引端末装置から受信取得した利用情報であり、取引日時、取引金額、取引商品、取引店舗を示している。また、「位置」は、GPS受信部33から受信取得した現在の店舗位置(利用位置)を示している。利用履歴データベースDBの内容は、ユーザ指示に応じて任意に閲覧可能なもので、CPU21は、ユーザ操作によって利用履歴の閲覧が指示された際に、利用履歴データベースDBをアクセスしてその内容をメイン表示部2に表示出力させるようにしている。
【0032】
図4(A)は、現在位置周辺の地図画面上において過去に電子マネーを利用したことがある店舗の所在位置を識別表示した状態を示した図である。
ここで、ユーザ操作によって利用履歴を地図表示すべきことを示すマップ表示が指示された際に、CPU21は、GPS受信部33から現在位置を受信取得すると共に、インターネット接続機能を作動させて現在位置周辺の地図情報を受信取得してメイン表示部2に表示出力させた後に、利用履歴データベースDBから読み出した「利用位置」をこの地図画面上に識別表示させる。なお、この地図画面上において、図中、「星印」は、現在位置を示すマークである。また、「○印」は、利用履歴データベースDBから読み出した「利用位置」を示し、現在位置の周辺に点在していて過去に電子マネーを利用したことがある店舗の所在位置を示すマークである。
【0033】
次ぎに、この第1実施例における携帯電話装置の動作概念を図5および図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施例においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0034】
図5および図6は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU21は、待ち受け状態において所定の待ち受け画像を読み出して表示出力させると共に(ステップA1)、電話あるいはメールの着信有無をチェックし(ステップA2)、電話着信あるいはメール着信を検出すると、着信対応処理を実行して報知用スピーカ9から着信音を出力させると共に報知用LED8を点滅駆動させるほか、通話処理あるいは受信メール格納処理を実行する(ステップA3)。
【0035】
また、ICカード処理部32が受信電波を検出したかに基づいて電子マネーの利用時かをチェックし(ステップA4)、電子マネーの利用時でなければ、ユーザから利用履歴の閲覧指示を受けたかをチェックし(ステップA5)、閲覧指示がなければ、キー入力部1上の何れかのキーが操作されたかをチェックする(ステップA6)。ここで、キー操作を検出した際には、この操作キー対応の処理として、たとえば、メール作成処理、電話帳登録処理などの実行に移る(ステップA7)。
【0036】
ここで、買い物会計時に携帯電話装置をICカードリーダライタ40付き取引端末装置に接近させた際に、ICカード処理部32がICカードリーダーライタ40からの受信電波を検出すると(ステップA4でYES)、取引端末装置から今回取引分の利用金額を受信した後(ステップA8)、電子マネー残高を読み出して今回取引分の利用金額と比較することによって(ステップA9)、電子マネーで支払い可能か否かを調べる(ステップA10)。ここで、利用金額が電子マネー残高を超えている場合には、残高不足を示す支払い不可能応答を取引端末装置に対して行うと共に(ステップA11)、アラーム音を発生させるが(ステップA12)、電子マネーで支払い可能であれば、取引端末装置に支払い可能であることを示すOK応答を行う(ステップA13)。
【0037】
これによって取引端末装置から送信されて来た利用情報「日時」、「金額」、「商品名」、「商品ジャンル」、「店舗名」、「店舗ジャンル」を受信取得すると共に(ステップA14)、電子マネー残高から利用金額を減額更新した後(ステップA15)、CPU21は、GPS受信部33から現在位置を受信取得する(ステップA16)。そして、取引端末装置から取得した利用情報と受信部33から取得した現在位置を対応付けた利用レコードを生成して利用履歴データベースDBに追加登録する(ステップA17)。以下、電子マネーを利用する毎に、上述の動作が繰り返される結果、利用履歴データベースDBには、1取引毎に利用レコードが順次登録される。
【0038】
一方、ユーザから利用履歴の閲覧指示を受けた場合には(ステップA5でYES)、利用履歴の表示形式を選択するメニューをメイン表示部2に表示出力させる(ステップA18)。このメニュー画面には、利用履歴の表示形式として「1:テーブル一覧」、「2:利用マップ」の項目が表示されており、「1:テーブル一覧」のメニュー項目が選択指定された場合には(ステップA19でNO)、利用履歴データベースDBの内容を読み出して表形式で一覧表示するが(ステップA21)、「2:利用マップ」のメニュー項目が選択指定された場合には(ステップA19でYES)、利用マップ表示処理の実行に移る(ステップA20)。
【0039】
図6は、図5で示した利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU21は、GPS受信部33を作動させて現在位置を受信取得すると共に(ステップB1)、利用履歴データベースDBを構成する各利用レコード内の「位置」と現在位置とを比較することによって現在位置近傍の「位置」を含む利用レコードを全て抽出する(ステップB2)。なお、現在位置近傍の利用位置とは、現在位置を基準として、たとえば、半径500m、半径5kmのように予め決められている距離範囲内に該当する利用位置を示しているが、この距離範囲は徒歩移動か乗り物移動かに応じて任意に設定可能となっており、CPU21は、現在位置を基準として任意設定の距離範囲内に含まれる全ての利用位置を抽出する。
【0040】
そして、インターネット接続を行って地図提供サイトから地図情報を受信取得するが、その際、各利用位置と現在位置とを全て含むような縮尺の地図情報を取得して(ステップB3)、メイン表示部2に表示出力させる(ステップB4)。すなわち、現在位置を基準として、この現在位置から最も遠い利用位置が表示画面内に収まるような地図を表示出力させる。次ぎに、この地図画面上に全ての利用位置と現在位置とを明示するためにそれらを識別表示させる(ステップB5)。この場合、図4(A)に示すように、現在位置は「星印」でマーク表示され、この現在位置の周辺に点在している利用位置(店舗の所在位置)は「○印」でマーク表示される。
【0041】
この地図画面上において、任意の利用位置(店舗位置)がカーソル指定された場合には (ステップB6でYES)、この指定位置に対応の利用レコードを選択し(ステップB7)、この選択レコードから利用情報としての「日時」、「金額」、「商品名」、「店舗名」を抽出して利用情報ウインドウ内に配置表示させる(ステップB8)。そして、現在位置と指定された利用位置との経緯度情報に基づいてその間の実距離を算出し(ステップB9)、この実距離を利用情報ウインドウ内に配置表示させる(ステップB10)。なお、この場合、利用情報ウインドウ画面は、地図画面上に重ね合わせて表示されるが、地図画面から利用情報ウインドウ画面に切り換えるようにしてもよい。
【0042】
図4(B)は、利用情報ウインドウ画面の内容を示した図で、このウインドウ画面には、「店舗名」、「利用日時」、「商品名」、「利用金額」の順で利用情報が案内表示されると共に、現在位置から任意に指定した利用位置(店舗の所在位置) までの実距離が案内表示される。
この状態において、地図画面内に設けられているタッチ式の戻りボタン(図示せず)が操作されると(ステップB11)、上述の地図画面に戻り(ステップB4)、以下、地図画面上の任意の利用位置(店舗位置)がカーソル指定される毎に、利用情報ウインドウ画面が表示される。そして、ユーザ操作によって地図表示の終了が指示されると(ステップB12)、この利用マップ表示処理の終了となる。
【0043】
以上のように、この第1実施例においては、電子マネーを利用した地点の現在位置を電子マネーの利用位置としてGPS受信部33から受信取得して利用履歴データベースDBに記憶管理している状態において、CPU21は、メイン表示部2に地図を表示出力させると共に、この地図画面上に利用履歴データベースDBから読み出した利用位置を識別表示するようにしたから、電子マネーを何処で利用したかを容易に把握することができる。したがって、過去に電子マネーを利用したことがある店舗の所在位置を失念したり、思い出せないような場合でも、その都度、電子マネー利用履歴の一覧表示画面から所望する店舗名を捜し出したり、ユーザ操作によってインターネットに接続する必要はなく、地図上で店舗の所在位置を直接的に把握することが可能となるほか、電子マネーの利用履歴、買い物などの行動履歴を地図上で把握することも可能となる。
【0044】
また、CPU21は、電子マネーの利用時にICカード処理部32を介して電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得すると共に、インターネットを介して現在位置(利用位置)を受信取得し、この利用情報と利用位置とを対応付けて利用履歴データベースDBに記憶管理している状態において、地図画面上の任意の利用位置が指定された際に、この指定位置に対応する利用情報を利用履歴データベースDBから読み出して表示出力するようにしたから、利用位置のほかに利用情報をも確認することができ、過去の利用状況の詳細を知ることができる。
【0045】
この場合、現在位置近傍の利用位置を特定すると共に、この特定した利用位置と現在位置とを含む地図画面上に特定した利用位置を識別表示するようにしたから、表示対象(案内対象)となるのは過去に利用した全ての利用位置ではなく、現在位置周辺で過去に利用したことがある利用位置に限ることができ、近辺利用による便利さから再度の利用に役立てることができる。また、特定した利用位置と現在位置とを地図画面上に識別表示するようにしたから、現在位置とその近傍の利用位置とを即座に確認することができる。
さらに、現在位置近傍の利用位置として、地図画面上に識別表示されている複数の利用位置のうち、任意の利用位置が指定された際に、この指定位置と現在位置との間の実距離を算出して表示出力するようにしたから、現在位置からその近傍の利用位置に出向く際の目安(案内情報)を得ることができ、さらに利便性を高めることが可能となる。
【0046】
なお、上述した第1実施例においては、買い物会計時に携帯電話装置は、ICカード処理部32がICカードリーダーライタ40からの受信電波を検出すると、取引端末装置から今回取引分の利用金額を受信した後、電子マネー残高を読み出して今回取引分の利用金額と比較することによって電子マネーで支払い可能か否かを調べ、利用金額が電子マネー残高を超えている場合には、残高不足を示す支払い不可能応答を取引端末装置に対して行い、電子マネーで支払い可能であれば、電子マネー残高から利用金額を減額更新するようにしたが、取引端末装置側で電子マネー残高を受信取得して今回取引分の利用金額を減額更新し、この更新後の電子マネー残高をICカード処理部32に送信するようにしてもよい。
【0047】
また、上述した第1実施例においては、携帯電話装置の本体側のメモリ23に利用履歴データベースDBを記憶管理するようにしたが、非接触ICカード処理部32に利用履歴メモリが設けられている場合には、CPU21は、非接触ICカード処理部32をアクセスしてこの利用履歴メモリから利用情報として「日時」、「金額」、「商品名」、「店舗名」を読み出すようにしてもよい。この場合、CPU21は、電子マネーが利用される毎に現在位置を利用位置として記憶保持しておき、非接触ICカード処理部32側の利用履歴メモリに書き込まれた今回取引分の利用情報と当該利用位置とをリンク情報(取引Noなど)によって対応付けるようにすればよい。
(実施例2)
【0048】
以下、この発明の第2実施例について図7および図8を参照して説明する。
なお、上述した第1実施例においては、現在位置の周辺で過去に利用したことがある利用位置を地図画面上に案内表示するようにしたが、この第2実施例においては、たとえば、先月分の利用、1取引で1万円〜3万円内の利用、飲食店での利用などのように任意指定の範囲内での利用位置を地図画面上に案内表示するようにしたものである。すなわち、利用履歴データベースDBを検索する検索範囲として、日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンルのうち、その何れかが指定された際に、指定された日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンルに基づいて利用履歴データベースDBを検索することによって該当する利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を地図画面上に識別表示するようにしたものである。
ここで、両実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0049】
図7は、第2実施例における利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャートである。なお、この第2実施例において、この利用マップ表示処理以外の動作は第1実施例と同様である。
先ず、CPU21は、利用マップ表示処理が起動されると、図8に示す参照メニューを表示出力させる(ステップC1)。この参照メニューは、図示のように利用履歴データベースDB内の利用情報をキーとして検索する検索範囲を示すためのメニューを一覧表示するもので、「1:日時範囲」、「2:商品ジャンル」、「3:金額範囲」、「4:店舗ジャンル」、「0:終了」の各項目を有し、ユーザ操作によって参照メニュー画面の中から任意のメニュー項目が選択されると、CPU21は、選択されたメニュー内容を判別する。いま、「1:日時範囲」の項目が選択された場合に(ステップC2でYES)、たとえば、今日から1週間前、1ヶ月前、3ヶ月前のような任意の日時範囲が入力指定されると (ステップC3)、指定された日時範囲に基づいて利用履歴データベースDBを検索し、この日時範囲に該当する「日時」を持つ全ての利用レコードを抽出する(ステップC4)。
【0050】
また、「2:商品ジャンル」の項目が選択された場合には(ステップC5でYES)、商品ジャンルのメニュー画面を表示出力させた後(ステップC6)、このメニュー画面の中から任意の商品ジャンル(たとえば、衣料品、酒類など)が選択されると(ステップC7)、この商品ジャンルに基づいて利用履歴データベースDBを検索し、この商品ジャンルに該当する「商品ジャンル」を持つ全ての利用レコードを抽出する(ステップC8)。また、「3:金額範囲」の項目が選択された場合に(ステップC9でYES)、 たとえば、1000円〜5000円のような任意の金額範囲が入力指定されると (ステップC10)、指定された金額範囲に基づいて利用履歴データベースDBを検索し、この金額範囲に該当する「金額」を持つ全ての利用レコードを抽出する(ステップC11)。
【0051】
また、CPU21は、「4:店舗ジャンル」の項目が選択された場合には(ステップC12でYES)、店舗ジャンルのメニュー画面を表示出力させた後(ステップC13)、このメニュー画面の中から任意の店舗ジャンル(たとえば、衣料品店、酒店など)が選択されると(ステップC14)、この店舗ジャンルに基づいて利用履歴データベースDBを検索し、この店舗ジャンルに該当する「店舗ジャンル」を持つ全ての利用レコードを抽出する(ステップC15)。
【0052】
このようにして利用レコードが抽出されると、インターネット接続を行って地図提供サイトから地図情報を受信取得するが、その際、各抽出レコード内の「位置」を全て含むような縮尺の地図情報を取得し(ステップC17)、メイン表示部2に表示出力させた後(ステップC18)、この地図画面上に全ての利用位置をマーク表示させる(ステップC19)。この場合、各抽出レコード内の「店舗名」あるいは「店舗ジャンル」を読み出し、この「店舗名」あるいは「店舗ジャンル」を想起可能なシンボルマークを該当する利用位置に配置表示するようにしている。
【0053】
すなわち、「店舗名」/「店舗ジャンル」に対応してそのシンボルマークを記憶管理するマークテーブル(図示せず)を設け、抽出した各レコードから読み出した「店舗名」/「店舗ジャンル」に基づいて当該マークテーブルを検索するようにしている。ここで、地図画面内に設けられているタッチ式の戻りボタン(図示せず)が操作された否かをチェックし(ステップC20)、戻りボタンが操作された場合には、参照メニュー画面に戻り(ステップC1)、上述の動作が繰り返される。また、図8で示した参照メニューの「0:終了」の項目が選択された場合には(ステップC16でYES)、この利用マップ処理の終了となる。
【0054】
以上のように、この第2実施例においてCPU21は、利用履歴データベースDBを検索する検索範囲として、日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンルのうち、その何れかが指定された際に、指定された日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンルに基づいて利用履歴データベースDBを検索することによって該当する利用レコードを抽出し、この抽出レコード内の利用位置を地図画面上に識別表示するようにしたから、たとえば、先月分の利用、1取引で1万円〜3万円内の利用、飲食店での利用などのように任意指定の範囲内での利用位置を地図画面上に案内表示することができる。
【0055】
この場合、地図画面上に利用位置を識別表示する際に、この利用位置対応の利用レコードから「店舗名」あるいは「店舗ジャンル」を読み出し、この「店舗名」あるいは「店舗ジャンル」を示すシンボルマークを該当する利用位置に配置表示するようにしたから、利用店舗を容易に想起することが可能となる。
【0056】
なお、上述した第2実施例においては、地図表示する際に、現在位置との関連性については言及しなかったが、上述した第1実施例と同様に、現在位置との関連において地図表示を行うようにすれば、現在位置周辺で過去に利用したことがある利用位置が多数存在しているような場合、その中から任意指定の日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンルに該当する利用位置のみに絞り込むことができる。
(実施例3)
【0057】
以下、この発明の第3実施例について図9および図10を参照して説明する。
なお、上述した第2実施例においては、利用履歴データベースDB内の利用情報をキーとして検索する検索範囲が任意に指定された際に、指定された検索範囲に該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を地図画面上に識別表示するようにしたが、この第3実施例においては、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容に基づいてその表示形態を変更するようにしたものである。たとえば、「商品ジャンル(1)」、「商品ジャンル(2)」のように商品の種類に基づいてその利用位置の表示色を変更するようにしたものである。
ここで、第1〜第3実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0058】
図9(A)〜(D)は、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容に基づいてその表示形態を変更するために日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンル毎に設けられている日時範囲テーブルT1、商品ジャンルテーブルT2、金額範囲テーブルT3、店舗ジャンルテーブルT4の内容を示した図である。
日時範囲テーブルT1は、図9(A)に示すように「今日〜1週間前」、「1週間前〜1ヶ月前」、「1ヶ月前〜3ヶ月前」、‥‥、「6ヶ月以上前」に対応してそれぞれ異なる表示色を定義するテーブルである。商品ジャンルテーブルT2は、図9(B)に示すように商品ジャンル(1)、(2)、‥‥、に対応してそれぞれ異なる表示色を定義するテーブルであり、金額範囲テーブルT3は、図9(C)に示すように「1円〜500円」、「501円〜1000円」、‥‥、に対応してそれぞれ異なる表示色を定義するテーブル、店舗ジャンルテーブルT4は、図9(D)に示すように店舗ジャンル(1)、(2)、‥‥、に対応してそれぞれ異なる表示色を定義するテーブルである。
【0059】
図10は、第3実施例における利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャートである。なお、この第3実施例において、この利用マップ表示処理以外の動作は第1実施例と同様である。
先ず、CPU21は、利用マップ表示処理が起動されると、図8に示す参照メニューを表示出力させた後(ステップD1)、この参照メニュー画面内の任意の項目を選択する操作が行われるまで待機状態となる(ステップD2)。ここで、メニュー選択操作が行われると、「0:終了」以外のメニュー項目が選択されたか否かを判別し(ステップD3)、「1:日時範囲」、「2:商品ジャンル」、「3:金額範囲」、「4:店舗ジャンル」の何れかが選択された場合には、利用履歴データベースDB内の全レコードから「位置」を読み出した後(ステップD4)、インターネット接続を行って地図提供サイトから地図情報を受信取得するが、その際、各レコード内の「位置」を全て含むような縮尺の地図情報を取得して表示出力させる(ステップD5)。
【0060】
ここで、参照メニュー画面上で選択されたメニュー項目が「1:日時範囲」であれば(ステップD6でYES)、利用履歴データベースDBの先頭から1レコードを指定すると共に、この指定レコード内から「日時」および「位置」を読み出す(ステップD7)。そして、日時範囲テーブルT1から「日時」に該当する表示色を選択した後(ステップD8)、この「位置」に対応する地図画面上の利用位置に当該表示色のマークを配置表示する(ステップD9)。そして、利用履歴データベースDB内の全レコードに対する処理が終わるまで(ステップD10)、次ぎのレコードを指定しながら上述の動作を繰り返す(ステップD7〜D10)。
【0061】
また、参照メニュー画面上で選択されたメニュー項目が「2:商品ジャンル」であれば(ステップD11でYES)、利用履歴データベースDBの先頭から1レコードを指定すると共に、この指定レコード内から「商品ジャンル」および「位置」を読み出す(ステップD12)。そして、商品ジャンルテーブルT2から「商品ジャンル」に該当する表示色を選択した後(ステップD13)、この「位置」に対応する地図画面上の利用位置に当該表示色のマークを配置表示する(ステップD14)。そして、利用履歴データベースDB内の全レコードに対する処理が終わるまで(ステップD15)、次ぎのレコードを指定しながら上述の動作を繰り返す(ステップD11〜D15)。
【0062】
同様に、参照メニュー画面上で選択されたメニュー項目が「3:金額範囲」であれば(ステップD16でYES)、利用履歴データベースDBの各レコードから「金額」および「位置」を読み出し(ステップD17)、金額範囲テーブルT3から「金額」に該当する表示色を選択した後(ステップD18)、この「位置」に対応する地図画面上の利用位置に当該表示色のマークを配置表示する処理(ステップD19)を1レコード毎に繰り返す(ステップD16〜D20)。また、選択されたメニュー項目が「4:店舗ジャンル」であれば(ステップD16でNO)、利用履歴データベースDBの各レコードから「店舗ジャンル」および「位置」を読み出し(ステップD21)、店舗ジャンルテーブルT4から「店舗ジャンル」に該当する表示色を選択した後(ステップD22)、この「位置」に対応する地図画面上の利用位置に当該表示色のマークを配置表示する処理(ステップD23)を1レコード毎に繰り返す(ステップD21〜D24)。
【0063】
このように参照メニュー画面上で任意に選択されたメニュー項目に応じて地図画面上に各利用位置をマーク表示する処理が終了すると、この地図画面内に設けられているタッチ式の戻りボタン(図示せず)が操作されたか否かをチェックし(ステップD25)、戻りボタンが操作された場合には、参照メニュー画面に戻り(ステップD1)、上述の動作が繰り返される。また、参照メニュー画面上の「0:終了」の項目が選択された場合には(ステップD3でNO)、この利用マップ処理の終了となる。
【0064】
以上のように、この第3実施例においてCPU21は、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容を判別し、この判別結果に基づいてその表示形態を変更するようにしたから、何処でどのような利用をしたかを一目で分かるようになる。すなわち、地図上の各利用位置は、参照メニューから「1:日時範囲」が選択された際には「今日〜1週間前」、「1週間前〜1ヶ月前」、「1ヶ月前〜3ヶ月前」、‥‥、「6ヶ月以上前」毎にそれぞれ異なる表示色でマーク表示され、「2:商品ジャンル」が選択された際には、商品ジャンル(1)、(2)、‥‥毎にそれぞれ異なる表示色でマーク表示され、「3:金額範囲」が選択された際には、「1円〜500円」、「501円〜1000円」、‥‥毎にそれぞれ異なる表示色でマーク表示され、「4:店舗ジャンル」が選択された際には、店舗ジャンル(1)、(2)、‥‥毎にそれぞれ異なる表示色でマーク表示されるので、「日時範囲」「商品ジャンル」、「金額範囲」、「店舗ジャンル」毎に、何処でどのような利用をしたかを一目で知ることができる。
【0065】
上述した第3実施例においては、地図画面上の利用位置の表示形態をその利用情報の内容に基づいて変更する際に、表示色を変更するようにしたが、マークの形状、種類を変更するようにしてもよい。また、利用履歴データベースDBの内容を集計し、その集計結果に基づいて利用位置の表示形態を変更するようにしてもよい。たとえば、利用頻度、利用回数、利用合計金額などを集計し、利用頻度が高い利用位置、利用回数、利用合計金額が多い利用位置が明示可能となるようにその位置を他の位置と区別する表示形態に変更するようにしてもよい。
【0066】
また、上述した第1〜第3実施例においては、インターネット接続を行って地図提供サイトから必要な地図情報を受信取得するようにしたが、たとえば、携帯電話装置にDVD(Digital Video Disc)あるいは小型ハードディスクを内蔵したり、着脱自在に設け、このDVDあるいは小型ハードディスクに全国の地図情報が格納されている場合には、このDVDあるいは小型ハードディスクをアクセスして必要な地図情報を読み出し取得するようにしてもよい。
【0067】
その他、上述した第1〜第3実施例においては、携帯電話装置に限らず、たとえば、電子マネー支払い機能付きのPDA、電子カメラ、電子腕時計、音楽再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
また、電子マネー支払い機能としては、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードなどであってもよい。
【0068】
一方、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、現在位置を取得する機能と、電子マネーの利用地点の現在位置を電子マネーの利用位置として記憶管理する機能と、地図情報を取得する機能と、この地図情報を表示出力すると共に、電子マネーの利用位置を当該地図画面上に識別表示する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】携帯電話装置の外観図で、(A)は、折り畳み型の装置本体を開いた状態での正面図、(B)は、その状態での背面図。
【図2】携帯電話装置の基本的構成要素を示したブロック図。
【図3】電子マネー利用履歴データベースDBのレコード構造を示した図。
【図4】(A)は、過去に電子マネーを利用したことがある店舗の所在位置を地図画面上に識別表示した状態を示した図、(B)は、地図画面上の任意の利用位置がカーソル指定された場合に表示される利用情報ウインドウ画面の内容を示した図。
【図5】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【図6】図5で示した利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャート。
【図7】第2実施例における利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャート。
【図8】第2実施例において、利用マップ表示処理の起動時に表示される参照メニュー画面を示した図。
【図9】(A)〜(D)は、第3実施例において、地図画面上に各利用位置を対応する利用情報の内容に基づいてその表示形態を変更するために、日時範囲、商品ジャンル、金額範囲、店舗ジャンル毎に設けられている日時範囲テーブルT1、商品ジャンルテーブルT2、金額範囲テーブルT3、店舗ジャンルテーブルT4の内容を示した図。
【図10】第3実施例における利用マップ表示処理を詳述するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
1 キー操作部
2 メイン表示部
10 アンテナ
21 CPU
22 記憶部
23 メモリ
25 通信データ処理部
27 無線部
32 非接触ICカード処理部
33 GPS受信部
40 ICカードリーダライタ
DB 利用履歴データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネー支払い機能を構成する非接触ICカード処理部を備えた携帯端末装置であって、
現在位置を取得する位置取得手段と、
電子マネーを利用した地点で前記位置取得手段によって得られた位置情報を電子マネーの利用位置として記憶管理する利用履歴記憶手段と、
地図情報を取得する地図取得手段と、
この地図取得手段によって得られた地図情報を表示出力すると共に、前記利用履歴記憶手段から読み出した電子マネーの利用位置を当該地図画面上に識別表示する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、
前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた電子マネーの利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、
前記地図画面上に利用位置が識別表示されている状態において、任意の利用位置が指定された際に、前記表示制御手段は、この指定位置に対応する利用情報を読み出して表示出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記利用履歴記憶手段に記憶されている複数の利用位置の中から前記位置取得手段によって得られた現在位置近傍の利用位置を特定する特定手段を設け、
前記地図取得手段は、この特定手段によって特定された利用位置と前記位置取得手段によって得られた現在位置とを含む周辺地図を取得し、
前記表示制御手段は、前記地図取得手段によって得られた地図を表示出力すると共に、前記特定手段によって特定された利用位置を地図画面上に識別表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記位置取得手段によって得られた現在位置と前記特定手段によって特定された現在位置近傍の利用位置とを地図画面上に識別表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記現在位置近傍の利用位置として地図画面上に識別表示されている複数の利用位置のうち、任意の利用位置が指定された際に、この指定位置と現在位置との間の実距離を算出する算出手段を設け、
前記表示制御手段は、この算出手段によって算出された実距離を表示出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【請求項6】
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、
前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた電子マネーの利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、
この利用履歴記憶手段内の利用情報をキーとして検索する検索範囲が任意に指定された際に、前記表示制御手段は、指定された検索範囲に該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記利用履歴記憶手段は、電子マネーを利用した取引日時、取引金額、取引店舗、取引商品のうち、少なくともその何れかを利用情報として記憶管理し、
前記検索範囲として利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルのうち、少なくともその何れかが指定された際に、前記表示制御手段は、指定された利用日時範囲、利用金額範囲、利用店舗ジャンル、利用商品ジャンルに基づいて前記利用履歴記憶手段を検索することによって該当する各利用情報を特定し、この各利用情報に対応付けられている利用位置を読み出して地図画面上に識別表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記利用情報取得手段は、電子マネーを利用した取引店舗を含む利用情報を取得し、
前記表示制御手段は、地図画面上に利用位置を識別表示する際に、この利用位置対応の利用情報に含まれている取引店舗を当該利用位置に配置表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置。
【請求項9】
電子マネーを利用した取引に関する利用情報を取得する利用情報取得手段を設け、
前記利用履歴記憶手段は、前記位置取得手段によって得られた利用位置と前記利用情報取得手段によって得られた利用情報とを対応付けて記憶管理し、
前記表示制御手段は、地図画面上に複数の利用位置を識別表示する際に、この利用位置に対応する利用情報の内容を判別し、この判別結果に基づいてその表示形態を変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
現在位置を取得する機能と、
電子マネーの利用地点の現在位置を電子マネーの利用位置として記憶管理する機能と、
地図情報を取得する機能と、
この地図情報を表示出力すると共に、電子マネーの利用位置を当該地図画面上に識別表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−259419(P2006−259419A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78404(P2005−78404)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】